JP4334036B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、NOR型フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法に関し、特にメモリセルアレイのパターン構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12ないし図15はそれぞれ、従来の不揮発性半導体記憶装置の一例として、NOR型フラッシュメモリにおけるメモリセルアレイのパターン構成を示している。図12はパターン平面図、図13は図12に示したパターンのX−X’線に沿った断面構成図、図14は図12に示したパターンのY−Y’線に沿った断面構成図、図15は図12に示したパターンのZ−Z’線に沿った断面構成図である。
【0003】
図12ないし図15に示す如く、シリコン基板1の主表面にはLOCOS法によって形成されたフィールド酸化膜(素子分離領域)2が形成されており、このフィールド酸化膜2で分離されたシリコン基板1の表面領域に、ソース,ドレイン領域3,4が離隔して形成されている。上記ソース領域3は、行方向に沿って連続的なパターンで形成されており、隣接するメモリセル(セルトランジスタ)間で共通接続されている。上記各セルトランジスタのソース,ドレイン領域3,4間のチャネル領域上には、トンネル酸化膜5を介してフローティングゲート6が形成されている。このフローティングゲート6上には、絶縁膜7を介してコントロールゲート8が形成されている。このコントロールゲート8は行方向に沿って延設され、ワード線を形成している。上記積層ゲート構造上には層間絶縁膜9が形成され、各ワード線(コントロールゲート)8と交差する列方向に沿って、この層間絶縁膜9上にビット線10と共通ソース線11とが形成されている。上記共通ソース線11は、ソースコンタクト部12においてスルーホール13を介して上記ソース領域3に接続され、ビット線10はスルーホール14を介して上記ドレイン領域4に接続されている。
【0004】
ところで、上記のような構成のNOR型フラッシュメモリでは、メモリセルアレイのパターン中で共通ソース線11とセルトランジスタのソース領域3とのコンタクトを取る必要があるが、層間絶縁膜9へのスルーホール13の形成やマスクずれ等を考慮すると、上記ソースコンタクト部12におけるソース領域3や共通ソース線11のパターンを大きく、あるいは太くせざるを得ず、フィールド酸化膜(素子分離領域)2の形状もメモリセルアレイ中の他の領域とは周期が異なってくる。これに伴って、フローティングゲート6を形成するためのスリット加工をする際のパターニングもソースコンタクト部12ではメモリセル部と周期が異なり、場合によってはワード線8のパターン形状も異なることになる。この結果、メモリセルアレイ全体のパターンの周期性が乱れ、この部分でスリット加工をするためのエッチングやワード線を形成するためのエッチング等が均一に行われず、形成されたメモリセル毎の種々の電気的特性、例えばF−N(Fowler−Nordheim)電流による消去特性、及びチャネルホットエレクトロンによる書き込み特性のばらつき等を引き起こしていた。消去特性がばらつくと、消去後のメモリセルのしきい値電圧がマイナスになってしまい、ワード線電位によらず常にセル電流が流れることになる。このため、その不良セルと同一ビット線上にあるメモリセルが選択されると誤読み出しが生じるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来の不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルアレイのパターンの周期性が乱れている部分の存在によりエッチングが不均一となり、メモリセル毎の種々の電気的特性がばらつくという問題があった。
【0006】
この発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、メモリセルアレイのパターンの周期性の乱れによるエッチングのばらつきを防止でき、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる不揮発性半導体記憶装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に記載した不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備える。
【0008】
この発明の請求項2に記載した不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、上記各メモリセルは、ソース,ドレイン領域間の半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、このトンネル絶縁膜上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に形成されたフローティングゲートと、上記フローティングゲート上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成されたコントロールゲートとを備え、上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備える。
【0009】
また、この発明の請求項3に記載した不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配設された複数の帯状のワード線を備え、上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備える。
【0011】
更に、この発明の請求項4に記載した不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、上記各メモリセルは、ソース,ドレイン領域間の半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、このトンネル絶縁膜上に形成されたフローティングゲートと、上記フローティングゲート上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成されたコントロールゲートとを備え、上記コントロールゲートは、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配設される複数の帯状のワード線を形成し、
上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備える。
【0012】
この発明の請求項5に記載した不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、
上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、上記各メモリセルは、ソース,ドレイン領域間の半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、このトンネル絶縁膜上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に形成されたフローティングゲートと、上記フローティングゲート上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成されたコントロールゲートとを備え、上記コントロールゲートは、メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配設される複数の帯状のワード線を形成し、上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備える。
【0016】
請求項1のような構成によれば、STI構造の素子分離領域を形成する複数のトレンチが細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっており、パターンが高い周期性を有しているので、エッチングのばらつきを防止でき、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる。
【0017】
また、請求項2のような構成によれば、シリコン層を分離してフローティングゲートを形成するための複数のスリットが細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっており、メモリセルアレイのパターンが高い周期性を有しているので、エッチングのばらつきを防止でき、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる。
【0018】
請求項3のような構成によれば、複数のワード線(コントロールゲート)が細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっており、メモリセルアレイのパターンが高い周期性を有しているので、エッチングのばらつきを防止でき、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる。
【0019】
請求項4のような構成によれば、STI構造の素子分離領域を形成する複数のトレンチが細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっており、しかも、シリコン層を分離してフローティングゲートを形成するための複数のスリットも細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっており、メモリセルアレイのパターンがより高い周期性を有しているので、エッチングのばらつきを防止でき、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる。
【0020】
更に、請求項5のような構成によれば、STI構造の素子分離領域を形成する複数のトレンチが細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっており、しかも、複数のワード線(コントロールゲート)も細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっているので、メモリセルアレイのパターンがより高い周期性を有しており、エッチングのばらつきを防止して、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる。
【0021】
請求項6のような構成によれば、シリコン層を分離してフローティングゲートを形成するための複数のスリットが細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっており、また、複数のワード線(コントロールゲート)も細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっているので、メモリセルアレイのパターンがより高い周期性を有しており、エッチングのばらつきを防止して、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる。
【0022】
また、請求項7のような構成によれば、STI構造の素子分離領域を形成する複数のトレンチが細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっており、しかも、シリコン層を分離してフローティングゲートを形成するためのスリットが連続的な細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっており、更に複数のワード線(コントロールゲート)も細長い帯状で実質的に同じ幅且つ等間隔になっているので、メモリセルアレイのパターンが更に高い周期性を有しており、エッチングのばらつきを防止して、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1ないし図3はそれぞれ、この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明するためのもので、NOR型フラッシュメモリにおけるメモリセルアレイのパターン構成を示している。図1はメモリセルアレイのパターン平面図、図2は図1に示したパターンのA−A’線に沿った断面構成図、図3は図1に示したパターンのB−B’線に沿った断面構成図である。
【0026】
図1ないし図3に示すように、シリコン基板(半導体基板)21の主表面には、メモリセルアレイの列方向に細長い帯状の同じ幅の複数のトレンチ22がメモリセルアレイの左端から右端まで等間隔に形成されている。これらトレンチ22内には絶縁膜23が埋め込まれ、STI構造の素子分離領域24が形成されている。上記素子分離領域24で分離されたシリコン基板21の素子領域中には、ソース,ドレイン領域25,26が所定の間隔に離隔して形成されている。上記ソース,ドレイン領域25,26間のシリコン基板21上には薄い絶縁膜(トンネル絶縁膜)27が形成され、このトンネル絶縁膜27上に例えばポリシリコン層(シリコン層)からなるフローティングゲート28が設けられる。上記フローティングゲート28は、ポリシリコン層をパターニングするときの異方性エッチングに際して、メモリセルアレイの列方向に細長い帯状でメモリセルアレイの左端から右端まで同じ幅、且つ等間隔の複数の線パターンからなるマスクを用いてスリットが開口されることにより分離される。上記フローティングゲート28上には、絶縁膜29を介してコントロールゲート30がポリシリコン層などで形成されている。上記コントロールゲート30は、メモリセルアレイの行方向に細長い帯状で、メモリセルアレイの上端から下端まで同じ幅、且つ等間隔となる複数の線パターンに加工されており、ワード線を形成する。フローティングゲート28、絶縁膜29及びコントロールゲート30からなる積層(ゲート)構造の側壁部には、SiN膜36が形成されている。上記ソース領域25上には、行方向に沿ってタングステン(W)層などからなるソース線34が形成されている。上記積層ゲート構造上には層間絶縁膜31が形成され、この層間絶縁膜31上に複数のビット線32が、メモリセルアレイの列方向に細長い帯状で形成される。また、上記層間絶縁膜31上のビット線32間の一部には、上記メモリセルアレイの列方向に細長い帯状でメタル配線38が形成され、これらビット線32及びメタル配線38がメモリセルアレイの左端から右端まで同じ幅且つ等間隔に配置されている。このメタル配線38は、各ソース線34を共通接続する共通ソース線となるもので、ソースコンタクト部35でスルーホール37を介して各ソース線34に接続されている。上記ビット線32は、上記層間絶縁膜31に形成されたスルーホール33を介してセルトランジスタのドレイン領域26に接続される。
【0027】
上記のような構成によれば、複数のトレンチ22(素子分離領域24)、フローティングゲート28及びワード線(コントロールゲート)30がいずれも同じ幅、且つ等間隔に規則的に設けられており、メモリセルアレイのパターンが高い周期性を有しているので、エッチングのばらつきを防止でき、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる。これによって、例えば消去後のしきい値電圧の分布幅を狭くできるので、メモリセルのしきい値電圧がマイナスになって生ずる誤読み出しの問題を解消できる。
【0028】
なお、パターンの周期性が乱れる場所として、メモリセルアレイの端部が残るが、この端部にメモリセルとして使用しない同一周期のダミーパターンを数列あるいは数行配置することにより、実際に使用されるメモリセル部の高いエッチングの均一性を実現できる。また、仮にメモリセルアレイ内に周期性を乱す場所が存在する場合は、そのまわりの数ビットのメモリセルは使用しなければ良い。
【0029】
図4ないし図11はそれぞれ、この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明するためのもので、上記図1ないし図3に示したNOR型フラッシュメモリにおけるメモリセルアレイのパターン構成を製造工程順に示している。図4、図6、図8及び図10はそれぞれパターン平面図、図5、図7、図9及び図11はそれぞれ上記図4、図6、図8及び図10に示したパターンのA−A’線に沿った断面構成図である。
【0030】
まず、図4及び図5に示すように、シリコン基板21上にメモリセルアレイの列方向に細長い帯状で、左端から右端まで同じ幅、且つ等間隔のレジストパターン41を形成し、シリコン基板21の主表面の異方性エッチングを行ってトレンチ22を形成する。このようなレジストパターン41を用いることにより、トレンチ22のどの場所も均一にエッチングされる。
【0031】
次に、シリコン基板21の全面に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積形成した後、エッチバックを行って基板21の主表面のシリコン酸化膜を除去することにより、シリコン酸化膜をトレンチ22内に残存させて埋め込み絶縁膜23を形成する。これによって、STI構造の素子分離領域24が形成される(図6、図7参照)。
【0032】
その後、図8及び図9に示すように、上記STI構造の素子分離領域24で分離された基板21の素子領域の表面を熱酸化して薄い絶縁膜27を形成した後、全面にポリシリコン層28’を堆積形成する。そして、このポリシリコン層28’をメモリセルアレイの列方向に細長い帯状で、左端から右端まで同じ幅、且つ等間隔のレジストパターンを用いて異方性エッチングしてスリット42を形成する。このスリット42の形成のためのエッチングの際にも、均一なエッチングが行われる。
【0033】
上記ポリシリコン層28’のエッチング後、図10及び図11に示すように、ポリシリコン層28’上に絶縁膜29を形成し、この絶縁膜29上にポリシリコン層を形成する。その後、上記ポリシリコン層上に、ワード線を形成するためのレジストパターンを形成する。このレジストパターンは、メモリセルアレイの行方向に細長い帯状で上端から下端まで同じ幅、且つ等間隔になっている。このようなレジストパターンをマスクとして上記ポリシリコン層、絶縁膜29及びポリシリコン層28’の積層構造を、異方性エッチングによってパターニングする。これによって、ポリシリコン層が均一にエッチングされてコントロールゲート(ワード線)30が形成されるとともに、ポリシリコン層28’が個々のフローティングゲートに分離される。
【0034】
この後、上記コントロールゲート30、絶縁膜29及びフローティングゲート28の積層ゲート構造をマスクにして、基板21の素子領域中に不純物をイオン注入し、熱処理により活性化してソース,ドレイン領域25,26を形成する。そして、全面にSiN膜36を形成した後、エッチバックして積層ゲート構造の側壁部に残存させる。また、LPCVD法などにより上記ソース領域25上にタングステン層を形成してソース線34を形成する。
【0035】
引き続き、例えばCVD法により全面に層間絶縁膜31を形成する。そして、この層間絶縁膜31の各ドレイン領域26上にスルーホール33を形成し、各ソースコンタクト部35にスルーホール37を形成する。この際、多少のマスクずれが生じても、上記積層ゲート構造の側壁部に残存させたSiN膜36がエッチングのストッパとして働くので、スルーホール33,37がコントロールゲート30やフローティングゲート28に達し、ビット線32やメタル配線38とショートするのを防止できる。ただしここでは、図10に示される通り、ワード線の線幅より、ワード線間の間隔を広くしたメモリセルアレイのパターン構成を有しているので、スルーホール33,37を開口する際のコントロールゲート30やフローティングゲート28に対するマスク合わせの余裕が大きく、SiN膜36は特に形成しなくても構わない。
【0036】
次に、上記層間絶縁膜31上にアルミニウム等の金属を蒸着した後、メモリセルアレイの列方向に細長い帯状で、左端から右端まで同じ幅、且つ等間隔のレジストパターンを用いて異方性エッチングしてビット線32とメタル配線38を形成する。これによって、ビット線32とドレイン領域26とのコンタクトを取るとともに、メタル配線38とソース線34とのコンタクトを取り、図1ないし図3に示したようなメモリセルアレイが完成する。
【0037】
上記のような製造方法によれば、STI構造、スリット及びワード線の全ての形成工程において細長い帯状で同じ幅、且つ等間隔のパターンをマスクとしてエッチングが行われるので、均一なエッチングが可能となり、同じ幅で等間隔のパターンになる。
【0038】
なお、上記実施の形態では、STI、スリット及びワード線の全てのエッチングにおいて同じ幅、等間隔になるようにしたが、ワード線間隔については、ドレイン領域上が全て第1の間隔、ソース領域上が全て第1の間隔と異なる第2の間隔となるような規則的なパターンであってもよい。更には、STI、スリット及びワード線の個々のエッチング工程で効果が得られるので、必要に応じて一部の工程のみに適用しても良いのは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、メモリセルアレイのパターンの周期性の乱れによるエッチングのばらつきを防止でき、メモリセル毎の種々の電気的特性を均一化できる不揮発性半導体記憶装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明するためのもので、NOR型フラッシュメモリにおけるメモリセルアレイのパターン平面図。
【図2】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明するためのもので、図1に示したパターンのA−A’線に沿った断面構成図。
【図3】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明するためのもので、図1に示したパターンのB−B’線に沿った断面構成図。
【図4】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明するためのもので、図1ないし図3に示したNOR型フラッシュメモリのメモリセルアレイにおける第1の製造工程を示すパターン平面図。
【図5】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明するためのもので、図4に示したパターンのA−A’線に沿った断面構成図。
【図6】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明するためのもので、NOR型フラッシュメモリのメモリセルアレイにおける第2の製造工程を示すパターン平面図。
【図7】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明するためのもので、図6に示したパターンのA−A’線に沿った断面構成図。
【図8】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明するためのもので、NOR型フラッシュメモリのメモリセルアレイにおける第3の製造工程を示すパターン平面図。
【図9】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明するためのもので、図8に示したパターンのA−A’線に沿った断面構成図。
【図10】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明するためのもので、NOR型フラッシュメモリのメモリセルアレイにおける第4の製造工程を示すパターン平面図。
【図11】この発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法について説明するためのもので、図10に示したパターンのA−A’線に沿った断面構成図。
【図12】従来の不揮発性半導体記憶装置について説明するためのもので、NOR型フラッシュメモリにおけるメモリセルアレイのパターン平面図。
【図13】従来の不揮発性半導体記憶装置について説明するためのもので、図12に示したパターンのX−X’線に沿った断面構成図。
【図14】従来の不揮発性半導体記憶装置について説明するためのもので、図12に示したパターンのY−Y’線に沿った断面構成図。
【図15】従来の不揮発性半導体記憶装置について説明するためのもので、図12に示したパターンのZ−Z’線に沿った断面構成図。
【符号の説明】
21…シリコン基板(半導体基板)、22…トレンチ、23…絶縁膜、24…STI構造の素子分離領域、25…ソース領域、26…ドレイン領域、27…薄い絶縁膜(トンネル絶縁膜)、28…フローティングゲート、29…絶縁膜、30…コントロールゲート(ワード線)、31…層間絶縁膜、32…ビット線、33,37…スルーホール、34…ソース線、35…ソースコンタクト部、36…SiN膜、41…レジストパターン、42…スリット。
Claims (5)
- 半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、
上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、
上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、
上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、
上記各メモリセルは、ソース,ドレイン領域間の半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、このトンネル絶縁膜上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に形成されたフローティングゲートと、上記フローティングゲート上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成されたコントロールゲートとを備え、
上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、
上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、
上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配設された複数の帯状のワード線を備え、
上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、
上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、
上記各メモリセルは、ソース,ドレイン領域間の半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、このトンネル絶縁膜上に形成されたフローティングゲートと、上記フローティングゲート上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成されたコントロールゲートとを備え、
上記コントロールゲートは、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配設される複数の帯状のワード線を形成し、
上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 半導体基板上に不揮発性のメモリセルがアレイ状に配列されたメモリセルアレイを有し、このメモリセルアレイ中の素子領域がSTI構造の素子分離領域で分離された不揮発性半導体記憶装置において、
上記素子分離領域は、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで第1の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配列された複数の帯状のトレンチと、このトレンチ内に埋め込み形成された絶縁膜とを備え、
上記各メモリセルは、ソース,ドレイン領域間の半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、このトンネル絶縁膜上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向と交差する第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に形成されたフローティングゲートと、上記フローティングゲート上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成されたコントロールゲートとを備え、
上記コントロールゲートは、メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って実質的に同一幅で同一間隔に規則的に配設される複数の帯状のワード線を形成し、
上記メモリセルアレイは、上記メモリセルのソース領域上に形成され、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第2の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記各メモリセルのソース領域にコンタクトされるソース線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで、上記第1の方向に沿って同一幅で同一間隔に規則的に配列され、上記メモリセルのドレイン領域に上記第1の方向において上記ソース線と交互にコンタクトされるビット線と、上記メモリセルアレイの一端から対向する他端まで上記第1の方向に沿って、上記ビット線と同一幅で同一間隔に配置され、ソースコンタクト部で上記各ソース線に接続され、メタル配線からなる共通ソース線とを備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
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