JP4350367B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に担持された潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、前記潜像担持体を含むユニットに備えられ、前記潜像担持体の固有情報を記憶する不揮発性メモリと、前記現像装置によって形成された現像剤像を、搬送される記録材に転写する転写手段と、該転写手段によって転写された現像剤像を前記記録材に定着させる定着装置とを備える画像形成装置に関する。
【0002】
本画像形成装置は、例えば複写機、レーザープリンタ等に含まれる。
【0003】
【従来の技術】
複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置は一般に、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に現像剤を付与することにより上記潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、所定方向に搬送される記録材に該現像装置による該現像剤像を転写する転写手段と、該転写手段によって上記現像剤像の転写を受けた上記記録材を所定の定着処理条件にて加熱及び加圧することにより上記現像剤像を上記記録材に定着させる定着装置を備えている。
【0004】
従来、かかる画像形成装置においては、例えば、画像形成装置本体に設けられた操作パネル等に記録材たる記録紙のサイズや種類(以下「紙厚及び紙種」ともいう)がユーザによって設定され、その設定に応じて記録紙への転写バイアス(現像装置における転写駆動電圧)を設定するよう制御がなされる。
【0005】
又、記録紙がOHTシートの場合には、画像形成装置内部に備えられた透過型のセンサによって記録紙がOHTシートであるか否かを自動検知し、記録紙に光が透過した場合はOHTシートと判定し、記録紙に光が透過しない場合は普通紙と判定し、その判定結果に応じて転写バイアスを設定するよう制御がなされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の画像形成装置では、次のような課題がある。
【0007】
▲1▼ユーザが画像形成装置或いはPC(パーソナルコンピュータ)に紙厚及び紙種の設定を行う必要があるため、画像形成装置の操作性が劣る。特に、ユーザの負担が大きく、使い勝手が悪いといった課題がある。
【0008】
▲2▼近年、扱われる紙厚及び紙種が多くなり、予め準備されている設定モードだけでは全紙厚及び紙種をカバーできなくなってきている。その結果、転写バイアスの設定がうまく決まらず、画質が悪くなるといった課題があった。特に、記録紙が厚紙やOHTシート等である場合においては、転写バイアスを比較的大きくしないと十分な転写性能が得られない。逆に薄紙においては、転写バイアスを厚紙に比べて小さくしないと、転写性能が悪くなる。
【0009】
▲3▼OHTシートを自動検出するための透過型センサでは、その他の紙厚及び紙種が判定できず、OHT専用のセンサとなっていて、装置システムトータルコストのコストパフォーマンスが悪いという課題がある。
【0010】
▲4▼厚紙等の記録紙の紙厚及び紙種検知においては、従来、その検出方法として様々な方法がある。例えば、反射型センサを用いて行う方式や、紙の厚みをメカ的に検出する方式では、いずれの場合においても紙厚及び紙種のみを検出する専用のセンサが必要となり、画像形成装置のシステムトータルコストのコストパフォーマンスが悪いという課題がある。
【0011】
▲5▼さらに、従来、感光体の劣化によって転写効率が低下し、転写バイアスの最適値が変動することに対応できないという課題がある。
【0012】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、ユーザビリティ及びコストパフォーマンスの向上を図りつつ、感光体の劣化時や様々な種類の記録材においても最適な転写バイアスで画像形成を行うことができる画像形成装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体に画像を形成する画像形成手段と、転写バイアスが印加されることにより、前記画像形成手段によって前記像担持体に形成された画像を記録材に転写する転写手段と、前記転写手段により前記画像を記録材に転写する前に記録材の表面画像を撮像する撮像手段と、を備える画像形成装置において、前記撮像手段によって撮像された記録材の表面画像から得られる記録材の表面の粗さを平均化した情報と、前記像担持体の回転時間情報と、前記帯電手段による前記像担持体への帯電バイアスの印加時間情報と、を用いて前記像担持体の膜厚情報を求め、前記像担持体の膜厚情報に応じて前記転写手段に印加される転写バイアスを制御することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態の概略構成を示す模式的断面図である。
【0016】
画像形成装置101は、図1に示すように、用紙カセット102、給紙ローラ103、転写ベルト駆動ローラ104、転写ベルト105、帯電手段たる1次帯電ローラ141〜144、潜像担持体たる感光ドラム106〜109、転写手段たる転写ローラ110〜113、カートリッジ114〜117、光学ユニット118〜121、定着装置たる定着ユニット122等を有している。
【0017】
画像形成装置101にあっては、電子写真プロセスを用い記録材たる記録紙の上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像を重ねて転写し、定着ユニット122の定着ローラによって上記記録紙を所定温度で加熱すると共に加圧することにより上記トナー画像を上記記録紙に定着させる。
【0018】
各色の光学ユニット118〜121は、1次帯電ローラ141〜144によって所定の極性・電位に一様に帯電された各感光ドラム106〜109の表面をレーザビームによって露光走査して潜像を形成するよう構成され、これら一連の画像形成動作では、搬送される記録紙上の予め決まった位置から画像が転写されるよう同期をとって走査制御が行われている。各感光ドラム106〜109の表面に形成された潜像は、カートリッジ114〜117に備えられた現像装置(図示せず)において各色の現像剤たるトナーによってトナー画像として可視化される。
【0019】
又、画像形成装置101は、記録紙を給紙及び搬送する給紙モータ(図示せず)と、転写ベルト駆動ローラ104を駆動する転写ベルト駆動モータ(図示せず)と、各色感光ドラム106〜109及び転写ローラ110〜113を駆動する感光ドラム駆動モータ(図示せず)と、上記定着ローラを駆動する定着駆動モータ(図示せず)とを備えている。
【0020】
131〜134は、不揮発性メモリを搭載したカートリッジタグであり、各色感光ドラム106〜109でのプリント枚数等を記録する。画像形成装置101本体には、このカートリッジタグ131〜134とシリアル通信する回路(図示せず)を備えており、情報を送受信する。
【0021】
更に、画像形成装置101は映像読取センサ123を備え、映像読取センサ123は、給紙ローラ103によって用紙カセット102から給紙され搬送される記録紙の表面に光を照射させて、その反射光を集光し結像させて、記録紙のある特定エリアの映像を検出するようになっている。
【0022】
次に、図2を参照して、映像読取センサ123の構造について説明する。図2は、映像読取センサ123の概略構成を示す図である。
【0023】
映像読取センサ123は、図2に示すように、光照射手段たるLED33、読取手段たるCMOSセンサ34、結像レンズたるレンズ36,37等を有している。なおCMOSセンサ34に代わって、CCDセンサであってもよい。
【0024】
LED33を光源とする光は、レンズ37を介し、記録紙搬送ガイド31表面、或いは、記録紙搬送ガイド31上の記録紙32表面に対して照射される。
【0025】
記録紙32からの反射光は、レンズ36を介し集光されてCMOSセンサ34に結像される。これによって、記録紙搬送ガイド31或いは記録紙32の表面映像がCMOSセンサ34によって読み取られる。
【0026】
本実施の形態では、LED33は、LED光が記録紙32表面に対し、図2に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。
【0027】
図3は、記録紙搬送ガイド31或いは記録紙32の表面を読み取った映像読取センサ123からの出力をデジタル処理した例を示す図である。
【0028】
図3において、72〜75は、映像読取センサ123のCMOSセンサ34によって読み込まれ、デジタル処理されたサンプリング映像であり、時系列に並べられている。
【0029】
例えば、記録紙先端が映像読取センサ123を通過する際に、記録紙先端が未だ映像読取センサ123を通過しない状態でサンプリングした映像が映像(sample−1)72であり、次のサンプル周期タイミングでサンプリングした映像が映像(Sample−2)73であり、映像(Sample−2)73では、映像読取センサ70に記録紙先端がかかっている状態を示している。そして、記録紙は搬送されているため、所定周期で順次、映像をサンプリングするごとに、映像(Sample−3)74、映像(Sample−4)75へと映像は移って行く。
【0030】
ここで、記録紙の紙厚及び紙種に応じて記録紙の濃い影の面積が異なる。図3の例では、2ピクセル分の濃い影部分の長さ77に相当する面積が記録紙の厚みに比例した影の面積となる。
【0031】
つまり、記録紙搬送方向に対する濃い影部分の長さ(ピクセル数)を求めれば、記録紙の厚みを検出できる。例えば、記録紙の厚みに応じた濃い影部分の長さを予め実験的に求め、その値をリファレンス値としてEEPROM等のメモリに記憶しておき、そのリファレンス値と比較することによって記録紙の厚みを検知できる。同様に、記録紙の紙種に応じた濃い影部分の大きさを予め実験的に求め、その値をリファレンス値としてEEPROM等のメモリに記憶しておき、そのリファレンス値と比較することによって記録紙の紙種を検知できる。
【0032】
次に、図4を参照して画像形成装置101に備えられた転写バイアス制御手段たる制御プロセッサによって行われる制御について説明する。図4は、画像形成装置101に備えられた制御プロセッサによって実行される制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0033】
先ず、LED33を点灯させ(S50)、CMOSセンサ34が記録紙の映像を読み込む(S51)。上記映像の読み込みは複数回にわたり上記記録紙上の複数箇所において読み込む。
【0034】
そして、LED33を消灯させた後(S52)、転写条件制御手段に備えられたゲイン調整手段及びフィルタ演算手段(図示せず)のゲイン演算及びフィルタ演算のための定数を調整する(S53)。このゲイン演算及びフィルタ演算は、制御プロセッサによってプログラマブルに処理される。
【0035】
例えば、ゲイン演算は、CMOSセンサ34からのアナログ出力のゲインを調整することによって行う。つまり、記録紙表面より反射される反射光量が多すぎるとき、或いは逆に少なすぎるときは、記録紙表面の映像がよく読み取れない、即ち映像の変化が検出できないので、ゲインを調整する。なお、反射光量が常時、所定光量になるようにLED33の発光量をプログラマブルに調整するようにしてもよい。
【0036】
又、フィルタ演算は、CMOSセンサ34からのアナログ出力をA/D変換して8ビット、256階調のデジタルデータとしたときに、例えば、1/32,1/16,1/4等の演算によって行う。つまり、CMOSセンサ34からの出力のノイズ成分をプログラマブルに除去するものである。
【0037】
そして、ステップS53で映像調整が十分に行われ、次のステップS55で映像比較演算する上で支障のない映像情報が得られているか否かを判定し(S54)、支障のない映像情報が得られていると判定された場合には映像比較演算を行い(S55)、この映像比較演算結果に基づき紙厚及び紙種を判定し(S56)、その紙厚及び紙種に応じた転写バイアスを設定する(S57)。
【0038】
こうした制御処理を行う制御プロセッサは、CMOSセンサ34からの出力信号に対して、映像サンプリング処理、ゲイン及びフィルタ演算処理をリアルタイムにて実行する必要があるため、デジタルシグナルプロセッサで構成されることが望ましい。又、記録紙表面の映像の読み取り制御は、記録紙に対して非接触の光学系が用いられ、且つプログラマブルで実行されるため、制御の柔軟性が実現でき、装置の小型化、精度の高い制御、更に信頼性の高い制御が実現できるという効果がある。
【0039】
図5を参照して、上述の本実施の形態における転写バイアスの設定について説明する。図5は、プリント枚数に対する転写効率の変化(A)と転写バイアスの調整値(B)とを示すグラフである。
【0040】
曲線504は、一定値の転写バイアスで画像形成を行い、プリント枚数が多くなると感光体106〜109の特性が劣化して、転写効率が低下する様子を表した線である。曲線501は、曲線504のような転写効率の特性を考慮して、転写効率が常時、所定の値になるように転写バイアスを調整した場合におけるOHTの転写バイアスを示す曲線である。502は、薄紙において、転写効率が前記所定の値に常時なるように転写バイアスを調整した場合における転写バイアスを示す曲線である。503は、他の紙において、転写効率が前記所定の値に常時なるように転写バイアスを調整した場合における転写バイアスを示す曲線である。
【0041】
本実施の形態では、紙厚及び紙種の如何に拘らず、転写効率が所定の値になるように記録紙への転写バイアスを設定するようにしている。また図4では示していないが、紙厚及び紙種だけでなく、プリント枚数に応じて、転写効率が所定の値になるように転写バイアスを設定するようにしてよい。
【0042】
このようにプリント枚数による転写バイアスの設定と紙種および紙厚による転写バイアスの設定とを組み合わせることにより、より最適な転写バイアス制御を行うことができ、転写性及び画質の向上が図れる。
【0043】
このようにして、例えば紙厚が異なる記録紙に対して転写バイアス条件を変えるようにし、具体的には、比較的厚みのある記録紙では、電気抵抗値が大きい為に、転写バイアスを上げて転写を行い、一方、比較的厚みが少ない、つまり電気抵抗値が小さい記録紙には、転写バイアスを下げて転写を行う。
【0044】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、プリント枚数と記録紙の紙種および紙厚とに応じて、適切な転写制御を実現でき、転写性及び画質の向上が図れる。尚、本実施の形態における転写バイアスの設定は、定電流制御や定電圧制御あるいはACバイアス制御等の制御方式にとらわれるものではない。
【0045】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0046】
尚、第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態と基本的に同様であるので、第2の実施の形態の説明においては第1の実施の形態の構成を流用する。尚また、紙厚及び紙種判定の処理は、第1の実施の形態と同じである。
【0047】
ところで、感光ドラムはドラムの回転数に比例して摩耗することが知られているが、帯電による放電と粗い紙も感光ドラムの摩耗を促進する。放電は感光ドラム表面における分子構造を化学的にもろくして摩耗を促進する。また、粗い紙は感光ドラムに当接して擦れることで感光ドラムの摩耗を促進する。また、粗い紙から遊離した紙粉による研磨などにより、感光ドラムの摩耗を促進する。
【0048】
図6は、カートリッジ114〜117のカートリッジタグ131〜134の内部構成と本体制御部609とを主に示すブロック図である。
【0049】
モータ制御部605は、ドラム回転時間をカートリッジタグ131〜134の各ドラム総回転時間記憶部603に記憶し、帯電制御部606は、帯電バイアス印加時間をカートリッジタグ131〜134の各帯電バイアス総印加時間記憶部604に記憶する。
【0050】
紙粗さ算出部607は、通紙した紙の粗さの情報を紙粗さ記憶部608に記憶する。印字枚数は印字枚数記憶部615に記憶される。紙の粗さ情報と印字枚数とから、通紙した紙の平均粗さを、紙粗さ平均値算出部616で算出する。この算出された通紙した紙の粗さの平均値と、ドラム総回転時間記憶部603に記憶されたドラム回転時間と、帯電バイアス総印加時間記憶部604に記憶された帯電バイアス印加時間とを基に、ドラム膜厚補正部602でドラム膜厚を算出する。
【0051】
以下、感光ドラムのドラム膜厚の算出について説明する。
【0052】
本実施の形態では、通紙した紙の平均粗さと感光ドラムの回転時間と帯電電圧の印加時間とがドラムの膜厚に関連する要因とし、それぞれがドラム膜厚に与える影響度を考慮するようにしている。
【0053】
すなわち、ドラムの膜厚減少分Lを、下記式(1)に基づき算出する。
【0054】
L=β×(D+αH)+D×γ×(R−R0) ・・・ (1)
上記式において、Dはドラム総回転時間、Hは帯電バイアス総印加時間、Rは通紙した紙の平均粗さ、R0は基準紙の平均粗さである。
【0055】
αは、帯電電圧OFF時に比べた帯電電圧ON時でのドラム総回転時間Dに対するドラム膜厚への影響度である。βは、帯電バイアス総印加時間Hに対するドラムの膜厚減少分Lの比率である。γは、通紙した紙の粗さによる膜厚減少分Lへの寄与度である。
【0056】
上記の各値α,β,γは、実験及び統計的に予め求められた値が用いられる。例えば、平均粗さR0の基準紙を用いて測定を行い(R=R0)、帯電バイアスとしてDCバイアスだけを印加して実験した場合、帯電電圧ON時は帯電電圧OFF時に比べて、同じドラム総回転時間において、感光ドラム膜厚が20%多く削られた。この場合、上記式(1)においてα=0.2と設定される。また上記の条件下で、感光ドラム膜厚が20秒当たり0.4μmだけ削れた。この場合、βは0.02μm/sec(=0.4μm÷20sec)と設定される。
【0057】
したがって、上記のように平均粗さR0の基準紙を用いて測定を行った(R=R0)場合、上記式(1)は
L=0.02(D+0.2H) [μm/sec]
となる。
【0058】
次に、基準紙より粗い紙として粗さR1(μm)なる紙を用いて測定を行った(R=R1)場合、上記式(1)は
L=0.02(D+0.2H)+Dγ×(R1−R0) [μm/sec]
となる。
【0059】
カートリッジタグ131〜134のドラム総回転時間記憶部603に記憶されたドラム回転時間と、帯電バイアス総印加時間記憶部604に記憶された帯電バイアス印加時間とはドラム膜厚補正部601に集められ、上記式(1)に従って、感光ドラムのドラム膜厚減少分が算出され、その後、転写バイアスの制御に利用される。
【0060】
次に、紙の粗さを測定する装置を説明する。
【0061】
図2の映像読取センサ123内のCMOSセンサ34で測定した記録紙の表面を表す映像信号を基に、紙粗さ算出部607が、図7に示すように、閾値を越えた数をカウントすることによって紙粗さを検出する。図7は、CMOSセンサ34で測定した記録紙の表面を表す映像信号を示す図であり、紙粗さ算出部607が、CMOSセンサ34からの映像信号を基に紙粗さを検出する様子を表す。
【0062】
紙の凹凸の深さに応じて最適な閾値を設定することで、紙の粗さと映像信号が閾値を越えた数とを相関させることができる。つまり、粗い紙では閾値を越えた数が多くなり、滑らかな紙では少なくなる。この紙の粗さ検出方法により、材質の異なる紙の表面の粗さを非接触で正確に求めることができる。紙粗さ算出部607から出力される紙の粗さは、ドラム膜厚の算出に利用される。
【0063】
次に、転写ローラ110〜113に対して印加すべき転写バイアスの決定方法を説明する。
【0064】
まず感光ドラム106〜109の画像形成前の回転過程において、感光ドラム106〜109の表面を、帯電ローラ141〜144により所定の極性・電位に一様に帯電処理する。次に、例えば+2.0μAの基準電流を印加して、各転写ローラ110〜113に印加される基準電圧値V0を測定する。この時、転写材としての紙は介在しないので、感光ドラム106〜109と転写ローラ110〜113との間にそれぞれ直列にかかる電圧が測定されることになる。この基準電圧値V0を転写制御部601で記憶する。最適な制御が行われている場合の基準紙転写時における転写バイアスVは、
V=kV0−V1 ・・・ (2)
と表される。
【0065】
ここで、V1は感光ドラムの厚みに基づく補正電圧であり、kは、初期感光ドラムの条件で基準紙にトナーを転写するのに必要な転写バイアスの電圧V0に対する比である。
【0066】
ドラム膜厚補正部602は、感光ドラムの膜厚に対する膜厚補正電圧V1を示すルックアップテーブルを備え、このテーブルを参照して補正電圧V1を読み出し、基準紙転写時における最適な転写バイアスVを算出している。このように、基準紙転写時における転写バイアスVは、感光ドラムの膜厚に応じて最適値に設定される。例えば、感光ドラムの膜厚が薄くなると容量が増え電流が流れやすくなるので、電気抵抗が高い転写ローラでも低めの電圧が検知され、電気抵抗が低く異常があると判定されてしまう恐れがある。そこで、感光ドラムの膜厚が薄いときは、転写バイアスを低くして転写ローラの抵抗値が正常に算出されるようにしている。したがって、ルックアップテーブルを参照して感光ドラムの膜厚の値に対応して得られる補正電圧V1は、個々の感光ドラムによる電圧低下分である。
【0067】
例えば、感光ドラムの膜厚の減少がない初期状態において、感光ドラムの膜厚が20μmであり、厚みが110μmの基準紙を用い、気温23℃、湿度60%の環境下で基準電流2.0μAを流したとき基準電圧V0が1500Vであり、基準紙転写時における最適な転写バイアスVが2250Vであった場合、上記式(2)に基づき、比kは1.5となる。
【0068】
したがって、例えば気温15℃、湿度10%の環境下で、基準電圧V0が転写ローラの抵抗値が上がったため、V0=2000Vと高くなった場合、基準紙転写時における最適な転写バイアスVは3000Vと算出される。
【0069】
次に、上記装置において、感光ドラムの膜厚が、例えば10μmになった場合、厚みが110μmの基準紙を用い、気温23℃、湿度60%の環境下で基準電流2.0μAを流したとき、感光ドラムの膜厚10μmに対する補正電圧V1はルックアップテーブルを参照すると200Vと読み出されるので、基準紙転写時における最適な転写バイアスVは2050Vとなる。
【0070】
同様に、上記装置において、感光ドラムの膜厚が、例えば10μmになった場合、厚みが110μmの基準紙を用い、気温15℃、湿度10%の環境下で基準電流2.0μAを流したとき、補正電圧V1は200Vであるので、基準紙転写時における最適な転写バイアスVは2050Vとなる。
【0071】
こうした具体例を、以下の表1に示す。
【0072】
【表1】
以上のように転写バイアスを決定することで、経時変化により感光ドラムの膜厚が減少しても、また、異なる厚さの紙が通紙されても、最適な転写バイアスが得られ、常に良好な転写性を得ることができる。
【0073】
なお、感光ドラムの膜厚に関する情報は、各カートリッジ114〜117に固定されたカートリッジタグ131〜134に保存されている。従って、ユーザがカートリッジに交換しても、感光ドラム固有の膜厚に関する情報がカートリッジとともに移動するので、常に最適な転写バイアスを得ることが可能となる。
【0074】
[他の実施の形態]
なお、本発明の目的は、各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0075】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0076】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0077】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記各実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0078】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の画像形成装置では、画像形成手段により像担持体に画像を形成する。転写手段は、転写バイアスを印加することにより、画像形成手段によって像担持体に形成された画像を記録材に転写する。撮像手段は、転写手段により画像を記録材に転写する前に記録材の表面画像を撮像する。さらに、制御手段は、撮像手段によって撮像された記録材の表面画像から得られる記録材の表面の粗さを平均化した情報と、前記像担持体の回転時間情報と、前記帯電手段による前記像担持体への帯電バイアスの印加時間情報と、を用いて前記像担持体の膜厚情報を求め、前記像担持体の膜厚情報に応じて前記転写手段に印加される転写バイアスを制御する。
【0097】
これにより、ユーザビリティ及びコストパフォーマンスの向上を図りつつ、感光体の劣化時や様々な種類の記録材においても最適な転写バイアスで画像形成を行うことができ、良好な転写画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態の概略構成を示す模式的断面図である。
【図2】映像読取センサの概略構成を示す図である。
【図3】記録紙搬送ガイド或いは記録紙の表面を読み取った映像読取センサからの出力をデジタル処理した例を示す図である。
【図4】画像形成装置に備えられた制御プロセッサによって実行される制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】プリント枚数に対する転写効率の変化(A)と転写バイアスの調整値(B)とを示すグラフである。
【図6】カートリッジのカートリッジタグの内部構成と本体制御部とを主に示すブロック図である。
【図7】CMOSセンサで測定した記録紙の表面を表す映像信号を示す図である。
【符号の説明】
32 記録紙(記録材)
33 LED(光照射手段)
34 CMOSセンサ(読取手段)
36,37 レンズ(結像レンズ)
101 画像形成装置
106〜109 感光ドラム(潜像担持体)
110〜113 転写ローラ(転写手段)
122 定着ユニット(定着装置)
Claims (2)
- 像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電手段と、
前記像担持体に画像を形成する画像形成手段と、
転写バイアスが印加されることにより、前記画像形成手段によって前記像担持体に形成された画像を記録材に転写する転写手段と、
前記転写手段により前記画像を記録材に転写する前に記録材の表面画像を撮像する撮像手段と、を備える画像形成装置において、
前記撮像手段によって撮像された記録材の表面画像から得られる記録材の表面の粗さを平均化した情報と、前記像担持体の回転時間情報と、前記帯電手段による前記像担持体への帯電バイアスの印加時間情報と、を用いて前記像担持体の膜厚情報を求め、前記像担持体の膜厚情報に応じて前記転写手段に印加される転写バイアスを制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記膜厚情報を記憶する記憶手段を有し、
前記記憶手段と前記像担持体を備えるカートリッジが前記画像形成装置に着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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