JP4336412B2 - 回折光学素子及びそれを用いた光学系 - Google Patents

回折光学素子及びそれを用いた光学系 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回折光学素子のうち特に複数の波長、或いは所定の帯域の光が特定次数(設計次数)に集中するような格子構造を有した回折光学素子及びそれを用いた光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より光学系の色収差を補正する方法の1つとして、分散の異なる2つの材質の硝材(レンズ)を組み合わせる方法がある。
【0003】
この硝材の組み合わせにより色収差を減じる方法に対して、レンズ面やあるいは光学系の1部に回折作用を有する回折格子を設けた回折光学素子を用いて、色収差を減じる方法がSPIE Vol.1354 International Lens Design Conference(1990)等の文献や特開平4−213421号公報、特開平6−324262号公報、そしてUSP5044706号等により開示されている。
【0004】
これは、光学系中の屈折面と回折面とでは、ある基準波長の光線に対する色収差の出方が逆方向に発現するという物理現象を利用したものである。
【0005】
さらに、このような回折光学素子は、その周期的構造の周期を変化させることで非球面レンズ的な効果をも持たせることができ収差の低減に大きな効果がある。
【0006】
ここで、光線の屈折作用において比較すると、レンズ面では1本の光線は屈折後も1本の光線であるのに対し、回折面では1本の光線が回折されると、各次数に光が複数に分かれてしまう。
【0007】
そこで、レンズ系として回折光学素子を用いる場合には、使用波長領域の光束が特定次数(以後設計次数とも言う)に集中するように格子構造を決定する必要がある。特定の次数に光が集中している場合では、それ以外の回折光の光線の強度は低いものとなり、強度が0の場合にはその回折光は存在しないものとなる。
【0008】
そのため前記特長を、有するためには設計次数の光線の回折効率が十分高いことが必要となる。また、設計次数以外の回折次数をもった光線が存在する場合は、設計次数の光線とは別な所に結像するため、フレア光となる。
【0009】
従って回折光学素子を利用した光学系においては、設計次数での回折効率の分光分布及び設計次数以外の光線の振る舞いについても十分考慮することが重要である。
【0010】
図12に示すような基盤2に1つの層より成る回折格子3を設けた回折光学素子1を光学系中のある面に形成した場合の特定の回折次数に対する回折効率の特性を図13に示す。
【0011】
以下、回折効率の値は全透過光束に対する各回折光の光量の割合であり、格子境界面での反射光等は説明が複雑になるので考慮していない値になっている。
【0012】
この回折光学素子の光学材料としては、プラスチック材料であるPMMA(nd=1.4917 、νd=57.4)を用い、格子厚dを1.07μmと設定した。この図で、横軸は波長をあらわし、縦軸は回折効率を表している。
【0013】
この回折光学素子1は、1次の回折次数(図中実線)において、使用波長領域(波長530nm近傍)でもっとも回折効率が高くなるように設計されている。即ち、設計次数は1次となる。
【0014】
さらに、設計次数近傍の回折次数(1次±1次の0次光と2次光)の回折効率も併せ併記しておく。図に示されるように、設計次数では回折効率はある波長で最も高くなり(以下「設計波長」と言う)それ以外の波長では徐々に低くなる。
【0015】
上記構成では設計波長はλ=530nmに設定している。この設計次数での回折効率の低下分は、他の次数の回折光となり、フレアとなる。また、回折格子を複数枚使用した場合には特に、設計波長以外の波長での回折効率の低下は透過率の低下にもつながる。
【0016】
また回折効率の低下を減少できる構成を本出願人は特開平10−133149号で提案している。上記提案で提示された回折光学素子1は図14に示すように回折格子4,5を基板2に2層に重ね合わせた積層断面形状をもった2つの回折格子より成っている。そして2層を構成する材質の屈折率、分散特性及び各格子厚を最適化する事により、高い回折効率を実現している。図15は図14に示す回折光学素子1の分光特性の説明図である。
【0017】
又、回折効率の低下を減少できる構成が特開平9−127322号公報に提示されている。図16に示すように3つの回折格子4,21,5を3種類の異なる材料と、2種類の異なる格子厚d1,d2,d3を最適に選び、等しいピッチ分布で基板2上に近接して配置することで図17に示すように可視域全域で高い回折効率を実現している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の回折光学素子では、レリーフパターン(以下「回折格子面」とも言う)を形成する材料や、格子厚については詳細に記述されているが、使用する格子ピッチと2つの格子(回折格子)の間隔を含めた全格子厚については薄型の回折格子を満たすQ値の条件についてのみ説明されている。
【0019】
しかしながら、複数の回折格子を近接させることで、可視域全域で回折効率の低下を減少できる構成の組み合わせの中には、上記開示されている構成が必ずしも最適な回折効率を得ることにならない場合が生じてくる。詳細については後述するが、例えば、格子ピッチが小さい場合、2つの回折格子の間隔(図16中の厚さd3)が大きな場合などである。
【0020】
さらに前記従来の回折光学素子では、各々のレリーフパターンの格子ピッチに関しては、レリーフパターンは等しいピッチ分布を有し、かつ対応する部位(回折格子)が対向するように構成するという記述やそれに対応する図しかなく、2つのレリーフパターンの格子エッジ位置は同じであることが前提となっている。
【0021】
本発明は、2種類の回折格子やそれ以上の複数種類の回折格子を基板上に適切に密接或いは近接し、積層することによって、高い回折効率を有し、格子ピッチが小さな場合、又は格子厚が厚い場合にも高い回折効率が容易に維持でき、フレア等を有効に抑制できるように構成した回折光学素子及びそれを用いた光学系を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の回折光学素子は、少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、使用波長領域全域で特定次数の回折効率を高めた回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のエッジ該格子部の並び方向に互いにずれており、該複数個の回折格子の基板から数えて第L番目の回折格子を構成する材質の入射光束側の任意の波長λでの屈折率をn1L、射出側の屈折率をn2L、入射光束の格子面法線とのなす角をθL、格子ピッチをP、第L番目の回折格子の格子厚をdL、第L番目の回折格子と第(L+1)番目の回折格子の間隔をDLとしたとき、第(L+1)番目の回折格子の格子部と第L番目の回折格子の格子部のエッジ部間の位置ずれΔxLは
0<ΔxL≦2 ((dL/2) +DL)*tan αL+1
αL+1=sin -1 ((n1L*sinθL- (n1L- n2L)d1/P)/n2L)
を満たすことを特徴としている。
請求項2の発明の回折光学素子は、少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、使用波長領域全域で特定次数の回折効率を高めた回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のエッジは該格子部の並び方向に互いにずれており、該回折光学素子はその光通路面内で複数のエリアの各エリアで格子部のエッジのずれ量が異なっていることを特徴としている。
【0023】
請求項3の発明の回折光学素子は、少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、使用波長領域全域で特定次数の回折効率を高めた回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のピッチは互いに異なっており、該複数個の回折格子の基板から数えて第L番目の回折格子を構成する材質の入射光束側の任意の波長λでの屈折率をn1L、射出側の屈折率をn2L、入射光束の格子面法線とのなす角をθL、格子ピッチをP、第L番目の回折格子の格子厚をdL、第L番目の回折格子と第(L+1)番目の回折格子の間隔をDLとしたとき、第(L+1)番目の回折格子の格子部と第L番目の回折格子の格子部のエッジ部間の位置ずれΔxLは
0<ΔxL≦2 ((dL/2) +DL)*tan αL+1
αL+1=sin -1 ((n1L*sinθL- (n1L- n2L)d1/P)/n2L)
を満たすことを特徴としている。
請求項4の発明の回折光学素子は、少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、使用波長領域全域で特定次数の回折効率を高めた回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のピッチは互いに異なっており、該回折光学素子はその光通路面内で複数のエリアの各エリアで格子部のエッジのずれ量が異なっていることを特徴としている。
【0024】
請求項5の発明の回折光学素子は、少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有
し、少なくとも2つの波長で最大光路長差が波長の整数倍になるようにした回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のエッジは該格子部の並び方向に互いにずれており、該複数個の回折格子の基板から数えて第L番目の回折格子を構成する材質の入射光束側の任意の波長λでの屈折率をn1L、射出側の屈折率をn2L、入射光束の格子面法線とのなす角をθL、格子ピッチをP、第L番目の回折格子の格子厚をdL、第L番目の回折格子と第(L+1)番目の回折格子の間隔をDLとしたとき、第(L+1)番目の回折格子の格子部と第L番目の回折格子の格子部のエッジ部間の位置ずれΔxLは
0<ΔxL≦2 ((dL/2) +DL)*tan αL+1
αL+1=sin -1 ((n1L*sinθL- (n1L- n2L)d1/P)/n2L)
を満たすことを特徴としている。
請求項6の発明の回折光学素子は、少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、少なくとも2つの波長で最大光路長差が波長の整数倍になるようにした回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のエッジは該格子部の並び方向に互いにずれており、該回折光学素子はその光通路面内で複数のエリアの各エリアで格子部のエッジのずれ量が異なっていることを特徴としている。
【0025】
請求項7の発明の回折光学素子は、少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、少なくとも2つの波長で最大光路長差が波長の整数倍になるようにした回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のピッチは互いに異なっており、該複数個の回折格子の基板から数えて第L番目の回折格子を構成する材質の入射光束側の任意の波長λでの屈折率をn1L、射出側の屈折率をn2L、入射光束の格子面法線とのなす角をθL、格子ピッチをP、第L番目の回折格子の格子厚をdL、第L番目の回折格子と第(L+1)番目の回折格子の間隔をDLとしたとき、第(L+1)番目の回折格子の格子部と第L番目の回折格子の格子部のエッジ部間の位置ずれΔxLは
0<ΔxL≦2 ((dL/2) +DL)*tan αL+1
αL+1=sin -1 ((n1L*sinθL- (n1L- n2L)d1/P)/n2L)
を満たすことを特徴としている。
請求項8の発明の回折光学素子は、少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、少なくとも2つの波長で最大光路長差が波長の整数倍になるようにした回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のピッチは互いに異なっており、該回折光学素子はその光通路面内で複数のエリアの各エリアで格子部のエッジのずれ量が異なっていることを特徴としている。
【0026】
請求項9の発明は請求項1、2、5又は6の発明において、前記2つの回折格子は、それぞれ格子ピッチが変化しており、前記2つの回折格子の対応する格子部間のエッジのずれは、格子部の格子ピッチが小さくなるにつれて大きくなっていることを特徴としている。
【0027】
請求項10の発明は請求項1乃至8のいずれか1項の発明において、前記回折格子の格子部の格子エッジのずれは該格子部の特定位置での格子ピッチの幅を変化させて実現していることを特徴としている。
【0028】
請求項11の発明は請求項1乃至8のいずれか1項の発明において、前記格子部のエッジ又はピッチが互いにずれている格子部を有する2つの回折格子を、空気層を介して、対面させたものより成ることを特徴としている。
【0029】
請求項12の発明は請求項1乃至8のいずれか1項の発明において、前記使用波長領域は波長450nm〜650nmの範囲であり、特定次数の回折効率を95%以上となるように高めていることを特徴としている。
【0030】
請求項13の発明の光学系は、請求項1〜12のいずれかの回折光学素子を用いたことを特徴としている。
【0050】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の回折光学素子の実施形態1の正面図である。同図において回折光学素子1は基板2の表面に複数の回折格子より成る多層の回折格子3が作成された構成となっている。
【0051】
図2は図1の回折光学素子1を図中A−A′断面で切断した断面形状の一部である。図2は格子(回折格子)の深さ方向に、かなりデフォルメされた図となっている。
【0052】
本実施形態の回折格子の形状は、基板2上に互いに分散の異なる材質より成る第1層の回折格子4と第2層の回折格子5を空気層airを挟んで積層している。
【0053】
第1層の格子部4aと空気層airとの境界で第1の回折格子面6を、空気層airと第2層の格子部5aとの境界で第2の回折格子面7を形成している。積層した各回折格子4,5の格子ピッチを形成する格子部4a,5aの格子エッジ部8の位置が相対的に格子ピッチ方向( A−A‘方向)に互いにずれている構成となっている。そして全層を通して一つの回折光学素子としての光学作用をしている。
【0054】
又、本実施形態における各回折格子4,5の形状は格子厚d1,d2が1周期内で図中左から右に単調減少する第1の回折格子4と、1周期内で単調増加する第2の回折格子5を重ね合わせた構成になっている。
【0055】
又、回折格子面6と7との間に空気層を形成して、回折格子面6,7の溝を浅くすることができて製作しやすくしている。
【0056】
本実施形態の回折光学素子は少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる回折格子が少なくとも2種類以上、密接或いは近接され重ね合わされた格子構造をもち、各回折格子の対応する格子の格子エッジが相対的に格子ピッチ方向にずれて配置された格子形状としている。
【0057】
このように各格子部の格子ピッチを相対的にずらすことにより、高い回折効率が維持でき、光学系に組み込んだ場合も、フレア等を有効に抑制できる光学系を達成している。
【0058】
次に本発明の回折光学素子の回折効率について説明する。図12の断面図に示すような通常の1層の透過型の回折光学素子1で、設計波長λ0で回折効率が最大となる条件は、光束が回折格子3に対して垂直入射した場合は、回折格子3の山と谷の光学光路長差が波長の整数倍になればよく
(n011−n021)d=mλ0 ‥‥‥(1)
となる。
【0059】
ここでn011は波長λ0での入射側の材質の屈折率、n021は波長λ0での射出側の材質の屈折率である。通常は空気層に面した構成となりn021=1.0である。dは格子厚、mは回折次数である。2層以上の回折格子構造からなる回折光学素子でも、基本的な取り扱いは同様で、全層を通して一つの回折格子として作用させるためには、各材質の境界に形成された回折格子の格子部の山と谷の光学光路長差を求め、それを全層にわたって加えあわせたものが波長の整数倍になるように決定する。従って図2に示した本実施形態の場合の条件式は
(n011−n021)d1±(n022−n012)d2=mλ0‥‥‥(2)
となる。
【0060】
ここでn01は第1の回折格子4の入射側の材質の波長λ0での屈折率、n021は第1の回折格子の射出側の材質(air)の波長λ0での屈折率、n012は第2の回折格子5の入射側の材質(air)の波長λ0での屈折率、n022は第2の回折格子5の射出側の材質の波長λ0での屈折率、 d1、d2はそれぞれ第1の回折格子4と第2の回折格子5の格子厚である。ここで回折方向を図2中0次回折光から左寄りに回折するのを正の回折次数とすると、(2)式での各層の加減の符号は、図中左から右に格子厚が減少する回折格子4の格子形状の場合が正となり、逆に左から右に格子厚が増加する回折格子5の格子形状の場合が負となる。
【0061】
図2では各回折格子面6,7は空気との境界面に形成されているが、(2)式からも明らかなようにこれに限定するものではなく、2つの異なる材料の境界面に回折格子面を構成した回折格子を有しても良い。
【0062】
そして、本発明では各回折格子4,5の対応する格子部(4a,5a)の格子エッジ8が相対的に格子ピッチ方向(A−A’方向)にずれて配置された格子形状としている。
【0063】
以下に具体的な例を引用し、本発明の効果について説明する。本発明の積層型の回折光学素子として図2に示した2層の構造を考える。ここで材質、格子厚は第1層(第1の回折格子4)に大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化樹脂C001(nd=1.524、νd=50.8)、第2層(第2の回折格子5)に紫外線硬化樹脂2(nd=1.635、νd=23.0)を例にとる。
【0064】
第1の回折格子4の格子厚d1は9.5 μm 、第2の回折格子5の格子厚d2は6.9 μm 、2つの回折格子4,5間の距離DLは1.0 μm とし、格子ピッチは30μmとする。まず従来例として、格子ピッチの相対的なずれがない場合の回折効率を図15に示す。図中実線が上記構成での回折効率の値である。比較として格子ピッチのみ140μm と大きな場合の回折効率を点線で示す。
【0065】
この図からわかるように回折効率は格子ピッチが小さいほうが低下していることが判る。この低下は4〜5%と大きく、しかも全波長域で一律低下しているので、フレア光としては無視できず改善することが望ましい。
【0066】
次に上記構成で本発明で提案する相対的に格子エッジがずれた場合について説明する。図2に示すように第1の回折格子4に於いて、ある任意の基準位置からm番めの格子部のエッジ部8までの距離をRL(m)とすると、格子エッジ部の相対位置ずれΔxL(m)は、
ΔxL(m)=RL(m)−RL+1(m)
で表される。
【0067】
図3に相対位置ずれΔxL(m)を-1.5μmから2.25μm まで変化させた場合の設計次数である1次回折光の回折効率の値を示す。このグラフで回折効率の高い順にずれ量ΔxLは0.75、1.5 、0 、2.25、-0.75 、-1.5μm となっている。このことから、相対的な位置ずれΔxLが0である従来例の構成に比べて、0.75μm程度ずらしたほうが回折効率が全波長域で2〜3%改善していることが判る。
【0068】
これによって、使用波長領域全域(450nm〜650nm)にわたり特定次数の回折効率を95%以上となるように高めている。
【0069】
また図4に波長550nmでの回折効率の値を横軸を相対的な位置ずれにとり、表示する。この図から、より正確には、1.0 μm程度ずらした場合、最適な回折効率が得られることがわかる。さらに製造時に、格子エッジ8の相対的な位置ずれΔxL(m)が最適な値に合わせられずにずれた場合の回折効率の変動を考えてみる。例えば±0.5 μm 、位置合わせの誤差が生じる場合、従来例の相対的な位置ずれがない場合(ΔxL(m)=0)は、相対的な位置ずれ量は±0.5 μm となり、5%程度回折効率が変動する。
【0070】
これに対し、本発明の実施形態では、相対的な位置ずれ量は1 ±0.5 μm =0.5〜1.5 μm となり、回折効率の変動は1%程度に抑制できることがこのグラフから読み取れる。従って、従来例では高い回折効率を維持するには、精度良く対向する格子ピッチの格子エッジを重ねる必要があったが、本発明の構成は、従来例より比較的組立精度を緩和できるという利点も合せ持つ。
【0071】
なお、本発明の格子エッジの相対的なずれ量は、格子ピッチが小さくなるにつれて大きくするほうが回折効率はより改善される傾向にある。また、第Lと第L+1の回折格子の距離DLが大きいほど、ずれ量は大きくするほうが良い。
【0072】
より具体的には、第Lの回折格子を構成する材質の入射光束側の任意の波長λでの屈折率をn1L、射出側の屈折率をn2L、入射光束の格子面法線とのなす角をθL、格子ピッチをP、第Lの回折格子の格子厚をdL、第Lの回折格子と第L+1の回折格子の間隔をDLとしたとき、第L+1の回折格子の格子ピッチと第Lの回折格子の格子ピッチを形成する格子エッジ部の相対的な位置ずれΔxLは
ΔxL =((dL/2) +DL)*tan αL+1
αL+1=sin-1((n1L*sinθL- (n1L- n2L)d1/P)/n2L)
となるようにずらすのが好ましい。
実際には、位置ずれΔxLを2((dL/2) +DL)*tan αL+1以下のずれなら十分に本発明の効果は得られる。
【0073】
尚、本実施形態において第Lの回折格子と第L+1の回折格子との間を空気層の代わりに第L,第L+1の回折格子の媒質の屈折率と異なる材質で充填しても良い。
【0074】
又、本実施形態において回折光学素子を複数のエリアに分割し、そのうちの一部のエリアの回折格子に対して格子エッジが格子ピッチ方向でずれるようにしても良い。又格子エッジのずれを格子部の特定位置での格子ピッチの幅を変化させて行っても良い。
【0075】
次に本発明の実施形態2について説明する。実施形態として以上述べた説明は、特定の格子ピッチを有する回折格子形状であった。しかし、実際にはこれに限られるものではなく、回折格子の格子ピッチが徐々に変わるような回折光学素子にも適用できる。この場合は、格子ピッチの大きさに応じてずれ量を変えていけば良い。
【0076】
図5は格子ピッチが徐々に変わる例としての回折光学レンズの説明図である。図6は図5のA−A’断面図である。この場合、図6に示すようにレンズ中心から周辺にいくに従って徐々に格子ピッチが小さくなる複数の回折格子4,5を基板2上に形成される構成が一般的である。
【0077】
図6は図5のレンズ中心を通る面(A−A’) で切断した断面図を示している。図示した様に周辺にいくに従って格子ピッチが小さくなり、それに対して程相対的なずれΔrを大きくするように構成している。
【0078】
図7に同心円の格子形状からなる回折光学レンズの同心円半径方向の格子ピッチ分布と、ずれ量Δrを縦軸に、中心からの格子番号を横軸にとり示す。格子ピッチ幅(図中実線)は中心から周辺にいくに従って急激に減少し、最終的には約30μmの格子ピッチになっている。一方ずれ量Δr(図中点線)は中心付近は殆ど0で周辺にいくに従って、増加していることがわかる。尚、格子ピッチ、ずれ量Δrともに単位はμmである。
【0079】
また、本実施形態の説明では平板2上に回折格子4を設けた場合を示しているが、レンズ曲面表面に設けても同様の効果が得られる。
【0080】
また本実施形態では、回折次数が1次光の場合を示したが、1次光に限定するものではなく、2次光などの異なった回折次数光であっても、合成光学光路長差を所望の回折次数で所望の設計波長となるように設定すれば同様の効果が得られる。
【0081】
次に本発明の実施形態3について説明する。図8は本実施形態にかかる概略図である。図8は回折光学素子の正面図である。図中、回折格子3は領域(エリア)3−1、3−2、3−3の複数のエリアに分割され、各エリアで本発明の特徴である、格子エッジ部の相対位置ずれ量が異なっている。但し各エリア内の相対的な位置ずれ量は一定である。図9に図7と同様な格子ピッチ分布と相対的な位置ずれ量Δrを表す。この場合、各エリアの境界となる格子部の格子ピッチ幅のみを変更すれば残りの格子ピッチ分布は同じでも相対的な位置ずれを得ることは可能になる。これにより製造的にはより簡単に本発明の効果を得る構成が実現できる。
【0082】
次に本発明の回折光学素子を用いた光学系の実施形態4を図10に示す。図10はカメラ等の撮影光学系の断面を示したものであり、同図中、9は撮影レンズで、内部に絞り10と本発明に係る平板状の回折光学素子1を設けている。11は結像面であるフィルム、又はCCDである。
【0083】
回折光学素子を複数の回折格子の積層構造にすることで、回折効率の波長依存性は大幅に改善されているので、フレアが少なく低周波数での解像力も高い高性能な撮影レンズが得られる。また本発明の回折光学素子は、図6に示したように各回折格子を製造した後、周辺部で貼り合わせるような簡単な製法でも作成できるので、撮影レンズとしては量産性に優れた安価なレンズを提供できる。
【0084】
図10では絞り10近傍の平板ガラス面に回折光学素子1を設けたが、これに限定するものではなく、レンズ曲面表面に回折格子を設けても良いし、撮影レンズ内に複数、回折光学素子を使用しても良い。
【0085】
また、本実施例では、カメラの撮影レンズの場合を示したが、これに限定するものではなく、ビデオカメラの撮影レンズ、事務機のイメージスキャナーや、デジタル複写機のリーダーレンズなどに使用しても同様の効果が得られる。
【0086】
図11は本発明の回折光学素子を用いた光学系の実施形態5の要部概略図である。図11は、双眼鏡等観察光学系の断面を示したものであり、同図中、12は対物レンズ、13は像を成立させるためのプリズム(像反転手段)、14は接眼レンズ、15は評価面(瞳面)である。図中1は本発明の回折光学素子である。回折光学素子1は対物レンズ12の結像面11での色収差等を補正する目的で形成されている。
【0087】
回折光学素子を複数の回折格子の積層構造にすることで、回折効率の波長依存性は大幅に改善されているので、フレアが少なく低周波数での解像力も高い高性能な対物レンズが得られる。また本発明の回折光学素子は、簡単な製法で作成できるので、観察光学系としては量産性に優れた安価な光学系を提供できる。
【0088】
本実施例では、対物レンズ12側に回折光学素子1を形成した場合を示したが、これに限定するものではなく、プリズム表面や接眼レンズ14内の位置であっても同様の効果が得られる。結像面11より物体側に設けることで対物レンズ12のみでの色収差低減効果があるため、肉眼の観察系の場合、少なくとも1つの回折光学素子を対物レンズ12側に設けることが望ましい。
【0089】
また本実施形態では、双眼鏡の場合を示したが、これに限定するものではなく地上望遠鏡や天体観測用望遠鏡などであってもよく、またレンズシャッターカメラやビデオカメラなどの光学式のファインダーであっても同様の効果が得られる。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば以上のように、2種類の回折格子やそれ以上の複数種類の回折格子を基板上に適切に密接或いは近接し、積層することによって、高い回折効率を有し、格子ピッチが小さな場合、又は格子厚が厚い場合にも高い回折効率が容易に維持でき、フレア等を有効に抑制できるように構成した回折光学素子及びそれを用いた光学系を達成することができる。
【0091】
特に本発明では、回折光学素子は少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる回折格子が少なくとも2種類以上、密接或いは近接され重ね合わされた格子構造をもち、各回折格子の対応する格子の格子エッジが相対的に格子ピッチ方向にずれて配置された格子形状としている。
【0092】
このように各格子部の格子エッジ、又は格子ピッチを相対的にずらすことにより、高い回折効率が維持でき、光学系に組み込んだ場合も、フレア等を有効に抑制できる光学系を提供している。
【0093】
又本発明では回折光学素子が、徐々に格子ピッチが変わるような回折格子を有するようにして格子エッジの相対位置ずれも徐々に変えている。
【0094】
このように構成することにより、回折光学レンズなど様々な用途で、最適な回折効率が得られる回折光学素子を提供している。
【0095】
又本発明では、回折光学素子がエリア毎に格子エッジ部の相対的な位置ずれ量を変えている。このような構成にすることで、より簡単な製造方法で回折効率の低下を最大限に抑制することができ、光学系に回折光学素子を使用したとき、フレアが抑制された高い回折効率を維持することができるようにしている。
【0096】
また本発明では回折光学素子を撮影レンズに使用して、安価で高精度な撮影レンズを提供している。
【0097】
また本発明の回折光学素子を観察光学系に使用して、安価で高精度な観察光学系を提供している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回折光学素子の実施形態1の要部正面図
【図2】本発明の回折光学素子の実施形態1の要部断面図
【図3】本発明の回折光学素子の実施形態1の設計次数の位置ずれと回折効率の説明図
【図4】本発明の回折光学素子の実施形態1の設計次数の位置ずれと回折効率の説明図
【図5】本発明の回折光学素子の実施形態2の要部平面図
【図6】本発明の回折光学素子の実施形態2の要部断面図
【図7】本発明の回折光学素子の実施形態2の格子ピッチと位置ずれの説明図
【図8】本発明の回折光学素子の実施形態3の要部平面図
【図9】本発明の回折光学素子の実施形態3の格子ピッチと位置ずれの説明図
【図10】本発明の回折光学素子を用いた実施形態4の概略図
【図11】本発明の回折光学素子を用いた実施形態5の概略図
【図12】従来の回折光学素子の要部断面図
【図13】従来の回折光学素子の回折光率の説明図
【図14】従来の回折光学素子の説明図
【図15】従来の回折光学素子の回折光率の説明図
【図16】従来の積層型回折光学素子の断面形状図
【図17】従来の積層型回折光学素子の回折光率の説明図
【符号の説明】
1 回折光学素子
2 基板
3,4,5 回折格子
6,7 回折格子面
8 格子エッジ
9 撮影レンズ
10 絞り
11 結像面
12 対物レンズ
13 像反転プリズム
14 接眼レンズ
15 瞳位置

Claims (13)

  1. 少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、使用波長領域全域で特定次数の回折効率を高めた回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のエッジ該格子部の並び方向に互いにずれており、該複数個の回折格子の基板から数えて第L番目の回折格子を構成する材質の入射光束側の任意の波長λでの屈折率をn1L、射出側の屈折率をn2L、入射光束の格子面法線とのなす角をθL、格子ピッチをP、第L番目の回折格子の格子厚をdL、第L番目の回折格子と第(L+1)番目の回折格子の間隔をDLとしたとき、第(L+1)番目の回折格子の格子部と第L番目の回折格子の格子部のエッジ部間の位置ずれΔxLは
    0<ΔxL≦2 ((dL/2) +DL)*tan αL+1
    αL+1=sin -1 ((n1L*sinθL- (n1L- n2L)d1/P)/n2L)
    を満たすことを特徴とする回折光学素子。
  2. 少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、使用波長領域全域で特定次数の回折効率を高めた回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のエッジは該格子部の並び方向に互いにずれており、該回折光学素子はその光通路面内で複数のエリアの各エリアで格子部のエッジのずれ量が異なっていることを特徴とする回折光学素子。
  3. 少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、使用波長領域全域で特定次数の回折効率を高めた回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のピッチは互いに異なっており、該複数個の回折格子の基板から数えて第L番目の回折格子を構成する材質の入射光束側の任意の波長λでの屈折率をn1L、射出側の屈折率をn2L、入射光束の格子面法線とのなす角をθL、格子ピッチをP、第L番目の回折格子の格子厚をdL、第L番目の回折格子と第(L+1)番目の回折格子の間隔をDLとしたとき、第(L+1)番目の回折格子の格子部と第L番目の回折格子の格子部のエッジ部間の位置ずれΔxLは
    0<ΔxL≦2 ((dL/2) +DL)*tan αL+1
    αL+1=sin -1 ((n1L*sinθL- (n1L- n2L)d1/P)/n2L)
    を満たすことを特徴とする回折光学素子。
  4. 少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、使用波長領域全域で特定次数の回折効率を高めた回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のピッチは互いに異なっており、該回折光学素子はその光通路面内で複数のエリアの各エリアで格子部のエッジのずれ量が異なっていることを特徴とする回折光学素子。
  5. 少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、少なくとも2つの波長で最大光路長差が波長の整数倍になるようにした回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のエッジは該格子部の並び方向に互いにずれており、該複数個の回折格子の基板から数えて第L番目の回折格子を構成する材質の入射光束側の任意の波長λでの屈折率をn1L、射出側の屈折率をn2L、入射光束の格子面法線とのなす角をθL、格子ピッチをP、第L番目の回折格子の格子厚をdL、第L番目の回折格子と第(L+1)番目の回折格子の間隔をDLとしたとき、第(L+1)番目の回折格子の格子部と第L番目の回折格子の格子部のエッジ部間の位置ずれΔxLは
    0<ΔxL≦2 ((dL/2) +DL)*tan αL+1
    αL+1=sin -1 ((n1L*sinθL- (n1L- n2L)d1/P)/n2L)
    を満たすことを特徴とする回折光学素子。
  6. 少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、少なくとも2つの波長で最大光路長差が波長の整数倍になるようにした回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のエッジは該格子部の並び方向に互いにずれており、該回折光学素子はその光通路面内で複数のエリアの各エリアで格子部のエッジのずれ量が異なっていることを特徴とする回折光学素子。
  7. 少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、少なくとも2つの波長で最大光路長差が波長の整数倍になるようにした回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のピッチは互いに異なっており、該複数個の回折格子の基板から数えて第L番目の回折格子を構成する材質の入射光束側の任意の波長λでの屈折率をn1L、射出側の屈折率をn2L、入射光束の格子面法線とのなす角をθL、格子ピッチをP、第L番目の回折格子の格子厚をdL、第L番目の回折格子と第(L+1)番目の回折格子の間隔をDLとしたとき、第(L+1)番目の回折格子の格子部と第L番目の回折格子の格子部のエッジ部間の位置ずれΔxLは
    0<ΔxL≦2 ((dL/2) +DL)*tan αL+1
    αL+1=sin -1 ((n1L*sinθL- (n1L- n2L)d1/P)/n2L)
    を満たすことを特徴とする回折光学素子。
  8. 少なくとも2種類の分散の異なる材質からなる複数個の回折格子を有し、少なくとも2つの波長で最大光路長差が波長の整数倍になるようにした回折光学素子であって、間隔を隔てて積層された2つの回折格子の対応する格子部のピッチは互いに異なっており、該回折光学素子はその光通路面内で複数のエリアの各エリアで格子部のエッジのずれ量が異なっていることを特徴とする回折光学素子。
  9. 前記2つの回折格子は、それぞれ格子ピッチが変化しており、前記2つの回折格子の対応する格子部間のエッジのずれは、格子部の格子ピッチが小さくなるにつれて大きくなっていることを特徴とする請求項1、2、5又は6の回折光学素子。
  10. 前記回折格子の格子部の格子エッジのずれは該格子部の特定位置での格子ピッチの幅を変化させて実現していることを特徴とする請求項1〜のいずれかの回折光学素子。
  11. 前記格子部のエッジ又はピッチが互いにずれている格子部を有する2つの回折格子を、空気層を介して、対面させたものより成ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの回折光学素子。
  12. 前記使用波長領域は波長450nm〜650nmの範囲であり、特定次数の回折効率を95%以上となるように高めていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの回折光学素子。
  13. 請求項1〜12のいずれかの回折光学素子を用いたことを特徴とする光学系。
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