JP4345849B2 - 通信システム、通信装置、並びに高周波結合器 - Google Patents

通信システム、通信装置、並びに高周波結合器 Download PDF

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Description

本発明は、情報機器間で大容量のデータ通信を行なう通信システム並びに通信装置に係り、特に、情報機器間で静電界若しくは誘導電界を利用して他の通信システムとの干渉のないデータ通信を行なう通信システム並びに通信装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、超近距離に配置された情報機器間で静電界若しくは誘導電界を利用してUWB通信信号を伝送する通信システム並びに通信装置に係り、特に、各情報機器に搭載された結合器間で効率よく高周波信号を伝達し、超近距離において静電界若しくは誘導電界を利用した大容量伝送が可能となる通信システム並びに通信装置に関する。
最近、画像や音楽などのデータをパソコンとの間で交換するなど、小型の情報機器間でデータを移動する際、AV(Audio Visual)ケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの汎用ケーブルで相互接続したデータ通信やメモリカードなどのメディアを媒介にする方法に代わって、無線インターフェースを利用することが増えてきている。後者によれば、データ伝送の度にコネクタの付け替え作業をしてケーブルを引き回す必要がなく、ユーザの利便性が高い。各種のケーブルレス通信機能を搭載した情報機器も多く出現している。
小型機器間でケーブルレスによりデータ伝送を行なう方法として、IEEE802.11に代表される無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)通信を始めとして、アンテナを用いて無線信号の送受信を行なう電波通信方式が開発されている。
また、近年注目されている「ウルトラワイドバンド(UWB)」と呼ばれる通信方式は、3.1GHz〜10.6GHzという非常に広い周波数帯域を使用し、近距離ながら100Mbps程度の大容量の無線データ伝送を実現する無線通信技術であることから、例えば動画像やCD1枚分の音楽データといった大容量のデータを高速且つ短時間で転送することができる。
UWB通信は、送信電力の関係から通信距離が10m程度であり、PAN(Personal Area Network)などの近距離向けの無線通信方式が想定される。例えば、IEEE802.15.3などにおいて、UWB通信のアクセス制御方式として、プリアンブルを含んだパケット構造のデータ伝送方式が考案されている。また、米インテル社は、UWBのアプリケーションとして、パソコン向けの汎用インターフェースとして普及しているUSB(Universal Serial Bus)の無線版を検討している。
また、UWB通信は、3.1GHz〜10.6GHzという伝送帯域を占有しなくても100Mbpsを超えるデータ伝送が可能であることやRF回路の作り易さを考慮して、3.1〜4.9GHzのUWBローバンドを使った伝送システムも開発が盛んである。本発明者らは、UWBローバンドを利用したデータ伝送システムを、モバイル機器に搭載する有効な無線通信技術の1つと考えている。例えば、ストレージ・デバイスを含む超高速な近距離用のDAN(Device Area Network)など、近距離エリアにおける高速データ伝送を実現することが可能である。
ここで、無線設備から3メートルの距離での電界強度(電波の強さ)が所定レベル以下、すなわち近隣に存在する他の無線システムにとってノイズ・レベル程度となる微弱無線であれば、無線局の免許を受ける必要はなく(例えば、非特許文献1を参照のこと)、無線システムの開発・製造コストを削減することができる。上述したUWB通信は、送信電力の関係から、比較的低い電界レベルで近距離向けの無線通信システムを構成することができる。しかしながら、アンテナを用いて無線信号の送受信を行なう電波通信方式によりUWB通信システムを構成した場合、発生電界をかかる微弱レベルに抑えることは困難である。
従来の無線通信システムの多くは電波通信方式を採用したものであり、空中線(アンテナ)に電流を流した際に発生する放射電界を利用して信号を伝搬させるものである。この場合、送信機側からは通信相手がいるかどうかに拘わらず電波を放出するので、近隣の通信システムに対する妨害電波の発生源になってしまうという問題がある。また、受信機側のアンテナは、送信機からの所望波だけでなく、遠方から到来した電波も受信するので、周囲の妨害電波の影響を受け易く、受信感度低下の原因になる。また、通信相手が複数存在する場合には、その中から所望の通信相手を選択するために複雑な設定を行なう必要がある。例えば、狭い範囲で複数の組の無線機が無線通信を行なう場合は、互いの干渉を回避するために、周波数選択などの分割多重を行なって通信を行なう必要がある。また、電波は偏波の向きが直交すると通信することができないため、送受信機間では互いのアンテナの偏波方向が揃っている必要がある。
例えば、数ミリ〜数センチメートルといった至近距離での非接触データ通信システムを考えた場合、近距離では送受信機が強く結合する一方、他のシステムへの干渉を回避するために遠距離まで信号が到来しないことが好ましい。また、データ通信する機器同士を至近距離に接近させた際の互いの姿勢(向き)に依存せず、結合すること、すなわち指向性がないことが望ましい。また、大容量データ通信を行なうには、広帯域通信が可能であることが望ましい。
無線通信には、上記の放射電界を利用した電波通信以外にも、静電界や誘導電界などを利用した通信方式が挙げられる。例えば、主にRFID(Radio Frequency IDentification)に利用されている既存の非接触通信システムでは、電界結合方式や電磁誘導方式が適用されている。静電界や誘導電界は発生源からの距離に対し、それぞれ距離の3乗並びに2乗に反比例することから、無線設備から3メートルの距離での電界強度(電波の強さ)が所定レベル以下となる微弱無線が可能であり、無線局の免許を受ける必要はない。また、この種の非接触通信システムは、伝送信号は距離に応じて急峻に減衰するので、通信相手が近くに存在しないときには結合関係が生じないので、他の通信システムを妨害することはない。また、遠方から電波が到来してきても、結合器(カプラ)が電波を受信しないので、他の通信システムからの干渉を受けなくて済む。すなわち、誘導電界や静電界を利用した電界結合による非接触・超近距離通信は微弱無線の実現に適していると言える。
非接触による超近距離通信システムは、通常の無線通信システムに対し、幾つかの利点がある。例えば、比較的距離の離れた機器同士で無線信号のやり取りを行なう場合、周辺の反射物の存在や通信距離の拡大に応じて無線区間の信号の質が低下してしまうが、近距離通信によれば周辺環境の依存はなく、高い伝送レートを用いて誤り率の少ない高品質の伝送が可能である。また、超近距離通信システムでは、伝送データを傍受する不正な機器が介在する余地はなく、伝送路上でハッキングの防止や秘匿性の確保を考慮する必要がない。
また、電波通信では、アンテナは使用波長λの2分の1又は4分の1程度の大きさを持つ必要があることから、装置は必然的に大型化してしまう。これに対し、誘導電界や静電界を利用した超近距離通信システムでは、このような制約はない。
例えば、複数の通信補助体間にRFIDタグが位置するように配置した通信補助体組を形成し、通信補助体間に挟むように複数の商品に付けられたRFIDタグを配置することにより、RFIDタグが重なり合った状態であっても、情報の安定した読み取り・書き込みが可能となるRFIDタグ・システムについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
また、装置本体とこの装置本体を身体に装着するための装着手段とを備えるとともに、アンテナ・コイルとこのアンテナ・コイルを介して外部の通信装置と非接触でデータ通信を行うデータ通信手段を備え、装置本体の上部に設けられたアウターケースにアンテナ・コイルとデータ通信手段とを配置して、誘導磁界を用いたデータ通信装置について提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。
また、携帯情報機器に挿入されるメモリカードに外部機器とデータ通信を行なうためのアンテナ・コイルを搭載し、携帯情報機器のメモリカード挿入口の外側にRFIDのアンテナ・コイルが配置される構造として、携帯性を損なうことなく通信距離を確保したRFIDを有する携帯電話機について提案がなされている(例えば、特許文献3を参照のこと)。
静電界や誘導電界を利用した従来のRFIDシステムは、低周波数信号を用いているため通信速度が遅く、大量のデータ伝送には不向きであった。また、アンテナ・コイルによる誘導電界を用いて通信する方式の場合には、コイルの背面に金属板があると通信を行なうことができず、コイルを配置する平面上に大きな面積が必要となるなど、実装上の問題もある。また、伝送路における損失が大きく、信号の伝送効率がよくない。
これに対し、本発明者らは、高周波信号を電界結合で伝送すること、すなわち、静電界若しくは誘導電界を利用して上記のUWB通信信号を伝送する超近距離通信システムにより、無線局として免許取得が不要な微弱電界により、秘匿性を考慮した高速データ伝送を実現することができる、と考えている。静電界若しくは誘導電界を利用したUWB通信システムでは、例えば動画像やCD1枚分の音楽データといった大容量のデータを高速且つ短時間で転送することができる、と本発明者らは考えている。
ここで、従来のRFIDシステムでは、送信機と受信機の電極(結合器)間を密着させることが一般的であり、ユーザの使い勝手がよくない。このため、電極間を3cm程度離して近距離通信を行なうという形態が好ましいと考えられる。
比較的低周波数帯の信号を用いる静電結合方式では、3cmという送信機と受信機の電極間距離は波長と比較して無視し得る長さであることから、送受信機間での伝搬損は大きな問題にはならない。ところが、UWB信号のように高周波数の広帯域信号を伝送することを考えた場合、3cmという距離は使用周波数帯4GHzにとって約2分の1波長に相当する。波長に対する伝搬距離の大きさに応じて伝搬損が生じることから、送信機と受信機の電極間距離は波長と比較して無視することはできない長さである。このため、静電結合によりUWB信号を伝送させるときには、伝搬損を十分に低く抑えこむ必要がある。
また、無線記述の技術分野では、無線信号を送り出す際に広い帯域に周波数変調をかけることが一般的である。UWB伝送方式では、DS(Direct Spread:直接拡散)の情報信号の拡散速度を極限まで高くしたDSSS(Direct Sequence Spread Spectrum:直接シーケンス・スペクトラム拡散)−UWB方式や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式を採用したOFDM_UWB方式が定義されている。DSSS方式によれば、特定の周波数がノイズで通信できなくても別の周波数を使っての通信が可能で電波が途切れにくいという利点がある。また、OFDM変調方式によれば、複数のチャンネルを使用しても混信やノイズに強いという利点がある。
上述したような静電界若しくは誘導電界による電界結合を利用してUWB通信信号を伝送する超近距離通信システムにおいても、DSSSのような周波数拡散方式を適用する場合には、送受信機の結合器間で高周波数帯において静電結合を生じさせるだけでなく、結合器が広帯域において有効に動作するように設計する必要がある。
また、結合器を機器の筐体内に収容する場合、周辺の金属部品からの影響により中心周波数がずれることが想定される。かかる観点からも、電界結合用の結合器があらかじめ広い周波数で有効に動作するように設計する必要がある。
特開2006−60283号公報 特開2004−214879号公報 特開2005−18671号公報 電波法施行規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十四号)第六条第一項第一号
本発明の目的は、高周波数の広帯域信号を用いるUWB通信方式により情報機器間で大容量のデータ通信を行なうことができる、優れた通信システム並びに通信装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、超近距離に配置された情報機器間で静電界(準静電界)若しくは誘導電界を利用してUWB通信信号を伝送することができる、優れた通信システム並びに通信装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、各情報機器に搭載された結合器間で効率よく高周波信号を伝達し、超近距離において静電界若しくは誘導電界を利用した大容量伝送が可能となる、優れた通信システム並びに通信装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、送受信機の結合器間で高周波数帯において電界結合を生じさせるとともに広帯域において有効に動作し、ノイズに強い電界結合伝送路を形成して大容量伝送が可能となる、優れた通信システム並びに通信装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、データを伝送する高周波信号を生成する送信回路部と、該高周波信号を静電界若しくは誘導電界として送出する高周波結合器を備えた送信機と、
高周波結合器と、該高周波結合器で受信した高周波信号を受信処理する受信回路部を備えた受信機とで構成され、
前記送信機及び受信機の高周波結合器は、結合用電極と、互いの結合用電極間における電気的結合を強くするための、分布定数回路からなる共振部を備え、
前記送信機及び受信機の対向する高周波結合器間における電界結合により前記の高周波信号を伝送することを特徴とする通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下、同様)。
画像や音楽などのデータをパソコンとの間で交換するなど、小型の情報機器間でのデータ転送をケーブルレスで行なえると、ユーザの利便性が高まる。しかしながら、無線LANに代表される多くの無線通信システムでは、アンテナに電流を流した際に発生する放射電界を利用するので、通信相手がいるかどうかに関わらず電波が放出されてしまう。また、放射電界はアンテナからの距離に反比例して緩やかに減衰するので、比較的遠方まで信号が到達してしまう。このため、近隣の通信システムに対する妨害電波の発生源になるとともに、受信機側のアンテナも周囲の妨害電波の影響で受信感度が低下する。要するに、電波通信方式では、至近距離の通信相手に制限した無線通信を実現することは困難である。
一方、静電界や誘導電界を利用した通信システムでは、通信相手が近くに存在しないときには、結合関係が生じない。また、誘導電界や静電界の電界強度はそれぞれ距離の2乗並びに3乗に反比例して急峻に減衰する。すなわち、不要な電界が発生せず、且つ、電界が遠くまで到達しないので、他の通信システムを妨害することはない。また、遠方から電波が到来してきても、結合用電極は電波を受信しないので、他の通信システムからの干渉を受けなくて済む。しかしながら、従来のこの種の通信システムは、低周波数信号を用いているため通信速度が遅く、大量のデータ伝送には不向きである。また、誘導電界を利用した通信方式の場合、コイルを配置する平面上に大きな面積が必要となるなど、実装上の問題もある。
これに対し、本発明に係る通信システムは、データを伝送するUWB信号を生成する送信機と、UWB信号を受信処理する受信機間を、送受信機がそれぞれ持つ高周波結合器で電界結合させてUWB信号を伝送するように構成されている。静電界並びに誘導電界はそれぞれ距離の3乗並びに2乗に反比例して減衰することから、無線局の免許が不要な微弱無線が可能であるとともに、伝送路上でハッキングの防止や秘匿性の確保を考慮する必要がない。また、UWB通信であることから、超近距離の大容量通信が可能であり、例えば動画像やCD1枚分の音楽データといった大容量のデータを高速且つ短時間で転送することができる。
ここで、高周波回路では、波長に対する伝搬距離の大きさに応じて伝搬損が生じることから、UWBなどの高周波信号を伝送させるときには、伝搬損を十分に低く抑えこむ必要がある。
そこで、本発明に係る通信システムでは、前記送信機は、前記送信回路部が生成する高周波信号を伝送する高周波信号伝送路を、インピーダンス整合部や共振部を介して前記高周波結合器の電極のほぼ中央に接続し、一方の前記受信機は、前記高周波結合器の電極のほぼ中央において、インピーダンス整合部や共振部を介して、前記受信回路部へ高周波信号を伝送する高周波信号伝送路を接続するように構成されている。そして、インピーダンス整合部が前記送信機及び受信機の高周波結合器間におけるインピーダンスの整合をとり、結合器間における反射波を抑制して伝搬損を低減するようにしている。
このインピーダンス整合部や共振部は、送信機と受信機の電極間すなわち結合部分において、インピーダンス・マッチングをとり、反射波を抑えることを目的としており、前記送信機及び受信機の高周波結合器間において所望の高周波帯域を通過するバンドパス・フィルタとして動作するように構成されている。
インピーダンス整合部や共振部は、例えば、直列インダクタ、並列インダクタを高周波信号伝送路に接続した集中定数回路で構成することができる。しかしながら、集中定数回路は、インダクタンスLやキャパシタンスCなどの定数を中心周波数に基づいて決定することから、想定する中心周波数から外れた帯域ではインピーダンスの整合がとられておらず、設計通りの動作はしない。言い換えれば狭帯域でしか有効に動作しない。特に高い周波数帯では集中定数回路部分の微細な構造、値の小さいインダクタやコンデンサのばらつきによって共振周波数が左右されるため、周波数の調整が難しい。また、インピーダンス整合部や共振部を集中定数で構成した場合、インダクタとして小型のチップ・インダクタを用いると、チップ・インダクタ内部での損失があり、高周波結合器間の伝搬損が大きくなるという問題もある。
また、結合器を機器の筐体内に収容する場合には、周辺の金属部品からの影響により中心周波数がずれることが想定される。このため、結合器をあらかじめ広い周波数で有効に動作するように設計する必要がある。帯域の狭いデバイスを複数配置した場合、全体のシステムとしての帯域はさらに狭くなるため、高周波結合器を広帯域の通信システムで同時に複数用いることは難しくなる。
また、静電界を利用してUWB通信信号を伝送する超近距離通信システムにおいてDSSSのような周波数拡散方式を適用する場合、高周波結合器の広帯域化を実現する必要がある。
そこで、本発明に係る通信システムでは、静電結合による近距離通信を行なう高周波結合器は、結合用電極と、互いの結合用電極間におけるインピーダンスの整合をとるためのインピーダンス整合部や共振部を、集中定数回路から分布定数回路に代えて構成することで、広帯域化を実現するようにした。
前記高周波結合器は、データを伝送する高周波信号の処理を行なう前記通信回路部を構成する回路モジュールと同様に、実装部品の1つとしてプリント基板上に搭載される。
このような場合、前記分布定数回路は、前記プリント基板上に配設された導体パターンからなるスタブとして構成することができる。そして、前記プリント基板の他方の面にはグランドが形成され、前記スタブの先端部分は前記プリント基板内のスルーホールを介して前記グランドに接続すればよい。
前記スタブは使用周波数の波長のほぼ2分の1の長さを持つ。そして、定在波の最大振幅位置となる前記スタブのほぼ中央の位置に前記結合用電極を配設すればよい。
前記結合用電極は、絶縁体からなるスペーサの表面に蒸着された導体パターンとして構成することができる。このスペーサは、プリント基板上に表面実装される回路コンポーネントであるが、前記スペーサを前記プリント基板上に搭載したときに、前記結合用電極の導体パターンは前記スペーサ内のスルーホールを介して前記スタブのほぼ中央の位置に接続される。また、誘電率の高い絶縁体をスペーサとして用いることで、波長短縮効果によりスタブの長さを2分の1波長よりも短くすることができる。
また、前記スタブは、上述したように使用周波数における2分の1波長の長さを持つが、折り畳み形状にすることで、前記スペーサを前記プリント基板上に実装した際の占有面積内に収めることができる。
また、前記スタブは、前記スペーサの他の表面に蒸着された導体パターンとして構成することもができる。
ここで、静電結合を利用した通信方式では、送受信機双方の結合用電極同士で静電結合を生じさせるには、結合用電極間で微妙な位置合わせを行なう必要があり、データ通信中はその位置を保持しなければならない。この種の問題に対する解決方法として、送受信機の少なくとも一方において、複数の高周波結合器をアレイ状に配置するという構成が考えられる。本発明に係る高周波結合器は、個々の高周波結合器が広帯域であることから、広帯域の通信システムにおいて高周波結合器をアレイ状に配置して複数の高周波結合器を同時に用いても、広帯域のまま有効に動作することができる。
このような場合、通信相手側の高周波結合器と結合関係にない高周波結合器はほぼ開放端とみなせるように設計することができることから、高周波信号の一部はかかる開放端で反射して、結合関係にある高周波結合器に再び供給され、通信相手側の高周波結合器と結合関係にある高周波結合器にのみ通信回路部から出力される高周波信号が供給されることがある。このとき、元の信号と開放端で反射して戻ってくる信号の干渉を防ぐためには、各高周波結合器間をつなぐ信号線の長さは2分の1波長の整数倍であること、あるいは、送受信回路モジュールと各高周波結合器の間の信号線路の長さの差が2分の1波長の整数倍であることが望ましい。
本発明によれば、高周波数の広帯域信号を用いるUWB通信方式により情報機器間で大容量のデータ通信を行なうことができる、優れた通信システム並びに通信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、超近距離に配置された情報機器間で静電界若しくは誘導電界を利用してUWB通信信号を伝送することができる、優れた通信システム並びに通信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、各情報機器に搭載された結合器間で効率よく高周波信号を伝達し、超近距離において静電界若しくは誘導電界を利用した大容量伝送が可能となる、優れた通信システム並びに通信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、送受信機の結合器間で高周波数帯において電界結合を生じさせるとともに広帯域において有効に動作し、ノイズに強い電界結合伝送路を形成して大容量伝送が可能となる、優れた通信システム並びに通信装置を提供することができる。
本発明に係る通信装置は、高周波結合器のインピーダンス整合部や共振部を分布定数回路であるプリント基板上のパターンすなわちスタブとして構成することができ、広い帯域で好適に動作することができる。
本発明に係る高周波結合器は、個々の高周波結合器が広帯域であることから、高周波結合器をアレイ状に配置して複数の高周波結合器を同時に用いても、通信システムは広帯域のまま有効に動作することができる。
また、本発明によれば、高周波結合器のインピーダンス整合部や共振部を分布定数回路であるプリント基板上のパターンすなわちスタブとして構成することができるが、プリント基板上の導体パターンの直流抵抗が小さいことから、高周波信号でも損失が少なく、高周波結合器間の伝搬損を小さくすることができる。
また、本発明によれば、分布定数回路を構成するスタブのサイズは高周波信号の2分の1波長程度と大きいことから、製造時の公差による寸法の誤差は全体の長さに比較すると微量であり、特性のバラツキが生じにくい。プリント基板上のパターンすなわちスタブのサイズが長くなる分については、スタブを結合用電極の下で折り畳み形状にすることで、従来の高周波結合器のサイズよりも小型に収めることができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、静電界若しくは誘導電界を利用して情報機器間でデータ伝送を行なう通信システムに関する。
静電界若しくは誘導電界に基づく通信方式によれば、通信相手が近くに存在しないときには結合関係がなく電波を放射しないので、他の通信システムを妨害することはない。また、遠方から電波が到来してきても、結合器が電波を受信しないので、他の通信システムからの干渉を受けなくて済む。
また、アンテナを用いた従来の電波通信では放射電界の電界強度が距離に反比例するのに対し、誘導電界では電界強度が距離の2乗に、静電界では電界強度が距離の3乗に反比例して減衰することから、電界結合に基づく通信方式によれば、近隣に存在する他の無線システムにとってノイズ・レベル程度となる微弱無線を構成することができ、無線局の免許を受ける必要はなくなる。
なお、時間的に変動する静電界のことを「準静電界」と呼ぶこともあるが、本明細書ではこれを含めて「静電界」に統一して称することにする。
従来の静電界若しくは誘導電界を利用した通信では、低周波信号を用いるため大量のデータ伝送には不向きである。これに対し、本発明に係る通信システムでは、高周波信号を電界結合で伝送することによって、大容量伝送が可能である。具体的には、UWB(Ultra Wide Band)通信のように高周波、広帯域を使用する通信方式を電界結合に適用することで、微弱無線であるとともに、大容量データ通信を実現することができる。
UWB通信は、3.1GHz〜10.6GHzという非常に広い周波数帯域を使用し、近距離ながら100Mbps程度の大容量の無線データ伝送を実現することができる。UWB通信は、本来、アンテナを用いた電波通信方式として開発された通信技術であり、例えば、IEEE802.15.3などにおいて、UWB通信のアクセス制御方式として、プリアンブルを含んだパケット構造のデータ伝送方式が考案されている。また、米インテル社は、UWBのアプリケーションとして、パソコン向けの汎用インターフェースとして普及しているUSBの無線版を検討している。
また、UWB通信は、3.1GHz〜10.6GHzという伝送帯域を占有しなくても100Mbpsを超えるデータ伝送が可能であることやRF回路の作り易さを考慮して、3.1〜4.9GHzのUWBローバンドを使った伝送システムも開発が盛んである。本発明者らは、UWBローバンドを利用したデータ伝送システムを、モバイル機器に搭載する有効な無線通信技術の1つと考えている。例えば、ストレージ・デバイスを含む超高速な近距離用のDAN(Device Area Network)など、近距離エリアにおける高速データ伝送を実現することが可能である。
本発明者らは、静電界若しくは誘導電界を利用したUWB通信システムによれば、微弱電界によるデータ通信が可能であるとともに、例えば動画像やCD1枚分の音楽データといった大容量のデータを高速且つ短時間で転送することができる、と考えている。
図14には、静電界若しくは誘導電界を利用した非接触通信システムの構成例を示している。図示の通信システムは、データ送信を行なう送信機10と、データ受信を行なう受信機20で構成される。同図に示すように送受信機それぞれの高周波結合器を向かい合わせて配置すると、2つの電極が1つのコンデンサとして動作し、全体としてバンドパス・フィルタのように動作することから、2つの高周波結合器の間で効率よく高周波信号を伝達することができる。図示の通信システムにおいて、電界結合による伝送路を好適に形成するには、送受信機の高周波結合器間において、十分なインピーダンス整合がとられていることと、高周波数帯で且つ広帯域において有効に動作することが必要である。
送信機10及び受信機20がそれぞれ持つ送受信用の電極14及び24は、例えば3cm程度離間して対向して配置され、電界結合が可能である。送信機側の送信回路部11は、上位アプリケーションから送信要求が生じると、送信データに基づいてUWB信号などの高周波送信信号を生成し、送信用電極14から受信用電極24へ信号が伝搬する。そして受信機20側の受信回路部21は、受信した高周波信号を復調及び復号処理して、再現したデータを上位アプリケーションへ渡す。
UWB通信のように高周波、広帯域を使用する通信方式によれば、近距離において100Mbps程度の超高速データ伝送を実現することができる。また、電波通信ではなく電界結合によりUWB通信を行なう場合、その電界強度は距離の3乗若しくは2乗に反比例することから、無線設備から3メートルの距離での電界強度(電波の強さ)が所定レベル以下に抑制することで無線局の免許が不要となる微弱無線とすることが可能であり、安価に通信システムを構成することができる。また、電界結合方式により超近距離でデータ通信を行なう場合、周辺に存在する反射物により信号の質が低下することはない、伝送路上でハッキングの防止や秘匿性の確保を考慮する必要がない、といった利点がある。
一方、波長に対する伝搬距離の大きさに応じて伝搬損が大きくなることから、電界結合により高周波信号を伝搬する際には、伝搬損を十分低く抑える必要がある。UWB信号のように高周波数の広帯域信号を電界結合で伝送する通信方式では、3cm程度の超近距離通信であっても、使用周波数帯4GHzにとっては約2分の1波長に相当するため、無視することはできない長さである。とりわけ、高周波回路では、低周波回路に比べると特性インピーダンスの問題はより深刻であり、送受信機の電極間の結合点においてインピーダンス不整合による影響は顕在化する。
kHzあるいはMHz帯の周波数を使った通信では、空間での伝搬損が小さいため、図17に示すように送信機及び受信機が電極のみからなる結合器を備え、結合部分が単純に平行平板コンデンサとして動作する場合であっても、所望のデータ伝送を行なうことができる。しかしながら、GHz帯の高周波を使った通信では、空間での伝搬損が大きいため、信号の反射を抑え、伝送効率を向上させる必要がある。図18に示すように、送信機及び受信器のそれぞれにおいて高周波信号伝送路が所定の特性インピーダンスZ0に調整されているとしても、平行平板コンデンサで結合しただけでは、結合部においてインピーダンス・マッチングをとることはできない。このため、結合部におけるインピーダンス不整合部分において、信号が反射することにより伝搬損が生じてしまい、効率が低下する。
例えば、送信回路部11と送信用電極14を結ぶ高周波信号伝送路は50Ωのインピーダンス整合がとられた同軸線路であったとしても、送信用電極14と受信用電極24間の結合部におけるインピーダンスが不整合であると、信号は反射して伝搬損を生じる。
そこで、送信機10及び受信機20のそれぞれに配置される高周波結合器を、図13に示すように、平板状の電極14、24と、直列インダクタ12、22、並列インダクタ13、23を高周波信号伝送路に接続して構成している。このような高周波結合器を、図19に示すように向かい合わせて配置すると、2つの電極が1つのコンデンサとして動作し、全体としてバンドパス・フィルタのように動作するため、2つの高周波結合器の間で効率よく高周波信号を伝達することができる。ここで言う高周波信号伝送路とは、同軸ケーブル、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路などを示す。
ここで、送信機10と受信機20の電極間すなわち結合部分において、単にインピーダンス・マッチングを取り、反射波を抑えることだけを目的とするのであれば、図20Aに示すように、各結合器を平板状の電極14、24と、直列インダクタ12、22、並列インダクタ13、23を高周波信号伝送路に接続して構成する必要はなく、図20Bに示すように各結合器を平板状の電極14、24と直列インダクタを高周波信号伝送路に接続するという簡素な構造であってもよい。すなわち、高周波信号伝送路上に直列インダクタを挿入するだけでも、送信機側の結合器に対向して超近距離で受信機側の結合器が存在する場合において、結合部分におけるインピーダンスが連続的となるように設計することは可能である。
但し、図20Bに示す構成例では、結合部分の前後における特性インピーダンスに変化はないので電流の大きさも変わらない。これに対し、図20Aに示したように、高周波信号伝送路末端の電極の手前において並列インダクタンスを介してグランドに接続した場合、結合器単体としては、結合器の手前側の特性インピーダンスZ0に対し、結合器の先の特性インピーダンスZ1は低下する(すなわちZ0>Z1)というインピーダンス変換回路としての機能を備えることになり、結合器への入力電流I0に対し結合器の出力電流I1を増幅する(すなわちI0<I1)ことができる。
図21A及び図21Bには、並列インダクタンスを設けた場合と設けない場合の結合器のそれぞれにおいて、電極間の電界結合によって電界が誘起される様子を示している。同図からも結合器は直列インダクタに加えて並列インダクタを設けることによって、より大きな電界を誘起して、電極間で強く結合させることを理解できよう。また、図21Aに示すようにして電界近傍に大きな電界を誘起したとき、発生した電界は進行方向に振動する縦波として電極面の正面方向に伝搬する。この電界の波により、電極間の距離が比較的大きな場合であっても電極間で信号を伝搬することが可能になる。
したがって、UWB信号などの高周波信号を電界結合により伝送する通信システムでは、高周波結合器として必須の条件は以下の通りとなる。
(1)電界で結合するための電極があること。
(2)より強い電界で結合させるための並列インダクタがあること。
(3)通信に使用する周波数帯において、結合器を向かい合わせに置いたときにインピーダンス・マッチングが取れるように、インダクタ、及び電極によるコンデンサの定数が設定されていること。
図19に示したように電極が対向する1組の高周波結合器からなるバンドパス・フィルタは、直列インダクタと並列インダクタのインダクタンス、電極によって構成されるコンデンサのキャパシタンスによって、その通過周波数f0を決定することができる。図15には、1組の高周波結合器からなるバンドパス・フィルタの等価回路を示している。特性インピーダンスR[Ω]、中心周波数f0[Hz]、入力信号と通過信号の位相差をα[ラジアン](π<α<2π)、電極によって構成されるコンデンサのキャパシタンスをC/2とすると、バンドパス・フィルタを構成する並列及び直列インダクタンスの各定数L1、L2は、使用周波数f0に応じて下式で求めることができる。
また、結合器単体としてインピーダンス変換回路として機能する場合、その等価回路は図22に示す通りとなる。図示の回路図において、下式を満たすように、使用周波数f0に応じて並列インダクタンスL1及び直列インダクタンスL2をそれぞれ選ぶことにより、特性インピーダンスをR1からR2へ変換するインピーダンス変換回路を構成することができる。
このように、図14に示した非接触通信システムでは、UWB通信を行なう通信機は、従来の電波通信方式の無線通信機においてアンテナを使用する代わりに、図13に示した高周波結合器を用いることで、従来にない特徴を持った超近距離データ伝送を実現することができる。
図19に示したように、超近距離を隔てて互いの電極が対向する2つの高周波結合器は、所望の周波数帯の信号を通過するバンドパス・フィルタとして動作するとともに、単体の高周波結合器としては電流を増幅するインピーダンス変換回路として作用する。他方、高周波結合器が自由空間に単独で置かれるとき、高周波結合器の入力インピーダンスは高周波信号伝送路の特性インピーダンスと一致しないので、高周波信号伝送路から入った信号は高周波結合器内で反射され、外部に放射されない。
したがって、図14に示した非接触通信システムでは、送信機側では、通信を行なうべき相手がいないときには、アンテナのように電波を垂れ流すことはなく、通信を行なうべき相手が近づいてそれぞれの電極がコンデンサを構成したときのみ、図19に示したようにインピーダンス整合がとれることによって、高周波信号の伝達が行なわれる。
ここで、送信機側の結合用電極において発生する電磁界について考察してみる。図23には、微小ダイポールによる電磁界を表している。また、図24には、この電磁界を結合用電極上にマッピングしている。図示のように電磁界は、伝搬方向と垂直な方向に振動する電界成分(横波成分)Eθと、伝搬方向と平行な向きに振動する電界成分(縦波成分)ERに大別される。また、微小ダイポール回りには磁界Hφが発生する。下式は微小ダイポールによる電磁界を表しているが、任意の電流分布はこのような微小ダイポールの連続的な集まりとして考えられるので、それによって誘導される電磁界にも同様の性質がある(例えば、虫明康人著「アンテナ・電波伝搬」(コロナ社、16頁〜18頁、1961年2月28日初版発行)を参照のこと)。
上式から分るように、電界の横波成分は、距離に反比例する成分(放射電界)と、距離の2乗に反比例する成分(誘導電界)と、距離の3乗に反比例する成分(静電界)で構成される。また、電界の縦波成分は、距離の2乗に反比例する成分(誘導電界)と、距離の3乗に反比例する成分(静電界)のみで構成され、放射電界の成分を含まない。また、電界ERは、|cosθ|=1となる方向、すなわち図23中の矢印方向で最大となる。
無線通信において広く利用されている電波通信では、アンテナから放射される電波はその進行方向と直交方向に振動する横波Eθであり、電波は偏波の向きが直交すると通信することができない。これに対し、静電界や誘導電界を利用した通信方式において結合電極から放射される電磁波は、横波Eθの他に、進行方向に振動する縦波ERを含む。縦波ERは「表面波」とも呼ばれる。ちなみに、表面波は、導体や、誘電体、磁性体などの媒体の内部を通じて伝搬することもできる。
電磁界を利用した伝送波のうち位相速度vが光速cより小さいものを遅波、大きいものを速波という。表面波は前者の遅波に相当する。
非接触通信システムでは、放射電界、静電界、誘導電界のいずれの成分を媒介として信号を伝達することもできる。しかしながら、距離に反比例する放射電界は比較的遠くにある他のシステムへの妨害波になるおそれがある。このため、放射電界の成分を抑制すること、言い換えれば、放射電界の成分を含む横波Eθを抑制しながら、放射電界の成分を含まない縦波ERを利用した非接触通信が好ましい。
なお、上述した観点から、本実施形態に係る高周波結合器では、以下のような工夫をしている。まず、電磁界を示した上記の3式より、θ=0゜という関係を有する場合に、Eθ=0となり、且つ、ER成分が極大値をとることが分かる。すなわち、Eθは電流の流れる向きに対して垂直な方向で最大になり、ERは電流の流れる向きと平行な方向で最大になる。したがって、電極面に対して垂直な正面方向のERを最大にするには、電極に対して垂直な方向の電流成分を大きくすることが望ましい。一方、電極の中心から給電点をオフセットさせた場合には、このオフセットに起因して、電極に対して平行な方向に対する電流成分が増加する。そして、この電流成分に応じて電極の正面方向のEθ成分が増加してしまう。このため、本実施形態に係る高周波結合器では、図16Aに示すように電極の略中心位置に給電点を設け(後述)、ER成分が最大となるようにしているのである。
勿論、旧来のアンテナでも放射電界だけでなく、静電界や誘導電界が発生し、送受信アンテナを近接させれば電界結合が起きるが、エネルギの多くは放射電界として放出され、非接触通信としては効率的でない。これに対し、図13に示した高周波結合器は、所定の周波数においてより強い電界ERを作り伝送効率を高めるように、結合用電極及び共振部が構成されている。
図13に示した高周波結合器を送信機側で単独で使用した場合、結合用電極の表面には縦波の電界成分ERが発生するが、放射電界を含む横波成分EθはERに比べ小さいことから、電波はほとんど放射されない。すなわち、近隣の他システムへの妨害波を発生しない。また、高周波結合器に入力された信号のほとんどが電極で反射して入力端に戻る。
これに対し、1組の高周波結合器を使用した場合、すなわち送受信機間で高周波結合器を近距離に配置されたときには、結合用電極同士が主に準静電界成分によって結合して1つのコンデンサのように働いて、バンドパス・フィルタのように動作し、インピーダンス・マッチングが取れた状態になっている。したがって、通過周波数帯では信号・電力の大部分は相手方に伝送され、入力端への反射は少ない。ここで言う「近距離」は波長λによって定義され、結合用電極間の距離dがd≪λ/2πであることに相当する。例えば、使用周波数f0が4GHzであれば電極間距離が10mm以下のときである。
また、送受信機間で高周波結合器を中距離に配置したときには、送信機側の結合用電極の周囲には、静電界は減衰し、主に誘導電界からなる電界ERの縦波が発生する。電界ERの縦波は、受信機側の結合用電極で受け取られ、信号が伝送される。但し、両結合器を近距離に配置した場合と比較すると、送信機側の高周波結合器では、入力された信号が電極で反射して入力端に戻る割合が高くなる。ここで言う「中距離」は波長λによって定義され、結合用電極間の距離dがλ/2πの1〜数倍程度であり、使用周波数f0が4GHzであれば電極間距離が10〜40mmのときである。
既に述べたように、図13に示した高周波結合器では、インピーダンス整合部は並列インダクタ及び直列インダクタの定数L1、L2により動作周波数f0が決定される。これら直列インダクタ12、22、並列インダクタ13、23を集中定数回路とみなされる回路素子で構成することが一般的な回路製作方法である。ところが、高周波回路では集中定数回路は分布定数回路よりも帯域が狭いことが知られており、また周波数が高いときインダクタの定数は小さくなるので、定数のばらつきによって共振周波数がずれるという問題がある。
そこで、本発明では、インピーダンス整合部や共振部を集中定数回路から分布定数回路に代えて高周波結合器を構成することで、広帯域化を実現するようにした。
図1には、本発明の一実施形態に係る高周波結合器の構成例を示している。
図示の例では、下面にグランド導体102が形成されるとともに、上面に印刷パターンが形成されたプリント基板上101に、高周波結合器が配設されている。高周波結合器のインピーダンス整合部並びに共振部として、並列インダクタと直列インダクタの代わりに、分布定数回路としての導体パターンすなわちスタブ103が形成され、信号線パターン104を介して送受信回路モジュール105と結線している。スタブ103は、先端においてプリント基板101を貫挿するスルーホール106を介して下面のグランド102に接続してショートされ、また、スタブ103の中央付近において金属線107を介して結合用電極108に接続される。
なお、電子工学の技術分野で言う「スタブ(stub)」は、一端を接続、他端を未接続又はグランド接続した電線の総称であり、調整、測定、インピーダンス整合、フィルタなどの用途で回路の途中に設けられる。
スタブ103の長さは高周波信号の2分の1波長程度とし、信号線104とスタブ103はプリント基板101上のマイクロストリップ線路、コプレーナ線路などで形成される。スタブ103の長さが2分の1波長で先端がショートしているとき、スタブ103内に発生する定在波の電圧振幅はスタブの先端で0となり、スタブの中央、すなわちスタブ103の先端から4分の1波長のところで最大となる(図2を参照のこと)。電圧振幅が最大となるスタブ103の中央に結合用電極108を金属線107で接続することで、伝搬効率の良い高周波結合器を作ることができる。
インピーダンス整合部をスタブ103すなわちプリント基板101上の導体パターンからなる分布定数回路で構成することにより、広い帯域にわたって均一な特性を得ることができることから、DSSSやOFDMといった広帯域信号に周波数拡散する変調方式を適用することが可能になる。スタブ103は、プリント基板101上の導体パターンであり、その直流抵抗が小さいことから、高周波信号でも損失が少なく、高周波結合器間の伝搬損を小さくすることができる。
分布定数回路を構成するスタブ103のサイズは高周波信号の2分の1波長程度と大きいことから、製造時の公差による寸法の誤差は全体の長さに比較すると微量であり、特性のバラツキが生じにくい。
図8には、インピーダンス整合部を集中定数回路及び分布定数回路でそれぞれ構成した場合の高周波結合器の周波数特性の比較を示している。但し、集中定数回路でインピーダンス整合部を構成した高周波結合器は、図6に示すように、プリント基板上の信号線パターンの先端に金属線を介して結合用電極を配設するとともに、信号線パターンの先端に並列インダクタ部品を実装し、並列インダクタの他端をプリント基板内のスルーホールを介してグランド導体に接続したものを想定している。また、分布定数回路でインピーダンス整合部を構成した高周波結合器は、図7に示すように、プリント基板上に形成された2分の1波長の長さからなるスタブの中央に金属線を介して結合用電極を配設し、スタブをその先端においてプリント基板内のスルーホールを介してグランド導体に接続したものを想定している。いずれの高周波結合器もそれぞれ動作周波数が3.8GHz付近になるように調整されているものとする。また、図6、図7のいずれにおいても、マイクロストリップ線路によりポート1からポート2に向かって高周波信号が伝達され、マイクロストリップ線路の途中にそれぞれの高周波結合器が配設されている。そして、周波数特性は、ポート1からポート2への伝達特性として測定し、その結果が図8に示されている。
高周波結合器は、他の高周波結合器と結合関係にないときは開放端とみなせるので、ポート1から入力された高周波信号は高周波結合器には供給されず、そのままポート2へと伝送される。したがって、高周波結合器の動作周波数である3.8GHz付近ではどちらの高周波結合器の場合もポート1からポート2へ伝送される信号強度を表す伝搬損S21が大きな値となっている。しかし、図6に示す高周波結合器の場合、動作周波数から前後に外れた周波数ではS21の値が大きく落ち込んでいる。これに対し、図7に示した高周波結合器では動作周波数を中心とした広い周波数帯域に渡ってS21の値が大きい良好な特性を保っていることが分かる。すなわち、インピーダンス整合部を分布定数回路で構成することで、高周波結合器が広帯域において有効に動作すると言うことができよう。
スタブ103の中央付近において金属線107を介して結合用電極108が接続されるが、この金属線は結合用電極108のほぼ中央で接続することが好ましい。何故ならば、結合用電極の中心に高周波伝送線路を接続することにより、電極内に均等に電流が流れて電極正面に電極面とほぼ垂直な向きに不要な電波を放射しないが(図16Aを参照のこと)、結合用電極の中心からオフセットのある位置に高周波伝送線路を接続すると、結語用電極内に不均等な電流が流れてマイクロストリップ・アンテナのように動作して不要な電波を放射してしまうからである(図16Bを参照のこと)。
また、電波通信の分野では、図36に示すようにアンテナ素子の先端に金属を取り付けて静電容量を持たせ、アンテナの高さを短縮させる「容量装荷型」のアンテナが広く知られており、一見して図13に示した結合器と構造が類似する。ここで、本実施形態で送受信機において用いられる結合器と容量装荷型アンテナとの相違について説明しておく。
図36に示した容量装荷型アンテナは、アンテナの放射エレメントの周囲B1及びB2方向に電波を放射するが、A方向は電波を放射しないヌル点となる。アンテナの周りに発生する電界を詳細に検討すると、アンテナからの距離に反比例して減衰する放射電界と、アンテナからの距離の2乗に反比例して減衰する誘導電界と、アンテナからの距離の3乗に反比例して減衰する静電界が発生する。そして、誘導電界と静電界は放射電界に比べ距離に応じて急激に減衰するため、通常の無線システムでは放射電界についてのみ議論され、誘導電界と静電界は無視されることが多い。したがって、図36に示す容量装荷型アンテナであっても、Aの方向に誘導電界と静電界を発生させているが、空気中で速やかに減衰するため、電波通信では積極的には利用されていない。
図1に示した高周波結合器において、プリント基板101の回路実装面上のスタブ103から金属線107を介して接続される結合用電極108まで十分な高さをとることによって、グランド導体102と結合用電極108との静電結合を回避して、高周波結合器としての機能(すなわち、図示しない受信機側の高周波結合器との静電結合作用)を確保する。但し、回路実装面から結合用電極108までの高さが大き過ぎると、プリント基板101と結合用電極108間を接続する金属線107がアンテナとして作用して、その内部を流れる電流により不要な電波を放出するという弊害がある。この場合、高周波結合器の共振部におけるアンテナとしての振る舞いによる放射電波は距離に対する減衰が静電界や誘導電界よりも小さいため、無線設備から3メートルの距離での電界強度が所定レベル以下となる微弱無線に抑えることが困難になる。よって、金属線107の長さは、グランド導体102との結合を回避して高周波結合器としての特性を十分に得ることと、この金属線107に流れる電流による不要電波の放射が大きくならない(すなわち金属線107からなる共振部のアンテナとしての作用が大きくならない)程度であることが条件となる。
並列インダクタ並びに直列インダクタを分布定数回路で構成した高周波結合器の場合、その性能に影響を及ぼすと考えられる寸法パラメータとして、スタブの幅W、スタブの長さL1、並びに、スタブの先端(若しくはスルーホール106の位置)から結合用電極108(若しくは金属線107)の取り付け位置までの距離L2が挙げられる。
既に述べたように、スタブ103の長さは、使用する高周波信号の2分の1波長の大きさであり、また、結合用電極108の取り付け位置L2は、定在波の最大振幅が得られる4分の1波長の位置であることが好ましい(図2を参照のこと)。
ここで、本発明者らは、送受信機の結合用電極間の距離を変化させながら、結合用電極108の取り付け位置L2毎の伝搬損S21を実測してみた。但し、高周波結合器の結合用電極のサイズを8mm×8mmとし、電極高さ(金属線長さ)を3mmとし、基板寸法を20mm×20mm、その厚さを0.8mmとし、基板誘電率を3.4と仮定した。また、スタブの長さL1は使用周波数における波長の2分の1とし、その幅Wを1.8mmに設定した。図26には、その結果を示している。
図26から、結合用電極108の取り付け位置L2が4分の1波長のとき、すなわち、2分の1波長のショート・スタブに定在波が立ったときに電圧振幅が最大となる位置に結合用電極108を取り付けたときに、高周波結合器同士の結合が強くなることが分かる。
一般に、金属はアンテナの効率的な電波の放射を妨げるため、アンテナの放射エレメントの近傍にグランドなどの金属を配置することができない。これに対し、本実施形態に係る通信システムでは、高周波結合器は結合用電極108の裏面側に金属を配置しても特性が悪化しない。また、スタブを折り曲げて基板上に配置することで、従来のアンテナよりも小型に作ることができる。また、伝搬方向と平行な向きに振動する電界成分(縦波成分)ERは偏波を持たないため、向きが変わっても一定の通信品質を確保することができる。
また、アンテナは距離に反比例して減衰する放射電界を介して信号の伝達を行なう。これに対し、本実施形態に係る高周波結合器は、主に距離の2乗に反比例して減衰する誘導電界、及び距離の3乗に反比例して減衰する静電界を介して信号の伝達を行なう。とりわけ静電界は、電極間の距離が大きくなると急激に電気的な結合が低下して通信を行なうことができなくなるが、このことは超近距離において微弱電界を用いた通信に適していることを意味する。
図27及び図28には、図25に示した2つの高周波結合器を対向させて配置し、結合用電極間の距離を変えたときのSパラメータの実測値を示している。Sパラメータは、送信側から放射された信号が受信側で反射して戻ってくる反射特性S11に相当するVSWR(Voltage Standing wave Ratio)と、送信側から放射された信号が受信側に到達するまでの伝搬損S21からなり、図27及び図28にそれぞれを示している。
一般に、VSWRは2以下であることが推奨される。図27から、4GHzで動作する高周波結合器について、送受信間距離が10mm以下のときVSWRが小さな値となりインピーダンス・マッチングがとれている。このとき、高周波結合器の結合用電極同士が主に準静電界によって結合し1つのコンデンサのように動作していると考えられる。一方、送受信間距離が10mm以上のとき、VSWRは比較的大きな値をとり、インピーダンス・マッチングは取れていない。このとき、2つの高周波結合器は主に縦波の誘導電界によって信号を伝達し結合していると考えられる。
また、図28から、送受信間距離が大きくなるにつれて伝搬損S21が小さな値になることが判る。
高周波結合器はアンテナのように偏波を持たないため、高周波結合器同士の向きが変わっても一定の通信品質を確保することができる(前述)。本発明者らは、高周波結合器の向きや相対的な位置関係を変えながら、伝搬損S21を実測してみた。具体的には、送信側の高周波結合器を(0,0)の位置に置いて、周知のネットワーク・アナライザの一方のポートに接続し、受信側の高周波結合器を同ネットワーク・アナライザの他方のポートに接続する。そして、受信側の高周波結合器の位置を変えたときの高周波結合器間の伝搬損S21を測定する。また、測定周波数は4GHzとする。
図29には、送信側の高周波結合器と受信側の高周波結合器は向きが同じ(すなわち0度)になるように置いたときの高周波結合器間の伝搬損S21の実測値を示している。また、図30には、受信側の高周波結合器の向きを90度だけ回転させて、同様に高周波結合器間の伝搬損S21を実測した結果を示している。両図を比較すると、測定結果は、回転の前後でほとんど差がない。つまり、高周波結合器によって生じる電界は偏波を持たないことが分かる。
なお、比較のため、従来の直線偏波アンテナを用いての向きを変えながら、伝搬損S21を実測してみた。具体的には、送信側の直線偏波アンテナを(0,0)の位置に置いて、周知のネットワーク・アナライザの一方のポートに接続し、受信側の直線偏波アンテナを同ネットワーク・アナライザの他方のポートに接続する。そして、受信側の直線偏波アンテナの位置を変えたときの直線偏波アンテナ間の伝搬損S21を測定する。また、測定周波数は4GHzとする。
図31には、送受信間で直線偏波アンテナは向きが同じ(すなわち0度)になるように置いたときの伝搬損S21の実測値を示している。また、図32には、受信側の直線偏波アンテナの向きを90度だけ回転させて同様に伝搬損S21を実測した結果を示している。両図を比較すると、受信側の直線偏波アンテナの向きが90度のとき、すなわち送受信の偏波が直交するときには、アンテナ間の伝搬損は大きく信号の伝達強度は弱い。すなわち、直線偏波アンテナにおいては、向きが変わると通信品質を保証できなくなる。
図33には、高周波結合器間と直線偏波アンテナ間(偏波の向きが同じとき)の送受信間距離と伝搬損S21の関係の実測値を示している。但し、測定周波数は4GHzである。放射電界は距離に反比例して緩やかに減衰するのに対し、誘導電界や静電界の電界強度はそれぞれ距離の2乗並びに3乗に反比例して急峻に減衰する(前述)。したがって、図示のように、高周波結合器間の方が近距離では強く結合するが、距離による減衰が大きい。
また、図34には、図33に示した測定結果から受信電力の平方根(すなわち電界強度)の対数を縦軸に、送受信間距離の対数を横軸にプロットし、それぞれの測定値を最小2乗法で1次近似した直線を示している。各直線の傾きから、周波数4GHz、送受信間距離1〜5cmの範囲では、高周波結合器によって生じる電界は距離のほぼ−2乗に比例する誘導電界が支配的であり、他方の直線偏波アンテナによって生じる電界は距離のほぼ−1乗に比例する放射電界が支配的であることが分かる。
アンテナの放射エレメントの近傍にグランドなどの金属を配置することができないのに対し、高周波結合器は電極108の裏面側にグランドとなる金属を配置しても特性が悪化しない。図35には、高周波結合器の背面のグランドのサイズを変えたときの高周波結合器間の伝搬損S21の測定結果を示している。但し、測定周波数は4GHzであり、結合用電極のサイズは8mm×8mmとする。高周波結合器の背面のグランドサイズが大きいほど背面方向への電界の漏れが少なくなるため、正面方向の伝搬損S21が大きくなると考えられる。グランドは無限に大きくする必要はなく、実質的には1辺が結合用電極のサイズの2倍以上、面積にして4倍以上あればほぼ十分である。
既に述べたように、スタブ103の寸法は、定在波の最大振幅が得られる4分の1波長の位置に結合用電極を配設することが望ましい。
ここで、使用周波数帯として3.1〜4.9GHzのUWBローバンド(前述)を想定した場合、自由空間での波長の長さは75mm程度となり、基板の誘電率によって波長短縮されるにしても図1に示したようにスタブ103を直線状に形成すると、スタブ103が結合用電極108の占有面積内に収まらないため、プリント基板101上の実装効率を損ねる場合がある。因みに、結合用電極108の寸法は10×10mm程度であることを考慮すると、スタブ103の寸法とバランスがとれていない。
そこで、スタブ103のパターンを折り曲げ形状にして、2分の1波長という寸法を保ちながら結合用電極108の占有面積内に収容するようにしてもよい。すなわち、プリント基板101上のパターンすなわちスタブ103のサイズが長くなる分については、スタブ103を結合用電極108の下で折り畳み形状にすることで、従来の高周波結合器のサイズよりも小型に収めることができる。
高周波結合器の実際の構成例について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3には、スタブ103を結合用電極108の下で折り曲げた高周波結合器を示している。高周波結合器として動作するにはスタブ103の長さが2分の1波長程度であればよく、スタブ103は必ずしも直線である必要はないので、同図に示したように折り畳むことで、高周波結合器全体としての寸法を小さくすることができる。
上述したように、グランド導体102と結合用電極108との電界結合を回避という観点から、プリント基板101の回路実装面から結合用電極108までの高さは重要である。
例えば、図4に示すように、適切な高さを持つスペーサ109の上面に結合用電極108を配設し、スペーサ109内を貫挿するスルーホール110を介してスタブ103の中央部分に接続するように構成されている。このスペーサ109は、絶縁体で製作され、結合用電極108を所望の高さにて支持する役割を持つ。所望の高さを持つ柱状の誘電体にスルーホールを形成した後、このスルーホール中に導体を充填させるとともに、上端面に結合用電極となるべき導体パターンを蒸着することにより、スペーサ109を製作することができる。結合用電極が形成されたスペーサ109は、例えばリフロー半田などの工程により、プリント基板101上に実装される。
また、図5には、結合用電極108及び金属線としてのスルーホール109が形成されたスペーサ109を表面実装部品としてプリント基板101上に搭載する様子を示している。
図示の例では、絶縁体からなるスペーサ109の上下の各表面に、結合用電極108と折り畳み状のスタブ103が形成されている。例えば、所望の高さを持つ柱状の誘電体にスルーホールを形成した後、このスルーホール中に導体を充填させるとともに、鍍金技術により結合用電極108並びにスタブ103の導体パターンを誘電体の上下の各端面に蒸着することによって、スペーサ109を製作することができる。このとき、上端面の結合用電極108は、スペーサ109内を貫挿するスルーホール110を介して、下端面側のスタブ103の中央部分に接続されている。
また、プリント基板101上には、スペーサ109の両端とそれぞれ接合する導体パターン111並びに112が形成されている。一方の導体パターン111は送受信回路モジュール105から引き出された信号線であり、他方の導体パターン112はプリント基板101を貫挿するスルーホール106を介してグランド導体102と接続している。結合用電極と折り畳み状のスタブが形成されたスペーサ109は、例えばリフロー半田などの工程により、プリント基板101上に実装される。
なお、図5に示した例では、スペーサ109の上端面及び下端面に結合用電極108とスタブ103がそれぞれ蒸着されているが、その変形例として、結合用電極108のみをスペーサ109に蒸着し、スタブ103はプリント基板101上に導体パターンとして配設し、スペーサ109を表面実装した際にスペーサ109内のスルーホール110を介して結合用電極108とスタブ103を接続するように構成することもできる。
図4及び図5に示した高周波結合器の構成例において、スペーサ109は絶縁体で製作されるが(前述)、誘電率の高い材質を用いた場合には、波長短縮効果により実質的に波長に相当する長さが短くなることから、スタブ103並びに結合用電極108の寸法を小さくすることができる。
スペーサ109の高さ(すなわちスルーホール110の長さ)は、プリント基板101の回路実装面から結合用電極14までの高さに相当し、結合用電極108とグランド102との電界結合を回避する役割と、スルーホール110による直列インダクタを形成する役割を兼ね備えている。スペーサ109の高さを使用波長に応じて適当に調整することで、スルーホール110が直列インダクタを構成し、グランド102と結合用電極108との電界結合を回避して、高周波結合器としての機能を確保する。使用波長に応じて適当に調整することで、スルーホール110がインダクタンスを持ち、図13に示した直列インダクタ12と代用することができる。但し、スペーサ109の高さが大きい、すなわちプリント基板101の回路実装面から結合用電極108までの距離が使用波長に対して無視できない長さになると、スルーホール110はアンテナとして作用して、その内部を流れる電流により不要な電波を放出するという弊害がある。
ここで、静電界若しくは誘導電界による電界結合を利用した通信方式では、結合用電極同士で静電結合を生じさせるには、送受信機間で互いの結合用電極の微妙な位置合わせを行なう必要があり、データ通信中はその位置を保持しなければならない。機器内のどの部分に結合用電極が配置され、どの箇所を接触させればよいのか、あるいはどのような角度で電極部位同士を向き合わせれば最適な通信状況になるのか、ユーザにとっては分かり難いことが多く、このため最大の通信速度を得られない可能性がある。
この種の問題に対する解決方法として、複数の高周波結合器をアレイ状に配置するという構成が考えられる。電波通信の場合、複数の送信アンテナを並列して設けると、送信電力は各アンテナに分散してしまい個々のアンテナの出力は低下することから、通信に寄与しないアンテナは送信電力を徒に浪費してしまう。これに対し、電界結合による通信方式においては、他の高周波結合器と結合関係にあるもののみが高周波信号の伝達を行ない、その他の高周波結合器はほぼ開放端とみなせるように設計することができる。すなわち、複数の高周波結合器をアレイ状に並べても、通信相手側の高周波結合器と電界結合しない高周波結合器は送信電力を浪費するという問題は深刻でない。また、本実施形態に係る高周波結合器は、個々の高周波結合器が広帯域であることから、広帯域の通信システムにおいて高周波結合器をアレイ状に配置して複数の高周波結合器を同時に用いても、広帯域のまま有効に動作することができる。
図9には、図1に示した高周波結合器をプリント基板上で複数配置した様子を示している。各高周波結合器のスタブの一端は、信号線路を介して1つの送受信回路モジュールに並列接続されている。また、図10には、図4又は図5に示した高周波結合器をプリント基板上で複数配置した様子を示している。
図示の3個の高周波結合器1〜3のうち、他の高周波結合器と結合関係にあるもののみが高周波信号の伝達を行ない、その他の高周波結合器は開放端となる。例えば、同図中の高周波結合器2のみが通信相手側の高周波結合器(図示しない)と結合関係にあるときには、送受信回路モジュールからの出力信号は高周波結合器1には供給されず、高周波結合器2を通って、通信相手側の高周波結合器に信号を伝達する。
また、送受信回路部からの出力信号の一部は、高周波結合器2を通過してさらに信号線を伝わって高周波結合器3まで達した後、高周波結合器3の手前で反射し、再び高周波結合器2に供給される。ここで、元の信号と反射して戻ってくる信号の干渉を防ぐためには、各高周波結合器間をつなぐ信号線の長さは2分の1波長の整数倍であること、あるいは、送受信回路モジュールと各高周波結合器の間の信号線路の長さの差が2分の1波長の整数倍であることが望ましい。これにより、単に送受信回路モジュールからの信号を分配器により複数に分配し、それぞれの高周波結合器に供給するのに比べて、他の高周波結合器と結合関係にある高周波結合器だけに信号を供給できることから、選択的且つ効果的に信号を伝達することができる。
また、図9並びに図10に示すように高周波結合器を一列に並べるのではなく、図11に示すように1点から複数の高周波結合器にスター状に信号線を分岐し、その先に高周波結合器を配置することもできる。図11に示した配置例においては、分岐点からそれぞれの高周波結合器までをつなぐ信号線の長さを2分の1波長の整数倍とすることにより、送受信回路モジュールと各高周波結合器の間の信号線路の長さの差は2分の1波長の整数倍となるから静電結合する高周波結合器へ供給される元の信号と反射波との干渉を抑えることができる。
また、さらに、図12に示すように図10に示す一列の配置と図11に示す分岐の配置を組み合わせて用いるという配置例を利用しても、元の信号と反射波との干渉を防止する効果を同様に得ることができる。また、使用する高周波結合器の個数が増加する分だけ、通信相手との電極の位置決めの問題は緩和される。
機器の筐体内に帯域の狭いデバイスを複数配置した場合、全体のシステムとしての帯域はさらに狭くなるため、高周波結合器を広帯域の通信システムで同時に複数用いることは難しくなることが予想される。これに対し、本実施形態によれば、個々の高周波結合器が広帯域であることから、広帯域の通信システムにおいて高周波結合器を図9〜図12に示したようにアレイ状に配置して、複数の高周波結合器を同時に用いても、広帯域のまま有効に動作することができる。
図4並びに図5には、図14に示した電界結合方式の非接触通信システムに適用することができる高周波結合器の構成例を示した。但し、高周波結合器の構成方法はこれに限定されるものではない。
例えば、高周波結合器の電極部分を例えば板金加工によって、簡易且つ安価に製作することができる。図37〜図39には、その製作方法を図解している。
各図において、銅などからなる板金にまず打ち抜き加工を施して、結合用電極となる部分と、結合用電極と高周波信号線を接続する脚になる部分を形成する。
続いて、折り曲げ加工を施して、結合用電極部分に対し脚部をほぼ垂直に屈曲させて所望の高さを形成する。ここでいう所望の高さとは、結合用電極部分とグランドとの結合を回避する役割と、この脚部が直列インダクタを形成する役割を兼ね備え得る寸法に相当する。
このようにして出来上がった結合用電極を、例えばプリント基板上の該当する場所に治具(図示しない)などで固定して、リフロー半田などにより固定すればよい。図40には、図39に示した結合用電極を、プリント基板の導体パターンとして形成されたスタブに取り付けた様子を示している。
なお、直列インダクタとして作用する脚部の本数は、例えば、図37及び図39に示すように2本であっても、図38に示すように1本であっても、あるいは3本以上であってもよい。
あるいは、信号線、共振部、及び結合用電極を同一基板上の配線パターンとして形成することによっても、高周波結合器を簡易に製作することができる。図41にはその一例を示している。但し、結合用電極の裏にグランドが重ならないように配置する。図示の高周波結合器は、結合が弱い、帯域が狭いといったような、立体型の高周波結合器に比べると特性で劣る点もあるが、製造コストや小型化(薄型化)という点でメリットがある。
上述したように、本実施形態に係る通信システムによれば、静電界若しくは誘導電界の特徴を利用して、UWB信号の高速通信を行なうことができる。また、通信距離に応じて静電界若しくは誘導電界の結合力が著しく減衰することから、想定外の相手に情報をハッキングされることを防ぎ秘匿性を確保することができる。また、接続したい通信相手に物理的に近づいて情報のやり取りを行なうことで、ユーザにとって直感的に通信相手を選択することができる。本実施形態に係る通信システムは、外部に電波を放射しないため、他の無線システムに影響を与えない。また、外部から飛来する電波を受け取らないため、外来のノイズの影響を受けて受信感度が低下することもない。
これまでは、図14に示した電界結合方式の非接触通信システムにおいて、1組の高周波結合器間で信号を伝送する仕組みについて説明してきた。ここで、2つの機器間で信号を伝送する際には必然的にエネルギの移動を伴うことから、この種の通信システムを電力伝送に応用することも可能である。上述したように、送信機側の高周波結合器で発生した電界ERは表面波として空中を伝搬し、受信機側では高周波結合器で受け取った信号を整流・安定化して電力を取り出すことができる。
図42には、図1に示した高周波結合器を利用した通信システムを電力伝送に応用したときの構成例を示している。
図示のシステムでは、AC電源に接続された充電器と無線通信機を近づけることにより、それらに内蔵する高周波結合器を介して非接触で無線通信機への送電、及び充電を行なう。但し、高周波結合器は電力伝送の用途のみで使用される。
受電する高周波結合器が送電する高周波結合器の近くにないとき、送電用の高周波結合器に入力された電力の大部分は反射してDC/ACインバータ側に戻るため、外部に不要な電波を放射したり必要以上に電力を消費したりすることを抑えることができる。
また、同図では無線通信機への充電を行なう例を挙げたが、充電される側は無線機に限らず例えば音楽プレイヤやデジタルカメラへの非接触電力伝送を行なうようにしてもよい。
また、図43には、図1に示した高周波結合器を利用した通信システムを電力伝送に応用した他の構成例を示している。図示のシステムは、高周波結合器と表面波伝送線路を電力伝送と通信に兼用して使用するように構成されている。
通信及び送電を行なうタイミングの切り替えは送信回路部から送られる通信・送(受)電切り替え信号によって行なう。例えば、通信と送電はあらかじめ決められた周期で切り替えを行なうようにしてもよい。このとき、充電の状態を通信信号に加えて充電器側にフィードバックすることで送電出力を最適に保つことができる。例えば、充電が完了したらその情報を充電器側に送り、送電の出力を0にするようにしてもよい。
同図に示したシステムでは、充電器をAC電源に接続するようにして構成されているが、他にも例えば、電池の少なくなった携帯電話に他の携帯電話から電力を分け与えるような用途に用いてもよい。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、UWB信号を電界結合によりケーブルレスでデータ伝送する通信システムに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。例えば、UWB通信方式以外の高周波信号を使用する通信システムや、比較的低い周波数信号を用いて電界結合によりデータ伝送を行なう通信システムに対しても、同様に本発明を適用することができる。
また、本明細書では1組の高周波結合器間でデータ通信を行なうシステムに対して本発明を適用した実施形態を中心に説明してきたが、2つの機器間で信号を伝送する際には必然的にエネルギの移動を伴うことから、この種の通信システムを電力伝送に応用することも当然にして可能である。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係る高周波結合器の構成例を示した図である。 図2は、スタブ103に定在波が発生している様子を示した図である。 図3は、スタブ103を結合用電極108の下で折り曲げた高周波結合器を示した図である。 図4は、スペーサ109を用いて結合用電極108を支持する様子を示した図である。 図5は、スペーサ109をプリント基板101の表面実装部品として構成した例を示した図である。 図6は、集中定数回路でインピーダンス整合部を構成した高周波結合器を示した図である。 図7は、分布定数回路でインピーダンス整合部を構成した高周波結合器を示した図である。 図8は、インピーダンス整合部を集中定数回路及び分布定数回路でそれぞれ構成した場合の高周波結合器の周波数特性の比較を示した図である。 図9は、図1に示した高周波結合器をプリント基板上で複数配置した様子を示した図である。 図10は、図4並びに図5に示した高周波結合器をプリント基板上で複数配置した様子を示した図である。 図11は、本発明に係る高周波結合器をプリント基板上に実装した配置例を示した図である。 図12は、本発明に係る高周波結合器をプリント基板上に実装した配置例を示した図である。 図13は、インピーダンス整合部や共振部を集中定数回路で構成した高周波結合回路の等価回路を示した図である。 図14は、図13に示した高周波結合器を備えた送信機及び受信機で構成される通信システムの構成例を示した図である。 図15は、図13に示した2つの高周波結合器を対向して配置することにより構成されるバンドパス・フィルタの等価回路を示した図である。 図16Aは、結合用電極の中心に高周波伝送線路を接続した様子を示した図である。 図16Bは、結合用電極の中心からオフセットのある位置に高周波伝送線路を接続し、結語用電極内に不均等な電流が流れる様子を示した図である。 図17は、kHzあるいはMHz帯の周波数を使った通信において、送信機及び受信機が電極のみからなる結合器を備え、結合部分が単純に平行平板コンデンサとして動作する構成例を示した図である。 図18は、GHz帯の高周波を使った通信において、結合部におけるインピーダンス不整合部分において、信号が反射することにより伝搬損が生じる様子を示した図である。 図19は、図13に示した高周波結合器の電極同士を向かい合わせて配置した様子を示した図である。 図20Aは、図13に示した高周波結合器の単体での特性を説明するための図である。 図20Bは、図13に示した高周波結合器の単体での特性を説明するための図である。 図21Aは、インピーダンス変換器としての機能により高周波結合器が電界を誘起する様子を示した図である。 図21Bは、インピーダンス変換器としての機能により高周波結合器が電界を誘起する様子を示した図である。 図22は、高周波結合器単体として構成されるインピーダンス変換回路の等価回路を示した図である。 図23は、伝搬方向と平行な向きに振動する電界成分(縦波成分)ERを示した図である。 図24は、微小ダイポールによる電磁界を結合用電極上にマッピングした様子を示した図である。 図25は、並列インダクタ並びに直列インダクタを分布定数回路で構成した高周波結合器における寸法パラメータを示した図である。 図26は、送受信機の結合用電極間の距離を変化させながら、結合用電極108の取り付け位置L2毎の伝搬損の実測値を示した図である。 図27は、2つの高周波結合器を対向させて配置し、結合用電極間の距離を変えたときのSパラメータ(反射特性:VSWR)の実測値を示した図である。 図28は、2つの高周波結合器を対向させて配置し、結合用電極間の距離を変えたときのSパラメータ(伝搬損S21)の実測値を示した図である。 図29は、送信側の高周波結合器と受信側の高周波結合器は向きが同じ(すなわち0度)になるように置いたときの高周波結合器間の伝搬損S21の実測値を示した図である。 図30は、送信側の高周波結合器と受信側の高周波結合器は向きが90度になるように置いたときの高周波結合器間の伝搬損S21の実測値を示した図である。 図31は、送受信間で直線偏波アンテナの向き同じ(すなわち0度)になるように置いたときの伝搬損S21の実測値を示した図である。 図32は、送受信間で直線偏波アンテナの向き90度になるように置いたときの伝搬損S21の実測値を示した図である。 図33は、高周波結合器間と直線偏波アンテナ間(偏波の向きが同じとき)の送受信間距離と伝搬損S21の関係の実測値を示した図である。 図34は、図33に示した測定結果から受信電力の平方根(すなわち電界強度)の対数を縦軸に、送受信間距離の対数を横軸にプロットし、それぞれの測定値を最小2乗法で1次近似した直線を示した図である。 図35は、高周波結合器の背面のグランドのサイズを変えたときの高周波結合器間の伝搬損S21の測定結果を示した図である。 図36は、アンテナ素子の先端に金属を取り付けて静電容量を持たせ、アンテナの高さを短縮させる「容量装荷型」のアンテナの構成を模式的に示した図である。 図37は、高周波結合器の電極部分を板金加工によって製作する方法の一例を示した図である。 図38は、高周波結合器の電極部分を板金加工によって製作する方法の一例を示した図である。 図39は、高周波結合器の電極部分を板金加工によって製作する方法の一例を示した図である。 図40は、図37に示した結合用電極をプリント基板の導体パターンとして形成されたスタブに取り付けた様子を示した図である。 図41は、信号線、共振部、及び結合用電極を同一基板上の配線パターンとして形成することによって製作された高周波結合器の構成例を示した図である。 図42は、図1に示した高周波結合器を利用した通信システムを電力伝送に応用したときの構成例を示した図である。 図43は、図1に示した高周波結合器を利用した通信システムを電力伝送に応用した他の構成例を示した図である。
符号の説明
101…プリント基板
102…グランド
103…スタブ
104…信号線
105…送受信回路
106…スルーホール
107…金属線
108…結合用電極
109…スペーサ
110…スルーホール
111、112…導体パターン

Claims (24)

  1. データを伝送する高周波信号の処理を行なう通信回路部と高周波結合器をそれぞれ備えた送信機及び受信機で構成され、
    前記高周波結合器は、前記高周波信号の伝送路前記伝送路の一端に接続され電荷を蓄える結合用電極と、前記結合用電極に対向して前記高周波信号の波長に対して無視し得る高さだけ離間して配置され前記電荷に対する鏡像電荷を蓄えるグランドと、分布定数回路からなり前記高周波信号が供給された際に発生する定在波の電圧振幅が大きくなる部位に前記結合用電極を取り付けて前記結合用電極に流れ込む電流を大きくするための共振部を有し、前記結合用電極に蓄えられた前記電荷の中心と前記グランドに蓄えられた鏡像電荷の中心を結ぶ線分からなる微小ダイポールを形成し、
    前記送信機側の高周波結合器が形成する微小ダイポールの方向となす角θがほぼ0度となるように対向して配置された前記受信機側の高周波結合器に向けて前記高周波信号を伝送する、
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 前記の高周波信号は、超広帯域を使用するUWB信号である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記共振部は、前記送信機及び受信機の高周波結合器間において所望の高周波帯域を通過するバンドパス・フィルタを構成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  4. データを伝送する高周波信号の処理を行なう通信回路部と、
    前記高周波信号の伝送路前記伝送路の一端に接続され電荷を蓄える結合用電極と、前記結合用電極に対向して配置され前記電荷に対する鏡像電荷を蓄えるグランドと、分布定数回路からなり前記高周波信号が供給された際に発生する定在波の電圧振幅が大きくなる部位に前記結合用電極を取り付けて前記結合用電極に流れ込む電流を大きくするための共振部を有し、前記結合用電極に蓄えられた前記電荷の中心と前記グランドに蓄えられた鏡像電荷の中心を結ぶ線分からなる微小ダイポールを形成する高周波結合器と、
    を備え、
    前記高周波結合器が形成する微小ダイポールの方向となす角θがほぼ0度となるように対向して配置された通信相手側の高周波結合器に向けて前記高周波信号を伝送する、
    ことを特徴とする通信装置。
  5. 前記の高周波信号は、超広帯域を使用するUWB信号である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
  6. 前記共振部は、通信相手の高周波結合器との間において所望の高周波帯域を通過するバンドパス・フィルタを構成する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
  7. 前記高周波結合器は、データを伝送する高周波信号の処理を行なう前記通信回路部を構成する回路モジュールが搭載された印刷基板上に実装される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
  8. 前記分布定数回路は、前記印刷基板上に配設された導体パターンからなるスタブとして構成され、
    前記印刷基板の他方の面にはグランドが形成され、前記スタブの先端部分は前記印刷基板内のスルーホールを介して前記グランドに接続される、
    ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
  9. 前記スタブは使用周波数の波長のほぼ2分の1の長さを持ち、前記結合用電極は前記スタブのほぼ中央の位置に配設される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
  10. 前記結合用電極は、絶縁体からなるスペーサの表面に蒸着された導体パターンからなり、前記スペーサを前記印刷基板上に搭載したときに、前記結合用電極の導体パターンは前記スペーサ内のスルーホールを介して前記スタブのほぼ中央の位置に接続される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
  11. 前記スタブは、前記スペーサを前記印刷基板上に実装した際の占有面積内に収まる折り畳み形状からなり、使用周波数の波長のほぼ2分の1の長さを持つ、
    ことを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
  12. 前記スタブは、前記スペーサの他の表面に蒸着された導体パターンからなる、
    ことを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
  13. 前記印刷基板上において、前記通信回路部に対し複数の高周波結合器が接続される、
    ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
  14. 各高周波結合器間をつなぐ信号線の長さは2分の1波長の整数倍である、
    ことを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
  15. 前記高周波結合器間により伝送された前記高周波信号を整流し、電力を生成する電力生成手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
  16. 高周波信号の通信に用いられる高周波結合器であって、
    前記高周波信号の伝送路が接続
    前記伝送路の一端に接続され電荷を蓄える結合用電極と、
    前記結合用電極に対向して配置され前記電荷に対する鏡像電荷を蓄えるグランドと、
    分布定数回路からなり、前記高周波信号が供給された際に発生する定在波の電圧振幅が大きくなる部位に前記結合用電極を取り付けて、前記結合用電極に流れ込む電流を大きくするための共振部と、
    を具備し、
    前記結合用電極に蓄えられた前記電荷の中心と前記グランドに蓄えられた鏡像電荷の中心を結ぶ線分からなる微小ダイポールを形成し、前記微小ダイポールの方向となす角θがほぼ0度となるように対向して配置された通信相手側の高周波結合器に向けて前記高周波信号を放出する、
    ことを特徴とする高周波結合器。
  17. 前記の高周波信号は、超広帯域を使用するUWB信号である、
    ことを特徴とする請求項16に記載の高周波結合器。
  18. 前記共振部は、通信相手の高周波結合器との間において所望の高周波帯域を通過するバンドパス・フィルタを構成する、
    ことを特徴とする請求項16に記載の高周波結合器。
  19. データを伝送する高周波信号の処理を行なう通信回路部を構成する回路モジュールが搭載された印刷基板上に実装される、
    ことを特徴とする請求項16に記載の高周波結合器。
  20. 前記分布定数回路は、前記印刷基板上に配設された導体パターンからなるスタブとして構成され、
    前記印刷基板の他方の面にはグランドが形成され、前記スタブの先端部分は前記印刷基板内のスルーホールを介して前記グランドに接続される、
    ことを特徴とする請求項19に記載の高周波結合器。
  21. 前記スタブは使用周波数の波長のほぼ2分の1の長さを持ち、前記結合用電極は前記スタブのほぼ中央の位置に配設される、
    ことを特徴とする請求項20に記載の高周波結合器。
  22. 前記結合用電極は、絶縁体からなるスペーサの表面に蒸着された導体パターンからなり、前記スペーサを前記印刷基板上に搭載したときに、前記結合用電極の導体パターンは前記スペーサ内のスルーホールを介して前記スタブのほぼ中央の位置に接続される、
    ことを特徴とする請求項20に記載の高周波結合器。
  23. 前記スタブは、前記スペーサを前記印刷基板上に実装した際の占有面積内に収まる折り畳み形状からなり、使用周波数の波長のほぼ2分の1の長さを持つ、
    ことを特徴とする請求項22に記載の高周波結合器。
  24. 前記スタブは、前記スペーサの他の表面に蒸着された導体パターンからなる、
    ことを特徴とする請求項22に記載の高周波結合器。
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