JP4340942B2 - 穴かがりミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は穴かがりミシンに関し、特に、上糸切断機構の糸切り部材を切断位置と縫製開始位置と退避位置とに亙って切換え可能に構成した穴かがりミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、穴かがりミシンには、縫目形成機構、布送り機構、布押え昇降機構、ボタン穴形成機構等が設けられている。布押え昇降機構により布押えが昇降され、布押えにより布が布送り機構の送り部材に押えられた状態で、布送り機構により布が送り部材及び布押えと一体的に送られる。その布に縫目形成機構により穴かがり縫目が形成され、穴かがり縫目の縫製後又は縫製途中に、ボタン穴形成機構により穴かがり縫目の内側にボタン穴が形成される。
【0003】
布に穴かがり縫目とボタン穴を形成した後、次の穴かがり縫目を縫製するために、布押え昇降機構により布押えを上昇させ、布をずらしたり取替えたりしてセットするが、その前に、加工布に形成された穴かがり縫目と縫針の間の上糸を切断しなければならない。従来、この上糸切断を穴かがり縫目の形成後に自動的に行う上糸切断機構は実用に供されている。
【0004】
従来の上糸切断機構は1対の刃を含む糸切り部材を有し、この糸切り部材が縫針近傍の切断位置において縫針から延びる上糸を切断する。但し、この切断位置に位置する糸切り部材は昇降する縫針と干渉するため、また、ボタン穴形成機構の下降するカッターとも干渉するため、穴かがり縫目の縫製開始前に、糸切り部材は切断位置から退避位置に切換えられる。
【0005】
通常、糸切り部材が退避位置から切断位置へ移動する際に、1対の刃が機械的に閉じられ上糸を切断して保持し、糸切り部材が切断位置から退避位置へ移動する際に、1対の刃が機械的に開かれ保持している上糸を開放し、糸切り部材が退避位置に位置しているときには、必ず上糸を開放した状態となる。尚、従来の上糸切断機構は専用のアクチュエータを有し、その他の機構と独立に駆動される。
【0006】
また、特開平11−9860号公報の穴かがりミシンでは、上糸切断機構が、1対の刃を有する糸切り部材、糸切り部材を先端部に連結した糸切り連結部材、揺動アーム、揺動アームを揺動駆動するパルスモータ、糸切り連結部材と揺動アームを作動的に連結する回転軸及びローリングジョイントを有し、糸切り部材を、切断位置と、退避位置と、切断位置に対して縫製開始直後の布送り方向と反対側へ離隔した縫製開始位置とに位置切換え可能に構成されている。
【0007】
但し、従来の上糸切断機構と同様に、糸切り部材が退避位置に位置しているときには、必ず上糸を開放した状態となる。尚、糸切り部材が上糸を切断して保持し縫製開始位置に切換えられた状態で縫製を開始し、その直後に、糸切り部材が1対の刃を開いて上糸を開放してから退避位置に切換わることにより、縫針と糸切り部材間の上糸を適度に張って穴かがり縫目の内側へ縫い込むことができ品質が向上する。また、この上糸切断機構も従来のものと同様に専用のアクチュエータ(パルスモータ)を有し、その他の機構と独立に駆動されるものである。
【0008】
尚、本願出願人は、特開平11−156073号公報において、布押え昇降機構と上糸切断機構と下糸切断機構を連動連結し、共通のパルスモータでこれら機構を駆動可能な穴かがりミシンを出願している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の穴かがりミシンでは、糸切り部材が退避位置に切換わり上糸を開放して穴かがり縫目を縫製し、その穴かがり縫目の縫製後又は縫製途中に、ボタン穴形成機構によりボタン穴を形成する。しかし、糸切り部材が上糸を保持して退避位置に切換わることができないと、穴かがり縫目の縫製前にボタン穴を何ら問題なく形成することが難しい。
【0010】
即ち、糸切り部材を退避位置に切換えて上糸を開放した状態でボタン穴を形成することは不可能でないが、そうした場合、上糸がボタン穴形成機構のカッターで切断されたり、上糸が縫針から抜けたり、余分な上糸がその後形成される穴かがり縫目に綺麗に縫い込まれずにはみ出す等の不都合が生じる虞がある。勿論、糸切り部材が上糸を保持した状態でボタン穴を形成しようとすると、その糸切り部材は切断位置に位置するためボタン穴形成機構のカッターと干渉する。
【0011】
また、従来の穴かがりミシンでは、前述のように、基本的に穴かがり縫目の縫製前にボタン穴を形成することができず、穴かがり縫目の縫製後又は縫製途中にボタン穴を形成することになるため、ボタン穴形成機構のカッターにより、ボタン穴を形成するときに穴かがり縫目が切断される等の虞がある。
【0012】
しかも、従来の穴かがりミシンでは、上糸切断機構が専用のアクチュエータを有し、その他の機構と独立に駆動されるものであるため、各機構に専用のアクチュエータを設け、場合によってセンサ類も多くなり、更に、これらアクチュエータを夫々駆動制御する制御プログラムを含む制御装置が必要になり、構造も複雑化するため製作コストが高価になるという問題がある。
【0013】
特開平11−9860号公報の穴かがりミシンの上糸切断機構では、糸切り部材が上糸を保持して退避位置に切換わることができないし、更に、専用のアクチュエータを有しその他の機構と独立に駆動されるものであるため、従来の上糸切断機構と同様の課題が生じる。
【0014】
尚、本願出願人は、前述のように、布押え昇降機構と上糸切断機構と下糸切断機構とを連動連結し、共通のパルスモータでこれら機構を駆動可能な穴かがりミシンを出願しているが、上糸切断機構の糸切り部材が上糸を保持して退避位置に切り換わる技術は開示されていない。
【0015】
本発明の目的は、穴かがり縫目の縫製前にボタン穴形成機構によりボタン穴を形成する為に、上糸切断機構の糸切り部材が上糸を保持して退避位置に切り換わるようにすること、布押え昇降機構と上糸切断機構とを連動連結して共通のパルスモータで駆動して構造を簡単化し製作コストを低減すること、等である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の穴かがりミシンは、上糸切断機構とボタン穴形成機構とを備えた穴かがりミシンにおいて、前記上糸切断機構を駆動するアクチュエータを備え、前記上糸切断機構は、穴かがり縫目の形成後に縫針近傍の切断位置で上糸を切断して保持する糸切り部材と、先端部にこの糸切り部材を連結すると共に基端部が鉛直軸心回りに回動可能に枢支され且つ布送り方向へ移動可能な糸切り連結部材とを有すると共に、この糸切り部材を前記切断位置とボタン穴形成機構の布切断用カッターの移動軌跡付近の縫製開始位置とその移動軌跡から退避した退避位置とに亙って切換え可能に且つ穴かがり縫目の縫製中に糸切り部材を待機させる縫製中位置に切換え可能に構成され、布に次の穴かがり縫目の縫製前にボタン穴形成機構によりボタン穴を形成する為に、上糸切断機構の糸切り部材が上糸を保持して退避位置に切り換わるように構成し、布押え昇降機構と、この布押え昇降機構と上糸切断機構を連動連結する連動連結機構を備え、前記アクチュエータにより連動連結機構を介して布押え昇降機構と上糸切断機構を駆動し、布押え昇降機構の布押えにより布を押えた状態で、上糸切断機構の糸切り部材を退避位置に切り換え可能に構成し、前記糸切り部材を退避位置又は縫製中位置側へ付勢する付勢部材と、糸切り連結部材に設けられた第1係合部と、その第1係合部と係合可能な第1被係合部とを備え、これら第1係合部と第1被係合部が係合状態で糸切り部材を縫製開始位置に保持し非係合状態で糸切り部材の退避位置又は縫製中位置への切換えを許容し、前記布押えに連結されて布と一体的に布送り方向へ移動する送り腕に、糸切り連結部材の第1係合部を押動可能な押動部を設け、穴かがり縫目の縫製開始直後に、押動部が縫製開始位置に位置する糸切り連結部材の第1係合部を押動して第1係合部と第1被係合部との係合を解除することを特徴とするものである。
【0017】
この穴かがりミシンでは、上糸切断機構を駆動するアクチュエータが設けられ、上糸切断機構は、穴かがり縫目の形成後に縫針近傍の切断位置で上糸を切断して保持する糸切り部材を有する。上糸切断機構により、糸切り部材が前記切断位置とボタン穴形成機構の布切断用カッターの移動軌跡付近の縫製開始位置とその移動軌跡から退避した退避位置とに亙って切換えられる。
【0018】
布に次の穴かがり縫目の縫製前にボタン穴形成機構によりボタン穴を形成する為に、上糸切断機構の糸切り部材が上糸を保持して退避位置に切り換わるので、ボタン穴形成機構の下降する布切断用カッターが糸切り部材と干渉することなく布に落ちてボタン穴を形成することができる。糸切り部材で上糸を保持した状態で、ボタン穴を形成することができるため、布切断用カッターで上糸を切断したり、上糸が縫針から抜けたりする等の虞もなく、その後行われる穴かがり縫目の縫製に支障を来さない。
【0019】
【0020】
布押え昇降機構と上糸切断機構とを連動連結機構により連結し、その連動連結機構を介して共通のアクチュエータで駆動するため、構造を簡単化し製作コストの低減を図ることが可能となる。布押え昇降機構の布押えにより布を押えた状態で、糸切り部材を退避位置に切り換えることができるため、布を布切断用カッターに対応する位置に布送りして位置決めすることもでき、ボタン穴を確実に形成することができる。
【0021】
切り部材を縫製中位置に切換えて待機させた状態で、糸切り部材と昇降する縫針とを干渉させずに、穴かがり縫目の縫製を行うことができる。
糸切り連結部材の鉛直軸心回りの回動と布送り方向への移動を介して、糸切り部材を、切断位置、縫製開始位置、退避位置、縫製中位置に亙って切換えることができる。
第1係合部と第1被係合部が係合した状態で糸切り部材を縫製開始位置に保持し、第1係合部と第1被係合部が係合解除した状態で、付勢部材により糸切り部材を退避位置又は縫製中位置に切換えることができる。
穴かがり縫目の縫製開始直後、布送り方向へ移動する送り腕の押動部が糸切り連結部材の第1係合部を押動し、第1係合部と第1被係合部との係合を解除して糸切り部材を縫製中位置に切換えることができる。
【0022】
請求項の穴かがりミシンは、請求項1の発明において、前記糸切り部材は1対の刃を有し、上糸切断機構は、1対の開いた刃を切断位置で閉じ、1対の閉じた刃を縫製開始位置又は縫製中位置で開ける刃開閉機構を含むことを特徴とするものである。刃開閉機構により、糸切り部材の1対の開いた刃が切断位置で閉じて上糸を確実に切断して保持でき、1対の閉じた刃が縫製開始位置又は縫製中位置で開いて上糸を確実に開放でき、余分な上糸を穴かがり縫目の内側に綺麗に縫い込むことができるため品質が向上する。
【0023】
【0024】
請求項の穴かがりミシンは、請求項の発明において、前記連動連結機構は、前記アクチュエータにより駆動される連動連結部材と、この連動連結部材の駆動力を糸切り連結部材に伝達して糸切り連結部材を布送り方向へ駆動する第1駆動系を含むことを特徴とするものである。この第1駆動系により、連動連結部材の駆動力を糸切り連結部材に伝達して、糸切り連結部材を布送り方向へ確実に駆動することができる。
【0025】
【0026】
【0027】
請求項の穴かがりミシンは、請求項の発明において、前記糸切り連結部材に設けられた第2係合部と、その第2係合部と係合可能な第2被係合部とを備え、これら第2係合部と第2被係合部が係合した状態で糸切り部材を退避位置と切断位置と縫製中位置の何れか1つの位置に保持することを特徴とするものである。第2係合部と第2被係合部とを係合させて、糸切り部材を退避位置と切断位置と縫製中位置に確実に切換えることができる。
【0028】
請求項の穴かがりミシンは、請求項の発明において、前記第2係合部は段部を有し、この段部と第2被係合部が係合すると、糸切り連結部材が切断位置に切換わることを特徴とするものである。第1係合部に対して第2被係合部を布送り方向へ移動させ、第2係合部の段部と第2被係合部とを係合させて、糸切り連結部材を切断位置に移動させ切換えることができる。
【0029】
請求項の穴かがりミシンは、請求項の発明において、前記連動連結機構は、前記連動連結部材の駆動力を第2被係合部に伝達して第2被係合部を布送り方向へ駆動する第2駆動系を含むことを特徴とするものである。この第2駆動系により第2被係合部を布送り方向へ駆動し、第2係合部に対する第2被係合部の係合位置を変化させて段部にも係合させることができる。
【0030】
請求項の穴かがりミシンは、請求項1〜の何れかにおいて、前記アクチュエータがパルスモータであることを特徴とするものである。パルスモータを駆動制御し、その駆動量に応じて、布押え昇降機構と上糸切断機構を適切なタイミングで駆動し、また、上糸切断機構において、糸切り部材の切断位置、退避位置、縫製開始位置、縫製中位置への切換えを確実に行うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態は、例えば図4に示すように、加工布1に穴かがり縫目2とボタン穴3を形成する穴かがりミシンに、本発明を適用した場合の一例である。尚、図1、図2の前後左右を前後左右として説明する。
【0032】
図1〜図3、図11に示すように、穴かがりミシンMは、ベッド部5と脚柱部6とアーム部7を有すると共に、縫目形成機構10、布送り機構11、布押え昇降機構12、上糸切断機構13、下糸切断機構14、ボタン穴形成機構15を備えている。布押え昇降機構12により布押え22が昇降駆動され、布押え22により加工布1が布送り機構11の送り部材20に押えられ、この状態で、布送り機構11により加工布1が送り部材20及び布押え22と一体的に前後方向に送られ、その加工布1に縫目形成機構10により穴かがり縫目2が形成される。
【0033】
穴かがり縫目2の縫製前又は縫製途中又は縫製後に、ボタン穴形成機構15により穴かがり縫目2の内側にボタン穴3が形成される。加工布1に穴かがり縫目2とボタン穴3が形成されると、上糸切断機構13により上糸が切断されると共に下糸切断機構14により下糸が切断され、その後、布押え昇降機構12により布押え22が上昇され、この状態で、加工布1をずらしたり取替えたりしてセットすることができる。
【0034】
以下、各機構10〜15について説明する。縫目形成機構10は、図3に示すように、針棒16、縫針17、天秤(図示略)、回転釜からなる糸捕捉器(図示略)等を有する。針棒16はミシンモータ18(図11参照)により回転駆動される上軸19等を介して昇降駆動され、針棒16の下端に装着された縫針17に供給される上糸が糸捕捉器により捕捉され、下糸と交絡して縫目が形成される。
【0035】
布送り機構11は加工布1を前後方向へのみ布送りするものであるため、針棒16と縫針17が左右に針振りされて、穴かがり縫目2(千鳥縫目と閂止め縫目等)が縫製可能になる。尚、脚柱部6の後側に突出した上軸19の後端部に、回動操作部材18aが固着され、この回動操作部材18aとミシンモータ18により駆動される駆動プーリ(図示略)にタイミングベルト18bが掛装されて、ミシンモータ18の駆動力が上軸19に伝達される。
【0036】
布送り機構11は、ベッド部5に前後方向に移動自在にガイド支持された前後方向に長い矩形板状の送り部材20と、この送り部材20を前後方向に送り駆動する布送りモータ21(図11参照)を有する。布押え22は送り腕23の前端部に連結され、加工布1のうち穴かがり縫目2の形成予定部の外周側部分を送り部材20に枠状に押える。
【0037】
送り腕23は上方凸状に湾曲した形状で前後方向に長く、その後端部分は脚柱部6の近くまで達している。送り腕23の後端部は送り部材20に連結された可動体(図示略)に左右軸心回りに回動可能に連結されている。これにより、布押え22は送り腕23及び送り部材20と一体的に前後に移動し、送り腕23と一体的に昇降する。
【0038】
さて、この穴かがりミシンMには、布押え昇降機構12と上糸切断機構13と下糸切断機構14を連動連結する連動連結機構50と、この連動連結機構50を介して布押え昇降機構12と上糸切断機構13と下糸切断機構14を駆動する共通のアクチュエータとしてのパルスモータ51が設けられている。尚、この連動連結機構50については後で詳細に説明する。
【0039】
布押え昇降機構12は上下に長い連結ロッド25を有し、その連結ロッド25の下端部が送り腕23の前端部に前後方向へ相対移動可能に且つ上下方向へ相対移動不能に連結され、この連結ロッド25が連動連結機構50を介して昇降駆動される。
【0040】
上糸切断機構13は、図1、図5、図7〜図9に示すように、加工布1に穴かがり縫目2とボタン穴3の形成後に縫針17近傍の切断位置(図13参照)で上糸を切断して保持する糸切り部材30と、この糸切り部材30を前端部に連結し且つ後端部が鉛直な枢支軸32に(鉛直軸心回りに)回動可能に枢支され且つ布送り方向(前後方向)へ移動可能に支持された糸切り連結部材31を有する。
【0041】
この上糸切断機構13は、糸切り部材30を前記切断位置と、この切断位置に対して縫製開始時における布送り方向(前方)と反対側(後側)に位置しボタン穴形成機構15の布切断用カッター48の移動軌跡付近の縫製開始位置(図14参照)と、切断位置の左側に位置し前記移動軌跡から退避した退避位置(図12、図16参照)と、縫製開始位置の左側かつ切断位置の後側に位置し穴かがり縫目2の縫製中に待機させる縫製中位置(図15参照)の4位置に亙って位置切換え可能に構成されている。
【0042】
糸切り部材30は1対の刃30a,30b(固定刃30aと可動刃30b)と糸保持バネ30cを有し、固定刃30aに対して可動刃30bが開閉可能に鉛直軸心回りに枢支されている。上糸切断機構13は、1対の開いた刃30a,30bを切断位置で閉じ、1対の閉じた刃30a,30bを縫製開始位置又は縫製中位置で開ける刃開閉機構40を含んでいる。
【0043】
刃開閉機構40は、図7、図9に示すように、可動刃30bに形成されて上方へ立ち上がる被押動部41と、この被押動部41を押動して可動刃30bを開ける第1押動部42と、被押動部41を押動して可動刃30bを閉じる第2押動部43とを有する。第1,第2押動部42,43は送り腕23に固定的に設けられ、これらが相対的に移動し係合して、1対刃30a,30bが開閉される。
【0044】
糸切り連結部材31の後端部分には、上下1対の前後に長い長穴31aが形成され、これら長穴31aに1対の係合部材34が夫々離脱不能に摺動自在に係合している。これら上下1対の係合部材34は、前記枢支軸32の下部に連結され、この枢支軸32の上部がミシン機枠に回転自在に支持されている。これにより、糸切り連結部材31の後端部が鉛直軸心回りに回動可能に枢支され前後方向へ移動可能に支持されている。
【0045】
図5、図6に示すように、糸切り連結部材31には、前記1対の長穴31aの他に、前後方向中央部よりも少し前側に前後に長い矩形の長穴31bが形成され、長穴31a,31bの間に円弧穴31cが形成され、糸切り連結部材31の前後方向略中央部には可動部材33が設けられている。
【0046】
この可動部材33の大部分は糸切り連結部材31の左側に配設され、その可動部材33に形成された前後方向向きの長穴33aに、糸切り連結部材31に固着された2本のボルト34の軸部が摺動自在に係合して、可動部材33が糸切り連結部材31に対して前後移動可能にガイド支持されている。可動部材33は、前端から右方へ屈曲する被押動部33bと、後端から左方へ屈曲する第1係合部33cを有する。
【0047】
被押動部33bは、長穴31bを挿通してその右側へ突出し、可動部材33はこの長穴31bの略長さ分のストロークだけ糸切り連結部材31に対して前後に移動可能である。第1係合部33cは、その後側において糸切り連結部材31に固着されたバネ取付部材35に引張りコイルバネ36で連結され、可動部材33が糸切り連結部材31に対して後方へ付勢されている。
【0048】
糸切り連結部材31の前後方向中央部よりも前側の上端に右方へ延びるバネ取付部材37が固着され、そのうちの右前端部が、糸切り連結部材31の左側においてミシン機枠に引張りコイルバネ38で連結されて、糸切り連結部材31が枢支軸32を中心として左側へ回動付勢されている。糸切り連結部材31の上端部には左方へ全体的に張り出す板状の張出し部が形成され、その張出し部の前部に第2係合部31dが形成され、第2係合部31dはその前後方向中央部分において局部的に左方へ突出する段部31eを有する。
【0049】
ここで、連動連結機構50の第2駆動系58の第2連桿66に、前記第1係合部33cと係合可能な板状の第1被係合部45と、前記第2係合部31dと係合可能なコロからなる第2被係合部46が装着されている。
【0050】
第1係合部33cと第1被係合部45が係合状態で糸切り部材30を縫製開始位置に保持し、非係合状態で糸切り部材30の退避位置又は縫製中位置への切換えを許容する。即ち、糸切り部材30は引張りコイルバネ38により退避位置又は縫製中位置側へ付勢されているが、第2係合部31dと第2被係合部46が係合した状態で退避位置又切断位置又は縫製中位置に保持される。
【0051】
前記ボタン穴形成機構15は、図7、図8に示すように、布切断用カッター48と、布切断用カッター48を昇降駆動するソレノイドアクチュエータ49(図11参照)を有し、布切断用カッター48を加工布1に落としてボタン穴3を形成する。布切断用カッター48は針棒16と縫針17の直ぐ後方に位置に配設され、糸切り部材30が縫製開始位置と切断位置に位置してる状態では、下降する布切断用カッター48と干渉する。
【0052】
尚、布切断用カッター48の刃の長さが形成予定のボタン穴3の長さと同じ場合、加工布1に布切断用カッター48を1回落としてボタン穴3を形成し、布切断用カッター48の刃の長さが形成予定のボタン穴3の長さよりも短い場合、加工布1に布切断用カッター48を複数回落としてボタン穴3を形成する。
【0053】
次に、連動連結機構50について説明する。連動連結機構50は、押え昇降機構12と上糸切断機構13と下糸切断機構14を連動連結する機構であり、図1〜図3、図10に示すように、昇降板52、鉛直レバー53、L形リンク54,55、連動板56(連動連結部材に相当する)、第1,第2駆動系57,58等を備えている。
【0054】
パルスモータ51は脚柱部6の上下方向略中央部に左右方向向きに設けられ、昇降板52は1対のガイドロッド52aにより昇降自在にガイドされ、パルスモータ51の出力軸に固着されたピニオン51aが、昇降板52の下端部に形成されたラック52aに噛合している(図10参照)。昇降板52の2股部52cが鉛直レバー53の上端部の係合ピン53aに係合し、パルスモータ51により昇降板52と共に鉛直レバー53が昇降駆動される。
【0055】
1対のL形リンク54,55はアーム部7の前後に対称に配設され、夫々左右軸心回りに回動可能にミシン機枠に支持されている。連動板56は前後に長い鉛直板状に形成され、1対のL形リンク54,55の間に配設され、その前後両端部が夫々のL形リンク54,55の上端部に回動自在に連結されている。
【0056】
L形リンク54の後端部に鉛直レバー53の上端部が回動可能に連結され、L形リンク55の前端部に布押え昇降機構12の連結ロッド25が連結されている。鉛直レバー53が昇降されると、L形リンク54,55が回動され、連動板56が少し昇降しつつ前後方向へ駆動される。連動板56が前方へ移動すると布押え22が下降し、連動板56が後方へ移動すると布押え22が上昇する。
【0057】
第1駆動系57は、連動板56の駆動力を糸切り連結部材31に伝達して糸切り連結部材31を前後方向へ駆動する。第1駆動系57は、ミシン機枠に左右軸心回りに枢支されたリンク部材60と、リンク部材60に上端部が固定的に連結された第1連桿61を有し、リンク部材60の先端部の係合ピン60aが連動板56に形成された湾曲状の第1ガイド穴56aに係合し、第1連桿61の下端部の係合ピン61aが糸切り連結部材31の円弧穴31cに係合している。
【0058】
第2駆動系58は、連動板56の駆動力を第1,第2被係合部45,46に伝達して第1,第2被係合部45,46を略前後方向へ駆動する。第2駆動系58は、ミシン機枠に左右軸心回りに枢支されたリンク部材65と、リンク部材65に上端部が固定的に連結された第2連桿66を有し、リンク部材65の先端部の係合ピン65aが連動板56に形成された湾曲状の第2ガイド穴56bに係合し、第2連桿66の下端部に第1,第2被係合部45,46が設けられている。
【0059】
尚、図示していないが、鉛直レバー53の下端部分に下糸切断機構14が連結されている。この下糸切断機構14として、例えば、本願出願人が出願した穴かがりミシンの下糸切断機構(例えば、特開平11−156073号公報の下糸切断機構)と同等のものを適用してもよい。
【0060】
ここで、この穴かがりミシンMの制御装置70を含む制御系について、図11のブロック図に基づいて簡単に説明する。制御装置70は、CPU70aとROM70bとRAM70cと入出力インターフェース70dを有し、これら70a〜70dはバス70eにより互いに接続されている。入出力インターフェース70dに、モータ18,21,51の為の駆動回路71a〜71cと、ソレノイドアクチュエータ49の為の駆動回路71dと、フットペダル72が接続されている。そして、これらモータ18,21,51とソレノイドアクチュエータ49を駆動制御し、次に説明する動作を達成するための制御プログラムがROM70bに格納されている。
【0061】
上記穴かがりミシンMの作用について説明する。布押え昇降機構12と上糸切断機構13と下糸切断機構14を連動連結する連動連結機構50と、この連動連結機構50を介して、上記3つの機構12〜14を駆動するパルスモータ51を設け、上糸切断機構13の糸切り部材30を、図12と図16の退避位置、図13の切断位置、図14の縫製開始位置、図15の縫製中位置の4位置に位置切換えすることがきる。
【0062】
パルスモータ51により連動連結機構50の連動板56が略前後方向へ所定ストローク移動駆動され、その間に、布押え昇降機構12と上糸切断機構13と下糸切断機構14が駆動され、特に、上糸切断機構13においては、糸切り部材30が、第1駆動系57等を介して切断位置と縫製開始位置間の距離(退避位置と縫製中位置間の距離)だけ前後に移動し、第2駆動系58等を介して切断位置と退避位置間の距離(縫製開始位置と縫製中位置間の距離)だけ左右に移動する。
【0063】
糸切り部材30が図12の退避位置に位置しているとき、糸切り部材30が上糸を保持した状態で、第2係合部31dのうち段部31eの前側部分と第2被係合部46が係合している。この状態で、連動板56が略後方限界位置に位置し、布押え昇降機構12により布押え22が上昇位置に保持されているため、作業者が加工布1をずらしたり取替えたりしてセットすることができる。
【0064】
加工布1をセットした後に、フットペダル72等の操作部材を操作して、パルスモータ51を駆動し、連動連結機構50の連動板56を前方へ移動させる。連動板56が略後方限界位置から前方限界位置へ移動する途中で、布押え22が下降位置に下降して加工布1を送り部材20に完全に押えることができる。尚、フットペダル72の所定操作により、布押え22により加工布1を押えた段階で一旦動作が停止するが、それ以降の動作を連続的に行うようにしてもよい。
【0065】
連動板56が略後方限界位置から前方限界位置へ移動する間、先ず、図13に示すように、糸切り連結部材31は前後方向に対しては停止した状態で、第2駆動系58により第1,第2被係合部45,46が後方へ移動して、第2被係合部46が第2係合部31dの段部31eと係合する。これにより、糸切り連結部材31が右方へ押動され、糸切り部材30が右方へ移動して切断位置に切換わる。
【0066】
続いて、連動板56が前方へ移動すると、図14に示すように、第2駆動系58により第1,第2被係合部45,46が後方へ移動すると共に、第1駆動系47により糸切り連結部材31も後方へ移動し、第2係合部31dの段部31eと第2被係合部46の係合が解除され、第1係合部33cと第1被係合部45が係合して、糸切り部材30が縫製開始位置に切換わる。
【0067】
第2係合部31dと第2被係合部46が係合解除するとき、第1係合部33cの左側に第1被係合部45が位置するため、第1係合部33cと第1被係合部45は確実に係合する。尚、第2係合部31dのうち段部31eの前端側付近と第2被係合部46が係合している状態では、布押え22は既に下降位置に位置して加工布1を押えた状態になる。
【0068】
糸切り部材30が縫製開始位置に位置している状態から穴かがり縫目2の縫製が開始されるが、本案の場合、加工布1に次の穴かがり縫目2の縫製前にボタン穴形成機構15によりボタン穴3を形成する為に、布押え22により加工布1を押えた状態で、糸切り部材30が上糸を保持して退避位置に切り換わる。
【0069】
この場合、糸切り部材30が図14の縫製開始位置に位置している状態から、パルスモータ51を逆方向へ駆動する。すると、連動板56が後方へ移動するため、第1駆動系47により糸切り連結部材31が前方へ移動すると共に、第2駆動系58により第1,第2被係合部45,46が前方へ移動し、第2係合部31dと第2被係合部46が係合し、第1係合部33cと第1被係合部45が係合解除して、先ず、糸切り部材30が図13の切断位置に切換わる。
【0070】
続いて、連動板56が前方へ移動すると、糸切り連結部材31は前後方向に対しては停止した状態で、第2駆動系58により第1,第2被係合部45,46が前方へ移動して、第2係合部31dのうち段部31eの前側部分と第2被係合部46が係合し、糸切り部材30が上糸を保持して図12の退避位置に切換わる。
【0071】
第2係合部31dのうち段部31eの前端側付近と第2被係合部46が係合した状態で、パルスモータ51の駆動を停止するため、前述のように、布押え22により加工布1を押えた状態を保持できる。尚、段部31eと第2被係合部46が係合解除するとき、第1係合部33cが第1被係合部45の後側に位置するため、第1係合部33cと第1被係合部45が係合することはない。
【0072】
その後、加工布1を布切断位置に布送りして位置決めしてから、ボタン穴形成機構15を作動させ、布切断用カッター48を1又は複数回下降して加工布1に落としてボタン穴3が形成される。その後、前述と同様に、糸切り部材30を退避位置から切断位置を介して縫製開始位置に切換え、穴かがり縫目2の縫製に備える。
【0073】
糸切り部材30が上糸を保持して図14の縫製開始位置に位置している状態で、連動連結機構50を停止して縫製が行われる。ここで,布押え22に連結されて布と一体的に布送り方向へ移動する送り腕23は、糸切り連結部材31の第1係合部33cを押動可能な押動部75を有し、穴かがり縫目2の縫製開始直後に、押動部75が第1係合部33cを押動して可動部材33を前方へ移動させる。
【0074】
すると、図15に示すように、第1係合部33cと第1被係合部45との係合が解除され、引張りコイルバネ38の付勢力により糸切り連動部材31が左方へ移動し、第2係合部31dと第2被係合部46が係合して、糸切り部材30が縫製中位置に切換わる。ところで、前述のように、刃開閉機構40により、糸切り部材30が1対の閉じた刃30a,30bを縫製開始位置又は縫製中位置で開けて上糸を開放するため、余分な上糸は穴かがり縫目2の内側へ縫い込まれる。
【0075】
穴かがり縫目2の形成後、糸切り部材30が図15の縫製中位置に位置している状態から、連動板56が後方へ移動すると、図16に示すように、第2駆動系58により第1,第2被係合部45,46が前方へ移動すると共に、第1駆動系47により糸切り連結部材31が前方へ移動して、糸切り部材30が退避位置に切換えられる。
【0076】
その後、連動板56が後方へ移動して、図13に示すように、糸切り連動部材31は前後方向に対して停止した状態で、第2駆動系58により第1,第2被係合部45,46が前方へ移動するため、第2係合部31eと第2被係合部46が係合して、糸切り部材30が切断位置に切換わる。このとき、刃開閉機構40により、糸切り部材30が1対の開いた刃30a,30bを閉じて上糸を切断して保持する。
【0077】
この際、連動連結機構50を介して下糸切断機構14が連動して下糸を切断し、更に、布押え昇降機構12が連動して布押え22が上昇して上昇位置に切換わり、この動作説明で最初に説明した元の状態になる。尚、穴かがり縫目2の形成途中又は形成後に、ボタン穴形成機構15によりボタン穴を再度形成するように布切断用カッター48を加工布1に落とすことができる。
【0078】
このように、この穴かがりミシンMによれば、加工布1に次の穴かがり縫目2の縫製前にボタン穴形成機構15によりボタン穴3を形成する為に、上糸切断機構13の糸切り部材30が上糸を保持して退避位置に切り換わるので、ボタン穴形成機構15の下降する布切断用カッター48が糸切り部材30と干渉することなく加工布1に落ちてボタン穴2を形成することができる。糸切り部材30で上糸を保持した状態で、ボタン穴2を形成することができるため、布切断用カッター48で上糸を切断したり、上糸が縫針17から抜けたりする等虞もなく、その後行われる穴かがり縫目2の縫製に支障を来さない。
【0079】
尚、縫製途中又は縫製後は、糸切り部材30は図15又は図16に示す位置に存在するため、布切断用カッター48の落下の邪魔にならない。また、縫製途中又は縫製後に布切断用カッター48を落下させる場合には、既に加工布1にはボタン穴2が形成されているため、それ程強く布切断用ソレノイドアクチュエータ49を駆動させる必要がなく、その駆動音を低減することができる。
【0080】
穴かがり縫目2の縫製前だけでなく縫製途中又は縫製後に、再度ボタン穴3を形成するように布切断用カッター48を加工布1に落とすことができ、これにより、縫製前に形成したボタン穴3を、穴かがり縫目2に縫い込まれた布のケバ等が塞いでも、そのケバを切断することができるため、綺麗に開放したボタン穴3を確実に形成することができる。
【0081】
布押え昇降機構12と上糸切断機構13と下糸切断機構14を連動連結機構50により連結し、その連動連結機構50を介して共通のパルスモータ51で駆動するため、構造を簡単化し製作コストの低減を図ることが可能となる。布押え昇降機構12の布押え22により加工布1を押えた状態で、糸切り部材30を退避位置に切り換えることができるため、加工布1を布切断用カッター48に対応する位置に布送りして位置決めすることもでき、ボタン穴2を確実に形成できる。
【0082】
尚、実施形態以外の種々の穴かがりミシンに本案を適用することが可能であるし、前記説明した以外に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を付加した形態で実施することも可能である。例えば、連動連結機構を省略し、上糸切断機構を専用のアクチュエータにより駆動するようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】
請求項1の穴かがりミシンによれば、布に次の穴かがり縫目の縫製前にボタン穴形成機構によりボタン穴を形成する為に、上糸切断機構の糸切り部材が上糸を保持して退避位置に切り換わるので、ボタン穴形成機構の下降する布切断用カッターが糸切り部材と干渉することなく布に落ちてボタン穴を形成することができる。糸切り部材で上糸を保持した状態で、ボタン穴を形成できるため、布切断用カッターで上糸を切断したり、上糸が縫針から抜けたりする等の虞もなく、その後行われる穴かがり縫目の縫製に支障を来さない。
【0084】
押え昇降機構と上糸切断機構とを連動連結機構により連結し、その連動連結機構を介して共通のアクチュエータで駆動するため、構造を簡単化し製作コストの低減を図ることが可能となる。布押え昇降機構の布押えにより布を押えた状態で、糸切り部材を退避位置に切り換えることができるため、布を布切断用カッターに対応する位置に布送りして位置決めすることもでき、ボタン穴を確実に形成することができる。
【0085】
糸切断機構により穴かがり縫目の縫製中に糸切り部材を待機させる縫製中位置に切換えることができるため、糸切り部材と昇降する縫針とを干渉させずに、穴かがり縫目の縫製を行うことができる。
糸切り連結部材の鉛直軸心回りの回動と布送り方向への移動を介して、糸切り部材を、切断位置、縫製開始位置、退避位置、縫製中位置に亙って切換えることができる。
第1係合部と第1被係合部が係合した状態で糸切り部材を縫製開始位置に保持し、第1係合部と第1被係合部が係合解除した状態で、付勢部材により糸切り部材を退避位置又は縫製中位置に切換えることができる。
穴かがり縫目の縫製開始直後、穴かがり縫目の縫製開始直後、布送り方向へ移動する送り腕の押動部が糸切り連結部材の第1係合部を押動し、第1係合部と第1被係合部との係合を解除して糸切り部材を縫製中位置に切換えることができる。
【0086】
請求項の穴かがりミシンによれば、刃開閉機構により、糸切り部材の1対の開いた刃が切断位置で閉じて上糸を確実に切断して保持でき、1対の閉じた刃が縫製開始位置又は縫製中位置で開いて上糸を確実に開放でき、余分な上糸を穴かがり縫目の内側に綺麗に縫い込むことができるため品質が向上する。
【0087】
【0088】
請求項の穴かがりミシンによれば、第1駆動系により、連動連結部材の駆動力を糸切り連結部材に伝達して、糸切り連結部材を布送り方向へ確実に駆動することができる。
【0089】
【0090】
【0091】
請求項の穴かがりミシンによれば、第2係合部と第2被係合部とを係合させて、糸切り部材を退避位置と切断位置と縫製中位置に確実に切換えることができる。
【0092】
請求項の穴かがりミシンによれば、第1係合部に対して第2被係合部を布送り方向へ移動させ、第2係合部の段部と第2被係合部とを係合させて、糸切り連結部材を切断位置に移動させ切換えることができる。
【0093】
請求項の穴かがりミシンによれば、第2駆動系により第2被係合部を布送り方向へ駆動し、第2係合部に対する第2被係合部の係合位置を変化させて段部にも係合させることができる。
【0094】
請求項の穴かがりミシンによれば、アクチュエータとしてパルスモータ駆動制御し、その駆動量に応じて、布押え昇降機構と上糸切断機構を適切なタイミングで駆動し、また、上糸切断機構において、糸切り部材の切断位置、退避位置、縫製開始位置、縫製中位置への切換えを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る穴かがりミシンの側面からの透視図である。
【図2】穴かがりミシンの平面からの透視図である。
【図3】穴かがりミシンの正面からの透視図である。
【図4】加工布に形成された穴かがり縫目とボタン穴の平面図である。
【図5】穴かがりミシンの上糸切断機構等を含む要部平面図である。
【図6】穴かがりミシンの上糸切断機構等を含む要部側面図である。
【図7】糸切り部材と布押え等を含む要部平面図である。
【図8】糸切り部材と布押え等を含む要部側面図である。
【図9】糸切り部材と布押え等を含む要部正面図である。
【図10】連動連結機構の一部とパルスモータの側面図である。
【図11】穴かがりミシンの制御系のブロック図である。
【図12】糸切り部材が上糸を保持した状態で退避位置に位置する糸切り機構等の平面図である。
【図13】糸切り部材が切断位置に位置する糸切り機構等の平面図である。
【図14】糸切り部材が縫製開始位置に位置する糸切り機構等の平面図である。
【図15】糸切り部材が縫製中位置に位置する糸切り機構等の平面図である。
【図16】糸切り部材が上糸を開放した状態で退避位置に位置する糸切り機構等の平面図である。
【符号の説明】
M 穴かがりミシン
1 加工布
2 穴かがり縫目
3 ボタン穴
10 縫目形成機構
11 布送り機構
12 布押え昇降機構
13 上糸切断機構
14 下糸切断機構
15 ボタン穴形成機構
17 縫針
22 布押え
23 送り腕
30 糸切り部材
30a 固定刃
30b 可動刃
31 糸切り連結部材
31d 第2係合部
31e 段部
33c 第1係合部
38 引っ張りコイルバネ
40 刃開閉機構
45 第1被係合部
46 第2被係合部
48 布切断用カッター
50 連動連結機構
51 パルスモータ
56 連動板
57 第1駆動系
58 第2駆動系
75 押動部

Claims (7)

  1. 上糸切断機構とボタン穴形成機構とを備えた穴かがりミシンにおいて、
    前記上糸切断機構を駆動するアクチュエータを備え、
    前記上糸切断機構は、穴かがり縫目の形成後に縫針近傍の切断位置で上糸を切断して保持する糸切り部材と、先端部にこの糸切り部材を連結すると共に基端部が鉛直軸心回りに回動可能に枢支され且つ布送り方向へ移動可能な糸切り連結部材とを有すると共に、この糸切り部材を前記切断位置とボタン穴形成機構の布切断用カッターの移動軌跡付近の縫製開始位置とその移動軌跡から退避した退避位置とに亙って切換え可能に且つ穴かがり縫目の縫製中に糸切り部材を待機させる縫製中位置に切換え可能に構成され、
    布に次の穴かがり縫目の縫製前にボタン穴形成機構によりボタン穴を形成する為に、上糸切断機構の糸切り部材が上糸を保持して退避位置に切り換わるように構成し、
    布押え昇降機構と、この布押え昇降機構と上糸切断機構を連動連結する連動連結機構を備え、
    前記アクチュエータにより連動連結機構を介して布押え昇降機構と上糸切断機構を駆動し、布押え昇降機構の布押えにより布を押えた状態で、上糸切断機構の糸切り部材を退避位置に切り換え可能に構成し、
    前記糸切り部材を退避位置又は縫製中位置側へ付勢する付勢部材と、糸切り連結部材に設けられた第1係合部と、その第1係合部と係合可能な第1被係合部とを備え、
    これら第1係合部と第1被係合部が係合状態で糸切り部材を縫製開始位置に保持し非係合状態で糸切り部材の退避位置又は縫製中位置への切換えを許容し、
    前記布押えに連結されて布と一体的に布送り方向へ移動する送り腕に、糸切り連結部材の第1係合部を押動可能な押動部を設け、
    穴かがり縫目の縫製開始直後に、押動部が縫製開始位置に位置する糸切り連結部材の第1係合部を押動して第1係合部と第1被係合部との係合を解除することを特徴とする穴かがりミシン。
  2. 前記糸切り部材は1対の刃を有し、上糸切断機構は、1対の開いた刃を切断位置で閉じ、1対の閉じた刃を縫製開始位置又は縫製中位置で開ける刃開閉機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の穴かがりミシン。
  3. 前記連動連結機構は、前記アクチュエータにより駆動される連動連結部材と、この連動連結部材の駆動力を糸切り連結部材に伝達して糸切り連結部材を布送り方向へ駆動する第1駆動系を含むことを特徴とする請求項1に記載の穴かがりミシン。
  4. 前記糸切り連結部材に設けられた第2係合部と、その第2係合部と係合可能な第2被係合部とを備え、
    これら第2係合部と第2被係合部が係合した状態で糸切り部材を退避位置と切断位置と縫製中位置の何れか1つの位置に保持することを特徴とする請求項1に記載の穴かがりミシン。
  5. 前記第2係合部は段部を有し、この段部と第2被係合部が係合すると、糸切り連結部材が切断位置に切換わることを特徴とする請求項4に記載の穴かがりミシン。
  6. 前記連動連結機構は、前記連動連結部材の駆動力を第2被係合部に伝達して第2被係合部を布送り方向へ駆動する第2駆動系を含むことを特徴とする請求項5に記載の穴かがりミシン。
  7. 前記アクチュエータがパルスモータであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の穴かがりミシン。
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