JP4326323B2 - 非水電解質電池 - Google Patents

非水電解質電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4326323B2
JP4326323B2 JP2003427108A JP2003427108A JP4326323B2 JP 4326323 B2 JP4326323 B2 JP 4326323B2 JP 2003427108 A JP2003427108 A JP 2003427108A JP 2003427108 A JP2003427108 A JP 2003427108A JP 4326323 B2 JP4326323 B2 JP 4326323B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
nonaqueous electrolyte
battery
aqueous electrolyte
electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003427108A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005190690A (ja
Inventor
和幸 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2003427108A priority Critical patent/JP4326323B2/ja
Priority to CNB2004100819103A priority patent/CN100429821C/zh
Priority to KR1020040111191A priority patent/KR101052414B1/ko
Priority to US11/019,644 priority patent/US20050170258A1/en
Publication of JP2005190690A publication Critical patent/JP2005190690A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4326323B2 publication Critical patent/JP4326323B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
    • H01M10/0566Liquid materials
    • H01M10/0567Liquid materials characterised by the additives
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオンを吸蔵、放出する正極と、リチウムイオンを吸蔵、放出する負極と、これらの正極と負極を隔離するセパレータと、非水溶媒にリチウム塩からなる溶質が溶解した非水電解質とを備えた非水電解質電池に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、高いエネルギー密度を有し、かつ高容量であるリチウムイオン電池に代表される非水電解質電池が、この種の移動情報端末の駆動電源として広く利用されるようになった。この種の非水電解質電池は、通常、LiCoO2,LiNiO2,LiMn24,LiFeO2等のリチウム含有遷移金属複合酸化物からなる正極と、黒鉛等の炭素材料からなる負極と、非水溶媒にリチウム塩からなる溶質を溶解した非水電解質とを用いて構成される電池である。
ところで、このような非水電解質電池の負極活物質となる材料の表面では、電解液の成分となる有機溶媒が関与して、電池特性に悪影響を及ぼす副反応が生じる。このため、負極が有機溶媒と直接反応しないように、負極表面に被膜を形成するとともに、この被膜の形成状態や性質を制御することが重要な課題になっている。このような負極表面被膜(SEI:Solid Electroyte Interface)を制御する技術としては、一般的には、電解液中に特殊な添加剤を添加する技術が知られている。代表的な添加剤しては、特許文献1に示されるようなビニレンカーボネート(VC)が知られており、このビニレンカーボネートを非水溶媒にリチウム塩からなる溶質が溶解した電解液に添加して用いるようにしている。
また、スピネル型マンガン酸リチウムを正極活物質とし、非水電解質の溶質としてLiPF6を用いた非水電解質電池においては、少量のH2Oの存在によりLiPF6が順次分解されて、フッ酸(HF)を生成し、これがMnを溶出させて正極活物質の特性を著しく低下させる。このため、LiPF6に代えてLiBF4を非水電解質の溶質として用いることが特許文献2で提案されるようになった。
ところが、LiBF4を非水電解質の溶質として用いた非水電解質電池においては、HF濃度が低く保たれているにもかかわらず、高温で保存すると負極から炭酸ガスを主成分とするガスが発生するため、高温保存性能が良好であるとはいえなかった。そこで、LiBF4を溶質として用いた非水電解質のHF濃度を30ppm以上で、1000ppm以下に規制することにより、高温保存特性を向上させることが特許文献3にて提案されるようになった。
しかしながら、上述した特許文献1に示されるように、ビニレンカーボネート(VC)が添加された電解液を非水電解質電池に用いると、負極の表面にSEIが形成されて、負極上での副反応が抑制されてサイクル特性が向上する反面、形成された皮膜(SEI)は強固であるため、初期充電時にLiイオンが金属として負極表面に析出し、充電効率が低下して初期容量が低下するという問題を生じた。また、VCが添加された電解液を用いた非水電解質電池は、高温サイクル特性に対する改善効果が不十分であるとともに、高温保存時に電池膨れが発生するという問題も生じた。これは、VCが添加された電解液を用いた非水電解質電池を高温で放置すると、VCが酸化分解されて炭酸ガスを発生させるためと推測される。
また、上述した特許文献2や特許文献3に示されるように、一般に広く用いられているLiPF6をLiBF4に置換するためには多量のLiBF4を用いる必要がある。この場合においては、負極表面に厚い皮膜が形成されるために、電池完成直後の最初の充電において、負極表面にリチウム金属が析出し、充放電効率が低下して、電池の容量が低下するという問題を生じた。このように、LiBF4の使用においては、十分な保存特性の改善と、その副作用として起こる容量低下の防止を両立させる必要がある。
そこで、LiBF4の使用量を減少させると、負極表面に厚い皮膜が形成されず、電池の容量低下を防止できるが、反面、保存特性、特に高温保存特性の改善効果が低下するという問題を生じた。
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものであって、電池容量を維持したまま、高温保存時の容量低下を抑制できる非水電解質電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の非水電解質電池に用いられる非水電解質は、ビニレンカーボネート(VC)を当該非水電解質の質量に対して1質量%以上、3質量%以下含有し、ホウフッ化リチウム(LiBF4)を当該非水電解質の質量に対して0.05質量%以上、0.5質量%以下含有し、シクロアルキルベンゼン誘導体あるいはベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体から選択される少なくとも1種の誘導体を当該非水電解質の質量に対して0.5質量%以上、3質量%以下含有したことを特徴とする。
このように、VCとLiBF4とを含有する非水電解質に、さらに、シクロアルキルベンゼン誘導体、あるいはベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体から選択される少なくとも1種の誘導体を含有させると、LiBF4の含有量を低下させても高温保存特性を大幅に改善させることが可能になると共に、電池の容量低下を防止できるようになることが明らかになった。
この理由は明らかではないが、以下のように推測できる。即ち、これらの添加剤はいずれも正極活物質と反応して正極表面に被膜を形成することが分かっている。ところが、これらの添加剤を組み合わせて用いた場合に形成される被膜は、これらの添加剤を単独で用いた場合に形成される被膜とは異なり、高温保存下において、正極活物質を非水電解質との反応から守るに適したものであるためと考えられる。
この場合、非水電解質の質量に対して、ビニレンカーボネート(VC)の含有量を1質量%以上で3質量%以下にし、ホウフッ化リチウム(LiBF4)の含有量を0.05質量%以上で0.5質量%以下にし、前記誘導体の含有量を0.5質量%以上で3質量%以下にするのが望ましい。さらに、ホウフッ化リチウム(LiBF4)の含有量は非水電解質の質量に対して0.1質量%以上で0.2質量%以下であるとより好ましい。
なお、シクロアルキルベンゼン誘導体としては、シクロヘキシルベンゼンあるいはシクロペンチルベンゼンであることが望ましい。また、ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体としては、tert−アミルベンゼン、tert−ブチルベンゼンあるはtert−ヘキシルベンゼンであるのが望ましい。さらに、正極はコバルト酸リチウムとスピネル型マンガン酸リチウムとからなる混合正極活物質を含有するのが好ましい。
以下に、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。なお、図1は本発明の非水電解質電池を模式的に示す断面図であり、図1(a)は、図1(b)のB−B断面を示しており、図1(b)は、図1(a)のA−A断面を示している。
1.負極の作製
まず、燐片状天然黒鉛粉末(例えば、(002)面の面間隔(d002)が3.358Åで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が1000Åで、平均粒径が20μmの粉末)と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム(SBR)のディスパージョン(固形分が48%)を水に分散させた。この後、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を添加して、負極スラリーを作製した。この場合、乾燥後の固形分の質量比が黒鉛:SBR:CMCが100:3:2となるように調製している。
この後、この負極スラリーを銅箔(例えば、厚みが8μmのもの)からなる負極集電体の両面にドクターブレード法により塗布して、負極活物質層を形成した。ついで、乾燥させた後、所定の充填密度になるように圧延し、所定の形状に切断し、110℃で2時間真空乾燥させて負極11を作製した。この場合、負極活物質層の塗布質量が一定となる部位の乾燥後の両面の質量が200g/m2(片面では100g/m2:ただし集電体の質量は除く)となり、活物質の充填密度が1.5g/cm3となるようにした。なお、負極11の一端部から延出して負極リード11aを形成している。
なお、結着剤としては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)に代えて、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステルを用いてもよい。あるいは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸を用いてもよい。また、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)に代えて、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼインなどを用いてもよい。
2.正極の作製
正極活物質としての平均粒径が5μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末と、導電剤としての人造黒鉛粉末を、質量比で9:1になるように混合して正極合剤とした。この正極合剤に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に5質量%溶かした結着剤溶液を、固形分質量比で95:5となるように添加、混合して正極スラリーとした。この場合、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末に代えて、マンガン酸リチウム(LiMn24),ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等のリチウム含有遷移金属複合酸化物、あるいはこれらの酸化物の遷移金属をAl,Ti,Mg,Zrなどの異種元素で置換したり、これらの元素を添加した酸化物を用いても、上述と同様に正極スラリーを作製することができる。
この後、得られた正極スラリーをアルミニウム箔(例えば、厚みが15μmのもの)からなる正極集電体の両面にドクターブレード法により塗布して、正極合剤層を形成した。ついで、乾燥させた後、所定の充填密度になるように圧延し、所定の形状に切断し、150℃で2時間真空乾燥させて正極12を作製した。この場合、正極合剤層の塗布質量が一定となる部位の乾燥後の両面の質量が500g/m2(片面では250g/m2:ただし集電体の質量は除く)となり、活物質の充填密度が3.5g/cm3となるようにした。なお、正極12の一端部から延出して正極リードを形成している。
3.非水電解質の調製
(1)添加剤としてLiBF4とVCとCHBを用いた非水電解質
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との等体積混合溶媒(EC:DMC=50:50)に、LiPF6を1モル/リットル溶解して添加剤が無添加の非水電解質x1を調製した。ついで、得られた非水電解質x1に添加剤として、LiBF4とともに、非水電解質の質量に対して、ビニレンカーボネート(VC:以下ではVCという)2.00質量%と、シクロアルキルベンゼン誘導体としてのシクロヘキシルベンゼン(以下ではCHBという)1.00質量%とを添加して非水電解質a0〜a9を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、LiBF4の添加量が、0.03質量%のものを非水電解質a1とし、0.05質量%のものを非水電解質a2とし、0.07質量%のものを非水電解質a3とし、0.10質量%のものを非水電解質a4とし、0.20質量%のものを非水電解質a5とし、0.30質量%のものを非水電解質a6とし、0.50質量%のものを非水電解質a7とし、1.00質量%のものを非水電解質a8とし、1.20質量%のものを非水電解質a9とした。また、LiBF4が無添加のものを非水電解質a0とした。
(2)添加剤としてLiBF4とVCとTABを用いた非水電解質
また、得られた非水電解質x1に添加剤として、LiBF4とともに、非水電解質の質量に対して、VC2.00質量%と、ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体として、tert−アミルベンゼン(以下ではTABという)1.00質量%とを添加して非水電解質b0〜b9を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、LiBF4の添加量が、0.03質量%のものを非水電解質b1とし、0.05質量%のものを非水電解質b2とし、0.07質量%のものを非水電解質b3とし、0.10質量%のものを非水電解質b4とし、0.20質量%のものを非水電解質b5とし、0.30質量%のものを非水電解質b6とし、0.50質量%のものを非水電解質b7とし、1.00質量%のものを非水電解質b8とし、1.20質量%のものを非水電解質b9とした。また、LiBF4が無添加のものを非水電解質b0とした。
(3)添加剤としてLiBF4とVCとTBBを用いた非水電解質
また、上述した非水電解質x1に添加剤として、LiBF4とともに、非水電解質の質量に対して、VC2.00質量%と、ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体として、tert−ブチルベンゼン(以下ではTBBという)1.00質量%とを添加して非水電解質c0〜c9を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、LiBF4の添加量が、0.03質量%のものを非水電解質c1とし、0.05質量%のものを非水電解質c2とし、0.07質量%のものを非水電解質c3とし、0.10質量%のものを非水電解質c4とし、0.20質量%のものを非水電解質c5とし、0.30質量%のものを非水電解質c6とし、0.50質量%のものを非水電解質c7とし、1.00質量%のものを非水電解質c8とし、1.20質量%のものを非水電解質c9とした。また、LiBF4が無添加のものを非水電解質c0とした。
(4)添加剤としてLiBF4とVCとCHBとTABを用いた非水電解質
また、上述した非水電解質x1に添加剤として、LiBF4とともに、非水電解質の質量に対して、VC2.00質量%と、CHB1.00質量%と、TAB1.50質量%とを添加して非水電解質d0〜b9を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、LiBF4の添加量が、0.03質量%のものを非水電解質d1とし、0.05質量%のものを非水電解質d2とし、0.07質量%のものを非水電解質d3とし、0.10質量%のものを非水電解質d4とし、0.20質量%のものを非水電解質d5とし、0.30質量%のものを非水電解質d6とし、0.50質量%のものを非水電解質d7とし、1.00質量%のものを非水電解質d8とし、1.20質量%のものを非水電解質d9とした。また、LiBF4が無添加のものを非水電解質d0とした。
(5)添加剤としてLiBF4を単独で用いた非水電解質
また、上述した非水電解質x1に添加剤として、LiBF4を単独で添加して非水電解質e1〜e8を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、LiBF4の添加量が、0.05質量%のものを非水電解質e1とし、0.07質量%のものを非水電解質e2とし、0.10質量%のものを非水電解質e3とし、0.20質量%のものを非水電解質e4とし、0.30質量%のものを非水電解質e5とし、0.50質量%のものを非水電解質e6とし、1.00質量%のものを非水電解質e7とし、1.20質量%のものを非水電解質e8とした。なお、LiBF4が無添加のものは非水電解質x1となる。
(6)添加剤としてCHBを単独で用いた非水電解質
また、上述した非水電解質x1に添加剤として、CHBを単独で添加して非水電解質f1〜f8を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、CHBの添加量が、0.05質量%のものを非水電解質f1とし、0.07質量%のものを非水電解質f2とし、0.10質量%のものを非水電解質f3とし、0.20質量%のものを非水電解質f4とし、0.30質量%のものを非水電解質f5とし、0.50質量%のものを非水電解質f6とし、1.00質量%のものを非水電解質f7とし、1.20質量%のものを非水電解質f8とした。なお、CHBが無添加のものは非水電解質x1となる。
(7)添加剤としてTABを単独で用いた非水電解質
また、上述した非水電解質x1に添加剤として、TABを単独で添加して非水電解質g1〜g8を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、TABの添加量が、0.05質量%のものを非水電解質g1とし、0.07質量%のものを非水電解質g2とし、0.10質量%のものを非水電解質g3とし、0.20質量%のものを非水電解質g4とし、0.30質量%のものを非水電解質g5とし、0.50質量%のものを非水電解質g6とし、1.00質量%のものを非水電解質g7とし、1.20質量%のものを非水電解質g8とした。なお、TABが無添加のものは非水電解質x1となる。
(8)添加剤としてTBBを単独で用いた非水電解質
また、上述した非水電解質x1に添加剤として、TBBを単独で添加して非水電解質h1〜h8を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、TBBの添加量が、0.05質量%のものを非水電解質h1とし、0.07質量%のものを非水電解質h2とし、0.10質量%のものを非水電解質h3とし、0.20質量%のものを非水電解質h4とし、0.30質量%のものを非水電解質h5とし、0.50質量%のものを非水電解質h6とし、1.00質量%のものを非水電解質h7とし、1.20質量%のものを非水電解質h8とした。なお、TBBが無添加のものは非水電解質x1となる。
なお、非水電解質の溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合溶媒に代えて、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、シクロペンタノン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチルなどの単体、2成分混合物あるいは3成分混合物を用いてもよい。
また、非水電解質の溶質としては、LiPF6に代えて、LiCF3SO3、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiOSO2(CF23CF3、LiClO4などを用いてもよい。
4.非水電解質電池の作製
ついで、上述のようにして作製した負極11と正極12とを用意し、これらの間にポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータ13を介在させて重ね合わせて渦巻状に巻回した。ついで、これを扁平になるように押しつぶして電極群を作製した後、この電極群を外装缶(正極端子を兼ねる)14の開口部より挿入した。ついで、電極群の上部にスペーサ16を配置した後、電極群の負極11より延出する負極リード11aを封口体15に設けられた端子板15cの内底部に溶接した。一方、電極群の正極板12より延出する正極リードを外装缶14と封口体15との間に挟み込むようにして、封口体15を外装缶14の開口部に配置した。ついで、外装缶14の開口部の周壁と封口体15との間をレーザ溶接した。
この後、外装缶14内に上述のように調製した電解液a0〜a9,b0〜b9,c0〜c9,d0〜d9,e1〜e8,f1〜f8,g1〜g8,h1〜h8を、各端子板15cに設けられた透孔を通して、外装缶14内にそれぞれ注入した。この後、各負極端子15aを各端子板15cに溶接して封止した。これにより、設計容量が700mAhで角形(厚み:5mm、幅:30mm、高さ:48mm)の非水電解質電池10(A0〜A9,B0〜B9,C0〜C9,D0〜D9,E1〜E8,F1〜F8,G1〜G8,H1〜H8,X1)をそれぞれ作製した。なお、この封口体15には、図示しない安全弁が設けられていて、電池内にガスが発生して内圧が上昇すると、発生したガスを電池外に放出するようになされている。
ここで、非水電解質a0〜a9を用いた非水電解質電池を電池A0〜A9とし、非水電解質b0〜b9を用いた非水電解質電池を電池B0〜B9とし、非水電解質c0〜c9を用いた非水電解質電池を電池C0〜C9とし、非水電解質d0〜d9を用いた非水電解質電池を電池D0〜D9と、非水電解質e1〜e8を用いた非水電解質電池を電池E1〜E8とし、非水電解質f1〜f8を用いた非水電解質電池を電池F1〜F8とし、非水電解質g1〜g8を用いた非水電解質電池を電池G1〜G8とし、非水電解質h1〜h8を用いた非水電解質電池を電池H1〜H8とした。なお、非水電解質x1を用いた非水電解質電池を電池X1とした。
5.電池試験
(1)初期容量の測定
これらの各電池A0〜A9,B0〜B9,C0〜C9,D0〜D9,E1〜E8,F1〜F8,G1〜G8,H1〜H8,X1をそれぞれ用いて、室温(約25℃)で、700mA(1ItmA)の充電電流で、電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電し、4.2Vの定電圧で電流値が10mAに達するまで定電圧充電した。この後、700mA(1ItmA)の放電電流で、電池電圧が2.75Vに達するまで放電させ、放電時間から放電容量を測定して初期放電容量を求めた。ついで、各電池A0,B0,C0,D0の初期放電容量を100とし、他の電池A1〜A9,B1〜B9,C1〜C9,D1〜D9の初期放電容量をそれとの比で表すと、下記の表1に示すような結果が得られた。また、電池X1の初期放電容量を100とし、他の電池E1〜E8,F1〜F8,G1〜G8,H1〜H8の初期放電容量をそれとの比で表すと、下記の表2に示すような結果が得られた。
(2)高温保存特性試験
また、各電池A0〜A9,B0〜B9,C0〜C9,D0〜D9,E1〜E8,F1〜F8,G1〜G8,H1〜H8,X1を上記のように充放電させて初期放電容量(Z1)を求めた後、室温(約25℃)で、700mA(1ItmA)の充電電流で、電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電し、4.2Vの定電圧で電流値が10mAに達するまで定電圧充電した。この後、60℃の恒温槽中に20日間保存した。
保存終了後、室温(約25℃)で、700mA(1ItmA)の放電電流で、電池電圧が2.75Vに達するまで放電させた後、700mA(1ItmA)の充電電流で、電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電し、4.2Vの定電圧で電流値が10mAに達するまで定電圧充電した。この後、700mA(1ItmA)の放電電流で、電池電圧が2.75Vに達するまで放電させ、放電時間から高温保存後放電容量(Z2)を求めた。ついで、先に求めた初期放電容量(Z1)に対する高温保存後放電容量(Z2)の比率((Z2/Z1)×100%)を高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率(高温容量維持率)として求めると、下記の表1および表2に示すような結果となった。
Figure 0004326323
Figure 0004326323
上記表2の結果から明らかなように、非水電解質x1に、添加剤としてLiBF4、CHB、TAB、TBBをそれぞれ単独で添加した非水電解質を用いた電池E1〜E8,F1〜F8,G1〜G8,H1〜H8においては、添加剤が無添加の非水電解質x1を用いた電池X1と比較して、これらの添加剤の添加量を変化させても高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率(高温容量維持率)がほとんど向上していないことが分かる。
一方、上記表1の結果から明らかなように、非水電解質x1に添加剤として、LiBF4とともに、VC2.00質量%と、シクロヘキシルベンゼン(CHB)(シクロアルキルベンゼン誘導体)1.00質量%とを添加した非水電解質を用いた電池A1〜A9においては、LiBF4の添加量を調することにより、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率が向上する結果となった。この場合、LiBF4の添加量が0.05質量%以上で0.50質量%以下の電池A2〜A7においては、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率が向上し、LiBF4の添加量が0.10質量%以上で0.20質量%以下の電池A4,A5においては、さらに容量維持率が向上していることが分かる。
また、非水電解質x1に添加剤として、LiBF4とともに、VC2.00質量%と、tert−アミルベンゼン(TAB)(ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体)1.00質量%とを添加した非水電解質を用いた電池B1〜B9においては、LiBF4の添加量を調製することにより、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率が向上する結果となった。この場合も、LiBF4の添加量が0.05質量%以上で0.50質量%以下の電池B2〜B7においては、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率が向上し、LiBF4の添加量が0.10質量%以上で0.20質量%以下の電池B4,B5においては、さらに容量維持率が向上していることが分かる。
また、非水電解質x1に添加剤として、LiBF4とともに、VC2.00質量%と、tert−ブチルベンゼン(TBB)(ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体)1.00質量%とを添加した非水電解質を用いた電池C1〜C9においては、LiBF4の添加量を調製することにより、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率が向上する結果となった。この場合も、LiBF4の添加量が0.05質量%以上で0.50質量%以下の電池C2〜C7においては、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率が向上し、LiBF4の添加量が0.10質量%以上で0.20質量%以下の電池C4,C5においては、さらに容量維持率が向上していることが分かる。
さらに、非水電解質x1に添加剤として、LiBF4とともに、VC2.00質量%と、CHB(シクロアルキルベンゼン誘導体)1.00質量%と、TAB(ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体)1.50質量%とを添加した非水電解質を用いた電池D1〜D9においては、LiBF4の添加量を調製することにより、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率が向上する結果となった。この場合も、LiBF4の添加量が0.05質量%以上で0.50質量%以下の電池D2〜D7においては、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率が向上し、LiBF4の添加量が0.10質量%以上で0.20質量%以下の電池D4,D5においては、さらに容量維持率が向上していることが分かる。
これは、LiBF4とVCともに、シクロアルキルベンゼン誘導体としてのシクロヘキシルベンゼン(CHB)や、ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体としてのtert−アミルベンゼン(TAB)やtert−ブチルベンゼン(TBB)を添加剤として添加すると、LiBF4やVCにより正極表面に形成される皮膜の特性が、これらの添加剤により、高温保存下においても、正極活物質が非水電解質と反応するを防止するように作用する被膜に変化するためと考えられる。
6.添加剤の添加量について
ついで、シクロアルキルベンゼン誘導体としてのシクロヘキシルベンゼン(CHB)や、ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体としてのtert−アミルベンゼン(TAB)やtert−ブチルベンゼン(TBB)や、ビニレンカーボネート(VC)の添加量について検討した。
(1)シクロヘキシルベンゼン(CHB)の添加量の検討
上述の非水電解質x1に添加剤として、シクロヘキシルベンゼン(CHB)とともに、非水電解質の質量に対して、VC2.00質量%と、LiBF40.30質量%とを添加して非水電解質i0〜i6を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、CHBの添加量が、0.50質量%のものを非水電解質i1とし、1.00質量%のものを非水電解質i2とし、2.00質量%のものを非水電解質i3とし、3.00質量%のものを非水電解質i4とし、4.00質量%のものを非水電解質i5とし、5.00質量%のものを非水電解質i6とした。また、CHBが無添加のものを非水電解質i0とした。
ついで、これらの非水電解質i0〜i6を用いて、上述と同様に、設計容量が700mAhの非水電解質電池10(I0〜I5)をそれぞれ作製した。ここで、非水電解質i0を用いた非水電解質電池を電池I0とし、非水電解質i1を用いた非水電解質電池を電池I1とし、非水電解質i2を用いた非水電解質電池を電池I2とし、非水電解質i3を用いた非水電解質電池を電池I3とし、非水電解質i4を用いた非水電解質電池を電池I4とし、非水電解質i5を用いた非水電解質電池を電池I5とし、非水電解質i6を用いた非水電解質電池を電池I6とした。ついで、これらの電池I0〜I6を用いて、上述と同様の電池試験を行い、初期容量比と高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率を求めると、下記の表3に示すような結果が得られた。
Figure 0004326323
上記表3の結果から明らかなように、シクロヘキシルベンゼン(CHB)の添加量が非水電解質の質量に対して、0.50質量%以上で3.00質量%以下である電池I1〜I4は、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率(高温容量維持率)が向上していることが分かる。このことから、非水電解質x1への添加剤として、ビニレンカーボネート(VC)およびLiBF4とともに、シクロヘキシルベンゼン(CHB)を非水電解質の質量に対して、0.50質量%以上で3.00質量%以下となるように添加するのが望ましいということができる。
(2)tert−アミルベンゼン(TAB)の添加量の検討
上述の非水電解質x1に添加剤として、tert−アミルベンゼン(TAB)とともに、非水電解質の質量に対して、VC2.00質量%と、LiBF40.30質量%とを添加して非水電解質j0〜j6を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、TABの添加量が、0.50質量%のものを非水電解質j1とし、1.00質量%のものを非水電解質j2とし、2.00質量%のものを非水電解質j3とし、3.00質量%のものを非水電解質j4とし、4.00質量%のものを非水電解質j5とし、5.00質量%のものを非水電解質j6とした。また、TABが無添加のものを非水電解質j0とした。
ついで、これらの非水電解質j0〜j6を用いて、上述と同様に、設計容量が700mAhの非水電解質電池10(J0〜J6)をそれぞれ作製した。ここで、非水電解質j0を用いた非水電解質電池を電池J0とし、非水電解質j1を用いた非水電解質電池を電池J1とし、非水電解質j2を用いた非水電解質電池を電池J2とし、非水電解質j3を用いた非水電解質電池を電池J3とし、非水電解質j4を用いた非水電解質電池を電池J4とし、非水電解質j5を用いた非水電解質電池を電池J5とし、非水電解質j6を用いた非水電解質電池を電池J6とした。ついで、これらの電池J0〜J6を用いて、上述と同様の電池試験を行い、初期容量比と高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率を求めると、下記の表4に示すような結果が得られた。
Figure 0004326323
上記表4の結果から明らかなように、tert−アミルベンゼン(TAB)の添加量が非水電解質の質量に対して、0.50質量%以上で3.00質量%以下である電池J1〜J4は、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率(高温容量維持率)が向上していることが分かる。このことから、非水電解質x1への添加剤として、ビニレンカーボネート(VC)およびLiBF4とともに、tert−アミルベンゼン(TAB)を非水電解質の質量に対して、0.50質量%以上で3.00質量%以下となるように添加するのが望ましいということができる。
(3)tert−ブチルベンゼン(TBB)の添加量の検討
上述の非水電解質x1に添加剤として、tert−ブチルベンゼン(TBB)とともに、非水電解質の質量に対して、VC2.00質量%と、LiBF40.30質量%とを添加して非水電解質k0〜k6を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、TBBの添加量が、0.50質量%のものを非水電解質k1とし、1.00質量%のものを非水電解質k2とし、2.00質量%のものを非水電解質k3とし、3.00質量%のものを非水電解質k4とし、4.00質量%のものを非水電解質k5とし、5.00質量%のものを非水電解質k6とした。また、TBBが無添加のものを非水電解質k0とした。
ついで、これらの非水電解質k0〜k6を用いて、上述と同様に、設計容量が700mAhの非水電解質電池10(K0〜K6)をそれぞれ作製した。ここで、非水電解質k0を用いた非水電解質電池を電池K0とし、非水電解質k1を用いた非水電解質電池を電池K1とし、非水電解質k2を用いた非水電解質電池を電池K2とし、非水電解質k3を用いた非水電解質電池を電池K3とし、非水電解質k4を用いた非水電解質電池を電池K4とし、非水電解質k5を用いた非水電解質電池を電池K5とし、非水電解質k6を用いた非水電解質電池を電池K6とした。ついで、これらの電池K0〜K6を用いて、上述と同様の電池試験を行い、初期容量比と高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率を求めると、下記の表5に示すような結果が得られた。
Figure 0004326323
上記表5の結果から明らかなように、tert−ブチルベンゼン(TBB)の添加量が非水電解質の質量に対して、0.50質量%以上で3.00質量%以下である電池K1〜K4は、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率(高温容量維持率)が向上していることが分かる。このことから、非水電解質x1への添加剤として、ビニレンカーボネート(VC)およびLiBF4とともに、tert−ブチルベンゼン(TBB)を非水電解質の質量に対して、0.50質量%以上で3.00質量%以下となるように添加するのが望ましいということができる。
(4)ビニレンカーボネート(VC)の添加量の検討
上述の非水電解質x1に添加剤として、ビニレンカーボネート(VC)とともに、非水電解質の質量に対して、CHB2.00質量%と、LiBF40.30質量%とを添加して非水電解質l0〜l6を調製した。なお、非水電解質の質量に対して、VCの添加量が、0.50質量%のものを非水電解質l1とし、1.00質量%のものを非水電解質l2とし、2.00質量%のものを非水電解質l3とし、3.00質量%のものを非水電解質l4とし、4.00質量%のものを非水電解質l5とし、5.00質量%のものを非水電解質l6とした。また、VCが無添加のものを非水電解質l0とした。
ついで、これらの非水電解質l0〜l6を用いて、上述と同様に、設計容量が700mAhの非水電解質電池10(L0〜L6)をそれぞれ作製した。ここで、非水電解質l0を用いた非水電解質電池を電池L0とし、非水電解質l1を用いた非水電解質電池を電池L1とし、非水電解質l2を用いた非水電解質電池を電池L2とし、非水電解質l3を用いた非水電解質電池を電池L3とし、非水電解質l4を用いた非水電解質電池を電池L4とし、非水電解質l5を用いた非水電解質電池を電池L5とし、非水電解質l6を用いた非水電解質電池を電池L6とした。ついで、これらの電池L0〜L6を用いて、上述と同様の電池試験を行い、初期容量比と高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率を求めると、下記の表6に示すような結果が得られた。
Figure 0004326323
上記表6の結果から明らかなように、ビニレンカーボネート(VC)の添加量が非水電解質の質量に対して、1.00質量%以上で3.00質量%以下である電池L2〜L4は、高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率(高温容量維持率)が向上していることが分かる。このことから、非水電解質x1への添加剤として、LiBF4およびシクロヘキシルベンゼン(CHB)とともに、ビニレンカーボネート(VC)を非水電解質の質量に対して、1.00質量%以上で3.00質量%以下となるように添加するのが望ましいということができる。
7.正極活物質の検討
上述した非水電解質電池においてはコバルト酸リチウム(LiCoO2)を正極活物質として用いた場合についての検討であったが、以下では、正極活物質の種類を変更した場合について検討した。そこで、コバルト酸リチウム(LiCoO2)とスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn24)を質量比率で1:1となるように混合した混合正極活物質を用いて正極を作製し、上述と同様にして設計容量が700mAhの非水電解質電池M1およびX2を作製した。
この場合、非水電解質a6(非水電解質x1に、添加剤としてLiBF40.30質量%と、VC2.00質量%と、CHB1.00質量%を添加した)を用いたものを非水電解質電池M1とした。また、添加剤が無添加の非水電解質x1を用いたものを非水電解質電池X2とした。ついで、これらの電池M1,X2を用いて、上述と同様の電池試験を行い、初期容量比と高温(60℃)で20日間保存後の容量維持率を求めると、下記の表7に示すような結果が得られた。なお、表7には上述した電池A6および電池X1の結果も併せて示している。
Figure 0004326323
上記表7において、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を正極活物質として用いた電池X1と電池A6を比較すると、添加剤としてLiBF40.30質量%と、VC2.00質量%と、CHB1.00質量%を添加した非水電解質a6を用いた電池A6の方が、添加剤が無添加の非水電解質x1を用いた電池X1よりも、高温容量維持率が9%向上していることが分かる。
一方、コバルト酸リチウム(LiCoO2)とスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn24)を正極活物質として用いた電池X2と電池M1を比較すると、添加剤としてLiBF40.30質量%と、VC2.00質量%と、CHB1.00質量%を添加した非水電解質a6を用いた電池M1の方が、添加剤が無添加の非水電解質x1を用いた電池X2よりも、高温容量維持率が31%も向上していることが分かる。
このことは、添加剤としてLiBF4とVCが添加され、さらに、CHB,TAB,TBBから選択される少なくも1種が添加された非水電解質を用いる場合は、正極活物質として、コバルト酸リチウム(LiCoO2)とスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn24混合された混合正極活物質を用いるの好ましいということができる。
なお、上述した実施の形態においては、シクロアルキルベンゼン誘導体としてシクロヘキシルベンゼン(CHB)を用いる例について説明したが、シクロヘキシルベンゼン(CHB)に代えてシクロペンチルベンゼン(CPB)を用いても同様な結果が期待できる。また、上述した実施の形態においては、ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体として、tert−アミルベンゼンあるいはtert−ブチルベンゼンを用いる例について説明したが、tert−ヘキシルベンゼンを用いても同様な結果が期待できる。
本発明の非水電解質電池を模式的に示す断面図であり、図1(a)は、図1(b)のB−B断面を示しており、図1(b)は、図1(a)のA−A断面を示している。
符号の説明
10…非水電解質電池、11…負極、11a…負極リード、12…正極、13…セパレータ、14…外装缶(正極端子)、15…封口体、15a…負極端子、15b…絶縁体、15c…端子板、16…スペーサ

Claims (5)

  1. リチウムイオンを吸蔵、放出する正極と、リチウムイオンを吸蔵、放出する負極と、これらの正極と負極を隔離するセパレータと、非水溶媒にリチウム塩からなる溶質が溶解した非水電解質とを備えた非水電解質電池であって、
    前記非水電解質は、ビニレンカーボネート(VC)を当該非水電解質の質量に対して1質量%以上、3質量%以下含有し、ホウフッ化リチウム(LiBF4)を当該非水電解質の質量に対して0.05質量%以上、0.5質量%以下含有し、シクロアルキルベンゼン誘導体あるいはベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体から選択される少なくとも1種の誘導体を当該非水電解質の質量に対して0.5質量%以上、3質量%以下含有したことを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記ホウフッ化リチウム(LiBF4)の含有量は前記非水電解質の質量に対して0.1質量%以上で0.2質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 前記シクロアルキルベンゼン誘導体はシクロヘキシルベンゼンあるいはシクロペンチルベンゼンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非水電解質電池。
  4. 前記ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有しかつベンゼン環に直接結合するアルキル基を有さないアルキルベンゼン誘導体は、tert−アミルベンゼン、tert−ブチルベンゼンあるはtert−ヘキシルベンゼンであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の非水電解質電池。
  5. 前記正極はコバルト酸リチウムとスピネル型マンガン酸リチウムとからる混合正極活物質を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の非水電解質電池。
JP2003427108A 2003-12-24 2003-12-24 非水電解質電池 Expired - Fee Related JP4326323B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003427108A JP4326323B2 (ja) 2003-12-24 2003-12-24 非水電解質電池
CNB2004100819103A CN100429821C (zh) 2003-12-24 2004-12-16 非水电解质电池
KR1020040111191A KR101052414B1 (ko) 2003-12-24 2004-12-23 비수전해질 전지
US11/019,644 US20050170258A1 (en) 2003-12-24 2004-12-23 Nonaqueous electrolyte battery

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003427108A JP4326323B2 (ja) 2003-12-24 2003-12-24 非水電解質電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005190690A JP2005190690A (ja) 2005-07-14
JP4326323B2 true JP4326323B2 (ja) 2009-09-02

Family

ID=34786466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003427108A Expired - Fee Related JP4326323B2 (ja) 2003-12-24 2003-12-24 非水電解質電池

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20050170258A1 (ja)
JP (1) JP4326323B2 (ja)
KR (1) KR101052414B1 (ja)
CN (1) CN100429821C (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4291987B2 (ja) * 2002-09-20 2009-07-08 パナソニック株式会社 密閉型二次電池及び電池モジュール
EP1831951B1 (en) * 2004-12-16 2018-09-12 UChicago Argonne, LLC Long life lithium batteries with stabilized electrodes
JP4703203B2 (ja) * 2005-02-03 2011-06-15 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池
US20080193852A1 (en) * 2006-02-03 2008-08-14 Sanyo Electric Co., Ltd. Nonaqueous Electrolyte Secondary Battery
JP2008108689A (ja) * 2006-09-29 2008-05-08 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP4936440B2 (ja) * 2006-10-26 2012-05-23 日立マクセルエナジー株式会社 非水二次電池
WO2009123168A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 日本ゼオン株式会社 多孔膜および二次電池電極
JP2012243448A (ja) * 2011-05-17 2012-12-10 Hitachi Vehicle Energy Ltd リチウムイオン二次電池
CN103762382B (zh) * 2014-02-19 2015-12-30 安徽安凯汽车股份有限公司 一种锂离子电池电解液及含该电解液的锂电池
KR102224025B1 (ko) * 2014-02-24 2021-03-05 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지용 전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5429890A (en) * 1994-02-09 1995-07-04 Valence Technology, Inc. Cathode-active material blends of Lix Mn2 O4
FR2719161B1 (fr) * 1994-04-22 1996-08-02 Accumulateurs Fixes Générateur électrochimique rechargeable au lithium à anode de carbone.
JP3275998B2 (ja) * 1997-03-28 2002-04-22 日立マクセル株式会社 有機電解液二次電池
JP2000012025A (ja) * 1998-06-24 2000-01-14 Tosoh Corp リチウム二次電池
US6866966B2 (en) * 1999-08-03 2005-03-15 Ube Industries, Ltd. Non-aqueous secondary battery having enhanced discharge capacity retention
JP3558007B2 (ja) * 1999-09-30 2004-08-25 宇部興産株式会社 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
JP4159212B2 (ja) * 1999-11-12 2008-10-01 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池
KR100759739B1 (ko) * 2000-10-03 2007-10-04 우베 고산 가부시키가이샤 리튬 이차 전지 및 비수용성 전해 용액
JP4695748B2 (ja) * 2000-10-12 2011-06-08 パナソニック株式会社 非水系電池用電解液および非水系二次電池
CN1249840C (zh) * 2001-01-24 2006-04-05 宇部兴产株式会社 非水电解液和锂二次电池
KR100444410B1 (ko) * 2001-01-29 2004-08-16 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 비수전해액이차전지
JP2002231307A (ja) * 2001-01-31 2002-08-16 Yuasa Corp 非水電解質及び非水電解質電池
JP4352622B2 (ja) * 2001-03-06 2009-10-28 宇部興産株式会社 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
US7097944B2 (en) * 2001-07-12 2006-08-29 Gs Yuasa Corporation Nonaqueous secondary cell

Also Published As

Publication number Publication date
KR101052414B1 (ko) 2011-07-28
US20050170258A1 (en) 2005-08-04
CN1638182A (zh) 2005-07-13
JP2005190690A (ja) 2005-07-14
KR20050065392A (ko) 2005-06-29
CN100429821C (zh) 2008-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5241124B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP3844733B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4794180B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP5666287B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2008532224A (ja) 電極添加剤を含むリチウム二次電池用電極及び該電極を含むリチウム二次電池
JP2019016483A (ja) 非水電解質二次電池
KR20040018154A (ko) 비수성 전해질 이차 전지
JP2005521220A (ja) 過放電防止剤を含むリチウム二次電池
KR20190092284A (ko) 고온 저장 특성이 향상된 리튬 이차전지
JP2008108689A (ja) 非水電解質二次電池
JP2010153258A (ja) 非水電解質電池
KR20190092283A (ko) 고온 저장 특성이 향상된 리튬 이차전지
CN101136499A (zh) 非水电解质二次电池
JP2009129721A (ja) 非水電解質二次電池
JP2011034893A (ja) 非水電解質二次電池
JP2008226537A (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP2015170542A (ja) 非水電解質二次電池
JP2009110886A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP5888512B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極、その製造方法及び非水電解質二次電池
WO2016013179A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP4326323B2 (ja) 非水電解質電池
JP2001351612A (ja) 非水電解液二次電池
JP3349399B2 (ja) リチウム二次電池
JP2014067629A (ja) 非水電解質二次電池
KR102053313B1 (ko) 리튬 이차전지용 비수 전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차전지

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090609

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130619

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees