JP4317957B2 - スピーカ装置及びスピーカ装置を内蔵した電子機器 - Google Patents
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Description
本発明は、パネル状の振動板を備えたスピーカ装置及びこのスピーカ装置を用いた電子機器に関し、更に詳しくは、ドライバユニットから加えられる振動によってパネル状の振動板に撓み振動を生じさせて音響再生を行うスピーカ装置に関する。
背景技術
従来、スピーカ装置として、コーン型ダイナミックスピーカやホーン型ダイナミックスピーカが広く用いられている。
コーン型ダイナミックスピーカは、円錐状に形成された振動板と、この振動板を駆動するドライバユニットと、振動板を支持するフレームと、これら各部材を収納したキャビネット等の部材によって構成される。ドライバユニットは、振動板の基端部側の中心部に一体的に取り付けられたボイスコイルボビンの基端部側に巻回されたボイスコイルと、外磁型の磁気回路部とから構成されている。磁気回路部は、センターポールを有するヨークと、センターポールを囲んでヨーク上に配設されるマグネットと、マグネット上に配設され、センターポールとの間に磁気ギャップを構成するトッププレートとから構成されている。振動板は、ボイスコイルボビンに巻回したボイスコイルを磁気回路部の磁気ギャップに挿入し、外周側を磁気回路部上に基端部側を固定したフレームに矢紙を介して支持される。振動板は、ボイスコイルボビンとフレーム間に亘って取り付けられるダンパーにより支持される。ダンパーは、振動板が振動されるとき、振動板の中心軸と平行に一様に振動するように振動板を支持するものである。また、振動板の内周側には、筒状のボイスコイルボビンの一方の開口端側を閉塞するようにセンターキャップが取り付けられている。センターキャップは、振動板の一部を構成する。
このように構成されたコーン型ダイナミックスピーカは、ボイスコイルに音響の再生入力信号が供給されると、ボイスコイルに流れる駆動電流と磁気回路部から放射される磁束との作用によって発生する力によって振動板が振動して音響の放射が行われる。
コーン型ダイナミックスピーカに用いられる振動板は、軽量で内部損失が大きい素材によって円錐形に形成されている。また、振動板を支持するフレームは、振動板の背面側を囲ってその保護作用も奏する部材である。フレームには、振動板の背面側から放射される音を外部に逃がすための開口部が設けられている。この開口部は、振動板の背面側から放射された音がフレームによって反射され、振動板に入射されることにより、振動板の振動に影響を及ぼさないようにするものである。矢紙は、振動板のフレームへの支持とともに振動板が振動した際にキャビネットの取付部と接触しないように作用する。
一方、ホーン型ダイナミックスピーカは、振動板の前面側にホーンを設け、振動板からの音をホーンによって拡大して放射するようにしたものである。
ホーン型ダイナミツクスピーカは、ドーム状をなす振動板と、この振動板を駆動するドライバユニットとを備える。このドライバユニットは、振動板に一体的に取り付けられたボイスコイルボビンに巻回されたボイスコイルと、壺型のヨークと、このヨークの中央部に配設されたマグネットと、このマグネット上に配設されたポールと、このポールと対向するようにヨーク上に配設されポールとの間で磁気ギャップを構成するトッププレートとから構成された内磁型の磁気回路部を備える。
このスピーカの振動板は、ボイスコイルボビンに巻回したボイスコイルを磁気回路部の磁気ギャップ内に挿入し、周縁を磁気回路部を構成するトッププレート上に支持させて配設されている。
ホーン型ダイナミックスピーカも、コーン型ダイナミックスピーカと同様に、ボイスコイルに音響信号に応じた駆動電流が供給されると、ボイスコイルに流れる駆動電流と磁気回路部から放射される磁束との作用によって発生する力によって振動して音響放射を行う。
ホーン型ダイナミックスピーカに用いられるドーム型の振動板は、コーン型の振動板に比し剛性の高いアルミニウム等の軽金属や合成樹脂を用いて形成されているため、周縁部のみを支持することによって中心軸と平行に一様に振動可能である。
上述したようなコーン型ダイナミックスピーカやホーン型ダイナミックスピーカは、振動板が円錐状若しくはドーム型に形成されているため、スピーカ装置全体が厚くなってしまう。
そこで、装置の薄型化を図るため、平板状をなす振動板を用いたスピーカ装置が用いられている。この種のスピーカ装置として、コンデンサ型スピーカがある。コンデンサ型スピーカは、平板状をなす基材に導電性を有する金属薄膜が成膜された振動板を固定極に対して微小な間隔を空けて対向配置したものである。このスピーカは、振動板と固定極との間に数100ボルトの直流偏倚電圧が印加される。振動板は、固定極に音響信号が入力されると、固定極との間の静電的吸引力の変化によって振動する。
コンデンサ型スピーカは、振動板と固定電極との間に数100ボルトの電圧を印加する必要があることから、設置場所に制約を受けるばかりか、温度や湿度の変化により安定した駆動を行うことが困難である。また、コンデンサ型スピーカは、入力電圧が直流偏倚電圧に規定されることによって、入力電圧に対して得られる最大無歪み出力音圧レベルが上述したダイナミックスピーカ装置に比較して小さく、大きな音を得ることができない。さらに、コンデンサ型スピーカは、可聴波数帯域で安定した周波数応答特性を確保するためには振動板を大型化する必要があるが、大きな振動板を安定して駆動することが困難となっている。
上述したような従来用いられているスピーカ装置は、いずれもドライバユニットによって振動板を一様に振動させることにより音響再生を行うように構成されている。このようなスピーカ装置にあっては、良好な音圧周波数特性を得るため、振動板がドライバユニットによって振動させられたときに固有振動モード(Resonant Modes)を発生させることなく一様に振動する必要がある。
振動板に固有振動モードを発生させることなく、振動板を一様に振動させるためには、振動板を十分に剛性の高い材料により形成する必要がある。また、振動板の固有振動モードを抑えるため、振動板の形状やフレーム等への支持の構造を種々選択する必要があり、設計や製造が極めて困難となっている。また、平板状の振動板を用いたスピーカ装置にあっては、固有振動モードを抑えるため、振動板の材質や大きさに合わせてドライバユニットによる駆動点を選択する必要があり、設計や製造が極めて困難となっている。
また、ドライバユニットによって振動板を一様に振動させるように構成されたスピーカ装置は、ダイポール音源と称され、振動板の前面側と背面側とで逆位相の音を発生させる。逆位相の音、特に指向性の低い中域から低域の周波数帯域の音は互いに干渉し、周波数応答特性を劣化させてしまう。そこで、この種のスピーカ装置にあっては、振動板の前面側と背面側から発生する逆位相の音波が互いに干渉することを防止するため、スピーカユニットをバッフル板に取り付け、スピーカユニットの背面側を密閉型のキャビネットであるエンクロージャーで覆うようにしている。
このように従来用いられているスピーカ装置は、バッフル板やエンクロージャーを用いるため、取付位置や取付場所に制約を受けてしまう。
発明の開示
本発明の目的は、従来一般に用いられているスピーカ装置とは駆動方式を異にする新規なスピーカ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、広い周波数帯域の再生入力信号に対し良好な応答性をもって駆動し、良好な周波数応答特性を得るとともに良好な音質の再生音響を得ることができるスピーカ装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、薄型化が図られ、且つ小型化を可能となすスピーカ装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、設置位置や取付位置に制約を受けることがないスピーカ装置を提供することにある。
本発明に更に他の目的は、パーソナルコンピュータ、ラジオ受信機、テレビジョン受像機等の電子機器と容易に一体化することができるスピーカ装置及びスピーカ装置を一体的に組み込んだ電子機器を提供することにある。
本発明に係るスピーカ装置は、ほぼ平坦な面を有する適当な剛性を有するパネル状の振動板の撓み振動(Bending wave vibration)を利用して音響再生を行うものである。この撓み振動は、平板状の振動板がドライバユニットから振動が与えられたとき、振動板の一部又は全体が撓むように振動することによって音響の放射を行うものであり、ドライバユニットによって振動板を中心軸と平行な方向に往復運動させるピストン運動により、振動板を一様に振動させる方式とは振動方式を異にするものである。
撓み振動を用いるスピーカ装置に用いられるパネル状の振動板は、振動板として自立できる程度以上の剛性を有し、ドライバユニットから振動が与えられたときに発生する振動が振動板の各部分に伝播できる程度に減衰率の小さい剛性を有する材料により形成される。したがって、パネル状の振動板として自立できないほど薄いフィルムや紙、さらには振動が伝播し得ないような剛性の低い粘土などは用いられない。
パネル状の振動板を用い、この振動板の撓み振動によって音譬再生を行うスピーカ装置は、振動板にドライバユニットから振動が与えられると、振動板が撓み振動し、与えられた振動の周波数に応じた振動モードが振動板の全体に生成される。ドライバユニットから低域から高域に亘る広い周波数帯域の振動が振動板に与えられると、振動板には、与えられる周波数に応じた複雑な振動モードが生成される。パネル状の振動板を用いたスピーカ装置の周波数応答特性は、有限サイズの振動板に関する撓み振動の物理的特性と、撓み振動の速度対周波数特性と、駆動点インピーダンス特性との解析により特徴付けられる。
パネル状の振動板を用いたスピーカ装置は、想定される用途に応じてパラメータが最適化された曲げ剛性を有する振動板が用いられ、最低固有周波数までの動作が可能とされる。この最低固有周波数とは、パネル状の振動板の全体が半波長分の撓みを発生させた状態である。このスピーカ装置は、一般にパネル状の振動板が最低固有周波数による振動を確保するため、振動板の中心点付近にドライバユニットから振動が加えられる。このスピーカ装置に用いられるパネル状の振動板の大きさは、有限要素解析によって均一なモード密度を与える特定の縦横比が数学的なモデリングツールによって求められる。また、パネル状の振動板は、振動板に発生する最良の振動モードの均一性を実現するため、フーリェ型の分析によってドライバユニットから振動が与えられる位置が求められる。パネル状の振動板においては、フーリェ型分析の拡張によって高域の周波数帯域において多少の損失が生じるものの、より大きな面積の振動板を駆動することも可能とされる。
すなわち、振動板の撓み振動を用いて音響再生を行うスピーカ装置に用いられるパネル状の振動板の撓み方は、振動板を構成する材料の材質、形状や大きさ、振動板の構造、ドライバユニットから振動が与えられる位置、振動板の支持方法等により変化するが、一般的に周波数が高くなるほど複数の固有モードあるいは撓みが発生する。このパネル状の振動板を用いたスピーカ装置は、振動板を撓み振動させる周波数が最低固有周波数を含む低音域ではバイポーラ音源として動作し、振動板の前後で逆位相の音波を発生しほぼ両指向性を示す。振動板を撓み振動させる周波数が高くなると、振動板の表面に複数の撓み振動が複雑に位置を変化させながら生じ、各位置に発生した撓み振動が位相的にもほぼ無関係に発生して放音されるので、振動板全体として指向性の少ない特性を示す。
振動板を撓み振動させる周波数がさらに高くなると、振動板の撓み振動する部分が更に増加するが、ドライバユニットから振動板に与えられる振動が振動板の伝播損失の影響で振動板の外縁部まで到達できず、ドライバユニットの近傍部分が主に撓み振動して放音に寄与する。したがって、高域の周波数帯域では、見かけ上、非常に小さな音源として動作し、無指向性を示す。
このように、パネル状の振動板の撓み振動を用いたスピーカ装置は、単一のドライバユニットで駆動される1枚のパネル状の振動板によって低域から高域に亘る広い周波数帯域の音を再生することができ、振動板を適切な剛性を有する材料により形成し、ドライバユニットから振動が与えられる位置を適宜設定するなどすることにより低域から高域の周波数帯域に亘って良好な周波数応答特性を得ることができる。
このパネル状の振動板を用いたスピーカ装置は、ドライバユニットから与えられる振動に対する応答性、電気的負荷とが従来用いられているスピーカ装置と同等とされることにより、従来のスピーカ装置を駆動するために用いられる増幅器との互換性が図られるばかりでなく、ドライバユニットとして、ダイナミック(動電)型のものや圧電型のものを用いることができ、非常に広い音場の放射パターン並びに両指向性の放射パターンが得られる。
パネル状の振動板の撓み振動を用いたスピーカ装置は、機械的エネルギから音響的エネルギへの高い変換効率を有するとともに周波数に依存しない無指向性の放射特性、すなわち低域から高域の周波数帯域に亘って一定の大きな音圧レベルを得ることができ、さらに、距離の条件による音圧レベルの低下が小さいといった特徴を有する。
本発明に係るスピーカ装置は、供給される音響の再生入力信号により駆動されるドライバユニットから与えられる振動によりパネル状の振動板を撓み振動させることによって音響再生を行うものである。
さらに具体的に、本発明に係るスピーカ装置は、ほぼ平坦な面を有するパネル状に形成され、外縁部が少なくとも厚み方向にほぼ自由に振動可能な状態にある振動板と、この振動板の面上に接合され振動板に振動を与える加振源を構成する少なくとも1個以上のドライバユニットとを備える。このスピーカ装置は、再生入力信号に基づいて駆動されるドライバユニットから与えられる振動よって振動板に撓み振動が生じて音響再生が行われる。このスピーカ装置は、ドライバユニットが支持部材に支持されて所定の設置位置に設置される。
パネル状の振動板には質量成分が分布されて設けられる。ドライバユニットは、所定の形状及び大きさを有する接合部を介して振動板の面上に接合される。振動板のドライバユニットが接合される部分の材質が他の領域と材質を異にする。振動板とドライバユニットとが結合部材を介して結合される。この結合部材は、振動板への接合部分の形状とドライバユニットへの接合部分との形状を異にする。
パネル状の振動板の周囲には、この振動板を保護するための保護枠体が設けられる。このとき、振動板は、外縁部の一端部が保護枠体に固定され、他の外縁部が厚み方向にほぼ自由振動可能な状態におかれる。
また、本発明は、パーソナルコンピュータ等の電子機器の機器本体の一部又は機器本体に取り付けられる蓋体の一部を振動板として用いるものであって、機器本体又は蓋体内にドライバユニットを配設し、再生入力信号に基づいて駆動されるドライバユニットから与えられる振動よって機器本体の一部又は蓋体の一部を撓み振動させることによって音響再生を行う。
本発明の更に他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施例の説明から一層明らかにされるであろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係るスピーカ装置を示す斜視図である。
図2は、上記スピーカ装置の側面図である。
図3は、上記スピーカ装置の要部縦断面図である。
図4は、振動板を撓み振動させるドライバユニットを示す斜視図である。
図5(A)〜図5(C)は、振動板が撓み振動させられたときに、振動板に発生する振動モードを示す斜視図である。
図6(A)〜図6(H)は、再生入力信号の周波数に応じた振動板の各振動モードを示す平面図である。
図7は、本発明に係るスピーカ装置の周波数応答特性を示す特性図である。
図8は、振動板が接合されるボイスコイルボビンの先端部を楕円形に形成した例を示すドライバユニットの斜視図である。
図9は、振動板が接合されるボイスコイルボビンの先端部を矩形状に形成した例を示すドライバユニットの斜視図である。
図10は、振動板のボイスコイルボビンの接合部の材質を変えた例を示す斜視図である。
図11は、振動板のボイスコイルボビンの接合部及び装置の周辺の材質を変えた例を示す斜視図である。
図12は、振動板の保護を図る保護枠体を設けた例を示すスピーカ装置の斜視図であり、図13は、その側面図である。
図14は、保護枠体の他の例を示すスピーカ装置の斜視図である。
図15は、保護枠体のさらに他の例を示すスピーカ装置の斜視図である。
図16は、3個のドライバユニットを備えた本発明に係るスピーカ装置の斜視図であり、図17は、その側面図である。
図18は、3個のドライバユニットを備えたスピーカ装置の周波数応答特性を示す特性図である。
図19は、3個のドライバユニットを備えたスピーカ装置の再生入力信号の周波数に応じた振動板の各振動モードを示す平面図である。
図20は、振動板に質量部材を配設したスピーカ装置を示す斜視図である。
図21は、振動板に質量部材を配設したスピーカ装置の周波数応答特性を示す特性図である。
図22は、振動板に質量部材を配設したときに低域の周波数帯域での応答性が向上する原理を説明する図である。
図23は、3個のドライバユニットを矩形状の振動板に斜めに配列した例を示す斜視図である。
図24は、振動板を三角形状に形成した例を示す斜視図である。
図25は、振動板の各ドライバユニットのボイスコイルボビンが接合される部分に他の部分とは材質を異にする結合部材を設けたスピーカ装置を示す斜視図である。
図26は、図25に示すスピーカ装置の高域の周波数帯域の共振周波数をそれぞれずらした状態を示す周波数と振幅の関係を示す特性図である。
図27は、3個のドライバユニットを備えたスピーカ装置に再生入力信号を供給する再生信号入力部を示す回路図である。
図28は、3個のドライバユニットを備えたスピーカ装置に再生入力信号を供給する再生信号入力部の他の例を示す回路図である。
図29は、図28に示す再生信号入力部から供給される再生入カ信号を用いて各ドライバユニットを駆動したときの周波数応答特性を示す特性図である。
図30は、3個のドライバユニットを備えたスピーカ装置に設けられる再生信号入力部の他の例を示す回路図である。
図31は、3個のドライバユニットを備えたスピーカ装置に設けられる再生信号入力部の更に他の例を示す回路図である。
図32は、5個のドライバユニットを備えたスピーカ装置に再生入力信号を供給する再生信号入力部を示す回路図である。
図33は、5個のドライバユニットを備えたスピーカ装置に再生入力信号を供給する再生信号入力部の他の例を示す回路図である。
図34は、本発明に係るスピーカ装置を筐体に収納してテレビ会議システムに用いられる発音装置を構成した例を示す縦断面図である。
図35は、振動板の外縁部の一部を固定支持した本発明に係るスピーカ装置を示す側面図である。
図36は、図35に示すスピーカ装置の正面図である。
図37は、図35に示すスピーカ装置のドライバユニットを示す要部縦断面図である。
図38は、振動板の外縁部の一部を固定支持したスピーカ装置の周波数応答特性を示す特性図である。
図39は、振動板の外縁部の全周が厚み方向に自由に振動可能としたスピーカ装置の周波数応答特性図である。
図40は、振動板の外縁部の一部を固定支持した本発明に係るスピーカ装置の他の例を示す側面図である。
図41は、図40に示すスピーカ装置の正面図である。
図42は、振動板を保護枠体内に配置した本発明に係るスピーカ装置を示す正面図であり、図43は、その側面図である。
図44は、振動板と保護枠体を一体に形成した振動体を備える本発明に係るスピーカ装置を一部破断して示す側面図である。
図45は、図44に示すスピーカ装置の分解斜視図である。
図46は、振動板の前面及び背面を保護する保護板を設けた本発明に係るスピーカ装置を示す側面図である。
図47は、図46に示すスピーカ装置の分解斜視図である。
図48は、振動板と保護枠体を一体に形成した振動体の他の例を示す正面図である。
図49は、振動体のさらに他の例を示す正面図である。
図50は、複数の振動板を用いた本発明に係るスピーカ装置を示す斜視図である。
図51は、本発明に係るスピーカ装置に用いられるドライバユニットの他の例を示す断面図である。
図52は、図51に示すドライバユニットの磁気回路部を示す断面図である。
図53は、本発明に係るスピーカ装置が適用された電子機器であるパーソナルコンピュータを示す斜視図である。
図54は、図53に示すパーソナルコンピュータの分解斜視図である。
図55は、図53に示すパーソナルコンピュータの要部を示す断面図である。
図56は、筐体を撓み振動させる圧電振動板を示す断面図であり、図57は、上記圧電振動板が振動する状態を説明するために示す断面図である。
図58は、一組の圧電振動板が配設される状態を示す平面図である。
図59は、本発明に係る電子機器を構成するスピーカ装置を駆動するスピーカ駆動回路を示す回路図であり、図60は、上記スピーカ駆動回路の他の例を示す回路図であり、図61は、上記駆動回路の更に他の例を示す回路図であり、図62は、上記駆動回路の更に他の例を示す回路図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係るスピーカ装置の具体的な例を図面を参照して説明する。
本発明に係るスピーカ装置1は、図1に示すように、相対向する面をそれぞれほぼ平坦な面とした矩形状をなすパネル状の振動板2と、この振動板2を撓み振動させるドライバユニット3とを備える。振動板2は、振動板として自立できる程度以上の剛性を有し、この振動板2を撓み振動させるドライバユニット3から与えられる振動が振動板2の各部分に伝播できる程度に減衰率の小さい剛性を有する材料により形成される。ここでは、振動板2は、スチレン樹脂によって形成され、その大きさは、縦が25.7cmで横が36.4cmの矩形状に形成され、その厚みが2mmとなされている。
振動板2は、一方の面側を放音面2aとし、他方の面を駆動面2bとしてドライバユニット3が取り付けられる。ドライバユニット3は、振動板2の駆動面2bの略中心部に取り付けられる。
駆動面2b側にドライバユニット3を取り付けた振動板2は、図2に示すように、ドライバユニット3が取付板5を介して支持脚4に支持されることにより所定の位置に設置される。
このようにドライバユニット3を介して支持脚4に支持される振動板2は、略中心部のみが支持され、外縁部2cが厚み方向に自由に振動可能な状態にある。
振動板2は、ほぼ平坦な面を有するパネル状に形成されればよく、円形や楕円形であってもよい。また、振動板2は、振動板として自立できる程度以上の剛性を有し、ドライバユニット3から加えられる振動が振動板2の各部分に伝播できる程度に減衰率の小さい剛性を有する材料により形成されればよく、各種のハニカム板やバルサ材等によって形成したものであってもよい。
振動板2を撓み振動させるトライバユニット3は、従来用いられているダイナミック型のスピーカ装置に用いられるものと同様に構成されたものが用いられる。ドライバユニット3は、図2及び図3に示すように、円筒状に形成されたボイスコイルボビン8の基端部側の外周面に巻回されたボイスコイル6と、外磁型の磁気回路部7とから構成されている。磁気回路部7は、図3に示すように、中心部にセンターポール10を形成したヨーク9と、センターポール10を囲んでヨーク9上に配設されるリング状のマグネット11と、マグネット11上に配設され、センターポール10との間に磁気ギャップを構成するトッププレート12とから構成されている。ボイスコイルボビン8は、ボイスコイル6を磁気回路部7の磁気ギャップに挿入して配設され、リング状に形成されたダンパ13を介して磁気回路部7に支持されている。ボイスコイルボビン8は、外周縁側を磁気回路部7のトッププレート12上に接合したダンパ13の内周縁側が外周面に接合されることにより、中心軸と平行な図3中矢印P1方向にピストン運動するように支持されている。
ドライバユニット3は、ヨーク9の中心部を支持脚4に設けた取付板5に止めネジ14を介して取り付けられる。
振動板2は、駆動面2b側の中心部を、図4中斜線で示すボイスコイルボビン8の先端部8aに接合させてドライバユニット3に支持される。
なお、上述の例では、振動板2は、ボイスコィルボビン8の先端部8aに直接接合するようにしているが、ボイスコイルボビン8の先端部8aに接合されるリング状あるいは平板状の結合部材に接合させてドライバユニット3に支持されるようにしてもよい。
このように構成された本発明に係るスピーカ装置1は、ドライバユニット3のボイスコイル6に図示しない再生入力信号回路部から再生入力信号が供給されると、ボイスコイルボビン8が図3中矢印P1方向にピストン運動する。ボイスコイルボビン8のピストン運動に応じた振動が振動板2に与えられると、振動板2は、ボイスコイルボビン8が接合された中心部を駆動点として撓み振動し、再生入力信号に応じた音を放射する。
振動板2は、再生入力信号の周波数に応じて図5(A)、図5(B)、図5(C)に示すように示すような撓み振動を発生する。ここで、ドライバユニット3に62Hzの再生入力信号が入力されて駆動されたとき、振動板2は図5(A)に示すように撓み振動し、150Hzの再生入力信号が入力されて駆動されたとき、振動板2は図5(B)に示すように撓み振動し、501Hzの再生入力信号が入力されて駆動されたとき、振動板2は図5(C)に示すように撓み振動する。振動板2は、図5(A)、(B)、(C)から明らかなように、再生入力信号が供給されてドライバユニット3が駆動されると、再生入力信号の周波数に応じた撓み振動を生じさせ複雑な振動モードが生成される。また、振動板2は、ドライバユニット3に入力される再生入力信号の周波数が高くなるにしたがって、より多くの山又は谷を有する振動モードが発生する。
図6(A)〜図6(H)は、本発明に係るスピーカ装置1において、周波数を異にする再生入力信号がドライバユニット3に入力された場合の振動板2に発生する振動モードをレーザードップラー測定器によって測定した結果を示した図である。図6(A)は、入力周波数が33Hzの再生入力信号をドライバユニット3に供給した場合の振動板2の動作状態を示した図であり、ドライバユニット3を中心とした円形の振動モードと、その外周領域に振動板2の形状に対応した横長矩形の振動モードが観察される。図6(B)は、入力周波数が89Hzの再生入力信号をドライバユニット3に供給した場合の振動板2の動作状態を示した図であり、ドライバユニット3に対応して上下対称の双曲線状の振動モードが振動板2の形状に対応した縦長矩形内に観察される。図6(C)は、入力周波数が123Hzの再生入力信号をドライバユニット3に供給した場合の振動板2の動作状態を示した図であり、振動板2が接合されるドライバユニット3を中心にして略縦長紡錘形の振動モードの発生が観察される。図6(D)は入力周波数が275Hzの再生入力信号をドライバユニット3に供給した場合の振動板2の動作状態を示した図であり、図6(E)は入力周波数が408Hzの再生入力信号をドライバユニット3に供給した場合の振動板2の動作状態を示した図であり、図6(F)は入力周波数が554Hzの再生入力信号をドライバユニット3に供給した場合の振動板2の動作状態を示した図である。また、図6(G)は、入力周波数が1785Hzの再生入力信号をドライバユニット3に供給した場合の振動板2の動作状態を示した図であり、ドライバユニット3を中心にして縦長矩形内に中心から略等距離の位置に大きなピークを有する振動モードの発生が観察される。さらに、図6(H)は、入力周波数が20KHzの再生入力信号をドライバユニット3に供給した場合の振動板2の動作状態を示した図であり、ドライバユニット3に対応して縦長矩形内に撓み振動による大きなピークが複雑に発生する密な振動モードの発生が観察される。
パネル状の振動板2の撓み方は、振動板2を構成する材質や大きさ、振動板2自体の構造、ドライバユニット3から振動が与えられる駆動点の位置、振動板2を支持する構造により変化するが、図6(A)〜図6(H)に示す測定結果から明らかなように、ドライバユニット3から与えられる振動の周波数が高くなるほど複数の固有振動モードあるいは撓みに応じた振動モードが発生する。すなわち、ドライバユニット3から与えられる振動の周波数が高くなると、振動板2に複数の撓み振動が複雑に位置を変化させながら生じ、これら撓み振動の位相も互いに無関係に生ずる。したがって、パネル状の振動板2の撓み振動を用いた本発明に係るスピーカ装置1は、周波数の高い領域では、指向性の少ない特性を示す。
また、このスピーカ装置1の振動板2は、最低固有周波数を含む低域の周波数帯域では、バイポーラ音源として動作し、振動板2の前後で逆位相の音波を発生し、振動板2の放音面2aと駆動面2bで逆位相の音波を発し、ほぼ両指向性を示す。
また、図7は、上述した本発明に係るスピーカ装置1について、再生入力信号の周波数応答特性を測定した結果を示した図である。図7において、線a1は振動板2の放音面2aに対して正面位置、線b1は同30°位置、線c1は同60°同位置におけるそれぞれの再生出力の音圧レベルの測定値である。また、線d1は、本発明に係るスピーカ装置1のインピーダンスの測定値である。さらに、線e1は再生出力の二次高調波歪みの測定値であり、また線f1は再生出力の三次高調波歪みの測定値である。
本発明に係るスピーカ装置1は、図7から明らかなように、ドライバユニット3に入力される再生入力信号の入力周波数が200Hz以下の低周波数帯域においても高感度の再生を可能としている。また、このスピーカ装置1においては、再生入力信号の周波数が高くなるにしたがって振動板2に上に複数の撓み振動が複雑に位置を変化させながら発生し、これら撓み振動は位相的にもほぼ無関係に発生して放音するので、振動板2の全体としては指向性の少ない特性を示す。したがって、本発明に係るスピーカ装置1は、高周波数帯域においても、広い範囲に音を放射することができる。
本発明に係るスピーカ装置1は、従来のスピーカ装置のようにキャビネット等の共鳴箱や音響管等を不要とすることから、小型で薄型のスピーカ装置を構成することができる。また、本発明に係るスピーカ装置1は、振動板2がほぼ平坦な面を有するパネル状に形成されているので、外形形状や表面デザインを比較的自由に設計することが可能であり、放音面2a側に絵を書いたり、写真や絵を貼着し、更には、振動板2を投影面として利用でき、投影装置からの画像を投影することもできる。
本発明に係るスピーカ装置1は、振動板2がパネル状に形成され、大きな振動面積を有することから、同一仕様のドライバユニット3を用いる従来のダイナミック型スピーカ装置と比較して、より大きな音圧レベルで低域の音を出力することができる。また、本発明に係るスピーカ装置1は、従来のスピーカ装置のように振動板2の外縁部2cを支持するための矢紙やフレーム等の支持部材を不要とすることから、部品点数も少なく組立工程が合理化されてコストの低減も図られる。
ところで、本発明に係るスピーカ装置1は、上述したように、振動板2が駆動面2bの中心部をドライバユニット3を構成するボイスコイルボビン8のリング状をなす先端部8aに接合されて取り付けられる。振動板2は、ボイスコイルボビン8への接合部分であるほぼ中心部を駆動点として撓み振動されるので、高周波数帯域の再生入力信号がドライバユニット3に供給されて駆動されるとき、振動板2の質量成分と粘性成分により接合部分の外側に大きな振動が伝達され難い。そのため、本発明に係るスピーカ装置1においては、高周波数帯域の再生入力信号がドライバユニット3に入力されて振動板2が振動されたとき、振動板2から放射される音の音圧のエネルギーの多くが振動板2の全体からではなく、ボイスコイルボビン8への接合部に集中し、実質的に点音源として機能し無指向性を呈する。
本発明に係るスピーカ装置1は、高周波数帯域における有効帯域を伸ばすために、例えば図8に示すドライバユニット15や図9に示すドライバユニット17が用いられる。これらドライバユニット15,17は、その基本的構成を上述したドライバユニット3とほぼ同等とするため対応する部分には同一符号を付すことによってその説明を省略するが、ボイスコイルボビン8の振動板2との接合部を構成する一端部側の接合端部16,18の形状に特徴を有する。
図8に示すドライバユニット15は、図8中に斜線で示すように、ボイスコイルボビン8の振動板2への接合端部16を楕円形のリング状をなすように形成している。
図9に示すドライバユニット17は、図9中に斜線で示すように、ボイスコイルボビン8の接合端部18を矩形のリング状をなすように形成されている。
本発明に係るスピーカ装置1は、図8又は図9に示すような接合端部16,18を有するドライバユニット15又は17を備えることによって、振動板2とこれらドライバユニット15,17との接合部分の面積が変化されることにより高周波数帯域の特性が変化される。本発明に係るスピーカ装置1は、上述したいずれかのドライバユニット3,15,17を適宜選択することによって高周波数帯域での音圧レベルの低下や振幅の調整が可能とされ、低域から中域の周波数帯域の音圧周波数特性との連続性を保ち、低域から高域に亘る周波数帯域で良好な音圧周波数特性を得ることができる。
なお、振動板2をドライバユニット3のボイスコイルボビン8に接合する場合に、リング状の結合部材を用いる場合には、この結合部材の形状を楕円形あるいは矩形状とすることにより、高周波数帯域での音圧レベルの低下や振幅の調整を行うことができる。
また、本発明に係るスピーカ装置19は、高周波数帯域における周波数応答特性の改善を図るため、図10に示すように構成したものであってもよい。図10に示すスピーカ装置19は、ドライバユニツト3のボイスコイルボビン8に接合される振動板20に特徴を有するものであり、ドライバユニット3のボイスコイルボビン8への接合部となる領域の材質を他の領域の材質と異ならしたものであり、ボイスコイルボビン8への接合部に材質を異にする接合板21を設けたものである。この接合板21は、振動板20を成形する際、インサート成形によって振動板20と一体的に形成される。接合板21を構成する材料は、特定の周波数の再生入力信号に対する応答特性を改善する材質のものが選択される。このように、ボイスコイルボビン8への接合部に他の領域とは材質を異にする接合板21を設けることにより、振動板20と接合板21とで振動特性が異なり、2ウェイ型のスピーカ装置と同等の機能を有する。
さらに、本発明に係るスピーカ装置22は、高周波数帯域における周波数応答特性の改善を図るため、図11に示すように構成したものであってもよい。図11に示すスピーカ装置22も、ドライバユニット3のボイスコイルボビン8に接合される振動板23に特徴を有するものであり、ボイスコイルボビン8への接合部となる領域及びその周縁領域まで他の領域と材質と異ならしたものであり、ボイスコイルボビン8に接合される接合板24の大きさを、図11に示すように、ボイスコイルボビン8への接合部及びその周辺の領域を含む大きさに形成したものである。この接合板24も、振動板23を成形する際、インサート成形によって振動板23と一体的に形成され、特定の周波数の再生入力信号に対する応答特性を改善する材質のものが選択される。接合板24は、その材質ばかりでなくその大きさや形状を適宜選択することによって、高周波数帯域における振動モードを変更することができ、高域の周波数帯域における周波数応答特性の改善を図ることができる。
本発明に係るスピーカ装置の振動板は、パネル状に形成され、中心部のみがドライバユニットに支持されて外縁部が少なくとも厚み方向にほぼ自由に振動可能な状態にあるため、外部からの衝撃等により容易に損傷を受けるおそれがある。
そこで、本発明に係るスピーカ装置25は、振動板2の保護を図るため、図12及び図13に示すように、保護部材である保護枠体26が設けられる。
なお、図12及び図13に示すスピーカ装置25の保護枠体26以外の部分は前述したスピーカ装置1と同様の構成を備えてなるので、共通部分には共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
振動板2の保護を図るために設けられる保護枠体26は、機械的な強度を十分に保証することができる剛性の高い合成樹脂を用いて、矩形状をなす振動板2の外縁部2cの全周を取り囲むに足る矩形枠状に形成されている。この保護枠体26の相対向する一対の柱状部26a,26bには、図12に示すように、内方側に向かって多数個の片持ち梁状の振動板保護片27a,27bが櫛歯状に突設されている。これら柱状部26a,26bの背面側には、図13に示すように、複数個の支持片28が一体に突設されている。
ドライバユニット3のボイスコイルボビン8に接合された振動板2は、外縁部2cを保護枠体26に囲まれるようにしてこの保護枠体26内に配置される。振動板2の外縁部2cを囲んだ保護枠体26は、振動板2を支持したドライバユニット3が取り付けられる取付板5に支持片28を固定して支持脚4に取り付けられる。
このとき、振動板2は、外縁部2cが保護枠体26によって囲まれ、更に放音面2a側に振動板保護片27a,27bが対向するので、不用意に異物が衝突するなどして損傷を受けることが防止される。なお、振動板保護片27a,27bは、振動板2の放音面2aに一定の間隔を隔てて対向しているので、振動板2の振動を阻害することもない。
また、本発明に係るスピーカ装置29は、振動板2の保護を図るため、図14に示すように構成したものであってもよい。図14に示すスピーカ装置29は、振動板2の外縁部2cを囲んで保護枠体30を配置し、この保護枠体30に複数のコイルスプリング31を介して振動板2を保護枠体30に支持するようにしたものである。
このスピーカ装置29に用いられる保護枠体30も、機械的な強度を十分に保証することができる剛性の高い合成樹脂を用いて、矩形状をなす振動板2の外縁部2cの全周を取り囲むに足る矩形枠状に形成されている。この保護枠体26の相対向する一対の柱状部26a,26bの背面側には、図14に示すように、複数個の支持片28が一体に突設されている。
振動板2は、外縁部2cを保護枠体30に囲まれるようにしてこの保護枠体30内に配置され、一対の柱状部26a,26b間を連結する連結部26c,26dと外縁部2cとの間に伸張された状態で連結された複数のコイルスプリング31により支持されている。このコイルスプリング31は、振動板2の撓み振動を阻害しない程度の弾性力を有するものが用いられる。
振動板2の外縁部2cを囲んだ保護枠体30は、振動板2を支持したドラィバユニット3が取り付けられる取付板5に支持片28を固定して支持脚4に取り付けられる。
このように、振動板2は、コイルスプリング31を介して保護枠体30に連結されることにより、各コイルスプリング31が振動板2の荷重を吸収して保護枠体30に分散することから、ドライバユニット3への接合部の負荷が軽減され、確実にドライバユニット3への接合状態を維持できる。
また、本発明に係るスピーカ装置32は、振動板2の保護を図るため、図15に示すように、振動板2の外縁部2cを囲む保護枠体33の前面側にネット34を配設し、このネット34で振動板2の放音面2a側を覆うようにしたものであってもよい。
ここに用いられるネット34は、振動板2の振動動作にほとんど影響を及ぼさない程度に音響インピーダンスが低く振動板2から放射される音を減衰させることがないものが用いられる。
上述した本発明に係るスピーカ装置は、いずれも1つのドライバユニット3のみで振動板を撓み振動させるようにしているが、図16及び図17に示すように、複数の例えば3個のドライバユニット37a,37b,37cにより振動板36を振動させるように構成したスピーカ装置35であってもよい。
ここに用いられるドライバユニット37a,37b,37cは、前述したドライバユニット3と同様の構成を備えているので、共通する部分には、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
図16及び図17に示すスピーカ装置35は、3個のドライバユニット37a,37b,37cが、振動板36の左右方向の中心部に位置して、振動板36の高さ方向に一列に配列されている。このとき、各ドライバユニット37a,37b,37cは、互いに70mmの間隔を隔てて配列される。振動板36は、各ドライバユニット37a,37b,37cのボイスコイルボビン8の先端部8aに接合されて支持されている。
振動板36を支持した各ドライバユニット37a,37b,37cは、支持脚39に設けた取付板38に固定ネジ等の固定具を介して取り付けられる。
このスピーカ装置35の各ドライバユニット37a,37b,37cには、図示しない再生信号入力回路部から、例えば同振幅で同相の再生入力信号が入力されて駆動される。各ドライバユニット37a,37b,37cに再生入力信号を入力したときの周波数応答特性は、図18に示すような特性が得られる。図18において、線a2は、振動板36の放音面36aに対して正面位置の再生出力の音圧レベルの測定値である。また、線d2は、このスピーカ装置35の再生出力のインピーダンスの測定値である。さらに、線e2は、スピーカ装置35の再生出力の二次高調波歪みの測定値であり、また線f2は、スピーカ装置35の再生出力の三次高調波歪みの測定値である。
ところで、前述した1個のドライバユニット3を有するスピーカ装置1は、振動板2が撓み振動したときの振動モードが、振動板2の形状、材質特性及びドライバユニット3の設置位置等によって発生する振動モードの周波数、次数が決定され、前述した図7に示したような鋭いピーク・ディップが生じる。ドライバユニット3を1個のみ用いたスピーカ装置1は、ある入力周波数fにおいて節となる位置にドライバユニット3を設置した場合に、振動板2の全体に振動が伝達されないことから周波数応答特性にディップが観察され、図6に示したように振動板2のドライバユニット3からの振動が伝達されるボイスコイルボビン8との接合部以外の部分において振動板2の材料特性に反映した撓み振動が生じることから、再生出力が振動板2を構成する材料の固有振動モードに従うことになる。したがって、1個のみのドライバユニット3を用いたスピーカ装置1は、ピーク・ディップを含めて振動板2を構成する材料特有の音が再生される。
一方、複数の例えば3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35は、各ドライバユニット37a,37b,37cにより振動板36が撓み振動されるので、各ドライバユニット37a,37b,37cが振動板36の節位置に振動を与えるようにしない限り、各ドライバユニット37a,37b,37cが再生入力信号の各周波数帯域で振動板36の節位置を駆動することはない。複数のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35は、各ドライバユニット37a,37b,37cが再生入力信号の各周波数帯域において相互に節位置での振動板36の駆動を補完することができ、節位置での周波数応答特性に鋭いピークやディップの発生が抑制される。
複数のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35は、図18から明らかなように、1個のみのドライバユニット3を用いたスピーカ装置1と比較して中域から高域の周波数帯帯域において、音圧レベルのピークやディップの減少が図られる。また、3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35は、振動板36が3箇所で撓み振動されることから、振動板36の大きさや構成する材料の特性に応じた固有の再生出力が薄められ、いわゆるくせの無い良好な音質を有する音の再生を行うことができる。
3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35に周波数fを異にする再生入力信号が入力された場合に、振動板36は、図19(A)〜図19(H)に示すような振動モードを示す。図19(A)〜図19(H)は、振動板36の振動モードをレーザードップラー測定器によって測定した結果を示すものである。
ここで、図19(A)は、入力周波数fが62Hzの再生入力信号を各ドラィバユニット37a,37b,37cに供給した場合の振動板36の動作状態を示した図であり、図19(B)は、入力周波数fが150Hzの再生入力信号を各ドライバユニット37a,37b,37cに供給した場合の振動板36の動作状態を示した図であり、図19(C)は、入力周波数fが315Hzの再生入力信号を各ドラィバユニット37a,37b,37cに供給した場合の振動板36の動作状態を示した図であり、図19(D)は入力周波数fが501Hzの再生入力信号を各ドライバユニット37a,37b,37c供給した場合の振動板36の動作状態を示した図であり、図19(E)は入力周波数fが630Hzの再生入力信号を各ドライバユニット37a,37b,37cに供給した場合の振動板36の動作状態を示した図であり、図19(F)は入力周波数fが795Hzの再生入力信号を各ドライバユニット37a,37b,37cに供給した場合の振動板36の動作状態を示した図である。また、図19(G)は、入力周波数fが1500Hzの再生入力信号を各ドライバユニット37a,37b,37cに供給した場合の振動板36の動作状態を示した図であり、図19(H)は、入力周波数fが12KHzの再生入力信号を各ドライバユニット37a,37b,37cに供給した場合の振動板36の動作状態を示した図である。
3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35は、図19(A)〜図19(H)から明らかなように、入力周波数fが62Hzの低周波数帯域においては振動板36の外縁部の近傍で各ドライバユニット37a,37b,37cからの振動が伝達される中心部と逆相の振動が生じていることが観察される。すなわち、このスピーカ装置35は、上述したように振動板36の外縁部が少なくとも厚み方向にほぼ自由に振動可能な状態にあるので、外縁部で低周波数帯域での振動が生じ易い構造となっており、低周波数帯域でも安定した再生出力を得ることができる。
3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35は、振動板36が3個のドライバユニット37a,37b,37cの各ボイスコイルボビン8に接合されるので機械的強度が向上され、さらに3個のドライバユニット37a,37b,37cにより駆動されることにより、音圧周波数特性及び再生音の音質向上が図られている。すなわち、1個のドライバユニット3のみを用いた前述したスピーカ装置1は、振動板2とボイスコイルボビン8との接合部に振動板2の荷重の全てが加わるため、十分な機械的な強度を得ることができなくなるおそれがあり、振動板2の材質によってはボイスコイルボビン8との接合部に加わる荷重により振動板2の振動モードが線形運動から外れて再生音の音質に影響が生じることがある。
これに対して、3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35は、振動板36の荷重が各ドライバユニット37a,37b,37cに分散されることから、振動板36のボイスコイルボビン8との接合部に加わる荷重の軽減が図られ、各接合部における機械的強度や耐久性の向上が図られる。
3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35も、振動板36を適宜材料を選択することにより、振動板36に発生する振動モードを変更し、振動板36内に発生する過度に大きな振動モードを抑制して必要な振動モードの生成を可能とする。3個のドライバユニット37a,37b,37cを振動板36の縦方向に一列に配列したスピーカ装置35は、図19(A)〜図19(H)に示したように、低域から高域の周波数帯域において、各ドライバユニット37a,37b,37cの配列方向と直交する横方向が節として分割されるような振動モードの発生が抑制される。このように、3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35は、各ドライバユニット37a,37b,37cを適宜に配置することによって、特定方向に関する特定周波数の振動モードが抑制され、音質の安定化とその向上が図られ、特定方向に特定周波数の振動モードを増強するように構成することもできる。
ところで、3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35は、各ドライバユニット37a,37b,37cに入力される再生入力信号の入力周波数fに応じて振動板36にそれぞれ図19(A)〜図19(H)
に示したような振動モードが生じる。このスピーカ装置35は、特に再生入力信号の入力周波数fが62Hzのように低い周波数である場合に、図19(A)に示したように各ドライバユニット37a,37b,37cを結ぶ中心線に沿う縦領域に対して両側の領域が逆相で大きく振動する現象が生じ、低い周波数帯域での感度の向上が図られる。このスピーカ装置35は、振動板36が外縁部の領域において、各ドライバユニット37a,37b,37cの振動板36との接合領域近傍と逆相で撓み振動することにより、一層低い周波数帯域まで再生音を出力することができる。
また、3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35も、振動板36との接合部となるボイスコイルボビン8の先端部8aの形状は、図8や図9に示したように、楕円形や矩形状に形成したものであってもよい。振動板36への接合部となるボイスコイルボビン8の先端部8aがリング状に形成されることにより、再生入力信号の周波数が12KHz程度の高い周波数帯域では、図19(H)に示すように、音圧のエネルギーが接合部の近傍に集中し、接合部近傍から放音されるようになる。
そして、振動板36への接合部となるボイスコイルボビン8の先端部8aの形状を円形から楕円形や矩形とすることにより、振動板36とボイスコイルボビン8との接合面積が変化され、高域の周波数帯域の音圧周波数特性を可変することができる。
3個のドライバユニット37a,37b,37cを用いたスピーカ装置35においても、振動板36と各ドライバユニット37a,37b,37cとの接合部の形状や、各ドライバユニット37a,37b,37cの大きさを適宜選択することによって高域の音圧周波数特性を可変でき、低域から高域の周波数帯域に亘って、平坦な音圧周波数特性を有し、良好な音質を有する再生音を得ることができる。
本発明に係るスピーカ装置は、振動板に質量部材を設けることにより周波数特性を適宜変更することができる。
振動板41に質量部材43を設けたスピーカ装置40を図20を参照して説明する。
図20に示すスピーカ装置40は、図16及び図17に示すスピーカ装置と同様に、3個のドライバユニット37a,37b,37cを設けたものであり、基本的な構成は、図16及び図17に示すスピーカ装置35と共通にするので、共通する部分には共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
このスピーカ装置40は、振動板41の各ドライバユニット37a,37b,37cが接合される面とは反対側の放音面41a側の外縁部41cの全周に亘って、比重の大きなシート状の鉛材を用いて形成された質量部材43を貼着したものである。
図20に示すスピーカ装置40の振動板41は、中央部のみが各ドライバユニット37a,37b,37cに支持され、外縁部41cが少なくとも厚み方向にほぼ自由に振動可能な状態にあるので、各ドライバユニット37a,37b,37cから加えられる振動に正確に追随して振動し得なくなり、振動板41が有する固有振動モードでの振動を発生させ、良好な周波数応答特性を得ることができなくなる。特に、低域の周波数帯域では、振動板41の外縁部41cまで各ドライバユニット37a,37b,37cから加えられる振動に応答性良く撓み振動することにより良好な周波数特性が実現される。振動板41の外縁部41cに質量部材43が設けられることにより、振動板41が有する固有振動モードでの振動を抑えることができ、低域の周波数帯域でも各ドライバユニット37a,37b,37cから加えられる振動に応答性良く撓み振動を発生させることができるので、一層低域の周波数帯域まで再生することができるようになる。
このスピーカ装置40も、各ドライバユニット37a,37b,37cには、図示しない再生信号入力回路部から、例えば同振幅で同相の再生入力信号が入力されて駆動される。各ドライバユニット37a,37b,37cに再生入力信号を入力したときの周波数応答特性は、図21に示すような特性が得られる。図21において、線a3は振動板41の放音面41aに対して正面位置の、線b3は放音面41aに対し30°の位置の、線c3は放音面41aに対し60°の位置における再生出力の音圧レベルの測定値である。また、線d3は、このスピーカ装置40の再生出力のインピーダンスの測定値である。さらに、線e3は、スピーカ装置40の再生出力の二次高調波歪みの測定値であり、また線f3は、スピーカ装置40の再生出力の三次高調波歪みの測定値である。このスピーカ装置40は、振動板に質量部材を設けない上述したスピーカ装置35と比較して、図21中p1で示す33Hzの入力周波数及びp2で示す63Hzの入力周波数に対応する音圧レベルが増強されており、低域の周波数帯域の応答性が向上されていることが分かる。したがって、振動板41の外縁部41cに質量部材43を設けたスピーカ装置40は、この振動板41と同一の大きさ及び材料を用いて振動板を備えたスピーカ装置に比し一層低域の周波数帯域まで再生することが可能となる。
振動板41に質量部材43を設けることにより低域の周波数帯域の応答性が向上する原理は、図22に示す片持ち梁46における振動モデルによって説明される。すなわち、片持ち梁46は、自由端部に質量Mを有し、長さをL、曲げ剛性をEL、質量をMbとすると、その共振周波数Wnは次式で表される。
Wn∧2=k/(M+0.25Mb)
但し、k=3EL/L∧3
パネル状の振動板41は、2次元の振動モードで振動するが、外縁部41cに質量部材43を設けることにより、振動モデルの片持ち梁46の共振周波数Wnを示す上記の式において質量をMbを大きくすることと同等である。したがって、質量部材43を設けた振動板41を備えたスピーカ装置40は、上述した片持ち梁46の共振周波数を示す式において右辺の分母が大きくなって共振周波数Wnが小さくなるために、低域の周波数帯域での応答性が向上される。
図20に示すスピーカ装置40は、振動板41の放音面41a側の外縁部41cに貼着しているが、放音面41a側の他の部分、例えば内方側に貼着するようにしても良い。放音面41a側の内方側に質量部材43が貼着されることで、各ドライバユニット37a,37b,37cから振動板41に加えられる振動が外縁部41cにまで伝達されることが妨げられ、固有振動モードの振動を抑えることができ、特定の周波数で音圧レベルが急峻となる周波数応答特性を抑えることができ、低域から高域の周波数帯域に亘って平坦な音圧周波数応答特性が得られ、自然な音質の再生音を得ることができる。
なお、振動板41に設けられる質量部材43は、上述したシート状の鉛材に限定されるものではなく、その他の振動損失の大きな材料或いは防振効果の大きな材料を用いて形成することができる。また、質量部材43は、振動板41と一体に埋設するように設けるようにしてもよい。すなわち、振動板41を成形する際、鉛材等をインサート成形することによって設けるようにしてもよい。
上述した各スピーカ装置35,40は、3個のドライバユニット37a,37b,37cを振動板36,41の左右方向の中央部に位置して高さ方向に一連に配列しているが、さらに多数のドライバユニットを設けるようにしてもよい。
また、本発明に係るスピーカ装置47は、図23に示すように、3個のドラィバユニット37a,37b,37cを矩形状に形成された振動板48の対角線に沿って配列するようにしてもよい。このように各ドライバユニット37a,37b,37cを配列したスピーカ装置47においても、振動板48とこの振動板48を撓み振動させる各ドライバユニット37a,37b,37cとの接合部の周辺に大きな面積の振動領域48a,48bが構成されるので、低域の周波数帯域まで再生入力信号に対し応答性よく再生できる。
さらに、本発明に係るスピーカ装置50は、図24に示すように、パネル状の振動板51を三角形状に形成したものであってもよい。このスピーカ装置50は、3個のドライバユニット37a,37b,37cを振動板51の各辺に対応して三角形に配列される。このスピーカ装置50においても、図24に示すように、振動板48とこの振動板48を撓み振動させる各ドライバユニット37a,37b,37cとの接合部の周辺に大きな面積の振動領域54a,54b,54cが構成され、低域の周波数帯域まで再生入力信号に対し応答性よく再生できる。
複数のドライバユニット37a,37b,37cを、図23及び図24に示すように、振動板48,51の中央部に集中して配列し、各ドライバユニット37a,37b,37cのボイスコイルボビン8と振動板48,51との接合部の領域に比し振動領域を大きくすることにより、振動板48,51を大きく撓み振動させることができ、低域の周波数応答特性を向上することができる。
さらに、本発明に係るスピーカ装置は、振動板の複数のドライバユニットが接合される部分の材質を他の部分と異にするようにしたものであってもよい。
図25に示すスピーカ装置55は、振動板56の各ドライバユニット37a,37b,37cのボイスコイルボビン8が接合される部分に、他の部分とは材質を異にする結合部材58a,58b,58cを設けたものである。これら結合部材58a,58b,58cは、ボイスコイルボビン8との接合強度を十分に保証できるような材料により形成され、振動板56に一体に取り付けられる。結合部材58a,58b,58cの振動板56への一体的な取り付けは、振動板56を成形する際に結合部材58a,58b,58cを振動板56を成形する金型内に予め配置するインサート成型によって行われる。
このように、振動板56の各ドライバユニット37a,37b,37cのボイスコイルボビン8が接合される部分に振動板56の他の部分と材質を異にする結合部材58a,58b,58cを設けることにより、高域の周波数帯域の振動モードを変化させることができ、周波数応答特性を可変させることができる。
また、各結合部材58a,58b,58cの材質をそれぞれ変えることにより、振動板56と各ドライバユニット37a,37b,37cのボイスコイルボビン8との各接合部D1,D2,D3において、図26に示すように、高域の周波数帯域の共振周波数をそれぞれずらすことができ、各ドライバユニット37a,37b,37cの共振点を相補的に使用することで、高域の周波数帯域に発生する周波数特性のピークを抑え、高域の周波数帯域の周波数応答特性を改善することができる。
ところで、複数のドライバユニット37a,37b,37cを用いて振動板36を撓み振動させて音響再生を行う前述した図16に示すように構成されたスピーカ装置35は、図27に示すように構成された再生信号入力部63から各ドライバユニット37a,37b,37cに再生入力信号が入力されることにより駆動されて音響再生を行う。
このスピーカ装置35に設けられる再生信号入力部63は、各ドライバユニット37a,37b,37cに再生入力信号をそれぞれ独立して入力し、各ドライバユニット37a,37b,37cに入力される再生入信号の位相を切り換えるように構成されている。
すなわち、再生信号入力部63は、ディスクプレーヤやビデオテープレコーダ等の音源64から出力される再生入力信号を増幅するアンプ65と、このアンプ65と各ドライバユニット37a,37b,37cとの間に互いに独立してそれぞれ接続された切換スイッチ66a,66b,66cとボリューム67a,67b,67cとを直列に接続した回路とから構成される。各切換スイッチ66a,66b,66cは、各ドライバユニット37a,37b,37cに入力される再生入力信号のオン/オフの切換操作とともに、入力オン状態で再生入力信号の位相の切換とを行う。各ボリューム67a,67b,67cは、各ドライバユニット37a,37b,37cに対してそれぞれ入力される再生入力信号のレベル調整を行い、各ドライバユニット37a,37b,37cの出力を個々に調整する。
このように構成された再生信号入力部63を備えたスピーカ装置35は、再生信号入力部63から必要とされる位相成分を有する再生入力信号が各ドライバユニット37a,37b,37cに供給され、各ドライバユニット37a,37b,37cのボイスコイルボビン8がピストン運動し、振動板36の各ボイスコイルボビン8が接合された部分に振動が伝達され、振動板36がボイスコイルボビン8との接合部を中心にして撓み振動され、再生音響を放射する。このとき、再生信号入力部63から各ドライバユニット37a,37b,37cに供給される再生入力信号は、各ドライバユニット37a,37b,37cにそれぞれ独立して入力され、しかも、レベル調整や位相の切り換えが可能であるので、特別な回路素子や切換手段等を用いることなく極めて簡単な操作によって、再生音響の音場や音質等を適宜変え、使用者に好みの再生音響を得ることができる。
また、スピーカ装置35を駆動する再生信号入力部は、図28に示すように構成されたものであってもよい。
図28に示す再生信号入力部72は、音源73から出力される再生入力信号を3つの周波数帯域に分割するとともに位相調整を行い、さらに各周波数帯域に分割された再生入力信号を合成して各ドライバユニット37a,37b,37cに供給するようにしたものである。
すなわち、図28に示す再生信号入力部72は、音源73から出力される再生入力信号が供給されるバンドパスフィルタ74a,74b,74cと、これらバンドパスフィルタ74a,74b,74cにそれぞれ接続された切換スイッチユニット75,76,77と、これら切換スイッチユニット75,76,77を介してそれぞれ再生入力信号が供給されるミキサ78a,78b,78cと、各ミキサ78a,78b,78cと各ドライバユニット37a,37b,37cとの間にそれぞれ接続されるアンプ79a,79b,79c等によって構成されている。バンドパスフィルタ74a,74b,74cは、音源73から供給される再生入力信号をそれぞれ所定の周波数帯域に分割する。
各切換スイッチユニット75,76,77は、それぞれミキサ78a,78b,78cに接続された各3個の切換スイッチ75a乃至75c、76a乃至76c、77a乃至77cによって構成されている。これら切換スイッチ75a乃至75c、76a乃至76c、77a乃至77cは、例えば各ミキサ78a,78b,78cにそれぞれ入力される再生入力信号のオン/オフの切換操作とともに、入力オン状態で再生入力信号の位相の切換操作とを行う。各ミキサ78a,78b,78cは、各切換スイッチ75a乃至75c、76a乃至76c、77a乃至77cからそれぞれ供給される所定の周波数帯域の再生入力信号を合成して各アンプ79a,79b,79cに入力する。各アンプ79a,79b,79cは、合成再生入力信号を増幅して各ドライバユニット37a,37b,37cに供給する。
図28に示すように構成された再生信号入力部72を備えたスピーカ装置35は、再生信号入力部72から3つの周波数帯域に分割されるとともに必要とされる位相成分に調整された再生入力信号がスピーカ装置35の各ドライバユニット37a,37b,37cに供給される。このとき、各ドライバユニット37a,37b,37cは、それぞれ独立して駆動され、各ドライバユニット37a,37b,37cのボイスコイルボビン8がピストン運動し、振動板36の各ボイスコイルボビン8が接合された部分に振動が伝達され、振動板36がボイスコイルボビン8との接合部を中心にして撓み振動され、再生音響を放射する。
このとき、低域の周波数帯域では各ドライバユニット37a,37b,37cに同相の再生入力信号が入力され、中域から高域の周波数帯域では逆相の再生入力信号を入力される。具体的には、中域から高域の周波数帯域では、図28中上下に位置するドライバユニット37a,37cに正相の再生入力信号が入力され、中央のドライバユニット37bに逆相の再生入力信号が入力される。
図28に示すように構成された再生信号入力部72を備えたスピーカ装置35の再生入力信号に対する応答特性を測定した結果、図29に示すような特性が得られた。図29において、線a4は振動板36の放音面36aに対して正面位置の、線b4は放音面36aに対し30°の位置の、線c4は放音面36aに対し60°の位置における再生出力の音圧レベルの測定値である。また、線d4は、このスピーカ装置35の再生出力のインピーダンスの測定値である。さらに、線e4は、このスピーカ装置35の再生出力の二次高調波歪みの測定値であり、また線f4は、スピーカ装置35の再生出力の三次高調波歪みの測定値である。
図28に示すように構成された再生信号入力部72を備えたスピーカ装置35は、低域の低周波数帯域で同相成分の再生入力信号が各ドライバユニット37a,37b,37cに供給されることにより、振動板36により大きな撓み振動が生じ、図29に示す特性図からも明らかなように、振動板に質量部材を貼着したスピーカ装置の周波数特性と同様に低域の周波数帯域で音圧レベルが高くなるピークp3,p4が生成され、低域の周波数特性の向上が実現される。
そして、本発明に係るスピーカ装置35は、中域から高域の周波数帯域で逆相成分の再生入力信号を各ドライバユニット37a,37b,37cに供給することによって、各ドライバユニット37a,37b,37cから振動板36に加わる振動の周波数成分が互いに打ち消し合うことにより、中域から高域の周波数帯域において、一部に音圧レベルが急峻になるようなことが防止され、平坦な周波数特性を有するものとなる。
さらに、各ドライバユニット37a,37b,37c中の中央に位置するドライバユニット37bに、他のドライバユニット37a,37cに供給される再生入力信号とは逆相の再生入力信号を供給され、振動板36が大きな撓み振動を生じたような場合には、振動板36を構成する材料が有する材質特有の音が再生される。そこで、切換スイッチユニット75,76,77を切換操作することにより、各ドライバユニット37a,37b,37cに入力される再生入力信号の位相を適宜変えることにより、特定の周波巣帯域で振動板36を構成する材料が有する材質特有の音を再生させることもできる。
本発明に係るスピーカ装置35は、外縁部が厚み方向に自由に振動可能な状態にある振動板36を撓み振動させ、振動板に36に再生入力信号の周波数に応じた振動モードを発生させることにより音の再生を行うものであるので、複数のドライバユニット37a,37b,37cにより振動板36を撓み振動させた場合であっても、図29に示した周波数応答特性図からも明らかなように、特定の周波数で音圧レベルにディップや過度のピークが出現する。
このようなディップや過度のピークの発生を抑え、低域から高域の周波数帯域に亘って平坦な音圧周波数特性を実現するため、図30に示す再生信号入力部84は、各ドライバユニット37a,37b,37cに入力される再生入力信号に対して適当な信号処理を施すフィルタ86a,86b,86cを設ける。これらフィルタ86a,86b,86cは、再生信号入力部84に音源85から供給される再生入力信号に適当な信号処理を施す。各フィルタ86a,86b,86cから出力される信号処理が施された再生入力信号は、アンプ87a,87b,87cにより増幅されて各ドライバユニット37a,37b,37cに入力される。
このように各ドライバユニット37a,37b,37cに対応してフィルタ86a,86b,86cを設けることにより、インパルス応答の逆フィルタ作用を再生入力信号に掛けることができ、ディップや過度のピークの発生を抑え、低域から高域の周波数帯域に亘って平坦な音圧周波数特性を得ることができる。なお、各フィルタ86a,86b,86cを適宜選択することによって、特定の周波数帯域のみを強調させた音を再生することができる。各フィルタ86a,86b,86cには、適宜のデジタルフィルタやアナログフィルタを用いることができ、再生入力信号に対して特定の周波数帯域の分離処理ばかりでなく振幅や位相等を適宜変換する信号処理を行うものが用いられる。
各フィルタ86a,86b,86cの各フィルタ係数に適当な遅れ成分を付与することにより、各ドライバユニット37a,37b,37cから振動板36に与えられる振動にずれを生じさせて振動板36から放射される音の波面が制御され、音の主軸が振動板36の正面以外の方向に向けられ、指向性が制御される。
また、各ドライバユニット37a,37b,37cに対応する各フィルタ86a,86b,86cのフィルタ係数に適宜の振幅成分を付与することにより、スピーカアレイと同様に振動板36から放射される音に指向性を付与することができるるので、複数のドライバユニット37a,37b,37cにより1枚の振動板36を撓み振動させることにより、複数の入力音源に対してそれぞれの指向性を持たせることが可能となり、各音源についての指向性の制御が可能となる。
特定の周波数で音圧レベルにディップや過度のピークが発生することを抑え、低域から高域の周波数帯域に亘って平坦な音圧周波数特性を実現するためには、再生信号入力部92を図31に示すように構成したものであってもよい。
図31に示す再生信号入力部92は、音源93から再生入力信号がそれぞれ供給される第1のアンプ94と、フィルタ95と、このフィルタ95に接続された第2のアンプ96とを備える。振動板36を駆動するドライバユニット37a,37b,37cのうち、図31中上下に位置する第1及び第3のドライバユニット37a,37cには、再生入力信号が音源93から第1のアンプ94を介して直接入力され、中央部に位置する第2のドライバユニツト37bにフィルタ95によって所定の信号処理を施された再生入力信号が第2のアンプ96を介して供給される。
このように中央部に位置する第2のドライバユニット37bに供給される再生入力信号の位相が第1及び第3のドライバユニット37a,37cに供給される再生入力信号の位相とは異なることにより、特定の周波数で音圧レベルにディップや過度のピークが発生することを抑え、低域から高域の周波数帯域に亘って平坦な合圧周波数特性を実現することができる。
また、パネル状の1枚の振動板に複数のドライバユニットから振動を加えて撓み振動させて音の再生を行う本発明に係るスピーカ装置は、複数のドライバユニットを互いに隣接して配置し、各ドライバユニットに位相を異にする再生入力信号をそれぞれ供給することにより、ある特定の周波数帯域において振動板の材質にかかわらずこれらドライバユニットのほぼ中間位置で振動の節を強制的に生成することが可能となる。本発明に係る型スピーカ装置では、振動板に振動の節を積極的に生成することにより、各周波数帯域の感度調整、再生周波数特性の改善、音場や音質の調整等が可能となる。
また、本発明に係るスピーカ装置にあっては、3個以上の更に多数のドライバユニットを設け、これらドライバユニットに複数の音源から異なる再生入力信号を供給して駆動するように構成することができる。
この複数の音源からの再生入力信号により駆動するようにしたスピーカ装置は、図32に示すように構成される。
図32に示すスピーカ装置98は、1枚のパネル状の振動板36を5個のドライブユニット37a,37b,37c,37d,37eによって駆動するように構成したものである。このとき、各ドライブユニット37a,37b,37c,37d,37eは、図32に示すように、振動板36の幅方向の中央部に長手方向に一列に配置され、各ボイスコイルボビン8の一端部に振動板36が接合される。
このスピーカ装置98に再生入力信号を供給する再生信号入力部101は、図32に示すように、ディスクプレーヤ、テープレコーダ等の第1の音源102aと第2の音源102bとを備える。第1及び第2の音源102a,102bには、各音源102a,102bから供給される再生入力信号に対して順次大きな遅れ成分da1,da2,da3,da4及び遅れ成分db1,db2,db3,db4を付与する遅れ成分供給回路103a1乃至103a4及び遅れ成分供給回路103b1乃至103b4が接続されている。各遅れ成分供給回路103a1乃至103a4及び遅れ成分供給回路103b1乃至103b4からそれぞれ供給される遅れ成分da1,da2,da3,da4及び遅れ成分db1,db2,db3,db4が付与された再生入力信号をミキシングする第1乃至第5のミキサ104a乃至104eと、これらミキサ104a乃至104eにおいてミキシングされた再生入力信号を増幅して第1乃至第5のドライブユニット37a乃至37eに供給する第1乃至第5のアンプ105a乃至105eとを備える。
再生信号入力部101を構成する第1のミキサ104aは、第1の音源102aから供給された再生入力信号と第2の音源102bから供給され遅れ成分供給回路103b4により最も大きな遅れ成分db4が付与された再生入力信号とをミキシングする。第2のミキサ104bは、第1の音源102aから供給され遅れ成分供給回路103a1により遅れ成分da1が付与された再生入力信号と第2の音源102bから供給され遅れ成分供給回路103b3により遅れ成分db3が付与された再生入力信号とをミキシングする。第3のミキサ104cは、第1の音源102aから供給され遅れ成分供給回路103a2により遅れ成分da2が付与された再生入力信号と第2の音源102bから供給され遅れ成分供給回路103b2により遅れ成分db2が付与された再生入力信号とをミキシングする。第4のミキサ104dは、第1の音源102aから供給され遅れ成分供給回路103a3により遅れ成分da3が付与された再生入力信号と第2の音源102bから供給され遅れ成分供給回路103b1により遅れ成分db1が付与された再生入力信号とをミキシングする。さらに、第5のミキサ104eは、第1の音源102aから供給され遅れ成分供給回路103a4により遅れ成分da4が付与された再生入力信号と第2の音源102bから供給された再生入力信号とをミキシングする。
図32に示すスピーカ装置98は、第1の音源102aと第2の音源102bとからそれぞれ供給される再生入力信号が、遅れ成分供給回路103a1乃至103a4及び遅れ成分供給回路103b1乃至103b4によりそれぞれ遅れ成分の重み付けを変えて第1乃至第5のドライバユニット37a乃至37eにそれぞれ供給されるので、第1乃至第5のドライバユニット37a乃至37eは、第1及び第2の音源102a及び102bからそれぞれ供給される再生入力信号に基づいて順次遅れ成分dに応じた遅れを生じて順次駆動される。
第1乃至第5のドライバユニット37a乃至37eが、第1及び第2の音源102a及び102bからそれぞれ順次重みを変えた遅れ成分dが付与された再生入力信号により駆動されることにより、第1乃至第5のドライバユニット37a乃至37eを、第1の音源102aから供給される再生入力信号により第1のドライバユニット37aから第5のドライバユニット37eに向かって順に駆動し、逆に第2の音源102bから供給される再生入力信号により第5のドライバユニット37eから第1のドライバユニット37aに向かって順に駆動することができ、第1の音源102aから供給される再生入力信号に基づく再生音を振動板36の図32中右方の矢印AAで示す方向へと放射し、第2の音源102bから供給される再生入力信号に基づく再生音を振動板36の図32中左方の矢印BBで示す方向へと放射するようにすることができる。このように2つの音源102a,102bから供給される再生入力信号に基づく音の指向性を変えることにより、2つの音源102a,102bから供給される再生入力信号を1つのスピーカ装置98により同時に再生することができるばかりか、音像定位を異にする良好なステレオ再生を行うこともできる。
また、2つの音源から供給される再生入力信号に基づく再生音の指向性を異なせるために、再生信号入力部を図33に示すように構成することもできる。
図33に示す再生信号入力部110は、第1の音源111aから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す5個の第1乃至第5のフィルタ112a1乃至112a5と、第2の音源111bから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す5個の第1乃至第5のフィルタ112b1乃至112b5を備える。この再生信号入力部110は、第1乃至第5のフィルタ112a1乃至112a5を介して第1の音源111aから供給された再生入力信号と第2の音源111bから供給された再生入力信号とをミキシングする5個の第1乃至第5のミキサ113a乃至113eと、これらミキサ113a乃至113eにおいてそれぞれミキシングされ第1乃至第5のドライバユニット37a乃至37eに供給する第1乃至第5のアンプ114a乃至114eとを備える。
第1のミキサ113aは、第1の音源111aから供給されて第1のフィルタ112a1においてフィルタ処理された再生入力信号と第2の音源111bから供給されて第5のフィルタ112b5において信号処理された再生入力信号とが入力され、これらをチャンネル合成して第1のアンプ114aに供給する。第2のミキサ113bは、第1の音源111aから供給されて第2のフィルタ112a2において信号処理された再生入力信号と第2の音源111bから供給されて第4のフィルタ112b4において信号処理された再生入力信号とが入力され、これらをチャンネル合成して第2のアンプ114bに供給する。第3のミキサ113cは、第1の音源111aから供給されて第3のフィルタ112a3において信号処理された再生入力信号と第2の音源111bから供給されて第3のフィルタ112b3において信号処理された再生入力信号とが入力され、これらをチャンネル合成して第3のアンプ114cに供給する。さらに、第4のミキサ113dは、第1の音源111aから供給されて第4のフィルタ112a4において信号処理された再生入力信号と第2の音源111bから供給されて第2のフィルタ112b2において信号処理された再生入力信号とが入力され、これらをチャンネル合成して第4のアンプ114dに供給する。また、第5のミキサ113eは、第1の音源111aから供給されて第5のフィルタ112a5において信号処理された再生入力信号と第2の音源111bから供給されて第1のフィルタ112b1において信号処理された再生入力信号とが入力され、これらをチャンネル合成して第5のアンプ114eに供給する。
第1の音源111aから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す第1乃至第5のフィルタ112a1乃至112a5と、第2の音源111bから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す第1乃至第5のフィルタ112b1乃至112b5は、入力される再生入力信号に対して所定の周波数帯域の選択、任意の位相或いは振幅の信号処理を施すフィルタ係数を有するものが用いられる。これら第1の音源111aから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す第1乃至第5のフィルタ112a1乃至112a5及び第2の音源111bから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す第1乃至第5のフィルタ112b1乃至112b5は、適宜の特性を有するものをそれぞれ選択することにより、第1及び第2の音源111a,111bから供給される再生入力信号に基づく再生音の指向性を適宜可変することができる。
また、第1の音源111aから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す第1乃至第5のフィルタ112a1乃至112a5及び第2の音源111a,111bから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す第1乃至第5のフィルタ112b1乃至112b5のフィルタ特性を変えることにより、振動板36に発生する多数の腹、節を有する振動モードを生成することが可能となり、振動モードの各腹の部位を発音源とみなすことができ、狭指向性を有する音の再生も可能となる。
さらに、第1の音源111aから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す第1乃至第5のフィルタ112a1乃至112a5と、第2の音源111bから供給される再生入力信号にフィルタ処理を施す第1乃至第5のフィルタ112b1乃至112b5に、そのフィルタ係数を経時的に更新させるように制御する制御部を設けることによって指向特性を変化させるように構成してもよい。本発明に係るスピーカ装置35は、かかる構成を採用することによって特殊な機械的構成を用いることなく放音軸の回転、移動等の特殊な音響効果の生成が可能となる。
本発明に係るスピーカ装置は、パネル状の振動板の大きさや形状に応じて、適宜数のドライバユニットを設けたものであってよい。
また、振動板を撓み振動させるドライバユニットは、ダイナミック型のものに限らず、圧電型のものであってもよい。
本発明に係るスピーカ装置は、ドライバユニットから加えられる振動によって撓み振動し得るパネル状の振動板を備えてなるので、筐体に組み込んだ場合にも筐体を薄型化することができるので、テレビ会議システムや電話システムの発音装置に用いることにより、発音装置の薄型化を図ることができ、設置場所に制約を受けることがない発音装置を構成できる。
図34は、前述した図1から図3に示すパネル状の振動板2を1つのドライバユニット3により撓み振動させるようにしたスピーカ装置1をテレビ会議システムに用いられる発音装置120に適用した例を示すものである。
この発音装置120は、筐体121に図1から図3に示すにように構成されたスピーカ装置1を内蔵している。スピーカ装置1を内蔵する筐体121は、天板121aに振動板2を配設するための開口部123が設けられている。この開口部123は、振動板2の外形寸法よりもやや大きく形成され、振動板2の放音面2aを外方へと臨ませる。
スピーカ装置1は、図34に示すように、筐体121内に設けられた支持基台122に磁気回路部7のヨーク9を止めネジ14により固定され、振動板2が筐体121の天板121aと略同一面を構成するようにして筐体121内に組み込まれている。このとき、振動板2は、外縁部2cが厚み方向に自由に振動するように、開口部123の内周面に衝合することがないように配設される。パネル状の振動板2は、筐体121の天板121aの一部を構成することから、天板121aとほぼ同様の外観を有する材料によって形成することが好ましい。
このように、本発明に係るスピーカ装置1は、パネル状の振動板2を備えているので、発音装置の筐体の一部をなすように構成されるので、筐体の一層の薄型を図って発音装置を構成することができる。
上述したスピーカ装置は、パネル状に形成された振動板の外縁部の全周が厚み方向に自由に振動するように、振動板の中心部をドライバユニットのボイスコイルボビンに接合し、若しくは振動板の幅方向の中央部に複数のドライバユニットのボイスコイルボビンに接合している。すなわち、振動板は、ドライバユニットのボイスコイルボビンのみを介して支持されているが、振動板の支持強度を高めるため、外縁部の一部を支持部材に固定支持するように構成したものであってもよい。
この振動板をドライバユニットのボイスコイルボビンに接合するとともに、外縁部の一部を支持部材に連結する例を説明する。
振動板202の外縁部202cの一部を固定支持するスピーカ装置201は、図35及び図36に示すように構成される。
このスピーカ装置201は、前述した各スピーカ装置と同様に、相対向する面をそれぞれほぼ平坦な面とした矩形状をなすパネル状の振動板202と、この振動板202を撓み振動させるドライバユニット203とを備える。振動板202は、振動板として自立できる程度以上の剛性を有し、この振動板202を撓み振動させるドライハユニット203から加えられる振動が振動板202の各部分に伝播できる程度に減衰率の小さい剛性を有する材料により形成される。ここでは、振動板202は、スチレン樹脂によって形成され、その大きさは、縦が25.7cmで横が36.4cmの矩形状に形成され、その厚みが2mmとなされている。
振動板202は、一方の面側を放音面202aとし、他方の面を駆動面202bとし、この駆動面202b側に結合部材215を介してドライバユニット203が取り付けられる。
振動板202が取り付けられるドライバユニツト203は、図35及び図36に示すように、支持脚205に回動可能に支持される略L字状をなす支持部材204に形成されたドライバユニット取付部204aの先端側に取り付けられる。ドライバユニット203に支持された振動板202は、下端側の中央部がドライバユニット取付部204aの基端側から突設された振動板支持部204bに接合固定される。このようにドライバユニット203及び振動板支持部204bに接合支持された振動板202は、振動板支持部204b以外の外縁部202cが厚み方向に自由に振動可能な状態にある。
なお、振動板202は、ほぼ平坦な面を有するパネル状に形成されればよく、円形や楕円形であってもよい。また、振動板202は、振動板として自立できる程度以上の剛性を有し、ドライバユニット203から加えられる振動が振動板202の各部分に伝播できる程度に減衰率の小さい剛性を有する材料により形成されればよく、各種のハニカム板やバルサ材等によって形成したものであってもよい。
振動板202を撓み振動させるドライバユニット203は、従来用いられているダイナミック型のスピーカ装置に用いられるものと同様に構成されたものが用いられる。ドライバユニット203は、図37に示すように、円筒状に形成されたボイスコイルボビン208の基端部側の外周面に巻回されたボイスコイル206と、外磁型の磁気回路部207とから構成されている。磁気回路部207は、図37に示すように、中心部にセンターポール210を形成したヨーク209と、センターポール210を囲んでヨーク209上に配設されるリング状のマグネット211と、マグネット211上に配設され、センターポール210との間に磁気ギャップを構成するトッププレート212と、このトッププレート212の外周側に嵌合配設される補助リング213とから構成されている。ボイスコイルボビン208は、ボイスコイル206を磁気回路部207の磁気ギャップに挿入して配設され、リング状に形成されたダンパ214を介して磁気回路部207に支持されている。ボイスコイルボビン208は、外周縁側を磁気回路部7のトッププレート212の外周側に嵌合配設される補助リング213上に接合したダンパ214の内周縁側が外周面に接合されることにより、センターポール210の中心軸と平行な図37矢印P2方向にピストン運動するように支持されている。
ドライバユニット203は、ヨーク209の中心部を支持脚205に取り付けた支持部材204のドライバユニット取付部204aに止めネジ216を介して取り付けられる。
なお、ドライバユニット203は、最大径となる補助リング213の外径寸法を約35mmとなし、ヨーク209の底面から結合部材215の先端までの高さを約20mmとして形成されている。
振動板202は、ドライバユニット203のボイスコイルボビン208の先端側に取り付けられた結合部材215を介してボイスコイルボビン208に接合される。振動板202をボイスコイルボビン208に結合するための結合部材215は、図37に示すように、ボイスコイルボビン208の内径とほぼ等しい外径を有するリング状に形成され、基端部側をボイスコイルボビン208先端部側に嵌合し、この嵌合した部分を接着剤により接合してボイスコイルボビン208に取り付けられている。振動板202は、結合部材215の先端側に形成したフランジ部215aに駆動面202bを接合されることによってボイスコイルボビン208に連結されている。
ところで、ドライバユニット203が取り付けられ、振動板202の外縁部202cの一部を固定支持する支持部材204は、図示しないヒンジ機構を介して、振動板202が図35中矢印R1方向に回動し得るように支持されている。すなわち、振動板202の放音面202aの上下方向の向きが可変可能となされている。
振動板202は、支持部材204を支持脚205に例えば自在継手機構を介して支持することにより、振動板202の上下方向の向きのみならず左右方向の向きも調整可能となる。
ドライバユニット203及び振動板202の外縁部202cの下端側の中央部を支持する支持部材204は、図35及び図36に示すように、ドライバユニット取付部204aとこのドライバユニット取付部204aの基端側に振動板支持部204bを突設して略L字状に形成されている。振動板支持部204bは、その長さがドライバユニット203高さとほぼ等しく形成され、その先端部に振動板202の下端側の中央部が接合される。
このように構成された支持部材204のドライバユニット取付部204aに取り付けたドライバユニット203のボイスコイルボビン208の先端側に略中央部を支持され、下端側の中央部を振動板支持部204bに支持された振動板202の外縁部202c側は、振動板支持部204bに接合された接合部202dを除いて厚み方向に自由に振動可能な状態にある。
上述のように構成されたスピーカ装置201は、図36に示すように、音源217から入力線217aを介して再生入力信号がドライバユニット203のボイスコイル206に供給されると、このボイスコイル206に供給される再生入力信号と磁気回路部207からの磁界との作用によってボイスコイルボビン208が図37中矢印P2方向にピストン運動する。ボイスコイルボビン208のピストン運動に応じた振動が振動板202に加わり、振動板202は、ボイスコイルボビン208の先端に取り付けた結合部材215との接合部分である第1の接合部203aを駆動点として撓み振動し、再生入力信号に応じた周波数の音を放音面202a側から放射する。
本発明に係るスピーカ装置201の再生入力信号に対する周波数応答特性は、図38に示すような結果が得られた。図38において、横軸は供給する再生入力信号の周波数f(Hz)であり、縦軸はこの周波数fに対して測定された周波数応答特性の出力音圧レベルである。また、図38において、線L0は振動板202に対して正面位置の周波数応答特性であり、線L30は振動板202に対して30°位置の周波数応答特性値であり、線L60は振動板202に対して60°位置の周波数応答特性値である。
一方、図39は、振動板202の外縁部202cの一部を振動板支持部204bに接合することなく外縁部202cの全周を厚み方向に自由に振動可能な状態としたスピーカ装置の周波数応答特性を示す。図39において、線LL0は振動板202に対して正面位置の周波数応答特性値であり、線LL30は振動板202に対して30°位置の周波数応答特性値であり、線LL60は振動板202に対して60°位置の周波数応答特性値である。
図39の周波数応答特性図から明らかなように、振動板202の全周を厚み方向に自由に振動可能としたスピーカ装置は、1000Hz以上の周波数帯域aaにおいて音圧レベルの変動が大きくなり、100Hz程度の周波数帯域bbでも音圧レベルのピークが測定されるが、全体としては中域から高域の周波数帯域で高い周波数応答特性が得られている。
これに対し、振動板202の外縁部202c側の一部を固定したスピーカ装置201は、図38から明らかなように、1000Hz以上の周波数帯域aにおいて、音圧レベルの大きな変動が抑えられ、低域の周波数帯域における音圧レベルのピークが図38中bで示すように100Hzよりも低い周波数帯域において測定され、さらに低い50Hz程度の周波数帯域での周波数応答特性も全体的に向上されている。
振動板202の外縁部202c側の一部を固定したスピーカ装置201の振動板202は、外縁部202c側の振動板支持部204bへの接合部202d以外の部分が厚み方向に自由に振動可能であるので、振動板支持部204bへの接合部202d以外の部分が大きな振幅で撓み振動される。振動板202は、外縁部202cの固定された以外の部分が大きな振幅で厚み方向に撓み振動するので、この構成を振動板202を用いたスピーカ装置201は、図38に示す周波数応答特性図から明らかなように、低域の周波数帯域での周波数応答特性の向上が図られる。また、中域から高域亘る周波数帯域での音圧レベルの変動を抑えることができるので、再生周波数帯域を広げることができるとともに、低域から高域に亘って音圧レベルの変動のない音質の良好な音を得ることができる。
振動板202の外縁部202c側の一部を固定したスピーカ装置201は、図38からも明らかなように、振動板202の正面のみならず、一定の角度を有する方向での周波数応答特性の改善が図られている。すなわち、振動板202に対する各方向で、低域の周波数帯域での周波数応答特性の向上が図られており、広い範囲に良好な音質の音を放射することができる。
振動板202の外縁部202c側の一部を固定したスピーカ装置201は、結合部材215によって振動板202の略中央部を支持し、振動板202の外縁部202c側の一部を振動板支持部204bによって支持しているので、振動板202の機械的な強度が向上され、良好な周波数応答特性も得られる。すなわち、振動板202の荷重が、ドライバユニット203との接合部203aと振動板支持部204bとの接合部202dの2箇所に分散されるため、振動板202の接合強度や耐久性が向上され、さらに、振動板202が2箇所で支持されることにより、振動板202の固有振動モードの発生を抑えることができ、良好な音質の音の再生を行うことができる。
上述したスピーカ装置201においても、振動板202に例えばテープ状とされた鉛材等の振動を吸収しやすい材質によって形成された質量部材を設けるようにしてもよい。質量部材は、振動板202の放音面2a側の外縁部202cの全周に貼着されるが、少なくとも振動板支持部204bへの接合部202dを除いてもよいが、その他の外縁部202cに貼着することが好ましい。このように、振動板202の外縁部202cに更に質量部材を設けることにより、外縁部で固有振動モードが発生することを抑えることができ、低域の周波数帯域の周波数応答特性を一層改善することができる。
また、振動板202を大型化する場合には、複数のドライバユニット203から振動板202に振動を与えるようにしてもよい。複数のドライバユニット203を用いた場合には、各ドライバユニット203に入力される再生入力信号のオン/オフの切り換えを制御し、あるいは各ドライバユニット203に入力される再生入力信号の位相を制御し、さらに各ドライバユニット203に入力される再生入力信号のレベル調整を行うようにしてもよい。このように各ドライバユニット203に入力される再生入力信号の位相成分を可変し、さらに、レベル調整を行うことにより、振動板202が各ドライバユニット203によって独立して撓み振動されるようになり、1枚の振動板202から放射される音の音場や音質を自在に変更することもできる。
複数のドライバユニット203を備えるスピーカ装置201は、バンドパスフィルタによって再生入力信号を複数の周波数帯域に分割するとともに位相調整を行ってこれを合成した後に各ドライバユニット203に供給して振動板202を撓み振動するようにしてもよい。このスピーカ装置201は、低域の周波数帯域では各ドライバユニット203に全て同相成分の再生入力信号を入力するとともに、中域から高域の周波数帯域では逆相成分の再生入力信号を入力するように構成することにより、振動板202に質量部材を貼着した場合と同様に最低共振周波数の一層の低域が図られ低域の周波数応答特性の一層の改善が図られる。
また、本発明に係るスピーカ装置は、ドライバユニットに圧電型のものを用いたものであってもよい。
圧電型のドライバユニット221を用いた本発明に係るスピーカ装置220は、図40及び図41に示すように、前述したスピーカ装置201と同等のパネル状の振動板202を備える。
振動板202に撓み振動を与える圧電型のドライバユニット221は、図40に示すように高分子圧電体222の振動面に取り付けた筒状の結合部材224を介して振動板202を接合固定している。ドライバユニット221は、基板223の下端部がスタンド部材226に取り付けられている。さらに、ドライバユニット221を支持するスタンド部材226には、振動板202の下端部の駆動面202bと対向する主面に振動板固定部材225が突設されており、この振動板固定部材225の先端部を振動板202の駆動面202b側の外縁部202cに突き合わせて接合している。ドライバユニット221は、結合部材224を介して振動板202に撓み振動を与え、振動板固定部材225によって振動板202の外縁部202cの一部を支持している。ドライバユニット2には、入力線227aを介して音源227から高電圧の再生入力信号が供給される。
ドライバユニット221は、図40に示すように、結合部材224が振動板202に結合される接合部224aから振動板202の中心Oまでの距離11が、振動板202の中心Oから振動板202の上端縁202eまでの距離の距離12よりも小さい位置で振動板202に結合されている。ドライバユニット221は、振動板202の外縁部202cの一部を固定する振動板固定部材225との接合部202d側に偏位した位置から撓み振動を振動板202に与える。振動板202は、振動板固定部材225のとの接合部202d以外の外縁部202cが厚み方向に自由に振動可能な状態にあって、スタンド部材226に支持されたドライバユニット221に結合されている。
このように構成されたスピーカ装置220は、音源227から再生入力信号がドライバユニット221に供給されることにより、このドライバユニット221の高分子圧電体222が振動板202と直交する方向に振動する。スピーカ装置220は、高分子圧電体222の振動が結合部材224を介して振動板202に加えられることにより、振動板202は結合部材224との結合部を中心にして撓み振動され、再生入力信号に応じた音を再生する。
本発明に係るスピーカ装置220に用いられる圧電型のドライバユニット221は、一般に低域で大きな振動が得にくい特性を有する。圧電型のドライバユニット221を用いる場合には、高分子圧電体222のエッジ部に適当な重量を有する重りを取り付けることによって低域での振動量を向上させることができる。
また、圧電型のドライバユニット221を用いたスピーカ装置220においても、複数のドライバユニット221を設けるようにしてもよい。この場合にも、各ドライバユニット221には、前述したような種々の信号処理を施した再生入力信号が供給される。
振動板の外緑部側の一部を固定したスピーカ装置においても、振動板を保護するため、振動板の外周部を保護枠体で囲むようにしてもよい。
振動板の保護を図るため、保護枠体を設けたスピーカ装置230を図42及び図43を参照して説明する。
なお、上述したスピーカ装置201、220と共通する部材については、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
振動板233の保護枠体234を設けたスピーカ装置230は、図42及び図43に示すように、相対向する面をそれぞれほぼ平坦な面とした矩形状をなすパネル状の振動板233と、この振動板233の外周部を保護する保護枠体234とを備えている。振動板233は、図43に示すように、ドライバユニット203のボイスコイルボビン208の先端部に結合部材215を介して結合され、この結合された部分を介してドライバユニット203の振動が与えられる。
保護枠体234は、図42に示すように、振動板233の外周側を囲むに足る大きさの開口部234aを有する略矩形枠状に形成され、開口部234a内に振動板233を配設している。この保護枠体234は、図43に示すように、厚みが振動板233の厚みより大とされており、開口部234a内に配設された振動板233が、保護枠体234の厚み方向の略中央部に位置されている。
保護枠体234の開口部234aには、内周面の下方側の一辺の中央部に、振動板233の短辺の中央部が、剛性を有する材料からなる支持部材235を介して支持されている。したがって、保護枠体234の内周部と振動板233の外周部との間には、振動板233を振動可能とするスリットが形成されており、振動板233は、保護枠体234の開口部内に支持部材235を介して撓み振動可能に支持されている。
このように構成されたスピーカ装置230は、誤って落下させた際や振動板233に外部から異物が衝突されても振動板233に直接衝撃が加わることが防止でき、振動板233及びドライバユニット203の確実な保護を図ることができる。
なお、上述のスピーカ装置230は、保護枠体234に振動板233が支持部材235を介して支持される構成とされたが、振動板、保護枠部材及び支持部材が一体に形成された振動体を備える更に他のスピーカ装置を図面を参照して説明する。なお、上述したスピーカ装置230と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
このスピーカ装置240は、図44及び図45に示すように、ドライバユニット203によって撓み振動される振動板243と、この振動板243の外周部を保護するための保護枠体244と、この保護枠体244に振動板243の外縁部側の一部を連結する連結部247とを一体に形成した振動体242を備えている。
この振動体242は、振動板243として自立できる程度以上の剛性を有し、ドライバユニット203から振動が加えられたときに発生する振動が振動板243の各部分に伝播できる程度に減衰率の小さい剛性を有する材料により略矩形状をなす平板状に形成されており、外周縁部に一部を連結したスリットを穿設することにより、図45に示すように振動板243及び保護枠体244、連結部247が一体に形成される。すなわち、振動体242は、保護枠体244の内周部に、振動板243を連結部247を介して撓み振動可能に支持したものである。
このスピーカ装置240は、更に、図44及び図45に示すように、振動体242の振動板243が撓み振動する振動方向である振動板243の前面側及び背面側にこの振動板243を保護する前面保護枠体245及び背面保護枠体246を備えている。
これら前面保護枠体245及び背面保護枠体246は、図44及び図45に示すように、アルミニウム等の比較的に機械的強度が高い金属材料等によって略矩形枠状に形成されている。前面保護枠体245及び背面保護枠体246は、振動体242の保護枠体244の前面上及び背面上に、例えば接着剤やねじ止め等によりそれぞれ接合固定されている。このように前面保護枠体245及び背面保護枠体246を設けることにより、振動板243の外周部を更に確実に保護することが可能とされるため、誤って加えられる外力等によって振動板243のコーナ部等を破損することを防止することができる。
次に、上述した前面保護枠体245及び背面保護枠体246に加えて、振動体242の振動板243の表裏面を保護する前面保護板248及び背面保護板249を備える更に他のスピーカ装置250について図面を参照して説明する。このスピーカ装置250は、図46及び図47に示すように、上述したスピーカ装置240と基本構成を同一とするため、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。
振動体242の振動板243の表裏面を保護するための前面保護板248及び背面保護板249は、図46及び図47に示すように、略矩形板状に形成されており、主面上に亘って、音を通過させるための複数の透孔248a,249aがそれぞれ穿設されている。これら前面保護板248及び背面保護板249は、前面保護枠体245の前面側及び背面保護枠体246の背面側に接着剤やねじ止めにより接合固定され、振動板243の前面及び背面をそれぞれ覆うように配設される。これら前面保護板248及び背面保護板249を設けることにより、振動体242の振動板243の表裏面を確実に保護することが可能とされるため、誤って加えられた外力等により振動板243を破損することを確実に防止することができ、スピー力装置50の耐久性を向上することができる。
上述したスピーカ装置240,250に用いられる振動体は、上述したようなものに限られず、保護枠体の内周部に振動板が振動可能に支持される構成であれば、振動板の形状やスリットの形状及び連接部の位置等を適宜変更してもよく、図48に示すように構成された振動体256であってもよい。この図48に示す振動体256は、保護枠体258の内周側に矩形状に形成される振動板257の下端縁257aを全幅に亘って保護枠体258に連結したものである。
また、図49に示す振動体259は、振動板260と保護枠体261とを連接する振動板260の下端縁部分にスリット264を設け、一対の連結部262,263を介して保護枠体261に連結するようにしたものである。
このように振動板の保護枠体への連結部の形状や連結量を可変することにより、振動板の撓み振動の特性を調整することができ、この振動板を用いたスピーカ装置の周波数応答特性を可変調整することができる。
また、振動板の外周部を囲んで振動板の保護を図る保護枠体を設けたスピーカ装置は、保護枠体内に複数の振動板を配設するようにしてもよい。
保護枠体内に複数の振動板を設けたスピーカ装置270は、図50に示すように、ドライバユニット203にそれぞれ支持された一組の第1及び第2の振動板271,272と、これら振動板271,272をそれぞれ支持する保護枠体273とを備えている。
第1及び第2の振動板271,272は、前述した振動板と同様に、相対向する面をそれぞれほぼ平坦な面とした矩形状をなすパネル状に形成され、振動板として自立できる程度以上の剛性を有し、この振動板271,272を撓み振動させるドライバユニット203,203から与えられる振動が振動板271,272の各部分に伝播できる程度に減衰率の小さい剛性を有する材料により形成される。
第1及び第2の振動板271,272には、短辺の中央部に、保護枠体273の内周部に支持されるための支持片274,275が一体に形成されている。これら振動板271,272には、ドライバユニット203のボイスコイルボビン8の先端部がそれぞれ接合されている。
保護枠体273は、アルミニウム等の比較的機械的強度が高い材料によって形成されている。この保護枠体273の内周部には、一組の第1及び第2の振動板271,272をそれぞれ配設するに足る大きさの開口部273aを有する略矩形枠状に形成されている。また、保護枠体273の内周部には、互いに対向する辺の中央部に、振動板271,272の支持片274,275が接合固定されており、各振動板271,272が支持片274,275を介してそれぞれ支持されている。
保護枠体273の内周部に配設された第1及び第2の振動板271,272は、保護枠体273の内周壁との間に充分な間隙が確保されているとともに、互いに対向する間に充分な間隙が確保されており、支持片274,275を介して厚み方向に撓み振動可能にそれぞれ支持されている。また、保護枠体273は、振動板271,272の振幅方向に平行な方向の厚みが、振動板271,272の厚みより大とされており、これら振動板271,272の外周部を確実に保護することが可能とされている。
第1及び第2の振動板71,72をそれぞれ撓み振動させる第1及び第2のドライバユニット203,203は、ユニット支持部材277の両端部にネジ止め固定されている。各ドライバユニット203,203を支持するユニット支持部材277は、長手方向の中央部が支持脚295に設けた支持部材294の上端に取り付けられている。
このように第1及び第2の振動板271,272を備えたスピーカ装置270は、各振動板271,272をステレオ再生入信号の左右のチャンネルの再生入力信号によって撓み振動させることによりステレオ音響を発生することができ、装置全体の小型化を図ることができる。なお、図示しないが、保護枠体273の内周部には、更に他の振動板を配設するようにしてもよい。
ところで、本発明に係るスピーカ装置を構成するドライバユニット203のボイスコイルボビンは、ダンパーを介して中心軸と平行な方向にピストン運動するように支持されているが、図51及び図52に示すスピーカ装置280のように、ドライバユニット285のボイスコイルボビン290を振動板281のみによって支持するようにしてもよい。
ボイスコイルボビンを振動板にのみによって支持するスピーカ装置280は、図51に示すように、前述した振動板と同様に、相対向する面をそれぞれほぼ平坦な面とした矩形状をなすパネル状に形成された振動板281を有する。この振動板281も、振動板として自立できる程度以上の剛性を有し、この振動板281を撓み振動させるドライバユニット285から与えられる振動が振動板281の各部分に伝播できる程度に減衰率の小さい剛性を有する材料により形成される。
このスピーカ装置280は、振動板281の外周部を保護するための保護枠体282と、保護枠体282上に振動板281を支持するための支持部材283と、振動板281の放音面と対向する背面を保護する背面保護部材284とを備えている。
保護枠体282は、略矩形枠状に形成されており、内周部に振動板281が配設されている。振動板281は、保護枠体282の内周部に、支持部材283を介して厚み方向に自由に撓み振動可能に支持されている。背面保護部材284は、保護枠体282の外周部を保持しており、振動板281に対向する面に複数の透孔284aが穿設されている。
このスピーカ装置280は、図51に示すように、振動板281を駆動するドライバユニット285を備えている。このドライバユニット285は、図51及び図52に示すように、背面保護部材284に設けられた開口部内に磁気回路部286を挿通されて配設されている。この磁気回路部286は、中心部にセンターポール292aを形成したヨーク292と、センターポール292aを囲んでヨーク292上に配設されるリング状のマグネット293と、マグネット293上に配設され、センターポール292aとの間に磁気ギャップを構成するトッププレート294とから構成されている。ドライバユニット285を構成するボイスコイルボビン290は、基端部側の外周に巻回したボイスコイル291を磁気回路部286の磁気ギャップに挿入し先端部側を振動板281に接合している。このように、ドライバユニット285は、磁気回路部286を背面保護部材284に支持させ、ボイスコイルボビン290をダンパー等を用いることなく振動板281のみに接合されて配設されている。このように、ボイスコイルボビン290を振動板281のみに支持させることにより、振動板281を含む振動系を軽量化することができ、ドライバユニット285の駆動力を有効に利用することができる。さらに、ボイスコイルボビン290がピストン運動する際の運動量がダンパー等によって規制されることもないので、大きな振幅が必要とされる低域の周波数帯域の再生特性を向上することができる。
なお、ボイスコイル291には、図示しないが、振動板281の裏面に沿って配設された入力線を介して音源に接続される外部接続端子に接続されている。
上述したように、本発明に係るスピーカ装置の振動板は、相対向する面をそれぞれほぼ平坦な面としたパネル状に形成され、振動板として自立できる程度以上の剛性を有し、この振動板を撓み振動させるドライバユニットから与えられる振動が振動板の各部分に伝播できる程度に減衰率の小さい剛性を有する材料により形成されるので、パーソナルコンピュータや、ディスク記録及び/又は再生装置、テープレコーダ等の音源を内蔵する電子機器の外筐の一部などを振動板として用いることができる。
以下、パネル状の振動板を用い、この振動板を撓み振動させることによって音の再生を行うことができるスピーカ装置を設けた電子機器であるパーソナルコンピュータに適用した例を挙げて説明する。
本発明が適用された電子機器301としてノート型のパーソナルコンピュータは、図53に示すように、中央演算処理回路(CPU)、メモリ、ディスクドライブ装置等を内蔵した機器本体303を備え、この機器本体303に対して図53中矢印a方向及び矢印b方向に開閉可能に設けられた蓋体304とを備えている。
機器本体303及び蓋体304は、筐体305,306をそれぞれ有している。機器本体303の主面には、図53に示すように、各種操作ボタン群を有する操作パネル307が配設されている。蓋体304には、図53及び図54に示すように、主面部に例えば画像や文字等の各種情報を表示する情報表示パネル308が配設されている。情報表示パネル308としては、例えば略矩形板をなす液晶型の表示パネルが採用されている。情報表示パネル308は、外周部が支持枠部材309によって支持されており、支持枠部材309を介して蓋体304の本体を構成する筐体306に取り付けられている。
蓋体304を構成する筐体306には、図54に示すように、情報表示パネル308に対向する内周面上に位置して、筐体306に振動を与え、筐体306の一部を撓み振動させる加振源であるドライバユニットを構成する一組の圧電振動板311,312がそれぞれ配設されている。これら各圧電振動板311,312は、図55及び図56に示すように、円盤状の金属板313と、この金属板313の表裏の両面上にそれぞれ設けられた一組の圧電セラミックス314,315とを有している。金属板313は、例えば黄銅やステンレス等によって形成されている。一組の圧電セラミックス314,315は、金属板313の両面の中央部に設けられており、リード線317を介して互いに接続配線されている。また、一方の圧電セラミックス314上には、図56に示すように、電極316が形成されており、この電極316がリード線317を介して図示しない電流供給源である音源に接続されている。
以上のように構成された圧電振動板311,312は、図57に示すように、一方の圧電セラミックス314が図57中矢印c1方向及び矢印c2方向に縮むとともに、他方の圧電セラミックス315が図57中矢印d1方向及び失印d2方向に伸びることによって、金属板313を厚み方向である図57中矢印e方向に湾曲させる。また、圧電振動板311,312は、図57に示すように、一方の圧電セラミックス314が図57中矢印d1方向及び矢印d2方向に縮むとともに他方の圧電セラミックス315が図57中矢印c1方向及び矢印c2方向に伸びることによって、金属板313を厚み方向である図57中矢印f方向に湾曲させる。
したがって、圧電振動板311,312は、図57中矢印e方向及びf方向に湾曲することにより振動を発生する。圧電振動板311,312から発生した振動は、支持部材319を介して蓋体304の筐体306に加えられ、筐体306を撓み振動させて音を発生する。この電子機器301において、圧電振動板311,312が発生する音は、図53に示すように、蓋体304の情報表示パネル308に臨む位置のユーザ325に聴取される。
圧電振動板311,312は、外周部に沿って所定箇所に、質量成分である例えば鉛等の重量体318が所定箇所にそれぞれ配設されている。圧電振動板311,312は、重量体318が配設されることによって共振点が下げられ、低域の周波数帯域の周波数応答特性が向上される。
これら圧電振動板311,312は、図55に示すように、主面の中央部が、この圧電振動板311,312及び筐体305,306より振動の減衰率が大とされる材料からなる支持部材319を介して固定されて支持されている。この支持部材319としては、例えばゴム材の振動の損失が大きな材料によって形成されたり、接着剤が用いられてもよい
圧電振動板311,312は、上述したような支持部材319によって支持されることにより、高域の周波数帯域の振動が十分に減衰されて伝播し難くなるため、高域での共振的な音を避けることができる。また、圧電振動板311,312は、主面の中央部が支持されることにより、例えば外周部を支持する等の他の構造等に比較して、低音域の周波数共振が得られる。
したがって、圧電振動板311,312は、一般的な圧電振動板に比較して、特定のピーク感が少なく、比較的低音域までの振動を筐体306に伝えることが可能とされる。
また、図58に示すように、筐体306に配設される一組の圧電振動板311,312の間には、一方から他方に伝播する振動を減衰させる減衰機構320が設けられている。この減衰機構320としては、質量成分である鉛等の重量体や、振動の損失が比較的大きな部材等の振動規制体が用いられている。
本発明に係る電子機器301は、一組の圧電振動板311,312の間に位置して減衰機構320が配設されることによって、各圧電振動板311,312の中域から高城の周波数帯域の振動の伝播が抑制されて中高音域の周波数帯域の振動が良好にそれぞれ分離されるため、各圧電振動板311,312の定位が明瞭となり、2チャンネルのステレオ音響としてユーザ325が良好に聞き取ることが可能とされる。なお、低音域は、定位感が少ないため、減衰機構320が低音域の伝播を抑制する上で効果がなくても影響はない。
また、他の減衰手段としては、図示しないが、一組の圧電振動板311,312の一方から他方に伝播する振動を減衰させる形状に形成されてもよい。振動を減衰させる形状としては、例えば、一組の圧電振動板311,312の間に位置する箇所の筐体306の厚みを厚くすることにより振動を減衰する、或いは筐体306の厚みを薄くすることにより振動全体の伝播を遮断する等の筐体306の厚みが変化するように形成する。或いは、振動を減衰させる形状としては、一組の圧電振動板311,312の間に位置する筐体306の内面に、例えば溝や突部を形成すること等によって筐体306の断面形状が不連続とするような形状を形成する。
なお、本発明に係る電子機器301は、更に他の圧電振動板を配設する構成としてもよく、各圧電振動板の問に減衰機構320がそれぞれ配設される。また、上述した圧電振動板311,312は、円板状に形成されたが、主面の中央部が支持される構成であれば、例えば略矩形状等の他の形状に形成されてもよいことは勿論である。
上述したように、電子機器301は、蓋体304の筐体306自体を振動体として利用することにより比較的大きな振動面積を確保することが可能となるため、音響特性を向上することができる。また、この電子機器301によれば、蓋体304の筐体306の内面上に圧電振動板311,312が配設されたことによって、筐体306内のスペースが有効利用されるため、機器全体の小型、薄型化を実現することができる。
また、本発明に係る電子機器301は、圧電振動板311,312を構成する金属板313の外周部に重量体318が配設されることにより、圧電振動板311,312の共振点が下げられるため、低音域の再生特性の向上を図ることができる。
さらに。この電子機器301によれば、圧電振動板311,312及び蓋体304の筐体306より減衰率が大とされる支持部材319を介して中央部が支持されることによって、共振点が下げられるため、低音域の再生特性の向上が図られる。
更にまた、本発明に係る電子機器301は、各圧電振動板311,312の間に減衰機構320が設けられたことによって、各圧電振動板311,312の振動の伝播を抑制することにより、各圧電振動板311,312の中高音域の振動が分離されるため、各圧電振動板311,312の定位をそれぞれ良好に表すことができる。
なお、本発明に係る電子機器301は、例えば浴室等に配設される防水型の電子機器に適用されて好適である。すなわち、防水型の電子機器は、筐体の内部と外部を完全に遮断する構成とされても、筐体内に配設された圧電振動板が筐体自体を振動させることにより、明瞭な音響を発生することが可能とされるとともに、良好な防水性を確保することができる。
ここで、筐体306に振動を与え、筐体306の一部を撓み振動させる加振源であるドライバユニットの具体的な使用例の幾つかについて説明する。このドライバユニットは、上述したように圧電振動板を用いたものや、前述したような磁気回路部を備えたダイナミック型のものが用いられる。
図59は、このドライバユニットを、例えばノート型のパーソナルコンピュータに用いた具体的な構成を示すブロック図である。この電子機器は、図59に示すように、音源となるステレオオーディオ信号源(図示せず)からの右チャンネルのオーディオ信号(以下、R信号という)の低域成分を通過させる低域通過フィルタ(以下、LPFという)402Rと、ステレオオーディオ信号源からの左チャンネルのオーディオ信号(以下、L信号という)の低域成分を通過させるLPF402Lと、R信号からLPF402Lの出力を減算する減算器403Rと、L信号からLPF402Rの出力を減算する減算器403Lと、減算器403Rの出力で駆動されるドライバユニット401Rと、減算器403Lの出力で駆動されるドライバユニット401Lを備える。
LPF402Rは、ステレオオーディオ信号源からのR信号の低域成分を抽出して減算器403Lに供給し、LPF402Lは、ステレオオーディオ信号源からのL信号の低域成分を抽出して減算器403Rに供給する。減算器403Rは、R信号からL信号の低域成分を減算、すなわちR信号にL信号の低域成分の逆位相成分を加えて、ドライバユニット401Rを駆動する。一方、減算器403Lは、L信号からR信号の低域成分を減算、すなわちL信号にR信号の低域成分の逆位相成分を加えて、ドライバユニット401Lを駆動する。そして、ドライバユニット401R,401Lは、上述したように圧電素子からなり、供給されるオーディオ信号に基づいて筐体306若しくは筐体306の一部で構成される可振板400を振動させる。
このように構成することにより、両チャンネルの高域成分はそのままドライバユニット401R,401Lに供給され、ユーザに方向感を与える。
一方、各チャンネルの低域成分の逆相成分が逆のチャンネルのドライバユニットに供給されるので、ユーザに広がった音像感を与える。すなわち、ノート型のパーソナルコンピュータのように、ユーザと可振板400の距離が近いニアフィールドでの受聴においても、良好なステレオ感覚が得られる。
図60は、図59に示す電子機器の変形例の具体的な構成を示すブロック図である。なお、以下、図59と同じ構成部品については同じ符号を付してその詳細については説明を省略する。
この電子機器は、図60に示すように、ステレオオーディオ信号源からのR信号とL信号を加算する加算器410と、この加算器410の出力の低域成分を通過させるLPF411と、R信号の高域成分を通過させる高域通過フィルタ(以下、HPFという)412Rと、L信号の高域成分を通過させるHPF412Lと、HPF412Rの出力からLPF411の出力を減算する減算器413Rと、HPF412Lの出力にLPF411の出力を加算する加算器413Lと、減算器413Rの出力で駆動されるドライバユニット401Rと、加算器413Lの出力で駆動されるドライバユニット401Lを備える。
加算器410は、R信号とL信号を加算して、両チャンネルのオーディオ信号が合成されたオーディオ信号をLPF411に供給し、LPF411は、そのオーディオ信号の低域成分を抽出して、減算器413R及び加算器413Lに供給する。一方、HPF412Rは、R信号の高域成分を抽出して減算器413Rに供給し、HPF412Lは、L信号の高城成分を抽出して加算器413Rに供給する。減算器413Rは、HPF412Rから供給されるR信号の高城成分に、両チャンネルの低域成分の逆相成分を加算して、ドライバユニット401Rを駆動する。加算器413Lは、HPF412Lから供給されるL信号の高域成分に両チャンネルの低域成分を加算して、ドライバユニット413Rを駆動する。
ここで、オーディオ信号の低域成分は、ユーザに方向性を与えないことから、LPF411、HPF412R,412Lの遮断(カットオフ)周波数を同じ周波数とすると、図59に示す電子機器と同じ音響効果を得ることができるが、カットオフ周波数を、例えばオーバーラップさせたり、クロスさせないようにすることによって、ある周波数帯域の音を強調させたり、減衰させたりすることができる。また、例えばユーザがカットオフ周波数を可変できるようにすることにより、ユーザは、所望の音響効果を得ることができる。
図61は、図59に示す電子機器のLPF402R,402Lを、例えばアンプやボリューム抵抗等のレベル調整器に置き換えた電子機器の具体的な構成を示すブロック図である。
この電子機器は、図61に示すように、ステレオオーディオ信号源からのR信号を減衰させるレベル調整器421Rと、ステレオオーディオ信号源からのL信号を減衰させるレベル調整器421Lと、R信号からレベル調整器421Lの出力を減算する減算器403Rと、L信号からレベル調整器421Rの出力を減算する減算器403Rと、減算器403Rの出力で駆動されるドライバユニット401Rと、減算器403Lの出力で駆動されるドライバユニット401Lを備える。
ここで、レベル調整器421R,421Lの利得(ゲイン)Aは、1未満であり、例えば0.1〜0.5である。このように構成することにより、この電子機器では、一方のチャンネルのオーディオ信号の逆相成分を減衰させて、他方のチャンネルのドライバユニットに供給する。したがって、ユーザは、広がった音像感を得ることができる。
図62は、本発明に係るスピーカ装置を用いたもっとも簡単な電子機器の具体的な構成を示すブロック図である。
この電子機器は、図62に示すように、ステレオオーディオ信号源(図示せず)からのR信号の位相を反転させるアンプ431と、アンプ431の出力で駆動されるドライバユニット401Rと、R信号で駆動されるドライバユニット401Lを備える。
ところで、本発明に係るドライバユニットでは、両チャンネルの相関性が従来のスピーカ装置に比して低いので、この電子機器を、例えばノート型のパーソナルコンピュータ等のニアフィールド受聴の装置に用いた場合、独特の音像感が得られる。
なお、上述では、本発明に係るスピーカ装置を適応した電子機器をアナログの電気回路で構成した具体例を説明したが、各電子機器を構成する回路を、例えばディジタル信号処理装置(DSP)とそのソフトウエアを用いて実現できることはいうまでもない。
産業上の利用可能性
本発明に係るスピーカ装置は、ほぼ平坦な面を有するパネル状に形成され、外縁部が少なくとも厚み方向にほぼ自由に振動可能な状態にある振動板と、この振動板の面上に接合され振動板に振動を与える加振源を構成する少なくとも1個以上のドライバユニットとを備え、再生入力信号に基づいて駆動されるドライバユニットから与えられる振動よって振動板を撓み振動させて音響放射を行うものであるので、低域から高域に亘る広い周波数帯域に亘って良好な周波数応答特性を得ることができ、しかも、低域から高城に亘る広い周波数帯域において音圧レベルの変動が少ない良好な音質の音響の再生を行うことができる。
また、パネル状の振動板を撓み振動させるスピーカ装置は、キャビネット等に収納する必要もないので、装置全体を薄型化し、且つ小型化することができる。
Claims (27)
- 略平坦な面を有するパネル状に形成された振動板と、
上記振動板の面上に接合された少なくとも1つ以上のドライバユニットとを備え、
上記振動板は、上記ドライバユニットが接合する部分の面密度より少なくとも外縁部若しくは外縁部近傍の面密度が大きく、再生入力信号に基づく上記ドライバユニットから加えられる振動によって撓み振動を生じて音響放射を行うスピーカ装置。 - 上記振動板は、上記ドライバユニットとの接合部分に対応する材質が上記接合部分以外の領域の材質と異なることを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。
- 上記振動板と上記ドライバユニットは、接合部に接合部材を有し、
上記結合部材は、上記振動板との接合部分の形状と上記ドライバユニットとの接合部分の形状とが異なることを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。 - 上記振動板は、上記結台部材との接合部分に対応する材質が上記接合部分以外の領域の材質と異なることを特徴とする請求の範囲第3項記載のスピーカ装置。
- 上記振動板は、外縁部の一端部が固定支持され且つ上記一端部以外の外縁部が少なくとも厚み方向にはほぼ自由振動可能な状態にあることを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。
- 上記ドライバユニットは、ダイナミック型ドライバユニットによって構成され、上記ダイナミック型ドライバユニットのボイスコイルが巻回される部材と上記振動板とが接合されていることを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。
- 上記ドライバユニットは、圧電型ドライバユニットによって構成され、上記圧電型ドライバユニットの振動駆動部と上記振動板とが接合されていることを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。
- 上記振動板を保護するための保護枠を備え、
上記保護枠は上記振動板の外縁部に亘って配設されていることを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。 - 上記振動板の表裏面の少なくとも一方の面に対向する位置に配設されて上記振動板を保護する保護板を備え、
上記保護板は、上記保護枠に支持されていることを特徴とする請求の範囲第8項記載のスピーカ装置。 - 上記振動板の外縁部に延在して配置される保護手段を備え、
上記保護手段は、上記振動板の振動動作を可能とするように非接触状態又は少なくとも上記振動板の厚み方向にほぼ自由振動可能な状態とする弾性手段を介して配置されていることを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。 - 上記振動板は、音声出力装置の筐体の少なくとも1つの面を構成することを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。
- 上記ドライバユニツトは、上記振動板に対して、その中央部から一端部側に偏倚した位置に取り付けられていることを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。
- 上記振動板には、複数の上記ドライバユニットが接合され、
上記各ドライバユニットの接合部及び上記振動板の重心位置を内包する領域の面積が他の領域の面積よりも小さいことを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。 - 上記振動板に接合される複数の上記ドライバユニットと、
上記複数のドライバユニットに入力する再生入力信号のうち少なくとも1つのドライバユニットへの再生入力信号の入力状態を独立して切り換える再生入力信号切換手段を備えることを特徴とする請求の範囲第1項記載のスピーカ装置。 - 上記複数のドライバユニットに入力する再生入力信号の帯域を制限する少なくとも1つの帯域制限回路を備え、
上記各ドライバユニットには、上記再生入力信号又は上記帯域制限回路により帯域制限された再生入力信号が上記再生入力信号切換手段により選択されて入力されることを特徴とする請求の範囲第14項記載のスピーカ装置。 - 上記複数のドライバユニットに入力する再生入力信号の振幅及び遅延時間を相対的に変化させる少なくとも1つのフィルタリング手段を備えることを特徴とする請求の範囲第15項記載のスピーカ装置。
- 略平坦な面を有するパネル状に形成された振動板と、
上記振動板の面上に接合された少なくとも1つ以上のドライバユニットとを備え、
上記振動板は、実質的に均一な面密度を有する基材と、上記基材の外縁部若しくは外縁部近郷に固定される上記基材と材質を異にする質量部材とからなり、再生入力信号に基づく上記ドライバユニットから加えられる振動によって撓み振動を生じて音響放射を行うスピーカ装置。 - 略平坦な面を有するパネル状に形成された振動板と、
上記振動板の面上に接合された少なくとも1つ以上のドライバユニットとを備え、
上記振動板は、実質的に均一な面密度を有する基材と、上記基材の外縁部若しくは外縁部近郷に固定される上記基材の損失係数より大きな損失係数を有する質量部材からなり、再生入力信号に基づく上記ドライバユニットから加えられる振動によって撓み振動を生じて音響放射を行うスピーカ装置。 - 機器本体と、
上記機器本体に開閉可能に設けられた蓋体と、
上記蓋体内に、その筐体に振動駆動部を接合して配設された少なくとも1つ以上の圧電型ドライバユニットとを備え、
上記圧電型ドライバユニットには、上記振動駆動部の外縁部に質量成分が配設され、再生入力信号に基づいて上記筐体に撓み振動を生じさせることにより上記筐体を振動板として音響放射が行われるようにする電子機器。 - 上記圧電型ドライバユニットは、上記振動駆動部及び上記筐体よりも減衰率が大とされる材料からなる支持部材を介して上記筐体に支持されていることを特徴とする請求の範囲第19項記載の電子機器。
- 上記筐体には、複数の上記圧電型ドライバユニットを配設するとともに、上記各圧電型ドライバユニットのの間に位置して、上記各圧電型ドライバユニットから伝播する振動を減衰する減衰手段が設けられていることを特徴とする請求の範囲第19項記載の電子機器。
- 上記減衰手段は、上記圧電型ドライバユニット又は上記筐体と質量を異にする振動規制体であることを特徴とする請求の範囲第21項記載の電子機器。
- 上記減衰手段は、上記筐体の厚みを不連続とする形状の部位により構成されることを特徴とする請求の範囲第22項記載の電子機器。
- 上記筐体に配設される第1及び第2圧電型ドライバユニットと、
所定の遮断周波数で再生入力信号の高周波成分を遮断する第1及び第2のフィルタ手段を備え、
供給される第1及び第2の再生入力信号のうち、上記第1の再生入力信号を上記第1のフィルタ手段に入力してその出力を第2の再生入力信号から減算して上記第1のドライバユニットに供給するとともに、上記第2の再生入力信号を上記第2のフィルタ手段に入力してその出力を上記第1の再生入力信号から減算して上記第2のドライバユニットに供給することを特徴とする請求の範囲第19項の電子機器。 - 上記筐体に配設される第1及び第2圧電型ドライバユニットと、
所定の遮断周波数で再生入力信号の高周波成分を遮断する第1及び第2のフィルタ手段を備え、
供給される第1及び第2の再生入力信号のうち、上記第1の再生入力信号を上記第1のフィルタ手段に入力してその出力を第2の再生入力信号から減算して上記第1のドライバユニットに供給するとともに、上記第2の再生入力信号を上記第2のフィルタ手段に入力してその出力を上記第1の再生入力信号から減算して上記第2のドライバユニットに供給することを特徴とする請求の範囲第19項の電子機器。 - 上記筐体に配設される第1及び第2圧電型ドライバユニットと、
再生入力信号のレベルを調整する第1及び第2のレベル調整手段を備え、
供給される第1及び第2の再生入力信号のうち、上記第1のレベル調整手段により調整された第1の再生入力信号を上記第2の再生入力信号から減算して上記第1の圧電型ドライバユニットに供給するとともに、上記第2のレベル調整手段により調整された上記第2の再生入力信号を上記第1の再生入力信号から減算して上記第2のドライバユニットに供給することを特徴とする請求の範囲第19項の電子機器。 - 上記筐体に配設される第1及び第2圧電型ドライバユニットと、
再生入力信号の位相を反転する位相反転手段を備え、
供給される第1及び第2の再生入力信号のうち、上記第1の再生入力信号を上記位相反転手段により位相を反転して上記第1のドライバユニットに供給するとともに、上記第2の再生入力信号を直接上記第2のドライバユニットに供給することを特徴とする請求の範囲第19項記載の電子機器。
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