JP4354673B2 - 床置き形空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内の床に配置される床置き形空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
調和された空気を室内へと吹出して室内の空気調和を行う空気調和機の1つに、いわゆる、床置き形空気調和機がある。この床置き形空気調和機は、室内の床に設置されるタイプの空気調和機であり、例えば、図15の上面、正面及び側面図に示すようなものが利用されている。この床置き形空気調和機100は、主として、ケーシング、熱交換器2およびファン3により構成されている。熱交換器2は、ケーシング内の上部に斜めに傾斜して収容されている。ケーシングの前面の上部には吹出し口110が設けられている。吹出し口110は、調和された空気がケーシング内から室内へ吹出す部分であり、ケーシングの前面の側端部付近から反対側の側端部付近までに渡って横方向に1つ設けられている。また、ケーシングの前面の下部には吸込み口が設けられている。吸込み口は、室内の空気を吸込む部分であり、吹出し口と同様に1つ設けられている。ファン3は、熱交換器2の下方に配置されており、モータ等の駆動手段により駆動され室内の空気を吸込み口からケーシング内へ取り入れ、熱交換器2を通った空気を吹出し口110から室内へと送る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様な床置き形空気調和機では、吹出し口がケーシングの前面の側端部付近から反対側の側端部付近までに渡って横方向に1つ設けられているため、室内全体へ十分に空気を行き届かせることが困難である。すなわち、吹出し口が横方向に1つだけ設けられているため、空気が吹出す方向は吹出し口全体として1方向に限られてしまうことが多い。このため、空気が吹出す方向が右方向のみ、あるいは左方向のみとなりやすく吹出し方向に偏りが生じやすい。これでは、室内全体に十分に空気を行き届かせることは困難である。この場合、室内の温度分布にも偏りが生じ易くなってしまい、室内で均一な温度分布を実現することは困難である。
【0004】
このため、本願出願人は、横方向に配置される複数の吹出し口を有する吹出し部を備える床置き形空気調和機を案出している。この床置き形空気調和機によれば、複数の吹出し口からそれぞれ横方向の異なる方向に容易に空気を吹出すことができるため、吹出した空気を室内全体に十分に行き届かせることができる。
【0005】
しかし、このような床置き形空気調和機の場合、ファンの種類やファンが配置される方向等によっては、吹出し部から吹出す空気の風量に偏りが生じることがある。すなわち、ファンから吹出す空気の流れがファンの回転の影響を受けて横方向に偏る結果、吹出す風量の多い吹出し口と少ない吹出し口とが生じることがある。この場合、上記のような、吹出した空気を室内全体に十分に行き届かせる効果を低減させる恐れがある。
【0006】
また、このような現象は、従来の床置き形空気調和機においても発生しうる。すなわち、吹出し口の部分によっては、吹出す空気の風量に偏りが生じうる。この場合も、室内全体に十分に空気を行き届かせることは困難である。
【0007】
本発明の課題は、吹出す空気の風量の偏りを低減させることができる床置き形空気調和機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の床置き形空気調和機は、室内の床に配置される床置き形空気調和機であって、ケーシングと熱交換器と吹出し部とファンと分配ガイドとを備える。熱交換器は、ケーシング内の上部に配置される。吹出し部は、正面視において横方向に離れて配置される第1吹出し口と第2吹出し口とを少なくとも有し、熱交換器の前方に配置され、熱交換器を通り調和された空気が吹出す。ファンは、ケーシング内において熱交換器の下方に配置され、床置き形空気調和機内の正面と平行な面内で回転して周方向に空気を吹出すことにより、空気を上方の熱交換器を通って吹出し部へと送る。分配ガイドは、熱交換器と吹出し部との間に配置され、ファンにより吹出し部へと送られる空気を第1吹出し口と第2吹出し口とに略均等に分配する。第1吹出し口は、ファンの回転方向側に配置され、第2吹出し口は、ファンの回転方向と反対側に配置される。分配ガイドは、第1吹出し口へと送られる空気が通る第1通風経路を形成する第1ガイド面と、第2吹出し口へと送られる空気が通る第2通風経路を形成する第2ガイド面と、を有する。そして、第2通風経路の入口は第1通風経路の入口より広く、且つ、上方ほど第2通風経路は狭く第1通風経路は広く形成される。
【0009】
なお、ここでいうファンの回転方向側とは、ファンから送られる空気の進行方向がファンの回転による影響を受けて傾く側をいう。例えば、正面視において左周りに回転しているファンでは、ファンの上方へ吹出す空気の流れは左側に傾きやすい。従って、この場合の回転方向とは左側をいう。
【0010】
この床置き形空気調和機では、分配ガイドは第1吹出し口と第2吹出し口とに概ね均等に空気を分配する。このため、この床置き形空気調和機は、第1吹出し口と第2吹出し口とから吹出す空気の風量を概ね均等にすることができる。これにより、この床置き形空気調和機では、第1吹出し口と第2吹出し口とにおいて吹出す空気の風量の偏りを低減させることができる。
【0011】
特に、第1吹出し口がファンの回転方向側に配置され、第2吹出し口がファンの回転方向と反対側に配置されると、ファンの回転による空気の流れの傾きのため、ファンから送られる空気は第1吹出し口へ送られやすい。そこで、この床置き形空気調和機では、分配ガイドにより、第1通風経路と第2通風経路とが、第2通風経路の入口が第1通風経路の入口より広くなるように形成される。このため、第2通風経路には、第1通風経路よりも空気が入り易くなる。また、第2通風経路には、送られる空気が少ない側に配置される第2吹出し口へと送られる空気が通る。しかし、上記のように、第2通風経路には第1通風経路よりも空気が入り易くなるため釣り合いが取られて、第1吹出し口と第2吹出し口とから吹出す空気の風量を概ね均等にすることができる。
【0012】
請求項に記載の床置き形空気調和機は、請求項1に記載の床置き形空気調和機であって、分配ガイドは、下方に行くにつれて、第2吹出し口側から第1吹出し口側へと頂点が傾斜する山形断面形状を有する。
【0013】
この床置き形空気調和機では、分配ガイドの頂点が下方に行くにつれて第2吹出し口側から第1吹出し口側へと傾斜する。このため、ファンから送られる空気の流れの上流において、第1吹出し口側では空気が案内されにくくなり、第2吹出し口側では逆に空気が案内されやすくなっている。これにより、この床置き形空気調和機は、ファンから送られる空気の風量の釣り合いを分配ガイドによりとり、第1吹出し口と第2吹出し口とから吹出す空気の風量を概ね均等にすることができる。
【0014】
請求項に記載の床置き形空気調和機は、請求項1に記載の床置き形空気調和機であって、ファンケーシングをさらに備える。ファンケーシングは、吹出し部へと送られる空気が通るファンケーシング出口を有し、ファンの側面を囲む。ファンケーシング出口は、ファンの側面の一部に対向し、ファンの中心から横方向に偏心して設けられる。第1吹出し口は、ファンケーシング出口側の反対側に配置される。第2吹出し口は、ファンケーシング出口側に配置される。そして、分配ガイドは、下方に行くにつれて、第2吹出し口側から第1吹出し口側へと頂点が傾斜する山形断面形状を有する。
【0015】
ファンケーシング出口を通ってファンから送られる空気は、ファンケーシング出口を出たあと、ファンの回転の影響を受け、ファンケーシング出口が偏心して設けられている側から、その反対側へと傾いて進みやすい。このため、ファンケーシング出口側の反対側に配置される第1吹出し口とファンケーシング出口側に配置される第2吹出し口とでは、第1吹出し口へと進む空気の風量が多くなりやすい。しかし、この床置き形空気調和機では、分配ガイドの頂点は、下方すなわちファンから送られる空気の上流に行くにつれて、第2吹出し口側から前記第1吹出し口側へと頂点が傾斜する。このため、上流において、第1吹出し口側では空気が案内されにくくなり、第2吹出し口側では逆に空気が案内されやすくなっている。これにより、この床置き形空気調和機は、ファンから送られる空気の風量の釣り合いを分配ガイドによりとり、第1吹出し口と第2吹出し口とから吹出す空気の風量を概ね均等にすることができる。
【0016】
請求項に記載の床置き形空気調和機は、請求項1からのいずれかに記載の床置き形空気調和機であって、ケーシングは、熱交換器と対向し正面を覆う前面パネルを有する。そして、分配ガイドは、断熱性の材料で形成され、熱交換器と前面パネルとの間に配置される。
【0017】
この床置き形空気調和機では、分配ガイドは、断熱性の材料で形成され、熱交換器と前面パネルとの間に配置される。このため、分配ガイドは、床置き形空気調和機の外部と内部との間での熱の出入りを低減することができる。これにより、この床置き形空気調和機では、分配ガイドが断熱材を兼ねることができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
〈構成〉
〔全体構成〕
本発明の第1実施形態が採用された床置き形空気調和機1の外観の正面図を図1に示す。
【0019】
この床置き形空気調和機1は、家庭の室内の床Fに設置される空気調和機であり、室内の空気調和を行う。床置き形空気調和機1は、室外に配置される室外機(図示せず)と接続されており、室外機に収容される図示しない圧縮機や室外熱交換器との間で冷媒回路を構成する。
【0020】
図2に床置き形空気調和機1の構成を示す正面図を、図3に上面図を、図4に側面図を示す。以下、「上下方向」というときは、図1及び図2の正面視における上下方向すなわち室内における高さ方向をいうものとし(実線矢印D2参照)、「左右方向」あるいは「横方向」というときは、図1及び図2の正面視における左右方向をいうものとする(実線矢印D1参照)。また、厚さ方向とは、図3、図4などに示す実線矢印D3で示す方向をいうものとする。
【0021】
この床置き形空気調和機1は、主として、熱交換器2、ファン3、ケーシング4、分配ガイド9により構成されている。
【0022】
〔熱交換器2〕
熱交換器2は、ケーシング4の内部に収容されており、ケーシング4内に取り込まれた空気との間で熱交換を行う。熱交換器2は、図2に示すように、床置き形空気調和機1の上半分の位置を占め、吹出し部5と同じ高さに配置されている。また、熱交換器2は、図4に示すように、上方が床置き形空気調和機1の背面40側へ傾斜するように設けられている。
【0023】
〔ファン3〕
ファン3は、ケーシング4の内部に収容されている。ファン3は、室内の空気を吸込み部6(図1参照)からケーシング4内に吸込んだ後、熱交換器2に通し、吹出し部5へと送る。ファン3は、床置き形空気調和機1の正面と平行な面内で回転するように配置されたシロッコファンであり、図2に示すように、熱交換器2の下方に設けられる。また、ファン3は、図4に示すように、後述する吸込み部6の近傍に配置される。ファン3は、図2に示すように、ファンケーシング30に収容されている。ファンケーシング30は、ファン3の側面に沿ってファン3の円周の約4分の3を囲む円弧状の側面32を有しており、ファン3の側面に対向するように配置されている。ファンケーシング30は、ファン3の側面の左半分と右側の下半分を囲んでいる。また、ファンケーシング30には、ファンケーシング出口31が設けられている。ファンケーシング出口31は、ファン3から上方の熱交換器2へ向けて空気が出て行く部分であり、ファンケーシング30に囲まれていないファン3の右側の上半分に面する位置に配置されている。ケーシング出口31は、ファン3の回転中心から右方向に偏心して設けられる。なお、ファン3は、図2において左回りに回転して熱交換器2へと空気を送る(図2の白抜き矢印A1及び実線矢印A2参照)。
【0024】
〔ケーシング4〕
ケーシング4は、熱交換器2やファン3などを収容する、上下方向D2に長い箱状の部材である。ケーシング4は、図3に示すように、背面40の角42が面取りされている。ケーシング4の前面41は、前面パネル43、窪み部44、傾斜面45を有する形状となっている。また、ケーシング4は、図1に示すように、吹出し部5、吸込み部6、水平フラップ部7および垂直フラップ部8を備えている。
【0025】
まず、前面41の形状について説明した後、吹出し部5、吸込み部6、水平フラップ部7および垂直フラップ部8について説明する。
【0026】
前面パネル43は、ケーシング4の前面にケーシング4の上下方向D2の概ね全体に渡って設けられる平坦な部分である。また、前面パネル43の上部には、表示部46が設けられている。表示部46は、室内温度、室外温度や運転の設定などの情報を表示する。
【0027】
窪み部44は、前面パネル43の側端に沿って設けられた上下方向D2に長い窪みであり、前面パネル43の両側にそれぞれ設けられている。窪み部44は、側面440と曲面441とにより構成されている。側面440は、前面パネル43と連続しており、前面パネル43に垂直に設けられている。曲面441は、側面440と連続しており、さらに傾斜面45と連続している。
【0028】
傾斜面45は、窪み部44の側方に隣接し前面の上下方向D2全体に渡って設けられた傾斜した面である。傾斜面45は、前面41の両側端にそれぞれ設けられている。
【0029】
<吹出し部5>
吹出し部5は、ケーシング4の前面41の上半分に設けられており、熱交換器2により熱交換された空気が吹出す。吹出し部5は、第1吹出し口51と第2吹出し口52とにより構成されている。
【0030】
第1吹出し口51と第2吹出し口52とは、前面41の両側端に沿って設けられた高さ方向D2に長い形状を有する長方形の開口である。第1吹出し口51と第2吹出し口52とは、傾斜面45の上半分に設けられており、前面パネル43と窪み部44を隔てて、左側に第1吹出し口51が設けられ、右側に第2吹出し口52が設けられている。各吹出し口51,52は、図5に示すように、仕切り板50により上部S1、中部S2および下部S3の3つに分けられている。
【0031】
なお、吹出し部5を構成する吹出し口は、第1吹出し口51と第2吹出し口52に限られず、2以上の横方向D1に距離を隔てて配置される吹出し口であってもよい。例えば、上下方向D2に2以上の吹出し口が両傾斜面45に沿って配置されてもよく、横方向D1に2以上隣接して設けられる吹出し口のセットが横方向D1に距離を隔てて設けられてもよい。
【0032】
<吸込み部6>
吸込み部6は、室内の空気をケーシング4内へと吸込む部分であり、図1に示すように、ケーシング4の前面41の下半分に設けられている。吸込み部6は、第1吸込み口61、第2吸込み口62および側面吸込み口66,67により構成される。
【0033】
第1吸込み口61と第2吸込み口62とは、窪み部44の側面440に設けられた開口であり、左側の窪み部44に第1吸込み口61が右側の窪み部44に第2吸込み口62が設けられている。第1吸込み口61は、図4に示すように、3つの開口63,64,65により構成されており、上下方向D2に並んで配置されている。最も上に配置される開口63は、ファン3よりも高い位置に配置され、他の2つの開口64,65は、ファン3より低い位置に配置されている。すなわち、第1吸込み口61は、ファン3に対向しない位置に配置されている。第2吸込み口62についても同様である。なお、各吸込み口61,62が配置される位置は、ファン3に厳密に対向しない位置に限られず、各吸込み口61,62の一部がファン3にかかる程度の位置に配置されてもよい。さらに、各吸込み口61,62はファン3の上下に分けて配置される場合に限らず、上方向にのみ、あるいは下方向にのみ配置されてもよい。
【0034】
側面吸込み口66,67は、それぞれ床置き形空気調和機1の側面47の下方にそれぞれ設けられる、図4に示すような上下方向(D2)に長い開口である。側面吸込み口66,67は、幅方向(D3)でいえばファン3と前面41との間に位置している。なお、図4においては、正面視において左側の側面47に設けられている側面吸込み口66を図示しているが、右側の側面47に設けられる側面吸込み口67についても同様である。
【0035】
なお、第1吸込み口、第2吸込み口および側面吸込み口66,67に対向して、ケーシング4の下方を覆うフィルタ(図示せず)が設けられている。
【0036】
<水平フラップ部7>
水平フラップ部7の構成を示す正面図を図5に、側面図を図6に示す。
【0037】
水平フラップ部7は、図6に示すように、メインフラップ70とサブフラップ71とフラップ駆動機構72とにより構成される。
【0038】
メインフラップ70は、図5に示すように、第1吹出し口51と第2吹出し口52との両方に上下方向D2に複数設けられ、各吹出し口51,52から吹出す空気を上下方向D2に案内する。本実施形態では、各吹出し口51,52の上部S1、中部S2、下部S3に、それぞれ上下方向D2に4枚ずつ、1つの吹出し口で合計12枚のメインフラップ70が設けられている。メインフラップ70は、弾性材により形成されており、薄い長方形形状を有する。メインフラップ70は、概ね水平に配置されており、その背面40側が固定されている。
【0039】
なお、メインフラップ70は、全体が弾性材により形成される場合に限らず、中央部分などメインフラップ70の一部分が弾性材により形成されていてもよい。また、メインフラップ70は、弾性材により形成されていなくても、メインフラップ70を薄肉の形状に形成するなどして弾性を持たせるようにしたものであってもよい。
【0040】
フラップ駆動機構72は、メインフラップ70を湾曲させることによりメインフラップ70による空気の案内方向を変更する機構であり、複数のメインフラップ70を繋ぐリンク機構73と駆動装置(図示せず)とにより構成される。リンク機構73は、図6に示すように、複数のメインフラップ70の先端付近に固定される棒状の部材であり、上下方向D2に移動することにより複数のメインフラップ70の先端を一体的に上下に移動させる。駆動装置は、リンク機構73を上下に移動させる。
【0041】
なお、フラップ駆動機構72は、メインフラップ70を湾曲させるものに限らず、メインフラップ70を横方向D1に平行な軸を中心に回転させるものであってもよい。この場合、メインフラップ70は、湾曲しないものであってもよく、回転することにより、空気の案内方向を変える。
【0042】
サブフラップ71は、各吹出し口51,52の上部S1に配置されたメインフラップ70に取り付けられており、暖房時に吹出し部5の上部S1からの吹出しを制限する。なお、図6では、第2吹出し口52に配置されたサブフラップ71を示している。サブフラップ71は、メインフラップ70と概ね同じ横方向の長さを有するくの字型に折れ曲がった板状部材であり、メインフラップ70の上側に、一端710がメインフラップ70の中ほどから突出するように、他端711がメインフラップ70の先端に沿うように設けられている。また、サブフラップ71の一端710は、メインフラップ70に対して上下方向D2にメインフラップ70の先端に対して鈍角をなすように設けられている。サブフラップ71は、図7に示すように、メインフラップ70がフラップ駆動機構72により下方向に湾曲した場合に、隣接するメインフラップ70の先端700に一端710が近接することにより、隣接するメインフラップ70との間を閉じる。メインフラップ70が上方へ向いた場合は、図8に示すように、サブフラップ71の一端710が、メインフラップ70に沿うような状態になる。この場合、サブフラップ71の一端710は、隣接するメインフラップ70との間を開くことにより、各吹出し口51,52の上部S1を開く。
【0043】
なお、サブフラップ71は、くの字型に折れ曲がった板状部材に限らず、長方形の板状部材をメインフラップ70に対して所定の角度で取り付けたのもの、あるいは、メインフラップ70と一体に形成されたものであってもよい。
【0044】
<垂直フラップ部8>
垂直フラップ部8は、吹出し部5から吹出す空気を横方向D1に案内する部分であり、垂直フラップ80とフラップ角度変更機構81とにより構成される。
【0045】
垂直フラップ80は、図1に示すように、第1吹出し口51と第2吹出し口52にそれぞれ設けられ、各吹出し口51,52から吹出す空気を横方向D1に案内する。垂直フラップ80は、各吹出し口51,52とほぼ同一形状の板状部材により構成される。なお、図1は、垂直フラップ80が各吹出し口51,52を閉じた状態を示している。垂直フラップ80は、図3に示すように、鉛直方向に平行な回転軸800を中心に水平面内で回動自在に配置されている。
【0046】
フラップ角度変更機構81は、垂直フラップ80の配置角度を変更する機構であり、フラップモータ82とスイッチ(図示せず)とにより構成されている。フラップモータ82は、フラップを回転させる。スイッチは、フラップモータ82により垂直フラップ80の配置角度を切替えて、吹出す空気の案内方向の広狭を設定する。
【0047】
〔分配ガイド9〕
分配ガイド9は、図2に示すように、ケーシング4の上半分に設けられ、第1吹出し口51と第2吹出し口52とに均等に空気を分配する。分配ガイド9は、図3に示すように、熱交換器2と前面パネル43との間に配置され、第1ガイド面91と第2ガイド面92とを有する山形断面形状を有する。第1ガイド面91は、第1吹出し口51へと送られる空気が通る第1通風経路P1を形成する。第2ガイド面92は、第2吹出し口52へと送られる空気が通る第2通風経路P2を形成する。第1ガイド面91と第2ガイド面92とが接合する頂点93は、熱交換器2側に設けられており、図2のように、床置き形空気調和機1の上方へ行くにつれて、第2吹出し口52側の横方向D1へと傾斜する。すなわち、頂点93は、床置き形空気調和機1の上方から下方へ行くにつれて、第1吹出し口51側の横方向D1へと傾斜しており、第2通風経路P2の入口は第1通風経路P1の入口より広く形成されている。分配ガイド9の端部94は前面パネル43の裏側に接着されており、第1ガイド面91と第2ガイド面92と前面パネル43の裏側とで囲まれる部分は中空となっている。また、分配ガイド9は、発泡ポリエチレンなどの断熱材により形成されている。なお、断熱材として、他にもゴム、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の発泡材や断熱性の繊維材などを用いてもよい。
【0048】
〈動作〉
本実施形態にかかる床置き形空気調和機1の特徴的な動作について説明する。
【0049】
〔ケーシング4内での空気の流れ〕
まず、ケーシング4内での空気の流れを図2に基づいて説明する。
【0050】
ファン3が回転すると室内の空気が第1吸込み口61、第2吸込み口62および側面吸い込み口66,67(図1参照)からケーシング4内に取り込まれる。取り込まれた空気は、ファン3の回転により、ケーシング出口31からファン3の上方へと送られて熱交換器2を通り、第1吹出し口51及び第2吹出し口52から室内へと吹出す。このファン3から上方へと送られる空気は、真直ぐ上昇するのではなく、ファン3の回転方向による影響を受けて図2における左側へと傾いて上昇する(図中白抜き矢印A1参照)。ここで、第1吹出し口51は、正面視においてファン3の左上に位置している。この位置は、ファン3から上方へ送られる空気の流れがファン3の回転の影響を受けて傾く側である。このため、上述した分配ガイド9がない場合は、左側に配置された第1吹出し口51へと多くの空気が送られ、第2吹出し口52へは第1吹出し口51よりも少ない空気が送られることになる。分配ガイド9は、左側へ多く流れようとする空気を第2ガイド面92により右寄りに案内して右側へ流れやすくする。すなわち、分配ガイド9は、第1吹出し口51の方向へ流れる空気を第2吹出し口52の方向へ案内する。このようにして、分配ガイド9は、空気が流れる方向のバランスをとり、第1吹出し口51と第2吹出し口52とへ送られる空気の風量を概ね均等にする。
【0051】
〔上下方向への空気の吹出し〕
次に、第1吹出し口51および第2吹出し口52からの上下方向D2への吹出しについて説明する。
【0052】
暖房時においては、暖かい空気を下方へと吹出すために、メインフラップ70がフラップ駆動機構72により自動的にあるいは手動で方向を変え、図7のように下方を向いている。このとき、各吹出し口51,52の上部S1に配置されているメインフラップ70にはサブフラップ71が設けられているため、サブフラップ71の一端710が、メインフラップ70の中ほどから上方へ突出し、1つ上に隣接するメインフラップ70の先端700と近接する。つまり、各メインフラップ70の間が、突出するサブフラップ71により塞がれた状態になる。このようにして、メインフラップ70が下方を向いたときは、各吹出し口51,52の上部S1は閉じられ、空気の吹き出しが制限される。サブフラップ71が配置されていない中部S2と下部S3とでは、空気の吹出しは制限されておらず、下方へ向けて空気が吹出す。従って、図中の実線矢印A3のように、暖かい空気は、吹出し口の中部S2と下部S3とから下方へ向けて吹出し、上部S1からは吹出さない、あるいは、極わずかな風量の空気が吹出すだけである。
【0053】
冷房時においては、冷たい空気を上方へと吹出すために、メインフラップ70がフラップ駆動機構72により自動的にあるいは手動で方向を変え、図8のように上方を向く。このとき、メインフラップ70は上方へ向けて湾曲しており、上部S1においては、サブフラップ71はメインフラップ70に沿った状態になる。すなわち、メインフラップ70の先端700とサブフラップ71の突出部分とにより形成されるくの字型の形状が、上方に向いたメインフラップ70の湾曲と近似した状態となる。このようにして、メインフラップ70が上方を向いたときは、各メインフラップ70の間が開かれる。つまり、各吹出し口51,52の上部S1が開かれ、空気が上方へ向けて吹出す。そして、サブフラップ71が配置されていない中部S2と下部S3とでは、当然に上方へと空気が吹出す。従って、図中の実線矢印A4のように、冷たい空気は、各吹出し口51,52の上部S1、中部S2、下部S3のすべてから上方へ向けて吹出す。
【0054】
〔横方向への空気の吹出し〕
次に、第1吹出し口51および第2吹出し口52からの横方向D1への吹出しについて説明する。
【0055】
前述したように熱交換器2で熱交換された空気は、第1吹出し口51と第2吹出し口52とから室内へと吹出す。第2吹出し口52と第2吹出し口52とは、ケーシング4の横方向D1に距離を隔てて設けられており、各吹出し口51,52から横方向D1へ幅広く吹出す。
【0056】
また、空気の吹出しの左右方向D1の角度は、あらかじめフラップ角度変更機構81により設定することができる。フラップ角度変更機構81は、フラップモータ82により垂直フラップ80の設置角度を切替えて、吹出す空気の案内方向の広狭を切替える。ここで、吹出す空気の案内方向の広狭とは、第1吹出し口51から吹出す空気の方向と第2吹出し口52から吹出す空気の方向とのなす角の大きさを意味する。例えば、図9(a)のように、床置き形空気調和機1が室内の角部分に壁に対して45度に配置される場合には、吹出す空気の案内方向が白抜き矢印A5にように壁に沿った角度になるように垂直フラップの角度を設定するとよい。また、図9(b)のように、床置き形空気調和機1が部屋の側面の中央に壁に沿って配置される場合には、吹出す空気の案内方向を部屋の角に配置される場合よりも広くするとよい(白抜き矢印A6参照)。また、図9(c)のように、床置き形空気調和機1が部屋の隅に壁に沿って配置されるときには、吹出す空気の案内方向を白抜き矢印A7のように片方の壁に合わせて壁に沿った角度にするとよい。なお、以上のような垂直フラップ80の配置角度の切換は、フラップ角度変更機構81のスイッチの切換により行うことができる。このように、床置き形空気調和機1は、配置される室内空間の広がりに応じて、吹出しの横方向D1の広がりを最適なものにすることができる。
【0057】
〈特徴〉
〔第1吹出し口51と第2吹出し口52とに関する特徴〕
(1)本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、熱交換器2で熱交換された空気は、第1吹出し口51および第2吹出し口52とから吹出す。第1吹出し口51と第2吹出し口52とは、前面パネル43と窪み部44を隔てて前面41の両側端に沿ってそれぞれ設けられている。このため、図15に示すような、中央に1つ吹出し口110が設けられた従来型床置き形空気調和機100と比べて、横方向D1により幅広く吹出すことができる。このため、この床置き形空気調和機1では、吹出した空気を室内へ十分に行き届かせることができる。従って、室内の温度分布を改善し、室内の隅々まで空気調和を行うことができる。
【0058】
上記の効果について、従来の床置き形空気調和機100と本実施形態にかかる床置き形空気調和機1とにより室内の空気調和を行った場合の室内の温度分布をサーモグラフにより表示した比較データを図10及び図11に示す。図10は暖房時のデータであり、図11は冷房時のデータである。ここでは、各床置き形空気調和機1,100は室内の角部分に壁W1,W2に対して45度の角度で配置され、室内の中央へ向けて配置されている。また、図中の曲線は、同じ温度範囲にあるエリアを示しており、約0.7℃間隔に分けられている。
【0059】
まず、図10に基づいて、暖房時における温度分布を説明する。
【0060】
図10(a)は、従来型床置き形空気調和機100による温度分布である。この従来型床置き形空気調和機100では、図中の矢印A8に示すように、部屋の一方向に向いて空気が吹出している。
【0061】
室内の床F付近の温度分布については、同じ温度域の帯状のエリアが、空気の吹出し方向に交差して分布している。このうち最も暖かいエリアT1は、従来型床置き形空気調和機100から最も離れた壁W3に沿って分布しており、床Fの面積の約20%を占めいている。なお、このエリアT1は、30.7℃以下30.4℃以上の温度であり、図中、ハッチングを施してある。そして、この位置から従来型床置き形空気調和機100側の壁W2へむけて、段階的に温度が低下している。従来型床置き形空気調和機100が配置されている壁W1,W2のうち空気の吹出し方向に近い側の壁W1についても同様である。空気の吹出しに遠い側の壁W2では、上記の最も暖かいエリアT1よりも温度の低いエリアT2が、壁W2の面積のほとんどを占めている。また、床Fでは、エリアT1よりも温度の低いエリアT3がその面積の約半分を占めている。このデータから、従来型床置き形空気調和機100では、吹出し口から吹出した暖房された空気は、空気の吹出し方向に位置する壁W3付近に偏って暖めていることがわかる。
【0062】
図10(b)は、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1による温度分布である。この床置き形空気調和機1では、図中の矢印A9に示すように、横方向D1に異なる2つの方向に空気を吹出している。
【0063】
まず、床F付近の温度分布については、図10(a)のエリアT1の温度以上の温度のエリアT4が、床置き形空気調和機1が配置された2つの壁W1,W2に沿って、床置き形空気調和機1と反対側の壁W3,W4まで分布しており、床Fの面積の約50%を占めている。このエリアT4のなかでも、床置き形空気調和機1が配置された2つの壁W1,W2付近が最も暖かい。そして、それぞれの壁W1,W2から部屋の中央部分に向けて段階的に温度が低下している。また、エリアT4とエリアT4よりも一段階低い温度のエリアとで、床Fの面積の約80%を占めている。床置き形空気調和機1が配置されている側の2つの壁W1,W2の温度分布についても同様であり、エリアT1の温度以上の温度のエリアT5は、床置き形空気調和機1の吹出し口から床置き形空気調和機1が配置された2つの壁W1,W2の下方に沿って、床置き形空気調和機1と反対側の壁面まで広がっている。なお、図10(b)においては、図10(a)においてハッチングを施した30.7℃以下30.4℃以上のエリアT1を基準として、この温度以上のエリアについて、同じパターンのハッチングを施している。このデータから、床置き形空気調和機1では、吹出し口から吹出した暖房された空気は、室内を左右から幅広く足元から暖めていることがわかる。
【0064】
以上のように、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、左右2方向の部屋の壁面から部屋の中央へ向けて、包み込むような空気の流れが実現されており、室内の温度分布が改善されていることがわかる。
【0065】
次に、図11に基づいて、冷房時における温度分布を説明する。
【0066】
図11(a)は、従来型床置き形空気調和機100による温度分布である。この従来型床置き形空気調和機100では、暖房時と同様に、部屋の一方向に向けて空気が吹出している。
【0067】
床F付近の温度分布については、最も温度の低いエリアT6は、従来型床置き形空気調和機100から最も離れた壁W3に付近の中央に分布している。なお、このエリアは、22.1℃以上22.8℃以下の温度域であり、床Fの面積の約10%の面積を占める。そして、この位置から従来型床置き形空気調和機100側の壁W2へむけて、段階的に温度が上昇している。従来型床置き形空気調和機100が配置されている壁W1,W2のうち空気の吹出しに近い側の壁W1については、床F付近で最も温度の低いエリアT6以下の温度のエリアT7が天井に沿って分布しており、床Fに近づくにつれて温度が上昇している。床置き形空気調和機100が配置されている壁W1,W2のうち空気の吹出しに遠い側の壁W2では、上記の床F付近で最も温度の低いエリアT6より温度が高いエリアT8がその面積のほとんどを占めている。このデータから、従来の床置き形空気調和機100では、吹出し口から吹出した冷房された空気は、空気の吹出し方向に位置する壁の中央付近に偏って冷房していることがわかる。
【0068】
図11(b)は、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1による温度分布である。この床置き形空気調和機1では、暖房時と同様に、横方向に異なる2つの方向に空気を吹出している。
【0069】
まず、床F付近の温度分布については、図11(a)のエリアT6の温度以下のエリアT9が、床置き形空気調和機1が配置されている壁W2から床置き形空気調和機1と反対側の壁W3へ向けて分布しており、床Fの面積の約75%を占めている。右側の壁W1は、図11(a)のエリアT6の温度以下のエリアT10よりも低い温度エリアT10が、床置き形空気調和機1に近い側の横半分と残り半分の上部とに分布している。左側の壁W2に関しては、図11(a)のエリアT6以下の温度のエリアT11が、壁W2の面積のほぼ全部を占めている。なお、図11(b)においては、図11(a)においてハッチングを施した22.1℃以上22.8℃以下のエリアT6を基準として、この温度以下の温度のエリアについて、同じパターンのハッチングを施している。このデータから、床置き形空気調和機1では、吹出し口から吹出した冷房された空気は、従来型空気調和機100よりも幅広く広い範囲を冷房していることがわかる。
【0070】
以上のように、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、冷房時においても従来の床置き形空気調和機1よりも部屋全体を十分に冷房しており、室内の温度分布が改善されていることが分かる。
【0071】
(2)本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、空気を吸込む吸込み部6が吹出し部5の下方に設けられている。このため、空気の吸込みにより生じる気流が空気の吹出しと衝突することがなく、空気の吹出しが阻害されない。従って、吹出した空気はより遠くまで行き届くことができる。これにより、床置き形空気調和機1では、室内全体により十分に空気を行き届かせることができる。
【0072】
(3)本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、第1吹出し口51と第2吹出し口52とから左右方向D1の壁面に沿って空気が吹出す。すなわち、居住者がいる部屋の中央付近には直接空気を吹出さない。このため、この床置き形空気調和機1では、吹出した空気が直接居住者に当たることによる居住者の不快感を低減させることができる。
【0073】
なお、中央へは直接空気を吹出さないとしても、上記の温度分布からも分かるように、壁面に沿って吹出した空気は、左右から部屋を包み込み、部屋の中央付近も十分に暖房あるいは冷房することができる。
【0074】
(4)本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、ファン3は、吸込み部6と同様にケーシング4の下方に収容されており、吸込み部6の近傍に設けられている。このため、ファン3が吸込み部6から離れている場合と比べて吸込み部6から空気を吸込むために必要なファン3の能力を低減することが出来る。このため、ファン3にかかるコストを低減することができる。
【0075】
(5)床置き形空気調和機1に配置されるファン3では、送風能力を増大させようとするとファン3の寸法、特に径方向の寸法が増大する。このため、床置き形空気調和機1のケーシング4が大型化し、室内において邪魔になることがある。特に、床置き形空気調和機1の厚さが増すと、部屋の居住空間へ床置き形空気調和機1が突き出て邪魔になる。しかし、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、ファン3は正面と平行な面内で回転するように配置されているため、回転の径が増大しても床置き形空気調和機1の厚さ方向D3の寸法の増大を抑えることができる。このため、床置き形空気調和機1を薄型にすることが可能となっている。
【0076】
〔第1吸込み口61と第2吸込み口62とに関する特徴〕
本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、第1吸込み口61と第2吸込み口62とをそれぞれ構成する開口63,64,65は、図4に示すように、上下方向D2に並んで配置されており、開口63は、側面のファン3よりも高い位置に配置され、開口64,65は、ファン3より低い位置に配置されている。すなわち、第1吸込み口61と第2吸込み口62とは、ファン3に対向しない位置に配置されている。このため、吸込み口の開口がファン3に対向して設けられている場合と比べて、開口から室内へと漏れるファン3の音を低減することができる。また、居住者が誤って開口から手を入れた場合、ファン3が回転しているため、手を巻き込まれるなどして危険である。しかし、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、ファン3の真正面には開口が設けられていないため、居住者が開口に手を入れたとしてもファン3に手が巻き込まれることを防止することができ、安全である。
【0077】
また、第1吸込み口61と第2吸込み口62とに加えて、側面47に側面吸込み口66,67が設けられているため、より多くの空気を吸込むことができる。そして、側面吸込み口66,67は側面47に設けられているため、側面吸込み口66,67から漏れるファンの音は、通常居住空間となっている正面方向へは直接届き難くなっている。さらに、正面から見た床置き形空気調和機1の美観を損なう恐れも少ない。
【0078】
〔垂直フラップ部8に関する特徴〕
本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、フラップ角度変更機構81により垂直フラップ80の配置角度を変更することにより、空気が吹出す方向を変更することができる。このため、床置き形空気調和機1が配置される場所に応じて、室内に空気を行き届かせるのに最適な方向に空気を吹出すことができる。すなわち、床置き形空気調和機1が配置される場所に応じて、垂直フラップ80の角度の広狭を変更して、室内の壁に沿った吹出しを行うことにより、上述した温度分布データに現れたような左右から部屋全体を包み込むような空気の吹出しをより効果的に実現することができる。
【0079】
〔ケーシング4の背面の面取りに関する特徴〕
床置き形空気調和機1を室内の角部分に部屋の中央方向付近へむけて配置する場合(図9(a)参照)、床置き形空気調和機1の背面40と部屋の壁面との間に隙間が生じる。この隙間が大きくなると床置き形空気調和機1が室内の居住空間へと突き出し、居住空間を狭めてしまう。しかし、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、室内の角部に配置する場合に室内の壁面と接触する背面40の角42が面取りされているため、室内の角部により近い位置に床置き形空気調和機1を配置することができ、上記の隙間を小さくすることができる。このため、床置き形空気調和機1は、室内の角部分に収まりよく配置することができる。また、これらの効果から居住者に製品の厚みをさらに薄く感じさせることができる。
【0080】
〔分配ガイド9に関する特徴〕
(1)本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、分配ガイド9が、第1吹出し口51と第2吹出し口52とに均等に空気を分配する。このため、この床置き形空気調和機1では、第1吹出し口51と第2吹出し口52とから吹出す空気の風量を均等にすることができる。これにより、この床置き形空気調和機1では、吹出す空気の風量の偏りを低減させることができる。従って、室内において左右により均一な温度分布を実現することができ、居住者にとってより快適な室内環境を作り出すことができる。なお、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、第1吹出し口51と第2吹出し口52とが横方向D1に距離を隔てて配置されているため、分配ガイド9による風量の均一化の効果は、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1において特に効果的である。
【0081】
(2)本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、分配ガイド9は、断熱性の材料で形成され、熱交換器2と前面パネル43との間に配置される。このため、分配ガイド9は、床置き形空気調和機1の外部と内部との間での熱の出入りを低減することができ、断熱材を兼ねることができる。これにより、この床置き形空気調和機1では、専用の断熱材を省略することができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0082】
〔水平フラップ部7に関する特徴〕
(1)本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、サブフラップ71は、暖房時においては各吹出し口51,52の上部S1からの吹出しを制限する。このため、床置き形空気調和機1では、より低い位置からの空気の吹出し量が増大し、部屋の床Fに近い位置がよく暖められる。このことは、前述した図10(b)における壁面の温度分布からも明らかである。そして、吹出した暖かい空気は、床置き形空気調和機1の下方から部屋の上方へ上昇するため、部屋の低い位置から高い位置までの広い範囲を暖めることができる。これにより、この床置き形空気調和機1では、室内の暖房時の温度分布を向上させることができる。
【0083】
なお、本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、下方のファン3から上方の吹出し口へと空気が送られるため、ケーシング4内における空気の流れは上向きである。このため、吹出し口から吹出す空気は、上方に向けて吹出しやすい。従って、本実施形態においては、上方への吹出しを制限する水平フラップの効果はより高いといえる。
【0084】
(2)本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、サブフラップ71が、メインフラップ70が下方向に湾曲した場合にそのメインフラップ70とそのメインフラップ70に隣接するメインフラップ70との間を閉じる。このため、空気の吹出しを制限したい吹出し口のメインフラップ70に、このサブフラップ71を設けることにより、吹出しの制限を行うことができる。これにより、別途、吹出しの制限用の制御機構等を設けることなくメインフラップ70の動きを利用することにより吹出し口の一部を閉じることができる。そして、サブフラップ71は、メインフラップ70の先端に対して鈍角をなすように設けられているため、メインフラップ70が上方向へ湾曲しサブフラップ71が吹出し口の一部を開いているときは、サブフラップ71はメインフラップ70の湾曲に滑らかに沿った状態となる(図8参照)。このため、サブフラップ71は、メインフラップ70に案内される空気を妨げることを防止している。
【0085】
(3)本実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、暖房時に下向きに温風が吹出す場合には、サブフラップ71が各吹出し口51,52の上部S1を閉じている。従って、温風は低い位置から吹出すので、温風が直接居住者へ当たることが防止されている。これにより、ドラフトによる居住者の不快感が低減している。
【0086】
[第2実施形態]
第1実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、サブフラップ71は、各吹出し口51,52の上部S1のメインフラップ70に設けられており、メインフラップ70が下方へと湾曲した場合に、隣接するメインフラップ70との間を閉じる。しかし、サブフラップ71を各吹出し口51,52の下部S3のメインフラップ70に設けて、メインフラップ70が上方へと湾曲した場合に隣接するメインフラップ70との間を閉じるようにしてもよい。冷房時においては、冷たい空気を上方へ吹き出すために、メインフラップ70を上方へと向ける。このメインフラップ70の動きに連動して、サブフラップ71が隣接するメインフラップ70との間を閉じる。これにより、冷房時には、各吹出し口51,52の下部S3からの吹出しを制限することができ、高い位置からの空気の吹出しを行うことができる。これにより、冷房時における室内の温度分布をより改善することができる。なお、この場合、サブフラップ71は、メインフラップ70の下側に設けるとよい。これにより、メインフラップ70が下方に湾曲した場合に、サブフラップ71がメインフラップ70の湾曲に沿った状態になり、下方からの吹出しを妨げる恐れが少なくなる。
【0087】
また、各吹出し口51,52の上部S1と下部S3との両方のメインフラップ70にサブフラップ71を設けてもよい。これにより、冷房時と暖房時との両方において、室内の温度分布をより改善することができる。
【0088】
参考例1
第1実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、ファン3は、正面と平行な面内で回転するように1台配置されているが、図12に示す床置き形空気調和機101のように、2台のシロッコファン33を、下方の第1吸込み口61と第2吸込み口62との近傍に、横方向D1に平行な軸を中心に回転するように、すなわちケーシング4の側面47に平行な面内で回転するようにそれぞれ配置してもよい。
【0089】
ファンでは、送風能力を増大させようとすると回転の径が増大することが多いが、この床置き形空気調和機101では、側面47に平行な面内で回転するシロッコファン33が設けられているため、回転の径が増大しても床置き形空気調和機101の横方向D1の寸法の増大は僅かである。このため、この床置き形空気調和機101では、横方向D1に複数のシロッコファン33を設けることが容易であり、複数のシロッコファン33を設けることにより、1つあたりのシロッコファン33に必要とされる能力を低減することができる。
【0090】
また、側面47に平行な面内で回転するため、シロッコファン33により送られる空気の流れが左右方向D1に偏ることが少ない。このため、第1吹出し口51と第2吹出し口52とからの吹出す空気の風量を容易に均等にすることができる。従って、第1実施形態にかかる床置き形空気調和機1の分配ガイド9を設けなくてもよい。
【0091】
参考例2
第1実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、各吸込み口61,62は、各吹出し口51,52の下方にそれぞれ設けられているが、吸込み口をケーシング4の上半分に設けて、吸込み口と各吹出し口51,52とを同じ高さに配置してもよい。以下、参考例から第5参考例までの床置き形空気調和機102,103,104,105においては、吸込み口は、各吹出し口51,52と同じ高さに配置されている。
【0092】
参考例2にかかる床置き形空気調和機102は、図13(a)に示すように、前面41には第1吸込み口61aと第2吸込み口62aとが設けられており、第1クロスフローファン34aと第2クロスフローファン34bと熱交換器20とを有する。他の部分については、第1実施形態にかかる床置き形空気調和機1と同様である。
【0093】
第1吸込み口61aは、高さ方向D2に長い形状を有する開口であり、第1吹出し口51の右側に第1吹出し口51に沿って設けられている。第2吸込み口62aは、第1吸込み口61aと同様の形状であり、第2吹出し口52の左側に第2吹出し口52に沿って設けられている。第1吸込み口61aと第2吸込み口62aとの間には、前面パネル43が位置している。
【0094】
第1クロスフローファン34aは、第1吹出し口51と第1吸込み口61aとの近傍に設けられており、高さ方向D2と平行な軸を中心に回転する。第2クロスフローファン34bは、第2吹出し口52と第2吸込み口62aとの近傍に設けられており、高さ方向D2と平行な軸を中心に回転する。
【0095】
熱交換器20は、V字型の断面形状を有する高さ方向D2に長い部材であり、ケーシング4の上半分に設けられている。熱交換器20は、第1クロスフローファン34aと第2クロスフローファン34bとの間に、V字の頂点21を背面側40に向けて配置されている。
【0096】
この床置き形空気調和機102では、各吸込み口61a,62a、熱交換器20、各吹出し口51,52が上部に集まって収容されており、吸い込みから吹き出しまで空気が移動する距離が短くなっている。このため、各クロスフローファン34a,34bに必要な能力を低減することができる。また、クロスフローファンを利用しているため、シロッコファンやターボファン等を使用する場合と比べてファンを駆動するモータの能力も低減するためモータにかかるコストが低い。また、ファンにかかるコストも低い。
【0097】
さらに、第1吹出し口51と第2吹出し口52とにそれぞれに1台ずつファン34a,34bが設けられているため、左右の吹出し口において、風量の偏りが少ない。また、第1吹出し口51と第2吹出し口52とから吹出す空気の風量をそれぞれ個別に制御する事も容易である。このため、より快適な温度分布を実現する空気の吹出しを容易に行うことができる。
【0098】
参考例3
参考例3にかかる床置き形空気調和機103は、図13(b)に示すように、前面41には第1吸込み口61bと第2吸込み口62bとが設けられており、1台のターボファン35と熱交換器22とを有する。他の部分については、第1実施形態にかかる床置き形空気調和機1と同様である。
【0099】
第1吸込み口61bと第2吸込み口62bとについては、参考例2にかかる床置き形空気調和機102の吸込み口61a,62aと同様である。
【0100】
ターボファン35は、ケーシング4の上部に設けられており、各吹出し口51,52と各吸込み口61b,62bとの近傍に位置する。ターボファン35は、正面に平行な面内で回転するように配置されている。
【0101】
熱交換器22は、長方形の板状の部材であり、ケーシング4の上半分に、ターボファン35と前面パネル43との間に設けられている。
【0102】
この床置き形空気調和機103では、正面と平行な面内で回転するターボファン35を備えているため、厚さ方向D3の寸法の増大を抑制すると共に十分な静圧を得ることができる。
【0103】
参考例4
参考例4にかかる床置き形空気調和機104は、図13(c)に示すように、前面41には第1吸込み口61cと第2吸込み口62cとが設けられており、3台のシロッコファン36と熱交換器23とを有する。他の部分については、第1実施形態にかかる床置き形空気調和機1と同様である。
【0104】
第1吸込み口61cと第2吸込み口62cとについては、参考例2にかかる床置き形空気調和機102の吸込み口61a,62aと同様である。
【0105】
3台のシロッコファン36は、ケーシング4内の上方に高さ方向D2に3台並んで設けられている。シロッコファン36は、高さ方向D2に平行な軸を中心に回転する。
【0106】
熱交換器23は、シロッコファン3の側方を囲むように、左右それぞれ1台ずつ、合計2台が設けられている。
【0107】
この床置き形空気調和機104では、シロッコファン36を3台備えているため、1つあたりのシロッコファン36に必要な能力を低減することができる。このため、シロッコファン36の大きさを低減することができる。さらに、シロッコファン36は高さ方向D2に並んで備えられているため、この床置き形空気調和機104では、横方向D1および厚さ方向D3の寸法を低減することができる。
【0108】
参考例5
参考例5にかかる床置き形空気調和機105は、図13(d)に示すように、前面41には第1吸込み口61dと第2吸込み口62dとが設けられており、1台のクロスフローファン37と熱交換器24とを有する。他の部分については、第1実施形態にかかる床置き形空気調和機1と同様である。
【0109】
第1吸込み口61dと第2吸込み口62dとについては、参考例2にかかる床置き形空気調和機102の吸込み口61a,62aと同様である。
【0110】
クロスフローファン37は、ケーシング4内の上方に第1吹出し口51の近傍から第2吹出し口52の近傍にかけて設けられる。クロスフローファン37は、高さ方向D2に長い円筒形状を有しており、高さ方向D2に平行な軸を中心に回転する。
【0111】
熱交換器24は、V字型の断面形状を有する高さ方向D2に長い部材であり、ケーシング4内の上方に設けられている。熱交換器24は、クロスフローファン37を囲むように、V字の頂点25をケーシング4の前面41側に向けて配置されている。
【0112】
この床置き形空気調和機105では、1つのクロスフローファン37が備えられているため、例えば、ターボファンやシロッコファンを備える場合と比べて、ファンを駆動するモータの能力を低減することができ、モータにかかるコストが低減する。
【0113】
参考例6
第1実施形態にかかる床置き形空気調和機1では、ファン3は正面と平行な面内で回転するように1台配置されているが、図14に示すように、2台のクロスフローファン38a,38bを、ケーシング4の上方に設けられた第1吹出し口51と第2吹出し口52との近傍に設けてもよい。2台のクロスフローファン38a,38bの配置や熱交換器20の形状についての詳細は、参考例2にかかる床置き形空気調和機102と同様である。
【0114】
この床置き形空気調和機106では、2台のクロスフローファン38a,38bが各吹出し口51,52の近傍に設けられている。このため、クロスフローファン38a,38bから各吹出し口51,52へと送られる空気の移動距離が短くなっている。ファンの回転方向によりファンから送られる空気の流れに偏りが生じる場合、ファンから遠ざかるほど空気の流れの偏りが大きくなることがある。しかし、この床置き形空気調和機106では、クロスフローファン38a,38bから各吹出し口51,52へと送られる空気の移動距離が短くなっているため、各吹出し口51,52から吹出す空気の流れの偏りが小さくなっている。
【0115】
さらに、各吹出し口51,52にそれぞれ1台ずつのクロスフローファン38a,38bが設けられているため、左右方向D1の空気の流れの偏りは小さい。また、各吹出し口51,52から吹出す空気の風量をそれぞれ個別に制御することも容易である。このため、より快適な温度分布を実現することができる空気の吹出しを行うことができる。
【0116】
なお、各吸込み口61,62と各クロスフローファン38a,38bとの距離が遠くなるために、各クロスフローファン38a,38bの空気を吸込む力が不足する恐れがある場合には、各吸込み口61,62の近傍に室内から空気を吸込み上方へ送る補助ファンを設けるとよい。これによれば、空気を吸込む力の不足を解消することができる。また、空気を吸込む力の不足を解消するために各クロスフローファン38a,38bの能力を上げることによる各クロスフローファン38a,38bの大型化を防止することもできる。
【0117】
また、ケーシング4の上方に設けられた第1吹出し口51と第2吹出し口52との近傍に設けられるファン及び熱交換器は、クロスフローファン38a,38b及び熱交換器20に限らず、図13(b)に示す参考例3にかかる床置き形空気調和機103のターボファン35及び熱交換器22、図13(c)に示す参考例4にかかる床置き形空気調和機104のシロッコファン36及び熱交換器23、図13(d)に示す参考例5にかかる床置き形空気調和機105のクロスフローファン37及び熱交換器24であってもよい。
【0118】
【発明の効果】
請求項1に記載の床置き形空気調和機では、分配ガイドは第1吹出し口と第2吹出し口とに概ね均等に空気を分配する。このため、この床置き形空気調和機は、第1吹出し口と第2吹出し口とから吹出す空気の風量を概ね均等にすることができる。これにより、この床置き形空気調和機では、第1吹出し口と第2吹出し口とにおいて吹出す空気の風量の偏りを低減させることができる。
【0119】
特に、第1吹出し口がファンの回転方向側に配置され、第2吹出し口がファンの回転方向と反対側に配置されると、ファンの回転による空気の流れの傾きのため、ファンから送られる空気は第1吹出し口へ送られやすい。そこで、この床置き形空気調和機では、分配ガイドにより、第1通風経路と第2通風経路とが、第2通風経路の入口が第1通風経路の入口より広くなるように形成される。このため、第2通風経路には、第1通風経路よりも空気が入り易くなる。また、第2通風経路には、送られる空気が少ない側に配置される第2吹出し口へと送られる空気が通る。しかし、上記のように、第2通風経路には第1通風経路よりも空気が入り易くなるため釣り合いが取られて、第1吹出し口と第2吹出し口とから吹出す空気の風量を概ね均等にすることができる。
【0120】
請求項に記載の床置き形空気調和機では、分配ガイドの頂点が下方に行くにつれて第2吹出し口側から第1吹出し口側へと傾斜する。このため、ファンから送られる空気の流れの上流において、第1吹出し口側では空気が案内されにくくなり、第2吹出し口側では逆に空気が案内されやすくなっている。これにより、この床置き形空気調和機は、ファンから送られる空気の風量の釣り合いを分配ガイドによりとり、第1吹出し口と第2吹出し口とから吹出す空気の風量を概ね均等にすることができる。
【0121】
請求項に記載の床置き形空気調和機では、分配ガイドの頂点は、下方すなわちファンから送られる空気の上流に行くにつれて、第2吹出し口側から前記第1吹出し口側へと頂点が傾斜する。このため、上流において、第1吹出し口側では空気が案内されにくくなり、第2吹出し口側では逆に空気が案内されやすくなっている。これにより、この床置き形空気調和機は、ファンから送られる空気の風量の釣り合いを分配ガイドによりとり、第1吹出し口と第2吹出し口とから吹出す空気の風量を概ね均等にすることができる。
【0122】
請求項に記載の床置き形空気調和機では、分配ガイドは、断熱性の材料で形成され、熱交換器と前面パネルとの間に配置される。このため、分配ガイドは、床置き形空気調和機の外部と内部との間での熱の出入りを低減することができる。これにより、この床置き形空気調和機では、分配ガイドが断熱材を兼ねることができ、部品点数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態にかかる床置き形空気調和機の外観の正面図。
【図2】 床置き形空気調和機の構成を示す正面図。
【図3】 床置き形空気調和機の構成を示す上面図。
【図4】 床置き形空気調和機の構成を示す側面図。
【図5】 水平フラップ部の構成を示す正面図。
【図6】 水平フラップ部の構成を示す側面図。
【図7】 下向きに空気を吹出す場合のサブフラップの状態を示す図。
【図8】 上向きに空気を吹出す場合のサブフラップの状態を示す図。
【図9】 (a)床置き形空気調和機の配置パターンを示す図。(b)床置き形空気調和機の配置パターンを示す図。(c)床置き形空気調和機の配置パターンを示す図。
【図10】 (a)従来型床置き形空気調和機による暖房時の室内の温度分布を示す図。(b)第1実施形態にかかる床置き形空気調和機による暖房時の室内の温度分布を示す図。
【図11】 (a)従来型床置き形空気調和機による冷房時の室内の温度分布を示す図。(b)第1実施形態にかかる床置き形空気調和機による冷房時の室内の温度分布を示す図。
【図12】 参考例1にかかる床置き形空気調和機の図。
【図13】 (a)参考例2にかかる床置き形空気調和機の図。(b)参考例3にかかる床置き形空気調和機の図。(c)参考例4にかかる床置き形空気調和機の図。(d)参考例5にかかる床置き形空気調和機の図。
【図14】 参考例6にかかる床置き形空気調和機の図。
【図15】 従来の床置き形空気調和機の図。
【符号の説明】
1 床置き形空気調和機、
2 熱交換器
3 ファン
5 吹出し部
9 分配ガイド
30 ファンケーシング
31 ファンケーシング出口
43 前面パネル
51 第1吹出し口
52 第2吹出し口
91 第1ガイド面
92 第2ガイド面
93 頂点
D1 横方向
F 床
P1 第1通風経路
P2 第2通風経路

Claims (4)

  1. 室内の床(F)に配置される床置き形空気調和機であって、
    ケーシング(4)と、
    前記ケーシング(4)内の上部に配置された熱交換器(2)と、
    正面視において横方向(D1)に離れて配置される第1吹出し口(51)と第2吹出し口(52)とを少なくとも有し、前記熱交換器の前方に配置され、前記熱交換器(2)を通り調和された空気が吹出す吹出し部(5)と、
    前記ケーシング(4)内において前記熱交換器(2)の下方に配置され、床置き形空気調和機内の正面と平行な面内で回転して周方向に空気を吹出すことにより、前記空気を上方の前記熱交換器を通って前記吹出し部(5)へと送るファン(3)と、
    前記熱交換器(2)と前記吹出し部(5)との間に配置され、前記ファン(3)により前記吹出し部(5)へと送られる空気を前記第1吹出し口(51)と前記第2吹出し口(52)とに略均等に分配する分配ガイド(9)と、
    を備え、
    前記第1吹出し口(51)は、前記ファン(3)の回転方向側に配置され、
    前記第2吹出し口(52)は、前記ファン(3)の回転方向と反対側に配置され、
    前記分配ガイド(9)は、
    前記第1吹出し口(51)へと送られる前記空気が通る第1通風経路(P1)を形成する第1ガイド面(91)と、
    前記第2吹出し口(52)へと送られる前記空気が通る第2通風経路(P2)を形成する第2ガイド面(92)と、
    を有し、
    前記第2通風経路(P2)の入口は前記第1通風経路(P1)の入口より広く、且つ、上方ほど前記第2通風経路(P2)は狭く前記第1通風経路(P1)は広く形成される、
    床置き形空気調和機。
  2. 前記分配ガイド(9)は、下方に行くにつれて、前記第2吹出し口(52)側から前記第1吹出し口(51)側へと頂点(93)が傾斜する山形断面形状を有する、
    請求項1に記載の床置き形空気調和機。
  3. 前記吹出し部(5)へと送られる空気が通るファンケーシング出口(31)を有し前記ファン(3)の側面を囲むファンケーシング(30)をさらに備え、
    前記ファンケーシング出口(31)は、前記ファン(3)の側面の一部に対向し前記ファン(3)の中心から横方向(D1)に偏心して設けられ、
    前記第1吹出し口(51)は、前記ファンケーシング出口(31)側の反対側に配置され、
    前記第2吹出し口(52)は、前記ファンケーシング出口(31)側に配置され、
    前記分配ガイド(9)は、下方に行くにつれて、前記第2吹出し口(52)側から前記第1吹出し口(51)側へと頂点(93)が傾斜する山形断面形状を有する、
    請求項1に記載の床置き形空気調和機。
  4. 前記ケーシング(4)は、前記熱交換器(2)と対向し正面を覆う前面パネル(43)を有し
    前記分配ガイド(9)は、断熱性の材料で形成され、前記熱交換器(2)と前記前面パネル(43)との間に配置される、
    請求項1からのいずれかに記載の床置き形空気調和機。
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