JP4340928B2 - ヘッド位置決め制御装置、ヘッド位置決め制御方法及びディスク装置 - Google Patents

ヘッド位置決め制御装置、ヘッド位置決め制御方法及びディスク装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヘッド位置決め制御装置及びその方法並びにディスク装置に関し、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク及び光ディスク等のディスク状記録媒体を記録又は再生するディスク装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のディスク装置のうち磁気ディスク装置においては、通常、例えばアルミニウム合金やガラス等の材質からなる基板の一面又は両面に酸化鉄等の磁性材の粉末が塗布された磁気ディスクを記録媒体として用いるようになされている。
【0003】
かかる磁気ディスク装置には、例えばエンベデッド(embedded)サーボ方式が適用され、磁気ディスクの中心から放射状に広がるように一面又は両面に複数のサーボ領域を形成した後、当該データ領域を等角度に分割してそのデータ領域間にサーボ情報を書き込む(以下、この動作をサーボライトと呼ぶ)ことにより、当該サーボ状態に基づいて磁気ヘッドを位置決め制御するようになされている。
【0004】
その際、この磁気ディスク装置は、磁気ヘッドを目標位置近傍に高速に移動させるシークモードと、磁気ヘッドを目標位置に整定させるセトリングモードと、磁気ヘッドを目標位置に追従させるトラッキングモードとの3種類の動作モードを磁気ヘッドの位置決め状態に応じて順次切り換えるようになされている。
【0005】
特にウィンチェスタディスク等の媒体固定型の磁気ディスク装置においては、当該装置が組み立てられた後でサーボライトを行う場合が多く、そのときのディスク回転時に同期して発生する外乱(以下、これをディスク回転同期外乱と呼ぶ)はあまり大きくないため、トラッキング時にPID(Proportional、Integration and Differential)補償器やH∞制御器等を用いた閉ループ系によって十分な制御帯域をとることにより当該ディスク回転同期外乱を抑圧し得るようになされていた。
【0006】
ところが、基板が例えばプラスチック等の樹脂材からなる磁気ディスクを用いた場合、上述のような基板がアルミニウム合金やガラス等からなる磁気ディスクと異なり、非常に柔らかくかつ温度や湿度等の環境変化に対する耐侯性も低いため、経時変化に伴って使用時又は保管時に膨張したり伸縮したりする割合が高い。
【0007】
このためかかる基板がプラスチック等の樹脂材からなる磁気ディスクを用いた媒体固定型の磁気ディスク装置では、経時変化に伴ってディスク回転同期外乱の第1次成分(偏心)が変わるおそれがあり、また、サーボライト時のスピンドルモータの回転精度等に依存して、第2次以上の外乱成分も経時変化に伴って大きくなるおそれがある。
【0008】
因みにディスク回転同期外乱の第i(iは自然数)次成分としては、磁気ディスクに偏心が生じた場合(i=1)、磁気ディスク上のトラックが楕円状又は不定形状になった場合(i=2)、磁気ディスクの製造元となるスタンパに変形が生じていた場合(i≧3)等が挙げられる。
【0009】
さらにこのような基板がプラスチック等の樹脂材からなる磁気ディスクを用いた磁気ヘッド装置では、狭トラックピッチ化によるヘッド位置決め精度の要求が一層厳しくなっているにもかかわらず、ディスク回転同期外乱の十分な抑圧率を確保することが難しくなってきている。
【0010】
このため、内部モデル原理を応用して、閉ループ内に正弦波発生モデルを入れ、その外乱周波数におけるゲインを上げることよって抑圧率を確保するようなフィルタを導入することが望ましく、このようなディスク回転同期外乱を抑圧するフィルタの一つとして、適応フィードフォワードキャンセラ(AFC:Adaptive Feedforward Cancellation )が提案されている。
【0011】
ここで図5においてAFCを用いた制御系1を示す。この制御系1では、制御対象P(s)に所定周波数の周期外乱d(t)が入力されたとき当該外乱周波数をディジタル式のAFCフィルタ2を用いて抑圧するようになされている。まず周期外乱d(t)が加算器3を介して制御対象P(s)に入力されたとき、制御対象P(s)では周期外乱d(t)の成分が与えられ、当該成分に応じた出力y(t)を外部及びAFCフィルタ2に送出する。
【0012】
因みにこの周期外乱d(t)の周波数をωi /2πとすると当該周期外乱d(t)は、次式
【0013】
【数1】
Figure 0004340928
【0014】
で表される。続いてAFCフィルタ2において、制御対象P(s)の出力y(t)は、対応する乗算器4及び5に与えられ、それぞれcos(ωi t+Φi )及びsin(ωi t+Φi )が乗算された後、当該乗算結果がそれぞれ積分器6及び7に供給される。積分器6及び7は、乗算器4及び5の乗算結果をそれぞれ積分することにより、AFC係数ai 及びbi を生成する。なおΦi は、制御対象P(s)のAFC加算点(u(t))からAFC引き込み点(y(t))への伝達関数における周波数ωi /2πの位相値である。
【0015】
このようにして生成されたAFC係数ai 及びbi は、対応する乗算器8及び9においてそれぞれcos(ωi t)及びsin(ωi t)が乗算された後、当該各乗算結果が加算器10において加算され、この加算結果が制御対象P(s)の入力u(t)となる。この入力u(t)は、次式
【0016】
【数2】
Figure 0004340928
【0017】
で表される。この入力u(t)は、加算器3において周期外乱d(t)と加算され、当該周期外乱d(t)のうちの所定の周波数成分が抑圧される。かくしてこのようなAFCフィルタ2を用いたフィードフォワード制御を繰り返すことにより、AFC係数a及びbが共に周期外乱d(t)に表されたAFC係数A及びBに収束し、この結果周期外乱d(t)は加算器3において入力u(t)により相殺(キャンセル)される。
【0018】
実際には、AFCフィルタ2による演算処理(以下、これをAFC演算処理と呼ぶ)は、通常はディジタル演算器(DSP:Digital Signal Proceesor)内部で行われることから、その場合にAFC係数a及びbは、それぞれ次式、
【0019】
【数3】
Figure 0004340928
【0020】
【数4】
Figure 0004340928
【0021】
で表される更新則に従って更新される。但し、kはサンプリング時点を示す整数であり、Tはサンプリング間隔である。このときAFCフィルタ2のシステム関数(伝達関数)C(t)(=u(t)/y(t))は、次式
【0022】
【数5】
Figure 0004340928
【0023】
で表される。
【0024】
ここで図6は従来の磁気ディスク装置10を示し、それぞれ基板がプラスチック等の樹脂材からなる複数の磁気ディスク11A、11Bをスピンドルモータ12の回転駆動に応じて高速回転させながら、ヘッドアーム13の各先端に取り付けられた磁気ヘッド14A〜14Dをボイスコイルモータ(VCM)15の駆動に応じて移動して、それぞれ磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BYに対応して位置合わせすることにより、当該磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BY上に同心円状又はスパイラル状に形成された各トラックに追従してそれぞれデータを記録又は再生するようになされている。
【0025】
この磁気ディスク装置10では、上述したエンベデッドサーボ方式を適用しており、サーボライタ16は、磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BYに形成された各サーボ領域にそれぞれ時間基準となるサーボ情報を形成し、これにより磁気ヘッド14A〜14Dの位置情報を得るようになされている。
【0026】
磁気ヘッド14A〜14Dによって磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BYの各サーボ領域内のサーボ情報を再生して得られた再生信号S1は、プリアンプ17を介して増幅された後、A/D(アナログ/ディジタル)変換部18を介してディジタル変換され、これを基準信号S2として位置誤算信号生成部19に送出される。
【0027】
この位置誤算信号生成部19は、基準信号S2に基づいて、磁気ヘッド14A〜14Dが目標トラックからどのくらい位置ずれしているかを表す位置誤差信号(PES:Position Error Signal )S3を生成した後、これをAFC補正制御系20内の加算器21及びスイッチ22に送出する。
【0028】
このAFC補正制御系20は、誤差信号S3をスイッチ22を介して4個のAFCフィルタ23A〜23Dにそれぞれ供給して、上述したAFC演算処理を実行することによりディスク回転同期外乱の1〜4次成分を抑圧した後、これらの出力を加算器24を介して加算する。この加算結果はAFC出力信号S4としてスイッチ25を介して加算器21に送出される。
【0029】
なおこのスイッチ22及び25は、制御モード切換部26から得られるモード切換信号S5によって、トラッキングモード時にのみオン状態に接続され、これ以外のシークモード時又はセトリングモード時にはオフ状態のままにされる。
【0030】
ここで磁気ディスク11A、11Bの回転周波数をω/2πとすると、ディスク回転同期外乱の1〜4次成分をキャンセルするためのAFCフィルタ23A〜23Dのシステム関数C1 (z)〜C4 (z)は、それぞれ次式
【0031】
【数6】
Figure 0004340928
【0032】
【数7】
Figure 0004340928
【0033】
【数8】
Figure 0004340928
【0034】
【数9】
Figure 0004340928
【0035】
で表される。
【0036】
一方、加算器21は、位相誤差信号生成部19から得られた位相誤差信号S3と、4個のAFCフィルタ23A〜23Dの加算結果からなるAFC出力信号S4とを加算することにより、ACF補正信号S6を生成する。
【0037】
続いてトラッキング制御部27、セトリング制御部28及びシーク制御部29の前後には、3個の入出力端を有する一対のスイッチ30及び31が設けられ、制御モード切換部26から得られるモード切換信号S5に基づいて、スイッチ30及び31はそれそれ同じ位置の入出力端と接続するように連動して切り換えられる。
【0038】
かくして磁気ヘッド14A〜14Dを目標トラックに位置決めする際に、AFC補正制御系20は、シークモード、セトリングモード及びトラッキングモードと順次切り換えられたとき、トラッキングモード時にのみスイッチ22及び25をオン状態にして、続くシークモード時及びセトリングモード時にはスイッチ22及び25をオフ状態にする。
【0039】
これによりトラッキングモード時においてのみ加算器21にAFC出力信号S4を送出して、当該加算器21において位相誤差信号S3と加算して得られるAFC補正信号S6をトラッキング制御部27に送出する。
【0040】
トラッキング制御部27は、AFC補正信号S6に基づいて磁気ヘッド14A〜14Dのヘッド位置情報を計算した後、これをヘッド駆動信号S7としてD/A(ディジタル/アナログ)変換部32を介してアナログ変換した後、ボイスコイルモータドライバ33に送出する。この結果、ボイスコイルモータドライバ33はヘッド駆動信号S7に基づいてボイスコイルモータ15を駆動することにより、磁気ヘッド14A〜14Dをそれぞれ対応する磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BY上に形成された目標トラックに追従させることができる。
【0041】
これに対してシークモード時又はセトリングモード時には、位置誤差信号生成部19から得られる誤差信号S3が直接セトリング制御部28又はシーク制御部29に供給され、当該セトリング制御部28又はシーク制御部29はそれぞれヘッド位置情報を計算した後、当該計算結果をそれぞれヘッド駆動信号S8又はS9としてD/A変換部32を介してボイスコイルモータドライバ33に送出する。
【0042】
かくしてボイスコイルモータドライバ33は、ヘッド駆動信号S8又はS9に基づいてボイスコイルモータ15を駆動することにより、磁気ヘッド14A〜14Dをそれぞれ対応する磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BY上に形成された目標トラックにシークし又は整定させることができる。
【0043】
なお磁気ディスク装置10には記録再生部34が設けられ、外部から供給される所定の記録信号S10を磁気ヘッド14A〜14Dを介して磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BY上に形成された目標トラックに記録する一方、当該目標トラックから読み出した再生信号S11を後段の信号処理部(図示せず)に送出するようになされている。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる構成の磁気ディスク装置10では、磁気ディスク11A、11Bを再生して得られる誤差信号S3に基づいてAFCフィルタ23A〜23Dが上述のAFC演算処理を実行し、当該演算結果としてのAFC出力信号S4を誤差信号S3に加えることにより、当該誤差信号S3から得られる磁気ディスク11A、11Bの回転周波数に同期して発生する外乱周波数を十分に抑圧し得るようになされている。
【0045】
現在トラッキング制御状態にあるトラックから所望の目標トラックに磁気ヘッド14A〜14Dを位置決めする場合、トラッキング制御部27からシーク制御部29にモード切換えを行うことにより、現在位置決めされているトラックから目標トラックに磁気ヘッド14A〜14Dをシークさせる。このときAFCフィルタ23A〜23DによるAFC演算処理結果としてのAFC係数はトラッキング制御したときに得られた収束値であり、当該収束値に基づいてディスク回転同期外乱が補正されたAFC補正信号S6がシーク制御部29に入力される。
【0046】
従ってシーク制御部29は、ディスク回転同期外乱が完全に補正されていない状態で、磁気ヘッド14A〜14Dを目標トラックに対してシークするため、当該シーク制御したとしても目標トラックに対して磁気ヘッド14A〜14Dをセトリング(整定)し得なくなるおそれがある。このためシークモード時にはトラッキングモード時のAFC係数の収束値を用いてフィードフォワード制御することが非常に困難となる問題があった。
【0047】
一方、プラスチック等の樹脂材は従来のアルミニウムやガラスの基板と比較して、非常に柔らかく、かつ温度や湿度などの環境の変化によって膨張又は伸縮する割合が高い。このため基板が当該プラスチック等の樹脂材からなる磁気ディスクを、媒体固定型の磁気ディスク装置に装着した後にサーボライトしたとしても、経時変化に伴って比較的大きな偏心やトラックの変形が発生するおそれがある。
【0048】
このため基板がプラスチック等の樹脂材からなる磁気ディスクを用いた磁気ヘッド装置10において、非常に大きな偏心が発生するおそれがあり、シークモード時にも特定の周波数成分の外乱を補償したいという要求がある。
【0049】
しかしながらシークモード時には磁気ヘッド14A〜14Dは高速回転する磁気ディスク11A、11Bの半径方向を移動するため、AFCフィルタ23A〜23Dが誤差信号S3に基づいて上述したAFC演算処理を実行してAFC係数の値を更新することができず、この結果磁気ディスク11A、11Bの回転周波数に同期する外乱周波数を補償することは非常に困難となる問題があった。
【0050】
さらにシークモード時に補償し得なかった外乱周波数がセトリングモード時には一層悪影響を及ぼすおそれがあり、このとき磁気ヘッド14A〜14Dを磁気ディスク11A、11B上の所望の目標トラックに位置決めし得なくなるという問題があった。
【0051】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ディスク状記録媒体の種類に係わらず簡易な構成でヘッドの位置決め精度を格段と向上し得るヘッド位置決め制御装置及びその方法並びにディスク装置を提案しようとするものである。
【0052】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、ヘッドをディスク状記録媒体の目標位置の近傍に高速に移動させるシークモードと、当該ヘッドを目標位置に整定させるセトリング及び当該ヘッドを当該目標位置に追従させるトラッキングモードとを切換えるモード切換手段と、ディスク状記録媒体に記録されているサーボ情報に基づき目標位置に対するヘッドの位置ずれ量を表す位置誤差信号を生成する位置誤差信号生成手段と、位置誤差信号に含まれるディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第1次外乱成分に対して第1の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第1の補正信号を生成する第1次適応フィードフォワードキャンセル手段と、位置誤差信号に含まれるディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第2次外乱成分に対して第2の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第2の補正信号を生成する第2次適応フィードフォワードキャンセル手段と、位置誤差信号に含まれるディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第3次外乱成分に対して第3の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第3の補正信号を生成する第3次適応フィードフォワードキャンセル手段と、位置誤差信号に含まれるディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第4次外乱成分に対して第4の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第4の補正信号を生成する第4次適応フィードフォワードキャンセル手段と、モード切換手段によってトラッキングモードからシークモードに切換えたとき当該シークモードからセトリングモードの所定時間内においては、当該セトリングモードの所定時間経過後からトラッキングモードで適用した第1の補正信号を用いて位置誤差信号と加算することによりシークモード時にヘッドを制御するためのシークモード補正信号を生成するAFCシーク補正信号生成手段と、トラッキングモード時には、第2補正信号乃至第4補正信号を加算した加算補正信号と位置誤差信号とを加算することによりAFC加算信号を生成し、当該AFC加算信号と第1の補正信号とを加算することによりヘッドを制御するトラッキングモード補正信号を生成するAFCトラッキング補正信号生成手段と、シークモード補正信号及びトラッキングモード補正信号を用いてヘッドを目標位置制御するヘッド制御手段とを設けるようにした。
【0053】
この結果、ヘッドの移動量の大きいシークモード時にはディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第1次外乱成分に対して第1の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって得られた第1の補正信号と位置誤差信号と加算することによって生成したシークモード補正信号に基づいてヘッドを制御することができるので、シークモード時に発生するディスク回転に伴う周期的な大きな外乱を補正することができる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0059】
(1)本実施の形態による磁気ディスク装置の構成
図6との対応部分に同一符号を付して示す図1において、40は全体として本実施の形態による媒体固定型の磁気ディスク装置を示し、AFC補正制御系41の構成が異なる点を除いて従来の磁気ディスク装置10と同様に構成されている。
【0060】
この磁気ディスク装置40は、図2に示すように、スピンドルモータ12の出力軸12Aを中心として回転駆動される複数の磁気ディスク11A、11Bの近傍位置に設けられた固定軸42上に、回動自在に装着されたヘッドアーム13の先端に取り付けられた磁気ヘッド14A〜14Dを、プッシュピン(図示せず)を駆動してヘッドアーム13を微小距離ずつ移動させるようになされている。
【0061】
かかる磁気ディスク装置40では、上述のエンデベッドサーボ方式によって、サーボライト時には、基板がプラスチック等の樹脂材からなる磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BYに形成された各サーボ領域に、それぞれ時間基準となるサーボ情報を磁気ヘッド14A〜14Dの揺動される軌跡TSVに沿って書き込むようになされている。
【0062】
また図1に示すように、この磁気ディスク装置40において、通常の記録時又は再生時には、複数の磁気ディスク11A、11Bをスピンドルモータ12の回転駆動に応じて高速回転させながら、ヘッドアーム13の各先端に取り付けられた磁気ヘッド14A〜14Dをボイスコイルモータ(VCM)15の駆動に応じて移動して、それぞれ磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BYに対応して位置合わせすることにより、当該磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BY上に同心円状又はスパイラル状に形成された各トラックに追従してそれぞれ映像音声データを記録又は再生するようになされている。
【0063】
このとき磁気ディスク装置40は、磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BYの各サーボ領域に形成されたサーボ情報に基づいて、磁気ヘッド14A〜14Dの位置情報を得るようになされている。
【0064】
このように磁気ヘッド14A〜14Dによって磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BYの各サーボ領域内のサーボ情報を再生して得られた再生信号S1は、プリアンプ17を介して増幅された後、A/D変換部18を介してディジタル変換され、これを基準信号S2として位置誤差信号生成部19に送出される。
【0065】
この位置誤差信号生成部19は、基準信号S2に基づいて、磁気ヘッド14A〜14Dが目標トラックからどのくらい位置ずれしているかを表す位置誤差信号(PES:Position Error Signal )S3を生成した後、これをAFC補正制御系41内のスイッチ22及び加算器43に送出する。
【0066】
このAFC補正制御系41において、位置誤差信号生成部18から得られる誤差信号S3は、スイッチ22を介してAFCフィルタ23A〜23Dにそれぞれ与えられると共に、そのまま加算器43にも与えられる。
【0067】
これらAFCフィルタ23A〜23Dは、誤差信号S3に基づいて上述したAFC演算処理を実行することによりディスク回転同期外乱の第1次〜第4次成分をそれぞれ抑圧した後、このうちAFCフィルタ23Aの出力はAFC出力信号S15としてスイッチ31の後段にある加算器44に送出されると共に、ACFフィルタ23B〜23Dの出力は加算器45を介して加算された後、AFC出力信号S16としてスイッチ46を介して加算器43に送出される。
【0068】
加算器43では誤差信号S3とAFC出力信号S16とが加算された後、当該加算結果からなるAFC加算信号S17がスイッチ30を介して択一的にトラッキング制御部26、セトリング制御部27又はシーク制御部28のうちのいずれかに与えられる。かくしてトラッキング制御部27、セトリング制御部28又はシーク制御部29に送出されたAFC加算信号S17は、対応する制御部27〜29において所定のヘッド制御処理が行われた後、スイッチ31を介して加算器44に与えられる。
【0069】
この場合スイッチ30及び31は、制御モード切換部47から得られるモード切換信号S18に基づいて、磁気ヘッド14A〜14Dの制御移動量の大きい順番すなわちシーク制御部29、セトリング制御部28及びトラッキング制御部27の順番で所定のタイミングで切換え制御される。
【0070】
これと共にスイッチ22及び46は、制御モード切換部47から得られるモード切換信号S18に基づいて、セトリングモード時の所定時間経過後からトラッキングモード時まではオン状態に切り換えられ、これ以外のシークモード時からセトリングモード時の所定時間経過後まではオフ状態に切り換えられる。
【0071】
加算器44は、AFC出力信号S15とトラッキング制御部27、セトリング制御部28又はシーク制御部29のうち選択された制御部27〜29の出力とを加算した後、これをAFC補正信号S19としてD/A変換部32を介してボイスコイルモータドライバ33に送出する。
【0072】
ボイスコイルモータドライバ33は、AFC補正信号S19に基づいてボイスコイルモータ15を駆動することにより、磁気ヘッド14A〜14Dをそれぞれ対応する磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BY上に形成された目標トラックに位置決めすることができる。
【0073】
なお磁気ディスク装置40には記録再生部34が設けられ、外部から供給される所定の記録信号S10を磁気ヘッド14A〜14Dを介して磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BY上に形成された目標トラックに記録する一方、当該目標トラックから読み出した再生信号S11を後段の信号処理部(図示せず)に送出するようになされている。
【0074】
(2)AFCフィルタによる演算処理手順
ここで図3にセトリングモード時の所定時間後からトラッキングモード時までの各AFCフィルタ23A〜23Dの演算処理手順RT1を示す。第i(i=1〜4:iはディスク回転同期外乱の次数を表わす)次のディスク回転同期外乱に対応するAFCフィルタ23A〜23Dは、ステップSP1から当該演算処理手順RT1に入り、ステップSP2において誤差信号S3が入力されると、続くステップSP3に進んで各AFCフィルタ23A〜23D内の設定値をクリア(i=1)した後、ステップSP4に進む。
【0075】
このステップSP4において、まずAFCフィルタ23Aは、y(t)で表される誤差信号S3に基づいて、上述した(3)式及び(4)式からAFC係数ai (kT)及びbi (kT)を演算(更新)する。このAFC係数ai (kT)及びbi (kT)は、それぞれ次式
【0076】
【数10】
Figure 0004340928
【0077】
【数11】
Figure 0004340928
【0078】
で表される。
【0079】
続いてステップSP5において、AFCフィルタ23Aは、AFC係数ai (kT)及びbi (kT)に対してcos(ωi t )及びsin(ωi t )を乗算する。かくしてAFCフィルタ23Aは、補償対象となる外乱次数分(i=1)についての各乗算結果を累積加算することにより、入力ui (kt)を生成することができる。因みにこのui (kT)は、次式
【0080】
【数12】
Figure 0004340928
【0081】
として表される。
【0082】
この後ステップSP6に進んで外乱次数を高次化した後、ステップ7において、第i(i=2〜4)次のディスク回転同期外乱に対応するAFCフィルタ23Bについても上述したステップSP4及びSP5と同様の処理を行うことにより、入力ui (kt)(i=2〜4)をそれぞれ生成する。
【0083】
かくしてステップSP8及びSP9において、AFCフィルタ23Aから得られる入力ui (kt)(i=1)をAFC出力信号S15として加算器44に送出すると共に、AFCフィルタ23B〜23Dから得られる入力ui (kt)(i=2〜4)を加算してなるAFC出力信号S16を加算器43に送出した後、ステップSP10において当該演算処理手順RT1を終了する。因みにAFC出力信号S16はu(kt)として、次式
【0084】
【数13】
Figure 0004340928
【0085】
で表される。このことは、第2次〜第4次のディスク回転同期外乱に対応したAFCフィルタ23B〜23Dでは、トラッキング制御したときのAFC係数の収束値をシークモード時又はセトリングモード時においても適用し得ることを表している。
【0086】
このようにして、例えば磁気ヘッド14A〜14Dを磁気ディスク11A、11B上の所定のディスク外周位置でトラッキング制御するとき、磁気ディスク11A、11Bの偏心量は通常一定であるため、AFCフィルタ23A〜23DではAFC係数が所定値に収束される。
【0087】
次に図4にセトリングモード時の開始後所定時間内又はシークモード時において、AFC係数の更新をしない場合のAFCフィルタ23Aの演算処理手順RT2を示す。
【0088】
まず第i(i=1)次のディスク回転同期外乱に対応するAFCフィルタ23A〜23Dは、ステップSP20から当該演算処理手順に入り、ステップSP21においてスイッチ22及び46(図1)がオフ状態になされていることから、誤差信号S3は入力されることなく、すなわちy(kT)=0となる。続いてステップSP22においてAFCフィルタ23A内の設定値をクリア(i=1)にした後、ステップSP23に進む。
【0089】
このステップSP23において、AFCフィルタ23Aは、シーク制御に入る直前のAFC係数すわなちトラッキング制御したときに得られるAFC係数ai (kT)及びbi (kT)に固定される。このときAFC係数ai (kT)及びbi (kT)は、それぞれ次式
【0090】
【数14】
Figure 0004340928
【0091】
【数15】
Figure 0004340928
【0092】
で表され、かかる係数値にcos(ωt)及びsin(ωt)がそれぞれ乗ぜられることにより、引き続きAFC係数は出力され続ける。
【0093】
続いてステップSP24において、AFCフィルタ23Aは、AFC係数ai (kT)及びbi (kT)に対してcos(ωi t )及びsin(ωi t )を乗算する。かくしてAFCフィルタ23Aは、補償対象となる外乱次数分(i=1)についての各乗算結果を累積加算することにより、入力ui (kt)を生成することができる。
【0094】
この後ステップSP25に進んで第i(i=1)次のディスク回転同期外乱に対応するAFCフィルタ23Aについて出力された入力ui (kt)(i=1)を加算器44に送出した後、ステップSP26において当該演算処理手順RT2を終了する。
【0095】
ところで、このAFC補正制御系41では、シークモード時からセトリングモード時の所定時間経過後までは、AFCフィルタ23A〜23Dに対して誤差信号S3が入力されることなく、セトリングモード時の所定時間経過後からトラッキングモード時までに行ったAFC演算処理をそのまま続行する。このようにして、例えば磁気ヘッド14A〜14Dを磁気ディスク11A、11B上の所定のディスク外周位置から所定の内周位置にシークする際に、AFCフィルタ23Aはその外周位置におけるトラッキング時の収束値でなるAFC係数を内周位置においても適用することができる。
【0096】
(3)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、この磁気ディスク装置40では、磁気ディスク11A、11Bの高速回転に起因して第1次〜第4次のディスク回転同期外乱が生じた場合、ディスク面上のサーボ領域から得られた基準信号S2には当該外乱次数分に応じてそれぞれ磁気ディスク11A、11Bの回転周波数に同期した外乱周波数が発生する。
【0097】
この基準信号S2に基づいて生成された誤差信号S3は、トラッキングモード時には第2次〜第4次のディスク回転同期外乱に対応したAFCフィルタ23B〜23D及び加算器45を順次介して上述したAFC演算処理が実行された後、加算器43において元の誤差信号S3と加算されてトラッキング制御部27に入力される。
【0098】
これと共に誤差信号S3は第1次のディスク回転同期外乱に対応するAFCフィルタ23Aを介して上述したAFC演算処理が実行された後、加算器44においてトラッキング制御部27の出力と加算されてAFC補正信号S19として出力される。
【0099】
このAFC補正信号S19をトラッキング制御部27を含むトラッキングサーボループ内でフィードバック制御することにより、AFCフィルタ23A〜23Dの各AFC演算処理によって得られるAFC係数は順次更新されて所定の値に収束される。かくして磁気ヘッド14A〜14Dは、ディスク回転同期外乱が補正されたAFC補正信号S19に応じて正確にトラッキング制御される。
【0100】
ここで現在トラッキング制御された状態にあるトラック(第1の目標トラック)から次の目標トラック(第2の目標トラック)に磁気ヘッド14A〜14Dを位置決めする場合、このときトラッキングモードからシークモードにモード切換えすることにより、現在位置決めされているトラックから次の目標トラックに磁気ヘッド14A〜14Dをシークする。
【0101】
このときAFCフィルタ23B〜23Dの各AFC演算処理によって得られるAFC係数はトラッキング制御したときに得られた収束値が適用されるのに対して、AFCフィルタ23AのAFC演算処理によって得られるAFC係数はモード切換え直前の前回のトラッキングモード時の最終的な収束値が適用される。
【0102】
すなわちAFCフィルタ23B〜23Dはトラッキングモード時のAFC係数の収束値に基づいて誤差信号S3に対してAFC演算処理を実行した後、当該演算処理結果を加算器45及び43を介してシーク制御部29の出力と加算させる。一方、AFCフィルタ23Aはモード切換え直前の前回のトラッキングモード時の最終的な収束値に基づいてシーク制御部29の出力に対してAFC演算処理を実行した後、当該演算処理結果を加算器44においてシーク制御部29の出力と加算させる。
【0103】
かくしてシークモード時では磁気ヘッド14A〜14Dが磁気ディスク11A、11Bの半径方向に移動するため、当該磁気ディスク11A、11Bの回転周波数に同期して発生する外乱周波数を計測することが非常に困難であるが、磁気ヘッド14A〜14Dの移動量の大きいシークモード時であっても、トラッキングモード時のAFC演算処理によって得られたAFC係数に基づいてシーク制御部29の出力に応じたディスク回転同期外乱を補正することができる。さらにシークモード時に用いられた今回のAFC係数は、次回のトラッキングモード時におけるAFC係数の収束値を得るために用いられる。
【0104】
従って、基板が例えばプラスチック等の樹脂材からなる磁気ディスク11A、11Bでは、経時変化に伴って非常に大きな偏心やトラックの変形が発生する場合があるが、この場合であっても上述した方法を用いてディスク回転同期外乱を補正することができる。
【0105】
以上の構成によれば、磁気ディスク装置40において、誤差信号S3に基づいてトラッキング制御したときにAFC演算処理によって得られるAFC係数に基づいて、シークモード時に磁気ディスク11A、11Bの回転周波数に同期する外乱周波数を補正するようにしたことにより、基板が例えばプラスチック等の樹脂材からなる磁気ディスク11A、11Bを用いた場合であっても、シークモード時のような磁気ヘッド14A〜14Dの移動量の大きい動作時にディスク回転同期外乱を補正することができ、かくして磁気ディスクの種類に係わらず簡易な構成で磁気ヘッドの位置決め精度を格段と向上し得る磁気ディスク装置40を実現することができる。
【0106】
(5)他の実施の形態
なおこの第1の実施の形態においては、トラッキング制御したときにAFC演算処理によって得られる(14)式及び(15)式のAFC係数ai (kT)及びbi (kT)に基づいて、磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BY上の次の目標トラックに対してシーク制御又はセトリング制御させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、磁気ディスク11A、11Bの一面11AX、11BX及び他面11AY、11BY上を半径方向に複数の領域に分割して、当該各領域毎にトラッキング制御したときに得られるAFC係数(14)式及び(15)式のAFC係数ai (kT)及びbi (kT)を割り当て、例えばRAM(Random Access Memory)やメモリ等の記憶手段(図示せず)に記憶しておくようにしても良い。
【0107】
この場合、セトリングモード時の開始後所定時間内又はシークモード時において、制御モード切換部47は、スイッチ30及び31をセトリング制御部28又はシーク制御部29に切り換えるタイミングに同期して、記憶手段に記憶されたAFC係数ai (kT)及びbi (kT)を読み出して、対応するセトリング制御部28又はシーク制御部29に送出すれば上述と同様の効果を得ることができる。
【0108】
また上述の実施の形態においては、誤差信号S3に基づいて磁気ディスク11A、11Bの回転周波数に同期して発生する外乱周波数を補正するための周波数補正手段としてAFC(適応フィードフォワードキャンセラ)フイルタ23A〜23Dを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の特性周波数外乱除去フィルタを適用しても良い。要は、磁気ディスク11A、11Bの回転周波数の同期して発生する外乱周波数を抑圧し得るものであれば種々の周波数補正手段を広く適用することができる。
【0109】
さらに上述の実施の形態においては、誤差信号S3及び周波数補正係数(AFC係数)に基づいて磁気ヘッド14A〜14Dを磁気ディスク11A、11B上の次の目標トラック(第2の目標トラック)の近傍位置に移動させるヘッド移動手段を、主にシーク制御部29、ボイスコイルモータドライバ33及びボイスコイルモータ15から構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、セトリング制御部28、ボイスコイルモータドライバ33及びボイスコイルモータ15から構成するようにしても良い。またシーク制御及びセトリング制御を連続する一連の動作として単一の制御部を設け、当該制御部とボイスコイルモータドライバ33及びボイスコイルモータ15とから構成するようにしても良い。
【0110】
さらに上述の実施の形態においては、磁気ディスク装置40のサーボ方式としてエンデベッドサーボ方式を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば複数枚のディスクを有する大容量型の磁気ディスク装置において、そのうちの1枚の磁気ディスクの片面をサーボ情報専用の面として当該一面にサーボ情報を書き込むようにしたサーボ面サーボ方式を適用しても良く、この他種々のサーボ方式に広く適用することができる。
【0111】
さらに上述の実施の形態においては、第i次のディスク回転同期外乱として第1〜第4次のディスク回転同期外乱が磁気ディスク11A、11Bの回転に同期して発生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ディスク回転同期外乱の度合いに応じて第5次以上のディスク回転同期外乱についても周波数補正手段における補正対象とするようにしても良い。
【0112】
さらに上述の実施の形態においては、磁気ディスク11A、11Bをプラスチックからなる樹脂材を基板として用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、基板を形成する樹脂材としてはプラスチック以外にも種々の樹脂でも良い。要は、従来のような基板がアルミニウム合金やガラス材からなる磁気ディスクに対して、非常に柔らかくかつ温度や湿度等の環境変化に対する耐候性が低い樹脂においても広く適用することができる。
【0113】
さらに上述の実施の形態においては、本発明を磁気ディスク11A、11Bを記録又は再生する媒体固定型の磁気ディスク装置40に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばディスクパック等の媒体交換型の磁気ディスク装置に適用しても良く、要は、ディスク状記録媒体を記録又は再生する際にディスク回転同期外乱の抑圧を必要とする装置に広く適用することができる。この場合、ヘッドとして磁気ヘッド14A〜14D以外にも光ヘッドや光ピックアップ等を広く適用することができ、またディスク状記録媒体として磁気ディスク11A、11B以外にも、基板が樹脂材からなる光磁気ディスクや光ディスク等を広く適用することができる。
【0114】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、ヘッドをディスク状記録媒体の目標位置の近傍に高速に移動させるシークモードと、当該ヘッドを目標位置に整定させるセトリング及び当該ヘッドを当該目標位置に追従させるトラッキングモードとを切換えるモード切換手段と、ディスク状記録媒体に記録されているサーボ情報に基づき目標位置に対するヘッドの位置ずれ量を表す位置誤差信号を生成する位置誤差信号生成手段と、位置誤差信号に含まれるディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第1次外乱成分に対して第1の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第1の補正信号を生成する第1次適応フィードフォワードキャンセル手段と、位置誤差信号に含まれるディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第2次外乱成分に対して第2の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第2の補正信号を生成する第2次適応フィードフォワードキャンセル手段と、位置誤差信号に含まれるディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第3次外乱成分に対して第3の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第3の補正信号を生成する第3次適応フィードフォワードキャンセル手段と、位置誤差信号に含まれるディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第4次外乱成分に対して第4の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第4の補正信号を生成する第4次適応フィードフォワードキャンセル手段と、モード切換手段によってトラッキングモードからシークモードに切換えたとき当該シークモードからセトリングモードの所定時間内においては、当該セトリングモードの所定時間経過後からトラッキングモードで適用した第1の補正信号を用いて位置誤差信号と加算することによりシークモード時にヘッドを制御するためのシークモード補正信号を生成するAFCシーク補正信号生成手段と、トラッキングモード時には、第2補正信号乃至第4補正信号を加算した加算補正信号と位置誤差信号とを加算することによりAFC加算信号を生成し、当該AFC加算信号と第1の補正信号とを加算することによりヘッドを制御するトラッキングモード補正信号を生成するAFCトラッキング補正信号生成手段と、シークモード補正信号及びトラッキングモード補正信号を用いてヘッドを目標位置制御するヘッド制御手段とを設けるようにしたことにより、ヘッドの移動量の大きいシークモード時にはディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第1次外乱成分に対して第1の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって得られた第1の補正信号と位置誤差信号と加算することによって生成したシークモード補正信号に基づいてヘッドを制御することができるので、シークモード時に発生するディスク回転の大きな偏心に伴う周期的な外乱を補正することができ、このためヘッドの移動量が大きいシーク動作時においてもヘッドの目標位置への精度を格段と向上することができ、かくしてディスク状記録媒体の種類に係わらず簡易な構成でヘッドの目標位置決め精度を格段と向上し得るヘッド位置決め制御装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態における磁気ディスク装置の構成を示す略線図である。
【図3】トラッキングモード時のAFC演算処理手順を示すフローチャートである。
【図4】シークモード時のAFC演算処理手順を示すフローチャートである。
【図5】AFC制御系の原理の説明に供するブロック図である。
【図6】従来の磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2、23A〜23D……AFCフィルタ、10、40……磁気ディスク装置、11A、11B……磁気ディスク、14A〜14D……磁気ヘッド、15……ボイスコイルモータ、16……サーボライタ、19……位置誤差信号生成部、20、41……AFC補正制御系、21、24、43〜45……加算器、22、25、30、31、46……スイッチ、26、47……制御モード切換部、27……トラッキング制御部、28……セトリング制御部、29……シーク制御部、33……ボイスコイルモータドライバ、34……記録再生部。

Claims (3)

  1. ヘッドをディスク状記録媒体の目標位置の近傍に高速に移動させるシークモードと、当該ヘッドを上記目標位置に整定させるセトリング及び当該ヘッドを当該目標位置に追従させるトラッキングモードとを切換えるモード切換手段と、
    上記ディスク状記録媒体に記録されているサーボ情報に基づき上記目標位置に対する上記ヘッドの位置ずれ量を表す位置誤差信号を生成する位置誤差信号生成手段と、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第1次外乱成分に対して第1の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第1の補正信号を生成する第1次適応フィードフォワードキャンセル手段と、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第2次外乱成分に対して第2の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第2の補正信号を生成する第2次適応フィードフォワードキャンセル手段と、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第3次外乱成分に対して第3の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第3の補正信号を生成する第3次適応フィードフォワードキャンセル手段と、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第4次外乱成分に対して第4の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第4の補正信号を生成する第4次適応フィードフォワードキャンセル手段と、
    上記モード切換手段によって上記トラッキングモードから上記シークモードに切換えたとき当該シークモードから上記セトリングモードの所定時間内においては、当該セトリングモードの所定時間経過後から上記トラッキングモードで適用した上記第1の補正信号を用いて上記位置誤差信号と加算することにより上記シークモード時に上記ヘッドを制御するためのシークモード補正信号を生成するAFCシーク補正信号生成手段と、
    上記トラッキングモード時には、上記第2補正信号乃至上記第4補正信号を加算した加算補正信号と位置誤差信号とを加算することによりAFC加算信号を生成し、当該AFC加算信号と上記第1の補正信号とを加算することにより上記ヘッドを制御するトラッキングモード補正信号を生成するAFCトラッキング補正信号生成手段と、
    上記シークモード補正信号及び上記トラッキングモード補正信号を用いて上記ヘッドを上記目標位置制御するヘッド制御手段と
    を具えるヘッド位置決め制御装置。
  2. ヘッドをディスク状記録媒体の目標位置の近傍に高速に移動させるシークモードと、当該ヘッドを上記目標位置に整定させるセトリング及び当該ヘッドを当該目標位置に追従させるトラッキングモードとを切換えるモード切換ステップと、
    上記ディスク状記録媒体に記録されているサーボ情報に基づき上記目標位置に対する上記ヘッドの位置ずれ量を表す位置誤差信号を生成する位置誤差信号生成ステップと、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第1次外乱成分に対して第1の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第1の補正信号を生成する第1次適応フィードフォワードキャンセルステップと、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第2次外乱成分に対して第2の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第2の補正信号を生成する第2次適応フィードフォワードキャンセルステップと、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第3次外乱成分に対して第3の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第3の補正信号を生成する第3次適応フィードフォワードキャンセルステップと、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第4次外乱成分に対して第4の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第4の補正信号を生成する第4次適応フィードフォワードキャンセルステップと、
    上記モード切換手段によって上記トラッキングモードから上記シークモードに切換えたとき当該シークモードから上記セトリングモードの所定時間内においては、当該セトリングモードの所定時間経過後から上記トラッキングモードで適用した上記第1の補正信号を用いて上記位置誤差信号と加算することにより上記シークモード時に上記ヘッドを制御するためのシークモード補正信号を生成するAFCシーク補正信号生成ステップと、
    上記トラッキングモード時には、上記第2補正信号乃至上記第4補正信号を加算した加算補正信号と位置誤差信号とを加算することによりAFC加算信号を生成し、当該AFC加算信号と上記第1の補正信号とを加算することにより上記ヘッドを制御するトラッキングモード補正信号を生成するAFCトラッキング補正信号生成ステップと、
    上記シークモード補正信号及び上記トラッキングモード補正信号を用いて上記ヘッドを上記目標位置制御するヘッド制御ステップと
    を有するヘッド位置決め制御方法。
  3. ヘッドをディスク状記録媒体の目標位置の近傍に高速に移動させるシークモードと、当該ヘッドを上記目標位置に整定させるセトリング及び当該ヘッドを当該目標位置に追従させるトラッキングモードとを切換えるモード切換手段と、
    上記ディスク状記録媒体に記録されているサーボ情報に基づき上記目標位置に対する上記ヘッドの位置ずれ量を表す位置誤差信号を生成する位置誤差信号生成手段と、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第1次外乱成分に対して第1の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第1の補正信号を生成する第1次適応フィードフォワードキャンセル手段と、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第2次外乱成分に対して第2の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第2の補正信号を生成する第2次適応フィードフォワードキャンセル手段と、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第3次外乱成分に対して第3の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第3の補正信号を生成する第3次適応フィードフォワードキャンセル手段と、
    上記位置誤差信号に含まれる上記ディスク状記録媒体の回転に伴う周期的な第4次外乱成分に対して第4の適応フィードフォワードキャンセラを施すことによって第4の補正信号を生成する第4次適応フィードフォワードキャンセル手段と、
    上記モード切換手段によって上記トラッキングモードから上記シークモードに切換えたとき当該シークモードから上記セトリングモードの所定時間内においては、当該セトリングモードの所定時間経過後から上記トラッキングモードで適用した上記第1の補正信号を用いて上記位置誤差信号と加算することにより上記シークモード時に上記ヘッドを制御するためのシークモード補正信号を生成するAFCシーク補正信号生成手段と、
    上記トラッキングモード時には、上記第2補正信号乃至上記第4補正信号を加算した加算補正信号と位置誤差信号とを加算することによりAFC加算信号を生成し、当該AFC加算信号と上記第1の補正信号とを加算することにより上記ヘッドを制御するトラッキングモード補正信号を生成するAFCトラッキング補正信号生成手段と、
    上記シークモード補正信号及び上記トラッキングモード補正信号を用いて上記ヘッドを上記目標位置制御するヘッド制御手段と
    上記ヘッド制御手段によって上記ヘッドが位置決めされた上記目標位置に対して所定の情報を記録又は再生する記録再生手段と
    を具えディスク装置。
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