JP4329302B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換素子用の高分子固体電解質及び光電変換素子に関し、特に高イオン伝導性を有する高分子固体電解質およびこれを用いた光電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来太陽電池としては様々な材質のものが検討されているが、シリコンを用いたものが多数市販されており、これらは大別して単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いた結晶シリコン系太陽電池と、非晶質(アモルファス)シリコン系太陽電池とに分けられる。従来、太陽電池は単結晶または多結晶のシリコンが多く用いられてきた。しかし、これらの結晶シリコン系太陽電池では、光(太陽)エネルギーを電気エネルギーに変換する性能を表す光電変換効率がアモルファスシリコン系太陽電池と比べて高いが、結晶の成長に多くのエネルギーと時間を要するため生産性が低く、コスト面で不利であった。
【0003】
また、アモルファスシリコン系太陽電池は、光電変換効率が結晶シリコン系太陽電池より低いが、結晶シリコン系太陽電池と比べて光吸収性が高く、基板の選択範囲が広い、大面積化が容易である等の特徴がある。
【0004】
一方、上記のような問題を解決する方法として有機材料を用いた太陽電池も長く検討されてきたが、その多くは光電変換効率が1%程度と低く、実用化には至らなかった。その中で、Nature 353,737,(1991)で発表された色素増感型太陽電池は、現在までに10%という高い光電変換効率が実現可能であることが示されており、また色素増感型太陽電池は従来のSi系の太陽電池と異なり製造の際に大掛かりな装置を必要としないことなどから安価な光電変換素子として注目されている。
【0005】
色素増感型太陽電池の一般的構造は、特開平1−220380などに記載されているように金属酸化物の粒子を透明電極上に焼結させた半導体電極と対抗電極とキャリア移動層である電解質層とからなり、半導体電極上には光増感色素を担持するものである。半導体電極として用いる金属酸化物としては、TiO,MgO,ZnO,SnO,Nbなどが主に検討されているがこれらに限定されるものではなく、また、2種以上の金属酸化物を混合して使用することも可能である。このような色素増感型太陽電池は以下の様に動作する。すなわち、透明電極側より入射した光が半導体電極表面に担時された色素を励起し、色素は半導体電極へ電子を速やかに渡す。一方、電子を失った色素はキャリア移動層のイオンから電子を受け取る。電子を渡した分子は、再び対向電極で電子を受け取る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、色素増感太陽電池は1991年にスイスのグレッツェル等が8〜10%の光電変換効率を実現したと発表して以来注目され、多くの研究が行われてきたが現在まで実用化には至っていない。この原因の一つとして上げられるのが電解質層の固体化の問題である。
【0007】
上記のような色素増感型太陽電池においては、キャリア移動層として低分子の溶媒を用いる。そして、太陽電池には例えば10年といった長期間にわたって安定した光電変換特性を示すことが求められる。しかしながら、アセトニトリル等の高い蒸気圧を有する有機溶媒を電解液に用いた場合には、該溶媒がその封止層へ侵入し、時間の経過とともに揮発するなどして失われてしまい、本来の性能を発現できなくなる事が知られている。そして、これらの電解液を用いた場合、長期にわたって溶媒の揮発による電解液の減少を防ぐような封止を行うことは困難である。
【0008】
このため、キャリア移動層としての電解質層を固体化するための検討が行われてきた。例えば特開2001−160427号公報では室温溶融塩を用いたゲル電解質によって比較的高い効率を実現できるとされている。また、特開2000−150006号公報においては、グリシジル化合物とエチレンオキサイドの共重合体からなる高分子固体電解質がヨウ素とヨウ素化合物または臭素と臭素化合物からなる酸化還元対を含むことによって光電変換素子の電解質として機能することが示されている。
【0009】
しかしながら、電解質層を固体化した場合には上記のような問題は解決されるものの、微小な金属酸化物粒子から形成される半導体電極と電解質層との接触が不十分となることにより光電変換効率が低下するという問題が避けられなかった。
【0010】
また、色素増感太陽電池は、常に光が当たる環境で用いられるため、長期間にわたって安定した光電変換特性を維持するためには電解質層にも耐久性、耐光性が求められる。しかしながら、このような条件を満足する固体電解質は未だ実現されていないのが現状である。
【0011】
そこで、本発明は、上述した従来の実情に鑑みて創案されたものであり、高イオン伝導性を有するとともに長期安定性に優れた高分子固体電解質を提供することを目的とする。
【0012】
また、これを用いて光電変換素子を形成することにより、長期間に亘って高い光電変換特性を有する光電変換素子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、あるいはそれらの誘導体をマトリクスポリマーとして用いることを着想した。そして、マトリクスポリマーとしてポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはそれらの誘導体を用い、ヨウ素とヨウ素化合物あるいは臭素と臭素化合物との組み合わせに代表される酸化還元対と可塑剤を添加することによって高いイオン伝導性と機械的強度を有する高分子固体電解質が得られることを見いだした。また、これを用いることによって長期間に亘って高い光電変換性能を有する光電変換素子を実現可能であることを見出した。
【0014】
すなわち、上述した目的を達成する本発明に係る高分子固体電解質は、酸化還元対を含有する電解液とマトリクスポリマーとを有する高分子固体電解質であって、マトリクスポリマーがポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはこれらの誘導体であることを特徴とするものである。
【0015】
また、これを用いた本発明に係る光電変換素子は、透明基板の表面に形成された電極と対向電極との間に、色素を担持した半導体粒子からなる半導体層と電解質層とを備えてなる光電変換素子であって、電解質層が、酸化還元対を含有する電解液と、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはこれらの誘導体からなるマトリクスポリマーとを有してなる高分子固体電解質であることを特徴とするものである。
【0016】
以上のように構成された本発明に係る高分子固体電解質は、酸化還元対を含有する電解液とマトリクスポリマーとを有してなるゲル状の高分子固体電解質である。したがって、本発明に係る光電変換素子においては、電解質層にこのゲル状電解質を用いることにより、電解液を用いた場合に生じる液漏れや揮発による電解質層の減少が防止され、耐久性、信頼性に優れた光電変換素子を実現できる。
【0017】
また、本発明に係る高分子固体電解質は、マトリクスポリマーとして、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはこれらの誘導体を用いている。
【0018】
ポリフッ化ビニリデンは、高いイオン伝導性を有し、また良好な機械的強度を有する。また、ポリフッ化ビニリデンは、フッ素化されているため化学的、電気化学的に非常に安定であり、耐久性、耐光性に優れているため、長期間に亘っての安定性が求められる太陽電池用電解質材料として好適である。
【0019】
本発明に係る高分子固体電解質は、このようなポリフッ化ビニリデンをゲル状電解質のマトリクスポリマーとして用いることにより、良好なイオン伝導率と機械的特性を備え、且つ長期安定性に優れたゲル状電解質を実現することができる。
【0020】
また、本発明に係る高分子固体電解質においては、マトリクスポリマーとしてポリフッ化ビニリデンを単独で用いる他にも、ポリフッ化ビニリデンにヘキサフルオロプロピレンを共重合させたポリ(フッ化ビニリデン−ポリヘキサフルオロプロピレン)共重合体や、これらの誘導体を用いることができる。ヘキサフルオロプロピレンを共重合させることにより、電解液の保持性が向上するため、より高いイオン伝導率を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高分子固体電解質及び光電変換素子について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0022】
本発明に係る高分子固体電解質は、酸化還元対を含有する電解液とマトリクスポリマーとを有する高分子固体電解質であって、上記マトリクスポリマーが、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはこれらの誘導体であることを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明に係る光電変換素子は、透明基板の表面に形成された電極と対向電極との間に、色素を担持した半導体粒子からなる半導体層と電解質層とを備えてなる光電変換素子であって、電解質層が、酸化還元対を含有する電解液と、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはこれらの誘導体からなるマトリクスポリマーとを有してなる高分子固体電解質であることを特徴とするものである。
【0024】
図1は、本発明を適用して構成した光電変換素子である色素増感太陽電池の構成を示す断面図である。図1において色素増感太陽電池1は、透明基板2と、透明電極3と、半導体層4と、ゲル状電解質層5と、塩化白金処理した白金層6と、透明電極7と、透明基板8とを備えて構成される。
【0025】
透明基板2及び透明基板8としては、透明性を有しているものであれば特に限定されるものではなく、例えばガラス基板を用いることができる。
【0026】
透明電極3及び透明電極7は、透明基板2及び透明基板8の下面に透明な材料により形成された電極である。電極の材料としては、導電性及び透明性を有しているものであればどのようなものでも採用することができるが、導電性、透明性、さらに耐熱性を高いレベルで併せ持つ点から、スズ系酸化物などが好適であり、またコストの面ではITOが好ましい。なお、透明電極7は、必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて形成すればよい。
【0027】
半導体層4は、色素を担持した半導体粒子が透明電極3上に焼結されてなるものであり、色素が透明基板2及び透明電極3を透過して半導体層4に入射した光を吸収する。ここで、半導体粒子は色素を吸着した半導体微粒子であり、半導体微粒子としてはシリコンに代表される単体半導体の他に、化合物半導体またはペロブスカイト構造を有する化合物等を使用することができる。これらの半導体は、光励起下で伝導帯電子がキャリアとなりアノード電流を与えるn型半導体であることが好ましい。具体的に例示するとTiO(チタニア)、SnO、ZnO、WO、Nb、TiSrOなどが挙げられ、特に好ましくはアナターゼ型のTiOである。また、半導体の種類はこれらに限定されるものではなく、また、これらを単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。
【0028】
半導体微粒子に吸着させる色素としては、例えばルテニウム色素が好適である。しかしながら、半導体微粒子に吸着させる色素は、電荷分離機能を有し増感作用を示すものであれば特に限定されるものではなく、ルテニウム色素の他にも、例えばローダミンB、ローズベンガル、エオシン、エリスロシン等のキサンテン系色素、キノシアニン、クリプトシアニン等のシアニン系色素、フェノサフラニン、カブリブルー、チオシン、メチレンブルー等の塩基性染料、クロロフィル、亜鉛ポルフィリン、マグネシウムポルフィリン等のポルフィリン系化合物、その他アゾ色素、フタロシアニン化合物、Ruトリスビピリジル等の錯化合物、アントラキノン系色素、多環キノン系色素等が挙げられ、これらを単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。
【0029】
ゲル状電解質層5は、キャリア移動層となるものであり、酸化還元対を含有する電解液とマトリクスポリマーとを有してなる高分子固体電解質層である。したがって、この色素増感太陽電池においては、電解質層に高分子固体電解質であるゲル状電解質5を用いることにより、電解液を用いた場合に生じる液漏れや揮発による電解質層の減少が防止され、耐久性、信頼性に優れた色素増感太陽電池が実現されている。
【0030】
そして、ゲル状電解質5は、マトリクスポリマーとしてポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体、あるいはそれらの誘導体を用い、ヨウ素とヨウ素化合物あるいは臭素と臭素化合物との組み合わせに代表される酸化還元対と可塑剤を添加することによって形成されている。
【0031】
ポリフッ化ビニリデンは、高いイオン伝導率及び良好な機械的強度を備える高分子材料である。さらにポリフッ化ビニリデンは、フッ素化されているため化学的、電気化学的に安定であり、耐久性、耐光性に優れている。長期間に亘って常に光が当たる環境で使用する場合、通常の炭化水素系材料では耐久性、耐光性が低いため、早い段階で劣化が進み、特性が低下してしまう。したがって、通常の炭化水素系材料は、このような環境下で例えば10年といった長期間に亘って使用することはできない。
【0032】
しかしながら、ポリフッ化ビニリデンは化学的、電気化学的に安定であり、耐久性、耐光性に優れているため、長期間に亘っての安定性が求められる太陽電池用電解質材料として好適である。そこで、本発明においては、マトリクスポリマーとして、このような特性を有するポリフッ化ビニリデンを用いてゲル状電解質5を構成する。ポリフッ化ビニリデンをゲル状電解質のマトリクスポリマーとして用いることにより、良好なイオン伝導率と機械的特性を備え、且つ長期安定性に優れたゲル状電解質5を実現することができる。
【0033】
また、上記のようにマトリクスポリマーとしてポリフッ化ビニリデンを単独で用いてゲル状電解質を構成することができ、色素増感太陽電池に好適なゲル状電解質5を得ることができるが、ヘキサフルオロプロピレンを共重合させることにより、すなわち、ポリ(フッ化ビニリデン−ポリヘキサフルオロプロピレン)共重合体を用いることにより、より高いイオン伝導性を有するゲル状電解質が実現可能である。ヘキサフルオロプロピレンを共重合させることにより、電解液の保持性が向上するため、より高いイオン伝導率を実現することができる。
【0034】
マトリクスポリマーとしてポリ(フッ化ビニリデン−ポリヘキサフルオロプロピレン)共重合体を用いる場合には、フッ化ビニリデンとポリヘキサフルオロプロピレンとの共重合比は、フッ化ビニリデン:ヘキサフルオロプロピレンが100:0〜70:30の範囲であることが好ましく、特に好ましい範囲は96:4〜80:20である。
【0035】
一般に共重合体におけるヘキサフルオロプロピレンの割合が25%を超えると有機溶媒には溶解しづらく、ステアリン酸マグネシウムなどの活剤を用いた場合でも、その割合が30%を超えると溶解させることは困難となる。したがって、フッ化ビニリデンとポリヘキサフルオロプロピレンとの共重合比を、100:0〜70:30の範囲とすることにより、より高いイオン伝導率を備えたゲル状電解質を得ることができる。
【0036】
また、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体以外にも、これらの誘導体を用いることにより、上記と同様のイオン伝導率及び長期安定性に優れたゲル状電解質を実現することが可能である。
【0037】
ゲル状電解質5においては、マトリクスポリマーと電解液との重量比は1:3〜1:12の範囲であることが好ましく、特に好ましい範囲は1:5〜1:10である。マトリクスポリマーと電解液との重量比が1:3を下回る場合、すなわち電解液の含有量が少な過ぎる場合にはゲル状電解質5のイオン伝導率が急激に低下してしまう。一方、電解液の増加に伴いゲル状電解質5のイオン伝導率は向上するが、マトリクスポリマーと電解液との重量比が1:10を超えるとゲル状電解質の機械的強度が著しく低下し、1:12を超えるとゲル状態を維持することが困難となる。したがって、マトリクスポリマーと電解液との重量比を1:3〜1:12の範囲とすることにより、イオン伝導率に優れ、且つ機械的強度も良好なゲル状電解質を構成することができる。
【0038】
電解液は、ヨウ素とヨウ素化合物あるいは臭素と臭素化合物との組み合わせに代表される酸化還元対と溶媒とにより構成される。電解液を構成する溶媒としてエーテル類、エステル類、炭酸エステル類、ラクトン類、複素環化合物類、ニトリル類、ケトン類、アミド類、ハロゲン化炭化水素、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。
【0039】
また、このようなゲル状電解質5は、流動性を有した状態で半導体層4上にキャストし、その後に固体化する方法で形成される。具体的には、色素を吸着させた半導体層4上に、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはその共重合体や誘導体、あるいはポリフッ化ビニリデンと他のポリマーとの混合物をプロピレンカーボネートなど電解液として用いる電解質を含有した有機溶媒中に溶解させ、さらにジエチルカーボネートやジメチルカーボネートなどの、電解液と比較して低い沸点を有する溶媒で希釈する。そして、高い流動性を有する状態で半導体層4上に塗布し、希釈溶媒を取り除くことによりキャリア移動層としてのゲル状電解質を得ることができる。
【0040】
このように、高い流動性を有する状態で半導体層4上に塗布することで、半導体層4の半導体微粒子とゲル状電解質5との密着性を高くすることができる。
【0041】
色素増感太陽電池においてゲル状電解質を用いる場合、予めゲル状電解質を形成し、該ゲル状電解質を半導体層に密着させて色素増感太陽電池を構成すると、半導体層及びゲル状電解質はすでに形状、すなわち表面形状が固化したもの同士が当接されることとなるため、半導体層とゲル状電解質との密着性は良くなく、したがって、半導体層とゲル状電解質との接触が不十分となるため光電変換効率が低下するという問題が生じる。
【0042】
しかしながら、この色素増感太陽電池においては、ゲル状電解質5を上述のように高い流動性を有する状態で半導体層4上に塗布し、その後、希釈溶媒を取り除くことによりゲル状電解質を得るものである。これにより、この色素増感太陽電池においては、ゲル状電解質5は、半導体層4の半導体微粒子の形状になじみ、密着した状態で希釈溶媒が取り除かれ、ゲル状電解質5として成形される。したがって、半導体層4の半導体微粒子とゲル状電解質5との密着性が非常に良好なものとされ、半導体層4とゲル状電解質5との接触を十分に確保することが可能となるため、液体電解質に匹敵する良好な光電変換効率を得ることが可能となる。
【0043】
白金層6は対向電極であり、導電性物質であれば任意のものを用いることができるが、絶縁性の物質でも半導体電極に面している側に導電層が設置されていれば、これも使用可能である。ただし、電気化学的に安定である材料を電極として用いることが好ましく、具体的には、白金、金、およびカーボン等を用いることが好ましい。また、酸化還元の触媒効果を向上させる目的で、半導体電極に面している側は微細構造で表面積が増大していることが好ましく、例えば、白金であれば白金黒状態に、カーボンであれば多孔質状態になっていることが好ましい。白金黒状態は白金の陽極酸化法、塩化白金酸処理などによって、また多孔質状態のカーボンは、カーボン微粒子の焼結や有機ポリマーの焼成などの方法により形成することができる。
【0044】
以上のように構成された色素増感太陽電池1は次のように動作する。透明電極3側の透明電極2より入射した光が半導体層4表面に担時された色素を励起し、色素は半導体層4の半導体微粒子へ電子を速やかに渡す。一方、電子を失った色素はゲル状電解質5のイオンから電子を受け取る。電子を渡した分子は、再び対向電極である白金層6で電子を受け取る。
【0045】
そして、上述したようにゲル状電解質5は酸化還元対を含有する電解液と、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはこれらの誘導体からなるマトリクスポリマーとを有してなるため、高イオン伝導性を有するとともに優れた長期安定性を備えている。
【0046】
そして、色素増感太陽電池1においては、このようなゲル状電解質5を備えることにより、長期間に亘って高い光電変換特性を有する電変換素子が実現されている。
【0047】
【実施例】
以下においては、具体的な実験結果に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
【0048】
[実施例1]
実施例1では、以下のようにして本発明を適用した光電変換素子を作製した。まず、TiOペーストを作製した。TiOペーストの作製は「色素増感太陽電池の最新技術」(シーエムシー)を参考に行った。まず、125mlのチタンイソプロポキシドを、750mlの0.1M硝酸水溶液に室温で撹拌しながらゆっくり滴下した。滴下が終了した後、80℃の恒温槽に移し、8時間撹拌することにより白濁した半透明のゾル溶液を得た。
【0049】
次に、このゾル溶液を室温まで放冷し、ガラスフィルターでろ過した後、700mlにメスアップした。得られたゾル溶液をオートクレーブへ移し、220℃で12間水熱処理を行った後、1時間超音波処理による分散処理を施した。
【0050】
次いで、この溶液をエバポレーターにより40℃で濃縮し、TiOの含有量が11wt%になるように調製した。そして、この濃縮ゾル溶液に分子量が50万のポリエチレンオキサイド(PEO)を添加し、遊星ボールミルで均一に混合することにより、増粘したTiOペーストを得た。
【0051】
次に、得られたTiOペーストを、透明電極としてのシート抵抗が30Ω/□であるフッ素ドープ導電性ガラス基板に、1cm×1cmの大きさでスクリーン印刷法により塗布した後、450℃に30分間保持してTiOを導電性ガラス上に焼結して半導体層を形成した。
【0052】
次いで、0.5mMのシス−ビス(イソチオシアナート)−N,N−ビス(2,2'−ジピリジル−4,4'−ジカルボン酸)−ルテニウム(II)二水和物および20mMのデオキシコール酸を溶解した脱水エタノール溶液に12時間浸漬させ、半導体層に色素を吸着させた。そして4−tert−ブチルピリジンのエタノール溶液、脱水エタノールの順で洗浄し、暗所で乾燥させることにより半導体電極を得た。
【0053】
次に、予め1mmの注液口が開けられたシート抵抗が30Ω/□のフッ素ドープ導電性ガラス基板に白金を100nmスパッタし、その上に塩化白金酸のエタノール溶液を数滴垂らし、450℃に加熱して対向電極を作製した。
【0054】
次いで、ガンマブチロラクトン30.5gにヨウ化リチウム(LiI)2g、1−プロピル−2.3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド5g、ヨウ素(I2)0.5g、4−tert−ブチルピリジン2gを溶解させて電解液を調製した。この電解液に希釈剤としてジメチルカーボネートを150g加え、70℃に加熱した後、分子量30万のポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体を8g溶解させることにより、ゾル状のゲル状電解質前駆体を得た。
【0055】
ここで、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体は、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとを96:4の比率で共重合させたものを用いた。
【0056】
そして、このゾル状のゲル状電解質前駆体をブレードコーティング法により色素を吸着した半導体層上に塗布し、50℃で5分間乾燥することによってジメチルカーボネートを除き、ゲル状電解質付き半導体電極を得た。
【0057】
最後に、このゲル状電解質付き半導体電極を対向電極と組み合わせることにより実施例1の色素増感型太陽電池を得た。
【0058】
[実施例2]
電解液中に溶解させるポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体の量を13.3g,10g, 6g,5g, 4g,3.3g(マトリックスポリマーと電解液との比で1:3, 1:4, 1:6.7, 1:8, 1:10, 1:12)とし、ゲル状電解質中のマトリクスポリマーと電解液との比を1:3〜1:12と変化させたこと以外は実施例1と同様にして実施例2の色素増感太陽電池を作製した。
【0059】
[比較例]
電解液中に溶解させるポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体の量を20g(マトリックスポリマーと電解液との比で1:2)とした以外は実施例1と同様にして比較例の色素増感太陽電池を作製した。
【0060】
以上のようにして作製した実施例1、実施例2及び比較例の電解質及び色素増感太陽電池についてイオン伝導率と光電変換効率の評価を行った。イオン伝導率及び光電変換効率は、以下のようにして測定した。
【0061】
イオン伝導率の評価
イオン伝導率の評価は、ゲル状電解質のイオン伝導率を測定することにより行った。まず、実施例において作製したゾル状のゲル状電解質前駆体をガラス板上にキャストし、50℃の温度で5分間乾燥させることにより厚み0.3mmのゲル状電解質を得た。そして、この電解質を直径10mmの円形に打ち抜き、ステンレス電極間に挟んで複素インピーダンス測定を行うことによりイオン伝導率を測定した。その結果を図2に示す。
【0062】
また、電解液について、溶液導電率測定用セル「TOA CG−511B」を用いて複素インピーダンス法によりイオン伝導率を測定した。この場合、ポリマー電解液比が無限大になってしまい図2に示せないため、結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004329302
【0064】
光電変換効率の評価
光電変換効率の測定は、各色素増感太陽電池における透明電極側のフッ素ドープ導電性ガラス基板と対向電極側のフッ素ドープ導電性ガラス基板とにそれぞれワニ口クリップを接続し、色素増感太陽電池に光を照射して発生した電流を電流電圧測定装置にて測定した。なお、光の照射は、光源としてキセノンランプを用い、色素増感太陽電池上での光強度を100mW/cmとした。その結果を図3に示す。
【0065】
図2より、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)をマトリクスポリマーとして用いて構成した実施例1及び実施例2のゲル状電解質は、表1に示す電解液のイオン伝導率よりはやや劣るものの良好なイオン伝導率が得られていることが判る。また、図2より、マトリクスポリマーと電解液との重量比を1:3〜1:12の範囲とした場合に特に良好なイオン伝導率を得られていることが判る。したがって、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)と電解液とによりゲル状電解質を構成することにより、イオン伝導率が良好な電解質が得られ、特にマトリクスポリマーと電解液との重量比を1:3〜1:12の範囲とすることにより、より良好なイオン伝導率が実現可能であるといえる。
【0066】
また、図3より、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)をマトリクスポリマーとして用いて構成した実施例1及び実施例2のゲル状電解質は、表1に示す電解液の光電変換効率よりはやや劣るものの良好な光電変換効率が得られていることが判る。また、マトリクスポリマーと電解液との重量比を1:3〜1:12の範囲とした場合に特に良好な光電変換効率を得られていることが判る。したがって、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)と電解液とにより構成したゲル状電解質を用いることにより、光電変換効率が良好な色素増感太陽電池が得られ、特にマトリクスポリマーと電解液との重量比を1:3〜1:12の範囲とすることにより、より光電変換効率に優れた色素増感太陽電池を実現することができるといえる。
【0067】
[実施例3]
電解液を調製する際に、ガンマブチロラクトン(GBL)の代わりにプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)との混合溶液(混合比率は、EC:PC=7:3)、エチレンカーボネート(EC)とガンマブチロラクトン(GBL)との混合溶液(混合比率は、EC:GBL=7:3)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてゲル状電解質及び色素増感太陽電池を作製した。
【0068】
以上のようにして作製したゲル状電解質及び色素増感太陽電池について、上記と同様にしてイオン伝導度及び光電変換効率を測定した。その結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
Figure 0004329302
【0070】
表2より、電解液の溶媒としてガンマブチロラクトンの代わりにプロピレンカーボネート、混合比率が7:3であるエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの混合溶液、混合比率が7:3であるエチレンカーボネートとガンマブチロラクトンとの混合溶液を用いて作製したゲル状電解質のイオン伝導率は、電解液の光電変換効率よりはやや劣るものの良好なイオン伝導率が実現されていることが判る。
【0071】
そして、表2より、これらのゲル状電解質を用いて色素増感太陽電池を構成した場合の光電変換効率は、電解液を用いて構成した色素増感太陽電池の光電変換効率よりはやや劣るものの良好な光電変換効率が実現されていることが判る。
【0072】
したがって、電解液の溶媒としてガンマブチロラクトン以外でも上述した溶液を用いた場合においても本発明の効果を十分に得ることができ、良好なイオン伝導率及び光電変換効率に優れた色素増感太陽電池を実現可能であるといえる。
【0073】
[実施例4]
ポリマーと電解液との比が1:10となるようにポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体を溶解させてゾル状のゲル状電解質前駆体を調製したこと以外は実施例1と同様にしてゲル状電解質及び色素増感太陽電池を作製した。なお、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体としては、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとを100:0(ポリフッ化ビニリデン),98:2,96:4,94:6,90:10,80:20,70:30の各比率で構成したものを用いた。その結果を図4及び図5に示す。
【0074】
図4より、ゲル状電解質のマトリクスポリマーとしてポリフッ化ビニリデン(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合比が100:0)のみを用いた場合においても、電解液よりは劣るものの良好なイオン伝導率が実現されていることが判る。また、マトリクスポリマーとしてポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体を用いることにより、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合よりもさらに良好なイオン伝導率を得られることが判る。そして、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体におけるヘキサフルオロプロピレンの比率を増やすことにより、イオン伝導率の向上効果を得られ、特に、ヘキサフルオロプロピレンの比率を4%(98:2)以上とすることで、特に顕著な効果が得られることが判る。これは、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体におけるヘキサフルオロプロピレンの比率が増えることでマトリクスポリマーの電解液保持特性が良くなるためと考えられる。
【0075】
また、図5よりゲル状電解質のマトリクスポリマーとしてポリフッ化ビニリデン(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合比が100:0)のみを用いた場合、及びマトリクスポリマーとしてポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体を用いた場合ともに良好な光電変換効率が得られるが、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体を用いることにより、より高い光電変換効率を得られることが判る。そして、マトリクスポリマーとしてポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体を用いた場合においても、ヘキサフルオロプロピレンの比率を4%(98:2)以上20%(80:20)以下とすることで、特に良好な光電変換効率を得られることが判る。
【0076】
したがって、これらのことよりマトリクスポリマーとしてポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体を用いる場合、ヘキサフルオロプロピレンの比率を4%(98:2)以上20%(80:20)以下とすることで、イオン伝導率及び光電変換効率がより優れた色素増感太陽電池が実現可能であるといえる。
【0077】
【発明の効果】
本発明に係る高分子固体電解質は、酸化還元対を含有する電解液とマトリクスポリマーとを有する高分子固体電解質であって、上記マトリクスポリマーが、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはこれらの誘導体からなるものである。
【0078】
また、本発明に係る光電変換素子は、透明基板の表面に形成された電極と対向電極との間に、色素を担持した半導体粒子からなる半導体層と電解質層とを備えてなる光電変換素子であって、上記電解質層が、酸化還元対を含有する電解液と、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはこれらの誘導体からなるマトリクスポリマーとを有してなる高分子固体電解質からなるものである。
【0079】
以上のように構成された本発明に係る高分子固体電解質は、マトリクスポリマーが、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体あるいはこれらの誘導体からなるため、高イオン伝導性と長期安定性とに優れた高分子固体電解質の実現が可能である。そして、このような本発明に係る高分子固体電解質を用いることにより長期間に亘って液体電解質に匹敵する高い光電変換特性を有する光電変換素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高分子固体電解質を用い光電変換素子の一構成例を示す要部断面図である。
【図2】ゲル状電解質中における電解液とマトリクスポリマーの比と、イオン伝導率との関係を示す特性図である。
【図3】ゲル状電解質中における電解液とマトリクスポリマーの比と、光電変換効率との関係を示す特性図である。
【図4】ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体におけるヘキサフルオロプロピレンの比率とイオン伝導率との関係を示す特性図である。
【図5】ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体におけるヘキサフルオロプロピレンの比率と光電変換効率との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 光電変換素子
2 透明基板
3 透明電極
4 色素を吸着した半導体層
5 ゲル状電解質層
6 塩化白金処理した白金層

Claims (1)

  1. 透明基板の表面に形成された電極と対向電極との間に、色素を担持した半導体粒子からなる半導体層と、マトリクスポリマーと電解液との重量比が1:10となるようにポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体を溶解させて調製したゾル状のゲル状電解質前駆体を用いて形成された電解質層とを備えてなる光電変換素子であって、上記電解質層が、酸化還元対を含有する電解液と、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体であってヘキサフルオロプロピレンの含有比率が4%以上20%以下のマトリクスポリマーとを有してなる高分子固体電解質であることを特徴とする光電変換素子。
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