JP2000192805A - 中空カムシャフトの製造方法および中空カムシャフト - Google Patents

中空カムシャフトの製造方法および中空カムシャフト

Info

Publication number
JP2000192805A
JP2000192805A JP10369825A JP36982598A JP2000192805A JP 2000192805 A JP2000192805 A JP 2000192805A JP 10369825 A JP10369825 A JP 10369825A JP 36982598 A JP36982598 A JP 36982598A JP 2000192805 A JP2000192805 A JP 2000192805A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
camshaft
cam lobe
hollow
steel pipe
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10369825A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3832695B2 (ja
Inventor
Hideo Minamiyama
山 秀 夫 南
Kenji Suzuki
木 健 司 鈴
Makoto Kano
納 眞 加
Hironori Sakamoto
元 宏 規 坂
Takeharu Kuramochi
持 竹 晴 倉
Tsuneyasu Nohara
原 常 靖 野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TUBE FOMING CO Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
TUBE FOMING CO Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TUBE FOMING CO Ltd, Nissan Motor Co Ltd filed Critical TUBE FOMING CO Ltd
Priority to JP36982598A priority Critical patent/JP3832695B2/ja
Publication of JP2000192805A publication Critical patent/JP2000192805A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3832695B2 publication Critical patent/JP3832695B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/02Valve drive
    • F01L1/04Valve drive by means of cams, camshafts, cam discs, eccentrics or the like
    • F01L1/047Camshafts
    • F01L2001/0475Hollow camshafts

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より以上の軽量化が可能であると共に、生産
性に優れた中空カムシャフトの製造方法、およびこのよ
うな方法によって製造される中空カムシャフトであっ
て、強度および耐久性に優れた中空カムシャフトを提供
する。 【解決手段】 カムシャフト粗材10のカムロブ部13
の外面直径(Rb +h2)とジャーナル部12の外径
(2Rj )との中間寸法の外径を有する素材鋼管を使用
し、素材鋼管のジャーナル相当部位を成形型を用いた塑
性加工によってあらかじめ縮径加工したのち、カムロブ
部13を膨出成形して得たカムシャフト粗材10のカム
摺動面に耐摩耗材料をレーザ肉盛りすることによって、
例えば気筒間におけるカムシャフト軸部4の外径(2R
s )をカムロブ部3,3の間に位置するジャーナル部2
の外径(2Rjf)よりも大きくした中空カムシャフト1
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジンの吸排気弁を駆動するカムシャフトの製造方法に
係わり、さらに詳しくは、中空の一体構造をなし、エン
ジンの軽量化に寄与するカムシャフトを優れた生産性の
もとに製造することができる中空カムシャフトの製造方
法、およびこのような製造方法により製造した中空カム
シャフトの形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記したようなエンジン用カムシャフト
は、従来、鋳造や鍛造、あるいは丸棒鋼からなるシャフ
トにカムピースやジャーナルピースを溶接することによ
って製造されていたが、最近ではエンジンの軽量化を目
的として、シャフトに鋼管を用いた中空カムシャフトが
実用化され、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンに
広く採用されている。
【0003】このような中空カムシャフトは、耐摩耗性
を備えたカムピースやジャーナルピースに鋼管を通した
状態で、鋼管内部に液圧をかけて拡管させることによっ
て、鋼管の外周部にカムピースやジャーナルピースを固
定するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の中空カムシャフトにおいては、例えば、図8に
示すように、焼結、あるいは鍛造したのち浸炭焼入れを
施すことによってそれぞれ作成したカムピース101や
ジャーナルピース102を金型100内にセットしたの
ち、これらカムピース101やジャーナルピース102
にあらかじめ形成した挿通孔に鋼管103を通して液圧
拡管を行う工程となっていることから、部品点数が多
く、製造工程が多段階にわたるために生産性が低いとい
う問題と共に、このような中空カムシャフトにおいて
は、カムピース101およびジャーナルピース102を
鋼管103の外周面に強固に固定する必要があることか
ら、カムピース101やジャーナルピース102を中空
化することが困難なために、軽量化にも限界があるとい
う問題点があって、これらの問題点を解決することが、
中空カムシャフトの製造コストを低減し、中空カムシャ
フトのさらなる軽量化のための課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、従来の中空カムシャフトにお
ける上記課題に着目してなされたものであって、生産性
に優れ、カムシャフトのより以上の軽量化が可能な中空
カムシャフトの製造方法と、このような方法によって製
造され、構造的に強度および耐久性に優れた中空カムシ
ャフトを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る中空カムシャフトの製造方法においては、素材鋼管に
塑性加工を施して最終仕上げ形状に近似した形状を有す
るカムシャフト粗材を形成したのち、該カムシャフト粗
材のカム摺動面の一部もしくは全部にレーザ肉盛りを施
して中空カムシャフトを製造するに際し、素材鋼管の外
径をカムシャフト粗材の最大外周寸法となるカムロブ部
の外面直径(Rb +h2 )と最小寸法となるジャーナル
部の外径(2Rj )との中間寸法とし、当該素材鋼管の
ジャーナル相当部位を成形型を用いた塑性加工によって
あらかじめ縮径加工したのち、膨出成形してカムシャフ
ト粗材を得る構成としており、中空カムシャフトの製造
方法におけるこのような構成を前述した従来の課題を解
決するための手段としたことを特徴としている。
【0007】本発明の中空カムシャフトの製造方法の実
施態様として請求項2に係わる製造方法においては、カ
ムシャフト粗材におけるカムロブ部のベースサークル径
(2Rb )よりも小さく、かつ回転軸芯からカムロブ部
のノーズトップまでの距離(h2 )よりも大きい外径の
素材鋼管を用いる構成とし、同じく実施態様として請求
項3に係わる中空カムシャフトの製造方法においては、
縮径加工に際して素材鋼管のジャーナル相当部位を50
%以下の縮径率に加工する構成としたことを特徴として
いる。
【0008】また、実施態様として請求項4に係わる中
空カムシャフトの製造方法においては、膨出成形に際し
て、少なくともカムロブ成形部を含む部分とそれ以外の
部分とが分割された構造の成形型を使用し、カムロブ成
形部を含む型をカムシャフトのカムロブ間隔よりも広い
間隔で配置した状態の成形型に縮径加工後の鋼管をセッ
トしたのち、カムロブ成形部を含む型を所定のカムロブ
間隔となるように軸方向に移動させながら、鋼管に内圧
を負荷する構成とし、当該請求項4に係わる製造方法の
実施態様として請求項5に係わる中空カムシャフトの製
造方法においては膨出成形に際して、鋼管への内圧負荷
と同時に、カムロブ部の軸方向寸法が最終寸法となるよ
うにカムロブ成形部を含む型をすべて同時に移動させる
構成、同じく実施態様として請求項6に係わる中空カム
シャフトの製造方法においては膨出成形に際して、鋼管
を軸方向に圧縮しながら内圧を高める構成、請求項7に
係わる中空カムシャフトの製造方法においては、縮径加
工後の鋼管における隣接する縮径部位の間に挟まれる部
分の長さをカムシャフトの隣接するジャーナル部により
挟まれる部分の長さよりもカムロブ幅の1/2〜2倍の
長さだけ長くする構成、請求項8に係わる中空カムシャ
フトの製造方法においては膨出成形に際して、縮径加工
後の鋼管に80〜200MPaの内圧をかける構成、請
求項9に係わる中空カムシャフトの製造方法においては
カムシャフト粗材におけるジャーナル部の外径(2Rj
)を研削仕上げ加工後のジャーナル部の外径(2Rj
f)に対して、2Rjf+0.1mm≦2Rj ≦2Rjf+
0.5mmの範囲に成形する構成とし、請求項10に係
わる中空カムシャフトの製造方法においては、カムシャ
フト粗材のカムロブ部におけるジャーナル部側の縦壁面
がカムシャフト回転軸に対して垂直であると共に、前記
縦壁面がカムシャフト軸部に対してジャーナル部を含む
カムロブ部の間の距離の0.1倍以下の曲率半径を備え
た曲面を介して連続する形状に成形する構成とし、請求
項11に係わる中空カムシャフトの製造方法において
は、カムシャフト粗材のカムロブ部における肉盛り面を
仕上げカム形状に対して0.3〜0.7mmだけ小さく
成形したのち、当該肉盛り面に耐摩耗材料をレーザ肉盛
りする構成とし、請求項12に係わる中空カムシャフト
の製造方法においては、カムシャフト粗材におけるカム
ロブ部のイベント部からノーズトップにわたる部分をレ
ーザ肉盛りする構成とし、当該請求項12記載の製造方
法の実施態様として請求項13に係わる中空カムシャフ
トの製造方法においては、カムシャフト粗材のカムロブ
部におけるベースサークル径(2Rb )を研削仕上げ加
工後のベースサークル径(2Rbf)に対して、2Rbf+
0.5mm≦2Rb ≦2Rbf+1.5mmの範囲に成形
する構成としたことを特徴としている。
【0009】さらに、本発明の中空カムシャフトの製造
方法の実施態様として請求項14に係わる製造方法にお
いては、カムシャフト粗材の一方の端部外径よりも大き
い内径の挿着孔をスプロケット取付ピースに形成すると
共に、該挿着孔に前記カムシャフト粗材の一方の端部を
挿通した状態でカムシャフト粗材の一方の端部を拡管
し、当該端部にスプロケット取付ピースを固定する構成
とし、当該製造方法の実施態様として請求項15に係わ
る中空カムシャフトの製造方法においては、カムシャフ
ト粗材の一方の端部における内径寸法よりも大きな外径
を備えたプラグをカムシャフト粗材の他方の端部側から
挿入してカムシャフト粗材の一方の端部を拡管する構成
としたことを特徴としており、このような中空カムシャ
フトの製造方法の構成を前述した従来の課題を解決する
ための手段としている。
【0010】本発明の請求項16に係わる中空カムシャ
フトは、請求項1ないし請求項15のいずれかの方法に
より製造された中空カムシャフトであって、気筒間にお
けるカムシャフト軸部の外径寸法(2Rs )がカムロブ
部間に位置するジャーナル部の外径(2Rjf)よりも大
きい構成とし、実施態様として請求項17に係わる中空
カムシャフトにおいては気筒間におけるカムシャフト軸
部の外径(2Rs )と、カムロブ部間に位置するジャー
ナル部の外径(2Rjf)と、カムロブ部のベースサーク
ル径(2Rbf)の間に、1.2Rjf<Rs <0.9Rbf
の関係が成り立つ構成としたことを特徴としており、本
発明の請求項18に係わる中空カムシャフトは、請求項
1ないし請求項15のいずれかの方法により製造された
中空カムシャフトであって、カムロブ部における気筒間
側の縦壁面と気筒間のカムシャフト軸部の間が連結面を
介して連続している構成とし、実施態様として請求項1
9に係わる中空カムシャフトにおいては前記連結面が気
筒間のカムシャフト軸部と接する点と、連結面がカムロ
ブ部における気筒間側の縦壁面と接する点とを結ぶ直線
がカムシャフト回転軸に垂直な面に対してなす角度が1
0°〜80°の範囲である構成としたことを特徴として
おり、本発明の請求項20に係わる中空カムシャフト
は、請求項1ないし請求項15のいずれかの方法により
製造された中空カムシャフトであって、カムロブ部のイ
ベント部からノーズトップにわたる部分の肉厚が0.9
〜1.4mm、ベースサークル部の肉厚が2.0〜4.
0mmの範囲である構成としたことを特徴としている。
【0011】さらに、本発明の請求項21に係わる中空
カムシャフトは、請求項1ないし請求項13のいずれか
の方法により製造された中空カムシャフトであって、カ
ムシャフトの一端側にスプロケット取付部が一体成形し
てある構成としたことを特徴としており、中空カムシャ
フトにおけるこのような構成を前述した従来の課題を解
決するための手段としている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係わる中空カムシャフト
の製造方法においては、カムシャフトの最終仕上げ形状
に近似した形状を備えたカムシャフト粗材を鋼管から塑
性加工するに際し、カムシャフト粗材の最大外周寸法で
あるカムロブ部外面直径、すなわち図1(d)に示す
(Rb +h2 )とカムシャフト粗材の最小寸法であるジ
ャーナル部の外径(2Rj )の中間の外径を有する鋼管
を素材として使用し、ジャーナル部となる素材鋼管のジ
ャーナル相当部位に型を押し当てながら縮径加工を施し
た上で、カムロブ部分を膨出成形することにより、その
後のレーザ肉盛り加工や研削加工のための加工代(し
ろ)を考慮したカムシャフトの概略形状に加工するもの
であって、例えば、図3(a)ないし(c)に示すよう
に、素材として、例えば低炭素鋼の電縫管のような鋼管
11のジャーナル相当部位に、縮径加工用の成形型20
を押し当てながら鋼管11を回転させる、いわゆる転造
加工によって鋼管11にあらかじめ縮径加工を施し、ジ
ャーナル部12を成形しておく。
【0013】この縮径加工においては、請求項3に記載
しているように、縮径率を50%以下とすることが加工
時の亀裂や割れの発生を防止する観点から望ましい。す
なわち、100(D0 −D)/D0 (D:縮径後の径,
D0 :原径)で定義される縮径率が50%を超えると、
縮径加工時に素材鋼管11の表面に剥離状の割れが発生
したり、縮径部とこれに隣接する部分の間に亀裂が発生
し易くなったりする傾向がある。また、素材鋼管11の
外径については、請求項2に記載しているように、カム
シャフト粗材のベースサークル径2Rb よりも小さく、
かつ回転軸芯Oからカムノーズトップまでの距離h2 よ
りも大きい(図1(d)参照)ものを使用することが、
縮径加工および膨出加工時の成形割れを防止すると共
に、加工工程を少なくするという観点からより好まし
い。これは、素材鋼管11の外径がベースサークル径2
Rb 以上の場合には、ベースサークル径2Rb にまで縮
径する工程が必要となって生産性が低下し、回転軸芯O
からカムノーズトップまでの距離h2 以下の場合には、
膨出成形時に所望の肉厚を確保することが困難となり、
場合によっては成形割れが発生しやすくなる傾向がある
ことによる。
【0014】図3(a)ないし(c)に示した工程によ
ってジャーナル相当部位に縮径加工が施された素材鋼管
11は、例えば図4(a)に示すような膨出加工用の成
形型30に移動され、当該成形型30内に、図4(b)
に示すようにセットされたのち、図4(c)に示すよう
に圧縮力を負荷しながら鋼管11の中空部内な液圧をか
けることによって、所望の部分を膨出成形させる、いわ
ゆるバルジ加工によって図1(d)に示したような断面
形状を備えたカムシャフト粗材10に成形される。
【0015】この膨出加工用の成形型30は、請求項4
に記載しているように、カムシャフト粗材10のカムロ
ブ部13を成形するカムロブ型31と、それ以外の部
分、すなわちカムシャフト粗材10のスプロケット側端
部14を成形する端部型32、ジャーナル部12を成形
するジャーナル型33、およびカムシャフト粗材10の
気筒間軸部15を成形する気筒間型34とがそれぞれ分
割された構造となっており、素材鋼管11のセットに際
しては、図4(a)あるいは(b)に示すように、カム
シャフト粗材10のカムロブ部13を成形するカムロブ
型31を仕上り状態のカムシャフト1における気筒間の
カムロブ間隔LC (図1(b)参照)よりも広い間隔に
配置しておき、膨出成形時に、請求項5に記載している
ように内圧をかけながら、同時にカムロブ型31を前記
カムロブ間隔LC になるまで移動させることが膨出部分
の肉厚を保持し、成形割れを防止する観点から望まし
い。
【0016】膨出成形に際して素材鋼管11に負荷する
内圧としては、請求項8に記載しているように、80〜
200MPaの範囲とすると共に、請求項6に記載して
いるように内圧を徐々に高めていくことが所望の膨出形
状を得るために好ましい。このとき、内圧が80MPa
より小さいとカムロブ部13やジャーナル部12を所望
の形状に成形し難くなる傾向があり、内圧が200MP
aより大きいと急激な肉厚変化による強度不足や成形割
れが生じ易くなる傾向がある。
【0017】また、請求項7に記載しているように、縮
径加工後の鋼管11における隣接する縮径部位12,1
2の間に挟まれる部分の長さLO (図3(c)参照)を
カムシャフト1の隣接するジャーナル部2,2により挟
まれる部分の長さ、すなわち図1(b)に示す気筒間の
カムロブ間隔LC よりもカムロブ幅Wの1/2〜2倍の
長さだけ長くし、この分をいわゆる寄せ代とすることが
肉余りによるしわの発生の防止、あるいは膨出部分の肉
厚を確保し、成形割れを防止する観点から望ましい。こ
れは、上記寄せ代がカムロブ幅Wの1/2より短いと膨
出成形に際して成形割れが発生しやすく、カムロブ幅W
の2倍の長さよりも長いとしわが発生しやすくなる傾向
があることによる。
【0018】本発明に係わる中空カムシャフトの製造方
法においては、前述したように、カムシャフト粗材の膨
出成形に際して、膨出成形後に行う耐摩耗材料の肉盛り
や、研削仕上げ加工を考慮した寸法に成形するものであ
るが、カムシャフト粗材10のジャーナル部12の外径
2Rj (図1(d)参照)については、請求項9に記載
しているように、研削仕上げ加工後、すなわち製品とし
てのカムシャフト1のジャーナル部2の外径2Rjf(図
1(c)参照)に対して、+0.1mmから+0.5m
mまでの範囲(2Rjf+0.1mm〜2Rjf+0.5m
m)に成形することがジャーナル部の駄肉を最小限にす
ると共に、必要な肉厚を確保して加工工程を少なくする
観点において望ましい。また、ジャーナル部12の仕上
げ加工工数を削減するためには、請求項10に記載して
いるように、図2(a)および(b)に示すカムシャフ
ト粗材10におけるカムロブ部13のジャーナル部12
の側の縦壁面Aがカムシャフト粗材10の回転軸に対し
て垂直であると共に、この縦壁面Aがカムシャフト軸部
に対して、ジャーナル部12を含むカムロブ部13,1
3の間の距離Lj の0.1倍以下の曲率半径R(R≦
0.1Lj )を備えた曲面を介して連続するようにカム
シャフト粗材10を成形することが望ましい。すなわ
ち、縦壁面Bと軸部との間を結ぶ曲面の曲率半径Rが
0.1Lj を超える場合には、カムシャフトの形状によ
っては他の部品との干渉を避けるために、ジャーナル部
12の両端部の加工を施す必要が生じるのに対し、前記
曲率半径Rを0.1Lj 以下とすることにより、ジャー
ナル部12とカムロブ部13の間に溝加工を施す必要が
なくなり、仕上げ加工時間が短縮されると共に、カムシ
ャフト1の精度品質を向上させることができる。
【0019】そして、カムシャフト粗材10のカムロブ
部13におけるカム摺動面に耐摩耗材料をレーザ肉盛り
するに際しては、請求項11に記載しているように、カ
ムシャフト粗材10の肉盛り面を仕上げカム形状(製品
形状)に対して、あらかじめ0.3〜0.7mmだけ小
さく膨出成形しておくことが肉盛り厚さを確保してカム
シャフト粗材10にカムシャフトとして必要な耐摩耗性
を付与する意味において好ましい。これは、仕上げカム
形状との寸法差が0.3mmに満たない場合は、肉盛り
後の研削仕上げ加工の工数が増すと共に、肉盛り層の厚
さが不足して耐摩耗性が十分に得られず、逆に寸法差が
0.7mmを超えた場合には、肉盛り工数および耐摩耗
材料の消費量が増加してコストアップの原因となること
による。また、カム摺動面への耐摩耗材料のレーザ肉盛
りに際しては、カムシャフトとしての耐摩耗性を向上さ
せるためには、その全周に肉盛りを施すことが望ましい
が、特に必要な部位のみに耐摩耗性を付与して加工時間
および耐摩耗材料の付加を最小限にして当該カムシャフ
トのコスト低減を図るためには、請求項12に記載して
いるように、カムロブ部13のイベント部からノーズト
ップに亘って耐摩耗材料を肉盛りするようになすことも
できる。なお、この場合のカムシャフト粗材10におけ
るカムロブ部13のベースサークル径2Rb (図1
(d)参照)については、請求項13に記載しているよ
うに、研削仕上げ加工後、すなわち製品としてのカムシ
ャフト1のカムロブ部3の外径2Rbf(図1(c)参
照)に対して、+0.5mmから+1.5mmまでの範
囲(2Rb +0.1mm〜2Rb +0.5mm)に成形
することが望ましく、これによって必要な肉厚を確保す
ると共に、仕上げ加工時間を短縮することができ、生産
性およびコスト面で有利なものとなる。この場合、レー
ザ肉盛りを施すカムロブ部13のイベント部からノーズ
トップにわたる部分については、請求項11に記載して
いるように、仕上げカム寸法に対して0.3〜0.7m
mだけ小さく成形しておくことが望ましいことは前述の
通りである。
【0020】カムシャフト1の端部には、ピストンの往
復作動に同期させて吸排気弁を開閉させるべく当該カム
シャフト1を回転させるためのスプロケットを装着する
スプロケット取付ピースが固定されるが、このスプロケ
ット取付ピースの取付けに際しては、請求項14に記載
しているようにスプロケット取付ピースに挿入したカム
シャフト粗材10の端部を拡管することによって、かし
め固定するようになすことができる。
【0021】すなわち、図5(a)ないし(c)は、カ
ムシャフト粗材10の端部にスプロケット取付けピース
を固定する要領を示すものであって、3個の円板状部品
5aないし5cからなるスプロケット取付ピース5に
は、図5(a)に示すように、カムシャフト粗材10の
端部14における外径寸法よりも僅かに大きい内径を有
する挿着孔5dがそれぞれ形成してある。そして、図5
(b)に示すように、スプロケット取付ピース5に形成
した挿着孔5d内にカムシャフト粗材10の端部14を
挿通した状態で当該端部14を拡管することによって、
例えば請求項15に記載しているようにカムシャフト粗
材10の端部14における内径寸法よりも大きい外径を
備えたプラグ6を粗材10の反対側の端部から挿入する
ことによって粗材10の端部14を拡管し、図5(c)
に示すようにカムシャフト粗材10の端部14にスプロ
ケット取付ピース5をかしめて固定することができる。
このような方法の採用により、例えば溶接などによる接
合に較べて、熱による歪みが発生せず、しかも特別な工
具を必要としないので、簡単な工程にも拘らず製品の寸
法精度および生産性が大幅に向上することになる。
【0022】なお、この他には、プラグ6を使用するこ
となく、カムシャフト粗材10の膨出成形に際して、鋼
管11の端部にあらかじめスプロケット取付ピース5を
装着した状態で内圧を負荷し、カムロブ部13の成形と
同時に鋼管端部14を拡管することによってスプロケッ
ト取付ピース5を固定することも可能である。さらに
は、スプロケット取付ピースの形状に相当する空隙部を
備えたバルジ成形型を用いることによって、図6に示す
ようにカムシャフト粗材10の膨出成形と同時にスプロ
ケット取付部7を一体的に成形するようになすことも可
能である(請求項21)。
【0023】本発明に係わる中空カムシャフトは、上記
した方法によって製造されたものであるが、カムシャフ
ト1の軸強度を向上させるためには、請求項16に記載
しているように、図1(b)に示す気筒間におけるカム
シャフト軸部4の外径寸法2Rs をカムロブ部3,3の
間に位置するジャーナル部2の外径2Rjfよりも大きく
設定することができる。さらに、タベットおよびバルブ
リフターに対する本来の接触部以外の部位の干渉を防止
すると共に、カムシャフト形状への膨出成形時の材料流
入を容易にして成形割れやしわなどの発生を防止するた
めには、請求項17に記載しているように、気筒間にお
けるカムシャフト軸部4の外径2Rs を、ジャーナル部
3の外径2Rjfの1.2倍より大きく、かつカムロブ部
3のベースサークル径2Rbfの0.9倍よりも小さくな
るようにすることができる。
【0024】また、カムシャフト粗材10の膨出成形を
行うに際して、カムロブ部13のノーズトップへの材料
流れを容易にし、気筒間のカムシャフト軸部に発生する
歪みを緩和し、割れなどの欠陥発生を未然に防止するた
めに、請求項18に記載しているように、図1(a)お
よび(b)に示すカムロブ部3における気筒間側の縦壁
面B(気筒間の軸部4の側の縦壁面)と気筒間のカムシ
ャフト軸部4との間を連結面C(図2(a)および
(b)参照)を介して連続するようになすことができ、
さらには、請求項19に記載しているように、前記連結
面Cが気筒間のカムシャフト軸部4と接する点をP点、
カムロブ部3の気筒間側の縦壁面Aと接する点をS点と
するとき、これらP点およびS点を結ぶ直線がカムシャ
フト1の回転軸に垂直な面に対してなす角度θ(図2
(b)参照)が10°〜80°の範囲となるようにする
ことが望ましく、これによってカムシャフトの使用時に
発生する圧力によってカムロブ部3のイベント部からノ
ーズトップ部に至る部分が潰れる現象を未然に防止する
ことができるようになる。なお、上記連結面C、および
連結面Cの角度θについて、カムシャフト粗材10の形
状を示す図2(a)および(b)を用いて説明したが、
これは当該部分については仕上げ加工後の製品としての
カムシャフト1との間に形状差がないことによる。
【0025】そして、本発明に係わる中空カムシャフト
の肉厚については、請求項20に記載しているように、
カムロブ部3のイベント部からノーズトップに至る部分
およびベースサークル部の肉厚がそれぞれ0.9〜1.
4mmおよび2.0〜4.0mmの範囲のものとするこ
とができ、これによって中空構造でありながらカムシャ
フトとして必要な強度および耐久性が確保されることに
なる。
【0026】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる中空カムシャ
フトの製造方法は、上記構成、すなわちレーザ肉盛りな
どを施して中空カムシャフトに仕上げるためのカムシャ
フト粗材を鋼管から塑性加工するに際し、素材として、
成形しようとするカムシャフト素材の最大外周寸法であ
るカムロブ部外面直径(Rb +h2 )と最小寸法である
ジャーナル部の外径(2Rj )との中間の外径を有する
鋼管を用い、素材鋼管のジャーナル相当部位を成形型を
用いた塑性加工によってあらかじめ縮径加工したのち、
膨出成形することによりカムシャフト粗材を得るように
しているので、成形割れを発生することなく所望形状を
備えた中空カムシャフトを製造することができるという
極めて優れた効果をもたらすものである。
【0027】本発明の中空カムシャフトの製造方法の実
施態様として請求項2に係わる製造方法においては、素
材鋼管として、成形しようとするカムシャフト粗材のカ
ムロブ部におけるベースサークル径(2Rb )より小さ
く、回転軸芯からカムロブ部のノーズトップまでの距離
(h2 )よりも大きい外径を有する鋼管を用いるように
しているので、成形割れや肉厚不足による強度低下を起
こすことなく、縮径加工の工程を必要最小限のものとす
ることができ、中空カムシャフトの製造コストの削減が
可能になり、同じく実施態様として請求項3に係わる中
空カムシャフトの製造方法においては、縮径加工に際し
て素材鋼管のジャーナル相当部位を50%以下の縮径率
に加工するようにしているので、縮径加工時の亀裂や割
れの発生を未然に防止することができる。
【0028】また、同じく実施態様として請求項4に係
わる中空カムシャフトの製造方法においては、カムロブ
部を成形するカムロブ成形部を含む型とそれ以外の部分
の型とを分割構造とした成形型を用い、カムロブ成形部
の型を目的のカムロブ間隔よりも広い間隔で配置した成
形型に縮径加工した鋼管をセットしたのち、カムロブ成
形部を含む型を所定のカムロブ間隔となるように軸方向
に移動させながら、鋼管に内圧を負荷して膨出成形する
ようにしているので、成形割れを生じることなく膨出部
分の肉厚を確保することができ、当該請求項4の製造方
法の実施態様として請求項5に係わる中空カムシャフト
の製造方法においては、膨出成形に際して、鋼管に内圧
を負荷すると同時に、カムロブ成形部を含む型をすべて
同時に移動させるようにしているので、成形割れを発生
させることなく、とくにカムロブ部の膨出成形部を所望
の形状に成形することができ、すべてのカムロブ部が同
時に成形されることから、逐次的な膨出成形に較べて工
程を短縮することができ、型数が少なくてすむので生産
性の高い成形が可能になり、請求項6に係わる中空カム
シャフトの製造方法においては、膨出成形に際して、鋼
管を軸方向に圧縮しながら内圧を高めるようにしている
ので、肉厚減少による強度低下や成形割れが発生せず、
所望の形状を備えた良好な品質の中空カムシャフトを得
ることができ、さらに実施態様として請求項7に係わる
中空カムシャフトの製造方法においては、縮径加工後の
鋼管における隣接する縮径部位の間に挟まれる部分の長
さをカムシャフトの隣接するジャーナル部により挟まれ
る部分の長さよりもカムロブ幅の1/2〜2倍の長さ分
だけ寄せ代として長くするようにしていることから、膨
出成形に際して、成形割れと共にしわの発生を防止する
ことができ、本発明の中空カムシャフトの製造方法の実
施態様として請求項8に係わる製造方法においては、膨
出成形に際して、縮径加工後の鋼管に80〜200MP
aの内圧をかけるようにしているので、肉厚減少による
強度低下や成形割れのない、所望の形状を備えた良好な
品質の中空カムシャフトを得ることができるという優れ
た効果がもたらされる。
【0029】本発明の中空カムシャフトの製造方法の実
施態様として請求項9に係わる中空カムシャフトの製造
方法においては、カムシャフト粗材におけるジャーナル
部の外径(2Rj )を研削仕上げ加工後のジャーナル部
の外径(2Rjf)に対して、0.1mm〜0.5mmの
範囲の寸法だけ大きく成形するようにしているので、ジ
ャーナル部の駄肉を最小限のものとして加工工数を少な
くすることができ、生産性の向上およびコスト低減が可
能になり、同じく実施態様として請求項10に係わる中
空カムシャフトの製造方法においては、カムシャフト粗
材のカムロブ部におけるジャーナル部側の縦壁面がカム
シャフト回転軸に対して垂直であると共に、この縦壁面
がカムシャフト軸部に対してジャーナル部を含むカムロ
ブ部の間の距離の0.1倍以下の曲率半径を備えた曲面
を介して連続するような形状に成形するようにしている
ので、ジャーナル部とカムロ部との境に溝加工を施す必
要がなくなってジャーナル部の仕上げ加工工数を削減す
ることができ、請求項11に係わる中空カムシャフトの
製造方法においては、カムシャフト粗材のカムロブ部に
おける肉盛り面を仕上げカム形状に対して0.3〜0.
7mmだけ小さく成形したのち、当該肉盛り面に耐摩耗
材料をレーザ肉盛りするようにしているので、耐摩耗性
を備えた層の肉厚を十分に確保することができ、カムシ
ャフトとして求められる耐摩耗性および耐久性を十分に
発揮することができる。また、実施態様として請求項1
2に係わる中空カムシャフトの製造方法においては、耐
摩耗材料のレーザ肉盛りに際して、カムシャフト粗材に
おけるカムロブ部のイベント部からノーズトップにわた
る部分をレーザ肉盛りするようにしているので、とくに
必要な部位に耐摩耗性を付与することができ、肉盛り加
工工数および耐摩耗材料の使用量を必要最小限のものと
して生産性の向上およびコスト低減が可能になり、請求
項12に係わる製造方法の実施態様として請求項13に
係わる中空カムシャフトの製造方法においては、カムシ
ャフト粗材のカムロブ部におけるベースサークル径(2
Rb )を研削仕上げ加工後のベースサークル径(2Rb
f)に対して、0.5mm〜1.5mmの範囲の寸法だ
け大きく成形するようにしているので、仕上げ加工工数
の削減が可能となり、生産性が向上するという効果がも
たらされる。
【0030】さらに、本発明の中空カムシャフトの製造
方法の実施態様として請求項14に係わる製造方法にお
いては、スプロケット取付ピースの取付けに際して、当
該取付ピースに設けた挿着孔にカムシャフト粗材の端部
を挿通した状態でこの端部を拡管することによってカム
シャフト粗材端部にスプロケット取付ピースを固定する
ようにしているので、短時間で歪みの発生なく高精度に
固定することができると共に、各種仕様のエンジンに容
易に適用することができ、当該製造方法の実施態様とし
て請求項15に係わる中空カムシャフトの製造方法にお
いては、カムシャフト粗材の内径寸法よりも大きな外径
を備えたプラグを他方の端部側から挿入することによっ
てカムシャフト粗材の端部を拡管するようにしているの
で、特別な工具や治具を必要とせず、スプロケット取付
ピースをより簡単かつ高精度に固定することができると
いう優れた効果が得られる。
【0031】本発明の請求項16に係わる中空カムシャ
フトは、請求項1ないし請求項15のいずれかの方法に
より製造された中空カムシャフトであって、気筒間にお
けるカムシャフト軸部の外径寸法(2Rs )がカムロブ
部間に位置するジャーナル部の外径(2Rjf)よりも大
きくなっているので、中空カムシャフトの軸強度を向上
させることができ、高回転で高い負荷がかかるエンジン
のカムシャフトとして安定した性能が得られ、実施態様
として請求項17に係わる中空カムシャフトは、気筒間
におけるカムシャフト軸部の外径(2Rs )と、カムロ
ブ部間に位置するジャーナル部の外径(2Rjf)と、カ
ムロブ部のベースサークル径(2Rbf)の間に、1.2
Rjf<Rs <0.9Rbfの関係が成り立っているので、
中空カムシャフトの軸強度をさらに向上させることがで
きると共に、タベットおよびバルブリフターに対する本
来の接触部以外の部位の干渉を未然に防止でき、さらに
塑性加工時の材料流入が円滑に行われ、成形不良の発生
が減少して生産性が向上するばかりでなく、さらなる軽
量化が可能になるという極めて優れた効果をもたらすも
のである。
【0032】また、本発明の請求項18に係わる中空カ
ムシャフトは、同様に請求項1ないし請求項15のいず
れかの方法により製造された中空カムシャフトであっ
て、カムロブ部における気筒間側の縦壁面と気筒間のカ
ムシャフト軸部の間が連結面を介して連続しているの
で、目的のカム形状への塑性加工に際してノーズトップ
部への材料流入が円滑なものとなり、カムシャフトの気
筒間部分に発生する歪みを緩和して割れなどの欠陥の発
生を未然に防止することができ、生産性の向上が可能に
なり、実施態様として請求項19に係わる中空カムシャ
フトにおいては前記連結面が気筒間のカムシャフト軸部
と接する点と、連結面がカムロブ部における気筒間側の
縦壁面と接する点とを結ぶ直線がカムシャフト回転軸に
垂直な面に対してなす角度が10°〜80°の範囲とな
っているので、使用時の圧力によるカムイベント部から
ノーズトップ部の潰れを未然に防止することができると
いう極めて優れた効果がもたらされる。
【0033】さらに、本発明の請求項20に係わる中空
カムシャフトは、同様に請求項1ないし請求項15のい
ずれかの方法により製造された中空カムシャフトであっ
て、カムロブ部のイベント部からノーズトップまでの部
分およびベースサークル部の肉厚がそれぞれ0.9〜
1.4mmおよび2.0〜4.0mmの範囲としたもの
であるから、カムロブ部として必要とされる強度を中空
構造によって得ることができ、中空カムシャフトの耐久
性を向上させることができる。さらに、本発明の請求項
21に係わる中空カムシャフトは、請求項1ないし請求
項13のいずれかの方法により製造された中空カムシャ
フトであって、カムシャフトの一端側にスプロケット取
付部が一体成形してあるので、スプロケット取付部をカ
ムロブ部などの膨出成形と同時に成形することができ、
生産性向上が達成できるという優れた効果がもたらされ
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。
【0035】実施例1〜16 素材鋼管11として、低炭素鋼管STKM11A(JI
S G 3445)に該当する外径25ないし35m
m、肉厚3mmの電縫管を使用し、図3(a)ないし
(c)に示した要領によって、素材鋼管11のジャーナ
ル相当部位に各種の縮径率で縮径加工を施したのち、図
4(a)に示した成形型30にセットして、図4(b)
および(c)に示した要領により、各種の条件の下に鋼
管11内に液圧を加えると共に各型31,33,34を
同時に移動させつつ、鋼管11を軸方向、図中左側に圧
縮することによって、図1(d)および図2(a),
(b)に示すような形状を備えたカムシャフト粗材10
を得た。これらカムシャフト粗材10の寸法について
は、回転軸Oからノーズトップまでの距離h2 を27m
m、ベースサークル径2Rb を36mmとそれぞれ一定
とすると共に、ジャーナル部12の表面からノーズトッ
プまでの距離h1 を12mm,15mm,17mmの3
仕様とし(ジャーナル部12の外径2Rj については、
距離h1 の仕様に応じてそれぞれ30mm,24mm,
20mmとなる)、カムロブ部13の幅Wについてはす
べて12mmとした。このようにして得られたカムシャ
フト粗材10の成形性および欠陥の発生状況などの品質
について調査した結果を成形条件と共に表1に示す。
【0036】なお、上記カムシャフト粗材10には、引
き続いてカムロブ部13のカム摺動面に耐摩耗材料がレ
ーザ肉盛りされたのち、当該カム摺動面およびジャーナ
ル部12に研削仕上げ加工が施されると共に、図5
(a)ないし(c)に示した要領により、スプロケット
取付ピース5がプラグ6を挿入することによってカムシ
ャフト粗材10の端部に取付けられ、図1(a)ないし
(c)に示す形状のカムシャフト1が完成する。
【0037】
【表1】
【0038】表1の実施例1ないし9の結果から明らか
なように、外径29〜35mmの素材鋼管11を50%
以下の縮径率に縮径加工したのち、分割型を用いて、縮
径された鋼管11に成形しようとするカムロブ部13の
膨出サイズ、すなわちジャーナル部12の表面からノー
ズトップまでの距離h1 に応じて80〜190MPaの
内圧をかけて膨出成形することにより、成形割れやしわ
等のない、良好な形状のカムシャフト粗材10が得られ
ることが確認された。
【0039】これに対し、実施例10ないし16におい
ては、いずれも許容レベル以上の品質を示したが、膨出
成形時の内圧が70MPaとやや低い実施例10におい
ては、カムロブ部13の膨出量が不足しがちで、目的の
カムロブ形状が得られにくくなる傾向が認められ、逆に
350MPaと膨出成形時の内圧が高い実施例11にお
いては、カムロブ部13に割れが発生しやすくなる傾向
があった。また、縮径加工における縮径率が60%と比
較的高い実施例14においては過度の縮径に起因する亀
裂が生じ易く、外径が25mmと比較的小さい素材鋼管
11を用いた実施例15においては膨出成形時に割れが
発生し易く、さらに分割されていない一体タイプの成形
型を用いて膨出成形を行った実施例16の場合には膨出
成形時に肉寄せをうまく行うことができず、割れが発生
しやすくなる傾向がそれぞれ認められた。
【0040】実施例17 素材鋼管11として、中炭素鋼管STKM13A(JI
S G 3445)に該当する外径32mm、肉厚3m
mの電縫管を使用し、表1に示す実施例3と同じ条件の
下に、同様のカムロブ形状を備えたカムシャフト粗材1
0を得るに際して、膨出成形を2段階に分け、その間に
焼鈍を施した。
【0041】その結果、割れなどの欠陥発生のない良好
な形状および品質を備えたカムシャフト粗材10を得る
ことができ、STKM11Aと比較して成形性が劣る素
材を使用した場合にも、膨出成形工程を2段あるいはそ
れ以上に多段化することによって良好な品質のカムシャ
フト粗材10が得られることが確認された。
【0042】実施例18〜23 素材鋼管11として、低炭素鋼管STKM11Aに該当
する外径32mm、肉厚3mmの電縫管を使用して、図
3(a)ないし(c)に示した要領によって、素材鋼管
11のジャーナル相当部位に縮径率40%の縮径加工を
施したのち、図4(a)に示した成形型30を用いて、
図4(b)および(c)に示した要領により、鋼管11
内に150MPaの液圧を加えながら各型31,33,
34を同時に移動させ、鋼管11を軸方向に圧縮するこ
とによって、図1(d)および図2(a),(b)に示
すような形状を備え、ジャーナル部12の軸外径2Rj
を23.0〜25.0mmの範囲としたカムシャフト粗
材10を得た。そして当該カムシャフト粗材10のジャ
ーナル部12を所定の仕上げ径(2Rjf)23.0mm
に研削仕上げ加工するのに要する加工時間および表面の
仕上げ状態について評価した。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2の結果から明らかなように、膨出成形
後のジャーナル部、すなわちカムシャフト粗材10のジ
ャーナル部12の外径2Rj が23.1mm〜23.5
mmの範囲となるように膨出成形された実施例18ない
し20においては、ジャーナル部12の加工が研削加工
のみで済むため、加工時間が短く、良好な仕上げ状態と
なっているのに対し、ジャーナル部12の外径2Rj が
ほとんど仕上げ径寸法2Rjfに等しい実施例21におい
ては、膨出加工の精度によっては部分的な削り残しが生
じる可能性があり、ジャーナル部12の外径2Rj が仕
上げ寸法2Rjfに対して24.0mmおよび25.0m
mと比較的大きい実施例22および23においては、仕
上げ状態は良好であるものの、研削代が多くなって仕上
げ加工時間が長くなる傾向が認められた。
【0045】実施例24〜31 素材鋼管11として、低炭素鋼管STKM11Aに該当
する外径32mm、肉厚3mmの電縫管を使用し、上記
実施例と同様に、図3(a)ないし(c)に示した要領
によって、素材鋼管11のジャーナル相当部位に縮径率
40%の縮径加工を施したのち、図4(a)に示した成
形型30を用いて、図4(b)および(c)に示した要
領により、鋼管11内に150MPaの液圧を負荷しな
がら各型31,33,34を同時に移動させ、鋼管11
を軸方向に圧縮することによって、図1(d)および図
2(a),(b)に示すような形状を備えたカムシャフ
ト粗材10を得た。そして、当該カムシャフト粗材10
のカムロブ部13のイベント部からノーズトップにかけ
て耐摩耗材料をレーザ肉盛りすると共に、当該カムロブ
部13のカム摺動面およびジャーナル部12に研削仕上
げ加工を施すことによって、図1(a)ないし(c)に
示す形状を有し、種々の寸法を備えた8種類のカムシャ
フト1を得た。なお、カムシャフト素材10の形状およ
び寸法については、膨出成形後の肉盛りおよび仕上げ研
削加工を考慮して、ジャーナル部12の外径2Rj につ
いてはその製品寸法2Rjfよりも約0.3mm大きく、
カムロブ部13のイベント部からノーズトップにかけて
の部分については製品寸法よりも約0.5mm小さく、
さらにカムロブ部13のベースサークル径2Rb につい
ては製品寸法2Rbfよりも約1mmだけ大きく成形する
と共に、カムロブ部13のジャーナル部側縦壁面Aとジ
ャーナル部12を形成するカムシャフト軸部との間の曲
率半径Rについては1mmとなるように、カムロブ部1
3の気筒側縦壁面Bと気筒間のカムシャフト軸部との間
の連結面Cが回転軸に垂直な面に対してなす角度θにつ
いては45°となるように成形した(図2(b)参
照)。
【0046】また、カム摺動面へのレーザ肉盛りに際し
ては、Hv550の硬さが得られる鋳鉄粉を耐摩耗材料
として用いると共に、最大出力3kWのYAGレーザを
使用した。
【0047】この様にして得られた8種類のカムシャフ
ト1は、図7に示すように、ジャーナル部2の中央部に
200kgfの荷重をかけ、隣接するジャーナル部2,
2で当該カムシャフト1を支持したときの中央部におけ
るたわみ変位量を測定することによって、その曲げ剛性
が評価された。その結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3から明らかなように、気筒間における
カムシャフト軸部4の外径2Rs がジャーナル部2の外
径2Rjfに等しい実施例28および30においては、変
位量が大きく軸強度が劣る傾向があるのに対し、気筒間
のカムシャフト軸部4の外径2Rs がジャーナル部2の
外径2Rjfよりも大きい実施例24ないし27において
は、いずれも変位量が小さく軸強度に優れることが確認
された。また、気筒間における軸部4の外径2Rs がジ
ャーナル部2の外径2Rjfよりも大きいものの、カムロ
ブ部13のベースサークル径2Rbfに等しい実施例31
およびほとんど等しい実施例29においては、軸強度に
優れるものの、エンジンに搭載した場合に他部品との干
渉が生じる可能性が高くなることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明に係わる中空カムシャフトの最
終仕上げ形状を示す斜視図である。 (b) 図1(a)に示した中空カムシャフトの縦断面
図である。 (c) 図1(a)に示した中空カムシャフトの形状お
よび寸法を示すカムロブ部における横断面図である。 (d) カムシャフト粗材の形状および寸法を示すカム
ロブ部における横断面図である。
【図2】(a) 図1(d)に示したカムシャフト粗材
の1気筒分の形状および寸法を示す部分断面図である。 (b) 図1(d)に示したカムシャフト粗材の形状を
さらに詳しく説明する図2(a)の拡大図である。
【図3】(a)ないし(c)は素材鋼管の縮径加工の手
順を示す工程図である。
【図4】(a)ないし(c)は縮径加工された鋼管に膨
出成形を施すことによってカムシャフト粗材を成形する
手順を示す工程図である。
【図5】(a)ないし(c)はカムシャフト粗材の端部
にスプロケット取付けピースを固定する手順を示す工程
図である。
【図6】スプロケット取付けピースが一体成形された中
空カムシャフトの例を示す断面図である。
【図7】中空カムシャフトの曲げ剛性の評価要領を示す
説明図である。
【図8】従来の中空カムシャフトの成形要領を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 中空カムシャフト 2 ジャーナル部 3 カムロブ部 4 気筒間の軸部 5 スプロケット取付ピース 5d 挿着孔 6 プラグ A (ジャーナル部側の)縦壁面 B (気筒間側の)縦壁面 C 連結面 10 カムシャフト粗材 11 素材鋼管 12 (カムシャフト粗材の)ジャーナル部 13 (カムシャフト粗材の)カムロブ部 30 成形型(膨出加工用) 31 カムロブ型(カムロブ成形部を含む型) O 回転軸芯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴 木 健 司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 加 納 眞 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 坂 元 宏 規 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 倉 持 竹 晴 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 野 原 常 靖 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G016 BA25 BA34 CA08 CA09 CA13 CA29 CA32 CA46 EA03 EA05 EA24 FA09 FA12 FA13 FA14 GA00

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材鋼管に塑性加工を施して最終仕上げ
    形状に近似した形状を有するカムシャフト粗材を形成し
    たのち、該カムシャフト粗材のカム摺動面の一部もしく
    は全部にレーザ肉盛りを施して中空カムシャフトを製造
    するに際し、 素材鋼管の外径をカムシャフト粗材の最大外周寸法とな
    るカムロブ部の外面直径(Rb +h2 )と最小寸法とな
    るジャーナル部の外径(2Rj )との中間寸法とし、当
    該素材鋼管のジャーナル相当部位を成形型を用いた塑性
    加工によってあらかじめ縮径加工したのち、膨出成形し
    てカムシャフト粗材を得ることを特徴とする中空カムシ
    ャフトの製造方法。
  2. 【請求項2】 カムシャフト粗材におけるカムロブ部の
    ベースサークル径(2Rb )よりも小さく、かつ回転軸
    芯からカムロブ部のノーズトップまでの距離(h2 )よ
    りも大きい外径の素材鋼管を用いることを特徴とする請
    求項1記載の中空カムシャフトの製造方法。
  3. 【請求項3】 素材鋼管のジャーナル相当部位を50%
    以下の縮径率に縮径加工することを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の中空カムシャフトの製造方法。
  4. 【請求項4】 膨出成形に際して、少なくともカムロブ
    成形部を含む部分とそれ以外の部分とが分割された構造
    の成形型を使用し、カムロブ成形部を含む型をカムシャ
    フトのカムロブ間隔よりも広い間隔で配置した状態の成
    形型に縮径加工後の鋼管をセットしたのち、カムロブ成
    形部を含む型を所定のカムロブ間隔となるように軸方向
    に移動させながら、鋼管に内圧を負荷することを特徴と
    する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の中空カ
    ムシャフトの製造方法。
  5. 【請求項5】 膨出成形に際して、鋼管への内圧負荷と
    同時に、カムロブ部の軸方向寸法が最終寸法となるよう
    にカムロブ成形部を含む型をすべて同時に移動させるこ
    とを特徴とする請求項4記載の中空カムシャフトの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 膨出成形に際して、鋼管を軸方向に圧縮
    しながら内圧を高めることを特徴とする請求項4または
    請求項5記載の中空カムシャフトの製造方法。
  7. 【請求項7】 縮径加工後の鋼管における隣接する縮径
    部位の間に挟まれる部分の長さをカムシャフトの隣接す
    るジャーナル部により挟まれる部分の長さよりもカムロ
    ブ幅の1/2〜2倍の長さだけ長くすることを特徴とす
    る請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の中空カム
    シャフトの製造方法。
  8. 【請求項8】 膨出成形に際して、縮径加工後の鋼管に
    80〜200MPaの内圧をかけることを特徴とする請
    求項1ないし請求項7のいずれかに記載の中空カムシャ
    フトの製造方法。
  9. 【請求項9】 カムシャフト粗材におけるジャーナル部
    の外径(2Rj )を研削仕上げ加工後のジャーナル部の
    外径(2Rjf)に対して、 2Rjf+0.1mm≦2Rj ≦2Rjf+0.5mm の範囲に成形することを特徴とする請求項1ないし請求
    項8のいずれかに記載の中空カムシャフトの製造方法。
  10. 【請求項10】 カムシャフト粗材のカムロブ部におけ
    るジャーナル部側の縦壁面がカムシャフト回転軸に対し
    て垂直であると共に、前記縦壁面がカムシャフト軸部に
    対してジャーナル部を含むカムロブ部の間の距離の0.
    1倍以下の曲率半径を備えた曲面を介して連続する形状
    に成形することを特徴とする請求項1ないし請求項9の
    いずれかに記載の中空カムシャフトの製造方法。
  11. 【請求項11】 カムシャフト粗材のカムロブ部におけ
    る肉盛り面を仕上げカム形状に対して0.3〜0.7m
    mだけ小さく成形したのち、当該肉盛り面に耐摩耗材料
    をレーザ肉盛りすることを特徴とする請求項1ないし請
    求項10のいずれかに記載の中空カムシャフトの製造方
    法。
  12. 【請求項12】カムシャフト粗材におけるカムロブ部の
    イベント部からノーズトップにわたる部分をレーザ肉盛
    りすることを特徴とする請求項1ないし請求項11のい
    ずれかに記載の中空カムシャフトの製造方法。
  13. 【請求項13】 カムシャフト粗材のカムロブ部におけ
    るベースサークル径(2Rb )を研削仕上げ加工後のベ
    ースサークル径(2Rbf)に対して、 2Rbf+0.5mm≦2Rb ≦2Rbf+1.5mm の範囲に成形することを特徴とする請求項12記載の中
    空カムシャフトの製造方法。
  14. 【請求項14】 カムシャフト粗材の一方の端部外径よ
    りも大きい内径の挿着孔をスプロケット取付ピースに形
    成すると共に、該挿着孔に前記カムシャフト粗材の一方
    の端部を挿通した状態でカムシャフト粗材の一方の端部
    を拡管し、当該端部にスプロケット取付ピースを固定す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれ
    かに記載の中空カムシャフトの製造方法。
  15. 【請求項15】 カムシャフト粗材の一方の端部におけ
    る内径寸法よりも大きな外径を備えたプラグをカムシャ
    フト粗材の他方の端部側から挿入してカムシャフト粗材
    の一方の端部を拡管することを特徴とする請求項14記
    載の中空カムシャフトの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし請求項15のいずれか
    の方法により製造された中空カムシャフトであって、気
    筒間におけるカムシャフト軸部の外径寸法(2Rs )が
    カムロブ部間に位置するジャーナル部の外径(2Rjf)
    よりも大きいことを特徴とする中空カムシャフト。
  17. 【請求項17】 気筒間におけるカムシャフト軸部の外
    径(2Rs )と、カムロブ部間に位置するジャーナル部
    の外径(2Rjf)と、カムロブ部のベースサークル径
    (2Rbf)の間に、 1.2Rjf<Rs <0.9Rbf の関係が成り立つことを特徴とする請求項16記載の中
    空カムシャフト。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし請求項15のいずれか
    の方法により製造された中空カムシャフトであって、カ
    ムロブ部における気筒間側の縦壁面と気筒間のカムシャ
    フト軸部の間が連結面を介して連続していることを特徴
    とする中空カムシャフト。
  19. 【請求項19】 前記連結面が気筒間のカムシャフト軸
    部と接する点と、連結面がカムロブ部における気筒間側
    の縦壁面と接する点とを結ぶ直線がカムシャフト回転軸
    に垂直な面に対してなす角度が10°〜80°の範囲で
    あることを特徴とする請求項18記載の中空カムシャフ
    ト。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし請求項15のいずれか
    の方法により製造された中空カムシャフトであって、カ
    ムロブ部のイベント部からノーズトップにわたる部分の
    肉厚が0.9〜1.4mm、ベースサークル部の肉厚が
    2.0〜4.0mmの範囲であることを特徴とする中空
    カムシャフト。
  21. 【請求項21】 請求項1ないし請求項13のいずれか
    の方法により製造された中空カムシャフトであって、カ
    ムシャフトの一端側にスプロケット取付部が一体成形し
    てあることを特徴とする中空カムシャフト。
JP36982598A 1998-12-25 1998-12-25 中空カムシャフトの製造方法および中空カムシャフト Expired - Fee Related JP3832695B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36982598A JP3832695B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 中空カムシャフトの製造方法および中空カムシャフト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36982598A JP3832695B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 中空カムシャフトの製造方法および中空カムシャフト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000192805A true JP2000192805A (ja) 2000-07-11
JP3832695B2 JP3832695B2 (ja) 2006-10-11

Family

ID=18495410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36982598A Expired - Fee Related JP3832695B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 中空カムシャフトの製造方法および中空カムシャフト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3832695B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1900451A1 (en) * 2006-09-13 2008-03-19 Kubota Iron Works Co., Ltd. Method of and apparatus for forming a hollow step-profiled shaft
JP2014066246A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Mahle Internatl Gmbh 内燃機関用カムシャフト
EP2745951A1 (en) * 2012-12-20 2014-06-25 C.R.F. Società Consortile per Azioni Method for producing a camshaft for an internal combustion engine
CN104948248A (zh) * 2015-07-28 2015-09-30 重庆长安汽车股份有限公司 一种发动机凸轮轴
JP2016105023A (ja) * 2012-05-09 2016-06-09 デルファイ・インターナショナル・オペレーションズ・ルクセンブルク・エス・アー・エール・エル 駆動シャフト潤滑
CN114876603A (zh) * 2022-04-28 2022-08-09 河南柴油机重工有限责任公司 一种高速大功率内燃机凸轮轴的制造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1900451A1 (en) * 2006-09-13 2008-03-19 Kubota Iron Works Co., Ltd. Method of and apparatus for forming a hollow step-profiled shaft
JP2016105023A (ja) * 2012-05-09 2016-06-09 デルファイ・インターナショナル・オペレーションズ・ルクセンブルク・エス・アー・エール・エル 駆動シャフト潤滑
JP2014066246A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Mahle Internatl Gmbh 内燃機関用カムシャフト
EP2745951A1 (en) * 2012-12-20 2014-06-25 C.R.F. Società Consortile per Azioni Method for producing a camshaft for an internal combustion engine
WO2014096988A1 (en) 2012-12-20 2014-06-26 C.R.F. Società Consortile Per Azioni Method for producing a camshaft for an internal-combustion engine
US10124397B2 (en) 2012-12-20 2018-11-13 C.R.F. Societa Consortile Per Azioni Method for producing a camshaft for an internal-combustion engine
CN104948248A (zh) * 2015-07-28 2015-09-30 重庆长安汽车股份有限公司 一种发动机凸轮轴
CN114876603A (zh) * 2022-04-28 2022-08-09 河南柴油机重工有限责任公司 一种高速大功率内燃机凸轮轴的制造方法
CN114876603B (zh) * 2022-04-28 2023-10-10 河南柴油机重工有限责任公司 一种高速大功率内燃机凸轮轴的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3832695B2 (ja) 2006-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2001248792B2 (en) Metal plate rocker arm and method of manufacturing the metal plate rocker arm
JP6132030B2 (ja) 鍛造クランク軸の製造方法
DE69013481T2 (de) Verfahren zum Verbinden von Zylinderbüchsen in Bohrungen eines Motorblocks.
JPH0520182B2 (ja)
JP6245369B2 (ja) 鍛造クランク軸の製造方法
US8613137B2 (en) Connecting rod lubrication recess
JP2000192805A (ja) 中空カムシャフトの製造方法および中空カムシャフト
JP4005507B2 (ja) ボールジョイントケーシングを製作する方法
US7152320B2 (en) Rocker arm and method of manufacturing the rocker arm
JP2000045715A (ja) 組立カムシャフトの製造方法
JP3405372B2 (ja) 組立用カムロブの製造方法
JP4384336B2 (ja) ピストンピンの製造方法
JP3709786B2 (ja) 突起付き中空軸の製造方法
JP3684971B2 (ja) 突起付き中空軸およびその製造方法
JP7393645B2 (ja) クランク軸の製造方法
JP2763375B2 (ja) カムシャフトの製造方法
JP7406085B2 (ja) クランク軸の製造方法
JP7248886B2 (ja) クランク軸の製造方法
DE3528464A1 (de) Verfahren zum herstellen einer nockenwelle
JP7393644B2 (ja) クランク軸の製造方法
JP3820882B2 (ja) 突起付き中空軸の製造方法
JP6555393B2 (ja) 鍛造クランク軸の製造方法
KR100648743B1 (ko) 캠축의 제조 방법 및 그 제조 방법에 의해 제조된 캠축
JP2004017107A (ja) 突起付き中空紬の成形用金型および成形方法
US20050188738A1 (en) Forged flange cylinder liner and method of manufacture

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110728

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110728

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120728

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees