JP2017101690A - ピストンリング - Google Patents

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敦 細川
Atsushi Hosokawa
敦 細川
賢一 木津
Kenichi Kizu
賢一 木津
秀夫 長岡
Hideo Nagaoka
秀夫 長岡
政徳 藤井
Masanori Fujii
政徳 藤井
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Abstract

【課題】密封性能に優れたピストンリングを提供する。【解決手段】円周1箇所に切れ目5を有する円環状の樹脂製ピストンリング本体1と、このピストンリング本体1の内周面2に配設された金属製の弾性C形リング11とを、有していると共に、ピストンリング自由状態では非真円形であり、切れ目閉状態では真円形とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ピストンリングに関する。
従来、図13又は図14に示すように、円周1箇所に切れ目(合せ口)40を有する円環状の樹脂製ピストンリング本体41と、このピストンリング本体41の内周面42に弾発付勢力をもって圧接する鋼製のエキスパンダリング(弾性リング)43と、から成るピストンリング44が提案されている(特許文献1参照)。
実開平2−18964号公報
図13,図14に示すように、ピストンリング44は、ピストン45の外周面46に形成されたシール凹溝47に装着され、ピストンリング本体41の外周面48を、円筒体内周面49に圧接しつつ、ピストン45の往復動に伴って、摺動させている。
しかしながら、図13,図14に示す従来のピストンリング44には、以下のような問題が未解決のまま残されている。
問題点(i):図13,図14でも明らかな如く、エキスパンダリング43をピストンリング本体41の切れ目(合せ口)40に必ず対応して配設し、横断面一文字型のエキスパンダリング43にて合せ口40の隙間50を(内周側から)閉塞して、流体洩れを減少させようとする構造である。しかし、ピストンリング44の流体洩れ量は、ピストンリング44の 360°全周からの漏洩量の合計によって決まり、合せ口40のみを考慮しても不十分である。特に、ピストンリング外周面48が全周にわたって円筒体内周面49に密に接触する対策が不十分であった。
問題点(ii):ピストンリング本体41の合せ口(切れ目)を内周面42側からエキスパンダリング43を強く圧接させる構造であることは、逆に、樹脂製のピストンリング本体41のスムーズな弾性的微小拡径・縮径作動を阻害し、円筒体内周面49に対して密に圧接できない瞬間が発生して流体洩れが生じる。
問題点 (iii):図14に於て、矢印39にて示すように、エキスパンダリング43が位置ずれを生じ易く、シール凹溝47の内面に傷(図14中の※1,※2参照)を生じシール性能が悪化する虞がある。
問題点(iv):図14に矢印39にて示したように、ピストンリング本体41に対してエキスパンダリング43が位置ずれを生じた場合、矢印M41のようにピストンリング本体41に弾発付勢力が付与され、ピストンリング本体41の外周面48が均一な接触面圧にて円筒体内周面49に圧接せず、局部的に強く摺接して、偏摩耗を発生する。即ち、図14中に※3にて示す、角部38が偏摩耗する。
問題点(v):ピストンリング44を円筒体内周面49に装着する作業の際、ピストンリング本体41とエキスパンダリング43のアキシャル方向位置(矢印39方向の位置)が定まりにくく、作業が難しい場合がある。
そこで、本発明は、円周1箇所に切れ目を有する円環状の樹脂製ピストンリング本体と、該リング本体の内周面に弾発付勢力をもって接触するように配設された金属製の弾性C形リングとを、有するピストンリングに於て、ピストンリング自由状態における全体形状は、上記切れ目の中央点に対して 180°±30°の範囲内に曲率半径が最大寸法の部位が存在し、該最大寸法の部位から上記切れ目に向かって周方向に近づくに従って曲率半径が減少するように、設定され、切れ目閉状態では全体形状が真円形となるように構成されている。
また、上記リング本体の内周面に、周方向凹溝を形成して、上記C形リングを該凹溝に嵌着させ、C形リングのアキシャル方向への位置ずれを阻止するように構成した。
また、上記リング本体の上記切れ目を形成する第1端部・第2端部には、周方向に第1凸部・第2凸部が突設され、上記C形リングの切れ目を形成する第1最端部・第2最端部は、上記リング本体における上記第1凸部・第2凸部の付け根部よりも周内方向の位置に配設されている。
本発明によれば、前記問題点(i)〜(v)を解決して、ピストンリングがシリンダバレル(シリンダチューブ)等の円筒体の内周面に対して、 360°全周にわたって均等に圧接しつつ摺動することとなり、優れた密封性能(シール性)を発揮する。
本発明の実施の一形態の自由状態(切れ目開状態)の平面図である。 切れ目閉状態の平面図である。 自由状態を示す平面図であって、(A)はピストンリング本体の平面図、(B)は弾性C形リングの平面図である。 切れ目閉状態を示す平面図であって、(A)はピストンリング本体の平面図、(B)は弾性C形リングの平面図である。 使用状態の要部拡大断面図である。 他の実施の形態を示す要部拡大断面図である。 別の実施の形態を示す要部拡大断面図である。 要部拡大図であって、(A)は平面要部拡大図、(B)は正面要部拡大図である。 他の実施の形態を示す要部拡大図であって、(A)は平面要部拡大図、(B)は正面要部拡大図である。 別の実施の形態を示す要部斜視図であって、(A)は自由状態の要部斜視図、(B)は切れ目閉状態の要部斜視図である。 第2凸部の形状を説明する図であって、(A)は斜視図、(B)は(A)のb−b断面図、(C)は(A)のc−c断面図である。 第1凸部の形状を説明する図であって、(A)は斜視図、(B)は(A)のb−b断面図、(C)は(A)のc−c断面図である。 従来例を示す要部斜視図である。 従来例を説明するための要部断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1〜図4に示すように、本発明に係るピストンリングSは、円周1箇所に切れ目5を有する、全体形状が円環状の樹脂製ピストンリング本体1と、このピストンリング本体1の内周面2に弾発付勢力をもって接触(圧接)するように配設された金属製の弾性C形リング11とを、有する。このC形リング11も、円周1箇所に切れ目15を有し、全体形状が円環状(C形)である。
このリング本体1の内周面2には、図5〜図7に例示するように、周方向凹溝3が、リング本体1の内周面2に形成されている。
この凹溝3の横断面形状は、図5では三角形状でり、図6では台形状であり、図7では蟻溝形状の場合を示し、いずれも、リング本体1の内周面2における、アキシャル方向(図5〜図7の上下方向)の中央位置に凹溝3が設けられている。
また、弾性C形リング11の横断面形状は円形である。図5〜図7に於て、20は、シリンダバレル(シリンダチューブ)や(ポンプ等の)各種流体機械のケーシング等の固定部材であり、円形孔21を有し、前記リング本体1の外周面4は、この円形孔21の内周面21Aに摺動自在に圧接している。
被密封流体は、エアーや各種ガス等の気体、あるいは、作動油等の液体である。また、図5〜図7に於て、横断面矩形状のシール凹溝22がピストン23等の往復作動体に形成され、このシール凹溝22に、本発明に係るピストンリングSが装着されている。
そして、C形リング11は、リング本体1の周方向凹溝3に嵌着させることによって、C形リング11が、アキシャル方向Kへの位置ずれを阻止する。即ち、リング本体1の内周面2におけるアキシャル方向Kの中央位置にC形リング11が保持される。
そして、リング本体1の切れ目5を形成する第1端部6・第2端部7には、第1凸部8,9が、周方向に突設されている。
C形リング11の切れ目15を形成する第1最端部16・第2最端部17は、リング本体1における第1凸部8・第2凸部9の付け根部8A,9Aよりも周内方向―――切れ目5と反対の周方向―――の位置に、配設される。なお、図8又は図9に示したように、リング本体1の凹溝3については、切れ目5に到達させずに、両終端面3A,3Aを、前記付け根部8A,9Aよりも周内方向の位置に配設し、かつ、C形リング11の第1・第2最終端部16,17が当たらない程度―――小寸法だけ―――終端面3Aを切れ目5の方向に配設するのが、望ましい。
そして、本発明に係るピストンリングSは、図1に示すように、リング本体1の内周側にC形リング11を組付けた完成品としてのピストンリング自由状態における全体形状は、(完成品の切れ目も形成する)リング本体1の切れ目5の中央点(中心点)P5 に対して、180°±30°の範囲内に、曲率半径R13が最大寸法の部位13が存在する。
即ち、図1に示した角度θは30°であり、2θ=60°の範囲内に最大寸法の部位13を配設している。この最大寸法の部位13の、中心点O1 廻りの中心角度は1°〜60°の範囲で選択すればよい。なお、図1に於て、L0 は中央点P5 を含んだ直径を示す線(直径線)である。
追加説明すれば、最大寸法の部位13から第1端部6・第2端部7の各々に向かって、周方向M1 ,M2 に近づくに従って、曲率半径R1 ,R2 がしだいに減少して、第1端部6,7の曲率半径R6 ,R7 が最小寸法に設定され、さらに、(小さな突出寸法の)第1凸部8・第2凸部9の外周面の曲率半径は、前記曲率半径R6 ,R7 と同一とする。
そして、図2に示したように、第1凸部8と第2凸部9が相互に重なり合った切れ目閉状態では、中心点O1 から同一半径R0 の真円形となり、図5,図6又は図7に示した内周面21Aに対して 360°にわたって密に接触する。切れ目開状態(図1)から切れ目閉状態(図2)へ弾性的に変形する際、最大寸法の部位13が最も大きく曲率半径が減少するように変形し、第1端部6・第2端部7はほとんど変形せず、図2に示した曲率半径R0 は、端部6,7の曲率半径R6 ,R7 に相等しくなる。
なお、前記曲率半径R1 ,R2 ,R13,R6 ,R7 は、図1に示すように中心点O1 から、ピストンリングSの外周面(即ちリング本体1の外周面)までの寸法とする。
リング本体1は、組付前の単体では、図3(A)に示した切れ目開状態(自由状態)から、(図2に対応した)図4(A)に示した切れ目閉状態とすれば、拡径方向に弾発付勢力を発揮する。また、C形リング11は、組付前の単体では、図3(B)に示した切れ目15が大中心角度β1 をもって大き目に開いた切れ目第1開状態(自由状態)から、(図2に対応した)図4(B)に示した切れ目15が小中心角度β0 をもって小さ目に開いた切れ目第2開状態とすれば、金属製のC形リング11は拡径方向に弾発付勢力を発揮する。
このような、2個の部品―――リング本体1とC形リング11―――を組付けて、図1,図2の完成品とした場合、自由状態で非真円形であり、切れ目閉状態では真円形とするための具体的手段の一例について、以下説明する。
その具体的手段としては、図3(A)と図4(A)に示すように、未組付状態のリング本体1の形状を、自由状態で非真円形であり、切れ目閉状態で真円形とし、かつ、図3(B)と図4(B)に示すように、未組付状態のC形リング11の形状を、自由状態で非円形であり、図2に対応した、小中心角度β0 にまで減少させた第2閉状態で真円形となるように、設定する。
さらに詳しく説明すれば、図3(A)に示す如く、リング本体1は自由状態では、切れ目5の中央点P5 に対して 180°±30°の範囲内に、曲率半径R13´が最大寸法の部位13Aが存在する。即ち、図3(A)に示した角度θ´は30°であり、2θ´=60°の範囲内に最大寸法の部位13Aを配設する。この最大寸法の部位13Aの、中心点O1 廻りの中心角度は1°〜60°の範囲で選択する。追加説明すれば、最大寸法の部位13Aから第1端部6・第2端部7の各々に向かって、周方向M1 ,M2 に近づくに従って、曲率半径R1 ´,R2 ´がしだいに減少して、第1・第2端部6,7の曲率半径R6 ´,R7 ´が最小となる。さらに、(既述したように、)第1凸部8・第2凸部9の外周面の曲率半径は、前記曲率半径R6 ,R7 と同一となる。
そして、図4(A)に示すように、第1凸部8と第2凸部9とが相互に重なり合った切れ目閉状態では、中心点O1 から同一半径R0 ´の真円形となり、第1端部6・第2端部7の曲率半径R6 ´,R7 ´は、図3(A)から図4(A)に弾性変形する際、ほとんど変形せず、図4(A)の曲率半径R0 と相等しい。
他方、C形リング11は自由状態では、図3(B)に示す如く、切れ目15の中央点P5 に対して 180°±30°の範囲内に、曲率半径R13″が最大寸法の部位13Bが存在する。即ち、図3(B)に示した角度θ″は30°であり、2θ″=60°の範囲内に最大寸法の部位13Bを配設する。この最大寸法の部位13Bの、中心点O1 廻りの中心角度は1°〜60°の範囲で選択する。
追加説明すれば、最大寸法の部位13Bから第1最端部16・第2最端部17の各々に向かって、周方向M1 ,M2 に近づくに従って、曲率半径R1 ″,R2 ″がしだいに減少して、第1最端部16・第2最端部17の近傍にて、曲率半径R16,R17が最小となる。
そして、図2に示した組付状態における切れ目閉状態のC形リング11の切れ目15の(中心点O1 廻りの)中心角度をβ0 とすれば、C形リング11のみに関して、図4(B)に示す如く、同一の中心角度β0 まで弾性縮径すると、中心点O1 から同一半径R0 ″の真円形となる。
図3と図4に於て、以上説明したリング本体1とC形リング11とを、相互に組付けることによって、図1の非真円形から、使用状態下で真円形のピストンリングSの外周面形状が得られ、真円形の(円形孔21の)内周面21Aに対して密に接触しつつ、(主として)アキシャル方向に摺動することとなる。
図1に示したリング本体1とC形リング11とを組付けた自由状態と、図3に示したリング本体1・C形リング11の単体の自由状態とを比較した場合、図3(A)のリング本体1の外径寸法よりも図1のリング本体1の外径寸法が僅かに大きく、かつ、図3(B)のC形リング11の外径寸法よりも図1のC形リング11の外径寸法が僅かに小さくなるように、組付けられている。このように組付けられることで、金属製の弾性C形リング11によって、樹脂製ピストンリング本体1が、常時ラジアル外方向への弾発付勢を受け、図2及び図5・図6・図7の使用状態で、円形孔21の内周面21Aに対して、強い弾発的圧接力をもって、接触する。
そして、材質と製法について説明すると、まず、リング本体1は多種多様の樹脂を用いることが可能であって、PTFE,PEEK,PPS,PES等を挙げることができる。本発明に於て、「樹脂」とは、低摩耗粉末や低摩擦用粉末等を混入した樹脂組成物を包含するものと、定義する。そして、射出成形、又は、切削・研削等の機械加工にて、製造する。また、弾性C形リング11は、炭素鋼(バネ鋼)や可鍛鋳鉄等の鉄鋼、チタン、アルミニウム、各種合金等を挙げることができ、線材のプレス加工等の塑性加工、鍛造、鋳造、ダイキャスト成型等を挙げることができ、さらに、これらの2種以上を組合せても自由である。
また、ピストンリング本体1の切れ目5と弾性C形リング11の切れ目15は、約 180°の位置(相対する位置)にあってもよく、また、約90°の位置にあってもよい。また、弾性C形リング11は、2巻き(複数巻き)したコイル形状のものでもよい。
次に、切れ目(合せ口)5の形状について説明する。図1〜図4、及び、図8に於ては、第1端部6に於て外周面4からラジアル内方向に段付面26をもって切欠部27を形成して、第1凸部8を形成すると共に、第2端部7に於て内周面2からラジアル外方向に段付面28をもって切欠部29を形成して、第2凸部9を設けている。第1凸部8と第2凸部9が円弧状面にて対向している。
図9に示す例では、第1端部6に於て、一側面30からアキシャル方向に段付面31をもって切欠部32を形成して、第1凸部8を形成すると共に、第2端部7に於て他側面33からアキシャル方向に段付面34をもって切欠部35を形成して、第2凸部9を設けている。第1凸部8と第2凸部9が、軸心直交状の平面にて対向している。
次に、図10〜図12は、さらに他の合せ口の構成(形状)を示す。即ち、第1凸部8は、L字形断面の基端半部51と、矩形断面の先端半部52とを有する。L字形断面の基端半部51の矩形凹部51Aには、第2凸部9の一部が(後述の如く)嵌合する。
第2凸部9は、L字形断面の基端半部53と、矩形断面の先端半部54と有する。L字形断面の基端半部53の矩形凹部53Aには、第1凸部8の上記先端半部52が嵌合する。
第1端部6は、第1段付面55と第2段付面56(の2段ステップ)をもって、前記第1凸部8が形成される。第2端部7は、第1段付面57と第2段付面58(の2段ステップ)をもって、前記第2凸部9が形成される。第2凸部9の先端半部54が、第1凸部8の矩形凹部51Aに嵌合する。
なお、合せ口形状(構造)は、上述の実施形態に限定されず、それ以外のものであっても自由である。そして、本発明に係るピストンリングSは、空気、各種ガス等の気体、及び、作動油等の液体に好適に利用できる。
図示の実施の形態によれば、リング本体1の内周面2の凹溝3に、C形リング11が嵌合し(図5〜図7参照)、相互の位置ずれを生じにくく、リング本体1の内周面21Aに対する接触面圧が均等化され、偏摩耗を生ずることを有効に防止できる。しかも、金属製のC形リング11がシール凹溝22の側方内面22Aに接触することも防止でき、側方内面22Aに傷を生ずることがなくなり、シール凹溝22内をピストンリングSが円滑に微小移動して良好な密封性能を安定して発揮する。かつ、リング本体1とC形リング11が、凹溝3にて相対的に正常位置に組付け保持されるので、固定部材20の円形孔21内へ、容易かつ迅速に装着させることができ、作業性も良好である。
そして、内周側に配設されたC形リング11は、リング本体1の合せ口(第1・第2凸部8,9)には配設されず、従って、第1・第2凸部8,9が、過度に金属製の高剛性のC形リング11にて拘束を受けずに済み、急激な圧力変動や急激な作動等において、第1・第2凸部8,9(合せ口)が柔軟に弾性的に変形しつつ対応し、流体の漏洩を阻止可能となる。
そして、本発明に係るピストンリングSは、図面からも明らかな如く、(合せ口を除く)略全周にわたって、弾性C形リング11が配設され、ピストンリングSの全体の流体漏洩は有効に防止される。
さらに言えば、従来例の図14に示した横断面一文字形のエキスパンダリング43に比べると、図5〜図7では、円形横断面の剛性の高い(硬い)C形リング11と樹脂製ピストンリング本体1との接触面積が小さいので、熱による膨張・収縮が生じた際に、円滑に吸収される。
本発明は、以上詳述したように、円周1箇所に切れ目5を有する円環状の樹脂製ピストンリング本体1と、該リング本体1の内周面2に弾発付勢力をもって接触するように配設された金属製の弾性C形リング11とを、有するピストンリングに於て、ピストンリング自由状態における全体形状は、上記切れ目5の中央点P5 に対して 180°±30°の範囲内に曲率半径R13が最大寸法の部位13が存在し、該最大寸法の部位13から上記切れ目5に向かって周方向M1 ,M2 に近づくに従って曲率半径R1 ,R2 が減少するように、設定され、切れ目閉状態では全体形状が真円形となるように構成されている構成としたので、真円形状の内周面21Aに対して、 360°全周にわたって密に圧接(摺接)して、全体の漏洩量が著しく低減可能となって、密封性能が優れる。
また、上記リング本体1の内周面2に、周方向凹溝3を形成して、上記C形リング11を該凹溝3に嵌着させ、C形リング11のアキシャル方向Kへの位置ずれを阻止するように構成したので、シール凹溝22の側方内面22A(図5〜図7参照)に、金属相互の干渉による傷を生ずることを防止でき、密封性能の低下を防ぎ得る。さらに、内周面2側のC形リング11がアキシャル方向Kに位置ずれした場合には、樹脂製ピストンリング本体1が円形孔21の内周面21Aに摺接する外周面4に、偏摩耗を発生する虞があるが、このような偏摩耗を有効に防ぎ得る。
また、上記リング本体1の上記切れ目5を形成する第1端部6・第2端部7には、周方向に第1凸部8・第2凸部9が突設され、上記C形リング11の切れ目15を形成する第1最端部16・第2最端部17は、上記リング本体1における上記第1凸部8・第2凸部9の付け根部8A,9Aよりも周内方向の位置に配設されているので、過度に、第1凸部8・第2凸部9のスムーズな弾性的微小拡径・縮径作動を阻害せず、内周面21Aに対して、常に柔軟に密接して、合せ口の瞬間的流体漏洩等を、有効に防ぎ、密封性能の一層の改善に大きく貢献する。
さらに、合せ口近傍には、金属製弾性C形リング11が配設されないので、C形リング11の第1・第2最端部16,17相互の干渉が発生せず、このような干渉に伴って、使用中にピストンリングS全体が非真円形となって、流体漏洩が発生することも防止できる。
S ピストンリング(シールリング)
1 (ピストン)リング本体
2 内周面
3 凹溝
5 切れ目
6 第1端部
7 第2端部
8 第1凸部
9 第2凸部
8A,9A 付け根部
11 (弾性)C形リング
13 最大寸法の部位
15 切れ目
16 第1最端部
17 第2最端部
K アキシャル方向
1 ,M2 周方向
1 ,R2 曲率半径
13 曲率半径
5 中央点(中心点)

Claims (3)

  1. 円周1箇所に切れ目(5)を有する円環状の樹脂製ピストンリング本体(1)と、該リング本体(1)の内周面(2)に弾発付勢力をもって接触するように配設された金属製の弾性C形リング(11)とを、有するピストンリングに於て、
    ピストンリング自由状態における全体形状は、上記切れ目(5)の中央点(P5 )に対して 180°±30°の範囲内に曲率半径(R13)が最大寸法の部位(13)が存在し、該最大寸法の部位(13)から上記切れ目(5)に向かって周方向(M1 )(M2 )に近づくに従って曲率半径(R1 )(R2 )が減少するように、設定され、切れ目閉状態では全体形状が真円形となるように構成されていることを特徴とするピストンリング。
  2. 上記リング本体(1)の内周面(2)に、周方向凹溝(3)を形成して、上記C形リング(11)を該凹溝(3)に嵌着させ、C形リング(11)のアキシャル方向(K)への位置ずれを阻止するように構成した請求項1記載のピストンリング。
  3. 上記リング本体(1)の上記切れ目(5)を形成する第1端部(6)・第2端部(7)には、周方向に第1凸部(8)・第2凸部(9)が突設され、上記C形リング(11)の切れ目(15)を形成する第1最端部(16)・第2最端部(17)は、上記リング本体(1)における上記第1凸部(8)・第2凸部(9)の付け根部(8A)(9A)よりも周内方向の位置に配設されている請求項1又は2記載のピストンリング。
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