JP4360077B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子の製造方法に関し、特に絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTとする)等の電力用半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IGBTは、電圧駆動型であり、オン電圧が低く、かつ高速スイッチング特性を有する素子であり、その応用範囲も、インバータなどの産業用分野から電子レンジなどの民生機器分野へ拡がっている。従来、IGBTには、パンチスルー(以下、PTとする)型、ノンパンチスルー(以下、NPTとする)型、フィールドストップ(以下、FSとする)型の構造があり、nチャネル型の縦型二重拡散構造のものが主流である。
【0003】
PT型IGBTは、p+半導体基板上にn+バッファ層とn-活性層をエピタキシャル成長させたエピウエハーを用いて形成される。そのため、たとえば耐圧600V系の素子では、活性層の厚さは70μm程度であるが、基板を含む総厚さは200〜300μm程度になる。
【0004】
図29は、低ドーズ量の浅いp+コレクタ層を有するNPT型IGBTの1/2セル分の構成を示す断面図である。図29に示すように、たとえばFZウエハーよりなるn-半導体基板を活性層1とし、その表面側に、p+ベース領域2が選択的に形成されている。ベース領域2の表面層には、n+エミッタ領域3が選択的に形成されている。また、基板表面上には、ゲート酸化膜4を介してゲート電極5が形成されている。
【0005】
エミッタ電極6は、エミッタ領域3およびベース領域2に接触しているとともに、層間絶縁膜7によりゲート電極5から絶縁されている。基板裏面には、p+コレクタ層8およびコレクタ電極9が形成されている。NPT型の場合には、活性層1の厚さがPT型よりも厚くなるが、素子全体としては、PT型の素子に比べて、大幅に薄くなる。また、エピタキシャル基板を用いずに、FZ基板を用いているため、安価である。
【0006】
図30は、FS型IGBTの1/2セル分の構成を示す断面図である。図30に示すように、基板表面側の素子構造は、図29に示すNPT型の素子と同じである。基板裏面側には、n-活性層1とp+コレクタ層8との間に、n+バッファ層10が設けられている。FS型の場合、活性層1の厚さは、PT型と同じ70μm程度(耐圧600V系)であり、素子全体の厚さは100〜200μm程度である。
【0007】
最近では、総合損失をより低減するため、ウエハーを薄く削り、デバイス厚をできるだけ薄くする試みがなされている。たとえば、耐圧600V系の素子の場合、FS−IGBTの厚さは70μm程度が想定されている。耐圧クラスが低くなると、素子の厚さはさらに薄くなる。このような厚さのFS型IGBTまたはそれに類似したデバイスの製造方法として、以下に説明するように、FZウエハーを研磨する方法と、エピタキシャルウエハーを研磨する方法が知られている。
【0008】
図31は、従来のFZウエハーを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図である。図31に示すように、まず、活性層1となるn-FZウエハーの表面側に、ベース領域、エミッタ領域、ゲート酸化膜、ゲート電極、層間絶縁膜、エミッタ電極およびパッシベーション膜よりなる表面側素子構造部11を形成する(同図(a))。ついで、ウエハーの裏面を、バックグラインド、ポリシュあるいはエッチング等の加工方法を単独または組合せて研削し、ウエハーを所望の厚さ、たとえば70μmの厚さとする(図31(b))。なお、エッチングの場合、厳密には研削ではないが、本明細書では、ウエハーを薄くする手段については問わないので、エッチングを含めて研削とする。
【0009】
ついで、ウエハーの裏面から、たとえばn型不純物であるリン(P)と、p型不純物であるボロン(B)をイオン注入し、電気炉で350〜500℃の熱処理(アニール)をおこない、バッファ層10およびコレクタ層8を形成する(図31(c))。ついで、ウエハーの裏面、すなわちコレクタ層8の表面に、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)および金(Au)などの複数の金属を蒸着し、コレクタ電極9を形成する(図31(d))。最後に、コレクタ電極9側にダイシングテープ12を貼り付けてダイシングをおこない、ウエハーを複数のチップ13に切断する(図31(e))。
【0010】
図32は、従来のエピタキシャルウエハーを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図である。図32に示すように、まず、バッファ層10となるn+半導体基板上に、活性層1となるエピタキシャル層を成長させたエピタキシャルウエハーを用意し、そのエピタキシャル層側の表面に、ベース領域、エミッタ領域、ゲート酸化膜、ゲート電極、層間絶縁膜、エミッタ電極およびパッシベーション膜よりなる表面側素子構造部11を形成する(同図(a))。表面側素子構造部11を形成時の拡散工程においてn層が拡散していく。ついで、バックグラインド等により、ウエハーをたとえば70μmの厚さにし、n+半導体基板がたとえば10μmの厚さで残るようにする(図32(b))。
【0011】
ついで、ウエハーの裏面から、たとえばp型不純物であるボロンをイオン注入し、電気炉で350〜500℃のアニールをおこない、コレクタ層8を形成する(図32(c))。ついで、コレクタ層8の表面に、複数の金属層よりなるコレクタ電極9を形成する(図32(d))。最後に、ダイシングテープ12を貼り付けてダイシングをおこない、ウエハーを複数のチップ13に切断する(図32(e))。
【0012】
図33は、従来のバックグラインド工程を詳細に説明するためのプロセス図である。図33に示すように、バックグラインド工程では、まず、図示しない表面側素子構造部が形成されたウエハー15の表面側に、保護テープ16を貼り付ける(同図(a))。これを裏返し、保護テープ16を下にして、バックグラインド装置の吸着台19に真空吸着させる(図33(b))。
【0013】
そして、バックグラインドをおこなう。その際、ウエハー15の表面には、パッシベーション膜を構成するポリイミドの段差部17が形成されているため、その段差部17のパターンを反映した凹部18がウエハー裏面に形成される(図33(c))。バックグラインド終了後、吸着台19からウエハー15を取り外し、保護テープ16を剥がす(図33(d))。このようにして、所望の厚さのウエハー15が得られる(図33(e))。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の製造方法によりたとえば70μm厚程度の素子を作製しようとすると、バックグラインド後のウエハーが薄過ぎるため、ウエハー裏面側からイオン注入をおこなう際に、ウエハーが割れやすいという問題点がある。また、ウエハー裏面にコレクタ電極となる金属膜を蒸着すると、その金属膜が、基板側からみて圧縮応力の大きな膜となるため、ウエハーに割れが生じやすいという問題点がある。
【0015】
また、電気炉によるアニール時にウエハーに発生する応力によって、ウエハーが割れやすくなるという問題点がある。また、ウエハー割れが生じなくても、圧縮応力によってウエハーが大きく反るため、ダイシングが困難になるという問題点がある。また、ダイシング後のチップの形が歪むため、設計通りの特性が得られないおそれがある。
【0016】
また、上述した従来のバックグラインド工程では、バックグラインドによってウエハー裏面が凹凸形状になり、特に真空吸着の強い箇所で深く削れてしまう(図33(e)参照、中央の凹部)ため、ウエハー割れが起こりやすいという問題点がある。また、ウエハー外周部の強度が低いため、ウエハーの外周がバックグラインド装置の吸着台から浮き上がってしまい、ウエハー割れの原因になるという問題点がある。また、ウエハー裏面が局所的に削れてしまうことによって、所望のデバイス特性が得られないおそれがある。
【0017】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、ウエハー裏面をバックグラインドしてデバイス厚の薄いIGBT等の半導体素子を製造するにあたって、ウエハーの反りやウエハーに作用する応力を抑制することによって、ウエハーが割れるのを防ぎながら半導体素子を作製することができる半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、バックグラインド時にウエハー裏面に局所的な削れが生じるのを防ぐことによって、ウエハーが割れるのを防ぐようにした半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる半導体素子の製造方法は、半導体ウエハーの表面に半導体素子の表面側素子構造部を作製する工程と、前記半導体ウエハーの、前記表面側素子構造部が作製された側の面に高剛性の接着シートを貼り付ける工程と、前記高剛性の接着シートにさらにパーティクル除去用の接着シートを貼り付ける工程と、前記高剛性の接着シートおよび前記パーティクル除去用の接着シート貼り付けた状態のまま前記半導体ウエハーの裏面を、当該半導体ウエハーの裏面側の表面が平坦になるように研削する工程と、前記パーティクル除去用の接着シートを剥離させる工程と、前記パーティクル除去用の接着シートの剥離後、イオン注入をおこない、注入された不純物をレーザーアニール法により活性化させて、前記半導体ウエハーの研削された面の表面に応力が生じないように裏面構造を作製する工程と、裏面構造が作製された前記半導体ウエハーから前記高剛性の接着シートを剥離させる工程と、前記高剛性の接着シートの剥離後、前記半導体ウエハーをチップ状に切断する工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
この発明において、裏面構造を作製する際に、イオン注入をおこない、注入された不純物をレーザーアニール法により活性化させる構成としてもよい。
【0023】
この発明において、前記半導体ウエハーに前記接着シートを貼り付けた後、当該接着シートにさらにパーティクル除去用の接着シートを貼り付け、ウエハー裏面の研削後、前記パーティクル除去用の接着シートを剥がしてから、裏面構造を作製する構成としてもよい。
【0024】
この発明によれば、半導体ウエハーの表面側に、半導体素子の表面側素子構造部を形成した後、その表面に高剛性接着シートを貼り付け、この状態でバックグラインドをおこなってウエハーを薄くした後、ウエハー裏面に対する処理をおこなうことにより、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間のウエハーの反りや、ウエハーに作用する応力が抑制される。
【0025】
また、本発明によれば、半導体ウエハーの裏面に、高剛性接着シートおよびパーティクル除去用接着シートを貼り付けた状態でバックグラインドをおこない、裏面研削終了後にパーティクル除去用接着シートを剥がしてから裏面構造の作製をおこなうことにより、ウエハー裏面の研削時に発生した削り屑やその他の塵などのパーティクルが、裏面構造を作製する前に取り除かれる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実施の形態においては、本発明方法によりIGBTを製造する場合を例にして説明する。また、以下の各実施の形態の説明および添付図面では、同様の構成については同一の符号を付す。
【0031】
実施の形態1.
図1および図2は、本発明の実施の形態1にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスを示す図である。まず、n-FZウエハー21の表面側に、SiO2等のゲート酸化膜とポリシリコンからなるゲート電極を堆積し、これらを加工する。そして、その表面にBPSG等の層間絶縁膜を堆積し、これを加工することによって、絶縁ゲート構造を作製する。つづいて、P+ベース層を形成し、その中にn+エミッタ層を形成する。
【0032】
そして、Al−Si膜からなる表面電極、すなわちエミッタ電極を形成し、400〜500℃程度で熱処理をおこなって、Al−Si膜を安定した接合性を有する低抵抗配線とする。その上全面に、ポリイミドのパッシベーション膜を積層し、図30に示す構成と同様の表面側素子構造部22ができあがる(図1(a))。本明細書では、ウエハー21の、表面側素子構造部22が形成される側の面をウエハー表面とし、その反対側の面をウエハー裏面とする。なお、図1および図2においては、表面側素子構造部22の詳細な構成の図示を省略する。
【0033】
ついで、ウエハー21を裏返し、表面側素子構造部22の表面に、両面接着タイプの接着シート31を介して、支持基板32を接合する(図1(b))。ここでは、支持基板32として、たとえばUV光を透過する石英ガラスウエハーを用いる。また、接着シート31として、たとえばUV光の照射で接着剤が硬化することにより剥離可能な高剛性UVテープ型シートや耐熱性UVテープ型シート、あるいは加熱発泡により剥離可能な加熱発泡テープ型シートで、接着時に気泡が入らないものを用いる。接着シート31の厚さは、たとえば100μm程度であるのが適当である。また、接着シート31は、耐熱温度が高く、アウトガスが少なく、剥離しやすいものがよい。
【0034】
ついで、支持基板32を接合した状態で、ウエハー裏面をバックグラインドやエッチング等により研削し、表面側素子構造部22を含むウエハー全体の厚さを所望の厚さ、たとえば70μmとする(図1(c))。ついで、ウエハー21の裏面から、たとえばn型不純物であるリンを、ドーズ量がたとえば1×1011〜1×1013cm-2で、加速電圧がたとえば200k〜6MeVでイオン注入する。つづいて、ウエハー21の裏面から、たとえばp型不純物であるボロンを、ドーズ量がたとえば1×1013〜1×1015cm-2で、加速電圧がたとえば20k〜100keVでイオン注入する。
【0035】
その後、ウエハー裏面にレーザーを照射してアニールをおこない、バッファ層となるn+層23およびコレクタ層となるp+層24を形成する(図2(a))。特に限定しないが、ここでは、レーザーとして、たとえばYAGの第3高調波(YAG3ω)パルスレーザー(波長:355nm、半値幅:100〜500ns、周波数:500Hz)を用いる。そして、たとえば一回の照射エリアを約1mm角とし、50%〜90%オーバーラップさせて照射する。YAGの第3高調波を用いる理由は、深いn+層23を形成することができるからである。また、このレーザーアニールによって、ウエハー裏面のp+層24およびn+層23のみを活性化させることができ、接着シート31の耐熱温度に関係なく熱処理をおこなうことができる。
【0036】
ついで、ウエハー裏面に、たとえばアルミニウム、チタン、ニッケルおよび金などの複数の金属を蒸着し、コレクタ電極となる裏面電極25を形成する(図2(b))。ここで、低温スパッタ法により金属膜の蒸着をおこなうのが適当である。その理由は、接着シート31の耐熱温度がおおよそ、高剛性UVテープ型シートでは100℃以下であり、耐熱性UVテープ型シートでは200℃以下であり、加熱発泡テープ型シートでは150℃以下であるため、成膜時の温度は100℃以下であるのが望ましいからである。
【0037】
ついで、ウエハー裏面に一般的なダイシングテープ26を貼り付ける。そして、支持基板32側からUV光を照射し、表面側素子構造部22のパッシベーション膜との界面で接着シート31を剥離させ、接着シート31および支持基板32を取り除く(図2(c))。その際、表面側素子構造部22に接着シート31の接着剤の残渣が残らないように注意する。なお、接着シート31が加熱発泡テープ型シートの場合には、UV光の照射の代わりに、加熱発泡により接着シート31を剥離させる。その後、ウエハー21を複数のチップ27に切断する(図2(d))。図示省略するが、各チップ27は、裏面電極25を介して配線基板等の固定部材に半田付けされる。そして、各チップ27のウエハー表面側の電極には、アルミワイヤ電極が超音波ワイヤボンディング装置により固着される。
【0038】
上述した実施の形態1によれば、表面側素子構造部22を形成した後、その表面に支持基板32を接合し、この状態でバックグラインドをおこなってウエハー21を薄くした後、ウエハー裏面に対する処理をおこなうので、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間のウエハー21の反りや、ウエハー21に作用する応力を抑制することができる。また、応力の発生源となる電気炉アニールに代えて、レーザーアニールを採用したことにより、ウエハー21に作用する応力を抑制することができる。したがって、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間にウエハー21が割れるのを防ぐことができる。また、ウエハー21の反りが小さくなるので、容易にダイシングをおこなうことができるとともに、設計通りのデバイス特性が得られる。また、レーザーアニールをおこなうことによって、p+層24の高濃度化が図れるので、オン電圧の低減を図ることができる。
【0039】
なお、上述した実施の形態1において、接着シート31として加熱発泡テープ型シートを用いた場合には、支持基板32は、UV光を透過させる必要がないので、金属やセラミックや硬質プラスチックなど、UV光が透過しない材質でできていてもよい。また、接着シート31は、その両面の粘着剤がUV硬化型であってもよいし、両面の粘着剤が加熱発泡型であってもよいし、支持基板32側の面および素子側の面がそれぞれUV硬化型および加熱発泡型であってもよいし、その逆でもよい。
【0040】
また、NPT型のIGBTを作製する場合には、実施の形態1において、n+層23を形成するためのn型不純物(リン)のイオン注入工程を省略すればよい。その場合、ウエハー裏面のレーザーアニールに用いるレーザーは、半値幅の短いXeFパルスレーザー(波長:351nm、半値幅:14ns)や、XeClパルスレーザー(波長:308nm、半値幅:49ns)でもよい。これらのレーザー、またはYAGの第2高調波(YAG2ω)や第3高調波(YAG3ω)パルスレーザーを用いれば、p+層24のみを活性化させることができる。
【0041】
実施の形態2.
図3および図4は、本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスを示す図である。実施の形態2では、nドープのエピタキシャルウエハーを用いる。まず、n+半導体基板41の上に、エピタキシャル層42を成長させたエピタキシャルウエハーの表面側、すなわちエピタキシャル層42の表面に、実施の形態1と同様にして、図30に示す構成と同様の表面側素子構造部22を作製する(図3(a))。この表面側素子構造部22を作製する際の拡散工程においてn層が拡散していく。なお、図3および図4においては、表面側素子構造部22の詳細な構成の図示を省略する。
【0042】
ついで、ウエハーを裏返し、表面側素子構造部22の表面に、接着シート31を介して、支持基板32を接合する(図3(b))。接着シート31および支持基板32については、実施の形態1と同じであるので、重複する説明を省略する。ただし、実施の形態2では、支持基板32の厚さは、たとえば625μmである。
【0043】
ついで、支持基板32を接合した状態で、ウエハー裏面をバックグラインドやエッチング等により研削し、表面側素子構造部22を含むウエハー全体の厚さが所望の厚さ、たとえば70μmで、かつn+半導体基板41がたとえば10μmの厚さで残るようにする(図3(c))。ついで、ウエハーの裏面から、たとえばp型不純物であるボロンを、ドーズ量がたとえば1×1014〜1×1015cm-2で、加速電圧がたとえば20k〜100keVでイオン注入する。
【0044】
その後、ウエハー裏面にレーザーを照射してアニールをおこない、コレクタ層となるp+層24を形成する(図4(a))。特に限定しないが、ここでは、レーザーとして、XeClパルスレーザー(波長:308nm、半値幅:49ns、周波数:100Hz)を用いる。そして、たとえば一回の照射エリアを約1mm角とし、50%〜90%オーバーラップさせて照射する。このレーザーアニールによって、ウエハー裏面のp+層24のみを活性化させることができ、接着シート31の耐熱温度に関係なく熱処理をおこなうことができる。なお、XeClに代えて、YAG2ω、YAG3ωやXeFを用いてもよい。
【0045】
ついで、ウエハー裏面に、実施の形態1と同様の理由で、たとえば低温スパッタ法により、コレクタ電極となる裏面電極25を形成する(図4(b))。そして、ウエハー裏面に一般的なダイシングテープ26を貼り付け、UV光の照射により、表面側素子構造部22から接着シート31を剥離させ、接着シート31および支持基板32を取り除く(図4(c))。なお、加熱発泡型の接着シート31を用いた場合には、加熱発泡により接着シート31を剥離させる。その後、ウエハーを複数のチップ27に切断する(図4(d))。図示省略するが、各チップ27の裏面電極25は、配線基板等の固定部材に半田付けされ、ウエハー表面側の電極には、アルミワイヤ電極が超音波ワイヤボンディング装置により固着される。
【0046】
上述した実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間のウエハーの反りや、ウエハーに作用する応力を抑制することができ、また、レーザーアニールの採用により、ウエハーに作用する応力を抑制することができるので、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間にウエハーが割れるのを防ぐことができる。また、ダイシングが容易であり、設計通りのデバイス特性が得られる。また、レーザーアニールによるp+層24の高濃度化によって、オン電圧の低減を図ることができる。なお、実施の形態2によれば、NPT型のIGBTを作製することもでき、その場合にも同様の効果が得られる。
【0047】
実施の形態3.
図5および図6は、本発明の実施の形態3にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスを示す図である。まず、n-FZウエハー21の表面側に、実施の形態1と同様にして、図30に示す構成と同様の表面側素子構造部22を作製する(図5(a))。なお、図5および図6においては、表面側素子構造部22の詳細な構成の図示を省略する。
【0048】
ついで、ウエハー21を裏返し、表面側素子構造部22の表面に、高剛性接着シート51を貼り付ける(図5(b))。高剛性接着シート51の基材としては、たとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)を用いるとよい。高剛性接着シート51の基材の弾性率は、2〜5Gpaであるのが適当である。また、高剛性接着シート51の基材の厚さは50μm以上であるのが適当である。その理由は、剛性率≒厚さ×弾性率の関係があるが、ウエハー搬送工程での割れをなくする(ウエハーをたわまなくする)ために剛性を高めなければならない。そのためには、PETの場合、前記の弾性率と厚さが必要となる。
【0049】
また、高剛性接着シート51の粘着剤としては、UV光の照射により硬化して剥離可能なアクリル系UV硬化型粘着剤を用いるとよい。また、粘着剤として、加熱発泡により剥離可能なウレタン系加熱発泡型粘着剤を用いることもできる。あるいは、粘着剤として、可視光の照射により硬化して剥離可能な可視光硬化型粘着剤を用いることもできる。
【0050】
ついで、高剛性接着シート51を貼り付けた状態で、ウエハー裏面をバックグラインドやエッチング等により研削し、表面側素子構造部22を含むウエハー全体の厚さを所望の厚さ、たとえば70μmとする(図5(c))。ついで、ウエハー21の裏面から、たとえばn型不純物であるリンを、ドーズ量がたとえば1×1011〜1×1013cm-2で、加速電圧がたとえば200k〜6MeVでイオン注入する。つづいて、ウエハー21の裏面から、たとえばp型不純物であるボロンを、ドーズ量がたとえば1×1013〜1×1015cm-2で、加速電圧がたとえば20k〜100keVでイオン注入する。
【0051】
その後、ウエハー裏面にレーザーを照射してアニールをおこない、バッファ層となるn+層23およびコレクタ層となるp+層24を形成する(図6(a))。特に限定しないが、ここでは、レーザーとして、実施の形態1と同様に、深いn+層23を形成することが可能なYAGの第3高調波(YAG3ω)パルスレーザーを用いる。照射条件等は、実施の形態1と同じである。このレーザーアニールによって、ウエハー裏面のp+層24およびn+層23のみを活性化させることができるので、高剛性接着シート51の耐熱温度に関係なく熱処理をおこなうことができる。
【0052】
ついで、ウエハー裏面に、実施の形態1と同様にして、たとえば低温スパッタ法により、コレクタ電極となる裏面電極25を形成する(図6(b))。ここで、成膜時の温度は100℃以下であるのが望ましい。その理由は、高剛性接着シート51の耐熱温度がおおよそ、UV硬化型のシートでは100℃以下であり、加熱発泡型のシートでは150℃以下であり、可視光硬化型のシートでは100℃以下であるからである。
【0053】
ついで、ウエハー裏面に一般的なダイシングテープ26を貼り付ける。そして、高剛性接着シート51側からUV光を照射し、表面側素子構造部22のパッシベーション膜との界面で高剛性接着シート51を剥離させ、高剛性接着シート51を取り除く(図6(c))。その際、表面側素子構造部22に高剛性接着シート51の粘着剤の残渣が残らないように注意する。
【0054】
なお、高剛性接着シート51が加熱発泡型粘着剤を用いたものである場合には、UV光の照射の代わりに、加熱発泡により高剛性接着シート51を剥離させる。また、高剛性接着シート51が可視光硬化型粘着剤を用いたものである場合には、可視光を照射して高剛性接着シート51を剥離させる。その後、ウエハー21を複数のチップ27に切断する(図6(d))。図示省略するが、各チップ27の裏面電極25は、配線基板等の固定部材に半田付けされ、ウエハー表面側の電極には、アルミワイヤ電極が超音波ワイヤボンディング装置により固着される。
【0055】
上述した実施の形態3によれば、表面側素子構造部22を形成した後、その表面に高剛性接着シート51を接合し、この状態でバックグラインドをおこなってウエハー21を薄くした後、ウエハー裏面に対する処理をおこなうので、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間のウエハー21の反りや、ウエハー21に作用する応力を抑制することができる。また、レーザーアニールの採用により、ウエハー21に作用する応力を抑制することができるので、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間にウエハー21が割れるのを防ぐことができる。また、ダイシングが容易であり、設計通りのデバイス特性が得られる。また、レーザーアニールによるp+層24の高濃度化によって、オン電圧の低減を図ることができる。
【0056】
なお、NPT型のIGBTを作製する場合には、実施の形態3において、n+層23を形成するためのn型不純物(リン)のイオン注入工程を省略すればよい。その場合、XeFパルスレーザーやXeClパルスレーザーを用いて、ウエハー裏面のレーザーアニールをおこなうようにしてもよい。これらのレーザー、またはYAGの第2高調波(YAG2ω)、第3高調波(YAG3ω)パルスレーザーを用いれば、p+層24のみを活性化させることができる。
【0057】
実施の形態4.
図7および図8は、本発明の実施の形態4にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスを示す図である。実施の形態4では、nドープのエピタキシャルウエハーを用いる。まず、n+半導体基板41上に成長したエピタキシャル層42の表面に、実施の形態1と同様にして、図30に示す構成と同様の表面側素子構造部22を作製する(図7(a))。この表面側素子構造部22を作製する際の拡散工程においてn層が拡散していく。なお、図7および図8においては、表面側素子構造部22の詳細な構成の図示を省略する。
【0058】
ついで、ウエハーを裏返し、表面側素子構造部22の表面に、高剛性接着シート51を貼り付ける(図7(b))。高剛性接着シート51については、実施の形態3と同じであるので、重複する説明を省略する。ついで、高剛性接着シート51を接合した状態で、ウエハー裏面をバックグラインドやエッチング等により研削し、表面側素子構造部22を含むウエハー全体の厚さが所望の厚さ、たとえば70μmで、かつn+半導体基板41がたとえば10μmの厚さで残るようにする(図7(c))。ついで、ウエハーの裏面から、たとえばp型不純物であるボロンを、ドーズ量がたとえば1×1013〜1×1015cm-2で、加速電圧がたとえば20k〜100keVでイオン注入する。
【0059】
その後、ウエハー裏面にレーザーを照射してアニールをおこない、コレクタ層となるp+層24を形成する(図8(a))。特に限定しないが、ここでは、レーザーとして、実施の形態2と同様に、XeClパルスレーザーを用いる。照射条件等は、実施の形態2と同じである。このレーザーアニールによって、ウエハー裏面のp+層24のみを活性化させることができるので、高剛性接着シート51の耐熱温度に関係なく熱処理をおこなうことができる。なお、XeClに代えて、YAG2ω、YAG3ωやXeFを用いてもよい。
【0060】
ついで、ウエハー裏面に、実施の形態3と同様の理由で、たとえば低温スパッタ法により、コレクタ電極となる裏面電極25を形成する(図8(b))。そして、ウエハー裏面に一般的なダイシングテープ26を貼り付け、UV光の照射により、表面側素子構造部22から高剛性接着シート51を剥離させ、高剛性接着シート51を取り除く(図8(c))。なお、加熱発泡型粘着剤を用いた高剛性接着シート51の場合には、加熱発泡により高剛性接着シート51を剥離させる。その後、ウエハーを複数のチップ27に切断する(図8(d))。図示省略するが、各チップ27の裏面電極25は、配線基板等の固定部材に半田付けされ、ウエハー表面側の電極には、アルミワイヤ電極が超音波ワイヤボンディング装置により固着される。
【0061】
上述した実施の形態4によれば、実施の形態3と同様に、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間のウエハーの反りや、ウエハーに作用する応力を抑制することができ、また、レーザーアニールの採用により、ウエハーに作用する応力を抑制することができるので、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間にウエハーが割れるのを防ぐことができる。また、ダイシングが容易であり、設計通りのデバイス特性が得られる。また、レーザーアニールによるp+層24の高濃度化によって、オン電圧の低減を図ることができる。なお、実施の形態4によれば、NPT型のIGBTを作製することもでき、その場合にも同様の効果が得られる。
【0062】
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスの一部を示す図である。まず、n-FZウエハー21の表面側に、実施の形態1と同様にして、図30に示す構成と同様の表面側素子構造部22(詳細な構成については図示省略)を作製する(図9(a))。
【0063】
ついで、ウエハー21を裏返し、表面側素子構造部22の表面に、高剛性接着シート51を貼り付ける。高剛性接着シート51については、実施の形態3と同じであるので、重複する説明を省略する。さらに、高剛性接着シート51の表面に、パーティクル除去用接着シート52を貼り付ける(図9(b))。パーティクル除去用接着シート52としては、たとえばUV光の照射による硬化によって剥離可能なUV硬化型、加熱発泡により剥離可能な加熱発泡型、可視光の照射による硬化によって剥離可能な可視光硬化型、または機械的に剥離するタイプのフィルム状の接着シートを用いることができる。
【0064】
ついで、高剛性接着シート51およびパーティクル除去用接着シート52を貼り付けた状態で、ウエハー裏面をバックグラインドやエッチング等により研削し、表面側素子構造部22を含むウエハー全体の厚さを所望の厚さ、たとえば70μmとする(図9(c))。その後、パーティクル除去用接着シート52のタイプに合わせて、UV光の照射、または加熱発泡、または可視光の照射、または機械的に、パーティクル除去用接着シート52を剥離させ、パーティクル除去用接着シート52を取り除く。高剛性接着シート51は貼り付けられたままである(図9(d))。これ以降のプロセスは、実施の形態3の図6以降のプロセスと同じであるので、説明を省略する。
【0065】
上述した実施の形態5によれば、実施の形態3と同様に、ウエハー割れを防ぐことができる、ダイシングが容易である、設計通りのデバイス特性が得られる、オン電圧の低減を図ることができるという効果に加えて、ウエハー裏面の研削後にパーティクル除去用接着シート52を剥がしてからイオン注入をおこなうことにより、ウエハー裏面の研削時に発生した削り屑やその他の塵などのパーティクルを、イオン注入前に取り除くことができるので、パーティクルによる不良品の発生を防ぐことができるという効果が得られる。
【0066】
実施の形態6.
図10は、本発明の実施の形態6にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスの一部を示す図である。実施の形態6では、nドープのエピタキシャルウエハーを用いる。まず、n+半導体基板41上に成長したエピタキシャル層42の表面に、実施の形態1と同様にして、図30に示す構成と同様の表面側素子構造部22(詳細な構成については図示省略)を作製する(図10(a))。この表面側素子構造部22を作製する際の拡散工程においてn層が拡散していく。
【0067】
ついで、ウエハーを裏返し、表面側素子構造部22の表面に、高剛性接着シート51を貼り付け、さらに、高剛性接着シート51の表面に、パーティクル除去用接着シート52を貼り付ける(図10(b))。高剛性接着シート51およびパーティクル除去用接着シート52は、それぞれ実施の形態3および実施の形態5と同じであるので、重複する説明を省略する。ついで、その状態で、ウエハー裏面をバックグラインドやエッチング等により研削し、表面側素子構造部22を含むウエハー全体の厚さが所望の厚さ、たとえば70μmで、かつn+半導体基板41がたとえば10μmの厚さで残るようにする(図10(c))。
【0068】
その後、高剛性接着シート51からパーティクル除去用接着シート52を剥離させ、パーティクル除去用接着シート52を取り除く。高剛性接着シート51は貼り付けられたままである(図10(d))。これ以降のプロセスは、実施の形態4の図8以降のプロセスと同じであるので、説明を省略する。
【0069】
上述した実施の形態6によれば、実施の形態3と同様に、ウエハー割れを防ぐことができる、ダイシングが容易である、設計通りのデバイス特性が得られる、オン電圧の低減を図ることができるという効果に加えて、ウエハー裏面の研削後にパーティクル除去用接着シート52を剥がしてからイオン注入をおこなうことにより、ウエハー裏面の研削時に発生した削り屑やその他の塵などのパーティクルを、イオン注入前に取り除くことができるので、パーティクルによる不良品の発生を防ぐことができるという効果が得られる。
【0070】
実施の形態7.
図11は、本発明の実施の形態7にかかる半導体素子の製造方法のバックグラインド工程を詳細に説明するためのプロセス図である。まず、半導体ウエハー61の表面に、実施の形態1と同様にして、図30に示す構成と同様の表面側素子構造部(図示省略)を作製する。表面側素子構造部(図示省略)の作製後の表面には、パッシベーション膜を構成するポリイミド等による段差部62ができている(図11(a))。
【0071】
ついで、段差部62と段差部62の間の溝部分に充填剤63を充填して、溝部分を埋め、表面を平坦にする(図11(b))。充填剤63としては、たとえば加熱発泡により剥離可能な粘着剤を用いる。この粘着剤は、溝部分の幅が50〜100μm程度で、10μm程度の深さまでであれば、ドクターブレード法、スピンコート法またはスクリーン印刷法などにより充填可能である。
【0072】
ついで、充填剤63の充填により平坦化した表面に、一般的な厚さ(たとえば50μm程度)の保護テープ64を貼り付ける(図11(c))。テープ材質は、一般的に、EVA(エチレン−酢酸ビニルコポリマー)、PO(ポリオレフィン)系樹脂またはPETなどの樹脂基材である。そして、ウエハー61を、保護テープ64を下にして、バックグラインド装置の吸着台65に取り付け(図11(d))、バックグラインドをおこなう(図11(e))。バックグラインド終了後、吸着台65からウエハー61を取り外す(図11(f))。
【0073】
ついで、たとえば図示しないホットプレートの上に半導体ウエハー61を載せ、たとえば約150℃に加熱して、発泡剥離性の充填剤63を発泡させ、充填剤63と一緒に保護テープ64を剥がす(図11(g))。その後、必要に応じて、エッチングにより、ウエハー裏面側の表面処理をおこなう。そして、実施の形態1〜6のように、イオン注入やアニール、および裏面電極の形成などのウエハー裏面側の処理をおこない、ダイシングによってチップ状に切断する。
【0074】
上述した実施の形態7によれば、表面側素子構造部を形成した後、充填剤63によりその表面を平坦化してからバックグラインドをおこなうことによって、ウエハー61の裏面に段差部62のパターンを反映させることなく、裏面を平坦に研削することができる。また、ウエハー外周部が充填剤63により強化されるので、バックグラインド時に、ウエハー61の外周がバックグラインド装置の吸着台から浮き上がるのを防ぐことができる。したがって、ウエハー割れが起こるのを防ぐことができる。また、ウエハー61の裏面が局所的に削れてしまうのを防ぐことができるので、所望のデバイス特性が得られる。
【0075】
なお、充填剤63として、UV光の照射により硬化して剥離可能な粘着剤を用い、バックグラインド終了後にUV光を照射して、この粘着剤とともに保護テープ64を剥がすようにしてもよい。あるいは、充填剤63として、レジスト剤やポリイミドを用いてもよく、その場合には、保護テープ64を剥がした後に、レジストやポリイミドを、それらの剥離液を用いて除去すればよい。
【0076】
実施の形態8.
図12は、本発明の実施の形態8にかかる半導体素子の製造方法のバックグラインド工程を詳細に説明するためのプロセス図である。まず、半導体ウエハー61の表面に、実施の形態1と同様にして、図30に示す構成と同様の表面側素子構造部(図示省略)を作製する。表面側素子構造部(図示省略)の作製後の表面には、パッシベーション膜を構成するポリイミド等による段差部62ができている(図12(a))。
【0077】
ついで、段差部62の上から、一般的な厚さよりも厚い、EVA、PO、PETなどの樹脂でできた保護テープ66を貼り付ける(図12(b))。なお、EVA(エチレン−酢酸ビニルコポリマー)を基材としたバックグラインド用保護テープとしては、日東電工株式会社製の商品名BT−150E−ALやBT−150E−FLが使用できる。
【0078】
ここで、保護テープ66の厚さは、150〜200μmであるのが適当である。その理由は、本発明者らが、保護テープの厚さを30μm、50μm、100μm、150μm、175μm、200μm、250μm、300μmとして、ウエハー面内厚さの均一性を調べた結果、図13に示すように、テープの厚さが150〜200μmのときに、ウエハー面内厚さのばらつきが、デバイス性能を維持することが可能である3μm以下となるからである。
【0079】
保護テープが150μmよりも薄いと、ウエハー表面の段差部62によるパターンを十分に吸収することができないため、ウエハー面内厚さのばらつきが大きくなると考えられる。一方、保護テープが200μmよりも厚いと、テープ自体の厚さのばらつきや、テープが押されることによるばらつきなどの影響で、ウエハー面内厚さのばらつきが悪化すると考えられる。
【0080】
保護テープ66を貼り付けた後、ウエハー61を、保護テープ66を下にして、バックグラインド装置の吸着台65に取り付け(図12(c))、バックグラインドをおこなう(図12(d))。このとき、ウエハー裏面には、わずかに段差部62のパターンを反映した凹部67が形成されるが、図13から明らかなように、この凹部67の深さは3μm程度であり、その後のプロセスに及ぼす影響は極めて小さい。また、デバイス特性に及ぼす影響も極めて小さい。
【0081】
バックグラインド終了後、吸着台65からウエハー61を取り外し、保護テープ66を剥がす(図12(e))。その後、必要に応じて、エッチングにより、ウエハー裏面側の表面処理をおこなう。そして、実施の形態1〜6のように、イオン注入やアニール、および裏面電極の形成などのウエハー裏面側の処理をおこない、ダイシングによってチップ状に切断する。
【0082】
上述した実施の形態8によれば、表面側素子構造部を形成した後、厚い保護テープ66を貼り付けた状態でバックグラインドをおこなうことによって、ウエハー61の裏面に段差部62のパターンを極力反映させることなく、裏面をほぼ平坦に研削することができる。したがって、ウエハー割れが起こるのを防ぐことができる。また、ウエハー61の裏面が局所的に深く削れてしまうのを防ぐことができるので、所望のデバイス特性が得られる。なお、保護テープ66として、テープ基材を柔らかくして厚くしたときに面内圧さの均一性が良好なテープを用いても、同様の効果が得られる。
【0083】
実施の形態9.
図14は、本発明の実施の形態9にかかる半導体素子の製造方法のバックグラインド工程を詳細に説明するためのプロセス図である。まず、実施の形態7と同様にして、半導体ウエハー61の表面に、表面側素子構造部(図示省略)を作製し(図14(a))、パッシベーション膜を構成するポリイミド等による段差部62と段差部62との間の溝部分に、加熱発泡による剥離性を有する充填剤63を充填し、表面を平坦にする(図14(b))。充填剤63については、実施の形態7と同じであるので、重複する説明を省略する。
【0084】
ついで、充填剤63の充填により平坦化した表面に、両面接着タイプで、耐熱性UVテープ型の接着シート31を貼り付け(図14(c))、その接着シート31に支持基板32を貼り付ける(図14(d))。接着シート31および支持基板32については、実施の形態1と同じであるので、重複する説明を省略する。ついで、支持基板32の、素子と接合されていない側の面に、一般的な厚さ(たとえば100μm程度)の保護テープ64を貼り付け、それを、保護テープ64を下にして、バックグラインド装置の吸着台65に取り付け(図14(e))、バックグラインドをおこなう(図14(f))。バックグラインド終了後、吸着台65からウエハー61を取り外し、保護テープ64を剥がす(図14(g))。
【0085】
ついで、たとえば図示しないホットプレート等によりウエハー61をたとえば約150℃に加熱して、発泡剥離性の充填剤63を剥離させる(図14(h))。その後、必要に応じて、エッチングにより、ウエハー裏面側の表面処理をおこなう。そして、実施の形態1〜6のように、イオン注入やアニール、および裏面電極の形成などのウエハー裏面側の処理をおこない、UV光を照射して接着シート31および支持基板32を剥離させる(図14(h))。最後に、ダイシングによってチップ状に切断する(図14(i))。
【0086】
上述した実施の形態9によれば、表面側素子構造部を形成した後、充填剤63によりその表面を平坦化し、さらに支持基板32を接合した状態でバックグラインドをおこなうことによって、ウエハー61の裏面に段差部62のパターンを反映させることなく、裏面を平坦に研削することができる。また、ウエハー61が薄くなっても、支持基板32に接合されていることにより、バックグラインド後のプロセスでのウエハー61の反りを抑制することができる。したがって、ウエハー割れが起こるのを防ぐことができる。また、ウエハー61の裏面が局所的に削れてしまうのを防ぐことができるので、所望のデバイス特性が得られる。
【0087】
なお、充填剤63として、UV光の照射により硬化して剥離可能な粘着剤を用いてもよい。その場合には、ホットプレート等によるウエハー61の加熱は不要であり、バックグラインド後、充填剤63を充填した状態のまま裏面電極形成までのウエハー裏面処理をおこなう。そして、ダイシングの直前に、UV光を照射して接着シート31および支持基板32の剥離と同時に、充填剤63を除去する。
【0088】
【実施例】
実施例1.
上述した実施の形態1にしたがい、FS型IGBTを作製した。使用したn-FZウエハー21の直径は6インチであり、厚さは625μmであった。支持基板32として、石英ガラスウエハーを用いた。接着シート31として、UVテープ型シートを用いた。バックグラインド後のウエハー21の厚さは、ウエハー厚に対するウエハーの反り量や割れ率の関係を調べるため、70μm、80μm、90μmまたは100μmとした。
【0089】
また、バッファ層となるn+層23を形成するために、リンをイオン注入する際のドーズ量を5×1012cm-2とし、加速電圧を600keVとした。コレクタ層となるp+層24を形成するために、ボロンをイオン注入する際のドーズ量を1×1015cm-2とし、加速電圧を50keVとした。レーザーアニールでは、YAGの第3高調波(YAG3ω)パルスレーザーを、50%オーバーラップさせながら照射した。コレクタ電極となる裏面電極25は、アルミニウム、チタン、ニッケルおよび金からなり、合計で2μmの厚さとした。
【0090】
実施例2.
上述した実施の形態2にしたがい、FS型IGBTを作製した。使用したエピタキシャルウエハーの直径は6インチであった。バックグラインド後のウエハーの厚さは、70μm(n+半導体基板41の残りの厚さ:10μm)、80μm(n+半導体基板41の残りの厚さ:20μm)、90μm(n+半導体基板41の残りの厚さ:30μm)または100μm(n+半導体基板41の残りの厚さ:40μm)とした。レーザーアニールでは、XeClパルスレーザーを、90%オーバーラップさせながら照射した。支持基板32、接着シート31、ボロンのイオン注入および裏面電極25については、実施例1と同じであった。ただし、ウエハー裏面に対するリンのイオン注入はおこなわなかった。
【0091】
実施例3.
上述した実施の形態3にしたがい、FS型IGBTを作製した。支持基板32および接着シート31を用いずに、高剛性接着シート51を貼り付けた点を除いて、実施例1と同じであった。
【0092】
実施例4.
上述した実施の形態4にしたがい、FS型IGBTを作製した。支持基板32および接着シート31を用いずに、高剛性接着シート51を貼り付けた点を除いて、実施例2と同じであった。
【0093】
実施例5.
上述した実施の形態5にしたがい、FS型IGBTを作製した。支持基板32および接着シート31を用いずに、高剛性接着シート51およびパーティクル除去用接着シート52を貼り付けた点を除いて、実施例1と同じであった。
【0094】
実施例6.
上述した実施の形態6にしたがい、FS型IGBTを作製した。支持基板32および接着シート31を用いずに、高剛性接着シート51およびパーティクル除去用接着シート52を貼り付けた点を除いて、実施例2と同じであった。
【0095】
実施例7.
上述した実施の形態7にしたがい、FS型IGBTを作製した。使用したウエハー61の直径は6インチであった。充填剤63として、加熱発泡により剥離可能な粘着剤を用いた。バックグラインド後のウエハー61の厚さは、70μm、80μm、90μmまたは100μmとした。裏面電極は、アルミニウム、チタン、ニッケルおよび金からなり、合計で2μmの厚さとした。
【0096】
実施例8.
上述した実施の形態8にしたがい、FS型IGBTを作製した。使用したウエハー61の直径は6インチであった。使用した保護テープ66は、厚さがおおよそ150μmの樹脂テープであった。バックグラインド後のウエハー61の厚さは、70μm、80μm、90μmまたは100μmとした。裏面電極は、アルミニウム、チタン、ニッケルおよび金からなり、合計で2μmの厚さとした。
【0097】
実施例9.
上述した実施の形態9にしたがい、FS型IGBTを作製した。充填剤63として、加熱発泡により剥離可能な粘着剤を用いた。その他は、実施例2と同じであった。
【0098】
従来例1.
従来のFZウエハーを用いたFS型IGBTの製造プロセス(図31参照)にしたがい、FS型IGBTを作製した。支持基板32および接着シート31を用いていないことと、レーザーアニールの代わりに電気炉アニール(400℃で1時間)をおこなったことを除いて、実施例1と同じであった。
【0099】
従来例2.
従来のエピタキシャルウエハーを用いたFS型IGBTの製造プロセス(図32参照)にしたがい、FS型IGBTを作製した。支持基板32および接着シート31を用いていないことと、レーザーアニールの代わりに電気炉アニール(400℃で1時間)をおこなったことを除いて、実施例2と同じであった。
【0100】
図15は、実施例1および実施例2について、裏面電極を形成した後(裏面蒸着後)のウエハーの反り量とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。ここで、反り量とは、ウエハーの中央と周縁との高さの差である。図15より、実施例1および実施例2のいずれも、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmまで薄くしても、裏面電極形成後のウエハーの反り量は、裏面電極形成後に割れが生じるときの反りの限界値である5.5mm(直径6インチのウエハーの場合)よりもはるかに小さいことがわかる。
【0101】
比較のため、従来例1および従来例2について、同様のことを調べた結果も併せて図15に示す。従来例1および従来例2では、バックグラインド後のウエハーの厚さを90μm以下にすると、裏面電極形成後のウエハーの反り量は、反りの限界値である5.5mm(直径6インチのウエハーの場合)を超えてしまう。具体的には、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmにしたときの裏面電極形成後のウエハーの反り量は、実施例1では2mmであり、実施例2では2.1mmであり、従来例1では11mmであり、従来例2では11.2mmである。
【0102】
図16は、実施例1および実施例2において、バックグラインド後のウエハーの厚さが70μmであるものについて、工程ごとにウエハーの反り量を調べた結果を示す図である。なお、本明細書では、ウエハーの表面側が凹状になるときにウエハーに引っ張り応力が作用しており、凸状になるときに圧縮応力が作用しているとする。そして、ウエハーに引っ張り応力が作用している場合の反り量を正の値で表し、圧縮応力が作用している場合の反り量を負の値で表すことにする。図16より、実施例1および実施例2のいずれも、各工程においてほとんど反り量がないことがわかる。
【0103】
比較のため、図28に、従来例1および従来例2において、バックグラインド後のウエハーの厚さが70μmであるものについて、同様のことを調べた結果を示す。従来例1および従来例2では、裏面電極を形成する前は正の反り量が発生するが、裏面電極の形成により、おおよそ−11mmの反り量が発生している。
【0104】
図17は、実施例1および実施例2について、素子の割れ率とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。比較のため、従来例1および従来例2について、同様のことを調べた結果も併せて図17に示す。図17に示すように、実施例1および実施例2のいずれも、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmまで薄くしても、割れ率は2%以下と極めて小さい。実施例1または実施例2において割れが発生するのは、UVテープ型の接着シートの剥離時と、ダイシング時であり、途中の工程ではほとんど割れない。それに対して、図17より、従来例1および従来例2では、バックグラインド後のウエハーの厚さが70μmであるものの割れ率は95%と極めて高い。
【0105】
図18は、実施例1および従来例1について、キャリア濃度分布を調べた結果を示す図である。図19は、実施例2および従来例2について、キャリア濃度分布を調べた結果を示す図である。ただし、いずれも、裏面電極をのぞいて、ウエハー裏面側からのSR(広がり抵抗法)により測定した。図18および図19より、実施例1および実施例2では、レーザーアニールを用いたことにより、ウエハー裏面のp層を従来例よりも高濃度化することができ、低オン電圧化が図れていることがわかる。
【0106】
図20は、実施例3〜実施例6について、裏面電極を形成した後のウエハーの反り量とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。比較のため、従来例1および従来例2の結果も併せて図20に示す。図20より、実施例3〜実施例6のいずれも、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmまで薄くしても、裏面電極形成後のウエハーの反り量は、裏面電極形成後に割れが生じるときの反りの限界値である5.5mm(直径6インチのウエハーの場合)よりも小さいことがわかる。具体的には、実施例3〜実施例6では、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmにしたときの裏面電極形成後のウエハーの反り量は、約3〜3.51mmである。
【0107】
図21は、実施例3および実施例4において、バックグラインド後のウエハーの厚さが70μmであるものについて、工程ごとにウエハーの反り量を調べた結果を示す図である。また、図22は、実施例5および実施例6において、バックグラインド後のウエハーの厚さが70μmであるものについて、工程ごとにウエハーの反り量を調べた結果を示す図である。図21および図22より、実施例3〜実施例6のいずれも、各工程においてほとんど反り量がないことがわかる。
【0108】
図23は、実施例3〜実施例6について、素子の割れ率とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。比較のため、従来例1および従来例2の結果も併せて図23に示す。図23に示すように、実施例3〜実施例6のいずれも、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmまで薄くしても、割れ率は5%以下と極めて小さい。実施例3〜実施例6において割れが発生するのは、高剛性接着シートやパーティクル除去用接着シートの剥離時と、ダイシング時であり、途中の工程ではほとんど割れない。
【0109】
実施例3および実施例5について、キャリア濃度分布を調べた結果を図18に、また実施例4および実施例6について、キャリア濃度分布を調べた結果を図19にそれぞれ示す。ただし、いずれも、裏面電極をのぞいて、ウエハー裏面側からのSRにより測定した。図18および図19より、実施例3〜実施例6では、レーザーアニールを用いたことにより、ウエハー裏面のp層を従来例よりも高濃度化することができ、低オン電圧化が図れていることがわかる。
【0110】
図24は、実施例7および実施例8について、裏面電極を形成した後のウエハーの反り量とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。比較のため、従来例1および従来例2の結果も併せて図24に示す。図24より、実施例7および実施例8のいずれも、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmまで薄くしても、裏面電極形成後のウエハーの反り量は、裏面電極形成後に割れが生じるときの反りの限界値である5.5mm(直径6インチのウエハーの場合)よりも小さいことがわかる。
【0111】
具体的には、実施例7および実施例8では、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmにしたときの裏面電極形成後のウエハーの反り量は、5.4mmである。つまり、ウエハー表面の凹凸形状のパターンをウエハー裏面に極力反映させずにバックグラインドをおこなうことによって、反り量が従来の半分程度に抑えられることがわかる。
【0112】
図25は、実施例7および実施例8について、素子の割れ率とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。比較のため、従来例1および従来例2の結果も併せて図25に示す。図25に示すように、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmにした場合の割れ率は、実施例7では30%であり、実施例8では35%である。従来例に比べて割れ率が低減した理由は、反り量を低減させ、ウエハー表面の凹凸形状のパターンがウエハー裏面に反映されることが原因で割れるのをほとんど失くしたことである。
【0113】
図26は、実施例9について、裏面電極を形成した後(裏面蒸着後)のウエハーの反り量とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。比較のため、実施例2の結果も併せて図26に示す。図26より、実施例9では、裏面電極形成後のウエハーの反り量は、実施例2よりも小さいことがわかる。具体的には、実施例9では、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmにしたときの裏面電極形成後のウエハーの反り量は、1.8mmである。
【0114】
図27は、実施例9について、素子の割れ率とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。比較のため、実施例2の結果も併せて図27に示す。図27に示すように、実施例9では、バックグラインド後のウエハーの厚さを70μmにした場合、割れ率は実施例2よりも小さいことがわかる。
【0115】
以上において、本発明は、半導体素子の表面構成は問わないので、半導体素子の表面側素子構造部はプレーナ型でもトレンチ型でもよい。また、本発明は、バックグラインド後のウエハーの厚さが70μmであるIGBTに限らず、ウエハー裏面をバックグラインドしてウエハー厚さを100μm以下にする工程を有する電力用半導体素子の製造方法に適用できる。また、実施の形態9のように、実施の形態1〜実施の形態6のいずれかと、実施の形態7または実施の形態8とを組み合わせてもよい。
【0116】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体ウエハーの表面側に、半導体素子の表面側素子構造部を形成した後、その表面に支持基板または高剛性接着シートを接合し、この状態でバックグラインドをおこなってウエハーを薄くした後、ウエハー裏面に対する処理をおこなうことにより、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間のウエハーの反りや、ウエハーに作用する応力を抑制することができるので、ウエハー裏面に対する処理をおこなっている間にウエハーが割れるのを防ぐことができる。また、応力の発生源となる電気炉アニールに代えて、レーザーアニールを採用することにより、ウエハーに作用する応力を抑制することができるので、ウエハーが割れるのを防ぐことができる。また、ウエハーの反りが小さくなるので、設計通りのデバイス特性が得られる。
【0117】
また、本発明によれば、半導体ウエハーの裏面に、高剛性接着シートおよびパーティクル除去用接着シートを貼り付けた状態でバックグラインドをおこない、裏面研削終了後にパーティクル除去用接着シートを剥がしてからイオン注入をおこなうことにより、ウエハー裏面の研削時に発生した削り屑やその他の塵などのパーティクルを、イオン注入前に取り除くことができるので、パーティクルによる不良品の発生を防ぐことができる。
【0118】
また、本発明によれば、表面側素子構造部を形成した後、充填剤によりその表面を平坦化してからバックグラインドをおこなうことにより、あるいは、表面側素子構造部上に厚い保護テープを貼り付けてバックグラインドをおこなうことにより、ウエハーの裏面に、ウエハー表面の段差部のパターンを反映させることなく、裏面を平坦に研削することができる。また、ウエハー外周部が充填剤により強化されるので、バックグラインド時に、ウエハーの外周がバックグラインド装置の吸着台から浮き上がるのを防ぐことができる。したがって、ウエハー割れが起こるのを防ぐことができる。また、ウエハーの裏面が局所的に削れてしまうのを防ぐことができるので、所望のデバイス特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスの一部を示す図である。
【図2】図1に示す製造プロセスの続きを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスの一部を示す図である。
【図4】図3に示す製造プロセスの続きを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態3にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスの一部を示す図である。
【図6】図5に示す製造プロセスの続きを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態4にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスの一部を示す図である。
【図8】図7に示す製造プロセスの続きを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態5にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスの一部を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態6にかかる半導体素子の製造方法の製造プロセスの一部を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態7にかかる半導体素子の製造方法のバックグラインド工程を詳細に説明するためのプロセス図である。
【図12】本発明の実施の形態8にかかる半導体素子の製造方法のバックグラインド工程を詳細に説明するためのプロセス図である。
【図13】実施の形態8において、保護テープの厚さを変えてウエハー面内厚さの均一性を調べた結果を示す特性図である。
【図14】本発明の実施の形態9にかかる半導体素子の製造方法のバックグラインド工程を詳細に説明するためのプロセス図である。
【図15】実施例1、実施例2、従来例1および従来例2について、裏面電極を形成した後のウエハーの反り量とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。
【図16】実施例1および実施例2について、工程ごとにウエハーの反り量を調べた結果を示す図である。
【図17】実施例1、実施例2、従来例1および従来例2について、素子の割れ率とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。
【図18】実施例1、実施例3、実施例5および従来例1について、キャリア濃度分布を調べた結果を示す図である。
【図19】実施例2、実施例4、実施例6および従来例2について、キャリア濃度分布を調べた結果を示す図である。
【図20】実施例3、実施例4、実施例5および実施例6について、裏面電極を形成した後のウエハーの反り量とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。
【図21】実施例3および実施例4において、工程ごとにウエハーの反り量を調べた結果を示す図である。
【図22】実施例5および実施例6において、工程ごとにウエハーの反り量を調べた結果を示す図である。
【図23】実施例3、実施例4、実施例5および実施例6について、素子の割れ率とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。
【図24】実施例7および実施例8について、裏面電極を形成した後のウエハーの反り量とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。
【図25】実施例7および実施例8について、素子の割れ率とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。
【図26】実施例9および実施例2について、裏面電極を形成した後のウエハーの反り量とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。
【図27】実施例9および実施例2について、素子の割れ率とバックグラインド後のウエハーの厚さとの関係を調べた結果を示す図である。
【図28】従来例1および従来例2について、工程ごとにウエハーの反り量を調べた結果を示す図である。
【図29】NPT型IGBTの構成を示す断面図である。
【図30】FS型IGBTの構成を示す断面図である。
【図31】従来のFZウエハーを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図である。
【図32】従来のエピタキシャルウエハーを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図である。
【図33】従来のバックグラインド工程を詳細に説明するためのプロセス図である。
【符号の説明】
21,61 半導体ウエハー
22 表面側素子構造部
27 チップ
31 両面接着タイプの接着シート
32 支持基板
41 n+半導体基板
42 エピタキシャル層
51 高剛性接着シート
52 パーティクル除去用接着シート
63 充填剤
66 保護テープ

Claims (10)

  1. 半導体ウエハーの表面に半導体素子の表面側素子構造部を作製する工程と、
    前記半導体ウエハーの、前記表面側素子構造部が作製された側の面に高剛性の接着シートを貼り付ける工程と、
    前記高剛性の接着シートにさらにパーティクル除去用の接着シートを貼り付ける工程と、
    前記高剛性の接着シートおよび前記パーティクル除去用の接着シート貼り付けた状態のまま前記半導体ウエハーの裏面を、当該半導体ウエハーの裏面側の表面が平坦になるように研削する工程と、
    前記パーティクル除去用の接着シートを剥離させる工程と、
    前記パーティクル除去用の接着シートの剥離後、イオン注入をおこない、注入された不純物をレーザーアニール法により活性化させて、前記半導体ウエハーの研削された面の表面に応力が生じないように裏面構造を作製する工程と、
    裏面構造が作製された前記半導体ウエハーから前記高剛性の接着シートを剥離させる工程と、
    前記高剛性の接着シートの剥離後、前記半導体ウエハーをチップ状に切断する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 前記高剛性の接着シートの基材の弾性率は2〜5Gpaであり、前記基材の厚さは50μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
  3. 前記高剛性の接着シートを前記半導体ウエハーに貼り付けるための粘着剤は、UV光の照射により硬化して剥離可能なUV硬化型粘着剤であり、UV光を照射して当該高剛性の接着シートを剥離させることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体素子の製造方法。
  4. 前記高剛性の接着シートを前記半導体ウエハーに貼り付けるための粘着剤は、加熱発泡により剥離可能な加熱発泡型粘着剤であり、当該高剛性の接着シートを加熱して剥離させることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体素子の製造方法。
  5. 前記高剛性の接着シートを前記半導体ウエハーに貼り付けるための粘着剤は、可視光の照射により硬化して剥離可能な可視光硬化型粘着剤であり、当該高剛性の接着シートを剥離させる際に、可視光を照射することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体素子の製造方法。
  6. 前記パーティクル除去用の接着シートを、機械的に剥離させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体素子の製造方法。
  7. 前記パーティクル除去用の接着シートを貼り付けるための粘着剤は、UV光の照射により硬化して剥離可能なUV硬化型粘着剤であり、UV光を照射して当該パーティクル除去用の接着シートを剥離させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体素子の製造方法。
  8. 前記パーティクル除去用の接着シートを貼り付けるための粘着剤は、加熱発泡により剥離可能な加熱発泡型粘着剤であり、当該パーティクル除去用の接着シートを加熱して剥離させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体素子の製造方法。
  9. 前記パーティクル除去用の接着シートを貼り付けるための粘着剤は、可視光の照射により硬化して剥離可能な可視光硬化型粘着剤であり、可視光を照射して当該パーティクル除去用の接着シートを剥離させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体素子の製造方法。
  10. 前記半導体ウエハーはエピタキシャルウエハーであり、裏面構造を作製する際に、イオン注入をおこない、注入された不純物をレーザーアニール法により活性化させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の半導体素子の製造方法。
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