JPH09202685A - 単結晶引き上げ装置 - Google Patents

単結晶引き上げ装置

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JPH09202685A
JPH09202685A JP768796A JP768796A JPH09202685A JP H09202685 A JPH09202685 A JP H09202685A JP 768796 A JP768796 A JP 768796A JP 768796 A JP768796 A JP 768796A JP H09202685 A JPH09202685 A JP H09202685A
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JP
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crucible
heater
single crystal
layer
heat shield
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Application number
JP768796A
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English (en)
Inventor
Manabu Nishimoto
学 西元
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Sitix Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より溶融層法による単結晶の引き上げを
行う際に、固体層14を迅速に形成するため、2段のヒ
ータを使用する方法、2段のヒータの間に熱遮断板を挿
入する方法、保温筒からの輻射熱を遮断するために輻射
熱遮断体を設置する方法等が開示されているが、いずれ
の方法も固体層を十分迅速に形成するのが難しかった。 【解決手段】 ヒータ12の下方5〜200mmの距離
に、高さが10〜500mmで、内壁がヒータ12の外
側面より内側に位置する、断熱材を有する熱遮断物21
が配設されている単結晶引き上げ装置を使用し、固体層
14の形成及び単結晶18の引き上げを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単結晶引き上げ装置
に関し、より詳細には半導体材料として使用される高品
質のSi単結晶を引き上げることができる単結晶引き上
げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶を成長させるには種々の方法があ
るが、その代表的な方法の一つにチョクラルスキー法
(以下、CZ法と記す)がある。図4は従来のCZ法に
用いられる単結晶引き上げ装置を模式的に示した断面図
であり、図中41は坩堝を示している。
【0003】この坩堝41は、有底円筒形状の石英製の
内層保持容器41aと、この内層保持容器41aの外側
に嵌合された同じく有底円筒形状の黒鉛製の外層保持容
器41bとから構成されており、坩堝41は図中の矢印
方向に所定の速度で回転する支持軸48に支持されてい
る。この坩堝41の外側には抵抗加熱式のヒータ42
が、ヒータ42の外側には保温筒47が、それぞれ同心
円状に配置されており、坩堝41内にはこのヒータ42
により溶融させた結晶用原料の溶融液43が充填される
ようになっている。また、坩堝41の中心軸上には引き
上げ棒あるいはワイヤー等からなる引き上げ軸44が吊
設されており、この引き上げ軸44の先にシードチャッ
ク44aを介して取り付けられた種結晶45を溶融液4
3の表面に接触させ、支持軸48と同一軸心で同方向ま
たは逆方向に所定の速度で回転させながら引き上げ軸4
4を引き上げることにより、溶融液43を凝固させて単
結晶46を成長させるようになっている。
【0004】ところで、半導体からなる単結晶46をC
Z法で引き上げる場合、単結晶46の電気抵抗率や電気
伝導型を調整するために、引き上げ前に溶融液43中に
リン等の不純物を添加することが多い。しかし通常のC
Z法においては、単結晶46と溶融液43との間に生じ
るいわゆる偏析現象に起因して、単結晶46の成長軸方
向に均一な電気抵抗率を有する単結晶46が得られない
という問題があった。
【0005】前記偏析現象とは、溶融液43が凝固して
単結晶46が成長する際に、単結晶46と溶融液43と
の界面において単結晶46中に取り込まれる不純物濃度
と溶融液43中の不純物濃度とが一致しないことをいう
が、実効偏析係数Ke(単結晶中46の不純物濃度/溶
融液43中の不純物濃度)は1より小さくなる場合が多
い。この場合、単結晶46が成長するとともに前記偏析
現象のために溶融液43中の不純物濃度が次第に高くな
るので、単結晶46中の不純物濃度も次第に高くなり、
電気抵抗が小さくなってくる。従って前記の方法で引き
上げた単結晶46には、一部電気抵抗率に関し基準を満
たさないものが製造されてしまい、歩留まりが低くな
る。
【0006】そこで、上記した偏析現象の発生に起因し
た歩留まりの低下を防止し、電気抵抗率に関する歩留ま
りを上げることを目的とした単結晶引き上げ方法として
溶融層法が開発されている。
【0007】図5は、前記溶融層法に用いられる単結晶
引き上げ装置を模式的に示した断面図である。この溶融
層法の基本的な特徴は、図4に示したものとほぼ同様に
構成された坩堝11内の結晶用原料をヒータ12で一旦
溶融させた後、上層に溶融層13を、下層に固体層14
を形成し、単結晶18の成長とともに、固体層14を次
第に溶出させることによって、溶融層13中の不純物濃
度を一定に保つことにある。
【0008】本装置では、図示したような長さの短いヒ
ータ12を使用しているので、ヒータ12を通電する前
に、先ず支持軸20の昇降機構を働かせてヒータ12が
結晶用原料を全て溶融させるのに最も効率的な位置に坩
堝11を移動させる。次に、ヒータ12に通電すること
により結晶原料を全て溶融させ、その後再び支持軸20
の昇降機構を働かせて、ヒータ12が坩堝11の上部に
位置するように坩堝11を移動させるとともに、ヒータ
パワーを調整して、下層に固体層14を形成する。この
単結晶引き上げ装置において、ヒータ12以外の部材の
構成は前記CZ法に用いられる装置とほぼ同様であり、
上記した部分を除いて単結晶18の引き上げ方法もCZ
法による引き上げ方法とほぼ同様である。
【0009】前記溶融層法において、溶融層13中の不
純物濃度を一定に保つ方法として大別して二つの方法が
提案されている。すなわち溶融層13の体積(深さ)を
一定に保つ溶融層厚一定法と、溶融層13の体積(深
さ)を変化させる溶融層厚変化法とである。
【0010】前記溶融層厚一定法には、不純物を含有し
ない固体層14を単結晶18の引き上げに伴って溶融さ
せつつ、溶融層13の体積を一定に保ち、溶融層13に
は不純物を連続的に添加して溶融層13中の不純物濃度
を一定に保つ方法があり、特公昭44−8242号公
報、特公昭62−880号公報及び実公平3−7405
号公報等に前記した方法が開示されている。また、固体
層14中に先に不純物を含有させておき、不純物を溶融
層13には添加せず、単結晶18の引き上げ中における
溶融層13の体積を一定に保ち、溶融層13の不純物濃
度をほぼ一定に保つ方法が、特公昭62−880号公報
及び特開昭63−252989号公報に開示されてい
る。
【0011】前記溶融層厚変化法は、意図的に溶融層1
3の体積を変化させることにより、単結晶18の引き上
げ中に不純物を添加することなく溶融層13中の不純物
濃度を一定に保つ方法であり、特開昭61−20569
1号公報、特開昭61−205692号公報及び特開昭
61−215285号公報に開示されている。
【0012】なお、上記した二つの溶融層法において、
溶融層13の厚さの制御は、例えば発熱体としてのヒー
タ12の個数、長さ、パワー、坩堝11の位置、ヒータ
12の外側に周設され、坩堝11下部の熱移動を抑制す
る保温筒19aの形状及び材質等を適切に選択すること
により行われる。
【0013】以上のように、溶融層法では溶融層13中
の不純物濃度をほぼ一定に保つことができるので、従来
の電気抵抗率の変化に起因する歩留まりの低下を防止す
ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、半導体ウエハ
製造用のシリコン単結晶は、生産コストを低減するため
に大型化される傾向にあり、使用される坩堝11もそれ
につれて内径が大きくなる傾向にある。そのため、結晶
用原料を坩堝11内に溶融させると、液面の面積が大き
く、深さの浅い溶融液の層が形成される。従って、前記
溶融層法による単結晶引き上げを行おうとすると、坩堝
11の底面付近に形成する固体層14の厚さも薄いもの
とならざるを得ず、固体層14の形成自体が難しくなっ
てくるという課題があった。
【0015】特開平5−21472号公報には固体層の
形成を容易にする単結晶引き上げ装置が開示されてい
る。図6は前記公報に記載された単結晶引き上げ装置を
示した断面図である。
【0016】この単結晶引き上げ装置では、坩堝11内
の結晶用原料を2段のヒーター12a、12bを用いて
溶融させた後、下段のヒータ12bの通電を止めること
により固体層14を形成し、この後2段のヒーター12
a、12bのパワーをコントロールすることにより、固
体層14の溶出量を制御しつつ単結晶18の引き上げを
行う。前記方法により従来の装置よりも効率的に固体層
14を形成することができるが、一旦加熱された下段の
ヒータ12bはすぐには温度が低下しないため、迅速に
固体層14を形成することができるとは言えなかった。
【0017】そこで、特開平6−85365号公報に
は、2段のヒータの間に熱遮断板が出入り可能に配設さ
れた単結晶引き上げ装置が開示されている。この単結晶
引き上げ装置によれば、坩堝内の結晶用原料を全量溶融
させた後、熱遮断板を上段のヒータと、下段のヒータと
の間に挿入することにより、固体層の形成速度を速める
ことができる。
【0018】しかし、前記単結晶引き上げ装置において
は、円周側面方向から熱遮断板を挿入するため、前記熱
遮断板を挿入するための機構が非常に複雑になるという
問題があった。
【0019】また、特開平3−12389号公報には、
ヒータの下方に主として保温筒からの輻射熱を遮断する
目的で輻射熱遮断体が配設された単結晶引き上げ装置が
開示されている。前記装置を用いることにより固体層が
従来の場合よりも速く形成される。しかし、前記公報に
開示された輻射熱遮断体は、保温筒からの輻射熱を遮断
する目的で設置されているため、Mo又はW製の板状体
を縦に配設したものであり、輻射熱遮断体によりヒータ
からの放射熱を直接遮断する効果は期待できず、この場
合にも迅速に固体層14を形成することができるとは言
えなかった。
【0020】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、坩堝内の結晶用原料を溶融させた後、ヒータから坩
堝の下部へ放射される放射熱を遮断することにより、坩
堝の底部に固体層を迅速に形成することが可能な単結晶
引き上げ装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係る単結晶引き上げ装置(1)
は、坩堝及び該坩堝上部の周囲に配設されたヒータを備
えた単結晶引き上げ装置において、前記ヒータの下方5
〜200mmの距離に、高さが10〜500mmで、内
壁が前記ヒータの外側面より内側に位置する熱遮断物が
配設されていることを特徴としている。
【0022】上記単結晶引き上げ装置(1)によれば、
ヒータが坩堝内の結晶用原料を全量溶融させるのに適切
な位置になるように坩堝を移動させて結晶用原料を効率
良く溶融させた後、さらにヒータが坩堝の上部に位置す
るように坩堝を移動させることにより、坩堝の下部へ放
射される放射熱を前記熱遮断物で遮断することができ、
固体層を迅速に形成することができる。
【0023】本発明に係る単結晶引き上げ装置(2)
は、上記単結晶引き上げ装置(1)において、熱遮断物
が上下方向に移動可能に設置されていることを特徴とし
ている。
【0024】上記単結晶引き上げ装置(2)によれば、
ヒータによる坩堝内の結晶用原料の溶融は、前記熱遮断
物をチャンバの下部に位置させた状態で行えるので、前
記熱遮断物に邪魔されずに結晶用原料を効率よく加熱、
溶融させることができ、一方固体層の形成は、前記熱遮
断物をヒータの下部近傍に移動させた状態で行えるの
で、坩堝の下部へ放射される放射熱を前記熱遮断物で遮
断することができ、固体層を迅速に形成することができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ装置の実施の形態(1)について説明する。
【0026】図1は実施の形態(1)に係る単結晶引き
上げ装置を模式的に示した断面図であり、図2は前記単
結晶引き上げ装置における熱遮断物21の付近を模式的
に示した拡大断面図である。該単結晶引き上げ装置は保
温壁19aに配設された熱遮断物21を除いて図5に示
した従来の単結晶引き上げ装置と同様に構成されてお
り、単結晶18の引き上げ方法もほぼ同様であるので、
ここではこれらについての詳細な説明は省略し、熱遮断
物21の構成及びこの熱遮断物21を利用して固体層1
4を形成するまでの工程について説明する。
【0027】図2に示したように、ヒータ12の下面と
熱遮断物21の上面との距離をLとし、熱遮断物21の
高さをHとし、ヒータ12の外側面の延長線と熱遮断物
21の内壁の延長線との距離をRとすると、Lは5〜2
00mmの範囲とし、Hは断熱材の種類にもよるが、通
常、10〜500mmの範囲とする。また、Rは0mm
を超えた値とし、20mm以上がより好ましいが、坩堝
11を移動させる際に熱遮断物21の内壁が坩堝11の
側面とぶつからないような位置にする必要がある。
【0028】ヒータ12の下面と熱遮断物21の上面と
の距離Lが5mmよりも小さいと、ヒータ12と熱遮断
物21が接触する虞れが生じ、また結晶用原料を溶融さ
せる際、ヒータ12の放射熱が下方に届きにくく、他方
Lが200mmを超えると熱遮断物21による熱遮断効
果が弱くなる。
【0029】熱遮断物21の高さHが10mm未満であ
ると、熱遮断物21の厚さが薄すぎるため熱遮断物21
による断熱効果が弱く、他方Hが500mmを超える
と、熱遮断物21により坩堝11の下部付近を保温して
しまう結果となり、坩堝11下部からの抜熱が進みにく
くなり固体層14の形成を妨げる。
【0030】ヒータ12の外側面よりも熱遮断物21の
内壁が外側にあると、熱遮断物21による坩堝11下部
への断熱効果が生じない。
【0031】熱遮断物21はヒータ12の下方の周囲全
体に配設する必要があり、その形状はリング状であるの
が好ましい。熱遮断物21の断面形状は特に限定されな
いが、作製の容易さから言って断面形状が矩形のものが
好ましい。また熱遮断物21は、内部に断熱部材21b
が配置され、外周部が耐熱部材21aで被覆された構成
となっている。内部を構成する断熱部材21bは、熱伝
導率が低く、ヒータ12の熱を効率的に遮断できるもの
が好ましく、その具体例としては、例えばカーボンファ
イバ、ロックウール等が挙げられるが、断熱部材21b
の密度は0.1〜0.5g/cm3 程度が好ましい。ま
た外周部を構成する耐熱部材21aの具体例としては、
例えばグラファイト等のカーボン材が挙げられるが、そ
の厚さは3〜10mmが好ましい。
【0032】この熱遮断物21はその周囲に配設される
保温壁19aと一体的に形成されていてもよく、保温壁
19a表面に熱遮断物21が配設されたものでもよい。
熱遮断物21の配設は通常接着により行うが、接着方法
は炭化し易い樹脂等を接着剤として塗布、接着し、その
後前記接着剤を還元性雰囲気で高温処理することにより
炭化、接着させる方法等が挙げられる。
【0033】次に、本実施の形態に係る単結晶引き上げ
装置を用いた固体層14の形成方法について説明する。
【0034】坩堝11内の結晶用原料を溶融させるまで
は、図5に示した単結晶引き上げ装置を用いた溶融層法
による場合とほぼ同様であるが、ヒータ12の下方に熱
遮断物21が形成されているので、そのような状態でも
坩堝11内の結晶用原料の全体が溶融し易いヒータ12
位置としておく必要がある。この場合、従来よりもヒー
タ12が坩堝11に対して下部になるように坩堝11を
移動させておくのが好ましい。
【0035】坩堝11内の結晶用原料を全て溶融させた
後固体層14を形成するが、この場合も従来の場合とほ
ぼ同様に、ヒータ12が坩堝11の上部に位置するよう
に坩堝11を移動させる。このとき、ヒータ12の下方
には熱遮断物21が存在するので、従来の場合よりも迅
速に固体層14が形成される。その後は、従来の場合と
同様の方法で単結晶18を引き上げる。
【0036】次に、本発明に係る単結晶引き上げ装置の
実施の形態(2)について説明する。
【0037】図3は実施の形態(2)に係る単結晶引き
上げ装置を模式的に示した断面図である。この単結晶引
き上げ装置は、熱遮断物昇降装置25が付設されている
他は、図5に示した従来の単結晶引き上げ装置とほぼ同
様の構成であるので、ここでは単結晶引き上げ装置自体
の詳しい説明は省略し、熱遮断物昇降装置25及び熱遮
断物昇降装置25を用いた固体層14の形成方法につい
てのみ説明する。
【0038】この熱遮断物昇降装置25は支持棒27の
上端に固定された熱遮断物26を、結晶用原料を溶融さ
せる際と、固体層14を形成する際とで別の位置に移動
させ、迅速に固体層14を形成するための装置である。
【0039】熱遮断物26はチャンバ下壁22aに形成
された貫通孔22bに挿通された支持棒27の上端に固
定されており、支持棒27の下端は昇降板28の中央部
分に昇降板28に対して垂直に固定されている。そし
て、チャンバ22内の気密を保つために支持棒27が挿
通された貫通孔22bはO−リング35により気密に封
止されている。支持棒27の下端に固定された昇降板2
8の図中左右の端部近傍にはネジ溝を有する貫通孔28
aが形成され、この左右の貫通孔28aに2本のネジ棒
30が平行状態で螺合されている。また、この2本のネ
ジ棒30の上端及び下端には、ネジ棒30を摺動可能な
状態で支持するために支持板29が配設されている。さ
らに詳細に説明すると、この2つの支持板29の左右の
端部付近には2つの穴29aが形成され、この穴29a
に潤滑剤を介し、2本のネジ棒30が平行な状態で回転
自在に嵌合されている。なお、支持棒27は上側に配設
された支持板29の中央部分に形成された貫通孔29b
をも挿通した状態で昇降板28に固定されている。
【0040】一方、支持板29により支持された2本の
ネジ棒30のうち、右側のネジ棒30の下部には1個の
プーリ32がはめ込まれて固定され、左側のネジ棒30
の下部には2個のプーリ32がはめ込まれて固定され、
この左右のネジ棒30に固定された1個のプーリ32同
士がベルト31により連結され、このベルト31による
連結で、左側のネジ棒30が回転すれば、右側のネジ棒
30も同一速度で回転するようになっている。また、左
側のネジ棒30に固定されたもう1個のプーリ32も、
減速器33に固定されたプーリ32とベルト31により
連結され、減速器33の回転が左側のネジ棒30に伝わ
るようになっている。さらにこの減速器33はモータ3
4に接続されている。
【0041】従って、モータ34を回転させれば減速器
33が回転し、この減速器33の回転がプーリ32及び
ベルト31を介して左右のネジ棒30に伝わり、この左
右のネジ棒30の回転につれてネジ棒30に螺合された
昇降板28が上下動することになる。また、この昇降板
28の上下動により、昇降板28に支持された支持棒2
7が上下動し、支持棒27の上端に固定された熱遮断物
26も上下動することになる。以上のような熱遮断物昇
降装置25の機構により、モータ34の回転方向を制御
した状態で回転させることにより熱遮断物26を上下方
向に移動させることができる。
【0042】熱遮断物26の材質は実施の形態(1)の
場合と同様でよく、その内壁の位置(R)、及び高さ
(実施の形態(1)の場合の高さ(H)に相当)も実施
の形態(1)の場合と同様でよい。
【0043】次に、本実施の形態に係る単結晶引き上げ
装置を用いた固体層14の形成方法について説明する。
【0044】まず、熱遮断物昇降装置25を用いて、熱
遮断物26をチャンバ22下部まで移動させる。すなわ
ち、モータ34の回転方向を制御することにより、ネジ
棒30の回転方向を制御して昇降板28を下降させ、熱
遮断物26をチャンバ22の下部に位置させる。
【0045】次に、実施の形態(1)の場合と同様にし
て結晶用原料を溶融させ、その後坩堝11を移動させて
ヒータ12が坩堝11の上部に位置するようにする。次
に、モータ34を前記の場合と反対の方向に回転させ、
昇降板28を上昇させることにより熱遮断物26をヒー
タ12の直下の位置に移動させる。熱遮断物26をヒー
タ12の直下に移動させることによりヒータ12の下方
向への放射熱が遮断され、坩堝11の下部が迅速に冷却
され、これにより固体層14が迅速に形成される。この
後、実施の形態(1)の場合と同様にして、単結晶18
を引き上げる。
【0046】
【実施例及び比較例】本実施例では、図1に示した単結
晶引き上げ装置で、熱遮断物21の形状(L,H,R)
を下記の表1に示したような値に変化させたものを用
い、溶融層法により単結晶の引き上げを行った。なお、
耐熱部材21aの厚みは3mmである。
【0047】用いた坩堝11の石英製内層保持容器11
aは、その内径を558mm(22インチ)、高さを3
55mm(14インチ)、その厚みを7.0mmとし、
抵抗加熱式のヒータ12は、その内径を650mm、外
径を700mm、高さを150mmとした。
【0048】次に、単結晶の引き上げを行う際に用いる
結晶用原料の多結晶シリコンの重量を110kgとし、
実効分配係数が0.35であるリン(P)を添加した。
また、結晶用原料を全部溶融させた後固体層14を形成
し、固体層14の厚みが一定になったことを確認した
後、固体層14の厚みを測定した。固体層14厚みの測
定方法は、シードチャック16に寸法測定用の印を付け
た石英製のパイプを取り付け、この引き上げ軸15を降
下させ、石英パイプを固体層14にあたるまで降ろし、
浸漬された石英パイプ及び引き上げ軸15の長さより溶
融層13の深さを求め、固体層14の厚さを算出した。
【0049】次に、単結晶18引き上げの条件を説明す
ると、単結晶引き上げの速度は0.5mm/分で行い、
引き上げ軸を15rpmの速度で、坩堝11を8rpm
の速度で反対方向に回転させ、203mm(8インチ)
の直径の単結晶18を300mmの長さになるまで引き
上げ、この引き上げられた単結晶18を用いて電気抵抗
率偏差(%)及び平均酸素濃度(atom/cm3 )を
求めた。なお、単結晶引き上げ装置の内部は、結晶用原
料を坩堝11に投入した後、単結晶引き上げが完了する
まで、圧力を1333Ps、Ar流量を30リットル/
分になるように保った。
【0050】まず、電気抵抗率偏差の求め方について説
明する。引き上げた単結晶18を輪切り状態に割断し、
得られたディスク状の単結晶18につき、結晶中心軸に
沿って、結晶長さが50〜300mmの位置まで50m
mのピッチで電気抵抗率(R)を測定した。次に、得ら
れた電気抵抗率(R)を用いて、相加平均値(Rmean
を算出し、下記の数1式に従って電気抵抗偏差を求め
た。ただし、下記の数1式中、Rmax は測定した電気抵
抗率の中での最大値を示し、Rmin は測定した電気抵抗
率の中での最小値を示す。
【0051】
【数1】電気抵抗偏差(%)=(Rmax −Rmin )×1
00/Rmean 前記数1式により求められた電気抵抗率偏差は単結晶1
8の歩留まりに関わるものであり、電気抵抗率偏差が1
0%以内のものはほぼ全てを製品として使用できるので
良として「」で示し、電気抵抗率偏差が10%を超える
ものは歩留まりを落とすので劣性品として「×」で示し
た。
【0052】次に、平均酸素濃度については、電気抵抗
率の測定に用いたものと同様のサンプルを用い、赤外吸
収法により酸素濃度を測定し、これらの値の相加平均値
を求めて平均酸素濃度とした。
【0053】熱遮断物21の寸法を下記の表1に、初期
固体層の厚さ(mm)、電気抵抗率偏差(%)と良否に
ついての判定結果及び平均酸素濃度を下記の表1及び表
2に示している。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】上記表1及び表2に示した実施例及び比較
例の場合の条件及び結果より明らかなように、熱遮断物
21の内壁がヒータ12の外側面より外側に位置してい
るもの(Rの値が−のもの)については、固体層14の
厚さの薄いものしか形成されておらず、引き上げられた
単結晶18の特性も劣るのに対し、熱遮断物21の内壁
がヒータ12の外側面より内側に位置しているもの(R
の値が+のもの)については、形成される固体層14の
厚さも厚く、引き上げられた単結晶18の特性も優れて
いる。十分厚い固体層14を形成するためには、Rが2
0mm以上あることが好ましい。
【0057】また、ヒータ12下面と熱遮断物21上面
との距離Lについては、その値が20mmであるもの、
及び100mmであるものについては、十分厚い固体層
14が形成されているが、その値が250mmになる
と、熱遮断物21による放射熱遮断の効果が発揮され
ず、薄い固体層14しか形成されず、引き上げられた単
結晶18の特性も劣っている。
【0058】さらに、熱遮断物21の高さHについて
は、その値が40mm、及び200mmであるものにつ
いては、十分厚い固体層14が形成され、引き上げられ
た単結晶18の特性も優れているのに対し、Hの値が8
mmと小さすぎるか、又は600mmと大きすぎるもの
については、形成される固体層14の厚さは薄く、引き
上げられた単結晶18の特性も劣る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る単結晶引き上げ装置
を模式的に示した断面図である。
【図2】図1に示した実施の形態に係る単結晶引き上げ
装置の熱遮断物付近を拡大して模式的に示した拡大断面
図である。
【図3】別の実施の形態に係る単結晶引き上げ装置を模
式的に示した断面図である。
【図4】従来のCZ法による単結晶引き上げ装置を模式
的に示した断面図である。
【図5】1段のヒータが装備された従来の溶融層法によ
る単結晶引き上げ装置を模式的に示した断面図である。
【図6】2段のヒータが装備された従来の溶融層法によ
る単結晶引き上げ装置を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
11 坩堝 12 ヒータ 21、26 熱遮断物 25 熱遮断物昇降装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坩堝及び該坩堝上部の周囲に配設された
    ヒータを備えた単結晶引き上げ装置において、前記ヒー
    タの下方5〜200mmの距離に、高さが10〜500
    mmで、内壁が前記ヒータの外側面より内側に位置する
    熱遮断物が配設されていることを特徴とする単結晶引き
    上げ装置。
  2. 【請求項2】 熱遮断物が上下方向に移動可能に設置さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の単結晶引き上
    げ装置。
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