JP4352883B2 - ブラシレスdcモータの駆動方法及び駆動装置 - Google Patents

ブラシレスdcモータの駆動方法及び駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、ブラシレスDCモータの駆動方法及びその装置に関し、更に詳細に言えば、永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータを、三相巻線に電力を供給するインバータにより駆動するための方法及びその装置に関するものであり、特に冷蔵庫やエアコンなどの圧縮機を駆動するのに最適なブラシレスDCモータの駆動方法及び駆動装置に関するものである。
近年の冷蔵庫は350L以上の大型機種が主力となり、それらの冷蔵庫は、高効率な圧縮機回転数可変のインバータ制御冷蔵庫が大半を占めている。これらの冷蔵庫用圧縮機では高効率化のために、永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータを一般的には採用している。また、圧縮機の中という高温、高圧、冷媒雰囲気、オイル雰囲気という環境下にブラシレスDCモータを設置するため、ブラシレスDCモータで通常使われるようなホール素子などの位置検出センサは使用できない。そのために一般的にはモータの逆起電圧から回転子の回転位置を検出する方法がよく用いられている。
従来の技術は、例えば、特許文献1に示されている。その従来の技術を図面に従って説明する。図10は従来のブラシレスDCモータの駆動装置のブロック図である。
図10において、商用電源101は、日本の場合周波数50Hzまたは60Hz、電圧100Vの交流電源である。整流回路102は商用電源101の交流電圧を直流電圧に変換する回路で、ブリッジ接続された整流用ダイオード102a〜102dと平滑用の電解コンデンサ102e、102fとからなり、図10に示す回路では倍電圧整流回路となり、商用電源101のAC100V入力から直流電圧280Vを得ることができる。
インバータ回路103は、6個のスイッチ素子103a、103b、103c、103d、103e、103fを3相ブリッジ構成されている。また、各々のスイッチ素子には各スイッチ素子の逆方向に還流電流用のダイオードが入っているが本図では省略している。
ブラシレスDCモータ104は、永久磁石を有する回転子104aと3相巻線を有した固定子104bとからなる。インバータ103により作られた3相交流電流が固定子104bの3相巻線に流れることにより、回転子104aを回転させることができる。回転子104aの回転運動はクランクシャフト(図示せず)により、往復運動に変更され、ピストン(図示せず)がシリンダ(図示せず)内を往復運動することにより、冷媒を圧縮する圧縮機の駆動を行う。
逆起電圧検出回路105は、ブラシレスDCモータ104の永久磁石を有する回転子104aが回転することにより発生する逆起電圧から、回転子104aの回転相対位置を検出する。
転流部106は、逆起電圧検出回路105の出力信号によりロジカルな信号変換を行い、インバータ103のスイッチ素子103a、103b、103c、103d、103e、103fを駆動する信号を作り出す。
同期駆動部107は、インバータ103から強制的に所定周波数の出力を出し、ブラシレスDCモータ104を駆動するものであり、転流部106で生成されるロジカルな信号と同等形状の信号を強制的に所定周波数で発生させるものである。
負荷状態判定部108は、圧縮機104が運転されている負荷状態を判定するものである。
切替部109は、負荷状態判定部108の出力により、圧縮機104のブラシレスDCモータを転流部106で駆動するか、同期駆動部107で駆動するかを切り替える。
ドライブ回路110は、切替部109からの出力信号により、インバータ103のスイッチ素子103a、103b、103c、103d、103e、103fを駆動する。
以上の構成において、次に動作の説明を行う。
負荷状態判定部108で検出された負荷が、通常負荷の場合、転流部106による駆動を行う。逆起電圧検出回路105でブラシレスDCモータ104の回転子104aの相対位置を検出する。次に転流部106で回転子104aの相対位置からインバータ103を駆動する転流パターンを作り出す。この転流パターンは切替部109を通して、ドライブ回路110に供給され、インバータ103のスイッチ素子103a、103b、103c、103d、103e、103fを駆動する。
この動作により、ブラシレスDCモータ104はその回転位置に合致した駆動を行うこととなり、効率の良い駆動方法となる。
次に、負荷が増加してきたときの動作について説明する。
ブラシレスDCモータ104の負荷が増加し、ブラシレスDCモータ104の特性により回転数が低下してくる。この状態を負荷状態判定部108で高負荷状態であることを判定し、切替部109の出力を同期駆動部107からの信号に切り替える。このように駆動することにより高負荷時の回転数低下を抑えようとするものである。言いかえると、効率よりも高パワーを重視した駆動方法となる。
特開平9−88837号公報
しかしながら、従来の構成では、次のような課題があった。
低負荷時に転流部106に切り替えることにより効率低下抑制を実現しているものの、キャリア周波数の切り替え手段を有していないため、低回転時のキャリア周波数を高くし、電流リップルを抑制して、より効率が良く、静かで安定した運転を実現することができないという課題があった。
本発明は、従来の課題を解決するものであり、インバータへの供給電圧や負荷の状態および回転数によって、小Duty比の運転状態になった時でも、騒音や振動を十分に抑制できるブラシレスDCモータの駆動方法及びその装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、モータに出力される波形の状態によってキャリア周波数を2種類以上切り替えることを可能にしたものであり、入力電圧(商用電源の電圧)やインバータへの供給電圧(直流電圧)、負荷状態(Duty比)、回転子の回転数に応じてキャリア周波数を切り替えることで騒音や振動を抑えることが出来る。
また、インバータに供給される電源電圧を検出する電圧検出部と、電圧検出部によって検出された電圧に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有することにより、瞬時電圧低下・停電や急峻な電源電圧の上昇が生じたり、異なる商用電源電圧環境下での使用などインバータへの供給電圧が変化した場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。
また、インバータに供給される電源電圧を調整する電圧調整部と、電圧調整部に出力される電圧調整信号を制御する電圧制御部と、電圧調整信号に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有することにより、モータの回転数などに応じて最適な電源電圧をインバータに供給できるとともに、電源電圧の変化による騒音や振動の発生を速やかに低減することが出来る。また、電圧調整信号の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、インバータへの供給電圧の変化により切り替える手段よりも、より速やかに騒音や振動を低減できる。
また、Duty比を調整するDuty比制御部と、Duty比制御部によって調整されたDuty比に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有することにより、負荷状態が変化した場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。また、Duty比の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、負荷変動が生じた場合のような、入力電圧(商用電源の電圧)やインバータの供給電圧(直流電圧)、電圧調整信号に変化が生じないような場合も、騒音や振動を低減できる。
また、同期回転数設定部によって決定された回転子の回転数に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部を有することにより、回転子の回転数を加減速する場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。また、回転数の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、Duty比や電圧を一定に保持したまま回転数を加減速する場合でも、騒音や振動を低減できる。
本発明は、モータに出力される波形の状態によってキャリア周波数を2種類以上切り替えることを可能にしたものであり、入力電圧(商用電源の電圧)やインバータへの供給電圧(直流電圧)、負荷状態(Duty比)に応じてキャリア周波数を切り替えることで騒音や振動を抑えることが出来る。
また、インバータに供給される電源電圧を検出する電圧検出部と、電圧検出部によって検出された電圧に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有することにより、瞬時電圧低下・停電や急峻な電源電圧の上昇が生じたり、異なる商用電源電圧環境下での使用などインバータへの供給電圧が変化した場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。
また、インバータに供給される電源電圧を調整する電圧調整部と、電圧調整部に出力される電圧調整信号を制御する電圧制御部と、電圧調整信号に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有することにより、モータの回転数などに応じて最適な電源電圧をインバータに供給できるとともに、電源電圧の変化による騒音や振動の発生を速やかに低減することが出来る。また、電圧調整信号の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、インバータへの供給電圧の変化により切り替える手段よりも、より速やかに騒音や振動を低減できるという効果もある。
また、Duty比を調整するDuty比制御部と、Duty比制御部によって調整されたDuty比に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有することにより、Duty比や電圧を一定に保持したまま、変化した場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。また、Duty比の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、負荷変動が生じた場合のような、入力電圧(商用電源の電圧)やインバータの供給電圧(直流電圧)、電圧調整信号に変化が生じないような場合も、騒音や振動を回避できるという効果もある。
また、回転数を決定する同期回転数設定部と、同期回転数設定部によって決められた回転数に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有することにより、回転数が変化した場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。また、回転数の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、Duty比や電圧を保持したまま回転数を変化させる場合のような、モータに出力される波形の状態に変化が生じない場合でも、騒音や振動を回避できるという効果もある。
請求項1に記載の発明は、モータに出力される電流波形の状態によってキャリア周波数を2種類以上切り替えることを可能にし、低電圧領域では前記キャリア周波数を小さくし、電圧が大きくなるに従って前記キャリア周波数を大きく設定するものであり、入力電圧(商用電源の電圧)やインバータへの供給電圧(直流電圧)、負荷状態(Duty比)、回転子の回転数に応じてキャリア周波数を切り替えることで騒音や振動を抑えることが出来る。
請求項2に記載の発明は、インバータに供給される電源電圧を検出する電圧検出部と、電圧検出部によって検出された電圧に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有し、低電圧領域では前記キャリア周波数を小さくし、電圧が大きくなるに従って前記キャリア周波数を大きく設定することにより、瞬時電圧低下・停電や急峻な電源電圧の上昇が生じたり、異なる商用電源電圧環境下での使用などインバータへの供給電圧が変化した場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。
請求項3に記載の発明は、インバータに供給される電源電圧を調整する電圧調整部と、電圧調整部に出力される電圧調整信号を制御する電圧制御部と、電圧調整信号に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有し、低電圧領域では前記キャリア周波数を小さくし、電圧が大きくなるに従って前記キャリア周波数を大きく設定することにより、モータの回転数などに応じて最適な電源電圧をインバータに供給できるとともに、電源電圧の変化による騒音や振動の発生を速やかに低減することが出来る。また、電圧調整信号の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、インバータへの供給電圧の変化により切り替える手段よりも、より速やかに騒音や振動を低減できる。
請求項4に記載の発明は、Duty比を調整するDuty比制御部と、Duty比制御部によって調整されたDuty比に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有し、小さなDuty比の領域ではキャリア周波数を大きくし、Duty比が大きくなるに従ってキャリア周波数を小さく設定することにより、負荷状態が変化した場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。また、Duty比の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、負荷変動が生じた場合のような、入力電圧(商用電源の電圧)やインバータの供給電圧(直流電圧)、電圧調整信号に変化が生じないような場合も、騒音や振動を低減できる。
請求項5に記載の発明は、同期回転数設定部によって決定された回転子の回転数に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部を有し、低い回転数の領域ではキャリア周波数を小さくし、中程度の回転数ではキャリア周波数を最も大きくし、回転数が高い時のキャリア周波数は、低い回転数でのキャリア周波数と中程度の回転数でのキャリア周波数との間になるように設定することにより、回転子の回転数を加減速する場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。また、回転数の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、Duty比や電圧を一定に保持したまま回転数を加減速する場合でも、騒音や振動を低減できる。
請求項6に記載の発明は、請求項2から請求項5に記載の発明において、回転子の位置を検出する回転子位置検出部と、ブラシレスDCモータの負荷の状態を判定する負荷状態判定部と、三相巻線に接続される複数個のスイッチング素子を順次切り換えていく時機を前記回転子位置検出部で検出された位置情報をもとに決定するか、あるいは同期回転数設定部で決定された回転数をもとに決定するかを前記負荷状態判定部により選択する切換時機選択部とを有しており、パワーが不要な低負荷条件下では効率よく運転できる特徴を備えており、キャリア周波数の切換が実現できることにより騒音や振動を抑制できることはもちろんのこと、リップル電流の低減が可能となり、高効率性においてさらに効果が現れることになる。
請求項7に記載の発明は、請求項2から請求項6に記載の発明において、ブラシレスDCモータが、回転子の鉄心に永久磁石を埋め込んでなる回転子であり、かつ突極性を有する回転子を有したものであり、このような回転子においては、突極性を有しており、永久磁石のマグネットトルクの他に突極性によるリラクタンストルクが作用し、磁石表面配置形回転子と比べてトルクリップルが増大するので、騒音や振動が発生しやすい特性を有しているため、さらに効果が現れることになる。
請求項8に記載の発明は、請求項2から請求項7に記載の発明において、ブラシレスDCモータが圧縮機を駆動するものであり、圧縮機において低騒音を実現できる極めて重要な用途のひとつである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるブラシレスDCモータの駆動装置のブロック図である。
図1において、商用電源1は、日本の場合周波数50Hzまたは60Hz、電圧100Vの交流電源である。
整流回路2は商用電源1の交流電圧を直流電圧に変換する。整流回路2はブリッジ接続された整流用ダイオード2a〜2dと平滑用の電解コンデンサ2e、2fと電圧調整回路2gからなり、図1に示す回路は倍電圧整流回路の場合、商用電源1のAC100V入力から直流電圧280Vを得ることができる。ここでは倍電圧整流としたが、電圧調整回路2gは直流電圧可変式のチョッパ回路や倍電圧整流/全波整流の切替方式回路に相当する。
インバータ回路3は、6個のスイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを3相ブリッジ構成されている。また、各々のスイッチ素子には各スイッチ素子の逆方向に還流電流用のダイオードが入っているが本図では省略している。
ブラシレスDCモータ4は、永久磁石を有する回転子4aと3相巻線を有した固定子4bとからなる。インバータ3により作られた3相交流電流が固定子4bの3相巻線に流れることにより、回転子4aを回転させることができる。回転子4aの回転運動はクランクシャフト(図示せず)により、往復運動に変更され、ピストン(図示せず)がシリンダ(図示せず)内を往復運動することにより、冷媒を圧縮する圧縮機の駆動を行う。
回転数指令回路5は、所望の回転数を指令する回路である。例えば、冷蔵庫やエアコンなどにおいては温度センサなどから構成され、汎用的に用いられるブラシレスDCモータ4の駆動装置においてはユーザーが操作するためのSW等から構成される部分であり、必要な回転数を指令する回路である。
同期回転数設定部6は、回転数指令回路5の指令回転数によりロジカルな信号変換を行い、インバータ3のスイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを順次切り換えるタイミングを決定する。この同期回転数設定部6は、ブラシレスDCモータ4を同期駆動させるようなロジカルな信号パタンに変換し、強制的に所定周波数で信号パタンを発生させることが可能である。
電圧検出部7は、整流回路2の出力電圧(直流電圧)を検出する。
Duty比制御部8は、同期回転数設定部6、及び、電圧検出部7の出力を受けて、インバータ3の出力波形が最適となるようにDuty比を調整する。ここで、Duty比とはオン時間とキャリア周期の比を示し、Duty比が大きいほど出力される電圧は高くなる。
PWMキャリア周波数切替部9は、PWM制御におけるPWMキャリア周波数を生成する機能と、電圧検出部7の出力信号、電圧調整部13の電圧調整信号およびDuty比制御部8が決定するDuty比などからモータ4に出力される波形の状態を判断しキャリア周波数を切り替える機能と、同期回転数設定部6が決定する回転数からキャリア周波数を切り替える機能とを備えるものである。ここでPWMとはパルス幅変調のことを意味し、モータの駆動周波数(回転数)に対して十分大きな周波数であるキャリア周波数を選定する。一般的に、キャリア周波数は2kHz〜20kHz程度が使用される。
スイッチ素子切換部10は、同期回転数設定部6によって決定された周期とDuty比制御部8で調整されたDuty比をもとに、インバータ3のスイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを駆動するための信号を出力する。ドライブ回路11は、スイッチ素子切換部10から出力される駆動信号により、インバータ3のスイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを駆動する。マイクロコンピュータ12は前述の機能を実現する。これらの機能はマイクロコンピュータのプログラムによって実現可能である。電圧制御部13は、電圧調整回路2gに電圧調整信号を出力し、インバータ3に供給する電圧を制御する機能を実現する。
次に図1における動作について、図1〜図6を用いて説明する。
図2は本実施の形態を表すキャリア周波数の制御パターンの一例を表す図である。図において、横軸は電圧検出部7が検出する供給電圧、縦軸はキャリア周波数を表す。図より、低電圧領域ではキャリア周波数を小さくし、電圧が大きくなるに従ってキャリア周波数を大きく設定している。この例の場合、電圧に応じて3種類のキャリア周波数を切り替えた例を示している。
従って、比較的高電圧な領域ではDuty比が小さくなるために電流の落ち込みが大きくなるが、キャリア周波数を大きくしているので1周期中の通電OFF時間が短くなり電流の落ち込みも低減でき、電流リップルによる振動、騒音を抑制できる。
電流の落ち込みの低減について図3,図4を用いて説明する。
図3は、120度矩形波通電におけるスイッチングパターンと各相の電流波形を示した図である。図において横軸は電気角である。電気角は回転子4aが2極の場合360度で1回転し、4極の場合は720度で1回転し、6極の場合は1080度で1回転することを表す。縦軸はスイッチ素子切換部10がドライバ部12に出力しているインバータ3の各スイッチ素子駆動用の信号と固定子4bにおける3相巻線のそれぞれに流れる電流波形を示している。記号は上から順に、スイッチ素子3aの駆動信号U、スイッチ素子3bの駆動信号X、スイッチ素子3cの駆動信号V、スイッチ素子3dの駆動信号Y、スイッチ素子3eの駆動信号W、スイッチ素子3fの駆動信号Z、固定子4bにおけるU相の巻線電流Iu、固定子4bにおけるV相の巻線電流Iv、固定子4bにおけるW相の巻線電流Iwである。
図3の動作について概略を説明する。同期回転数設定部6の決定する回転数に従って、120度づつの区間で順次、インバータ3を構成しているスイッチ素子の切換(転流)を行っている。また上アームの駆動信号U、V、WではPWM制御によるデューティ制御を行っている。なお、この図においてはPWMキャリア周波数が3kHzの場合について例示している。
図4はキャリア周波数を図3に対して2倍にした場合の120度矩形波通電におけるスイッチングパターンと各相の電流波形を示した図である。図4における記号、動作については図3と同一であるため、説明は省略する。
図3と図4の巻線電流Iu、Iv、Iwを比較しても明確なように、キャリア周波数を2倍にすることにより通電OFFによるの電流の落ち込みを小さくすることができ、PWMキャリアのON/OFFに伴う電流リップルを大幅に低減できるのが分かる。
この電流リップルの低減は、duty比の小さい領域、即ちインバータ3への供給電圧の大きい領域ほど有効に作用する。逆に、供給電圧が小さい領域では、PWM制御により平均電圧を大きくする必要があるため、duty比を大きくしてキャリアのON時間に対してOFF時間が短かくなり、必然的に電流リップルも抑制することができる。
図10に示すような従来の駆動装置では、キャリア周波数切替部を有していないため、電圧が大きくなっても、キャリア周波数が切り替えられない。また、電圧が変化した時、モータ4に与えられる電力が増加し、電流波形が乱れ、所望の電流波形となるようにDuty比制御部8がDuty比を小さくする必要がある。もし、本実施の形態においてブラシレスDCモータ4の相対位置を検出する手段を備えている場合は、Duty比を調整して適正な電流波形を実現できる。しかし、モータ4は一般的に慣性力(モータの回転速度を保持するように働く力)を有するために、電圧が上昇してから相対位置の異常を検出するまでに時間がかかる。そこで、Duty比制御部8が調整するDuty比に応じてキャリア周波数を切り替えるのではなく、電圧検出部7が検出した供給電圧に応じてキャリア周波数を切り替える方法にすると、Duty比が小さくなる前にキャリア周波数を切り替えることが可能となり、リップル電流が大きくなる前にキャリア周波数を切り替えることが可能となる。その結果、Duty比の変化によりモータ4に出力される波形の状態を検出する手段よりも供給電圧の変化によりモータ4に出力される波形の状態を検出する手段の方が騒音・振動の低減効果は大きなものとなる。
図5は本実施の形態を表すキャリア周波数の制御パターンの一例を表すタイミングチャートである。図において、横軸は時間を表す。縦軸は上から順に、PWMキャリア周波数切替部9が切り替えるキャリア周波数、インバータ3への供給電圧(直流電圧)、そして、電圧制御部13が電圧調整回路2gに出力される電圧調整信号である。なお、図中の電圧調整信号内に描かれている1から3の数字は電圧調整信号の内容を示しており、電圧調整回路2gは、その数字が大きいほど大きな電圧をインバータ3に供給することを示している。図より、電圧制御部13が、比較的低電圧になるような電圧調整信号を出力している時にはキャリア周波数を小さくし、より高電圧になるような電圧調整信号を出力している時ほどキャリア周波数を大きく設定している。この例の場合、電圧調整信号に応じて3種類のキャリア周波数を切り替えた例を示している。
従って、比較的高電圧な領域でキャリア周波数を大きくしているので、1周期中の通電OFF時間が短くなり電流の落ち込みも低減でき、電流リップルによる振動、騒音を低減できる。電流の落ち込みの低減について図3,図4を用いて既に説明しているので、ここでは説明を省略する。
図10に示すような従来の駆動装置では、キャリア周波数切替部を有していないため、キャリア周波数が切り替えられない。また、電圧制御部13によって電圧を変化させた時、平滑用の電解コンデンサ2e、2fにより時定数遅れが発生し、電圧制御部13がより大きな電圧をインバータ3に供給するための電圧調整信号を出力してから、電圧検出部7が検出した電圧の値が実際に上昇するまでに時間がかかる。一般的に電圧検出部7には、ノイズ低減用のコンデンサが含まれるので更に遅れが発生することも推測される。そこで、電圧検出部7が検出する供給電圧に応じてキャリア周波数を切り替えるのではなく、電圧制御部13が出力した供給電圧調整信号の変化毎にキャリア周波数を切り替える方法にすると、インバータ3に供給される電圧が昇圧される前にキャリア周波数を切り替えることが可能となり、リップル電流増大に対してより速やかにキャリア周波数を切り替えることができる。その結果、供給電圧の変化によりモータ4に出力される波形の状態を検出する手段よりも電圧調整信号の変化によりモータ4に出力される波形の状態を検出する手段の方が騒音・振動の低減効果は大きなものとなる。
図6は本実施の形態を表すキャリア周波数の制御パターンの一例を表す図である。図において、横軸はDuty比制御部8が調整するDuty比、縦軸はキャリア周波数を表す。図より、小さなDuty比の領域ではキャリア周波数を大きくし、Duty比が大きくなるに従ってキャリア周波数を小さく設定している。この例の場合、Duty比に応じて3種類のキャリア周波数を切り替えた例を示している。
従って、比較的低いDuty比の領域でキャリア周波数を大きくしているので、1周期中の通電OFF時間が短くなり電流の落ち込みも低減でき、電流リップルによる振動、騒音を低減できる。電流の落ち込みの低減について図3,図4を用いて既に説明しているので、ここでは説明を省略する。
図10に示すような従来の駆動装置では、負荷状態が変化した際に負荷状態判定回路108は備えているもののキャリア周波数切替部を有していないため、キャリア周波数が切り替えられない。また、負荷トルクが小さくなった場合には、電圧検出部7が検出する供給電圧においても、電圧制御部13から出力される電圧調整信号においても、変化点が存在しないので、図2、図5のような駆動方法を用いてもキャリア周波数を切り替えることができない。そこで、Duty比制御部8が調整するDuty比に応じてキャリア周波数を切り替える方法にすると、負荷トルクが小さくなりDuty比制御部8が調整するDuty比が小さくなった場合にキャリア周波数を切り替えることが可能となり、リップル電流増大に対して速やかにキャリア周波数を切り替えることができる。その結果、モータ4に出力される波形の状態を検出するための他の手段よりもDuty比の変化によりモータ4に出力される波形の状態を検出する手段の方が騒音・振動の低減効果は大きなものとなる。
図7は本実施の形態を表すキャリア周波数の制御パターンの一例を表す図である。図において、横軸は同期回転数設定部6が決定するロータ回転数、縦軸はキャリア周波数を表す。この例の場合、回転数に応じて3種類のキャリア周波数を切り替えた例を示している。ここで、低い回転数の領域ではキャリア周波数を小さくし、中程度の回転数ではキャリア周波数を最も大きくし、回転数が高い時にはキャリア周波数を比較的小さく設定している場合を示している。
図7についてもう少し詳細に説明する。本実施の形態において、電圧制御部13を備えている場合、回転数が低くなるにつれて電圧調整回路2gによってインバータ3に入力される直流電圧を低くしていき、Duty比の低下を抑えることができる。この場合、図3、図4の説明の中でも述べたように必然的に電流リップルも抑制することができ、キャリア周波数を切り替えることの効果は小さくなる。しかし、電圧調整回路2gが倍電圧整流/全波整流の切替方式回路であった場合、直流電圧を2段階にしか変化させられないために、常にDuty比が高くなるように直流電圧を調整することは不可能となる。そのため、中程度の回転数領域が最もDutyの低い領域となり、電流リップルの振動、騒音の影響を受けやすくなる領域と言える。そこで、この領域のキャリア周波数を最も大きくなるように切り替えている。高回転領域においては、電流が大きくなるため、スイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fの温度は上昇する。また、キャリア周波数を大きくすることも温度上昇につながるので、比較的小さなキャリア周波数に切り替えている。高回転領域では、PWM制御により平均電圧を大きくする必要があるため、duty比を大きくしてキャリアのON時間に対してOFF時間が短かくなり、必然的に電流リップルも抑制することができるので、比較的小さなキャリア周波数でも問題ない。
従って、中程度の回転数領域でキャリア周波数を大きくしているので、1周期中の通電OFF時間が短くなり電流の落ち込みも低減でき、電流リップルによる振動、騒音を低減できる。電流の落ち込みの低減について図3,図4を用いて既に説明しているので、ここでは説明を省略する。
図10に示すような従来の駆動装置では、回転数が変化した際にキャリア周波数切替部を有していないため、キャリア周波数が切り替えられない。また、同期回転数設定部6が決定する回転数が高回転から中程度の回転数に変化した場合には、電圧検出部7が検出する供給電圧においても、電圧制御部13から出力される電圧調整信号においても、変化点が存在しないので、図2、図5のような駆動方法を用いてもキャリア周波数を切り替えることができない。また、120度矩形波通電で運転中にDuty比は一定に保持しながら高回転を実現する場合、通電する期間を電気角120度より長い期間通電することにより高回転を実現する場合がある。この場合、モータに流す電流は増えるため温度上昇につながるが、Duty比は変化しないため、図6で説明したような駆動方法を用いてもキャリア周波数を切り替えることができない。そこで、同期回転数設定部6が決定する回転数に応じてキャリア周波数を切り替える方法にすると、ブラシレスDCモータ4に出力される波形の状態を検出することなくキャリア周波数を切り替えることが可能となり、リップル電流増大に対して速やかにキャリア周波数を切り替えることができる。その結果、モータ4に出力される波形の状態を検出してキャリア周波数を切り替える手段よりも、回転数の変化によりキャリア周波数を切り替える手段の方が騒音・振動の低減効果は大きなものとなる。
次に、ブラシレスDCモータ4の構造について説明を行う。図8は、本発明の実施の形態1によるブラシレスDCモータの回転子の構造図である。回転子コア20は、0.35mmから0.5mm程度の薄い珪素鋼板を打ち抜いたものを、積み重ねたものである。4枚のマグネット21a、21b、21c、21dは、駆動軸22に対して逆円弧状に回転子コア20に埋め込まれている。このマグネットは通常フェライト系がよく用いられるが、ネオジなどの希土類の磁石が使われる場合は平板構造のものが使われることもある。
図8に示したような構造の回転子において、回転子中央からマグネットの中央に向かう軸をd軸、回転子中央からマグネットの間に向かう軸をq軸とすると、それぞれの軸方向のインダクタンスLd、Lqは逆突極性を有し、異なるものとなる。
電機子巻線に流れる電流の作る磁束と、永久磁石の発する磁束の作用によって発生するフレミングの左手の法則に従うトルク(マグネットトルク)の他に、電機子巻線に流れる電流の作る磁束と、埋め込むことによって磁石の埋め込まれた部分と埋め込まれていない部分の鉄部の形状が変化すること(逆突極性)により回転子表面の鉄部が引きつけ合う力(リラクタンストルク)が作用し、磁石表面配置形回転子と比べてトルクリップルが増大するので、本実施例の制御を用いて、低負荷、高電圧領域においてトルクリップルに伴う回転子軸共振を大幅に低減することができ、騒音も抑制することができる。
以上の様に本実施の形態1のブラシレスDCモータの駆動方法は、永久磁石を有する回転子4aと三相巻線を有する固定子4bからなるブラシレスDCモータ4と、前記三相巻線に接続される複数個の駆動用スイッチング素子3a〜3fにより電力を供給するインバータ3と、前記スイッチング素子群3a〜3fの切り換え周波数を生成するキャリア周波数生成部9と、前記キャリア周波数生成部9によって決定されるキャリア周期内におけるオン時間の割合であるDuty比を調整するDuty比制御部8と、回転数指令回路5からの指示のもとに回転数を決定する回転数設定部6と、前記スイッチング素子群3a〜3fを順次切り換えるスイッチ素子切換部10とを備え、前記インバータ3から出力される波形の状態によってキャリア周波数を2種類以上切り替えることを可能にしたものであるので、入力電圧(商用電源の電圧)やインバータへの供給電圧(直流電圧)、負荷状態(Duty比)に応じてキャリア周波数を切り替えることで騒音や振動を抑えることが出来る。
インバータの出力波形の状態によってキャリア周波数を切り替える手段を有するので、小さなDuty比でモータを駆動中に発生する電流リップルを低減でき、騒音や振動の抑制効果としては本実施例によるものが良くなる。
インバータ3に供給される電源電圧を検出する電圧検出部7と、前記電圧検出部7によって検出された電圧に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部9とを有することにより、瞬時電圧低下・停電や急峻な電源電圧の上昇が生じたり、異なる商用電源電圧環境下での使用などインバータへの供給電圧が変化した場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。
インバータへの供給電圧によってキャリア周波数を切り替える手段を有するので、入力電圧が変動した場合に電流リップルを低減でき、騒音や振動の抑制効果としては本実施例によるものが良くなる。
インバータ3に供給される電源電圧を調整する電圧調整部2gと、前記電圧調整部2gに出力される電圧調整信号を制御する電圧制御部13と、電圧調整信号に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部9とを有することにより、モータの回転数などに応じて最適な電源電圧をインバータに供給できるとともに、電源電圧の変化による騒音や振動の発生を速やかに低減することが出来る。また、電圧調整信号の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、インバータへの供給電圧の変化により切り替える手段よりも、より速やかに騒音や振動を抑制できるという効果もある。
インバータへの供給電圧を制御するための信号によってキャリア周波数を切り替える手段を有するので、インバータへの電圧を変化させる際に発生する電流リップルの低減を行うことができる本実施例によるものの方が、騒音や振動の抑制効果としては良くなる。
Duty比を調整するDuty比制御部8と、Duty比制御部によって調整されたDuty比に応じてキャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部9とを有することにより、負荷状態が変化した場合に発生する騒音や振動を速やかに低減することが出来る。また、Duty比の変化によりキャリア周波数を切り替えるため、負荷変動が生じた場合のような、入力電圧(商用電源の電圧)やインバータの供給電圧(直流電圧)、電圧調整信号に変化が生じないような場合も、騒音や振動を低減できるという効果もある。
負荷変動を検知してインバータに出力する信号への変換手段を切り替えるのではなく、負荷変動に応じて調整されたDuty比によってキャリア周波数を切り替える手段を有するので、負荷が低下した時などに発生する電流リップルを低減でき、騒音や振動の抑制効果としては本実施例によるものが良くなる。
また、ブラシレスDCモータ4が、回転子4aの鉄心に永久磁石21a〜21dを埋め込んでなる回転子4aであり、かつ突極性を有する回転子4aを有したものであり、永久磁石のマグネットトルクの他に突極性によるリラクタンストルクが作用し、磁石表面配置形回転子と比べてトルクリップルが増大するので、騒音や振動が発生しやすい特性を有しているため、さらに効果が現れることになる。
そして、ブラシレスDCモータ4は圧縮機を駆動するものであり、圧縮機において低騒音を実現できる極めて重要な用途のひとつである。特に、圧縮機を用いた製品の一つである冷蔵庫においては、様々な国々で利用されており、言い換えれば様々な入力電圧の環境下で使用されるということになる。インバータへ供給される電圧によってキャリア周波数を切り替えるので、電流リップルが大きくなりやすい入力電圧が高い環境下において、本実施例によるものがさらに効果を発揮することになる。
(実施の形態2)
次に本発明による実施の形態2について図9を用いて説明する。図9は本発明の実施の形態2によるブラシレスDCモータの駆動装置のブロック図である。
図9において、図1で説明したものと同一構成のものは、同一番号を付与して詳しい説明は省略する。
逆記電圧検出回路30は、ブラシレスDCモータ4の永久磁石を有する回転子4aが回転することにより発生する逆起電圧から、回転子4aの回転相対位置を検出する。なお、ここでは電圧検出回路としたが、回転子4aの位置を検出する手段であれば、電流検出などの他の検出手段に置き換えても良い。
ロータ位置検出部31は、逆起電圧検出回路30の出力信号によりロジカルな信号変換を行い、インバータ3のスイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを順次切り換えるタイミングを決定する。このロータ位置検出部31は、ブラシレスDCモータ4を回転子4aの回転相対位置に合わせるように変換されたロジカルな信号を発生させることが可能である。
負荷状態判定部32は、ブラシレスDCモータ4の負荷状態を判定し、インバータ3のスイッチング素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを順次切り換える時機(タイミング)を、同期回転数設定部6に基づいたものにするか、ロータ位置検出部31に基づいたものにするかを決定する。
切替時機選択部33は、インバータ3のスイッチング素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを順次切り換えていくタイミングに関して、同期回転数設定部6で決められた回転数に合わせるか、ロータ位置検出部31で検出された回転相対位置に合わせるかを、負荷状態判定部32の決定に基づいて選択する。
スイッチ素子切換部34は、切換時機選択部33によって選択されたロジカルな信号パタンをもとに、インバータ3のスイッチ素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを駆動するための信号を出力する。
以上のように構成されたブラシレスDCモータの駆動装置について、次にその動作について説明する。
負荷状態判定部32はブラシレスDCモータ4の負荷状態を判定し、高負荷状態のもとで高回転運転する必要がある場合、位置検出部31から得られる位置情報をもとにインバータ3のスイッチング素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを順次切り換えていては高回転運転を実現できないと判断し、同期回転数設定部6で決められた回転数に応じて回転子4aを同期運転させるよう切換時機選択部33に伝える。この時、強制的に所定周波数で信号パタンを発生させることが可能となり、モータ4は同期モータとして動作する。逆に、比較的低い負荷状態のもとでは、位置情報をもとに順次切り換えてもある程度の回転数は実現し得ると判断し、位置検出部31の位置情報に応じてスイッチング素子3a、3b、3c、3d、3e、3fを順次切り換えていくよう切換時機選択部33に伝達する。この動作は、効率よりも高パワーが必要な高回転運転時と、効率重視の低回転運転時とでスイッチング素子を切り換えるタイミングを変更している、というふうに言い換えることもできる。
さらに、実施の形態1で説明したような、モータ4に出力される波形の状態や、同期回転数設定部6で決められた回転数に応じてキャリア周波数を切り替えることができるキャリア周波数切替部9を備えているため、Duty比の低下に伴う電流リップルの増加を抑制することが可能であり、より高効率な運転が実現できる。
この動作を冷蔵庫に置き換えて考えてみるとその効果はより具体的なる。冷蔵庫においては、初めて運転をおこなうときなどは、常温から氷点下数十℃程度まで一気に冷却する必要があるため、効率よりもパワーが必要である。しかし、一旦庫内が冷却された後は(ドア開閉の少ない夜間は特に)、庫内はなかなか昇温しないため比較的低い負荷であり、冷却能力もあまり必要とされないので低回転運転でも充分である。通常の運転状態の大半はこの様な低回転運転で間に合う低負荷状態にあるから、低負荷状態での運転効率が消費電力量に及ぼす影響は大きく、効率重視の運転が必要となる。この様に本実施の形態は、冷蔵庫などの圧縮機を駆動する装置としても非常に効果がある。
以上の様に本実施の形態2のブラシレスDCモータの駆動装置は、回転子4aの位置を検出するロータ位置検出部31と、ブラシレスDCモータ4の負荷の状態を判定する負荷状態判定部32と、三相巻線4bに接続される複数個のスイッチング素子を順次切り換えていく時機を前記回転子位置検出部31で検出された位置情報をもとに決定するか、あるいは同期回転数設定部6で決定された回転数をもとに決定するかを前記負荷状態判定部32の指示により選択する切換時機選択部33とを備えることにより、効率重視の運転手段と高パワー重視の運転手段とを選択することが可能であり、キャリア周波数切替部9を併せ持つことで電流リプルの低減が可能となるため、高効率性においてはより大きな効果を発揮することが出来る。
負荷状態の変化に応じて、インバータに出力する信号パタンを切り替えることで、負荷の低い状態ではより効率の良い信号パタンを選択することができるだけでなく、負荷状態の変化に応じて調整されたDuty比をもとにキャリア周波数を切り替える手段を有するので、小さなDuty比で運転中に発生する電流リップルの低減を行うことができる本実施例によるものの方が、高効率化に対する効果としては良くなる。
以上のように、本発明は、入力電圧(商用電源の電圧)やインバータへの供給電圧(直流電圧)、負荷状態(Duty比)に応じてキャリア周波数を切り替えることで騒音や振動を抑えることができるので、ブラシレスDCモータの駆動方法及び駆動装置として幅広く利用でき、ブラシレスDCモータの採用製品の省エネルギー化と低騒音,低振動化を図る上で有効に適用できる。
本発明の実施の形態1によるブラシレスDCモータの駆動装置のブロック図 本発明の実施の形態1における横軸に供給電圧をとった場合のキャリア周波数の制御パターンの一例を表す図 本発明の実施の形態1における120度矩形波通電におけるキャリア周波数3kHzスイッチングパターンと各相の電流波形を示した図 本発明の実施の形態1における120度矩形波通電におけるキャリア周波数6kHzのスイッチングパターンと各相の電流波形を示した図 本発明の実施の形態1におけるキャリア周波数の制御パターンの一例を表すタイミングチャート 本発明の実施の形態1における横軸にDuty比をとった場合のキャリア周波数の制御パターンの一例を表す図 本発明の実施の形態1における横軸にロータ回転数をとった場合のキャリア周波数の制御パターンの一例を表す図 本発明の実施の形態1によるブラシレスDCモータの回転子の構造図 本発明の実施の形態2によるブラシレスDCモータの駆動装置のブロック図 従来のブラシレスDCモータの駆動装置のブロック図
符号の説明
1 商用電源
2 整流回路
3 インバータ
3a〜3f スイッチング素子
4 ブラシレスDCモータ
6 同期回転数設定部
8 Duty比制御部
9 キャリア周波数生成部
10 スイッチング素子切換部

Claims (8)

  1. 永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に接続される複数個の駆動用スイッチング素子により電力を供給するインバータと、前記スイッチング素子群の切り換え周波数を生成するキャリア周波数生成部と、前記ブラシレスDCモータを同期モータとして動作させるための回転数を決める同期回転数設定部と、前記スイッチング素子群を順次切り換えるスイッチング素子切換部とを備え、前記インバータから出力される電流波形の状態によって前記キャリア周波数を2種類以上切り替えることが可能であり、低電圧領域では前記キャリア周波数を小さくし、電圧が大きくなるに従って前記キャリア周波数を大きく設定するブラシレスDCモータの駆動方法。
  2. 永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に接続される複数個の駆動用スイッチング素子により電力を供給するインバータと、前記スイッチング素子群の切り換え周波数を生成するキャリア周波数生成部と、前記ブラシレスDCモータを同期モータとして動作させるための回転数を決める同期回転数設定部と、前記スイッチング素子群を順次切り換えるスイッチング素子切換部と、前記インバータに供給される電源電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部によって検出された電圧に応じて前記キャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有し、低電圧領域では前記キャリア周波数を小さくし、電圧が大きくなるに従って前記キャリア周波数を大きく設定するブラシレスDCモータの駆動装置。
  3. 永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に接続される複数個の駆動用スイッチング素子により電力を供給するインバータと、前記スイッチング素子群の切り換え周波数を生成するキャリア周波数生成部と、前記ブラシレスDCモータを同期モータとして動作させるための回転数を決める同期回転数設定部と、前記スイッチング素子群を順次切り換えるスイッチング素子切換部と、前記インバータに供給される電源電圧を調整する電圧調整部と、前記電圧調整部に出力される電圧調整信号を制御する電圧制御部と、前記電圧調整部に出力される電圧調整信号に応じて前記キャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有し、低電圧領域では前記キャリア周波数を小さくし、電圧が大きくなるに従って前記キャリア周波数を大きく設定するブラシレスDCモータの駆動装置。
  4. 永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に接続される複数個の駆動用スイッチング素子により電力を供給するインバータと、前記スイッチング素子群の切り換え周波数を生成するキャリア周波数生成部と、前記キャリア周波数生成部によって決定されるキャリア周期内におけるオン時間の割合であるDuty比を調整するDuty比制御部と、前記ブラシレスDCモータを同期モータとして動作させるための回転数を決める同期回転数設定部と、前記スイッチング素子群を順次切り換えるスイッチング素子切換部と、前記Duty比制御部によって調整されたDuty比に応じて前記キャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有し、小さなDuty比の領域ではキャリア周波数を大きくし、Duty比が大きくなるに従ってキャリア周波数を小さく設定するブラシレスDCモータの駆動装置。
  5. 永久磁石を有する回転子と三相巻線を有する固定子からなるブラシレスDCモータと、前記三相巻線に接続される複数個の駆動用スイッチング素子により電力を供給するインバータと、前記スイッチング素子群の切り換え周波数を生成するキャリア周波数生成部と、前記ブラシレスDCモータを同期モータとして動作させるための回転数を決める同期回転数設定部と、前記スイッチング素子群を順次切り換えるスイッチング素子切換部と、前記同期回転数設定部で決定される回転数に応じて前記キャリア周波数を切り替えるキャリア周波数切替部とを有し、低い回転数の領域ではキャリア周波数を小さくし、中程度の回転数ではキャリア周波数を最も大きくし、回転数が高い時のキャリア周波数は、低い回転数でのキャリア周波数と中程度の回転数でのキャリア周波数との間になるように設定するブラシレスDCモータの駆動装置。
  6. 回転子の位置を検出する回転子位置検出部と、ブラシレスDCモータの負荷の状態を判定する負荷状態判定部と、三相巻線に接続される複数個のスイッチング素子を順次切り換えていく時機を前記回転子位置検出部で検出された位置情報をもとに決定するか、あるいは同期回転数設定部で決定された回転数をもとに決定するかを前記負荷状態判定部により選択する切換時機選択部とを有した請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のブラシレスDCモータの駆動装置。
  7. ブラシレスDCモータが、回転子の鉄心に永久磁石を埋め込んでなる回転子であり、かつ突極性を有する回転子を有した請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のブラシレスDCモータの駆動装置。
  8. ブラシレスDCモータが圧縮機を駆動するものである請求項2から請求項7のいずれか1項に記載のブラシレスDCモータの駆動装置。
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