JP4358828B2 - コイルエキスパンダ用線材およびコイルエキスパンダ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンに使用されるピストンリングを製造するための線材に関するものであり、特に組合せオイルリングを製造するための線材に関するものである。
ピストンリングには、一般的に圧力リングとオイルリングとがある。このようなピストンリングとして、例えば、特殊な2本リング(圧力リング1本、オイルリング1本)の場合や、ディーゼル機関のトップリング等では、耐熱性のある材料、例えばスチール材により形成されたコイルエキスパンダ等が用いられる場合がある。また、オイルリングでは、公知の2ピースオイルリング等とした場合にコイルエキスパンダが用いられる。
このようなピストンリングにおいて、例えば、オイルリングにおいては、オイルリングの機能、すなわち、オイル掻き落とし機能およびオイルコントロール機能を満足させるため、他の圧力リングよりも高い張力を必要とする。このため接触幅を狭くし、接触面積を小さくすることで面圧を上げ、シール性、オイル掻き性を向上させている。しかしながら、単に張力を上げるだけでは、フリクションを増大させる要因となる。そこで、フリクションの低減を図ることを目的とし張力を下げると、特に、高速回転域においてオイルシール性およびオイルコントロール等の機能を十分に得ることができなかった。
このようなことから低回転域では、低い張力となり、高回転域では高い張力になる「可変張力リング」の研究が進められている。公知の先行文献として特許文献1には、Ni−Ti系の形状記憶合金を用いて形成されたコイルエキスパンダを用いたオイルリングにおいて、コイルエキスパンダが、低温では収縮状態に存し、高温では伸びた状態に存するように処理されている技術が開示されている。
このように、コイルエキスパンダを形状記憶合金を用いて形成することにより、温度に応じてオイルリングをその径方向外方へ押圧する力を変化させることができるため、エンジンの始動性を向上させることが可能であり、フリクションの低減に効果を有する。しかしながら、形状記憶合金材の横弾性係数は、Ni−Ti系の2元系において、低温相(マルテンサイト相)である場合には約6000〜9000MPa程度であり、高温相(オーステナイト相)では約20000MPa程度である。この数値は通常用いられるスチール線材からなるコイルエキスパンダと比較し、1/4程度しかないため、スチール線材の場合と同程度の張力を得るためには、形状記憶合金からなる線材の太さをスチール線材の太さよりも4倍としなければならない。一方、昨今のオイルリングにおいては、追従性向上のために薄幅化される傾向にあり、サイズ上の制約から、形状記憶合金を用いて形成されたコイルエキスパンダは実用に供することは難しかった。
このような問題点を解決するために、断面形状を矩形状としたコイルエキスパンダが提案されている。しかしながら、断面形状が矩形状のものは、コイル状に曲げることにより生じる引張りや圧縮等の応力により、例えば、コイルエキスパンダの外周面においては、その断面形状が凹状となる変形が生じる場合がある。
このように、凹状に変形すると、コイルエキスパンダが配置されるオイルリングの内周溝に対して、局部摺動が強くなるため、異常摩耗が発生し、それに伴い強度が低下する問題があった。そこで、変形による局部摺動を防止するために、コイルエキスパンダの径方向に対して厚く形成された線材を用い、このような線材をコイリングした後、外周面にセンタレス加工を行うことにより面摺動とする方法が行われているが、加工による材料のロスおよび切削加工に伴う工程数の増加といった問題があり望ましくなかった。
また、コイルエキスパンダではないが、スプリングの断面形状に関する技術としては特許文献2に、内燃機関の動弁装置に用いられるコイルスプリングの線材の断面形状が開示されている。特許文献2では、インナバルブスプリングの線材の断面形状を非対称な形状にし、それぞれの部分に異なった特性を付与している。このようなバルブスプリングとコイルエキスパンダとは、同様なバネの形態を有するものであるが、それらの使用目的および機能は全く異なるものでるため、上記コイルスプリングの技術をコイルエキスパンダに応用することはできない。
また、特許文献3には、曲率の異なる曲面からなる断面形状を有するシールリングが開示されている。これは、上記コイルエキスパンダの場合と同様に、線材をリング状に形成する際に生じる断面形状の変化に対応しようとするものである。しかしながら、シールリングとコイルエキスパンダとは、用途も機能も全く異なり、コイル形状にする際の曲率も全く異なり、要求される特性も異なることから、特許文献3に開示されている技術もコイルエキスパンダへ応用できるものではない。
実公平3−41078号公報 実開昭63−92011号公報 実開昭52−1933号公報
本発明は、上記目的に鑑みてなされたものであり、異常摩耗およびそれに伴う強度の低下といった不都合が生じにくいコイルエキスパンダを煩雑な手間を要することなく製造可能なコイルエキスパンダ用線材を提供することを主目的とするものである。
本発明は、上記目的に鑑みてなされたものであり、ピストンリングと、上記ピストンリングをその径方向外方に押圧付勢するコイルエキスパンダとを有する組合せピストンリングの上記コイルエキスパンダに用いられ、断面形状が矩形状のコイルエキスパンダ用線材であって、上記コイルエキスパンダ用線材を用いコイルエキスパンダを形成する際、コイルエキスパンダの外周面となる上記コイルエキスパンダ用線材の表面が、凸状の曲面状に形成されていることを特徴とするコイルエキスパンダ用線材を提供する。
本発明のコイルエキスパンダ用線材は、コイル状に曲げる際、コイルエキスパンダの外周面となる部分に生じる変形を考慮して、上述した形状に加工されている。したがって、本発明のコイルエキスパンダ用線材を用いることにより、コイリングした後、変形により断面形状が凹状となることを防止でき、外周面に対して切削または研磨等の後処理を施さなくとも、コイルエキスパンダが配置される、例えば、オイルリングの内周溝に対して面摺動となるコイルエキスパンダを製造することができる。よって、異常摩耗およびそれに伴う強度の低下といった不都合の発生を抑制し、コスト削減および製造効率の向上に効果を有する。
さらに本発明においては、上記凸状の曲面状に形成された上記コイルエキスパンダ用線材の表面における曲面の高さが、0.03〜0.1mmの範囲内であることが好ましい。上記範囲の曲面の高さを有するコイルエキスパンダ用線材であれば、コイル状に曲げた後のコイルエキスパンダにおける外周面の形状が、変形により凹状となることはなく、例えば、オイルリングに対して面摺動を可能とする平面形状とすることができるからである。
また本発明においては、上記コイルエキスパンダ用線材を用いコイルエキスパンダを形成する際、コイルエキスパンダの内周面となる上記コイルエキスパンダ用線材の表面が、凹状の曲面状に形成されていることが好ましい。コイルエキスパンダ用線材をコイル状に曲げると、コイルエキスパンダの内周面となる部分には、圧縮させる方向に力が作用し、内周面が凸状に変形したコイルエキスパンダが形成される場合がある。このようなコイルエキスパンダは、内側に挿入される芯材に対して片当たりとなるため、内周面における摩耗や破損等が生じる可能性が高い。したがって、本発明においては、コイルエキスパンダの内周面となるコイルエキスパンダ用線材の表面を、凹状の曲面状に形成することにより、コイルエキスパンダとして形成された際に、内周面が凸状に変形することを防止し、内周面の摩耗や破損の低減を図ることを可能とする。
さらにまた本発明においては、上記凸状の曲面状に形成された上記コイルエキスパンダ用線材の表面における曲面の高さをaとし、上記凹状の曲面状に形成された上記コイルエキスパンダ用線材の表面における曲面の高さをbとすると、a≧b+0.005mmであることが好ましい。曲面状に形成された両方の表面における曲面の高さの関係を上述したものとすることにより、コイルエキスパンダを形成した際に、外周面および内周面における形状を平面とすることができるため、例えば、オイルリングの内周溝および芯材等に対して面摺動となり、全体的に摩耗量の低減を図ることができる。
本発明においては、上記凸状の曲面状に形成された上記コイルエキスパンダ用線材の表面の、上記コイルエキスパンダ用線材幅方向の両端部に位置する外周面側表面端部の曲面の曲率半径が、上記コイルエキスパンダ用線材幅方向の中央部に位置する外周面側表面中央部の曲面の曲率半径よりも小さいことが好ましい。コイルエキスパンダ用線材の外周面側表面端部を丸みを帯びた形状にすることにより応力を分散させることができるため、端部の強度を向上させることができる。
また、本発明においては、上記凹状の曲面状に形成された上記コイルエキスパンダ用線材の表面の、上記コイルエキスパンダ用線材幅方向の両端部に位置する内周面側表面端部の曲面の曲率半径が、上記コイルエキスパンダ用線材幅方向の中央部に位置する内周面側表面中央部の曲面の曲率半径よりも小さいことが好ましい。このように、コイルエキスパンダの内周面となる内周面側表面端部を丸みを帯びた形状にすることにより、コイルエキスパンダの内側に配置されるジョイント芯材の径を大きくすることができる。
さらに、本発明においては、上記コイルエキスパンダ用線材の側面が、平面状であることが好ましい。上記側面が平面状にすることにより、上記コイルエキスパンダ用線材をコイル状に形成し、コイルエキスパンダとする際の線材のねじれを防止することができる。
また、本発明においては、上記ピストンリングがオイルリングであることが好ましい。フリクションの低減を図ることができ、オイル掻き落とし機能およびオイルコントロール機能に優れた組合せオイルリングを得ることができるからである。
さらに本発明においては、上記コイルエキスパンダ用線材が、形状記憶合金により形成されていることが好ましい。形状記憶合金を用いて形成されたコイルエキスパンダ用線材は、コイル状に曲げた際に生じる引張りおよび圧縮等の力による変形が特に大きいことから、本発明の効果を十分に活かすことができるからである。
本発明においては、上述したコイルエキスパンダ用線材を用いて形成したことを特徴とするコイルエキスパンダを提供する。上述したように、上記コイルエキスパンダ用線材は、コイルエキスパンダとして形成された際の変形を見越して形成されているので、上記コイルエキスパンダ用線材を用いて製造されたコイルエキスパンダであれば、異常摩耗および強度の低下といった不都合が生じにくく、コスト削減および製造工程の簡略化に効果を有する。
本発明においては、オイルリングと、上記オイルリングをその径方向外方に押圧付勢するコイルエキスパンダとを有する組合せオイルリングに用いられる上記コイルエキスパンダにおいて、上記コイルエキスパンダは形状記憶合金により形成されており、断面形状は矩形状であり、その外周面は平面であることを特徴とするコイルエキスパンダを提供する。
本発明においては、断面形状が矩形状であり、外周面が平面であることから、コイルエキスパンダが配置されるオイルリングの内周溝に対して面摺動とすることができる。したがって、異常摩耗の発生、さらには、それに伴う強度の低下といった問題を解決することができ、組合せオイルリングにおける機能の向上に効果を有する。さらに、形状記憶合金からなるコイルエキスパンダであることから、エンジンの運転状態に対応させて張力を変化させることができるので、オイル掻き落とし機能およびオイルコントロール機能の向上に加えて、フリクションの低減も図ることができる。
さらに本発明においては、上記コイルエキスパンダの外周面は、塑性加工面であることが好ましい。研磨および切削といった加工をコイリング後に施さずに、外周面形状が平面形状のコイルエキスパンダを得ることができるので、材料の無駄が少なく、コスト面および効率面において効果を有する。
本発明のコイルエキスパンダ用線材であれば、異常摩耗およびそれに伴う強度の低下といった不都合が生じにくいコイルエキスパンダを煩雑な手間を要することなく容易に製造可能とする。
以下、本発明のコイルエキスパンダ用線材およびコイルエキスパンダについて説明する。
A.コイルエキスパンダ用線材
まず、本発明のコイルエキスパンダ用線材について説明する。
本発明のコイルエキスパンダ用線材は、ピストンリングと、前記ピストンリングをその径方向外方に押圧付勢するコイルエキスパンダとを有する組合せピストンリングの前記コイルエキスパンダに用いられ、断面形状が矩形状のコイルエキスパンダ用線材であって、前記コイルエキスパンダ用線材を用いコイルエキスパンダを形成する際、コイルエキスパンダの外周面となる前記コイルエキスパンダ用線材の表面(以下、外周面側表面とする場合がある)が、凸状の曲面状に形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明のコイルエキスパンダ用線材について図面を用いて説明する。図1は、本発明のコイルエキスパンダ用線材の一例を示した概略断面図である。図1に例示するように本発明のコイルエキスパンダ用線材1は、コイル状に成形されてコイルエキスパンダとなった際に、そのコイルエキスパンダの外周面となる外周面側表面2と、コイルエキスパンダの内周面となる表面(以下、内周面側表面とする場合がある)3と、2つの側面4とから構成されている。
本発明のコイルエキスパンダ用線材は、図1に示すように、その外周面側表面2が凸状の曲面に形成されていることを特徴とするものである。これは、本発明のコイルエキスパンダ用線材をコイル状に曲げた際の様子を説明した説明図である図2に示すように、コイルエキスパンダ用線材1をコイル状に曲げてコイルエキスパンダを作製する際、コイルエキスパンダの外周面となる部分10には、引張られる方向に力が作用するため、この力による変形の影響を回避するためである。すなわち、予め、このような力による形状変化を見越して、コイルエキスパンダの外周面となるコイルエキスパンダ用線材1の外周面側表面2を、図1に示すように、厚みを持たせた凸状の曲面に形成することにより、コイル状に曲げた際、引張り応力が働いても、凹状に変形することを防止することができる。
さらに、図2に示すように、コイルエキスパンダ用線材1をコイル状に曲げた際、コイルエキスパンダの内周面11には、圧縮する方向に力が作用する。したがって、本発明のコイルエキスパンダ用線材1においては、このような力を考慮し、図1に示すように、内周面側表面3を、凹状の曲面状に形成することにより、断面矩形状のコイルエキスパンダを製造することができる。
このような本発明における上記コイルエキスパンダ用線材の厚みおよび幅について、図を用いて説明する。図3は、上述したようなコイルエキスパンダ用線材を用いて形成されたコイルエキスパンダの、コイルエキスパンダの軸方向yを含む断面における概略断面図である。図3におけるコイルエキスパンダ用線材の断面形状61は、上述した図1に示すコイルエキスパンダ用線材1の概略断面図に相当するものである。本発明においては、コイルエキスパンダ用線材の厚みとは、図3に示すように、コイル状に巻く際、コイルエキスパンダの径方向xにおけるコイルエキスパンダ用線材の長さを意味し、コイルエキスパンダ用線材の幅とは、コイルエキスパンダの軸方向yにおけるコイルエキスパンダ用線材の長さを意味する。具体的には、コイルエキスパンダ用線材の断面形状61において、コイルエキスパンダの径方向xにおける長さがコイルエキスパンダ用線材の厚み63に該当し、コイルエキスパンダの軸方向yにおける長さがコイルエキスパンダ用線材の幅62に該当する。
以下、本発明のコイルエキスパンダ用線材について詳細に説明する。
本発明のコイルエキスパンダ用線材は、ピストンリングと、前記ピストンリングをその径方向外方に押圧付勢するコイルエキスパンダとを有する組合せピストンリングの前記コイルエキスパンダに用いられ、断面形状が矩形状のものである。
本発明のコイルエキスパンダ用線材を用いて作製されたコイルエキスパンダを有する組合せピストンリングとしては、少なくとも本発明のコイルエキスパンダ用線材により形成されたコイルエキスパンダと、ピストンリングとを有するものであれば特に限定はされない。また、本発明における組合せピストンリングに用いられるピストンリングとしては、オイルリングであることが好ましい。本発明の効果を十分に活かすことができ、フリクションの低減、オイル掻き落とし機能およびオイルコントロール機能等に優れた組合せオイルリングを得ることができるからである。したがって、本発明における組合せピストンリングは、組合せオイルリングであることが好ましく、具体的に組合せオイルリングとしては、2ピースオイルリングの他に、3ピースオイルリングまたは4ピースオイルリング等を挙げることができる。
また、本発明のコイルエキスパンダ用線材の断面形状は矩形状であり、コイルエキスパンダを形成した際、コイルエキスパンダの外周面となるコイルエキスパンダ用線材の外周面側表面が、凸状の曲面状に形成されていることを特徴とするものである。
本発明においては、コイルエキスパンダ用線材をコイル状に曲げた際、コイルエキスパンダの外周面に生じる引張り応力によるコイルエキスパンダ用線材の変形を考慮して、コイルエキスパンダの外周面となるコイルエキスパンダ用線材の外周面側表面を、凸状の曲面状に形成している。これにより、コイリングの際、上記外周面側表面が伸長し、変形しても、凹状に変形することはなく、コイルエキスパンダが配置される。例えば、オイルリングの内周溝に対して局部摺動となる問題を解消することができる。なお、ここでいう矩形状は、正方形および長方形等を意味するが、全体的に正方形および長方形等の矩形状として捉えることができる程度も含み、角または面が若干曲率を持ち丸みを帯びているような場合も含むものとする。
また、具体的に、凸状の曲面状に形成された外周面側表面において、その曲面における高さは、コイル状に曲げた際に凹状に変形することがない程度であれば特に限定はされないが、0.03mm〜0.1mmの範囲内、中でも、0.04mm〜0.08mmの範囲内であることが好ましい。上記範囲の曲面に形成されていれば、最終的に得られるコイルエキスパンダにおいて、切削等のセンタレス加工を施すことなく外周面形状を平面形状とすることができ、コイルエキスパンダが配置される、例えば、オイルリングの内周溝に対して面摺動とすることができるからである。
なお、上記曲面の高さとは、凸状の曲面状に形成された外周面側表面のうち、最も膨らみが大きい部分における膨らみの程度を示している。具体的には、図1に示すように、凸状の曲面に形成された外周面側表面の端部cおよびdを結んだ直線eと、凸状の曲面の頂点fとの距離aを示すものである。
さらに、凸状の曲面状に形成された外周面側表面において、その曲面の曲率半径Rは、0.8mm〜1.4mmの範囲内、中でも0.8mm〜1.2mmの範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも曲率半径Rが小さい場合は、コイルエキスパンダとして形成された際に、変形後の形状が凸状の曲面となる場合があり、接触面積が小さくなるため好ましくない。一方、上記範囲よりも曲率半径Rが大きい場合は、凹状に変形する場合があるため好ましくない。ここで、外周面側表面の曲率半径とは、図1に波線で示す弧R2の曲率半径である。
本発明のコイルエキスパンダ用線材を用いてコイルエキスパンダを作製した際に、コイルエキスパンダの内周面となるコイルエキスパンダ用線材の内周面側表面の形状は、特に限定されるものではない。例えば、図4に例示するように、内周面側表面3は平面状、凹状の曲面状、凸状の曲面状などの様々な形状をとり得る。本発明においては、中でも内周面側表面が、凹状の曲面状に形成されていることが好ましい。コイル状に曲げた際、図2に示すように、外周面10においては、引張り応力が働くが、内周面11においては、圧縮する方向に力が作用する。このような力が作用すると、コイルエキスパンダとして形成された際、コイルエキスパンダの内周面は、凸状に変形する。このようなコイルエキスパンダは、内側に挿入される芯材に対して片当たりとなるため、芯材との嵌合わせの為芯材の径を小さくする必要がある。したがって、本発明においては、コイルエキスパンダの内周面となるコイルエキスパンダ用線材の内周面側表面を、凹状の曲面状に形成することにより、コイルエキスパンダとして形成された際に、内周面が凸状に変形することを防止し、コイルエキスパンダの内周面における摩耗や破損の低減を図る。ここで、内周面側表面の曲率半径とは、図1に波線で示す弧R3の曲率半径である。
このように、コイルエキスパンダの内周面となるコイルエキスパンダ用線材の内周面側表面を、凹状の曲面状に形成した場合、曲面状に形成された外周面側表面と内周面側表面との曲面の高さの関係は、上記凸状の曲面状に形成された外周面側表面における曲面の高さをaとし、上記凹状の曲面状に形成された内周面側表面における曲面の高さをbとすると、a≧b+0.005mmであることが好ましい。
曲面状に形成された外周面側表面と内周面側表面とは、互いに対向する位置関係にある。これは、凸状の曲面に形成された外周面側表面は、コイルエキスパンダの外周面となる部分であり、凹状の曲面に形成された内周面側表面は、コイルエキスパンダの内周面となる部分であるからである。このような両者の表面における曲面の高さの関係を上述したものとすることにより、コイルエキスパンダとして形成された際、外周面および内周面における形状を平面とすることができるため、例えば、オイルリングの内周溝および芯材等に対して面摺動となり、全体的に摩耗量の低減を図ることができる。
なお、ここでいう上記凹状の曲面状に形成された内周面側表面における曲面の高さとは、凹状の曲面状に形成された内周面側表面のうち、最も凹んでいる部分における凹みの程度を意味している。具体的には、図1に示すように、凹状の曲面に形成された内周面側表面の端部hおよびiを結んだ直線jと、凹状の曲面の頂点kとの距離bを指している。
本発明のコイルエキスパンダ用線材は、断面形状が矩形状であるが、中でも、コイルエキスパンダ用線材幅方向端部が丸みを帯びて形成されていることが好ましい(図4参照)。エッジによる局部摺動を回避することができ、摩耗量の低減を図ることができるからである。このような丸みの形状は特に限定されるものではないが、上記凸状の曲面状に形成された上記コイルエキスパンダ用線材の表面の、上記コイルエキスパンダ用線材幅方向の両端部に位置する外周面側表面端部の曲面の曲率半径が、上記コイルエキスパンダ用線材幅方向の中央部に位置する外周面側表面中央部の曲面の曲率半径よりも小さいことが好ましい(以下、このような形状をコイルエキスパンダ用線材の第1形態とする)。具体的には、図4(a)に例示するように、外周面側表面2としての全体的な曲面形状をなす部分を外周面側表面中央部5とし、外周面側表面2の幅方向の両端部に位置する、上記外周面側表面中央部5とは異なる曲率半径を有する曲面を外周面側表面端部6とする。
この際、上記各曲面の曲率半径は、外周面側表面中央部5の曲率半径が、上述した外周面側表面2の曲率半径と同じ0.8mm〜1.4mmの範囲内、中でも0.8mm〜1.2mmの範囲内であるのに対し、外周面側表面端部6の曲率半径は0.03mm〜0.2mmの範囲内、好ましくは0.05mm〜0.1mmの範囲内であることが好ましい。外周面側表面端部6の曲率半径が上記範囲よりも小さいと、丸みを帯びた形状にしたことの効果が十分に得られない場合がある。一方、曲率半径が上記範囲よりも大きいと、そのような形状に外周面側表面端部6を加工することが困難である場合がある。
上記外周面側表面2において、上述したような外周面側表面端部6と外周面側表面中央部5とが占める割合は特に限定されるものではないが、図4(a)に示すように、外周面側表面2の長さ、すなわちコイルエキスパンダ用線材の幅62をL、外周面側表面中央部5の長さをM、その両端に位置する外周面側表面端部6の長さをそれぞれNとした場合、L:M:2Nが1:0.7〜0.95:0.05〜0.3の範囲内、中でも、L:M:2Nが1:0.75〜0.9:0.1〜0.25の範囲内であることが好ましい。
また、コイルエキスパンダ用線材の内周面側表面が凹状の曲面により形成されている場合は、上記外周面側表面の場合と同様に、上記凹状の曲面状に形成された上記コイルエキスパンダ用線材の表面の、上記コイルエキスパンダ用線材幅方向の両端部に位置する内周面側表面端部の曲面の曲率半径が、上記コイルエキスパンダ用線材幅方向の中央部に位置する内周面側表面中央部の曲面の曲率半径よりも小さいことが好ましい(以下、このような形状をコイルエキスパンダ用線材の第2形態とする)。なお、この場合は図4(b)に例示するように、内周面側表面3としての全体的な曲面形状をなす部分である内周面側表面中央部7は凹状の曲面であるのに対し、上記内周面側表面3の両端部に位置し、上記内周面側表面中央部7とは異なる曲率半径を有する内周面側表面端部8は凸状の曲面により形成される。このように内周面側表面3を成形することにより、コイルエキスパンダの内側に配置されるジョイント芯材と、コイルエキスパンダ用線材の内周面側表面3のエッジ部分とが接触し、破損する等の不具合を防止することができる。そのため、コイルエキスパンダの内径が同じ場合でも、従来よりも太い径の上記ジョイント芯材を用いることが可能になる。
具体的には、内周面側表面中央部7の曲率半径が0.8mm〜1.4mmの範囲内、中でも0.8mm〜1.2mmの範囲内であるのに対し、内周面側表面端部8の曲率半径は0.05mm〜0.2mmの範囲内、中でも0.05mm〜0.1mmの範囲内であることが好ましい。
上記内周面側表面3において、上述したような内周面側表面端部8と内周面側表面中央部7とが占める割合は特に限定されるものではないが、図4(b)に示すように、内周面側表面3の長さ、すなわちコイルエキスパンダ用線材の幅62をL、内周面側表面中央部7の長さをS、その両端に位置する内周面側表面端部8の長さをそれぞれTとした場合、L:S:2Tが1:0.7〜0.95:0.05〜0.3の範囲内、中でも、L:S:2Tが1:0.75〜0.9:0.1〜0.25の範囲内であることが好ましい。
さらに、図4(c)に示すように、コイルエキスパンダ用線材の内周面側表面3が、凸状の曲面状に形成されている場合も同様に、内周面側表面端部8の曲面の曲率半径が、内周面側表面中央部7の曲面の曲率半径よりも小さいことが好ましい(以下、このような形状をコイルエキスパンダ用線材の第3形態とする)。このように内周面側表面3を成形することにより、コイルエキスパンダ用線材の断面積を大きくすることができるので、より強い張力を発揮することができるコイルエキスパンダ用線材を得ることができる。
具体的には、内周面側表面中央部8の曲率半径が0.8mm〜1.4mmの範囲内、中でも0.8mm〜1.2mmの範囲内であるのに対し、内周面側表面端部7の曲率半径は0.05mm〜0.2mmの範囲内、中でも0.05mm〜0.1mmの範囲内であることが好ましい。
上記内周面側表面3において、上述したような内周面側表面端部8と内周面側表面中央部7とが占める割合は特に限定されるものではないが、図4(c)に示すように、内周面側表面3の長さ、すなわちコイルエキスパンダ用線材の幅62をL、内周面側表面中央部7の長さをS、その両端に位置する内周面側表面端部8の長さをそれぞれTとした場合、L:S:2Tが1:0.7〜0.95:0.05〜0.3の範囲内、中でも、L:S:2Tが1:0.75〜0.9:0.1〜0.25の範囲内であることが好ましい。
上述したように、外周面側表面および、または内周面側表面の端部が丸みを帯びた形状である場合、上述した外周面側表面の曲面の高さaは上記外周面側表面中央部の高さとし、内周面側表面の曲面の高さbとは上記内周面側表面中央部の高さとする。つまり、上述した、外周面側表面の端部が丸みを帯びていない形状においては、上記高さaは「外周面側表面の端部同士(図1における端部cおよびd)を結んだ直線と、曲面の頂点(図1における頂点f)との距離」である。一方、外周面側表面の端部が丸みを帯びている形状の場合は、外周面側表面端部の形状は考慮せず、上記高さaとは、外周面側表面中央部の端部同士を結んだ直線と、曲面の頂点との距離とし、例えば、図4における高さaを指すものとする。また、内周面側表面の曲面の高さbも同様に、内周面側表面中央部の端部同士を結んだ直線と、曲面の頂点との距離とし、例えば、図4における高さbを指すものとする。
本発明においては、コイルエキスパンダ用線材の側面が、平面状であることが好ましい。側面が平面状であることにより、上記コイルエキスパンダ用線材をコイル状に成形してコイルエキスパンダとする際に生じるコイルエキスパンダ用線材のねじれを防止することができる。この際、平面状である側面の長さは特に限定されるものではないが、図4に例示するように、側面の長さをWとしたときにWが0.3mm〜0.8mmの範囲内であることが好ましい。また、上記側面4の長さWは、図4等に示すコイルエキスパンダ用線材の厚み63の35%〜80%の範囲内であることが好ましい。上記Wの値および比率を上記範囲内にすることにより、コイルエキスパンダ用線材のねじれをより確実に防止できる。
このようなコイルエキスパンダ用線材を形成する材料としては、一般的に用いられているものであれば特に限定はされない。例えば、弁バネ鋼、工具鋼、ステンレス鋼等の鋼の他、チタン材、アルミニウム材および形状記憶合金等を挙げることができる。中でも、形状記憶合金であることが好ましい。形状記憶合金は、上記金属の中でも軟性が高く、コイル状に曲げた際に生じる引張りおよび圧縮等の力による変形が特に大きいことから、本発明の効果を十分に活かすことができるからである。また、形状記憶合金を用いることにより、エンジンの運転状態に対応させて張力を変化させることができるので、例えば本発明における組合せピストンリングを組合せオイルリングとした場合には、オイル掻き落とし機能およびオイルコントロール機能の向上に加えて、フリクションの低減も図ることができるからである。
以下、本発明のコイルエキスパンダ用線材が形状記憶合金により形成されてなる場合について説明する。
一般に、形状記憶合金は、室温では、マルテンサイト状態(M相)であり、高温ではオーステナイト状態(A相)となる。このマルテンサイト状態からオーステナイト状態への変態を逆マルテンサイト変態といい、オーステナイト状態からマルテンサイト状態への変態をマルテンサイト変態という。このような変態が生じる温度を称して、以下、マルテンサイト変態温度とする。このマルテンサイト変態温度は、ある温度幅を持っており、示唆熱分析により吸熱反応および発熱反応のピークから求める。
このような形状記憶合金は、上記マルテンサイト変態温度以下において、合金を変形させ荷重を除いた後、ある温度(例えば、Ti−Ni系ではマルテンサイト変態温度−10℃〜100℃)以上に加熱することによってもとの形状に戻る現象、すなわち、形状記憶効果を有している。
本発明においては、このような形状記憶効果を利用し、本発明のコイルエキスパンダ用線材により作製されたコイルエキスパンダにおいて、コイルエキスパンダ自体の温度が、マルテンサイト変態温度よりも高くなった場合には、コイルエキスパンダが、その長手方向に伸長するように、コイルエキスパンダ用線材を処理することが好ましい。この理由については、後述する「B.コイルエキスパンダ」において詳述する。
具体的に、本発明のコイルエキスパンダ用線材に使用可能な形状記憶合金としては、Ti−Ni系、Cu−Zn−Al系、Fe−Mn−Si系等を挙げることができる。中でも、本発明において、最も好ましくは、Ti−Niである。強度、耐疲労、耐食性の観点から最も優れているからである。
Ti−Niからなる形状記憶合金を使用した場合、その比率としては、Ti−50原子%Ni〜Ti−51原子%Niであることが好ましい。
上記マルテンサイト変態温度として本発明においては、−10℃から200℃の範囲とすることが望ましく、例えば、Ti−Ni系の場合では、−10℃〜100℃、その中でも、30℃〜90℃の範囲内であることが好ましい。マルテンサイト変態温度は、形状記憶合金の組成や形状記憶合金を製造する際の熱処理等により変化させることができるが、マルテンサイト変態温度を上記範囲内に調整することにより、本発明のコイルエキスパンダ用線材を用いて作製されたコイルエキスパンダにおいて、例えば、組み合わせオイルリングの機能が十分に発揮される程度の面圧が必要な温度で、コイルエキスパンダにマルテンサイト変態が生じ、充分な張力を得ることができるからである。
本発明の形状記憶合金からなるコイルエキスパンダ用線材においては、断面形状における厚みと幅との比が、1:1〜1:4の範囲内、その中でも、1:2〜1:3.5の範囲内、中でも、1:2.5〜1:3の範囲内であることが好ましい。上記範囲より、幅の長さの比率が大きい場合は、コイルエキスパンダを作製する際、所定のピッチでは、隣合う線材同士間の空隙が狭くなるため、所定の曲率で曲げることが困難となる場合があるため好ましくない。一方、上記範囲よりも幅の比を小さくすると、所定のピッチで巻いた際に、隣合う線材同士間に形成される空隙が広くなるため、充分な張力を得ることができない場合があるから好ましくない。
なお、ここでいうピッチとは、コイルエキスパンダ用線材をコイル状に巻いた際に、線材一回転における、線材の中心から、隣合う線材の中心までの長さを意味する。詳しくは、後述する「B.コイルエキスパンダ」の中で説明する。
また、本発明の形状記憶合金からなるコイルエキスパンダ用線材においては、その厚みが、例えば、図5に示すh寸法が2mm以下の薄幅化されたオイルリングを有する組合せオイルリングとした場合、0.2mm〜0.5mmの範囲内、その中でも0.25mm〜0.3mmの範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも薄くすると、コイルエキスパンダとして形成された際、バネとしての反力が弱くなり充分な張力が得られない場合があるため好ましくなく、一方、上記範囲よりも厚くすると、所定のコイル径のコイルエキスパンダとすることができない場合があるため好ましくない。
B.コイルエキスパンダ
次に、本発明のコイルエキスパンダについて説明する。本発明のコイルエキスパンダは、2つの実施態様に分けることができる。以下、第1実施態様および第2実施態様に分けて本発明のコイルエキスパンダについて説明する。
1.第1実施態様
本実施態様のコイルエキスパンダは、上述したコイルエキスパンダ用線材を用いて形成したことを特徴とするものである。
上述したように、上記コイルエキスパンダ用線材は、コイルエキスパンダとして形成された際の変形を見越して形成されているので、コイリングした後に、研磨または切削といった後処理を施さなくとも外周面形状が平面形状のコイルエキスパンダを得ることができる。したがって、上述したコイルエキスパンダ用線材を用いて製造されたコイルエキスパンダであれば、異常摩耗および強度の低下といった不都合が生じにくく、コスト削減および製造工程の簡略化を可能とする。
このような本実施態様のコイルエキスパンダの一例を用いた組合せオイルリングについて図面を用いて説明する。図5は、本実施態様のコイルエキスパンダを用いた組合せオイルリングの一例を図示した概略断面図である。本実施態様における組合せオイルリングは、上述したコイルエキスパンダ用線材を用いて作製されたコイルエキスパンダ40と、二つのレール41、42を柱状のウェブ44で連結した断面略I字形を呈するオイルリング45とを有している。
当該オイルリング45は、摺動面46でシリンダボア20の内壁21を摺動する。また、レール41および42をウェブ44で連結して形成される外周溝47は、シリンダ内壁21から摺動面46によって掻きとられた潤滑油が受容される溝であり、さらに、外周溝47に受容された潤滑油は、ウェブ44に多数設けられている油孔48を通過し、オイルリング45の内周側へと移動する。
さらに、レール41および42をウェブ44で連結して内周側に形成される内周溝49には、オイルリング45をオイルリング45の径方向外方へ付勢して、シリンダ内壁21にオイルリング45を押し付けるコイルエキスパンダ40が配置されている。本実施態様においては、このコイルエキスパンダ40が上述したコイルエキスパンダ用線材を用いて形成されている。コイルエキスパンダを作製する際には、コイル状に曲げた際に生じる引張りや圧縮等の力の作用により、外周面や内周面に変形が生じるが、上述したコイルエキスパンダ用線材は、そのような変形を考慮した形状に形成されているため、断面形状が矩形状のコイルエキスパンダとすることができる。
さらに、本実施態様においては、上述したコイルエキスパンダ用線材において形状記憶合金からなるものとした場合には、コイルエキスパンダ自体の温度がマルテンサイト変態温度よりも高くなると、コイルエキスパンダ材の横弾性係数は大きく変化しコイルエキスパンダとしての張る力(張力)が大きく変わる。具体的には、Ni−Ti系形状記憶合金の場合、低温相(マルテンサイト相)では6000〜9000MPaであり、高温相(オーステナイト相)では約20000MPaであり、コイルエキスパンダとしては、約2〜3倍の張力変化がある。
すなわち、エンジン始動時においては、機関温度等はマルテンサイト変態温度よりも低い為、コイルエキスパンダは低い横弾性係数に基づく、低い張力となりピストンリングとシリンダボアの摺動摩擦を低減することができ、エンジンの暖気状態の際生じる摺動面のフリクションを減らすことができる。
また、エンジンの回転数が高い場合や、エンジン負荷が高く、エンジン温度が高い場合には機関温度等はマルテンサイト変態温度よりも高い為、コイルエキスパンダは高温での横弾性係数に基づく、高い張力となり、ガスシール性やオイルシール性を良好にさせつつ、オイルリングの機能を発揮することができる。
このような利点を有する本実施態様のコイルエキスパンダは、上述したコイルエキスパンダ用線材を用いて作製されたものである。また、上述したコイルエキスパンダ用線材の形成材料は、形状記憶合金であることが好ましいことから、本実施態様のコイルエキスパンダにおいても形状記憶合金からなるものであることが好ましい。
以下、本実施態様のコイルエキスパンダが、このような形状記憶合金からなる場合について説明する。
形状記憶合金は、上述したように、マルテンサイト変態温度以下において、合金を変形させ荷重を除いた後、ある温度(例えば、Ti−Ni系ではマルテンサイト変態温度−10℃〜100℃)以上に加熱することによってもとの形状に戻る現象、すなわち、形状記憶効果を有している。このような形状記憶効果において、予め記憶させた形状に合金が戻る温度をマルテンサイト変態温度としている。
本実施態様においては、このような形状記憶効果を利用し、コイルエキスパンダ自体の温度が、マルテンサイト変態温度よりも高くなった場合、所望の張力が得られるように処理されていることが好ましい。コイルエキスパンダは高温相(オーステナイト相)に所望の張力が得られるように縮み代を考慮して、記憶処理を施しておく。コイルエキスパンダをピストンリングとしてセットする際は、コイルエキスパンダの両端部は合口として突き当てた状態となり、伸縮状態でピストンにセットされる。エンジン始動時は上記の如く低い張力だが、エンジン温度が高い状態となると上記の如く高い張力となる。つまり、コイルエキスパンダは低温時及び高温時いずれもコイルエキスパンダとして両端部が固定されているため伸縮状態のまま、横弾性係数の変化で、張力変化が生ずる。エンジン始動時においては、潤滑油の温度および機関温度は、徐々に上昇している段階にあり、エンジンの始動からある程度の時間が経過し十分に駆動した後の場合と比較して、それらの温度は低く、潤滑油の粘度は高い状態にある。また、この際の温度は本実施態様におけるマルテンサイト変態温度よりも低い。通常のコイルエキスパンダは、エンジン始動時においても、エンジンが十分に駆動している状態と同程度の張力が発現されることから、エンジン始動時においては、例えば、オイルリングの作用が働きすぎて機関の始動性を損なう要因となっていた。しかしながら、本実施態様においては、エンジン始動時における機関温度等がマルテンサイト変態温度よりも低いため、コイルエキスパンダはその長手方向に伸長することはなく、充分な張力を発揮しない。したがって、始動性を低下させるほどにオイルリングの面圧を高めることがないので、機関の始動性を向上させることができる効果を有する。
一方、エンジンが十分に駆動している段階において、例えば、オイルリングの場合には、オイル掻き落とし機能およびオイルコントロール機能を得るためにある程度高い面圧を所望とするが、機関温度の上昇に伴い、コイルエキスパンダ自体の温度がマルテンサイト変態温度を超えると、コイルエキスパンダは、記憶された状態に戻ることにより、バネとしての反力が増し、張力を増加させることができる。その結果、オイルリングは、その機能を十分に発現させることができる程度の面圧を得ることができる。このような理由により、本実施態様においては、コイルエキスパンダ自体の温度が、マルテンサイト変態温度よりも高くなった場合には、コイルエキスパンダの記憶された状態に戻るように処理されていることが好ましいのである。
また、本実施態様におけるコイルエキスパンダの張力は、マルテンサイト変態前(低温相)においては、例えば、図5に示すh寸法2.0mm以下に用いるコイルエキスパンダとした場合、1N〜30Nの範囲内、その中でも、1N〜15Nの範囲内であることが好ましい。マルテンサイト変態前は、エンジンは暖機状態にあり、徐々に機関温度が上昇している段階にあるので、上記範囲内の張力を有するコイルエキスパンダであれば、機関の始動性を向上させることができるからである。
さらに、マルテンサイト変態後(高温相)の張力は、例えば、本発明における組合せピストンリングを組合せオイルリングとした場合には、オイルリングの機能を損なうことがない程度であれば特に限定はされないが、具体的には、図5に示すh寸法2.0mm以下に用いるコイルエキスパンダとした場合、3N〜40Nの範囲内、その中でも、3N〜20Nの範囲内であることが好ましい。一般的に、フリクションの低減にはオイルリングの面圧を低くすることが有効であるが、コイルエキスパンダのマルテンサイト変態後における張力を上記範囲内に調整することにより、フリクションの低減を実現でき、燃費の向上を図ることができるからである。
さらに、本実施態様におけるコイルエキスパンダを形成する材料およびマルテンサイト変態温度については、上記「A.コイルエキスパンダ用線材」の中に記載したものと同様なのでここでの説明は省略する。
さらに本実施態様におけるコイルエキスパンダは、上述したコイルエキスパンダ用線材を用いて作製されていることから、断面形状が矩形状のものとすることができる。これにより、例えば、薄幅化されたオイルリングの内周溝に設置可能な程度にコイルエキスパンダのコイル径を小さくした場合であっても、充分な張力を発現することができ、形状記憶合金からなるコイルエキスパンダにおける張力不足の問題を解決することができる。
さらに、上述したコイルエキスパンダ用線材を用いて、本実施態様のコイルエキスパンダを製造する場合、コイル状に曲げる際のピッチとしては、コイルエキスパンダのコイル径に応じて、ほぼ所定の範囲内に決定される。なお、ここでいうピッチとは、線材をコイル状に巻いた際に、線材一回転における、線材の中心から、隣合う線材の中心までの長さを意味する。具体的には、図6に示すように、AからBまでの一回転において、Aの位置における線材の中心から、Bの位置における線材の中心までの間隔pを指している。また、ここでいう、コイルエキスパンダのコイル径とは、コイルエキスパンダの径方向における長さのうち、最も外側の長さを意味しており、具体的には、図6に示すd14を指しているが、具体的に、このコイル径としては、例えば、図5に示すh寸法2mm以下のコイルエキスパンダにおいて、0.3mm〜1.8mmの範囲内、その中でも、0.3mm〜1.4mmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内のコイル径であれば、例えば、薄幅化されたオイルリングであっても対応することができるからである。コイルエキスパンダのコイル径を上記範囲内とした場合、ピッチは、例えば、h寸法2mm以下のコイルエキスパンダにおいて、0.3mm〜1.8mmの範囲内、その中でも、0.3mm〜1.4mmの範囲内にほぼ規定される。さらに、ピッチは、均一であることが好ましい。
また、上述したコイルエキスパンダ用線材をコイル状に巻きコイルエキスパンダを形成する際の巻き方としては、コイルエキスパンダ用線材の断面形状における長辺側がコイルエキスパンダの周方向を形成するように巻くことが好ましい。このような巻き方が、コイルエキスパンダのコイル径を最も小さくし、かつバネとしての反力を十分に発現することができるため、所望の張力を得ることができるからである。
2.第2実施態様
本実施態様のコイルエキスパンダは、オイルリングと、前記オイルリングをその径方向外方に押圧付勢するコイルエキスパンダとを有する組合せオイルリングに用いられる前記コイルエキスパンダにおいて、前記コイルエキスパンダは形状記憶合金により形成されており、断面形状は矩形状であり、その外周面は平面であることを特徴とするものである。
本実施態様においては、断面形状が矩形状であり、外周面が平面であることから、コイルエキスパンダが配置されるオイルリングの内周溝に対して面摺動とすることができる。したがって、異常摩耗の発生、さらには、それに伴う強度の低下といった問題を解決することができ、組合せオイルリングにおける機能の向上に効果を有する。さらに、形状記憶合金からなるコイルエキスパンダであることから、エンジンの運転状態に対応させて張力を変化させることができるので、オイル掻き落とし機能およびオイルコントロール機能の向上に加えて、フリクションの低減も図ることができる。
このようなコイルエキスパンダにおいて、外周面は塑性加工面であることが好ましい。ここでいう、塑性加工面とは、研磨や切削等の処理を施していない面を意味する。本実施態様においては、外周面をこのような塑性加工面とすることにより、研磨および切削といった加工をコイリング後に施さずに、外周面形状が平面形状のコイルエキスパンダを得ることができるので、材料の無駄が少なく、コスト面および効率面において効果を有する。
このようなコイルエキスパンダを形成する線材としては、コイル状に曲げた際に、引張りおよび圧縮等の力の作用により変形が生じた場合であっても、研磨または切削等の処理を施さなくとも、コイルエキスパンダの外周面を平面とすることが可能な線材であることが好ましい。具体的には、上述したコイルエキスパンダ用線材を用いることにより、このようなコイルエキスパンダの形成が可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態は例示であり、本明細書の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様の効果を奏するものは、如何なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
まず、以下に示す方法で摺動特性確認試験を行った。コイルエキスパンダの外周面となるコイルエキスパンダ用線材の外周面側表面が下記表1に示す断面形状であるコイルエキスパンダ用線材を用いてコイルエキスパンダを作製し、作製したコイルエキスパンダをオイルリングに組付けて、図7に示す単体試験を行った。
・オイルリング仕様
材料 17Cr材
寸法 d1:79mm、h:1.5mm、レール幅0.2mm
・コイルエキスパンダ仕様
材料 Ti−50原子%Ni材
用いたコイルエキスパンダ用線材の寸法は、図4に示す寸法の63を0.3mm、62を0.85mmとし、図6に示すd14を1.1mmとした。
(試験方法)
図7に示す単体試験において、D1径:φ82mm、D2径:φ79mm、回転数:700rpmとし、ピストン70にオイルリング71を組付け、これをシリンダボア72内に設置した。モータ(図示せず)の回転をピストン70のストローク(上下動の動き)に変換させ、この上下動に伴い、オイルリング71をφ82mm〜φ79mmの間で繰り返し拡張、収縮させた。
上記範囲のシリンダボア72内を5×10回摺動させた後、コイルエキスパンダを外し摺動特性を確認した。その際に「コイルエキスパンダの摺動面位置」及び「コイルエキスパンダの摺動面大きさ」を拡大鏡で確認した。摺動面の大きさは面積より算出し下記表1に示すように評価した。
Figure 0004358828
なお、上記表1において、外周面側表面曲率半径(mm)とは、用いたコイルエキスパンダ用線材の外周面側表面の曲率半径(外周面側表面の端部が丸みを帯びた形状である実施例8〜13においては、外周面側表面中央部)を示している。a(mm)とは、コイルエキスパンダ用線材の外周面側表面における曲面の高さ(実施例8〜13においては、外周面側表面中央部の高さ)を示している。
なお、実施例4、5、10、および11は、内周面側表面を凹状の曲面形状であり、外周面側表面の高さaと、内周面側表面の高さbとの差を備考欄に示した。また、実施例12および実施例13において、内周面側表面は、それぞれの外周面側表面と同様の凸状の曲面形状である。加えて、外周面側表面の端部が丸みを帯びた形状である実施例8〜13については、それぞれの断面形状の形態(形態1〜形態3、図4(a)〜(c)参照)を備考欄に示す。外周面側表面および外周面側表面端部の曲率半径、a値およびM値については、形状測定を用いて測定チャートより求めた。
さらに、摺動面が全面であり、かつ摺動面積が大きい実施例2、実施例4、実施例6、実施例7、実施例8、実施例10、および実施例12と、比較例とについて疲労試験を実施した。その結果を図8に示す。
(評価)
上記表1に示す結果から、実施例1から実施例5、および実施例8から実施例13では、コイルエキスパンダ用線材の外周面側表面形状を凸形状とし、外周面側表面の曲率半径を0.8〜1.4mmの範囲内、さらに外周面側表面の高さaを0.03mm〜0.1mmの範囲内とすることで、コイルエキスパンダの外周面とオイルリングの摺動面が大きくなり局部摺動が解消できたことが分かる。
さらに、図8に示す結果から、実施例2、実施例4、実施例8、実施例10、および実施例12については、疲労強度が比較例より著しく高いことが分かる。さらに、外周面側表面の曲率半径のみ実施例2および実施例4より低い実施例6や、外周面側表面の曲率半径および外周面側表面の高さaが実施例2および実施例4より高い実施例7と比較すると、疲労強度が格段に向上していることが分かる。
このような結果から、コイルエキスパンダ線材の外周面側表面を凸形状とすることにより、局部摺動を抑制する効果が得られ、さらに、外周面側表面の曲率半径を0.8〜1.4mmの範囲内、さらに、外周面側表面の高さaを0.03mm〜0.1mmの範囲内とすることにより、コイルエキスパンダ外周面とオイルリングとの摺動面をより大きくすることができ、さらに、疲労強度の向上にも効果を有することが分かる。
本発明のコイルエキスパンダ用線材の一例を示した概略断面図である。 コイルエキスパンダ用線材をコイル状に曲げる際の様子を示した説明図である。 本発明のコイルエキスパンダ用線材における幅および厚みを説明する説明図である。 本発明のコイルエキスパンダ用線材の他の例を示した概略断面図である。 本発明のコイルエキスパンダの一例を有する組合せオイルリングの概略断面図である。 本発明のコイルエキスパンダを説明する説明図である。 実施例における摺動特性確認試験の様子を示した説明図である。 実施例における疲労強度の結果を示したグラフである。
符号の説明
1 … コイルエキスパンダ用線材
2 … 外周面側表面
3 … 内周面側表面
4 … 側面

Claims (9)

  1. ピストンリングと、前記ピストンリングをその径方向外方に押圧付勢するコイルエキスパンダとを有する組合せピストンリングの前記コイルエキスパンダに用いられ、断面形状が矩形状のコイルエキスパンダ用線材であって、
    前記コイルエキスパンダ用線材を用いコイルエキスパンダを形成する際、コイルエキスパンダの外周面となる前記コイルエキスパンダ用線材の表面が、凸状の曲面状に形成されており、
    前記凸状の曲面状に形成された前記コイルエキスパンダ用線材の表面における曲面の高さが、0.04〜0.08mmの範囲内であり、
    前記コイルエキスパンダ用線材が、形状記憶合金により形成されていることを特徴とするコイルエキスパンダ用線材。
  2. 前記コイルエキスパンダ用線材を用いコイルエキスパンダを形成する際、コイルエキスパンダの内周面となる前記コイルエキスパンダ用線材の表面が、凹状の曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコイルエキスパンダ用線材。
  3. 前記凸状の曲面状に形成された前記コイルエキスパンダ用線材の表面における曲面の高さをaとし、前記凹状の曲面状に形成された前記コイルエキスパンダ用線材の表面における曲面の高さをbとすると、a≧b+0.005mmであることを特徴とする請求項2に記載のコイルエキスパンダ用線材。
  4. 前記凸状の曲面状に形成された前記コイルエキスパンダ用線材の表面の、前記コイルエキスパンダ用線材幅方向の両端部に位置する外周面側表面端部の曲面の曲率半径が、前記コイルエキスパンダ用線材幅方向の中央部に位置する外周面側表面中央部の曲面の曲率半径よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のコイルエキスパンダ用線材。
  5. 前記凹状の曲面状に形成された前記コイルエキスパンダ用線材の表面の、前記コイルエキスパンダ用線材幅方向の両端部に位置する内周面側表面端部の曲面の曲率半径が、前記コイルエキスパンダ用線材幅方向の中央部に位置する内周面側表面中央部の曲面の曲率半径よりも小さいことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれかの請求項に記載のコイルエキスパンダ用線材。
  6. 前記コイルエキスパンダ用線材の側面が、平面状であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のコイルエキスパンダ用線材。
  7. 前記ピストンリングがオイルリングであることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載のコイルエキスパンダ用線材。
  8. 前記請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のコイルエキスパンダ用線材を用いて形成したことを特徴とするコイルエキスパンダ。
  9. 前記コイルエキスパンダの外周面は、塑性加工面であることを特徴とする請求項8に記載のコイルエキスパンダ。
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