JP4352633B2 - 電磁リレー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁リレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、固定接点を有する固定接点板と、固定接点に接離自在に接触する可動接点が設けられた弾性を有する可動ばね板と、電磁石ブロックと、電磁石ブロックの励磁/非励磁に応じて可動ばね板を固定接点板側に押圧して可動接点と固定接点とを接触させる押圧部材とを備えた電磁リレーが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような電磁リレーでは、接点に付着した汚れなどによって電気的接続の信頼性が低下するという問題があり、電気的接続の信頼性を確保するために、可動接点板の板厚を厚くして、可動接点と固定接点との接圧を大きくしていた。
【0004】
しかしながら、可動接点板の板厚を厚くすると、より大きな吸引力が必要になるから、電磁石ブロックが大型化し、その結果電磁リレー全体が大型化してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、全体が大型化することなく、電気的接続の信頼性を向上させた電磁リレーを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、第1の固定接点が設けられた固定接点板と、第1の固定接点に対向して配置された第2の固定接点と、第1の固定接点と対向する面に第1の固定接点に接離自在に接触する第1の可動接点が設けられ、第2の固定接点と対向する面に第2の固定接点に接離自在に接触する第2の可動接点が設けられた弾性を有する可動ばね板と、コイルを具備した電磁石ブロックと、コイルへの励磁/非励磁に応じて電磁石ブロックに吸引又は離反される接極子と、接極子の動作に応じて駆動され、コイルへの励磁時に第1の可動接点が第1の固定接点に接触する向きに可動ばね板を押圧するとともに、コイルへの非励磁時に可動ばね板から離れる向きに移動して第2の可動接点を第2の固定接点に接触させる押圧部材とを備え、可動ばね板における第1の可動接点の両側部とそれぞれ対向する押圧部材の部位に、可動ばね板側に突出して先端が可動ばね板と当接する押圧突起を複数設け、各押圧突起の長さ寸法を互いに異ならせ、且つ、第1の可動接点の表面を平面形状に形成するとともに、第1の固定接点の表面を曲面形状に形成し、第1の固定接点の中心位置が、固定接点板の中央部に対して、長さの短い押圧突起の側にずれるように、第1の可動接点の中心位置と第1の固定接点の中心位置とを横方向にずらして配置したことを特徴としている。このように各押圧突起の長さ寸法を互いに異ならせているので、押圧部材により可動ばね板が押圧されると、可動ばね板、すなわち第1の可動接点が傾いた状態で移動する。したがって、第1の可動接点が第1の固定接点に接触する際に先ず第1の可動接点の一部が接触した後、それ以外の部分が接触するから、第1の可動接点が横方向に移動する動き(この動きをワイピングと言う。)が発生し、その結果接点の表面に付着した汚れなどを除去して電気的接続の信頼性を向上させることができる。さらに、第1の可動接点が第1の固定接点に接触する際は、先ず長さ寸法の長い押圧突起によって押圧される部位が第1の固定接点に接触した後、他の押圧突起によって押圧される部位が遅れて接触するため、他の押圧突起によって第1の可動接点を押圧していることにより接点バウンスを抑制することができる。
【0007】
さらに、非励磁時にも可動ばね板、すなわち第2の可動接点が傾いた状態で移動し、第2の可動接点が第2の固定接点に接触する際には、先ず第2の可動接点の一部が接触した後、それ以外の部分が接触するから、第2の可動接点が横方向に移動する動き(ワイピング)が発生し、その結果接点の表面に付着した汚れなどを除去して電気的接続の信頼性を向上させることができる。そのうえ、第1の可動接点が第1の固定接点に接触する際に、第1の固定接点の表面に形成された曲面形状に沿って第1の可動接点が摺動するから、ワイピング効果をさらに高めることができる。
【0008】
しかも、第1の可動接点の中心位置と第1の固定接点の中心位置とをずらして配置しているから、第1の可動接点が第1の固定接点に接触する際に、第1の可動接点が横方向へ移動する距離が長くなり、ワイピング効果をさらに高めることができる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、外部接続用の端子が設けられ、可動ばね板にかしめ固定される端子板を備え、当該端子板に位置決め用の貫通孔を設けるとともに、貫通孔に連通する連通孔を可動ばね板に貫設したことを特徴とし、請求項1の発明の作用に加え、端子板に設けた貫通孔と可動ばね板に設けた連通孔とに治具のピンを挿入することによって、端子板と可動ばね板との位置合わせを行うことができ、端子板と可動ばね板との結合作業を容易に行える。また、端子板と可動ばね板とをそれぞれフープ材の状態でかしめ固定する場合でも、位置決め用の貫通孔及び連通孔を部品内に形成しているので、フープ材の端まで部品をとることができ、材料が無駄になる部分を小さくできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
(基本構成)
本発明に係る電磁リレーの基本構成を図1乃至図12を参照して説明する。この電磁リレーは、樹脂製のベース11およびカバー12からなる器体1と、NC接点(常閉接点)側の固定接点ブロック2と、NO接点(常開接点)側の固定接点ブロック3と、これら固定接点ブロック2,3の間に介設される可動接点ブロック4と、電磁石ブロック6と、接極子ブロック7と、カード(押圧部材)8とを備える。尚、以下の説明では、とくにことわりがなければ、図3(a)の向きにおいて上下の方向を規定し、さらに図3(b)の上下方向を左右の方向とし、同図中の右側を前方、左側を後方として説明を行う。
【0014】
ベース11は下面が略長方形状に形成され、長手方向における中央部には後面側が開放された箱状の収納部13が設けられている。また、ベース11の前端部には横方向に沿って走る隔壁14,14が立設され、これらの隔壁14によって3つの収納区画15が形成され、各収納区画15に固定接点ブロック2,3及び可動接点ブロック4が収納される。
【0015】
カバー12は下面が開口した箱状であって、ベース11の上面を覆うようにしてベース11に被着される。
【0016】
NC接点側の固定接点ブロック2は、金属材料により短冊状に形成された固定接点板21と、固定接点板21の上部前面に設けられた固定接点(第2の固定接点)22と、固定接点板21の下側縁から連続一体に延設された略U字状の連結部23と、連結部23の両側片の先端から下方に突出する端子ピン24,24とで構成される。同様に、NO接点側の固定接点ブロック3は、金属材料により短冊状に形成された固定接点板31と、固定接点板31の上部後面に設けられた固定接点(第1の固定接点)32と、固定接点板31の下部両側縁からそれぞれ連続一体に延設された一対の端子ピン33とで構成される。そして、これら固定接点ブロック2,3は、それぞれの固定接点22,32が対面するようにしてベース11に組み込まれ、器体1内に収納される。また、各固定接点ブロック2,3の端子ピン24,25は収納区画15の底面に形成された貫通孔(図示せず)に挿入され、ベース11下面から下方に突出する。
【0017】
可動接点ブロック4は端子板40と可動ばね板50とで構成される。端子板40は図9(a)(b)に示すように金属材料により横長に形成され、下側縁の両側部には略L字状の一対の端子ピン41が一体に突設されている。また、端子板40の一面には、端子板40を反対側から打ち出すことによって一対のかしめ突起42,42が左右に並べて突設されており、かしめ突起42の上側には位置決め用の貫通孔43が穿設されている。一方、可動ばね板50は図8(a)(b)に示すように弾性を有する金属材料により形成され、可動ばね板50の上部略中央には丸孔50aが設けられ、この丸孔50aに両面から第2の可動接点51aと第1の可動接点51bとがかしめ固定される。可動接点51a,51bの左右両側には後述するカード8の突起83,83と係合する係合孔52,52が形成され、可動接点51a,51bと係合孔52との間の部位には切欠溝53が形成されている。また、可動ばね板50の下端部には、端子板40に設けたかしめ突起42,42がそれぞれ挿通される一対の挿通孔54,54と、端子板40の貫通孔43に連通する位置決め用の連通孔55とが穿設されている。また、可動ばね板50の上下方向における略中央には開口56が形成されており、可動ばね板50の上端部が曲がり易くなっている。
【0018】
ここで、端子板40と可動ばね板50とを結合する際は、位置決め用の貫通孔43と連通孔55とに図示しないパイロットピンを通して端子板40と可動ばね板50との位置を合わせ、端子板40に設けたかしめ突起42を可動ばね板50の挿通孔54に挿通して、かしめ突起42の先端を押し潰すことにより、端子板40と可動ばね板50とが結合される。このように、端子板40と可動ばね板50とを位置決めするための位置決め用の貫通孔43及び連通孔55がそれぞれ部品内に設けられているので、端子板40と可動ばね板50とをフープ材の状態でかしめ固定する場合にも、フープ材の端まで部品をとることができ、材料が無駄になる部分をできるだけ小さくできる。
【0019】
この可動接点ブロック4は、可動接点51a,51bがそれぞれ上述した固定接点22,32に接離自在に対向するようにベース11に組み込まれ、器体1内に収納される。この時、可動接点ブロック4の端子ピン41は収納区画15の底面に形成された貫通孔(図示せず)に挿入され、ベース11下面から下方に突出する。
【0020】
また電磁石ブロック6は、図7(a)(b)に示すように、継鉄61、鉄芯62、コイルボビン63、このコイルボビン63に巻回されるコイル64により一体に構成され、ベース11に設けた収納部13内に組み込まれ、器体1内に収納される。
【0021】
継鉄61はL字状に形成され、コイル64の前面及び下面を覆うようにして配置される。そして、コイル64の前面を覆う継鉄61の側片には鉄芯62がかしめ固定される丸孔61aが形成されている。
【0022】
鉄芯62は、継鉄61の丸孔61aよりも大きな断面を有する柱状であって、外側に突出する鍔部62bが後側の端部に設けられるとともに、丸孔61aよりも若干小さい円柱状の突部62aが左側の端部に設けられている。
【0023】
コイルボビン63は絶縁性を有する合成樹脂により筒状に形成され、両端部に鍔部63a,63bが設けられており、鍔部63a,63bの間の部位にコイル64が巻回される。また、後側の鍔部63aには下方に突出する一対の脚片63c,63cが左右両側部に形成され、各脚片63cに設けた溝63d内にコイル端子65が圧入される。そして、各コイル端子65にコイル64の両端部が電気的に接続される。
【0024】
而して、電磁石ブロック6を組み立てる際は、コイルボビン63の鍔部63a,63b間にコイル64を巻回して、コイル64の両端部をコイルボビン63に取り付けられたコイル端子65に結線した後、コイルボビン63の筒内に鍔部63a側から鉄芯62を挿入して、鍔部63bから突出する鉄芯62の突部62aを継鉄61の丸孔61a内に圧入することにより、継鉄61と鉄芯62とをコイルボビン63に固定する。
【0025】
また、接極子ブロック7は接極子71とヒンジばね72とで構成される。接極子71は磁性材料により短冊状に形成されており、一方の面には一対のかしめ突起73,73が上下方向に並べて設けられている。ヒンジばね72は弾性材料により形成され、継鉄61の下面に固定される矩形板状の固定片72aと、固定片72aにヒンジ部72b,72bを介して連結されるかしめ片72cとで断面略L字状に形成される。かしめ片72cには接極子71に設けたかしめ突起73がそれぞれ挿入される一対の挿通孔72dが形成されており、これらの挿通孔72dに接極子71のかしめ突起73をそれぞれ挿通して、かしめ突起73の先端を押し潰すことにより、接極子71とヒンジばね72とが結合される。また固定片72aには係止片72eが切り起こしによって形成されており、図4に示すように係止片72eと継鉄61に設けた凹所61bとが係止することによって、ヒンジばね72の抜け止めが行われ、接極子71の下端部がヒンジばね72を介して継鉄61の先端面に回動自在に支持される。
【0026】
カード8は絶縁性を有する合成樹脂により四角枠状に形成され、可動接点ブロック4と接極子ブロック7との間に橋架される。カード8の後端部には接極子71の上端部に設けた突起74が挿入される孔81が形成され、前端部の左右両側部には可動ばね板50側に向かって突出する押圧部82,82が突設されている。そして、各押圧部82の先端には可動接点ブロック4の係合孔52内に挿入される軸状の突起83が突設されており、各突起83は先端に行くほど径が細くなっている。
【0027】
このカード8は、後端部に設けた孔81内に接極子71の突起74を挿入するとともに、前端部に設けた突起83,83を可動接点ブロック4の係合孔52,52に係合させることによって、接極子71と可動接点ブロック4との間に橋架される。ここで、図6(c)に示すようにカード8に設けた2つの押圧部82,82の突出量を互いに異ならせており、右側の押圧部82の長さ寸法を左側の押圧部82よりも距離Wだけ長くしているので、カード8を接極子71と可動接点ブロック4との間に橋架した場合、長さ寸法の長い側(右側)の押圧部82に設けた突起83が可動ばね板50の係合孔52と係合して、可動ばね板50を押圧し、長さ寸法の短い側の押圧部82に設けた突起83は可動ばね板50の係合孔52内に隙間を有した状態で挿入される。ここに、押圧部82と突起83とで、可動ばね板50における可動接点51bの両側部とそれぞれ対向するカード8の部位に突設され、先端が可動ばね板50と当接する押圧突起が構成される。
【0028】
また、カード8を接極子71と可動接点ブロック4との間に橋架すると、カード8の中央部に設けた開口84内に収納部13の上端部が挿入され、収納部13の上端部によってカード8がガイドされるので、カード8をスムーズに移動させることができる。
【0029】
次にこの電磁リレーの動作を簡単に説明する。コイル64に通電していない状態では、ヒンジばね72および可動ばね板50のばね復帰力によって、カード8が図4中左方向に移動するとともに、接極子71が鉄芯62の鍔部62bから離れており、可動接点51aがNC側の固定接点22と接触している。
【0030】
コイル64に通電すると(励磁状態)、接極子71が鉄芯62の鍔部62bに吸引されて、図4中時計回りに回動し、接極子71の回動に伴ってカード8が図4中右側に移動する。この時、カード8がヒンジばね72及び可動ばね板50のばね力に抗して、可動ばね板50を図4中右側に押圧し、NC側の固定接点22から可動接点51aを開離させるとともに、可動接点51bをNO側の固定接点32に接触させる。ところで、上述したように左右2つの押圧部82,82の長さ寸法を互いに異ならせており、長さ寸法の長い側の押圧部82に設けた突起83のみが可動ばね板50の係合孔52と係合し、長さ寸法の短い側の押圧部82に設けた突起83は係合孔52内に隙間を有した状態で挿入されているので、カード8によって可動ばね板50の片側のみが押圧されることになり、可動ばね板50は図6(a)中の下側が前方に、上側が後方に傾斜した状態で前進する。したがって、可動接点51bがNO側の固定接点32に接触する際に、先ず可動接点51bの下側が最初に接触し、その後上側が接触するから、接触時に可動ばね板50が横方向にスライドする動き(ワイピング)が発生し、接点の表面に付着した汚れなどが除去されるから、電気的接続の信頼性が向上する。
【0031】
その後、コイル64への通電を停止すると(非励磁状態)、接極子71を吸引する力がなくなり、ヒンジばね72及び可動ばね板50のばね復帰力によって、カード8が図4中左方向に移動するとともに、接極子71が鉄芯62の鍔部62bから離れ、可動接点51bがNO側の固定接点32から開離するとともに、可動接点51aがNC側の固定接点22と接触する。ここで、上述の左右2つの押圧部82,82の長さ寸法を互いに異ならせているので、可動ばね板50は図6(a)中の上側が前方に、下側が後方に傾斜した状態で後退するため、可動接点51bがNC側の固定接点22に接触する際に、先ず可動接点51bの上側が最初に接触し、その後下側が接触するから、接触時に可動ばね板50が横方向にスライドする動き(ワイピング)が発生し、接点の表面に付着した汚れなどが除去され、電気的接続の信頼性が向上する。このように、可動接点51a,51bがそれぞれ固定接点22,32に接触する際にワイピングが発生するから、接点の接圧を高めることなく電気的接続の信頼性を向上でき、電磁リレーが大型化するのを防止できる。
【0032】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図13及び図14を参照して説明する。本実施形態では、基本構成で説明した電磁リレーにおいて、図14に示すように可動接点51bの表面を平面形状に形成するとともに、NO側の固定接点32の表面を曲面形状に形成し、さらに固定接点32の中心位置CL1と、可動接点51bの中心位置CL2とを横方向にずらしている。尚、固定接点32及び可動接点51b以外の構成は基本構成で説明した電磁リレーと同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0033】
上述のように、可動接点51bの表面形状を平面形状、固定接点32の表面形状を曲面形状としているので、可動接点51bが固定接点32に接触する際に、固定接点32の表面に形成された曲面形状に沿って可動接点51bが摺動するから、ワイピング効果をさらに高めることができる。しかも、可動接点51bの中心位置と固定接点32の中心位置とをずらして配置しているので、可動接点51bが固定接点32に接触する際に、可動接点51bが横方向へ移動する距離が長くなり、ワイピング効果をさらに高めることができる。
【0034】
(参考例)
本発明の参考例を図15及び図16を参照して説明する。この電磁リレーでは、基本構成で説明した電磁リレーにおいて、図16に示すように可動接点51bの表面を平面に形成するとともに、NO側の固定接点32の表面を曲面に形成し、さらに固定接点32を可動接点51bに対して傾けた状態(すなわち可動ばね板50に対して傾斜させた状態)で固定接点板31をベース11に取り付けている。尚、固定接点板31及び可動接点51b以外の構成は基本構成で説明した電磁リレーと同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0035】
上述のように、可動接点51bの表面形状を平面形状、固定接点32の表面形状を曲面形状としているので、可動接点51bが固定接点32に接触する際に、固定接点32の表面に形成された曲面形状に沿って可動接点51bが摺動するから、ワイピング効果をさらに高めることができる。しかも、可動ばね板50に対して傾けた状態で固定接点板31をベース11に取り付けているので、固定接点板31が可動ばね板50と略平行に配置された場合に比べて、可動接点51bが固定接点32に接触する際に、可動接点51bが横方向にスライドする距離を長くでき、ワイピングの効果を高めることができる。
【0036】
尚、本電磁リレーでは固定接点板31自体を傾けた状態でベース11に取り付けているが、図17(a)〜(c)に示すように、固定接点板31に、固定接点板31の他の部位に対して傾斜する傾斜片34を連続一体に設け、この傾斜片34に固定接点32を設けても良く、上述と同様、可動接点51bが固定接点32に接触する際に、可動接点51bが横方向にスライドする距離を長くでき、ワイピングの効果を高めることができる。また、固定接点板31の他の部位に対する傾斜片34の傾きを調整することによって、可動接点51bが固定接点32に接触する際のコイル電流を変化させることができ、リレー感度の調整を容易に行える。
【0037】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、第1の固定接点が設けられた固定接点板と、第1の固定接点に対向して配置された第2の固定接点と、第1の固定接点と対向する面に第1の固定接点に接離自在に接触する第1の可動接点が設けられ、第2の固定接点と対向する面に第2の固定接点に接離自在に接触する第2の可動接点が設けられた弾性を有する可動ばね板と、コイルを具備した電磁石ブロックと、コイルへの励磁/非励磁に応じて電磁石ブロックに吸引又は離反される接極子と、接極子の動作に応じて駆動され、コイルへの励磁時に第1の可動接点が第1の固定接点に接触する向きに可動ばね板を押圧するとともに、コイルへの非励磁時に可動ばね板から離れる向きに移動して第2の可動接点を第2の固定接点に接触させる押圧部材とを備え、可動ばね板における第1の可動接点の両側部とそれぞれ対向する押圧部材の部位に、可動ばね板側に突出して先端が可動ばね板と当接する押圧突起を複数設け、各押圧突起の長さ寸法を互いに異ならせ、且つ、第1の可動接点の表面を平面形状に形成するとともに、第1の固定接点の表面を曲面形状に形成し、第1の固定接点の中心位置が、固定接点板の中央部に対して、長さの短い押圧突起の側にずれるように、第1の可動接点の中心位置と第1の固定接点の中心位置とを横方向にずらして配置したことを特徴としている。このように各押圧突起の長さ寸法を互いに異ならせているので、押圧部材により可動ばね板が押圧されると、可動ばね板、すなわち第1の可動接点が傾いた状態で移動する。したがって、第1の可動接点が第1の固定接点に接触する際に先ず第1の可動接点の一部が接触した後、それ以外の部分が接触するから、第1の可動接点が横方向に移動する動き(ワイピング)が発生し、その結果接点の表面に付着した汚れなどを除去して電気的接続の信頼性を向上させることができ、リレーの大型化を招くことなく電気的接続の信頼性が向上するという効果がある。さらに、第1の可動接点が第1の固定接点に接触する際は、先ず長さ寸法の長い押圧突起によって押圧される部位が第1の固定接点に接触した後、他の押圧突起によって押圧される部位が遅れて接触するため、他の押圧突起によって第1の可動接点を押圧していることにより接点バウンスを抑制できるという効果がある。
【0038】
さらに、非励磁時にも可動ばね板、すなわち第2の可動接点が傾いた状態で移動し、第2の可動接点が第2の固定接点に接触する際には、先ず第2の可動接点の一部が接触した後、それ以外の部分が接触するから、第2の可動接点が横方向に移動する動き(ワイピング)が発生し、その結果接点の表面に付着した汚れなどを除去して電気的接続の信頼性を向上させることができ、リレーの大型化を招くことなく電気的接続の信頼性が向上するという効果がある。そのうえ、第1の可動接点が第1の固定接点に接触する際に、第1の固定接点の表面に形成された曲面形状に沿って第1の可動接点が摺動するから、ワイピング効果をさらに高めることができるという効果がある。
【0039】
しかも、第1の可動接点の中心位置と第1の固定接点の中心位置とをずらして配置しているので、第1の可動接点が第1の固定接点に接触する際に、第1の可動接点が横方向へ移動する距離が長くなり、ワイピング効果をさらに高めることができるという効果がある。
【0042】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、外部接続用の端子が設けられ、可動ばね板にかしめ固定される端子板を備え、当該端子板に位置決め用の貫通孔を設けるとともに、貫通孔に連通する連通孔を可動ばね板に貫設したことを特徴とし、請求項1の発明の作用に加え、端子板に設けた貫通孔と可動ばね板に設けた連通孔とに治具のピンを挿入することによって、端子板と可動ばね板との位置合わせを行うことができ、端子板と可動ばね板との結合作業を容易に行えるという効果がある。また、端子板と可動ばね板とをそれぞれフープ材の状態でかしめ固定する場合でも、位置決め用の貫通孔及び連通孔を部品内に形成しているので、フープ材の端まで部品をとることができ、材料が無駄になる部分を小さくできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁リレーの基本構成を示し、カバーを外した状態の外観斜視図である。
【図2】同上の一部省略せる分解斜視図である。
【図3】同上のカバーを外した状態を示し、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【図4】同上の断面図である。
【図5】同上のカードを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面図、(d)は上面図、(e)は下面図である。
【図6】同上のカバーと可動ばね板との係合状態を示し、(a)は上側から見た図、(b)は側方から見た図、(c)は接点部を上側から見た要部拡大図である。
【図7】同上の電磁石ブロックを示し、(a)は分解斜視図、(b)は外観斜視図である。
【図8】同上の可動ばね板を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図9】同上の端子板を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図10】同上の可動接点ブロックを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図11】同上の可動接点ブロックを示し、(a)は組立前の状態を示す分解斜視図、(b)は外観斜視図である。
【図12】同上の接極子ブロックを示し、(a)は組立前の状態を示す分解斜視図、(b)は外観斜視図である。
【図13】実施形態1の電磁リレーのカバーを外した状態を示し、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図14】同上の接点部を上側から見た要部拡大図である。
【図15】参考例の電磁リレーのカバーを外した状態を示し、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図16】同上の接点部を上側から見た要部拡大図である。
【図17】同上の別の電磁リレーの固定接点板を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。
【符号の説明】
6 電磁石ブロック
8 カード
32 固定接点
51b 可動接点
22,32 固定接点
50 可動ばね板
51a,51b 可動接点
82 押圧部
Claims (2)
- 第1の固定接点が設けられた固定接点板と、第1の固定接点に対向して配置された第2の固定接点と、第1の固定接点と対向する面に第1の固定接点に接離自在に接触する第1の可動接点が設けられ、第2の固定接点と対向する面に第2の固定接点に接離自在に接触する第2の可動接点が設けられた弾性を有する可動ばね板と、コイルを具備した電磁石ブロックと、コイルへの励磁/非励磁に応じて電磁石ブロックに吸引又は離反される接極子と、接極子の動作に応じて駆動され、コイルへの励磁時に第1の可動接点が第1の固定接点に接触する向きに可動ばね板を押圧するとともに、コイルへの非励磁時に可動ばね板から離れる向きに移動して第2の可動接点を第2の固定接点に接触させる押圧部材とを備え、可動ばね板における第1の可動接点の両側部とそれぞれ対向する押圧部材の部位に、可動ばね板側に突出して先端が可動ばね板と当接する押圧突起を複数設け、各押圧突起の長さ寸法を互いに異ならせ、且つ、第1の可動接点の表面を平面形状に形成するとともに、第1の固定接点の表面を曲面形状に形成し、第1の固定接点の中心位置が、固定接点板の中央部に対して、長さの短い押圧突起の側にずれるように、第1の可動接点の中心位置と第1の固定接点の中心位置とを横方向にずらして配置したことを特徴とする電磁リレー。
- 外部接続用の端子が設けられ、可動ばね板にかしめ固定される端子板を備え、当該端子板に位置決め用の貫通孔を設けるとともに、前記貫通孔に連通する連通孔を可動ばね板に貫設したことを特徴とする請求項1記載の電磁リレー。
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