JP4310980B2 - シリコン単結晶の引上げ方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という。)シリコン単結晶のインゴット(以下、単にインゴットという。)をシリコン融液から引上げる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインゴットの引上げ方法として、CZ法によりインゴットを石英るつぼから引上げる過程で、制御するように石英るつぼの周囲及び底部にサイドヒータ及びボトムヒータをそれぞれ臨ませ、石英るつぼの周壁及び底壁の温度が設定温度になるように上記サイドヒータ及びボトムヒータの出力をそれぞれ制御する単結晶製造方法が開示されている(特許第2681114号)。
この単結晶製造方法では、インゴットの引上げ中にサイドヒータ及びボトムヒータの出力を制御することにより、引上げ方向におけるインゴット中の酸素濃度を均一にすることができる、即ちインゴットの引上げ方向における酸素濃度の変動幅を大幅に低減できる。この結果、上記インゴットをスライスすることにより、均一性が高い半導体基板が得られるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の特許第2681114号公報に示された単結晶製造方法では、インゴット中の酸素濃度が均一であるため、全長にわたって同じ品質のインゴットを製造する場合に有効である。
しかし、顧客の注文によっては1本のインゴットの半分しか結晶を必要としない場合があり、これらの顧客の要求するインゴット中の酸素濃度も様々であるため、上記従来の単結晶製造方法により製造されたインゴットでは歩留まりが低下する問題点があった。
【0004】
本発明の目的は、インゴットのトップ部を一方の顧客の要求を満たす低い酸素濃度に制御し、インゴットのボトム部を他方の顧客の要求を満たす高い酸素濃度に保つことにより、インゴットを有効利用して歩留まりの向上を図る、シリコン単結晶の引上げ方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、チャンバ11内にシリコン融液12を貯留する石英るつぼ13を設け、石英るつぼ13の外周面に対向してサイドヒータ18を設け、石英るつぼ13の下面に対向してボトムヒータ20を設け、サイドヒータ18及びボトムヒータ20の電力をそれぞれ制御しながら、シリコン融液12からインゴット25を引上げる方法の改良である。
その特徴ある構成は、サイドヒータ18及びボトムヒータ20の合計電力をシリコン単結晶インゴット25の引上げ中ほぼ一定になるように調整し、インゴット25の直径が200mmであり、インゴット25の引上げ中にボトムヒータ20の電力をインゴット25の単位引上げ時間に対して0.5〜2.0kW/分の割合で上昇させるところにある。
【0006】
この請求項1に記載されたシリコン単結晶の引上げ方法では、インゴット25の引上げ中にボトムヒータ20の電力をインゴット25の単位引上げ時間に対して0.5〜2.0kW/分の割合で上昇させると、石英るつぼ13の中心に鉛直方向に上昇するシリコン融液12の第1対流12aの速度が急激に大きくなるので、石英るつぼ13からシリコン融液12に溶出した酸素は、石英るつぼ13の側壁内面に沿って上昇しシリコン融液12表面近傍を通るシリコン融液12の第2対流12bによりインゴット25に導入される量より、上記第1対流12aによりインゴット25に直接導入される量の方が急激に多くなる。この結果、インゴット25内の酸素濃度が低濃度から高濃度に変化する部分は極めて短くて済むので、インゴット25を有効利用できる。
【0007】
請求項2に係る発明は、図1に示すように、インゴット25の直径が200mmであり、インゴット25の引上げ中にボトムヒータ20の電力をインゴット25の単位引上げ長さに対して0.5〜2.0kW/mmの割合で上昇させることを特徴とする。
この請求項2に記載されたシリコン単結晶の引上げ方法では、インゴット25の引上げ中にボトムヒータ20の電力をインゴット25の単位引上げ長さに対して0.5〜2.0kW/mmの割合で上昇させると、上記請求項1と同様に、石英るつぼ13の中心に鉛直方向に上昇するシリコン融液12の第1対流12aの速度が急激に大きくなるので、石英るつぼ13からシリコン融液12に溶出した酸素は、石英るつぼ13の側壁内面に沿って上昇しシリコン融液12表面近傍を通るシリコン融液12の第2対流12bによりインゴット25に導入される量より、上記第1対流12aによりインゴット25に直接導入される量の方が急激に多くなる。この結果、インゴット25内の酸素濃度が低濃度から高濃度に変化する部分は極めて短くて済むので、インゴット25を有効利用できる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、更に図1に示すように、インゴット25の引上げ中であってボトムヒータ20を作動させたときからインゴット25を20〜100mm引上げている間に、ボトムヒータ20の電力を上記合計電力の25〜75%まで上昇させることを特徴とする。
この請求項3に記載されたシリコン単結晶の引上げ方法では、インゴット25内の酸素濃度が低濃度から高濃度に変化する部分を20〜100mmと短くしてインゴット25を有効利用できるとともに、インゴット25のボトム側の酸素濃度を所定の高い範囲に保持できる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、更に図1に示すように、インゴット25の引上げ中にチャンバ11内を流通する不活性ガスの流量をインゴット25の引上げ長さに対して0.1〜2.0リットル/(分・mm)の割合で減少させるとともに、チャンバ11内の圧力をインゴット25の引上げ長さに対して0.1〜1.0torr/mmの割合で上昇させることを特徴とする。
この請求項4に記載されたシリコン単結晶の引上げ方法では、チャンバ11内の不活性ガスの流量の急激な減少及び圧力の急激な上昇により、シリコン融液12の第2対流12bがシリコン融液12表面近傍を通るときに、液面から蒸発する酸素量が低下するので、インゴット25内の酸素濃度が低濃度から高濃度に変化する部分が更に短くなり、インゴット25を更に有効利用できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、シリコン単結晶の引上げ装置10のチャンバ11内には、シリコン融液12を貯留する石英るつぼ13が設けられ、この石英るつぼ13の外周面は黒鉛サセプタ14により被覆される。石英るつぼ13の下面は上記黒鉛サセプタ14を介して支軸16の上端に固定され、この支軸16の下部はるつぼ駆動手段17に接続される。るつぼ駆動手段17は図示しないが石英るつぼ13を回転させる第1回転用モータと、石英るつぼ13を昇降させる昇降用モータとを有し、これらのモータにより石英るつぼ13が所定の方向に回転し得るとともに、上下方向に移動可能となっている。石英るつぼ13の外周面は石英るつぼ13から所定の間隔をあけてサイドヒータ18により包囲され、このサイドヒータ18は保温筒19により包囲される。また石英るつぼ13の下面は石英るつぼ13の下面から所定の間隔をあけてボトムヒータ20が設けられる。サイドヒータ18及びボトムヒータ20は石英るつぼ13に投入された高純度のシリコン多結晶体を加熱・融解してシリコン融液12にする。
【0011】
またチャンバ11の上端には円筒状のケーシング21が接続される。このケーシング21には引上げ手段22が設けられる。引上げ手段22はケーシング21の上端部に水平状態で旋回可能に設けられた引上げヘッド(図示せず)と、このヘッドを回転させる第2回転用モータ(図示せず)と、ヘッドから石英るつぼ13の回転中心に向って垂下されたワイヤケーブル23と、上記ヘッド内に設けられワイヤケーブル23を巻取り又は繰出す引上げ用モータ(図示せず)とを有する。ワイヤケーブル23の下端にはシリコン融液12に浸してシリコン単結晶のインゴット25を引上げるための種結晶24が取付けられる。
【0012】
更にチャンバ11にはこのチャンバ11のインゴット側に不活性ガスを供給しかつ上記不活性ガスをチャンバ11のるつぼ内周面側から排出するガス給排手段28が接続される。ガス給排手段28は一端がケーシング21の周壁に接続され他端が上記不活性ガスを貯留するタンク(図示せず)に接続された供給パイプ29と、一端がチャンバ11の下壁に接続され他端が真空ポンプ(図示せず)に接続された排出パイプ30とを有する。供給パイプ29及び排出パイプ30にはこれらのパイプ29,30を流れる不活性ガスの流量を調整する第1及び第2流量調整弁31,32がそれぞれ設けられる。
【0013】
一方、引上げ用モータの出力軸(図示せず)にはエンコーダ(図示せず)が設けられ、るつぼ駆動手段17には支軸16の昇降位置を検出するエンコーダ(図示せず)が設けられる。2つのエンコーダの各検出出力はコントローラ(図示せず)の制御入力に接続され、コントローラの制御出力は引上げ手段22の引上げ用モータ及びるつぼ駆動手段17の昇降用モータにそれぞれ接続される。またコントローラにはメモリ(図示せず)が設けられ、このメモリにはエンコーダの検出出力に対するワイヤケーブル23の巻取り長さ、即ちインゴット25の引上げ長さが第1マップとして記憶される。また、メモリには、インゴット25の引上げ長さに対する石英るつぼ13内のシリコン融液12の液面レベルが第2マップとして記憶される。コントローラは、引上げ用モータにおけるエンコーダの検出出力に基づいて石英るつぼ13内のシリコン融液12の液面を常に一定のレベルに保つように、るつぼ駆動手段17の昇降用モータを制御するように構成される。
【0014】
インゴット25の外周面と石英るつぼ13の内周面との間にはインゴット25の外周面を包囲する熱遮蔽部材36が設けられる。この熱遮蔽部材36は筒状に形成されヒータ18からの輻射熱を遮る筒部37と、この筒部37の上縁に連設され外方に略水平方向に張り出すフランジ部38とを有する。上記フランジ部38を保温筒19上に載置することにより、筒部37の下縁がシリコン融液12表面から所定の距離だけ上方に位置するように、熱遮蔽部材36がチャンバ11内に固定される。この実施の形態における筒部37は同一直径の筒状体であり、この筒部37の下部には筒内の方向に膨出する膨出部41が設けられる。膨出部41の内部には、カーボン繊維からなるフェルト材を充填することにより形成されたリング状の蓄熱部材47が設けられる。
【0015】
このように構成された引上げ装置を用いてシリコン単結晶を引上げる方法を説明する。
先ず石英るつぼ13を所定の回転速度で回転させ、種結晶24を石英るつぼ13とは逆方向に所定の回転速度で回転させながら、シリコン融液12に浸した種結晶24を引上げることにより、インゴット25をシリコン融液12から引上げる。またインゴット25は、種結晶24に連続して引上げられるトップ側インゴット25aと、このトップ側インゴット25aに連続して引上げられるボトム側インゴット25bと、トップ側インゴット25aとボトム側インゴット25bの中間に位置しかつサイドヒータ18及びボトムヒータ20の電力が急激に変更される際に引上げられる中間インゴット25eとを有する。なお、中間インゴット25eはインゴット25の直胴部の任意の位置に設けられ、これによりトップ側インゴット25aとボトム側インゴット25bの長さは変化する。
【0016】
ここで、サイドヒータ18及びボトムヒータ20の合計電力はインゴット25の引上げ中ほぼ一定になるように調整する。具体的には、トップ側インゴット25aの引上げ時にはボトムヒータ20をオフした状態でサイドヒータ18のみを制御して石英るつぼ13の温度及びこの石英るつぼ13内のシリコン融液12の温度を調整する。そしてトップ側インゴット25aの引上げが完了したときにはサイドヒータ18及びボトムヒータ20をオンした状態で両ヒータ18,20を制御して石英るつぼ13の温度及びこの石英るつぼ13内のシリコン融液12の温度を調整する。
【0017】
インゴット25の直胴部の直径が200mmであり、上記トップ側インゴット25aの引上げが完了したときに、ボトムヒータ20の電力をインゴット25の単位引上げ時間に対して0.5〜2.0kW/分、好ましくは2.0kW/分の割合で上昇させるとともに、チャンバ11内の不活性ガスの流量をインゴット25の引上げ長さに対して0.1〜2.0リットル/(分・mm)、好ましくは0.5〜1.0リットル/(分・mm)の割合で減少させ、かつチャンバ11内の圧力をインゴット25の引上げ長さに対して0.1〜1.0torr/mm、好ましくは0.3〜1.0torr/mmの割合で上昇させる。またボトムヒータ20を作動させたときからインゴット25を20〜100mm引上げている間、即ち中間インゴット20eの引上げ中に、ボトムヒータ20の電力を上記合計電力の25〜75%、好ましくは40〜60%まで上昇させるとともに、チャンバ11内の不活性ガスの流量を20〜100リットル/分減少させ、かつチャンバ11内の圧力を10〜40torr上昇させる。
【0018】
ここで、トップ側インゴット25aの引上げが完了したときからのボトムヒータ20の電力の上昇割合を0.5〜2.0kW/分の範囲に限定したのは、0.5kW/分未満では中間インゴット25eが長くなって効率が悪くなり、2.0kW/分を越えるとシリコン融液12の温度変化が大きくなってインゴット25の直径変動や引上げ速度の変動が生じるからである。またトップ側インゴット25aの引上げが完了したときからのチャンバ11内の不活性ガスの流量の減少割合をインゴット25の引上げ長さに対して0.1〜2.0リットル/(分・mm)の範囲に限定したのは0.1リットル/(分・mm)未満では中間インゴット25eが長くなって効率が悪くなり、2.0リットル/(分・mm)を越えるとチャンバ11内の圧力の制御が困難になるからである。更にトップ側インゴット25aの引上げが完了したときからのチャンバ11内の圧力の上昇割合をインゴット25の引上げ長さに対して0.1〜1.0torr/mmの範囲に限定したのは、0.1torr/mm未満では中間インゴット25eが長くなって効率が悪くなり、1.0torr/mmを越えるとチャンバ11内の圧力の制御が困難になるからである。
【0019】
中間インゴット25eの引上げ中にボトムヒータ20の電力を上記合計電力の25〜75%の範囲まで上昇させたのは、25%未満ではボトム側インゴット25bの酸素濃度が所定濃度まで上昇せず、75%を越えるとサイドヒータ18の温度が低くシリコン融液12がその液面周辺部で固化してしまう場合があるからである。また中間インゴット25eの引上げ中にチャンバ11内の不活性ガスの流量の減少幅を20〜100リットル/分の範囲に限定したのは、20リットル/分未満では酸素濃度の上昇幅が小さく、100リットル/分を越えると下記のチャンバ11内の圧力の上昇と同時に行った場合にチャンバ11内の圧力の制御性が悪くなり、チャンバ11内にシリコン酸化物のベーパーが付着することがあるからである。更に中間インゴット25eの引上げ中にチャンバ11内の圧力の上昇幅を10〜40torrの範囲に限定したのは、10torr未満では酸素濃度の上昇幅が小さく、40torrを越えると上記の不活性ガスの減少と同時に行った場合にチャンバ11内の圧力の制御性が悪くなり、チャンバ11内にシリコン酸化物のベーパーが付着することがあるからである。
【0020】
上記方法でインゴット25を引上げたときの作用を説明する。
先ずトップ側インゴット25aの引上げ時には、ボトムヒータ20がオフし、サイドヒータ18のみがオンしているため、図1の破線で示す第1対流12a、即ち石英るつぼ13の中心に鉛直方向に上昇するシリコン融液12の対流の速度は小さく、二点鎖線で示す石英るつぼ13の側壁内面に沿って上昇するシリコン融液12の第2対流12bの速度は大きい。このため石英るつぼ13からシリコン融液12に溶出した酸素の大部分は第2対流12bにより運ばれるけれども、この酸素はシリコン融液12の液面近傍を通るときに蒸発するため、インゴット25に導入される酸素量は少ない。
【0021】
次にトップ側インゴット25aの引上げが完了すると、ボトムヒータ20をオンしてその電力を急激に上昇させると同時にサイドヒータ18の電力を急激に下降させるため、第1対流12aの速度が急激に大きくなるとともに、第2対流12bの速度が急激に小さくなる。このため石英るつぼ13からシリコン融液12に溶出した酸素は第2対流12bにより運ばれる量よりも第1対流12aにより運ばれる量の方が次第に多くなる。この結果、中間インゴット25e内の酸素濃度は低濃度から高濃度に急激に変化する。具体的には、中間インゴット25eの上下端の酸素濃度の差は0.2×1018〜0.5×1018atoms/cm3(旧ASTM)と大きくなる。
【0022】
更にシリコン融液12中の第1対流12a及び第2対流12bがほぼ定常状態になって、ボトム側インゴット25bの引上げに移行すると、第1対流12aの速度が大きい状態に保たれるとともに、第2対流12bの速度が小さい状態に保たれる。このため石英るつぼ13からシリコン融液12に溶出した酸素の大部分は第1対流12aによりインゴット25及びシリコン融液12の固液界面に直接運ばれるため、インゴット25に導入される酸素量は多い。この結果、ボトム側インゴット25b内の酸素濃度は高い値に保たれる。この結果、トップ側インゴット25aを低い酸素濃度を要求する顧客に供給し、ボトム側インゴット25bを高い酸素濃度を要求する別の顧客に供給することが可能となり、インゴット25のうち無駄になる部分はインゴット25の全長に対して短い中間インゴット25eだけであるので、インゴット25を有効利用でき、インゴット25の歩留まりを向上できる。
【0023】
なお、この実施の形態では、インゴット25の引上げ中にボトムヒータ20の電力をインゴット25の単位引上げ時間に対して0.5〜2.0kW/分の割合で上昇させたが、インゴット25の引上げ中にボトムヒータ20の電力をインゴット25の単位引上げ長さに対して0.5〜2.0kW/mmの割合で上昇させてもよい。この場合も、ボトムヒータ20を作動させたときからインゴット25を20〜100mm引上げている間に、ボトムヒータ20の電力を上記合計電力の25〜75%、好ましくは40〜60%まで上昇させる。ここで、インゴット25の引上げ中にボトムヒータの電力の上昇割合をインゴットの単位引上げ長さに対して0.5〜2.0kW/mmの範囲に限定したのは、0.5kW/mm未満では中間インゴット25eが長くなって効率が悪くなり、2.0kW/mmを越えるとシリコン融液12の温度変化が大きくなってインゴット25の直径変動や引上げ速度の変動が生じるからである。
【0024】
【実施例】
次に本発明の実施例について詳しく説明する。
<実施例1>
先ず図1に示す引上げ装置10を用いて直径及び全長がそれぞれ200mm及び1400mmであるインゴット25を引上げた。このときチャンバ11内のアルゴンガスの流量が130リットル/分となるように、かつチャンバ11内の圧力が30torrとなるように、第1及び第2流量調整弁31,32を調整した。
【0025】
インゴット25を1050mm引上げたときから、ボトムヒータ20の電力をインゴット25の単位引上げ時間に対して2kW/分の割合で上昇させた(図3の破線)。またインゴット25を1000〜1090mm引上げているときにチャンバ11内のアルゴンガスの流量を0.2リットル/(分・mm)の割合で減少させ、インゴット25を1090〜1150mm引上げているときにチャンバ11内のアルゴンガスの流量を0.83リットル/(分・mm)の割合で減少させた(図4)。更にチャンバ11内の圧力をインゴット25の引上げ長さに対して0.3torr/mmの割合で上昇させた(図5)。
【0026】
一方、ボトムヒータ20を作動させたときからインゴット25を50mm引上げている間、即ち中間インゴット20eの引上げ中に、ボトムヒータ20の電力を40kW(サイドヒータ18及びボトムヒータ20の合計電力の約50%)まで上昇させるとともに(図3の破線)、チャンバ11内のアルゴンガスの流量を60リットル/分まで減少させ(図4、減少幅70リットル/分)、かつチャンバ11内の圧力を48torrまで上昇させた(図5、上昇幅18torr)。このようにして引上げられたインゴットを実施例1とした。
【0027】
<試験及び評価>
上記実施例1のインゴットの酸素濃度を測定した。その結果を図3の実線で示す。
図3から明らかなように、インゴット内の酸素濃度が低濃度から高濃度に急激に変化する部分、即ち中間インゴットの長さは100mmと短くなり、トップ側インゴットは抵抗率の低いウェーハの製作を可能とする低酸素濃度のインゴットを要求する顧客の要望を満たしたものとなり、ボトム側インゴットは抵抗率の高いウェーハの作製を可能とする高酸素濃度を要求する顧客の要望を満たしたものとなった。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、インゴットの直径が200mmであり、インゴットの引上げ中にボトムヒータの電力をインゴットの単位引上げ時間に対して0.5〜2.0kW/分の割合で上昇させたので、石英るつぼの中心に鉛直方向に上昇するシリコン融液の第1対流の速度が急激に大きくなる。これにより石英るつぼからシリコン融液に溶出した酸素は、石英るつぼの側壁内面に沿って上昇するシリコン融液の第2対流によりシリコン融液表面近傍を通ってインゴットに導入される量より、上記第1対流により直接インゴットに導入される量の方が急激に多くなるので、インゴット内の酸素濃度が低濃度から急激に高濃度に変化する部分は極めて短くて済む。この結果、インゴットを有効利用できるので、インゴットの歩留まりを向上できる。
またインゴットの引上げ中にボトムヒータの電力をインゴットの単位引上げ長さに対して0.5〜2.0kW/mmの割合で上昇させても、上記と同様の効果が得られる。
【0029】
またサイドヒータ及びボトムヒータの合計電力をインゴットの引上げ中ほぼ一定になるように調整し、インゴットの引上げ中であってボトムヒータを作動させたときからインゴットを20〜100mm引上げている間に、ボトムヒータの電力を上記合計電力の25〜75%まで上昇させれば、インゴット内の酸素濃度が低濃度から高濃度に変化する部分を20〜100mmと短く抑えてインゴットを有効利用できるとともに、インゴットのボトム側の酸素濃度を所定の高い範囲に保持できる。
更にインゴットの引上げ中にチャンバ内を流通する不活性ガスの流量をインゴットの引上げ長さに対して0.1〜2.0リットル/(分・mm)の割合で減少させるとともに、チャンバ内の圧力をインゴットの引上げ長さに対して0.1〜1.0torr/mmの割合で上昇させれば、シリコン融液の第2対流がシリコン融液表面近傍を通るときに液面から蒸発する酸素量が低下するので、インゴット内の酸素濃度の低濃度から高濃度への変化割合が大きくなる。この結果、インゴットを更に有効利用できるので、インゴットの歩留まりを更に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に使用する引上げ装置の断面構成図。
【図2】その装置により引上げられるインゴットを示す図。
【図3】そのインゴットの引上げ方向における酸素濃度の変化と、そのインゴットの引上げ中のボトムヒータの電力の変化を示す図。
【図4】そのインゴットの引上げ中のアルゴンガスの流量の変化を示す図。
【図5】そのインゴットの引上げ中のチャンバ内圧力の変化を示す図。
【符号の説明】
11 チャンバ
12 シリコン融液
13 石英るつぼ
18 サイドヒータ
20 ボトムヒータ
25 インゴット

Claims (4)

  1. チャンバ(11)内にシリコン融液(12)を貯留する石英るつぼ(13)を設け、前記石英るつぼ(13)の外周面に対向してサイドヒータ(18)を設け、前記石英るつぼ(13)の下面に対向してボトムヒータ(20)を設け、前記サイドヒータ(18)及び前記ボトムヒータ(20)の電力をそれぞれ制御しながら、前記シリコン融液(12)からシリコン単結晶インゴット(25)を引上げる方法において、
    前記サイドヒータ(18)及び前記ボトムヒータ(20)の合計電力を前記シリコン単結晶インゴット(25)の引上げ中ほぼ一定になるように調整し、
    前記シリコン単結晶インゴット(25)の直径が200mmであり、前記シリコン単結晶インゴット(25)の引上げ中に前記ボトムヒータ(20)の電力を前記シリコン単結晶インゴット(25)の単位引上げ時間に対して0.5〜2.0kW/分の割合で上昇させることを特徴とするシリコン単結晶の引上げ方法。
  2. チャンバ(11)内にシリコン融液(12)を貯留する石英るつぼ(13)を設け、前記石英るつぼ(13)の外周面に対向してサイドヒータ(18)を設け、前記石英るつぼ(13)の下面に対向してボトムヒータ(20)を設け、前記サイドヒータ(18)及び前記ボトムヒータ(20)の電力をそれぞれ制御しながら、前記シリコン融液(12)からシリコン単結晶インゴット(25)を引上げる方法において、
    前記サイドヒータ(18)及び前記ボトムヒータ(20)の合計電力を前記シリコン単結晶インゴット(25)の引上げ中ほぼ一定になるように調整し、
    前記シリコン単結晶インゴット(25)の直径が200mmであり、前記シリコン単結晶インゴット(25)の引上げ中に前記ボトムヒータ(20)の電力を前記シリコン単結晶インゴット(25)の単位引上げ長さに対して0.5〜2.0kW/mmの割合で上昇させることを特徴とするシリコン単結晶の引上げ方法。
  3. リコン単結晶インゴット(25)の引上げ中であってボトムヒータ(20)を作動させたときから前記シリコン単結晶インゴット(25)を20〜100mm引上げている間に、前記ボトムヒータ(20)の電力を合計電力の25〜75%まで上昇させる請求項1又は2記載のシリコン単結晶の引上げ方法。
  4. シリコン単結晶インゴット(25)の引上げ中にチャンバ(11)内を流通する不活性ガスの流量を前記シリコン単結晶インゴット(25)の引上げ長さに対して0.1〜2.0リットル/(分・mm)の割合で減少させるとともに、前記チャンバ(11)内の圧力を前記シリコン単結晶インゴット(25)の引上げ長さに対して0.1〜1.0torr/mmの割合で上昇させる請求項1ないし3いずれか記載のシリコン単結晶の引上げ方法。
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