JP4325848B2 - セラミックグリーンシート積層装置及び積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックスコンデンサなどの積層セラミック電子部品を製造する積層装置及びこれを用いた製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品は以下の方法により製造されている。すなわち、支持体上にドクターブレード法などによってセラミック粉、有機バィンダ、可塑剤、溶剤などを含むセラミック塗料をシート状に成形し、その上にパラジウム、銀、ニッケルなどの内部電極をスクリーン印刷により形成する。シート状成形物は、一般に、セラミックグリーンシートと称されている。以下、セラミックグリーンシートを「グリーンシート」と称することとする。
【0003】
次に、このグリーンシートを所定の大きさにカットして重ね合わせ、プレスによりー枚ずつ圧着して積層し、ー体化したブロックを所定の大きさにカツトしてセラミックグリーンチツプを得る。このようにして得られたセラミックグリーンチップ中のパインダをバーンアウトし、1000〜1400℃の温度範囲で焼成し、得られた焼成体に銀、銀ーパラジウム、ニッケル、銅などの端子電極を形成することによって、セラミツク電子部品を得る。
【0004】
近年、積層セラミツクコンデンサ等の電子部品の分野においても、回路部品の高密度化に伴い、小型化、高性能化が望まれている。積層セラミックコンデンサを高容量化する方法として、誘電体層及び内部電極の薄層化、多層化が挙げられる。誘電体層を薄層化するためには焼成前のセラミックグリーンシートを薄くする必要がある。微細化、微粒子化されたセラミックス粉を使用すると、均一でかつ簿いグリーンシートを得ることができるが、グリーンシートの成形体密度が大きくなるために、グリーンシートの通気性が悪くなり、さらに多層化によって積層数が増えることから、積層時におけるグリーンシート内及びグリーンシート間の残留空気を除去するのが難しくなる。残留空気が積層体内に多量に存在すると、積層体の密度が不均一になりデラミネーション(層間剥離)やクラックが発生するという問題が生じる。
【0005】
ところで、グリーンシートを積層する場合には、内部電極を長手方向に半分ずっずらしたものを交互に積層する必要がある。このため異なる2種類の電極用スクリーン製版を使用する方法や、製版位置をグリーンシートに対してずらして印刷する方法がとられる。しかし、これらの方法によると2種類の製版やグリーンシートが必要となり、生産管理が煩雑になって作業効率も悪い。
【0006】
ー方、電極パターンをグリーンシートに印刷した後、グリーンシート自体を交互にずらすことによって電極パターンを半分ずつずらながら積層すると、内部電極用の製版は1枚で済み、かつ、内部電極が印刷されたグリーンシートも1種類のみであるため、生産管理が容易になり作業効率も良い。しかしこの方法ではグリーンシートの端部が揃わず、交互にずれてしまい(オフセット量の分)、このままの状態で積層体を均一に荷重することは難しく、積層ズレ、内部電極のパターンズレ、デラミネーション、クラックなどが発生し易いことから、グリーンシートの両端を切断して積層する必要がある。
【0007】
特許文献1には、グリーンシートに貫通孔を設け、この貫通孔を通して吸引し、グリーンシート間の空気を除去しながら積層圧着する方法が開示されている。しかし、グリーンシートに貫通孔を開けると、製品の取れ数が減ってしまうので好ましくない。
【0008】
特許文献2〜12には、圧着機に付いているカツト刃にてグリーンシートをフィルム支持体から打ち抜いた後、圧着して積層体を形成する方法が開示されている。
【0009】
しかし、これらは金型内部で密閉空間を形成しておらず、グリーンシートを充分に脱気することが困難である。
【0010】
特許文献13は、ポンチとダイによってグリーンシートの外周部を切断できる圧着機が開示されている。しかし、この方法では下金型からの吸引だけであることから、通気性の悪いグリーンシートの場合には、打ち抜いたグリーンシートと積層体との間に空気層が存在するため、層間に空気が残留しやすい。
【0011】
特許文献14〜16には、グリーンシートを吸引圧着することによってグリーンシート問の残留空気を除去する積層装置が開示されている。しかし、これらの積層装置にはグリーンシートを切断するカット刃は付いていない。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−102248号公報
【特許文献2】
特開平8−83732号公報
【特許文献3】
特開平10−71611号公報
【特許文献4】
特公平4−26308号公報
【特許文献5】
特公平6−70941号公報
【特許文献6】
特公平7−79069号公報
【特許文献7】
特許第2504276号公報
【特許文献8】
特許第2504277号公報
【特許文献9】
特許第3047719号公報
【特許文献10】
特許第3086385号公報
【特許文献11】
特許第3163238号公報
【特許文献12】
特許第3365336号公報
【特許文献13】
特公平4−23810号公報
【特許文献14】
特開平11−277518号公報
【特許文献15】
特開2001−96520号公報
【特許文献16】
特開2001−189228号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、グリーンシート積層時に積層体の両端部分を切断することにより、グリーンシート内やグリーンシート間の残留空気を効果的に除去することができ、高品質の積層セラミック電子部品を、高歩留まりで製造し得る積層装置、及び、これを用いた積層セラミック電子部品の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を達成するため、本発明に係る積層装置は、第1の型と、第2の型とを含む。前記第1の型は、受け台を有する。前記受け台は、表面がグリーンシートを受ける受け面を構成する。
【0015】
前記第2の型は、支持体と、圧着可動体とを有し、前記第1の型と対向するように配置されている。前記支持体は、枠体と、少なくとも2つのカット刃とを有する。前記カット刃は、前記受け面の幅に対応する間隔を隔てて平行に配置され、それぞれの刃先が前記受け面の方向を向いている。前記枠体は、筒状であり、前記カット刃を包囲し、前記第1の型との間で密閉空間を形成し得る。
【0016】
前記圧着可動体は、前記カット刃間の前記間隔内に配置され、前記受け面と対向し、前記支持体に対して相対的に移動し得る関係で、前記支持体によって支持されている。
【0017】
本発明に係る製造方法は、上述した積層装置を用いて複数枚のグリーンシートを積層し圧着する工程を含む。
【0018】
上記工程においては、まず、第1の型に備えられた受け台の前記受け面の上に、複数枚のグリーンシートを、順次に載せる。
【0019】
次に、前記第2の型を、前記第1の型に対して相対的に接近させて、第2の型の枠体の筒状枠体と、第1の型とによって型内部に密閉された空間を構成する。これにより、グリーンシート及びその積層体の内部への空気の取り込みを阻止し得る。グリーンシートを含む型内部の空気は、脱気される。
【0020】
次に、前記第2の型を、前記第1の型に対して更に接近させて、前記第1の型に備えられた前記受け面、及び、前記第2の型に備えられた前記圧着可動体との間で、前記グリーンシートを圧着しながら、その両端を、前記カット刃によって切断する。カット刃による切断が実行される直前は、カツト刃は、圧着可動体の高さ位置と同じ位置を保つことができるから、積層体上部には隙間がほとんど無く、空気層の取り込みを防ぐことができる。
【0021】
その後、前記グリーンシートを含む型内部の空気を脱気しながら、前記グリーンシートをさらに圧着し積層する。このように、切断後も、脱気が行われるから、グリーンシート内への空気層の取り込みがほぼ完全に防止され、その状態で、さらに圧着が行われる。
【0022】
以上の工程により、グリーンシートの積層圧着とともに、積層体の両端部分をカット刃によって切断することができ、積層時にグリーンシート内やグリーンシート間の残留空気を除去することができる。従って、薄層、多層化した積層体を均一に荷重し、積層ズレ、内部電極のパターンズレ、デラミネーションなどのない大容量の積層セラミックコンデンサを提供することができる。
【0023】
具体的な態様として、第1の型は、可動枠体を有する。この可動枠体は、前記受け台の周りに配置され、前記受け面に対して相対的に移動が可能であるように配置する。そして、第2の型の枠体を、可動枠体と向き合わせる。このような構造であると、切断時または切断後に、第2の型の枠体と、第1の型の可動枠体とによって型内部に密閉された空間を構成し、グリーンシート及びその積層体の内部への空気の取り込みを阻止し得る。
【0024】
もう1つの具体的な態様として、第1の型の受け台は、ポーラス部材を含む。このポーラス部材によって、受け面を構成することにより、受け面を空気吸引面として活用できる。
【0025】
更に別の態様として、第2の型の支持体は、脱気路を有し、前記脱気路は、前記枠体の内部を、外部に連通させる。このような脱気路を有することにより、切断時及び切断後に、型内部の空気を外部に排出し、積層体内への空気の取り込みを防止することができる。
【0026】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単なる例示に過ぎない。
【0027】
【発明の実施形態】
図1は本発明に係る積層装置の正面断面図、図2は図1に示した積層装置の一部を示す底面図である。図示された積層装置は、第1の型1と、第2の型2とを含む。
【0028】
第1の型1は、受け台11と、可動枠体12とを有する。第1の型1は固定型であり、適当な取り付け台に固定して設けられる。図示実施例において、受け台11は、ポーラス部材13を含み、ポーラス部材13は、表面が受け面131を構成する。受け面131は空気吸引面となっている。ポーラス部材13は、例えば、金属板に多数の微細孔を開けた構造のものであり、受け台11の一面上に位置決めされ、かつ、固定されている。具体的には、受け台11の一面上に凹部を設け、その凹部内にポーラス部材13をはめ込む構造などが考えられる。受け台11は、ポーラス部材13をはめ込んだ部位の外形が、グリーンシートの外形形状を考慮した4角形状である。また、受け台11は、ポーラス部材13の背面側に、吸引脱気路111を有する。吸引脱気路111は、図示しない真空吸引装置などに導かれる。受け台11の内部には、ヒータ16が備えられている。
【0029】
可動枠体12は、受け台11の周りに配置され、受け面131に対して相対的に移動が可能である。相対的移動を可能にする手段として、図示実施例では、可動枠体12と、固定側たる受け台11との間に、ばね14を配置してある。ばね14は、一個または複数個であり、複数個の場合は互いに間隔を隔てて配置する。可動枠体12は、受け台11の外周と、一定の隙間を隔てて配置されている。受け台11の外形形状が四角形状であるので、可動枠体12は四角形状の孔を有するリング状部材である。可動枠体12と受け台11の外周面との間は、可動枠体12の内周側にはめ込まれたシーリング部材15によって気密性が保たれる。
【0030】
第2の型2は、支持体21と、圧着可動体22とを有し、第1の型1と対向するように配置されている。第2の型は可動型であり、図示しない駆動装置により駆動される。駆動装置としては、空気圧駆動装置、油圧駆動装置、またはモータなどを用いることができる。微小動作コントロールという観点からは、モータが望ましい。支持体21は、枠体23と、1対のカット刃24、25と、別の1対のカット刃34、35と、脱気路26とを有する。枠体23は、可動枠体12と向き合っている。図示実施例において、可動枠体12は四角形状であるから、対応する枠体23は、四角形状であり、筒状体をなす。枠体23の端面には、シーリング部材28が装着されている。
【0031】
カット刃24、25は、枠体23の内側において、受け面131の横幅に対応する間隔W1を隔てて平行に配置され、それぞれの刃先が受け面131の方向を向いている。カット刃24、25の間に生じる間隔W1は、刃先が受け台11の側面に沿って摺り動くような関係に選定する。
【0032】
カット刃34、35は、枠体23の内側において、受け面131の縦幅に対応する間隔L1を隔てて平行に配置され、それぞれの刃先が受け面131の方向を向いている。カット刃34、35の間に生じる間隔L1は、刃先が受け台11の側面に沿って摺り動くような関係に選定する。グリーンシートの縦幅が、既に所定値L1に調整されている場合は、カット刃34、35を省略してもよい。同様に、グリーンシートの横幅が、既に所定値W1に調整されている場合は、カット刃24、25を省略してもよい。脱気路26は、枠体23の内部を、外部に連通させる。
【0033】
圧着可動体22は、カット刃24―25間の間隔W1、及び、カット刃34−35間の間隔L1の内部に配置され、受け面131と対向し、支持体21に対して相対的に移動し得る関係で、支持体21によって支持されている。支持体21に対する圧着可動体22の相対移動を可能にする手段として、圧着可動体22の上面(図において)と支持体21との間に空間を設けるとともに、両者21−22間にばね27を介在させてある。ばね27は、常時は、圧着可動体22の表面がカット刃24、25、34、35の刃先の位置と一致するように調整される。
【0034】
図示実施例において、圧着可動体22の表面には、ポーラス部材221がはめ込まれ、ポーラス部材221の背後に脱気路26が形成されている。脱気路26は、圧着可動体22の背後に設けられた空間を経て、支持体21に設けられた脱気路26に連なり、更に外気に連なる。圧着可動体22の内部には、ヒータ29が備えられている。
【0035】
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、上述した積層装置を用いて複数枚のセラミックグリーンシートを積層し圧着する工程を含む。次に、本発明に係る製造方法について、図3〜図11を参照して、具体的に説明する。
【0036】
まず、第1の型1に備えられたポーラス部材13の受け面131の上にグリーンシート3を載せる。グリーンシート3は、図4に示すように、セラミック塗料層30の上に、電極E11〜Emnを、m行n列のマトリクス状に形成したものである。図示の電極E11〜Emnは、縦方向Yよりも、横方向Xに長い平面形状を有するものとする。セラミック塗料層30及び電極E11〜Emnは乾燥後の状態にある。このようなグリーンシート3は周知の技術にしたがって得ることができる。
【0037】
図4に示したグリーンシート3の複数枚を、グリーンシート3自体を横方向に交互にずらして、受け面131の上で積層する。即ち、図5に示すように、全く同じ電極形状、電極配置、及び、シート形状を持つ複数枚のグリーンシート31、32、33、...を、オフセット量ΔX1、ΔX2だけ交互にずらして積層し、図6に示すような積層体を得る。基本的には、オフセット量ΔX1と、オフセット量ΔX2とは等しい。上述のように、全く同じ電極配置及びシート形状を持つ複数枚のグリーンシート31、32、33、...を、オフセット量ΔX1、ΔX2だけ交互にずらして積層するので、電極用製版は1枚で済み、かつ、電極が印刷されたグリーンシートも1種類のみであるため、生産管理が容易になり作業効率も良い。
【0038】
電極印刷プロセスにおいて、2つの製版を用い、電極にオフセットを付した2種のグリーンシートを製造し、これらを交互に積層するプロセスを採用することもでき、この場合には、積層するグリーンシートの相互に、上述したオフセットを付する必要はない。
【0039】
次に、グリーンシート3を受け面131に載せた状態で、グリーンシート3を吸引脱気する。実施例の場合、グリーンシート3を載せた受け面131はポーラス部材13による空気吸引面となっているから、ポーラス部材13を利用して、グリーンシート3の吸引脱気が可能である。グリーンシート3自体も通気性があることから、積層体中の残留空気を均一に排除することができる。この吸引脱気作用により、グリーンシート3内への空気層の取り込みを減少させることができる。吸引脱気作用は、グリーンシート3の一枚ごとに行ってもよいし、図5、図6に示す積層体の状態で行ってもよい。
【0040】
次に、図7に示すように、第2の型2を、第1の型1に対して、矢印F1で示す方向に相対的に接近させて、第2の型2の枠体23と、第1の型1の可動枠体12とによって型内部に密閉された空間を構成する。これにより、グリーンシート3及びその積層体の内部への空気の取り込みを阻止し得る。グリーンシート3を含む型内部の空気は、脱気路26、111を通して脱気される。
【0041】
次に、第2の型2を、第1の型1に対して、矢印F1で示す方向に更に接近させて、第1の型1に備えられたポーラス部材13の受け面131、及び、第2の型2に備えられた圧着可動体22との間で、グリーンシート3を圧着する。そして、図8に示すように、圧着しながら、グリーンシート3の両端を、カット刃24、25、34、35によって、図9のX1−X1線、X2−X2線、Y1−Y1線、及び、Y2−Y2線で切断する。これにより、図10に示すような積層体が得られる。
【0042】
切断の実行される図8の直前の圧着状態(図7)では、カット刃24、25、34、35は、圧着可動体22の高さ位置と同じ位置を保つから、積層体上部には隙間がほとんど無く、空気層の取り込みを防ぐことができる。
【0043】
図示実施例の場合、図7およびカット刃24、25、34、35による切断が実行された図8の状態では、枠体23が、シーリング部材28を介して、可動枠体12に圧接する。また、可動枠体12は、その内側に嵌め込まれたシーリング部材15を介して、支持体11の外周面に沿って摺り動く。したがって、枠体23及び可動枠体12は、グリーンシート3の両端切断直前から、互いに当接して、受け面131の周りに密閉空間を形成する。これにより、外部からグリーンシート3内への空気層の取り込みがより完全に阻止される。
【0044】
第2の型2を更に追い込むと、支持体21、枠体23及びカット刃24、25、34、35は更に下降するが、圧着可動体22は、グリーンシート3の積層体の表面に圧接しているので、下降することができず、そのままの位置を保ち、ばね27が収縮する。これにより、グリーンシート3の積層体に対して、より強い圧着力が加わることになるから、グリーンシート3がさらに強く圧着される。このとき、同時にグリーンシート3を含む型内部の空気が、脱気路26、111を通して脱気される。このように、切断後、脱気路26、により、脱気が行われるから、切断後も、グリーンシート3内への空気層の取り込みがほぼ完全に防止され、その状態で、さらに圧着が行われる。
【0045】
第2の型2の枠体23の下降動作により、第1の型1の可動枠体12が、ばね14のばね圧を受けながら、下降するが、可動枠体12と受け台11との間にはシーリング部材15が介在しているので、型内部の気密性が損なわれることはない。
【0046】
この後、図11に示すように、第2の型2を矢印F2で示す方向に退避させ、圧着積層の完了した積層体を、受け面131から、次のステージへ移す。
【0047】
以上の工程により、グリーンシート3の積層時に積層体の両端部分をカット刃24、25、34、35によって切断することができ、積層時にグリーンシート3内やグリーンシート3間の残留空気を除去することができる。従って、薄層、多層化した積層体を均一に荷重することができることから、積層ズレ、内部電極のパターンズレ、デラミネーションなどのない大容量の積層セラミックコンデンサが得られる。
【0048】
得られた積層体を用いて所定の方法により積層コンデンサを作製したところ、積層ズレ、内部電極のパターンズレ、デラミネーションなどは無く、短絡不良や耐圧不良などのない積層セラミックコンデンサを製造することができた。
【0049】
以上、実施例たる図面を参照し具体的に説明したが、本発明がこの実施例に限定されるものではないことは明らかである。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、グリーンシート積層時に積層体の両端部分を切断することにより、グリーンシート内やグリーンシート間の残留空気を効果的に除去することができ、高品質の積層セラミック電子部品、特に積層セラミックコンデンサを、高歩留まりで製造し得る積層装置、及び、製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層装置の正面断面図である。
【図2】図1に示した積層装置の一部を示す底面図である。
【図3】図1に示した積層装置を用いた積層セラミックコンデンサの製造方法を説明する図である。
【図4】図3に示した製造方法に適用されるグリーンシートの平面図である。
【図5】図4に示したグリーンシートの積層方法を説明する図である。
【図6】図4に示したグリーンシートの積層状態を説明する図である。
【図7】図3の工程の後の工程を説明する図である。
【図8】図7の工程の後の工程を説明する図である。
【図9】図8の工程における積層体の切断位置を示す平面図である。
【図10】図8の工程において切断された積層体を示す平面図である。
【図11】図8の工程の後の工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 第1の型
2 第2の型
3 グリーンシート
11 受け台
12 可動枠体
13 ポーラス部材
14 ばね
21 支持体
22 圧着可動体
23 枠体
Claims (7)
- 第1の型と、第2の型とを含み、セラミックグリーンシートを重ね合わせて圧着する積層装置であって、
前記第1の型は、受け台を有しており、
前記受け台は、前記セラミックグリーンシートを受ける受け面を有しており、
前記第2の型は、支持体と、圧着可動体とを有し、前記第1の型と対向するように配置されており、
前記支持体は、少なくとも2つのカット刃と、枠体と、脱気路とを有し、
前記カット刃は、前記受け面の幅に対応する間隔を隔てて平行に配置され、それぞれの刃先が前記受け面の方向を向いており、
前記枠体は、筒状であり、前記カット刃を包囲し、前記第1の型との間で密閉空間を形成し得るものであり、
前記脱気路は、前記枠体の内部を、外部に連通させ、
前記圧着可動体は、前記カット刃間の前記間隔内に配置され、前記受け面と対向し、前記支持体に対して相対的に移動し得る関係で、前記支持体によって支持されている
積層装置。 - 請求項1に記載された積層装置であって、
前記カット刃は、4つである
積層装置。 - 請求項1又は2に記載された積層装置であって、
前記第1の型は、可動枠体を有しており、前記可動枠体は、前記受け台の周りに配置され、前記受け面に対して相対的に移動が可能であり、
前記第2の型は、前記枠体が、前記可動枠体と向き合っている
積層装置。 - 請求項1乃至3の何れかに記載された積層装置であって、前記受け台は、ポーラス部材を含み、前記ポーラス部材は、表面が前記受け面を構成し、前記受け面は空気吸引面となっている積層装置。
- 請求項3に記載された積層装置であって、前記枠体及び前記可動枠体は、前記セラミックグリーンシートの両端切断直前から、互いに当接して、前記受け面の周りに密閉空間を形成する、積層装置。
- 積層装置を用いて複数枚のセラミックグリーンシートを積層し圧着する工程を含む積層セラミック電子部品の製造方法であって、
前記積層装置は、請求項1乃至5の何れかに記載されたものでなる、
積層セラミック電子部品の製造方法。 - 請求項1に記載された積層セラミック電子部品の製造方法であって、
前記受け面の上にセラミックグリーンシートを載せ、
前記第2の型を、前記第1の型に対して相対的に接近させて、型内部に密閉された空間を構成し、型内部の空気を脱気し、
前記第2の型を、前記第1の型に対して更に接近させて、前記受け面及び前記第2の型に備えられた前記圧着可動体との間で、前記セラミックグリーンシートを圧着しながら、その両端を、前記カット刃によって切断し、
その後、前記セラミックグリーンシートを含む型内部の空気を脱気しながら、前記セラミックグリーンシートをさらに圧着し積層する
工程を含む、積層セラミック電子部品の製造方法。
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