JP4343414B2 - 窓開閉装置の操作箱用扉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下逆さに組み替えるだけで左右の開閉方向を簡単に変更できるように改良した窓開閉装置の操作箱用扉に関する。
【0002】
【従来の技術】
家屋などの建造物に設置される窓開閉装置の操作箱には、窓の閉鎖操作や点検修理などのために開閉用の扉を設けている。そして、施工時に建物の壁部に窓開閉装置の操作箱を埋め込む際には、壁部の周囲の形状などによって、扉の開閉操作に支障がないように操作箱の扉の開閉方向を左右のいずれかに設定している。この場合、開き勝手が左方向と右方向の扉を2機種別々に製造して左右の開き勝手に対応することや、特殊な蝶番機構(スライド蝶番)などを用いて両開き構造の単一機種で対応することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、開き勝手が左右別々の2機種を設けるものでは、汎用性がなく製品の維持管理の負担が増す不都合がある。
また、予め両開き構造により対処するものでは、汎用性はあるものの構造が複雑化してコストの上昇を招く不都合が生じる。
【0004】
本発明は、これらの事情を背景になされたもので、その目的は開き勝手が左右に異なる2機種を設ける必要がなく、施工現場でフェースユニットを組み直すだけで左右の開き勝手を簡単かつ迅速に変更でき、それでいて上下および左右が略対称のデザインを有するため開き勝手の違いによる違和感がないといった優れた効果を奏する窓開閉装置の操作箱用扉を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、窓開閉用の駆動部を配設した埋め込み式の操作箱と、ヒンジにより連結されて、上下および左右が略対称形状のフェースとベース枠からなり、前記操作箱の開口部に上下逆さに組み替え可能なフェースユニットとを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2によれば、窓開閉用の駆動部を配設した埋め込み式の操作箱と、上下および左右が略対称形状のフェースとベース枠を重ねてなり、前記操作箱の開口部に上下逆さに組み替え可能なフェースユニットと、このフェースユニットの左右両側端面のうち一方に装着され、前記フェースを前記ベース枠に開閉可能に支持する断面略コ字状のヒンジと、前記駆動部を操作する操作ボタンを有し、上下いずれの方向の前記フェースユニットにも着脱可能に取り付けられるフェースカバーとを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3によれば、前記ヒンジは、最大180度の開閉角度範囲で弾性変形可能なプラスチックにより形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4によれば、前記フェースカバーは、係合爪により前記フェースに対して係脱可能に装着されることを特徴とする。
【0009】
【発明の作用および効果】
請求項1では、ヒンジにより連結され、上下および左右が略対称形状のフェースとベース枠からなるフェースユニットを操作箱の開口部に装着する構成である。このため、単一機種のフェースユニットを施工現場で上下逆さに組み替えるだけで、フェースのベース枠に対する左右の開閉方向を迅速かつ簡単に変更できる。
これにより、左右の開閉方向に応じた複数の機種を設ける必要がなく、機種の共通による汎用化が図られ、維持管理の負担が軽減する。また、特殊なスライド蝶番などにより複雑な両開き構造を設けるものと異なり、構造が簡単でコスト的に有利である。
【0010】
請求項2では、フェースユニットは上下および左右が略対称であるため、上下逆さにしたフェースユニットに操作ボタンの付いたフェースカバーをそのまま装着できる。このため、請求項1で得られる作用効果に加えて、扉の開閉操作とデザインとの間に違和感がなく、デザインと操作とのイメージに支障を来さない利点が確保できる。
実際、扉のヒンジを付け替える場合、扉の表面に操作ボタンや把手などが存すると、左右の勝手違いにより扉の開閉操作とデザインとの間に違和感が生じるものである。
【0011】
また、断面略コ字状のヒンジをフェースユニットの左側端面および右側端面の一方に取り付けているので、ヒンジが内側に隠蔽され外部からは露見せず、デザイン性に優れる。
また、フェースをベース枠に重ねて扉を形成しているので、外枠内に扉が嵌まる二分離型の従来と異なり、全体が切れ目のないフラッシュサーフィスの一枚になっており、外観の見栄えが良い。
【0012】
請求項3によれば、ヒンジを弾性変形可能なプラスチックにより形成したので、最大180度の開閉角度範囲が簡単な構造で安価に得られる。
【0013】
請求項4によれば、フェースカバーは、係合爪によりフェースに対して係脱可能に装着したので、簡単な操作で迅速に着脱でき、施工が短時間で済み作業性が優れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に各図を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1において、1は窓開閉装置の矩形の操作箱で、これは内部にドラムなどの駆動部(図示せず)を配設しており、家屋といった建物の壁部に埋め込まれる。この操作箱1の開口部1aには、扉として矩形のフェース2と矩形のベース枠3を重ねてなり、上下および左右が略対称形状のフェースユニット4が取り付けられる。この扉すなわちフェースユニット4は、窓の閉鎖操作や点検修理などのために操作箱1を開閉するようになっている。
【0015】
すなわち、矩形のベース枠3は、上下の桟部3a、3bを介して横長プレート5、6により螺子止めされる。フェース2は、図2の(a)、(b)に示すように内面に突設された爪2aをベース枠3の受入れ爪3cに弾性係合させることにより、ベース枠3に対して着脱可能に装着される。
また、ベース枠3の受入れ爪3cとは反対側の左側端面に、上下二箇所に切欠状の内ポケット部7、8を形成している。そして、フェース2の左側端面に内ポケット部7、8に対向するよう上下に外ポケット部(図示せず)を形成している。
【0016】
9、10は一対のヒンジで、これは弾性プラスチックにより断面略コ字状に形成されている。これらヒンジ9、10は、図3の(a)、(b)に示すように上辺部にフック爪9a(10a)、9b(10b)を有し、下辺部にフック爪9c(10c)、9d(10d)を備え、薄肉部11、12を支点にして最大180度の角度範囲で内側から外側に開閉折曲可能になっている。この場合、ヒンジ9、10は同一形状であるので、図3ではヒンジ10のフック爪10a〜10dには、括弧を付して説明している。
そして、ヒンジ9のフック爪9a、9cは、フェース2の上部の外ポケット部に係合し、フック爪9b、9dは、ベース枠3の内ポケット部7に係合している。また、ヒンジ10のフック爪10a、10cは、フェース2の下部の外ポケット部に係合し、フック爪10b、10dは、ベース枠3の内ポケット部8に係合している。これらヒンジ9、10により、フェース2がベース枠3に対して右開き可能に支持される。
【0017】
13は縦長な取付用開口部で、これはフェース2の中央部に上下および左右対称に形成されている。この取付用開口部13の左右に対向する内周縁部には、上下3段に微小な突起片14、15、16が内部に向かって延設されている。
17は取付用開口部13に対向するフェースカバーで、これの中央部より上部寄りには透孔18が設けられている。この透孔18内には、カバー19を有する操作ボタン20が設けられている。この操作ボタン20の押圧により、スプリング21、ロックばね付き鋼球22およびボタンプレート23を介して操作箱1内の駆動部のドラムが操作される。これにより、排煙、換気、採光などに応じ、ワイヤー(図示せず)を介して家屋の窓の開閉が行われる。
【0018】
また、フェースカバー17内面の右側部縦方向には、突起片14、15、16に対向する係合爪24、25、26が形成されている(図4の(a)参照)。そして、これら係合爪24、25、26を突起片14、15、16の上下に生じた切欠部に挿入して下方に若干スライドすることにより、係合爪24、25、26が突起片14、15、16にそれぞれ係合して、フェースカバー17がフェース2に装着される。
さらに、フェースカバー17をフェース2から取り外すには、フェースカバー17を上方に若干スライドし、係合爪24、25、26を突起片14、15、16からそれぞれ外せばよい。
【0019】
さて、図1の状態では、ヒンジ9、10が左側にあり、フェース2がベース枠3に対して右開き勝手になっている。この場合、操作箱1が埋め込まれる壁部の周囲形状によっては、施工現場で上記とは逆にフェース2をベース枠3に対して左開き勝手にする必要が生じることがある。
【0020】
この場合には、先ずフェースカバ−17を図4の(a)に示すようにフェースユニット4のフェース2から外す。そして、図1に示すようにフェースユニット4を操作箱1の開口部1aから取り外し、図4の如く上下逆さとなるように180度反転する。
【0021】
そして、フェースユニット4を上下逆さにした状態で、操作箱1の開口部1aに取り付け直し、予め取り外しておいたフェースカバ−17をフェースユニット4のフェース2に装着し直す。この場合、フェースユニット4とともに、フェース2は逆さに倒立しているので、フェースカバー17の係合爪24、25、26を突起片16、15、14にそれぞれ係合させることになる。そして、フェースユニット4を上下逆に反転したことから、ヒンジ9、10の位置が左側から右側に変わり、フェース2はベース枠3に対して左開き勝手になる。
【0022】
このように、単一機種のフェースユニット4を施工現場で上下逆さに反転して組み替えるだけで、フェース2の開閉方向を左右に迅速かつ簡単に変更できる。これにより、左右の開き勝手方向に応じた複数の機種を設ける必要がなく、機種の共通による汎用化が図られ、維持管理の負担が軽減する。また、特殊なスライド蝶番などにより複雑な両開き構造を設けるものと異なり、構造が簡単でコスト的に有利である。
【0023】
また、フェースユニット4は上下および左右が略対称であるため、上下逆さに反転したフェースユニット4に操作ボタン20の付いたフェースカバー17をそのまま装着できる。このため、扉の開閉操作とデザインとの間に違和感がなく、デザインと操作とのイメージに支障を来さない。
【0024】
また、断面略コ字状のヒンジ9、10をフェースユニット4の左側端面および右側端面の一方に取り付けているので、ヒンジ9、10が内側に隠蔽され外部からは露見せず、デザイン性に優れる。
【0025】
また、フェース2をベース枠3に重ねて扉を形成しているので、外枠内に扉が嵌まる二分離型の従来と異なり、全体が切れ目のないフラッシュサーフィスの一枚になっており、外観の見栄えが良い。
さらに、ヒンジ9、10を弾性変形可能なプラスチックにより形成したので、最大180度の開閉角度範囲が簡単な構造で安価に得られる。
【0026】
なお、操作箱1、フェース2、ベース枠3からなるフェースユニット4は、矩形状に限らず、楕円、六角などの多角形をはじめ、所望に応じて種々の幾何学形状に変更できる。
また、ヒンジ9、10は必要に応じて3個、4個用いるようにしてもよい。
また、操作ボタン20は、フェースカバー17の中央部より上部寄りに形成したが、中央部に形成しても、あるいは中央部より下部寄りに形成してもよい。
加えて、本発明の具体的な実施にあたっては発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窓開閉装置の操作箱用扉において、操作箱、フェース、ベース枠およびフェースカバーの分解斜視図である。
【図2】(a)は操作箱用扉の正面図であり、(b)はA−A線に沿う拡大横断面図である。
【図3】(a)はヒンジの拡大展開図であり、(b)はヒンジの横断面図である。
【図4】(a)はフェースユニットとフェースカバーとの拡大斜視図であり、(b)はヒンジの取付け状態を示すフェースユニットの部分的斜視図である。
【符号の説明】
1 操作箱
1a 開口部
2 フェース
3 ベース枠
4 フェースユニット
9、10 ヒンジ
14、15、16 突起片
17 フェースカバー
20 操作ボタン
24、25、26 係合爪
Claims (4)
- 窓開閉用の駆動部を配設した埋め込み式の操作箱と、
ヒンジにより連結されて、上下および左右が略対称形状のフェースとベース枠からなり、前記操作箱の開口部に上下逆さに組み替え可能なフェースユニットとを備えたことを特徴とする窓開閉装置の操作箱用扉。 - 窓開閉用の駆動部を配設した埋め込み式の操作箱と、
上下および左右が略対称形状のフェースとベース枠を重ねてなり、前記操作箱の開口部に上下逆さに組み替え可能なフェースユニットと、
このフェースユニットの左右両側端面のうち一方に装着され、前記フェースを前記ベース枠に開閉可能に支持する断面略コ字状のヒンジと、
前記駆動部を操作する操作ボタンを有し、上下いずれの方向の前記フェースユニットにも着脱可能に取り付けられるフェースカバーとを備えたことを特徴とする窓開閉装置の操作箱用扉。 - 前記ヒンジは、最大180度の開閉角度範囲で弾性変形可能なプラスチックにより形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窓開閉装置の操作箱用扉。
- 前記フェースカバーは、係合爪により前記フェースに対して係脱可能に装着されることを特徴とする請求項2に記載の窓開閉装置の操作箱用扉。
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