JP6157876B2 - 伝動ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、ベルト本体のプーリ接触面が補強布によって被覆された伝動ベルトに関する。
歯付ベルトのプーリ接触面の耐摩耗性を向上させる技術が種々提案されている。例えば、歯部側表面を被覆する補強布について、その目付量を増加する(一般には、より厚い補強布を用いる)ことにより耐摩耗性を向上させる方法がある。また、特許文献1には、補強布に摩耗改質材を含ませた歯付ベルトが開示されている。
特許第3547403号公報
しかしながら、補強布の目付量を増加するとコストアップの原因となり、且つ、耐久寿命が低下するという課題がある。
また、文献1のように伝動ベルトの動力表面に設けられた補強布の糸と糸との間隙に摩耗改質材料を浸透させた場合、伝動ベルトの表面に存在する摩耗改質材料の量は少なくなり、プーリと補強布の糸との接触による摩耗が進行してしまう。
更に、摩耗改質材料を多量に配合し、補強布の表面にも多くの摩耗改質材料を存在させることも考えられるが、このようにすると、かえって補強性が低下し、耐摩耗性が悪化する。
以上に鑑みて、本開示の目的は、伝動ベルトにおいて、コストの増加を抑えつつ、耐摩耗性、異音性能、耐久性能をバランスよく向上させることである。
前記の目的を達成するために、本開示の伝動ベルトは、ゴム組成物により形成されたベルト本体を有する伝動ベルトであって、ベルト本体における少なくとも一部の表面部に、摩耗改質剤を含有する表面層が形成されている。
このような伝動ベルトによると、ベルトの表面層に含ませた摩耗改質剤により耐摩耗性を向上させることができる。
尚、表面層は、ベルト本体の表面を被覆するように設けられた表面補強布を含み、表面補強布の目付量は、10g/m以上で且つ200g/m以下であっても良い。
このような伝動ベルトによると、ベルトを表面補強布により補強すると共に、摩耗改質剤により耐摩耗性を向上させることができる。ここで用いる表面補強布の目付量は、従来よりも遙かに少なく、繊維の隙間が広い。この結果、ベルト表面における表面補強布の繊維に覆われない部分に保持された摩耗改質剤が作用し、摩擦係数μを低下させることができる。
以上のように、摩耗改質剤を含有する表面層を設けると共に、表面補強布を用いないか、又は、従来必要と考えられていた補強布の目付量よりも遙かに目付量の少ない表面補強布を用いることにより、予想外にも望ましい効果が得られた。また、表面補強布を用いないか、用いるとしても目付量が少ないので、コストの低減にも効果がある。
また、摩耗改質剤は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はエラストマーに分散されていても良い。このような形態にて摩耗改質剤が伝動ベルトの表面に含有されていても良い。
また、表面層は、摩改質剤によってコーティングされていても良い。
例えば、溶媒に分散させた摩耗改質剤をスプレーコーティングによりベルトに塗布するのであってもよい。
また、補強布はコーティングされており、摩耗改質剤は、コーティングの材料に含まれていても良い。
コーティングの材料としてはゴム糊であっても良い。
また、伝動ベルトは歯付ベルトであって、表面層は、歯の表面部に形成されていてもよい。このように、本開示の伝動ベルトは歯付ベルトであっても良い。
また、表面補強布の目付量は、20g/m以上で且つ80g/m以下であってもよい。
このような表面補強布を用いると、より顕著な効果が得られる。
また、摩耗改質剤は、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、黒鉛、ベントナイト、二硫化モリブデン、ナイロン樹脂パウダー、メチルシリコンゴム粒子、フッ素樹脂及び超高分子量ポリエチレン粒子のうちの少なくとも一つを含んでいても良い。
摩耗改質剤の例として、このようなものを挙げることができる。
また、摩耗改質剤を含有するゴム組成物の一部は、表面補強布よりも突出していても良い。
これにより、より確実に摩耗改質剤がベルトとプーリとの接触部分において作用するので、本開示の伝動ベルトの効果をより確実に発揮させることができる。
本開示の伝動ベルトによると、耐摩耗性、異音性能及び耐久寿命をバランス良く改善することができ、且つ、低コスト化を図ることもできる。
図1は、本開示の一実施形態の例示的歯付ベルトを示す斜視図である。 図2は、図1の歯付ベルトのプーリ接触側における表面付近を示す図である。 図3は、耐摩耗性試験に用いるベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。 図4は、摩耗係数測定装置を示す図である。 図5は、騒音試験に用いるベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。
――ベルトの構成――
以下、本開示の一実施形態の例示的歯付ベルトについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の歯付ベルト10(伝動ベルト)を示す。歯付ベルト10は、例えば、自動車のOHC駆動用途、射出成形機用途等の一般産業用途及びOA精密機器等に用いられるものである。
実施形態1に係る歯付ベルト10は、ベルト外形を構成するゴム製のエンドレスの歯付ベルト本体11を有する。歯付ベルト本体11は、ベルト外周側の横長平帯状の背ゴム部11bと、ベルト内周側に一定間隔をおいて設けられた複数の歯ゴム部11aとが一体になった構成を有する。歯付ベルト本体11は、背ゴム部11bのベルト内周側に、ベルト長さ方向に延びると共にベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように心線12が埋設されている。歯付ベルト本体11は、歯ゴム部11aを有するベルト内周側表面、つまり、プーリ接触面が補強布13によって被覆されている。また、ベルト内周側における補強布13によって被覆された背ゴム部11bが歯底部として、補強布13で被覆された歯ゴム部11aが歯部として構成されている。
ただし、補強布13を用いることは必須ではない。補強布13を用いない場合、歯ゴム部11a自体が歯部として構成される。
歯付ベルト本体11は、原料ゴムに配合剤を配合して混練することにより未架橋ゴム組成物とし、これを加熱及び加圧して架橋したゴム組成物によって構成されている。
歯付ベルト本体11を構成するゴム組成物の原料ゴムとしては、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等が挙げられる。原料ゴムは、単一種で構成されていてもよく、また、複数種がブレンドされて構成されていてもよい。
配合剤としては、例えば、カーボンブラックやシリカや短繊維等の補強材、加工助剤、老化防止剤、加硫促進剤、架橋剤(例えば、硫黄、有機過酸化物)、可塑剤、充填材等が挙げられる。各配合剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。
また、心線12は、糸本体に接着処理が施されたもので構成されている。
心線12を構成する糸本体の繊維材料としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維などの無機繊維;アラミド繊維、ポリエステル繊維、PBO繊維、ナイロン繊維、ポリケトン繊維などの有機繊維等が挙げられる。糸本体は、単一種の繊維材料で形成されていてもよく、また、複数種の繊維材料で形成されていてもよい。
糸本体の構造としては、例えば、片撚り糸、諸撚り糸、ラング撚り糸、コアヤーンなどの撚り糸、組紐等が挙げられる。撚り糸の心線12は、単一糸が螺旋を形成するように設けられていても良いし、また、S撚り糸及びZ撚り糸の一対が二重螺旋を形成するように設けられていても良い。
糸本体に施される接着処理は、例えば、糸本体をレゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液(RFL水溶液)に浸漬した後に加熱する処理、及び/又はゴム糊に浸漬した後に乾燥させる処理である。
次に、図2は、歯付ベルト10における補強布13によって被覆された表面部を模式的に示す図である。
図2に示すように、ゴム組成物からなるベルト本体11の表面部に、補強布13が少なくとも部分的に埋め込まれている。補強布13は、目付量(単位面積あたり重量)が比較的小さく(後述の接着処理等を行う前の原反において、例えば10〜200g/m 、より好ましくは40〜80g/m )、経糸、緯糸の間の隙間が広い。このことから、経糸・緯糸の間の部分において、ベルト本体11を構成するゴムの一部が補強布13よりも突出した突出部19が形成されている。突出部19は、ベルト本体11を構成するゴム組成物、補強布13とベルト本体11とを接着するための接着ゴム、補強布13に施された接着処理に関するゴム等からなる。このように、補強布13はベルト本体11の表面を被覆するものであるが、補強布13を構成する糸の隙間にゴムが露出した部分は存在する。また、補強布13を構成する糸を覆うゴムが存在することを排除するものではない。
尚、従来、補強布を用いることは必須と考えられていた。更に、従来、歯付ベルトにおける補強布の目付量は100〜700g/m 程度であり、これよりも目付量が少ない場合には補強の効果が不十分と考えられていた。
また、補強布13は、布本体に接着処理が施された構成を有しており、厚さは例えば0.01〜0.6mmである。従来の歯付ベルトにおける補強布の厚さは例えば0.6〜1.6mmであり、これに比べると本開示の補強布13の厚さは薄くなっている。
補強布13を構成する布本体の繊維材料としては、例えば、綿、麻等の天然繊維、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン又は6−ナイロン等のナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、PBO繊維等の化学繊維等が挙げられる。布本体は、単一種の繊維材料で形成されていてもよく、また、複数種の繊維材料で形成されていてもよい。
布本体の構造としては、例えば、平織り、綾織り、朱子織等の織布、編物、不織布等が挙げられる。布本体は、織布では経糸及び緯糸の糸密度が例えば10〜500本/5cmである。また、織布の布本体を構成する糸は、紡績糸或いはフィラメント糸であって、太さが例えば1〜20000dtexである。
望ましい目付量を実現するためには、以上のような糸の太さ及び密度が良い。
織布の布本体を構成する糸は、経糸及び緯糸が同一であってもよく、また、異なっていてもよい。織布の布本体は、経糸及び緯糸のうち一方がベルト長さ方向に及び他方がベルト幅方向になるように用いられた場合、良好な歯部形成性を得るべくベルト長さ方向に伸性を有することが望ましい。この点から、ベルト長さ方向の糸が例えば撚りをかけて熱セットした後に撚りを戻す仮撚り加工をしたウーリー加工糸で構成されていることが好ましい。
布本体として編布(ニット)又は不織布を用いる場合、糸の望ましい繊度は1〜500dtexであり、望ましい目付量は10〜200g/m 、より好ましくは40〜80g/m とする。
布本体に施される接着処理は、例えば、布本体を接着剤に浸漬した後に加熱する処理、接着剤に浸漬した後に乾燥させる処理、及び表面に接着剤をコートした後に乾燥させる処理である。
補強布13には、上記接着処理により、布本体を構成する糸表面を被覆するようにRFL層及び含浸ゴム層(図示は省略)が設けられている。
RFL層は、RFの樹脂成分とLによるゴム成分との混合物で構成されている。
Lとしては、例えば、ビニルピリジンラテックス(VP)、スチレンブタジエンゴムラテックス(SBR)、クロロプレンゴムラテックス(CR)、ニトリルブタジエンゴムラテックス(NBR)、水素添加アクリロニトリルブタジエンメタクリル酸三元共重合体(X−NBR)ラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックス(CSM)、2,3−ジクロロブタジエン重合体ラテックス(2,3−DCB)等が挙げられる。Lは、単一種で構成されていてもよいし、また、複数種がブレンドされて構成されていてもよい。
含浸ゴム層及び接着ゴム層(図示は省略)は、いずれも、原料ゴムに配合剤を配合して混練することにより未架橋ゴム組成物とし、これを架橋させたゴム組成物によって構成されている。
これらの原料ゴムとしては、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)などのエチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等が挙げられる。原料ゴムは、単一種で構成されていてもよく、また、複数種がブレンドされて構成されていてもよい。
配合剤としては、例えば、カーボンブラックやシリカや短繊維等の補強材、加工助剤、老化防止剤、加硫促進剤、架橋剤(例えば、硫黄、有機過酸化物)、可塑剤、充填材等が挙げられる。各配合剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。
また、VリブドベルトBの少なくとも表面部には、摩耗改質剤が含まれている。従って、ベルトの表面部において、補強布に覆われていると共に摩耗改質剤を含有する層が設けられていることになる。
摩耗改質剤は、例えば、補強布13に対して行うコーティングに用いるゴムに含まれる。また、ベルト11本体の全体に含まれていても良いし、ベルト本体11の表面に摩耗改質剤を含むゴムからなる層が形成されているのであってもよい。更に、ベルト表面にスプレーコーティング等によって塗布するのであってもよい。いずれの場合においても、少なくとも突出部19においてゴムに摩耗改質剤が含まれているようにする。
ここで用いる摩耗改質剤は、例えば、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、黒鉛、ベントナイト、二硫化モリブデン、ナイロン樹脂パウダー、メチルシリコンゴム粒子、フッ素樹脂及び超高分子量ポリエチレン粒子(UHMWPE、重量平均分子量100万以上)等である。耐摩耗性等の観点から、本実施形態において特に好ましいのはシリコーンオイルである。摩耗改質剤は、単一種により構成されていても良いし、複数種が混合されていても良い。
前述の通り、歯付ベルト10を構成するゴムの一部は、補強布13を構成する糸の隙間から補強布13よりも突出し、突出部19を構成している。従って、プーリに歯付ベルト10を巻き掛けた際、摩耗改質剤が含まれた突出部19がプーリに接触するので、摩耗改質剤が有効に機能して歯付ベルト10の表面の摩擦係数(μ)を低下させる(低μ化する)ことができる。
ただし、突出部19を有することは必須では無い。本開示の伝動ベルトでは、補強布13の目付量を従来よりも小さくしており、織り目が粗くなっている。このことから、開口面積割合、つまり、補強布13を構成する糸同士の隙間部分の面積(当該隙間においてベルト本体11のゴム(表面ゴム等を含む)が露出している面積)のプーリ接触面全体に対する割合が大きくなっている。従って、突出部19が構成されていないとしても、糸の隙間の部分がプーリと接触し、当該部分のゴムに摩耗改質剤が含有されていることにより、低摩擦係数化が実現する。好ましい開口面積割合は30%〜90%、より好ましくは50%〜90%である。開口面積割合は、補強布を構成する糸の繊度及び密度(寸法あたりの本数)により設定できる。
また、補強布13を用いることは必須ではない。この場合、当然ながらベルト本体11のゴム自体がプーリ接触面を構成することになり、当該部分に摩耗改質剤が含有されていることによって低摩擦係数化が実現する。
――ベルトの製造方法――
続いて、本実施形態の例示的歯付ベルトの製造方法について説明する。
<ベルト材料準備工程>
−未架橋ゴムシート−
ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で混練しながら原料ゴムに各配合剤を配合し、得られた未架橋ゴム組成物をカレンダー成形等によってシート状に成形して、未架橋ゴムシートを作製する。
−心線−
糸本体をRFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理及び/又はゴム糊に浸漬して乾燥させる接着処理を行い、心線12を作製する。
−補強布−
布本体をRFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理、ゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理、及び、表面に高粘度のゴム糊をコートした後に乾燥させる接着処理を行い、補強布13を作製する。
具体的には、まず、布本体をRFL水溶液に浸漬してロールにより絞った後に、加熱炉にて加熱する。これにより、布本体を構成する糸表面を被覆するようにRFL層が付着する。この処理は、複数回繰り返してもよい。
この際に用いるRFL水溶液は、例えば、R/F質量比が1/0.8〜1/2、RF/L質量比が1/5〜1/20であり、且つ、固形分濃度が5〜20質量%である。布本体14のRFL水溶液への浸漬時間は例えば1〜20秒である。布本体の加熱炉内における加熱温度は例えば140〜180℃であり、加熱時間は例えば3〜5分である。RFL層の付着量(目付量)は布本体の質量に対して例えば5〜40質量%である。
次に、ゴム糊含浸処理を行う。ゴム糊含浸処理は、表面にRFL被膜が形成された布本体を含浸ゴム層用ゴム糊に浸漬した後に絞りロールにより絞り、溶剤を乾燥飛散させて含浸ゴム層を形成する処理である。
この際に用いる含浸ゴム層用ゴム糊は、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)、アクリロニトリルゴム(NBR)等の原料ゴムに種々の配合剤を配合して混練し、当該混練物をトルエン、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤に溶解させたものである。この含浸ゴム層用ゴム糊の固形分濃度は、例えば5〜30質量%である。
布本体の乾燥温度は、例えば、60〜120℃であり、乾燥時間は、例えば3〜10分間である。含浸ゴム層16の付着量は、含浸ゴム層に対する布本体の浸漬処理回数、絞り具合等により制御することができる。
次に、ゴム糊塗布処理を行う。ゴム糊塗布処理は、RFL被膜及び含浸ゴム層が形成された布本体の一方の面に接着ゴム層用ゴム糊を塗布し、他方の面に表面ゴム層用ゴム糊を塗布した後に溶剤を乾燥飛散させる処理である。これにより、布本体の一方の面に接着ゴム層が形成され、他方の面に表面ゴム層(コーティング)が形成される。
これらのゴム糊塗布処理について、具体的に説明する。
まず、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤に溶解した接着ゴム層用ゴム糊を、ナイフコーター等により布本体の一方の面に塗布する。その後、例えば60〜120℃の雰囲気温度下において3〜10分間乾燥させる。接着ゴム層用ゴム糊の塗布を行う回数は1回でも良いし、複数回繰り返して行ってもよい。このようにして形成された接着ゴム層の厚さは、例えば、50〜300μmである。
接着ゴム層用ゴム糊は、原料ゴムに種々の配合剤を配合して混練し、当該混練物をトルエン、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤に溶解させたものである。この接着ゴム層用ゴム糊の固形分濃度は、例えば20〜45質量%である。
続いて、接着ゴム層用ゴム糊の塗布と同様に、布本体の接着ゴム層用ゴム糊を塗布した面とは反対側の面に表面ゴム層用ゴム糊を塗布し、その後、例えば60〜120℃の雰囲気温度下にて3〜10分間乾燥させる。形成された表面ゴム層の厚さは、例えば、50〜500μmである。
表面ゴム層用ゴム糊は、原料ゴムに摩耗改質剤を含む種々の配合剤を配合して混練し、当該混練物をトルエン、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤に溶解させたものである。表面ゴム層用ゴム糊の固形分濃度は、例えば20〜45質量%である。
尚、ここでは接着ゴム層の形成を表面ゴム層の形成よりも先に行うとして説明したが、表面ゴム層を形成した後接着ゴム層を形成しても良いし、両者を並行して形成しても良い。また、ベルト本体11(全体又は表面)に摩耗改質剤を含ませる場合、表面ゴム層を設けないことも可能である。
また、接着ゴム層及び表面ゴム層の形成は、糊引き加工、カレンダー加工、ラッピング加工、ラミネート加工等により行ってもよい。
以上の工程により、布本体に接着処理が行われて補強布13が調製される。ただし、以上に説明したRFL処理及びゴム糊処理は、両方を行っても良いし、一方だけを行っても良いし、どちらも行わないのであっても良い。
尚、布本体をRFL水溶液に浸漬して加熱する処理の前に、布本体をエポキシ樹脂溶液或いはイソシアネート樹脂溶液に浸漬して加熱する処理を施してもよい。
<ベルト成形工程>
補強布13を表面ゴム層が内側となるように筒状に形成し、その筒状の補強布13を金型表面に歯部形成溝を有する円筒状金型に被せる。その上に心線12を螺旋状に巻き付け、更にその上に未架橋ゴムシートを所定回数巻き付ける。
続いて、上記ベルト材料をセットした円筒状金型を加硫釜に入れ、所定時間、加熱及び加圧する。これにより、未架橋ゴムが流動して歯付ベルト本体11を構成し、また、心線12及び補強布13が歯付ベルト本体11に接着し、全体としてゴムが架橋して円筒状のスラブが形成される。ここで、加熱温度は例えば150〜200℃、加熱圧力は例えば5〜20MPa、加工時間は例えば10〜30分である。
この後、加硫釜から円筒状金型を取り出してスラブを取り外し、その背面を研磨して厚さを均等にした後、所定幅に輪切りすることにより歯付ベルト10が得られる。
尚、補強布13を用いない場合には、円筒状金型に補強布13を被せる工程を省略する。また、摩耗改質剤については、溶剤に分散させて、形成したベルト本体の表面に塗布する。塗布は、加硫前、加硫後のどちらに行っても良い。また、塗布の方法としては、例えば、スプレーコーティングを利用することができる。
尚、以上では、歯付ベルトの場合を説明し、また、補強布に被覆され摩耗改質剤を含有する層が歯の表面部に形成される例を説明した。しかしながら、特にこれに限定されるものではない。プーリ接触面に補強布及び摩耗改質剤を含む層が設けられた構成は、Vベルト、Vリブドベルト及び平ベルトに適用することも可能であるし、ベルトの背面側に適用することも可能である。
<歯付ベルト>
以下の実施例1〜7及び比較例1〜4の歯付ベルトを作成した。それぞれ、表1に一覧している。
Figure 0006157876
―実施例1―
補強布13の布本体として、目付量が100g/m である平織りの織布を用いた。この織布は、太さ200dtexの6,6ナイロン繊維の糸を経糸、太さ400dtexの6,6ナイロン繊維の糸を用いたウーリー加工糸を緯糸とし、経糸の密度が100本/5cm、緯糸の密度が75本/cmである。
また、含浸ゴム用のゴム糊として、クロロプレンゴム(昭和電工社製、商品名:ショウプレンGRT)を原料ゴムとして、この原料ゴム100質量部に対して、カーボンブラックFEF(東海カーボン社製、商品名:シーストSO)20質量部、シリカ(トクヤマ社製 商品名:トクシールGU)15質量部、ステアリン酸(ニチユ社製、商品名:ビーズステアリン酸つばき)1.5質量部、老化防止剤(川口化学工業社製、商品名:アンテージNBC−F)5質量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製、商品名:酸化亜鉛2種)6質量部、酸化マグネシウム(神島化学工業社製、商品名:スターマグH)8質量部、加硫促進剤(三新化学工業社製、商品名:サンセラーDM−G)3質量部を配合して混練した未架橋ゴム組成物を、固形分濃度が30質量%となるようにトルエンに溶解させたものを準備した。
また、表面ゴム用のゴム糊として、含浸ゴムの用のゴム糊と同様であるが、摩耗改質剤を更に含むゴム糊を準備した。摩耗改質剤は、シリコーンオイル(アクロス株式会社、商品名:α−コート)であり、その配合量は、クロロプレンゴム100重量部に対して50重量部である。摩耗改質剤について、表1では、この場合をAと示している。
更に、RFL水溶液、クロロプレンゴムを原料ゴムとした接着ゴム用のゴム糊を準備した。
布本体をRFL水溶液に浸漬した後に加熱し、次に、布本体を含浸ゴム用のゴム糊に浸漬した後に乾燥させた。続いて、布本体の歯付ベルト本体側表面に接着ゴム用のゴム糊を塗布した後に乾燥させた。続いて、布本体のプーリ接触側表面に、表面ゴム用のゴム糊を塗布した後に乾燥させた(コーティング)。以上により、補強布を調製した。
また、含浸ゴム用のゴムと同じ配合である(ただし、異なる配合であっても良い)クロロプレンゴムを原料ゴムとした歯付ベルト本体形成用の未架橋ゴムシート及びガラス繊維の心線を調製した。
以上の未架橋ゴムシート、心線、及び補強布を用いて上記実施形態と同様にして歯付ベルトを作製し、これを実施例1とした。
なお、実施例1の歯付ベルトは、ベルト周長が840mm、及びベルト厚さが4.89mmであり、歯部の歯形が円弧歯形、歯数が105、歯幅が19mm、歯高さが2.89mm、及び配設ピッチが8mmであった。
―実施例2―
補強布13の布本体として、目付量が50g/m である織布を用いた。この織布は、経糸の密度が50本/5cm、緯糸の密度が37.5本/5cmであり、各糸の材質、太さ等は実施例1と同じである。
当該布本体を除く点、つまり、ゴムの材料、ベルトの製造方法等については、実施例1と同じである。
―実施例3―
補強布13の布本体として、実施例2と同じ織布を用いた。また、表面ゴムの原料ゴムに含有させる摩耗改質剤として、PTFE粒子(AGC社製、商品名:ルブリカントL173J、平均粒子径7μm)を用いた。表1にはBと示している。摩耗改質剤の配合量は、クロロプレンゴム100重量部に対して50重量部である。
その他の点については、実施例1と同じである。
―実施例4―
補強布13の布本体として、実施例2と同じ織布を用いた。また、表面ゴムの原料ゴムに含有させる摩耗改質剤として、超高分子量ポリエチレン粒子(三井化学社製、商品名:ミペロンXM220、平均粒子径35μm、重量平均分子量200万)を用いた。表1にはCと示している。摩耗改質剤の配合量は、クロロプレンゴム100重量部に対して50重量部である。
その他の点については、実施例1と同じである。
―実施例5―
補強布13の布本体として、目付量が10g/m である織布を用いた。この織布は、経糸の太さ50dtex、緯糸の太さ100dtexであり、経糸の密度が40本/5cm、緯糸の密度が30本/5cmである。各糸の材質等は実施例1と同じである。また、表面ゴムの原料ゴムに含有させる摩耗改質剤として、実施例4と同じ超高分子量ポリエチレン粒子を用いた(配合量についても、実施例4と同じである)。
その他の点については、実施例1と同じである。
―実施例6―
本実施例では、摩耗改質剤を表面ゴム層(コーティング)のゴム糊に含ませるのに代えて、ベルト本体11を構成するゴム組成物に含ませた。
補強布13の布本体として、実施例2と同じ織布を用いた。
表面ゴム形成用に、摩耗改質剤を含まない未架橋ゴム組成物(他の配合は実施例1の含浸ゴム用のゴム糊と同じ)を準備した。
更に、歯付ベルト本体形成用に、摩耗改質剤としてシリコーンオイルを含有する未架橋ゴム組成物(他の配合は実施例1の含浸ゴム用のゴム糊と同じ)を準備した。摩耗改質剤の配合量は、クロロプレンゴム100重量部に対して50重量部である。
表面ゴムは、実施例1と同様にして布本体に対する接着ゴム用のゴム糊を塗布及び乾燥した後に、布本体のプーリ接触側表面に塗布し、乾燥させた。
―実施例7―
本実施例では、補強布13を用いない歯付ベルトを作成した。その他の点では実施例1と同じ未架橋ゴムシート、心線等を用いて実施形態と同様に歯付ベルト作成した。
尚、歯付ベルトの加硫後に、実施例1と同じ摩耗改質剤(A)を溶剤に分散させて、スプレーコーティングによって歯部の表面に塗布した。
―比較例1―
補強布の布本体として、目付量が200g/m である織布を用いた。この織布は、経糸の密度が200本/5cm、緯糸の密度が150本/cmであり、各糸の材質、太さ等は等実施例1と同じである。
また、表面ゴム層形成用に、摩耗改質剤を含まないゴム糊(他の配合は実施例1と同じ)を用いた。
その他の点については、実施例1と同じである。
―比較例2―
補強布の布本体として、目付量が350g/m であるの織布を用いた。この織布は、経糸の密度が350本/5cm、緯糸の密度が262.5本/cmであり、各糸の材質、太さ等は実施例1と同じである。
また、表面ゴム層形成用に、摩耗改質剤を含まないゴム糊(他の配合は実施例1と同じ)を用いた。
その他の点については、実施例1と同じである。
―比較例3―
補強布の布本体として、比較例1と同じ織布を用いた。この織布は200g/m である。
また、表面ゴム層形成用に、摩耗改質剤としてシリコーンオイルを含む実施例1と同じゴム糊を用いた。
その他の点については、実施例1と同じである。
―比較例4―
補強布13の布本体として、実施例1と同じ織布を用いた。
また、表面ゴム層形成用に、摩耗改質剤を含まないゴム糊(他の配合は実施例1と同じ)を用いた。
その他の点については、実施例1と同じである。
<耐摩耗性試験>
図3に示すレイアウトのベルト走行試験機30を用いて、実施例1〜7及び比較例1〜4の各歯付ベルトの補布の炭素鋼(S45C)製プーリに対する耐摩耗性を評価する試験を行った。
はじめに、各ベルトの重量を計測した。
ベルト走行試験機30は、図3に示すように、大径の従動歯付プーリ31(歯数42)と、その側方(図では右側)に設けられた小径の駆動歯付プーリ(歯数21)と、ベルト背面を押圧するための平プーリであるアイドラプーリ33とを備える。このようなベルト走行試験機30に、従動歯付プーリ31から駆動歯付プーリ32に向かって水平になるようにベルトを巻き掛けた。従動歯付プーリ31に29.4Nの負荷トルクを与えると共に、216Nのベルト張力が加わるように駆動歯付プーリ32にデッドウェイトを加え、雰囲気温度100℃において駆動歯付プーリ32を回転(時計回りに6000rpm)させてベルトを走行させた。
300時間の走行の後、各歯付ベルトの重量を計測した。更に、走行前後の歯付ベルトの質量差を摩耗量として算出した。表1には、比較例1の場合を100として換算した値を各ベルトについて示している。
<耐久寿命試験>
前記の耐摩耗性を評価する試験と同じベルト走行試験機及び条件により、実施例1〜7及び比較例1〜4の各歯付ベルトを走行させて、歯欠が発生するまでの時間を歯欠耐久寿命として測定した。表1には、比較例1の場合を100として換算した値を各ベルトについて示している。
<摩擦係数の測定>
図4に示す摩擦係数測定装置40を用い、実施例1〜7及び比較例1〜4の各歯付ベルトについて、ベルト歯先と一般にプーリの材料として使用される炭素鋼(S45C)との間の摩擦係数を求める試験を行った。
まず、歯付ベルトの一部を切り出した試験片41をベルト歯が下を向くようにして試験片取付具42に接着固定した。次に、試験片41のベルト歯先を炭素鋼(S45C)製の摺動板43に接触させると共に、試験片取付具42の上に分銅44を載せてベルト歯先を摺動板43に圧接させた。
続いて、摺動板43を矢印の向きに移動させることによりベルト歯先に摺動板43の表面を摺動させ、試験片取付具42に繋がったロードセル45により抵抗荷重を検知した。この抵抗荷重を分銅44の質量で除すことにより摩擦係数を算出した。
<騒音試験>
図5に示すレイアウトのベルト走行試験機50を用いて、実施例1〜7及び比較例1〜4の各歯付ベルトについて、ベルト走行時の騒音を評価する試験を行った。
まず、駆動プーリ51(歯数24)と、従動プーリ52(歯数24)とからなるベルト走行試験機50に歯付ベルトを巻き掛け、従動プーリ52に後方向きに荷重をかけて歯付ベルトに一定の張力が負荷されるようにした。
次に、駆動プーリ51の回転数を300〜5000rpmの範囲で変量して歯付ベルトを走行させ、駆動プーリ51とベルトとの噛み合い始め位置から10cm離れた位置に配置された集音マイク53により騒音の音圧を測定する。
測定結果を表1に単位db(デシベル)にて示している。
<試験評価結果>
表1に、各試験の結果を示す。
実施例1〜6を比較例1と比較すると、いずれも耐久寿命(歯欠耐久寿命)は二倍以上高く、耐摩耗性及び音性能に優れ、摩擦係数が小さい。
補強布の目付量が同じであり、摩耗改質剤の有無が相違点である実施例1及び比較例4を比較すると、耐久寿命の点では比較例4の方が若干優れている。しかし、耐摩耗性、摩擦係数及び音性能については実施例1の方が明瞭に優れており、摩耗改質剤によってこれらの点が改善されたものと考えられる。
実施例1に対して、補強布の目付量が半分である実施例2は、耐久寿命については大きく優れ、他の点では同等である。つまり、補強布の目付量を少なくしても、性能は維持されるにとどまらず、むしろ向上している。
実施例3及び4は、実施例2とは摩耗改質剤が異なる例であるが、性能は概ね同等である。つまり、本開示の効果は発揮するために、様々な摩耗改質剤が利用可能である。
実施例5は、実施例4と同じ摩耗改質剤を用い、補強布の目付量を0.2倍に減らした例である。実施例5は、実施例4と比較すると摩擦係数は大きいが、耐久寿命については大きく上回っており、耐摩耗性及び音性能については同等である。つまり、補強布の目付量は、従来技術に比べて大幅に小さくすることができ、従来の常識ではる。
実施例6は、摩耗改質剤をベルト本体に含ませた例であり、摩耗改質剤が表面ゴム層に含まれる実施例1と比較すると、概ね同等の結果となっている。
ただし、摩耗改質剤をベルト本体に含ませる場合と、表面ゴム含ませる場合とを比較すると、歯の表面における摩耗改質剤の量を同程度にするために必要な摩耗改質剤の量は、表面ゴムに摩耗改質剤を含ませる場合の方が少なくなる。従って、表面ゴムに摩耗改質剤を含ませる方が低コスト化の点で有利である。
実施例7は、補強布を用いず、摩耗改質剤をベルト表面に塗布した例である。この場合、耐久寿命については、補強布を用いる実施例1〜6に比べて若干劣る。しかしながら、耐摩耗性、摩擦係数、音性能については遜色の無い性能である。
尚、摩耗改質剤を用いても、比較例3のように補強布の目付量が多い(実施例1の二倍)場合、摩耗改質剤が未使用の比較例1に比べて性能の改善は小さい。つまり、補強布を用いる場合、従来よりも補強布の目付量を減らすのが望ましい構成である。
また、比較例2のように、摩耗改質剤を用いず、補強布の目付量を更に大きくすると、耐摩耗性及び摩擦係数については大きく改善し、音性能についても優れているが、耐久寿命については大幅に劣化する。
以上の通り、摩耗改質剤を用いると共に、補強布を用いないか、又は、補強布の目付量を従来よりも顕著に小さい値とすることにより、耐摩耗性、摩擦係数、音性能及び耐久寿命についてバランス良く向上させることができる。低コスト化と摩擦係数等の性能を考慮すると、10g/m以上で且つ200g/m以下が望ましく、より望ましいのは40g/m以上で且つ80g/m以下である。
本開示の歯付ベルトは、耐摩耗性、摩擦係数、音性能及び耐久寿命がバランス良く優れているので、自動車のOHC駆動用途、射出成形機用途等の一般産業用途等に用いる伝動ベルトとして有用である。
10 歯付ベルト
11 ベルト本体
11 歯付ベルト本体
11a 歯ゴム部
11b 背ゴム部
12 心線
13 補強布
14 布本体
16 含浸ゴム層
19 突出部
30 ベルト走行試験機
31 従動歯付プーリ
32 駆動歯付プーリ
33 アイドラプーリ
40 摩擦係数測定装置
41 試験片
42 試験片取付具
43 摺動板
44 分銅
45 ロードセル
50 ベルト走行試験機
51 駆動プーリ
52 従動プーリ
53 集音マイク

Claims (8)

  1. ゴム組成物により形成されたベルト本体を有する伝動ベルトであって、
    前記ベルト本体における少なくとも一部の表面部に、摩耗改質剤を含有する表面層が形成されており、
    前記表面層は、前記ベルト本体の表面を被覆するように設けられた表面補強布を含み、
    前記摩耗改質剤を含有する前記ゴム組成物の一部が、前記表面補強布よりも突出していることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 請求項1において、
    前記表面補強布の目付量は、10g/m以上で且つ200g/m以下であることを特徴とする伝動ベルト。
  3. 請求項1又は2において、
    前記摩耗改質剤は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はエラストマーに分散されていることを特徴とする伝動ベルト。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    前記表面層は、前記摩耗改質剤によってコーティングされていることを特徴とする伝動ベルト。
  5. 請求項2において、
    前記表面補強布はコーティングされており、
    前記摩耗改質剤は、前記コーティングの材料に含まれていることを特徴とする伝動ベルト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
    前記伝動ベルトは歯付ベルトであって、
    前記表面層は、前記歯の表面部に形成されていることを特徴とする伝動ベルト。
  7. 請求項1において、
    前記表面補強布の目付量は、20g/m以上で且つ80g/m以下であることを特徴とする伝動ベルト。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つにおいて、
    前記摩耗改質剤は、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、黒鉛、ベントナイト、二硫化モリブデン、ナイロン樹脂パウダー、メチルシリコンゴム粒子、フッ素樹脂及び超高分子量ポリエチレン粒子のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする伝動ベルト。

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