JP4362191B2 - 冷蔵オープンショーケース - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スーパーマーケット等に設置される、少なくとも前面と一側面との２面が開放された冷蔵オープンショーケースに係り、特に、コーナ部の冷却効果を向上させることができるようにした冷蔵オープンショーケースに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の冷蔵オープンショーケースの中には、前面が開放された直線型のユニットの両端に、前面と一側面が開放されたコーナ型のユニットを連結したものや、このように連結したものを背中合わせに結合したものなどがあり、前者のものは壁面に沿って、また後者のものはフロアの中央に、それぞれ設置される。
【０００３】
上記各ユニットは、天井部の冷気の吹出口から陳列台の下部外周縁の吸込口に冷気を吹き出すことにより、開放面にエアカーテンを形成し、庫内に貯蔵又は陳列した商品を保冷するようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、前面と一側面が開放されたコーナ型のユニットを連結したものにおいては、コーナ部の開放面に十分なエアカーテンが形成されず、その部分に貯蔵又は陳列した商品の冷却効果が低いという問題がある。
【０００５】
この問題を解決するようにした従来のオープンショーケースとして、例えば特許第２８８０４６４号公報に開示されているもののように、冷気の循環ダクト内に大型の冷却器を設けるとともに、送風ファンを複数個設け、コーナ部を冷気が十分に循環するようにして、コーナ部の冷却効果を高めるようにしたものがある。
【０００６】
しかし、この従来のものでは、冷却ユニットそのものの能力を大として冷却効果を高めているため、コストが増大する問題がある。
【０００７】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、簡単かつ安価な構成でコーナ部に陳列した商品の冷却効果を高めることができるようにした冷蔵オープンショーケースを提供することを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵オープンショーケースは、少なくとも前面と一側面とが開放された外ケースと内ケースとの間に、冷却器と送風機とを収容してなる冷気循環経路を形成するとともに、前記前面と一側面側の内ケースに、上下複数段の商品陳列棚を設け、前記冷気循環経路の上部の吹出口から商品貯蔵部の下部外周縁の吸込口に向かって冷気を吹き出し、前記各商品陳列棚の前方にエアカーテンを形成することにより、商品貯蔵部内の商品を保冷するようにした冷蔵オープンショーケースにおいて、前記内ケースにおける前面と一側面とが交わる角部の壁面に、コーナ部に向かって冷気を吹き出す吹出孔を複数個穿設するとともに、コーナ部において前記各段の互いに隣接する商品陳列棚の両側端部を支持する送風ダクトを有するブラケットが係止片を介して取り付けられ、冷気が前記コーナ部の吹出孔と連通する前記係止片側の開口から導入され、送風ダクトを流動してブラケット先端の冷気吐出口からコーナ部取込口に向けて吐出することを特徴としている。
上記構成の本発明によると、冷気循環経路内の冷気が、コーナ部のブラケットに設けた送風ダクトの先端の開口部より、コーナ部取込口に向かって吹き出されるので、十分なエアカーテンをコーナ部に形成し、コーナ部に貯蔵又は陳列した商品を効果的に冷却することができる。従って、従来のように、冷却ユニット能力を増大する必要はなく、コスト的に有利となる。
【０００９】
上記冷蔵オープンショーケースにおいて、前記ブラケットは、所要寸法離間して対向する１対のブラケット単体で構成され、前記送風ダクトは前記１対のブラケット単体間に挟持されているのが好ましい。
このようにすると、送風ダクトをその幅方向の移動を拘束した状態で支持することができる。
【００１０】
上記冷蔵オープンショーケースにおいて、前記ブラケットは、１対のブラケット単体で構成され、前記送風ダクトを前記１対のブラケット単体のいずれか一方に固定するのが好ましい。
このようにすると、隣接する商品陳列棚をブラケット単体と共に単独で着脱したり、上下位置を変更したりすることができ、便利である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図１は本発明の適用された冷蔵オープンショーケースを示す全体斜視図、図２は冷蔵オープンショーケースを示す断面図、図３は冷蔵オープンショーケースのコーナ部を示す一部断面を含む斜視図であり、図４は図２のＡ−Ａ断面図である。
【００１２】
先ず図１及び図２には、本発明の適用された冷蔵オープンショーケース１が示されている。図１、図２における３は内ケース、８は断熱筐体としての外ケース、４は側板であり、これら内ケース３、外ケース８、側板４により前方に開放する保冷庫としての商品陳列用空間部６が構成されており、内ケース３の背面に固着された複数の商品陳列棚７により商品を多段に陳列出来るようになっている。
【００１３】
内ケース３と、その外側に配設される外ケース８との間には、冷気循環経路としての冷気を挿通する挿通路９ｂ、９ｃが前面側と側面側にそれぞれ設けられており、これら前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃ内に設けられる送風機であるファン１０を駆動させ、商品陳列用空間部６の前方下部に設けられる取込口１１から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を冷却器Ｒにより冷却し、図中矢印方向に対流させることで、商品陳列用空間部６内を、冷凍食品や生鮮食料品等を陳列可能な所定温度まで冷却出来るようになっている。
【００１４】
また、商品陳列用空間部６の前方上部に設けられた吐出口１２からは下方の取込口１１に向けて冷気が吐出され、商品陳列用空間部６の前面にエアーカーテンが作り出されるため、商品陳列用空間部６内の冷気の拡散や外部からの熱進入が防止され、商品陳列用空間部６内の温度が一定に保持されるようになっている。
【００１５】
更に、図２、図３に示されるように、冷却器Ｒよりも下流側の前面側挿通路９ｂ内には、ファン１０より圧送された冷気の一部をコーナ部挿通路９ａに向かって流動させる多数の通風孔を穿設したパンチングプレート２が、コーナ部挿通路９ａ側を開放するようにして設けられており、コーナ部近傍の前面側挿通路９ｂ内におけるパンチングプレート２よりも上方を、上下方向を向く仕切板５により仕切ることにより、コーナ部の上下方向を向くコーナ部挿通路９ａとパンチングプレート２下方の前面側挿通路９ｂとが連通するよう構成されている。
【００１６】
そして、商品貯蔵部の下部外周縁のコーナ部には、内側縁の両端が前面及び一側面側の取込口１１の内側端と連なるようにコーナ部取込口１１ａが形成されている。
【００１７】
本発明の実施形態における商品陳列棚７は、図４に示されるように一側面側に設けられた各段の商品陳列棚７の両端縁がコーナ部付近に位置する形状、すなわち平面視相似形の台形状に形成されている。
【００１８】
ここで、図５は本発明に係る商品陳列棚の一側面側に設けられた商品陳列棚の両端縁を支持するブラケットの取付け状態を示す平面図、図６は図５のＢ矢視図であり、図７は本発明の第１実施形態に係るブラケットの斜視図である。
【００１９】
図４に示されるように、例えば、最上段の商品陳列棚７についてみると、この商品陳列棚７は、その後端部が、内側に側面側挿通路９ｃが構成される内ケース３の壁面に、それに穿設した吹出孔と連通するようにコーナ部に支持されたブラケット１６に両端が取付けられている。
【００２０】
更に詳しくは、ブラケット１６は、図７に示されるように、上方が開口する断面コ字状の送風ダクト１６ｃとして一体的に形成され、その後端側には係止片１６ａが形成されて、係止片１６ａ側が冷気の吸入口となる開口が形成される共に先端側には冷気吐出口となる開口部１６ｂが形成される。
【００２１】
一方、図５、図６に示される内ケース３における前面と一側面とが交わるコーナ部には、上下方向を向く隅切り状の斜向面２０ａが形成されたダクト部材２０が設けられ、ダクト部材２０の内側面にはコーナ部の上下方向を向くコーナ部挿通路９ａ及び前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃに連通する図示しない挿通孔が形成されると共に、斜向面２０ａには冷風を吹き出す吹出口１５及び複数の係止孔２０ｂが所定間隔離間して縦列に穿設されている。
【００２２】
このように構成された両ダクト部材２０の斜向面２０ａに形成された特定の係止孔２０ｂには、ブラケット１６後端の係止片１６ａが係止されてブラケット１６の先端が商品貯蔵部下部外周縁の両コーナ部に向けて取付けられる。
【００２３】
次に、前述した冷蔵オープンショーケースの作用につき説明する。
【００２４】
先ず、前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃ内に設けられるファン１０を駆動させることにより、商品陳列用空間部６の前方下部に設けられる取込口１１から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を冷却器Ｒにより冷却し、図２中矢印方向に対流させることで、商品陳列用空間部６内が、冷凍食品や生鮮食料品等を陳列可能な所定温度まで冷却される。
【００２５】
また、前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃ内を挿通した冷気は、商品陳列用空間部６の前方上部の吐出口１２から下方の取込口１１に向けて冷気が吐出され、商品陳列用空間部６の前面にエアーカーテンが形成され、これにより、商品陳列用空間部６内の冷気の拡散や外部からの熱進入が防止され、商品陳列用空間部６内の温度を一定に保持することができる。
【００２６】
ここで、前面側挿通路９ｂ内に設けられたファン１０より圧送された冷気の一部は、上方に配置されているパンチングプレート２の通風孔を介して上方に流動するが、その他の冷気はパンチングプレート２により風路偏向されてコーナ部近傍の開放端側に導かれる。
【００２７】
開放端側からコーナ部挿通路９ａに導かれた冷気と、側面側挿通路に導かれた冷気は、図示しない挿通孔を介して両ダクト部材２０に流入して上昇移動して斜向面２０ａに形成された複数の吹出口１５及び係止孔２０ｂから外部に吹き出されるが、この冷気の一部は、両ダクト部材２０に係止されて上下各段の商品陳列棚７を支持するブラケット１６の係止片１６ａ側の開口から導入して送風ダクト１６ｃ内部を流動し、先端の冷気吐出口となる開口部１６ｂから下方のコーナ部取込口１１ａに向けて吐出する。
【００２８】
このようにすると、コーナ部挿通路９ａ及び前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃ内の冷気が、コーナ部の断面コ字形に形成されたブラケット１６によって形成された送風ダクト１６ｃ先端の開口部１６ｂより、コーナ部に向かって吹き出されるので、コーナ部の開放面に形成されるエアカーテンが十分でなくとも、コーナ部に貯蔵又は陳列した商品を効果的に冷却することができる。従って、従来のように、冷却ユニットの能力を増大する必要はなく、コスト的に有利となる。
【００２９】
次に、本発明の第２実施形態に係るブラケットつき説明する。
【００３０】
図８の（ａ）は第２実施形態に係るブラケットの側面図、（ｂ）は（ａ）のＣ−Ｃ断面図である。尚、前述した実施形態における構成部分と同一構成部分については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【００３１】
本実施形態におけるブラケット２２は、下部側縁を内側に折曲して支持部２２ｄ、２２ｄとして形成された一対のブラケット単体２２ａ、２２ｂと、これらブラケット単体２２ａ、２２ｂ間に挟持された先細の断面矩形の送風ダクト２３とで構成されており、後端側には係止片２２ｃが形成され送風ダクト２３の係止片２２ｃ側には冷気の吸入口となる開口部２３ａが形成されると共に、先端側にも冷気吐出口となる開口部２３ｂが形成されている。
【００３２】
ここで、送風ダクト２３は、その横幅が、一対のブラケット単体２２ａ、２２ｂがダクト部材２０の斜向面２０ａに所定間隔離間して形成される縦列の係止孔２０ｂに、それぞれ係止片２２ｃが係止された際に形成される内側の間隔と同一形状に形成されている。
【００３３】
従って、一対のブラケット単体２２ａ、２２ｂ間に送風ダクト２３が支持部２２ｄに支持されたダクト部材２０は、一対のブラケット単体２２ａ、２２ｂ上側縁に商品陳列棚７が係止して支持されることにより、係止片１６ａの係止と相俟って幅方向の移動が拘束された状態で支持される。
【００３４】
このように構成された本実施形態のブラケット２２は、前述した実施形態と同一作用、効果を奏することができる。
【００３５】
次に、本発明の第３実施形態に係るブラケットつき説明する。
【００３６】
図９の（ａ）は第３実施形態に係るブラケットの側面図、（ｂ）は（ａ）のＤ−Ｄ断面図である。
【００３７】
本実施形態におけるブラケット２５は、一対のブラケット単体２５ａ、２５ｂと、これらブラケット単体２５ａ、２５ｂの一方の内側に固定された先細の送風ダクト２６とで構成されており、後端側には係止片２５ｃが形成され送風ダクト２６の係止片２５ｃ側には冷気の吸入口となる開口部２６ａが形成されると共に、先端側にも冷気吐出口となる開口部２６ｂが形成されている。
【００３８】
このように構成された送風ダクト２５は、前記第２実施形他と同様に係止片２５ｃがダクト部材２０の係止孔２０ｂにそれぞれ係止片１６ａが係止されると共に、ブラケット単体２５ａ、２５ｂの上側浮縁に商品陳列棚７が係止された状態で挟持されるよう構成されている。
【００３９】
このように構成された本実施形態のブラケット２２は、前述した実施形態と同一作用、効果を奏することができる。
【００４０】
次に、本発明の第４実施形態に係るブラケットつき説明する。
【００４１】
図１０は第４実施形態に係るブラケットの斜視図である。本実施形態におけるブラケット２８は、同一形状に形成される一対のブラケット単体２８ａ、２８ｂと、一対のブラケット単体２８ａ、２８ｂの下部側縁に装着される閉塞部材２９とで構成される。
【００４２】
ここで、閉塞部材２９は、弾性体として例えばゴムの素材で帯状に構成されて、両幅方向に突出部２９ａ、２９ｂが形成され、突出部２９ａ、２９ｂの上端には長手方向に沿ってブラケット単体２８ａ、２８ｂの下部が嵌合可能な板厚に相当する嵌合溝３０、３０が形成されている。
【００４３】
このように構成された本実施形態のブラケット２８は、前述した実施形態と同一の作用、効果を奏するばかりか、閉塞部材２９は、一対のブラケット単体２８ａ、２８ｂの係止片２８ｃをダクト部材２０の係止孔２０ｂに係止した状態でも容易に装着することができるので、ブラケット２８の組立作業を単純化することができる。
【００４４】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【００４５】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【００４６】
（ａ）請求項１に記載の発明によれば、、冷気循環経路内の冷気が、コーナ部のブラケットに設けた送風ダクトの先端の開口部より、コーナ部取込口に向かって吹き出されるので、十分なエアカーテンをコーナ部に形成し、コーナ部に貯蔵又は陳列した商品を効果的に冷却することができる。従って、従来のように、冷却ユニット能力を増大する必要はなく、コスト的に有利となる。
【００４７】
（ｂ）請求項２に記載の発明によれば、送風ダクトをその幅方向の移動を拘束した状態で支持することができる。
【００４８】
（ｃ）請求項３に記載の発明によれば、隣接する商品陳列棚をブラケット単体と共に単独で着脱したり、上下位置を変更したりすることができ、便利である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の適用された冷蔵オープンショーケースを示す全体斜視図である。
【図２】冷蔵オープンショーケースを示す断面図である。
【図３】冷蔵オープンショーケースのコーナ部を示す一部断面を含む斜視図である。
【図４】図２のＡ−Ａ断面図である。
【図５】本発明に係る商品陳列棚の一側面側に設けられた商品陳列棚の両端縁を支持するブラケットの取付け状態を示す平面図である。
【図６】図５のＢ矢視図である。
【図７】本発明の第１実施形態に係るブラケットの斜視図である。
【図８】（ａ）は第２実施形態に係るブラケットの側面図、（ｂ）は（ａ）のＣ−Ｃ断面図である。
【図９】（ａ）は第３実施形態に係るブラケットの側面図、（ｂ）は（ａ）のＤ−Ｄ断面図である。
【図１０】第４実施形態に係るブラケットの斜視図である。
【符号の説明】
１ 冷蔵オープンショーケース
２ パンチングプレート
３ 内ケース
４ 側板
５ 仕切板
６ 商品陳列用空間部
７ 商品陳列棚
８ 外ケース
９ａ コーナ部挿通路（冷気循環経路）
９ｂ 前面側挿通路（冷気循環経路）
９ｃ 側面側挿通路（冷気循環経路）
１０ ファン（送風機）
１１ 取込口
１１ａ コーナ部取込口
１２ 吐出口
１５ 吹出口
１６ ブラケット
１６ａ 係止片
１６ｂ 開口部
１６ｃ 送風ダクト
２０ ダクト部材
２０ａ 斜向面
２０ｂ 係止孔
２２ ブラケット
２２ａ、２２ｂ ブラケット単体
２２ｃ 係止片
２２ｄ 支持部
２３ 送風ダクト
２３ａ、２３ｂ 開口部
２５ ブラケット
２５ａ 、２５ｂ ブラケット単体
２５ｃ 係止片
２５ 送風ダクト
２６ａ、２６ｂ 開口部
２６ 送風ダクト
２８ａ、２８ｂ ブラケット単体
２９ 閉塞部材
２９ａ 突出部
３０ 嵌合溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、スーパーマーケット等に設置される、少なくとも前面と一側面との２面が開放された冷蔵オープンショーケースに係り、特に、コーナ部の冷却効果を向上させることができるようにした冷蔵オープンショーケースに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の冷蔵オープンショーケースの中には、前面が開放された直線型のユニットの両端に、前面と一側面が開放されたコーナ型のユニットを連結したものや、このように連結したものを背中合わせに結合したものなどがあり、前者のものは壁面に沿って、また後者のものはフロアの中央に、それぞれ設置される。
【０００３】
上記各ユニットは、天井部の冷気の吹出口から陳列台の下部外周縁の吸込口に冷気を吹き出すことにより、開放面にエアカーテンを形成し、庫内に貯蔵又は陳列した商品を保冷するようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、前面と一側面が開放されたコーナ型のユニットを連結したものにおいては、コーナ部の開放面に十分なエアカーテンが形成されず、その部分に貯蔵又は陳列した商品の冷却効果が低いという問題がある。
【０００５】
この問題を解決するようにした従来のオープンショーケースとして、例えば特許第２８８０４６４号公報に開示されているもののように、冷気の循環ダクト内に大型の冷却器を設けるとともに、送風ファンを複数個設け、コーナ部を冷気が十分に循環するようにして、コーナ部の冷却効果を高めるようにしたものがある。
【０００６】
しかし、この従来のものでは、冷却ユニットそのものの能力を大として冷却効果を高めているため、コストが増大する問題がある。
【０００７】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、簡単かつ安価な構成でコーナ部に陳列した商品の冷却効果を高めることができるようにした冷蔵オープンショーケースを提供することを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵オープンショーケースは、少なくとも前面と一側面とが開放された外ケースと内ケースとの間に、冷却器と送風機とを収容してなる冷気循環経路を形成するとともに、前記前面と一側面側の内ケースに、上下複数段の商品陳列棚を設け、前記冷気循環経路の上部の吹出口から商品貯蔵部の下部外周縁の吸込口に向かって冷気を吹き出し、前記各商品陳列棚の前方にエアカーテンを形成することにより、商品貯蔵部内の商品を保冷するようにした冷蔵オープンショーケースにおいて、前記内ケースにおける前面と一側面とが交わる角部の壁面に、コーナ部に向かって冷気を吹き出す吹出孔を複数個穿設するとともに、コーナ部において前記各段の互いに隣接する商品陳列棚の両側端部を支持する送風ダクトを有するブラケットが係止片を介して取り付けられ、冷気が前記コーナ部の吹出孔と連通する前記係止片側の開口から導入され、送風ダクトを流動してブラケット先端の冷気吐出口からコーナ部取込口に向けて吐出することを特徴としている。
上記構成の本発明によると、冷気循環経路内の冷気が、コーナ部のブラケットに設けた送風ダクトの先端の開口部より、コーナ部取込口に向かって吹き出されるので、十分なエアカーテンをコーナ部に形成し、コーナ部に貯蔵又は陳列した商品を効果的に冷却することができる。従って、従来のように、冷却ユニット能力を増大する必要はなく、コスト的に有利となる。
【０００９】
上記冷蔵オープンショーケースにおいて、前記ブラケットは、所要寸法離間して対向する１対のブラケット単体で構成され、前記送風ダクトは前記１対のブラケット単体間に挟持されているのが好ましい。
このようにすると、送風ダクトをその幅方向の移動を拘束した状態で支持することができる。
【００１０】
上記冷蔵オープンショーケースにおいて、前記ブラケットは、１対のブラケット単体で構成され、前記送風ダクトを前記１対のブラケット単体のいずれか一方に固定するのが好ましい。
このようにすると、隣接する商品陳列棚をブラケット単体と共に単独で着脱したり、上下位置を変更したりすることができ、便利である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図１は本発明の適用された冷蔵オープンショーケースを示す全体斜視図、図２は冷蔵オープンショーケースを示す断面図、図３は冷蔵オープンショーケースのコーナ部を示す一部断面を含む斜視図であり、図４は図２のＡ−Ａ断面図である。
【００１２】
先ず図１及び図２には、本発明の適用された冷蔵オープンショーケース１が示されている。図１、図２における３は内ケース、８は断熱筐体としての外ケース、４は側板であり、これら内ケース３、外ケース８、側板４により前方に開放する保冷庫としての商品陳列用空間部６が構成されており、内ケース３の背面に固着された複数の商品陳列棚７により商品を多段に陳列出来るようになっている。
【００１３】
内ケース３と、その外側に配設される外ケース８との間には、冷気循環経路としての冷気を挿通する挿通路９ｂ、９ｃが前面側と側面側にそれぞれ設けられており、これら前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃ内に設けられる送風機であるファン１０を駆動させ、商品陳列用空間部６の前方下部に設けられる取込口１１から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を冷却器Ｒにより冷却し、図中矢印方向に対流させることで、商品陳列用空間部６内を、冷凍食品や生鮮食料品等を陳列可能な所定温度まで冷却出来るようになっている。
【００１４】
また、商品陳列用空間部６の前方上部に設けられた吐出口１２からは下方の取込口１１に向けて冷気が吐出され、商品陳列用空間部６の前面にエアーカーテンが作り出されるため、商品陳列用空間部６内の冷気の拡散や外部からの熱進入が防止され、商品陳列用空間部６内の温度が一定に保持されるようになっている。
【００１５】
更に、図２、図３に示されるように、冷却器Ｒよりも下流側の前面側挿通路９ｂ内には、ファン１０より圧送された冷気の一部をコーナ部挿通路９ａに向かって流動させる多数の通風孔を穿設したパンチングプレート２が、コーナ部挿通路９ａ側を開放するようにして設けられており、コーナ部近傍の前面側挿通路９ｂ内におけるパンチングプレート２よりも上方を、上下方向を向く仕切板５により仕切ることにより、コーナ部の上下方向を向くコーナ部挿通路９ａとパンチングプレート２下方の前面側挿通路９ｂとが連通するよう構成されている。
【００１６】
そして、商品貯蔵部の下部外周縁のコーナ部には、内側縁の両端が前面及び一側面側の取込口１１の内側端と連なるようにコーナ部取込口１１ａが形成されている。
【００１７】
本発明の実施形態における商品陳列棚７は、図４に示されるように一側面側に設けられた各段の商品陳列棚７の両端縁がコーナ部付近に位置する形状、すなわち平面視相似形の台形状に形成されている。
【００１８】
ここで、図５は本発明に係る商品陳列棚の一側面側に設けられた商品陳列棚の両端縁を支持するブラケットの取付け状態を示す平面図、図６は図５のＢ矢視図であり、図７は本発明の第１実施形態に係るブラケットの斜視図である。
【００１９】
図４に示されるように、例えば、最上段の商品陳列棚７についてみると、この商品陳列棚７は、その後端部が、内側に側面側挿通路９ｃが構成される内ケース３の壁面に、それに穿設した吹出孔と連通するようにコーナ部に支持されたブラケット１６に両端が取付けられている。
【００２０】
更に詳しくは、ブラケット１６は、図７に示されるように、上方が開口する断面コ字状の送風ダクト１６ｃとして一体的に形成され、その後端側には係止片１６ａが形成されて、係止片１６ａ側が冷気の吸入口となる開口が形成される共に先端側には冷気吐出口となる開口部１６ｂが形成される。
【００２１】
一方、図５、図６に示される内ケース３における前面と一側面とが交わるコーナ部には、上下方向を向く隅切り状の斜向面２０ａが形成されたダクト部材２０が設けられ、ダクト部材２０の内側面にはコーナ部の上下方向を向くコーナ部挿通路９ａ及び前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃに連通する図示しない挿通孔が形成されると共に、斜向面２０ａには冷風を吹き出す吹出口１５及び複数の係止孔２０ｂが所定間隔離間して縦列に穿設されている。
【００２２】
このように構成された両ダクト部材２０の斜向面２０ａに形成された特定の係止孔２０ｂには、ブラケット１６後端の係止片１６ａが係止されてブラケット１６の先端が商品貯蔵部下部外周縁の両コーナ部に向けて取付けられる。
【００２３】
次に、前述した冷蔵オープンショーケースの作用につき説明する。
【００２４】
先ず、前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃ内に設けられるファン１０を駆動させることにより、商品陳列用空間部６の前方下部に設けられる取込口１１から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を冷却器Ｒにより冷却し、図２中矢印方向に対流させることで、商品陳列用空間部６内が、冷凍食品や生鮮食料品等を陳列可能な所定温度まで冷却される。
【００２５】
また、前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃ内を挿通した冷気は、商品陳列用空間部６の前方上部の吐出口１２から下方の取込口１１に向けて冷気が吐出され、商品陳列用空間部６の前面にエアーカーテンが形成され、これにより、商品陳列用空間部６内の冷気の拡散や外部からの熱進入が防止され、商品陳列用空間部６内の温度を一定に保持することができる。
【００２６】
ここで、前面側挿通路９ｂ内に設けられたファン１０より圧送された冷気の一部は、上方に配置されているパンチングプレート２の通風孔を介して上方に流動するが、その他の冷気はパンチングプレート２により風路偏向されてコーナ部近傍の開放端側に導かれる。
【００２７】
開放端側からコーナ部挿通路９ａに導かれた冷気と、側面側挿通路に導かれた冷気は、図示しない挿通孔を介して両ダクト部材２０に流入して上昇移動して斜向面２０ａに形成された複数の吹出口１５及び係止孔２０ｂから外部に吹き出されるが、この冷気の一部は、両ダクト部材２０に係止されて上下各段の商品陳列棚７を支持するブラケット１６の係止片１６ａ側の開口から導入して送風ダクト１６ｃ内部を流動し、先端の冷気吐出口となる開口部１６ｂから下方のコーナ部取込口１１ａに向けて吐出する。
【００２８】
このようにすると、コーナ部挿通路９ａ及び前面及び側面側挿通路９ｂ、９ｃ内の冷気が、コーナ部の断面コ字形に形成されたブラケット１６によって形成された送風ダクト１６ｃ先端の開口部１６ｂより、コーナ部に向かって吹き出されるので、コーナ部の開放面に形成されるエアカーテンが十分でなくとも、コーナ部に貯蔵又は陳列した商品を効果的に冷却することができる。従って、従来のように、冷却ユニットの能力を増大する必要はなく、コスト的に有利となる。
【００２９】
次に、本発明の第２実施形態に係るブラケットつき説明する。
【００３０】
図８の（ａ）は第２実施形態に係るブラケットの側面図、（ｂ）は（ａ）のＣ−Ｃ断面図である。尚、前述した実施形態における構成部分と同一構成部分については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【００３１】
本実施形態におけるブラケット２２は、下部側縁を内側に折曲して支持部２２ｄ、２２ｄとして形成された一対のブラケット単体２２ａ、２２ｂと、これらブラケット単体２２ａ、２２ｂ間に挟持された先細の断面矩形の送風ダクト２３とで構成されており、後端側には係止片２２ｃが形成され送風ダクト２３の係止片２２ｃ側には冷気の吸入口となる開口部２３ａが形成されると共に、先端側にも冷気吐出口となる開口部２３ｂが形成されている。
【００３２】
ここで、送風ダクト２３は、その横幅が、一対のブラケット単体２２ａ、２２ｂがダクト部材２０の斜向面２０ａに所定間隔離間して形成される縦列の係止孔２０ｂに、それぞれ係止片２２ｃが係止された際に形成される内側の間隔と同一形状に形成されている。
【００３３】
従って、一対のブラケット単体２２ａ、２２ｂ間に送風ダクト２３が支持部２２ｄに支持されたダクト部材２０は、一対のブラケット単体２２ａ、２２ｂ上側縁に商品陳列棚７が係止して支持されることにより、係止片１６ａの係止と相俟って幅方向の移動が拘束された状態で支持される。
【００３４】
このように構成された本実施形態のブラケット２２は、前述した実施形態と同一作用、効果を奏することができる。
【００３５】
次に、本発明の第３実施形態に係るブラケットつき説明する。
【００３６】
図９の（ａ）は第３実施形態に係るブラケットの側面図、（ｂ）は（ａ）のＤ−Ｄ断面図である。
【００３７】
本実施形態におけるブラケット２５は、一対のブラケット単体２５ａ、２５ｂと、これらブラケット単体２５ａ、２５ｂの一方の内側に固定された先細の送風ダクト２６とで構成されており、後端側には係止片２５ｃが形成され送風ダクト２６の係止片２５ｃ側には冷気の吸入口となる開口部２６ａが形成されると共に、先端側にも冷気吐出口となる開口部２６ｂが形成されている。
【００３８】
このように構成された送風ダクト２５は、前記第２実施形他と同様に係止片２５ｃがダクト部材２０の係止孔２０ｂにそれぞれ係止片１６ａが係止されると共に、ブラケット単体２５ａ、２５ｂの上側浮縁に商品陳列棚７が係止された状態で挟持されるよう構成されている。
【００３９】
このように構成された本実施形態のブラケット２２は、前述した実施形態と同一作用、効果を奏することができる。
【００４０】
次に、本発明の第４実施形態に係るブラケットつき説明する。
【００４１】
図１０は第４実施形態に係るブラケットの斜視図である。本実施形態におけるブラケット２８は、同一形状に形成される一対のブラケット単体２８ａ、２８ｂと、一対のブラケット単体２８ａ、２８ｂの下部側縁に装着される閉塞部材２９とで構成される。
【００４２】
ここで、閉塞部材２９は、弾性体として例えばゴムの素材で帯状に構成されて、両幅方向に突出部２９ａ、２９ｂが形成され、突出部２９ａ、２９ｂの上端には長手方向に沿ってブラケット単体２８ａ、２８ｂの下部が嵌合可能な板厚に相当する嵌合溝３０、３０が形成されている。
【００４３】
このように構成された本実施形態のブラケット２８は、前述した実施形態と同一の作用、効果を奏するばかりか、閉塞部材２９は、一対のブラケット単体２８ａ、２８ｂの係止片２８ｃをダクト部材２０の係止孔２０ｂに係止した状態でも容易に装着することができるので、ブラケット２８の組立作業を単純化することができる。
【００４４】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【００４５】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【００４６】
（ａ）請求項１に記載の発明によれば、、冷気循環経路内の冷気が、コーナ部のブラケットに設けた送風ダクトの先端の開口部より、コーナ部取込口に向かって吹き出されるので、十分なエアカーテンをコーナ部に形成し、コーナ部に貯蔵又は陳列した商品を効果的に冷却することができる。従って、従来のように、冷却ユニット能力を増大する必要はなく、コスト的に有利となる。
【００４７】
（ｂ）請求項２に記載の発明によれば、送風ダクトをその幅方向の移動を拘束した状態で支持することができる。
【００４８】
（ｃ）請求項３に記載の発明によれば、隣接する商品陳列棚をブラケット単体と共に単独で着脱したり、上下位置を変更したりすることができ、便利である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の適用された冷蔵オープンショーケースを示す全体斜視図である。
【図２】冷蔵オープンショーケースを示す断面図である。
【図３】冷蔵オープンショーケースのコーナ部を示す一部断面を含む斜視図である。
【図４】図２のＡ−Ａ断面図である。
【図５】本発明に係る商品陳列棚の一側面側に設けられた商品陳列棚の両端縁を支持するブラケットの取付け状態を示す平面図である。
【図６】図５のＢ矢視図である。
【図７】本発明の第１実施形態に係るブラケットの斜視図である。
【図８】（ａ）は第２実施形態に係るブラケットの側面図、（ｂ）は（ａ）のＣ−Ｃ断面図である。
【図９】（ａ）は第３実施形態に係るブラケットの側面図、（ｂ）は（ａ）のＤ−Ｄ断面図である。
【図１０】第４実施形態に係るブラケットの斜視図である。
【符号の説明】
１ 冷蔵オープンショーケース
２ パンチングプレート
３ 内ケース
４ 側板
５ 仕切板
６ 商品陳列用空間部
７ 商品陳列棚
８ 外ケース
９ａ コーナ部挿通路（冷気循環経路）
９ｂ 前面側挿通路（冷気循環経路）
９ｃ 側面側挿通路（冷気循環経路）
１０ ファン（送風機）
１１ 取込口
１１ａ コーナ部取込口
１２ 吐出口
１５ 吹出口
１６ ブラケット
１６ａ 係止片
１６ｂ 開口部
１６ｃ 送風ダクト
２０ ダクト部材
２０ａ 斜向面
２０ｂ 係止孔
２２ ブラケット
２２ａ、２２ｂ ブラケット単体
２２ｃ 係止片
２２ｄ 支持部
２３ 送風ダクト
２３ａ、２３ｂ 開口部
２５ ブラケット
２５ａ 、２５ｂ ブラケット単体
２５ｃ 係止片
２５ 送風ダクト
２６ａ、２６ｂ 開口部
２６ 送風ダクト
２８ａ、２８ｂ ブラケット単体
２９ 閉塞部材
２９ａ 突出部
３０ 嵌合溝
Claims (3)
- 少なくとも前面と一側面とが開放された外ケースと内ケースとの間に、冷却器と送風機とを収容してなる冷気循環経路を形成するとともに、前記前面と一側面側の内ケースに、上下複数段の商品陳列棚を設け、前記冷気循環経路の上部の吹出口から商品貯蔵部の下部外周縁の吸込口に向かって冷気を吹き出し、前記各商品陳列棚の前方にエアカーテンを形成することにより、商品貯蔵部内の商品を保冷するようにした冷蔵オープンショーケースにおいて、
前記内ケースにおける前面と一側面とが交わる角部の壁面に、コーナ部に向かって冷気を吹き出す吹出孔を複数個穿設するとともに、コーナ部において前記各段の互いに隣接する商品陳列棚の両側端部を支持する送風ダクトを有するブラケットが係止片を介して取り付けられ、冷気が前記コーナ部の吹出孔と連通する前記係止片側の開口から導入され、送風ダクトを流動してブラケット先端の冷気吐出口からコーナ部取込口に向けて吐出することを特徴とする冷蔵オープンショーケース。 - 前記ブラケットは、所要寸法離間して対向する１対のブラケット単体で構成され、前記送風ダクトは前記１対のブラケット単体間に挟持されている請求項１に記載の冷蔵オープンショーケース。
- 前記ブラケットは、１対のブラケット単体で構成され、前記送風ダクトを前記１対のブラケット単体のいずれか一方に固定した請求項１に記載の冷蔵オープンショーケース。
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