JP4302569B2 - 食用酢用安定剤及び食用酢 - Google Patents

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本発明は、食用酢用安定剤、食用酢用安定剤を含有する食用酢及び食用酢の安定化方法に関する。より詳細には、食用酢、特には酢飲料を調製する時、又は保存した際に生じる濁りや沈殿現象を有意に抑制し、かつ、風味に悪影響を及ぼさないか、又は風味をまろやかにする食用酢用安定剤及び当該安定剤を配合した食用酢に関する。更には、食用酢の濁りを抑制する、沈殿を抑制するといった食用酢を安定化する方法に関するものである。
ここ最近健康食品として飲用されている「もろみ酢」、「黒酢」、「りんご酢」に代表される食用酢は、アミノ酸、有機酸、ビタミン類、ミネラルが豊富で、疲労回復や血圧降下などに効果があるとされており、種々のカリウム含量が一定以上の黒酢もろみ酢、高甘味度甘味料及び黒酢を含有する低カロリー黒酢飲料、茶材に酒類及び酸発酵乳を混和し、熟成して得られる熟成茶材から得られた水抽出液を含有する食酢などの酢飲料が検討なされている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3など)。しかし、これらの酢飲料は、ミネラル分を高濃度の含有させたり、更には、酸味や刺激臭のマスキング、酢カドの低減といった呈味改善を目的としたりしているものである。
食用酢は、調製時や保存した際に、有機酸やミネラル等の成分が液を濁らせたり、沈殿を生じさせたりする場合がある。特に、飲用に供する場合は、密封容器に充填して殺菌工程を採るが、このような酢飲料については、液の濁りなどが起こりやすくなる傾向があり、解決策が求められていた。
特開2002−10773号公報 特開2002−335924号公報 特開2003−24042号公報
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、食用酢、特には飲用に供する密封容器入り酢飲料における、濁り、沈殿を抑制し、飲料の風味に悪影響を及ぼさないか、又は食用酢独特の風味をまろやかにする食用酢用安定剤及び該安定剤を含有する食用酢を提供し、また食用酢の濁りや沈殿を抑制することができる食用酢の安定化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、食用酢用安定剤として、水溶性ヘミセルロースを食用酢に添加することにより、食用酢、特には飲用に供する密封容器入り酢飲料において問題となっていた濁り、沈殿を抑制することを見いだした。更に付随する効果として、経時変化による劣化が抑制され、更には風味に悪影響を及ぼさないか、または風味をまろやかにできることを見いだした。
また、増粘多糖類、乳化剤及びカゼインナトリウムから選ばれる1種以上を、水溶性ヘミセルロースを含む食用酢用安定剤を加えることにより、より効果的に、濁りや沈殿を抑制することを見いだし、本発明に到った。
すなわち、本発明の密封容器入り食用酢用安定剤には、下記項1〜項5の態様が含まれる;
項1.水溶性ヘミセルロースを含むことを特徴とする食用酢用安定剤。
項2.食用酢が飲用に供するものである、項1に記載の食用酢用安定剤。
項3.更に、増粘多糖類、乳化剤及びカゼインナトリウムから選ばれる1種以上を含む、項1又は2に記載の食用酢用安定剤。
項4.増粘多糖類が、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、ジェランガム、カルボキシルメチルセルロース及び発酵セルロースから選ばれる1種又は2種以上である、項3に記載の食用酢用安定剤。
項5.乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン、ステアロイル乳酸塩及びポリソルベートから選ばれる1種又は2種以上である、項3に記載の食用酢用安定剤。
また、本発明は下記項7及び8に掲げる密封容器入り食用酢である;
項6.請求項1乃至5のいずれかに記載の食用酢用安定剤を添加した食用酢。
項7.食用酢が飲用に供するものである請求項6に記載の食用酢。
項8.水溶性ヘミセルロースの食用酢に対する添加量が0.001〜0.5重量%である、項6又は7に記載の食用酢。
項9.密封容器入りである項6乃至8のいずれかに記載の食用酢。
また、本発明は、下記項9に記載の密封容器入り食用酢の安定化方法である;
項10.請求項1乃至5のいずれかに記載の食用酢用安定剤を添加することを特徴とする食用酢の安定化方法。
本発明により、食用酢、特には飲用に供する密封容器入り酢飲料において問題となっていた濁り、沈殿を抑制することができる。更には食用酢の経時変化による劣化が抑制され、風味に悪影響を及ぼさないか、又は風味をまろやかにできる。
本発明の食用酢用安定剤は、水溶性ヘミセルロースを含むことを特徴とするものである。
本発明の食用酢用安定剤とは、食用酢を濁りや沈殿が起こりにくくするように安定に保ち、食用酢を安定化するものである。特に、飲用に供する密封容器入り酢飲料においては、濁り、沈殿が発生しやすくなっているが、本発明の食用酢用安定剤は、密封容器入り酢飲料の調製時や保存中に起こる濁りや沈殿を有意に抑制することができる安定剤である。また、本発明の食用酢用安定剤を用いることにより、食用酢における風味に悪影響を与えず、又は風味をまろやかにする食用酢を提供できるものである。
本発明で言う食用酢とは、飲用に供する酢を用いた飲料であれば特に制限はなく、例えば、食酢、醸造酢、合成酢、穀物酢、果実酢、米酢、リンゴ酢、ぶどう酢、黒酢、もろみ酢などが含有されていればよい。食用酢中に含まれる酢成分の量にかかわらず、少量でも酢成分が含まれると、調製時や保存中に濁り、沈殿等の問題が起こるが、特に、りんご酢、黒酢、もろみ酢由来の酢成分を含有する食用酢においては、得られる濁り、沈殿の抑制効果が高いため、特に望ましい。また、本発明で言う食用酢は、ポン酢、三倍酢等の調味に使用されるものや、酢飲料など飲用に供されるものなど、食用に供されるものであれば制限はない。
本発明の食用酢用安定剤は、特に飲用に供される酢飲料、より好ましくは密封容器入りである長期保存可能な酢飲料に好ましく使用される。本発明の密封容器入り酢飲料は、缶、ビン、ペットボトル、紙パック、ラミネートパック等の密封容器に充填されている酢飲料であれば良く、密封状態で流通、販売されるものである。また、常温で販売されるものであっても、ホットベンダーで販売されるものであっても、チルド販売されるものであっても良い。なお、酢飲料中に含まれる、黒酢等の酢の含有量は、2〜50重量%程度を例示することができ、好ましくは5〜20重量%である。
本発明における水溶性ヘミセルロースとは、植物由来のラムノース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、グルコース、ウロン酸の1種もしくは2種以上を含むものであればよいが、豆類由来、特に大豆、なかでも子葉由来のものが好ましい。
水溶性ヘミセルロースは、その分子量がどの様な物でも使用可能であるが、高分子であることが好ましく、平均分子量が数千〜数百万、具体的には5千〜100万であるのが好ましい。なお、この水溶性ヘミセルロースの平均分子量は標準プルラン(昭和電工株式会社)を標準物質として0.1MのNaNO溶液中の粘度を測定する極限粘度法で求めた値である。水溶性ヘミセルロースの添加量としては、食用酢に対して、0.001〜0.5重量%となるよう、本発明の食用酢用安定剤を添加するのが望ましい。0.001重量%よりも少ないと充分な効果を得ることができず、0.5重量%より多いと、更なる効果が望めないためである。
本発明の食用酢用安定剤には、水溶性ヘミセルロースに加えて、増粘多糖類、乳化剤、カゼインナトリウムから選ばれる1種以上の化合物を加えることが、本願発明の効果、即ち、濁り、沈殿の抑制効果の点より好ましい。
本発明における増粘多糖類とは、食品に一般的に用いられている増粘多糖類であればよい。具体的には、カラギナン(イオタ、ラムダ、カッパ)、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、ジェランガム、カルボキシルメチルセルロース、発酵セルロース等を挙げることができ、これらから選ばれる1種又は2種以上の増粘多糖類を、本発明の増粘多糖類として使用することができる。これらの増粘多糖類の中でも、特に、イオタカラギナンを好ましく使用することが出来る。
増粘多糖類の添加量としては、用いる増粘多糖類の種類により一概には規定することができないが、一般には、食用酢に対して、0.001〜0.05重量%となるように調整するのが望ましい。0.001重量%よりも少ないと本願発明に係る充分な効果を得ることができず、0.05重量%より多いと却って製造効率が悪くなるためである。
本発明における乳化剤とは、食品に一般的に用いられている乳化剤であればよい。具体的には、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン、ステアロイル乳酸塩(ナトリウムもしくはカルシウム)、ポリソルベート等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上の乳化剤を本発明の乳化剤として使用することができる。
ショ糖脂肪酸エステルは、高HLBのものと低HLBのものの組み合わせても良く、例えば高HLBとしてはHLB15、16、低HLBとしては2〜8を挙げることが出来る。グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸脂肪酸エステルの構成脂肪酸は長鎖の飽和脂肪酸を主体とするものが好ましく、長鎖の脂肪酸とは例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸を挙げることが出来る。有機酸モノグリセライドとしては、コハク酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライドが好ましい。
これらの乳化剤の中でも、特に、有機酸モノグリセライド及びショ糖脂肪酸エステルを好ましく使用することが出来る。例えば、コハク酸モノグリセライドとHLB16のショ糖脂肪酸エステルの組み合わせ、コハク酸モノグリセライドとHLB5のショ糖脂肪酸エステルの組み合わせ、コハク酸モノグリセライドとHLB5のショ糖脂肪酸エステルとHLB16のショ糖脂肪酸エステルの組み合わせを挙げることが出来る。
乳化剤の添加量としては、用いる乳化剤の種類により一概には規定するこができないが、食用酢に対して、0.005〜0.3重量%となるように調整して添加するのが望ましい。0.005重量%よりも少ないと本願発明に係る充分な効果を得ることができず、0.3重量%より多くても更なる効果が望めないためである。
本発明におけるカゼインナトリウムとは、タンパク質系の水溶性高分子で、脱脂乳に酸を加えて沈殿して得られたカゼインを水酸化ナトリウム、もしくは炭酸水素ナトリウムと反応させて製造したものである。カゼインナトリウムの添加量としては、食用酢に対して、0.005〜0.4重量%となるように調整して添加するのが望ましい。0.005重量%よりも少ないと充分な効果を得ることができず、0.4%より多くても更なる効果が望めないためである。
水溶性ヘミセルロースと増粘多糖類、乳化剤、カゼインナトリウムから選ばれる1種以上との好ましい組み合わせとしては、水溶性ヘミセルロースとショ糖脂肪酸エステルの組み合わせや、水溶性ヘミセルロースとショ糖脂肪酸エステルと有機酸モノグリセライドとカゼインナトリウムの組み合わせや、水溶性ヘミセルロースとショ糖脂肪酸エステルと有機酸モノグリセライドとイオタカラギナンの組み合わせや、水溶性ヘミセルロースとショ糖脂肪酸エステルと有機酸モノグリセライドとカゼインナトリウムとイオタカラギナンの組み合わせを挙げることができる。
また、本発明の食用酢用安定剤には、その効果を妨げない範囲において、りんご果汁、レモン果汁、梅果汁等の果汁類、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、塩酸、塩酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、フィチン酸等の有機酸及び/又はその塩類、ショ糖、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、デンプン糖化物、還元デンプン水飴、デキストリン、サイクロデキストリン、トレハロース、黒糖、はちみつ等の糖類、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール等の糖アルコール類、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリン等の高甘味度甘味料類、アミノ酸、ミネラル、ビタミン等を添加することができる。
本発明の食用酢用安定剤は、粉末状、フレーク状、粒状、ペースト状、液状いずれの形態でも用いることができる。本発明の食用酢用安定剤の調製方法としては、従来公知の方法をとることができる。例えば、水溶性ヘミセルロース及びその他の増粘多糖類、乳化剤等を粉体混合する方法や、水溶性ヘミセルロース、増粘多糖類、乳化剤を水に溶解させることにより調製する方法などを挙げることができる。
本発明の食用酢は、当該食用酢用安定剤、即ち、水溶性ヘミセルロース単独又は、水溶性ヘミセルロースに増粘多糖類、乳化剤、カゼインナトリウムから選ばれる1種以上を併用して含有する食用酢であればよく、食用酢への当該安定剤の添加方法は、従来公知の方法をとることができる。例えば、湯又は水に当該食用酢用安定剤を粉体及び液状等の形態で投入し、撹拌溶解した後に、糖液、果汁成分、色素、香料等を添加し、殺菌処理後、缶、ビン、ペットボトル、紙パック、ラミネートパック等の密封容器に充填することにより、特には、飲用に供する密封容器入り酢飲料において問題となっていた濁り、沈殿を抑制し、経時変化による劣化が抑制され、更には風味に悪影響を及ぼさないか、又は風味をまろやかにすることができる。
また、本発明の当該食用酢用安定剤の食用酢への添加方法は、好ましくは、水溶性ヘミセルロース又は、水溶性ヘミセルロース及び、増粘多糖類、乳化剤、カゼインナトリウムから選ばれる1種以上を混合して、本発明の食用酢用安定剤を一剤化してから添加することが、品質の安定なものを得ることができることから特に望ましい。
尚、殺菌処理は、殺菌条件や殺菌装置等によって特に制限されず、一般的に使用される殺菌条件が広く採用できる。通常はプレート殺菌が用いられるが、特にこれに限定されず、レトルト殺菌、オートクレーブ殺菌等、食品に採用される種々の殺菌処理を挙げることができる。
本発明の食用酢用安定剤を含有した食用酢には、その効果を妨げない範囲において、食品に一般的に使用される成分、天然香料、合成香料等の香料類、プロテアーゼ等の酵素、カラメル色素等の着色料、調味料、重炭酸ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸ナトリウム等のpH調整剤等を添加することができる。
また、本発明は、食用酢の安定化方法、特に、食用酢を調製した際、又は保存後に生じる、濁り、沈殿を抑制する方法を提供するものである。当該方法は、前述するように食用酢の製造工程に、前記食用酢用安定剤、即ち、水溶性ヘミセルロース又は水溶性ヘミセルロース及び、増粘多糖類、乳化剤、カゼインナトリウムから選ばれる1種以上を添加することにより実施することができる。当該方法の操作方法、条件、使用材料等については、前述の記載をそのまま援用することができる。例えば、湯又は水溶性ヘミセルロースと、増粘多糖類、乳化剤又はカゼインナトリウムを攪拌溶解し、これに糖液、食酢、果汁、色素、香料等を添加し、密封容器に充填することにより、食用酢における、濁り、沈殿を抑制することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。特に記載のない限り「部」とは、「重量部」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。また、以下の実施例において、特に記載のない限り、水溶性ヘミセルロースは三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のSM−700を使用した。
実験例1:食用酢用安定剤及び該安定剤含有缶入り酢飲料(黒酢使用)の調製
表1に示す配合量に従い、水溶性ヘミセルロース又は水溶性ヘミセルロース及び各種乳化剤(ショ糖脂肪酸エステルA:HLB16、ショ糖脂肪酸エステルB:HLB5、コハク酸モノグリセライド:HLB5)又はイオタカラギナンもしくはカゼインナトリウムを粉体混合し、実施例1〜13の密封容器入り食用酢用安定剤を作成した。また、比較例として、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、コハク酸モノグリセライド)、イオタカラギナン、カゼイントリウムのみの比較例1〜7を作成した。
Figure 0004302569
下記酢飲料処方に従い、表1の配合の実施例1〜7、又は比較例1〜7の安定剤と、砂糖を粉体混合し、この混合物をイオン交換水に加え、80℃10分間加熱溶解後、室温まで冷却し、黒酢、りんご果汁を添加した後、水にて全量補正後、プレート殺菌(95℃25秒)を行い、ペットボトルに充填、密封し、それぞれ、実施例1〜7又は比較例1〜7の食用酢用安定剤を含有する酢飲料を調製した。
<酢飲料(黒酢使用)処方>
黒酢(醸造酢、酸度4.2%) 7.7(%)
りんご果汁 5
砂糖 5
食用酢用安定剤 表1記載
イオン交換水にて全量 100とする
得られたペットボトル入り酢飲料をそれぞれ5℃で4週間保存し、調製直後と5℃4週間保存後の濁り、沈殿について観察した。実施例1〜7及び比較例1〜7の食用酢用安定剤を含有する酢飲料の状態の結果を表2に記す。
Figure 0004302569
Figure 0004302569
表2に示すように、実施例1〜7の食用酢用安定剤を加えて調製した食用酢においては、比較例1〜7に比して、濁り、沈殿、香味のいずれに関しても有意な抑制効果がみられた。
実験例2:酢飲料(黒酢使用)中に含有する水溶性ヘミセルロース量の検討
に示す配合量に従い水溶性ヘミセルロース及びショ糖脂肪酸エステル(HLB16)を粉体混合し、実施例8〜11の密封容器入り食用酢用安定剤を作成した。また、比較として、比較例8、9及び実験例1で調製した比較例2及び7を利用した。
Figure 0004302569
下記酢飲料処方に従い、表3の配合の実施例8〜11、比較例2、比較例7及び比較例8、9の安定剤と、砂糖を粉体混合し、この混合物をイオン交換水に加え、80℃10分間加熱溶解後、室温まで冷却し、黒酢、りんご果汁を添加し、水にて全量補正後、プレート殺菌(95℃25秒)を行い、ペトボトルに充填、密封し、実施例8〜11又は比較例2、7、8、9の食用酢用安定剤を含有するペットボトル入り酢飲料を調製した。
<酢飲料(黒酢使用)処方>
黒酢(醸造酢、酸度4.2%) 7.7%
りんご果汁 5
砂糖 5
食用酢用安定剤 表4記載
イオン交換水にて全量 100とする

得られたペットボトル入り酢飲料を、実験例1と同様に、5℃で4週間保存し、調製直後と5℃4週間後の濁り、沈殿、香味について、評価した。実施例8〜11及び比較例2、7、8、9の食用酢用安定剤を含有するペットボトル入り酢飲料の状態を表に記す。


Figure 0004302569
に示すように、実施例8〜11の食用酢用安定剤を加えて調整したペットボトル入り酢飲料においては、比較例2、7、8、9に比して、濁り、沈殿、香味に関して顕著な抑制効果が得られた。
実施例12:酢飲料(りんご酢使用)
下記処方に示す組成のうち、水溶性ヘミセルロース及びショ糖脂肪酸エステル(HLB16)を粉体混合し、本発明の食用酢用安定剤を得た。得られた食用酢用安定剤と砂糖とを粉体混合し、この粉体混合物をイオン交換水に加え、80℃10分間加熱溶解後、室温まで冷却し、りんご酢、りんご果汁を添加した後、水にて全量補正後、プレート殺菌(95℃25秒)を行い、ペトボトルに充填、密封し、酢飲料を調製した。得られた酢飲料を5℃にて4週間保存後、濁り、沈殿、香味について評価したが、濁り、沈殿とも認められず、風味においてもまろやかで良好なものであった。
<酢飲料処方>
りんご酢(醸造酢、酸度5.0%) 7.7(%)
りんご果汁 5
砂糖 5
食用酢用安定剤(以下に記載)
HLB5のショ糖脂肪酸エステル 0.03
水溶性ヘミセルロース(SM−1200*)0.05
イオン交換水にて全量 100とする
実施例13:酢飲料(りんご酢使用)
上記処方に示す組成のうち、水溶性ヘミセルロース及びイオタカラギナンを粉体混合し、本発明の食用酢用安定剤を得た。得られた食用酢用安定剤とスクラロースとを粉体混合し、この粉体混合物をイオン交換水に加え、80℃10分間加熱溶解後、室温まで冷却し、りんご酢、りんご果汁を添加した後、水にて全量補正後、プレート殺菌(95℃25秒)を行い、ペットボトルに充填、密封し、ペットボトル入り酢飲料を調製した。得られた酢飲料を5℃にて4週間保存後、濁り、沈殿、香味について評価したが、濁り、沈殿とも認められず、風味においてもまろやかで良好なものであった。
<酢飲料処方>
りんご酢(醸造酢、酸度5.0%) 7.7(%)
りんご果汁 5
スクラロース 0.01
食用酢用安定剤(以下に記載)
水溶性ヘミセルロース 0.05
イオタカラギナン 0.01
イオン交換水にて 全量100とする
本発明により、食用酢、特には飲用に供する密封容器入り酢飲料の調製時や保存中に起こる濁りや沈殿を有意に抑制することができる。また、本発明の食用酢用安定剤を用いることにより、食用酢独特の風味に悪影響を与えず、又は風味をまろやかにする食用酢を提供できる。

Claims (8)

  1. 食用酢に対する添加量が0.001〜0.5重量%である水溶性ヘミセルロースを含むことを特徴とする食用酢用安定剤。
  2. 食用酢が飲用に供するものである、請求項1に記載の食用酢用安定剤。
  3. 更に、増粘多糖類、乳化剤及びカゼインナトリウムから選ばれる1種以上を含む、請求項1又は2に記載の食用酢用安定剤。
  4. 増粘多糖類が、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース及び発酵セルロースから選ばれる1種又は2種以上である、請求項3に記載の食用酢用安定剤。
  5. 乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン、ステアロイル乳酸塩及びポリソルベートから選ばれる1種又は2種以上である、請求項3に記載の食用酢用安定剤。
  6. 水溶性ヘミセルロースの食用酢に対する添加量が0.001〜0.5重量%である、請求項1乃至5に記載の食用酢。
  7. 密封容器入りである請求項6に記載の食用酢。
  8. 請求項1乃至5のいずれかに記載の食用酢用安定剤を添加することを特徴とする食用酢の安定化方法。
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