JP4362755B2 - 板状部材の分割方法及び分割装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置や電子部品等のチップを製造する板状部材の分割方法及び分割装置に係り、特に、ウエーハの裏面を研削して所定の厚さに加工した後、レーザー光による改質領域形成加工を行い個々のチップに分割するのに好適な板状部材の分割方法及び分割装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スマートカードに代表される薄型ICカード等に組込まれる極薄のICチップが要求されるようになってきている。このような極薄のICチップは、100μm以下の極薄のウエーハから個々のチップに分割することによって製造されている。
【0003】
このような背景の下に、従来の半導体装置や電子部品等の板状部材の分割方法は、図7のフローチャートに示されるように、先ず表面に半導体装置や電子部品等が多数形成されたウエーハの表面を保護するために、片面に粘着剤を有する保護テープをウエーハ表面に貼る保護テープ貼付工程が行われる(ステップS101)。次いで、ウエーハを裏面から研削して所定の厚さに加工する裏面研削工程が行われる(ステップS103)。
【0004】
裏面研削工程の後、片面に粘着剤を有するダイシングテープを用いてウエーハをダイシング用フレームに取り付けるフレームマウント工程が行われ、ウエーハとダイシング用のフレームとが一体化される(ステップS105)。次いで、この状態でウエーハをダイシングテープ側で吸着し、表面に貼付されている保護テープを剥離する保護テープ剥離工程が行われる(ステップS107)。
【0005】
保護テープが剥離されたウエーハは、フレームごとダイシングソーに搬送され、高速回転するダイヤモンドブレードで個々のチップに切断される(ステップS109)。次いで、エキスパンド工程でダイシングテープが放射状に引き伸ばされて、個々のチップの間隔が広げられ(ステップS111)、チップマウント工程でリードフレーム等のパッケージ基材にマウントされる(ステップS113)。
【0006】
ところが、この従来の板状部材の分割方法では、ウエーハの裏面研削時にウエーハの表面の汚染防止のための保護テープと、ダイシング以後のチップを保持するためのダイシングテープとを必要とし、消耗品費用の増大につながっていた。
【0007】
また、厚さ100μm以下の極薄のウエーハの場合、この従来のダイシングソーで切断する方法では、切断時にウエーハにチッピングや割れ欠けが生じ、良品チップを不良品にしてしまうという問題があった。
【0008】
この切断時にウエーハにチッピングや割れ欠けが生じるという問題を解決する手段として、従来のダイシングソーによる切断に代えて、たとえば、特許文献1〜特許文献6等に記載されたウエーハの内部に集光点を合わせたレーザー光を入射し、ウエーハ内部に多光子吸収による改質領域を形成して個々のチップに分割するレーザー加工方法に関する技術が提案されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−192367号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2002−192368号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2002−192369号公報
【0012】
【特許文献4】
特開2002−192370号公報
【0013】
【特許文献5】
特開2002−192371号公報
【0014】
【特許文献6】
特開2002−205180号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の各特許文献で提案されている技術は、従来のダイシングソーによるダイシング装置に代えて、レーザー光を用いた割断技術によるダイシング装置を提案したもので、切断時にウエーハにチッピングや割れ欠けが生じるという問題は解決するものの、エキスパンド工程において分割がなされない部分を生じたり、分割されるチップの端面形状が不良となる問題点を生じる。
【0016】
図8及び図9は、この現象を説明する概念図である。図8において、ウエーハWの裏面にダイシングテープSが貼付されており、ダイシングテープSの周縁部は枠状のフレームFに固定されている。レーザー光によりウエーハWに碁盤の目状の改質領域Kが形成される。次いで、エキスパンド工程において、ダイシングテープSが伸長され、その結果、ウエーハWが改質領域を起点として分割され、複数のチップTとなる。
【0017】
エキスパンド工程におけるダイシングテープSの伸長は、たとえば、ダイシングテープSのフレームFとウエーハWとの間の輪環状部分に円筒状のリング部材を下から押し上げることによりなされる。
【0018】
図9は、エキスパンド工程におけるウエーハWの分割を説明する概略図であり、(a)は、平面図であり、(b)は、断面図である。同図(b)に示されるように、レーザー光により形成される改質領域Kは、ウエーハWの内部に存在する。図9(a)に示されるように、均等な張力が加えられた場合には、割断は良好に行われる。
【0019】
ところが、エキスパンド工程において、ウエーハWの全面に亘ってダイシングテープSの伸長が均一とならないことが多い。たとえば、割断が既に行われた部分のダイシングテープSが局所的に伸長してしまい、未割断部分のダイシングテープSに張力が加えられない状態が生じる。その結果、未割断部分を生じたり、分割されるチップの端面形状が直線状にならずに不良となることが多い。
【0020】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ウエーハの裏面を研削して所定の厚さに加工した後、レーザー光による改質領域形成加工を行い個々のチップに分割する際に、未割断部分やチッピングや割れ欠けが生じることがなく、端面形状が良好な極薄のチップを確実に製造することのできる板状部材の分割方法及び分割装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、硬脆材よりなる板状部材の表面又は内部に線状の改質領域を形成し、該線状の改質領域に沿って前記板状部材を分割することにより複数枚の基板を得る板状部材の分割方法において、前記板状部材の表面にテープを貼付するテープ貼付工程と、前記テープが貼付された板状部材の表面又は内部に改質領域を形成する改質領域形成工程と、前記改質領域形成工程の後、前記テープに張力を加えて引き伸ばすエキスパンド工程と、を有する板状部材の分割方法であって、前記エキスパンド工程において、先ず板状部材の外周部分に貼付された前記テープに張力を加え、次いで該張力を加えた部分の内周側の板状部材に貼付された前記テープに張力を加え、以降順次、板状部材の内周側に向かって前記テープに張力を加えていくことを特徴とする板状部材の分割方法及びこれに使用する分割装置を提供する。
【0022】
本発明によれば、エキスパンド工程において、板状部材の外周部分に貼付されたテープより板状部材の内周部分に貼付されたテープに向かって張力を及ぼしていく。これにより、ウエーハWの割断は、必ずウエーハWの外周部分より行われ、順次ウエーハWの内周部分に向かって進行する。その結果、未割断部分やチッピングや割れ欠けが生じることがなく、端面形状が良好な極薄のチップを確実に製造することができる。
【0023】
なお、線状の改質領域とあるが、必ずしも連続した線状である必要はなく、点線状のように、断続した線状の改質領域でもよい。このような断続した線状の改質領域でも、同様の効果が得られるからである。
【0026】
また、本発明において、前記エキスパンド工程において、前記テープの板状部材が貼付された面の反対の面の略全面を、表面が略平坦であり、表面の略全面に複数の真空吸引孔が形成されたテーブルに当接させるとともに、前記複数の真空吸引孔より吸引を行い前記テープを前記テーブルに略全面で吸着させ、その状態で前記テープに張力を加えて引き伸ばすとともに、前複数の真空吸引孔のうち、外周部に位置する真空吸引孔より内周部に位置する真空吸引孔に向かって順次吸引を停止させていくことが好ましい。
【0027】
このように、テーブルの真空吸引孔より吸引を行いテープをテーブルに略全面で吸着させ、その状態でテープに張力を加えて引き伸ばすとともに、真空吸引孔のうち、外周部に位置する真空吸引孔より内周部に位置する真空吸引孔に向かって順次吸引を停止させていく。このような構成を採用することにより、板状部材の外周部分に貼付されたテープより板状部材の内周部分に貼付されたテープに向かって張力を及ぼすことができ、本発明の目的がより達成しやすいからである。
【0028】
また、本発明において、前記改質領域形成工程において、前記板状部材にレーザー光を入射させ、前記板状部材の表面又は内部に改質領域を形成することが好ましい。板状部材の表面に線状の改質領域を形成する方法は、ダイシング、スクライビング等の方法でも可能であるが、レーザー光を使用すれば、生産性、ランニングコスト、品質等の各面で優位性が発揮できるからである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って、本発明に係る板状部材の分割方法及び分割装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0030】
図1は、本発明の板状部材の分割方法に係る第1の実施形態を表わすフローチャートである。この第1の実施形態では、先ず、表面側に多数のIC回路が形成されたウエーハの裏面側をテーブルに載置し、次いで、リング状のダイシング用フレームをウエーハの外側に配置する。次いで、上方から片面に紫外線(以下UVと称す)硬化型粘着剤を有するダイシングテープをフレームとウエーハの表面とに貼付し、ウエーハをフレームにマウントする(ステップS11)。この状態でウエーハの表面はダイシングテープで保護されるとともに、フレームと一体化されているので搬送性がよい(以上、テープ貼付工程に相当)。
【0031】
次いで、バックグラインダでウエーハの裏面が研削され所定の厚さ(たとえば50μm)近傍まで加工される。研削の後は、研削時に生成された加工変質層を研磨加工で除去する。ここで用いられるバックグラインダは、研磨機能付きのポリッシュグラインダであり、研削後にウエーハの吸着を解除せずに、そのまま研磨して加工変質層を除去できるので、厚さ30μm程度であっても破損することがない。研磨されたウエーハはバックグラインダに設けられた洗浄、乾燥装置で洗浄され、乾燥される(ステップS13)。
【0032】
次いで、所定の厚さに加工されたウエーハは、研磨機能付きのポリッシュグラインダに組込まれているレーザーダイシング装置で、個々のチップに分割されるべくダイシングされる。ここではウエーハはフレームごとテーブルに吸着され、ダイシングテープを介してウエーハの表面側からレーザー光が入射される。レーザー光の集光点がウエーハの厚さ方向の内部に設定されているので、ウエーハの表面を透過したレーザー光は、ウエーハ内部の集光点でエネルギーが集中し、ウエーハの内部に多光子吸収による改質領域が形成される(以上、改質領域形成工程に相当)。これによりウエーハは分子間力のバランスが崩れ、自然に割断するかあるいは僅かな外力を加えることにより割断されるようになる(ステップS15)。
【0033】
図2は、ポリッシュグラインダに組込まれているレーザーダイシング装置を説明する概念図である。レーザーダイシング装置10は、同図に示されるように、マシンベース11上にXYZθテーブル12が設けられ、ウエーハWを吸着載置してXYZθ方向に精密に移動される。同じくマシンベース11上に設けられたホルダ14にはダイシング用の光学系13が取り付けられている。
【0034】
光学系13にはレーザー光源13Aが設けられ、レーザー光源13Aから発振されたレーザー光はコリメートレンズ、ミラー、コンデンスレンズ等の光学系を経てウエーハWの内部に集光される。ここでは、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/c m2 )以上でかつパルス幅が1μs以下の条件で、ダイシングテープに対して透過性を有するレーザー光が用いられる。なお、集光点の厚さ方向位置は、XYZθテーブル12のZ方向微動によって調整される。
【0035】
また、図示しない観察光学系が設けられており、ウエーハ表面に形成されているパターンを基にウエーハのアライメントが行われ、レーザー光の入射位置が位置決めされる。アライメントが終了すると、XYZθテーブル12がXY方向に移動してウエーハのダイシングストリートに沿ってレーザー光が入射される。
【0036】
図1に示されるステップS15のレーザーダイシングの後は、ダイシングテープを放射状に伸延させ各チップ間の隙間を広げるエキスパンド工程が行われる(ステップS17)。この詳細については、後述する。
【0037】
ダイシングテープがエキスパンドされた状態でダイシングテープ側からUVを照射し、ダイシングテープの粘着剤を硬化させ粘着力を低下させる。なお、このUV照射は、ダイシング工程の最後に行ってもよい。
【0038】
次いで、エキスパンドされた状態で1個のチップがダイシングテープ側から突き上げピンで突き上げられてダイシングテープから剥離され、ピックアップヘッドで吸引され、表裏反転されてチップマウント用のコレットに吸引され、リードフレーム等のパッケージ基材にマウントされる(ステップS19)。チップマウント工程後は、ワイヤボンディング、モールディング、リード切断成形、マーキング等のパッケージング工程が施されICが完成される。以上が第1の実施形態の概略である。
【0039】
次にエキスパンド工程の詳細について説明する。図3は、本発明に係る板状部材の分割方法の第1の実施形態の概要を示す概念図であり、図4は、同じくこの実施形態の異なる状態を示す概念図である。
【0040】
本実施形態に使用される分割装置20は、主として、ダイシングテープSの周縁部を固定する枠状のフレームFと、ダイシングテープSのウエーハW(板状部材)が貼付された面(すなわち、上面)の反対の面(すなわち、下面)の略全面を支持するテーブル22とより構成される。
【0041】
このうち、フレームFは、図8に示される既述のものと略同一のものが使用できる。テーブル22は、平面方向において複数個のブロック22A、22B…に分割されたものが採用され、この複数個のブロック22A、22B…は、個別に昇降移動できるように構成されている。
【0042】
図3及び図4に示されるテーブル22のブロック22A、22B…の分割は一例であり、通常はこれより多数のブロックに分割されるのが一般的である。テーブル22の平面方向におけるブロックの分割形態は、格子状のマトリックスとする形態、同心円の放射状の分割とする形態等、各種の形態が採用できる。但し、ウエーハWの複数のチップTへの分割が、図8に示されるような碁盤の目状の形態である限りにおいては、これと略同様の格子状のマトリックスとする分割形態を採用することが好ましい。
【0043】
テーブル22のブロック22A、22B…を個別に昇降移動させる手段としては、各種の公知の各種直動装置が採用できる。たとえば、ミニチュアエアシリンダ等のシリンダ装置、モータとねじ(シャフトとしての雄ねじと軸受としての雌ねじとの組み合わせ)よりなる直動装置等が採用できる。
【0044】
また、フレームFにも昇降移動させる手段が設けられている(図示略)。この昇降移動手段としても、上述と略同様の直動装置等が採用できる。
【0045】
次に、分割装置20を使用したウエーハWの分割方法について説明する。図3に示される初期状態において、ダイシングテープSのウエーハWが貼付された面の反対の面(下面)の略全面を、テーブル22に、テーブル22の表面を略平坦に維持した状態で当接させるとともに、ダイシングテープSの周縁部の略全周をフレームFで支持しながら、ダイシングテープSをテーブル22に押し当てる。
【0046】
次いで、図4に示されるように、先ずテーブル22の最外周部に位置するブロック22AをダイシングテープSの押し当て方向である下方に退避させ、次いで、ブロック22Aの内周側に位置するブロック22Bを下方に退避させ、以降順次、ウエーハWの内周側に向かって22C、22Dの順でブロックを下方に退避させていく。これにより、ウエーハWの複数のチップTへの分割が進行していく。
【0047】
以上説明した第1の実施形態によれば、エキスパンド工程において、ウエーハWの外周部分に貼付されたダイシングテープSよりウエーハWの内周部分に貼付されたダイシングテープSに向かって張力を及ぼしていく。これにより、ウエーハWの割断は、必ずウエーハWの外周部分より行われ、順次ウエーハWの内周部分に向かって進行する。その結果、未割断部分やチッピングや割れ欠けが生じることがなく、端面形状が良好な極薄のチップを確実に製造することができる。
【0048】
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図5に基いて説明する。この第2の実施形態は前述の第1の実施形態と比べ、エキスパンド工程のみが異なっている。したがって、共通の工程についての詳細な説明は省略する。
【0049】
図5は、本発明に係る板状部材の分割方法の第2の実施形態の概要を示す概念図である。同図に示されるように、本実施形態に使用される分割装置40は、主として、ダイシングテープSの周縁部を固定する枠状のフレームFと、ダイシングテープSのウエーハW(板状部材)が貼付された面(すなわち、上面)の反対の面(すなわち、下面)の略全面を支持するテーブル42とより構成される。
【0050】
このうち、フレームFは、図8に示される既述のものと略同一のものが使用できるし、図6に示される4分割されたフレームFを使用できる。本実施形態においては、図6に示されるフレームFを使用して説明する。同図に示されるように、ダイシングテープSの周縁部を固定するフレームFは4分割されており、分割されたそれぞれのフレームFは、矢印の方向に独立して張力を加えられるようになっている。
【0051】
分割されたそれぞれのフレームFに独立して張力を加えるための機構としては、公知の各種直動装置が採用できる。たとえば、モータとねじ(シャフトとしての雄ねじと軸受としての雌ねじとの組み合わせ)よりなる直動装置が採用できる。
【0052】
なお、図6に示される4分割されたフレームFを使用せず、図8に示される既述のフレームFを使用する場合には、第1の実施形態と同様にフレームFを昇降させてダイシングテープSに張力を加えればよい。
【0053】
テーブル42は、表面(上面)が略平坦であり、表面の略全面に真空吸引孔44、44…が形成されている。真空吸引孔44、44…はテーブル42を貫通しており、テーブル42の下面において、個々の配管46、46…に接続されている。個々の配管46、46…には、開閉を行うバルブ48、48…が設けられており、このバルブ48、48…は個別に図示しない制御手段によりオンオフ制御される。バルブ48、48…の上流側の個々の配管46、46…は、1の共通配管50に合流し、共通配管50は図示しない真空源(真空ポンプ等)に接続されている。
【0054】
次に、分割装置40を使用したウエーハWの分割方法について説明する。先ず、ダイシングテープSのウエーハWが貼付された面(上面)の反対の面(下面)の略全面を、テーブル42に当接させるとともに、真空吸引孔44、44…より吸引を行いダイシングテープSをテーブル42に略全面で吸着させる。この状態では、ダイシングテープSはテーブル42に略全面で密着しており、伸びはない状態にある。
【0055】
その状態で、図5に示されるように、4分割されたフレームFを矢印方向に移動させることにより、ダイシングテープSに張力を加えて引き伸ばすとともに、真空吸引孔44、44…のうち、外周部に位置する真空吸引孔44より内周部に位置する真空吸引孔44に向かって順次吸引を停止させていく。これにより、ダイシングテープSには、外周部分より順次内周部分に向かって張力が加えられていく。これにより、ウエーハWの複数のチップTへの分割が進行していく。
【0056】
以上説明した第2の実施形態によれば、エキスパンド工程において、ウエーハWの外周部分に貼付されたダイシングテープSよりウエーハWの内周部分に貼付されたダイシングテープSに向かって張力を及ぼしていく。これにより、ウエーハWの割断は、必ずウエーハWの外周部分より行われ、順次ウエーハWの内周部分に向かって進行する。その結果、未割断部分やチッピングや割れ欠けが生じることがなく、端面形状が良好な極薄のチップを確実に製造することができる。
【0057】
以上、本発明に係る板状部材の分割方法及び分割装置の実施形態の各例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0058】
たとえば、実施形態の例では、ダイシングテープSが貼付されたウエーハWの表面又は内部に改質領域を形成する改質領域形成工程にレーザーダイシング装置が採用されているが、これ以外の装置、たとえば、ダイシングソーによりウエーハWの表面に改質領域を形成する構成の改質領域形成工程を採用できる。
【0059】
また、実施形態の例では、硬脆材よりなる板状部材としてウエーハWが採用されているが、これ以外の各種硬脆材をも採用できる。たとえば、各種表示素子(LC、EL等)に使用されるガラス基板の分割にも適用できる。このようなガラス基板のスクライビングによる分割では、ガラス切粉の発生によるキズの発生が大きな問題であったが、本発明によれば、この問題の有効な対処が可能である。
【0060】
また、実施形態の例では、厚さ30μm〜100μm程度の極薄のウエーハに加工して極薄のチップを得るという例で説明したが、本発明の板状部材の分割方法は100μm以上のチップに対しても適用することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、エキスパンド工程において、板状部材の外周部分に貼付されたテープより板状部材の内周部分に貼付されたテープに向かって張力を及ぼしていく。これにより、ウエーハWの割断は、必ずウエーハWの外周部分より行われ、順次ウエーハWの内周部分に向かって進行する。その結果、未割断部分やチッピングや割れ欠けが生じることがなく、端面形状が良好な極薄のチップを確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板状部材の分割方法の第1の実施形態の流れを示すフローチャート
【図2】レーザーダイシング装置を説明する概念図
【図3】本発明に係る板状部材の分割方法の第1の実施形態の概要を示す概念図
【図4】本発明に係る板状部材の分割方法の第1の実施形態の概要を示す概念図
【図5】本発明に係る板状部材の分割方法の第2の実施形態の概要を示す概念図
【図6】第2の実施形態における要部を示す斜視図
【図7】従来の板状部材の分割方法の流れを示すフローチャート
【図8】従来のエキスパンド工程を説明する概念図
【図9】従来のエキスパンド工程におけるウエーハの分割を説明する概略図
【符号の説明】
10…レーザーダイシング装置、11…マシンベース、12…XYZθテーブル、13…光学系、13A…レーザー光源、14…ホルダ、20、40…分割装置、22、42…テーブル、F…フレーム、K…改質領域、S…ダイシングテープ、W…ウエーハ(板状部材)

Claims (2)

  1. 硬脆材よりなる板状部材の表面又は内部に線状の改質領域を形成し、該線状の改質領域に沿って前記板状部材を分割することにより複数枚の基板を得る板状部材の分割方法において、
    前記板状部材の表面にテープを貼付するテープ貼付工程と、
    前記テープが貼付された板状部材の表面又は内部に改質領域を形成する改質領域形成工程と、
    前記改質領域形成工程の後、前記テープに張力を加えて引き伸ばすエキスパンド工程と、
    を有する板状部材の分割方法であって、
    前記エキスパンド工程において、前記テープの板状部材が貼付された面の反対の面の略全面を、表面が略平坦であり、表面の略全面に複数の真空吸引孔が形成されたテーブルに当接させるとともに、前記複数の真空吸引孔より吸引を行い前記テープを前記テーブルに略全面で吸着させ、
    その状態で前記テープに張力を加えて引き伸ばすとともに、前複数の真空吸引孔のうち、外周部に位置する真空吸引孔より内周部に位置する真空吸引孔に向かって順次吸引を停止させていくことを特徴とする板状部材の分割方法。
  2. 表面にテープが貼付され、かつ表面又は内部に線状の改質領域が形成された硬脆材よりなる板状部材の前記線状の改質領域に沿って分割することにより複数枚の基板を得る板状部材の分割装置であって、
    前記テープの板状部材が貼付された面の反対の面の略全面が当接される、表面が略平坦であり、表面の略全面に複数の真空吸引孔が形成されたテーブルを備えたエキスパンド手段が設けられ、
    前記エキスパンド手段は前記テープに張力を加えて引き伸ばすとともに、前複数の真空吸引孔のうち、外周部に位置する真空吸引孔より内周部に位置する真空吸引孔に向かって順次吸引を停止させていくことを特徴とする板状部材の分割装置。
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