JP4282365B2 - 自動車用電力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車用電力装置に関し、特に、自動車のエンジンの始動・加速及び発電を行う自動車用電力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車の駆動システムとして、エンジンのクランクシャフトに電動機を直結するタイプのものが知られている。この種の駆動システムにおいては、電動機を駆動するインバータの入力電源としてバッテリが接続されており、電動機の軸はトランスミッションを介して車輪と連結され、これを駆動する。
【0003】
従来の自動車用電力装置では、電動機に永久磁石型同期電動機を使用した場合、一定回転数以上の高速域では弱め界磁運転の方法が利用され、車両走行中にバッテリからインバータに至る直流回路が開放されるような異常発生時には、車両駆動用の永久磁石型同期電動機を駆動するインバータの上側アームまたは下側アームのスイッチング素子を一括してオンさせて零電圧ベクトルを出力させる、または、インバータの直流入力側に設けられた開閉手段により、平滑コンデンサとインバータ部とを切り離した後、第2の開閉手段によりインバータ入力側の直流端子間を短絡させる等により、上記同期電動機からの電力供給を停止し、平滑コンデンサに必要以上の電圧が印加されるのを防止する例が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−47055号公報
【0005】
上記の特許文献1の図2には前者の例が示されており、上側アームのスイッチング素子を一括してオンさせた場合であり、永久磁石型同期電動機の入力端子に流れる各相電流の方向を矢印で示している。この場合にはトランジスタ及びダイオードによって短絡回路が構成されている。このように上側アームのスイッチング素子を全てオンすることにより、三相電流の方向に無関係に短絡回路を構成することができる。なお、下側アームのスイッチング素子を全てオンさせても同様の効果を得ることができる。
【0006】
また、上記の特許文献1の図3には後者の例が示されており、インバータのスイッチング部と平滑コンデンサとを切り離すための開閉手段とインバータの入力側を短絡するための開閉手段が付加されている。平滑コンデンサを開閉手段によりインバータから切り離し、その後、開閉手段によりインバータの入力側を短絡することによって、永久磁石同期電動機の電流をインバータのダイオードを介して短絡することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載されているような永久磁石型同期電動機を使用した自動車用電力装置にあっては、一定回転数以上の高速域において弱め界磁運転が必要となり、制御が複雑となる上に、弱め界磁電流による損失が大きく、また、平滑コンデンサに許容電圧以上の電圧が印加されるのを防止するため、零電圧ベクトルを出力中やインバータ入力側の直流端子間を短絡中は、トランジスタ及びダイオードによって短絡回路が構成され、永久磁石型同期電動機による発電電力が全て損失となるうえに、短絡回路構成中はバッテリを充電できないという問題点があった。
【0008】
この発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、高回転時でも弱め界磁運転を必要とせず、永久磁石型同期電動機の回転数によらず連続的にバッテリを充電することができ、弱め界磁電流による損失を抑え、燃費の向上を図る自動車用電力装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、自動車のエンジンの始動・加速及び発電を行う自動車用電力装置であって、上記エンジンの始動時および加速時に該エンジンを駆動するとともに、定常走行時および減速時に該エンジンの動力を受けて発電を行う同期電動機と、上記同期電動機の上記エンジンの駆動時には上記同期電動機を駆動するとともに、上記同期電動機の発電時には整流動作を行うインバータと、上記インバータの入力端子に接続され、上記同期電動機の上記エンジンの駆動時には上記インバータに直流電力を供給し、上記同期電動機の上記発電時には上記同期電動機の発電電力により充電される電源とを備え、上記電源は、第一のエネルギ蓄積源と第二のエネルギ蓄積源を互いに直列接続した直列接続電源と、上記第一のエネルギ蓄積源および上記第二のエネルギ蓄積源の間でエネルギの輸送を行うDC/DCコンバータとを備え、上記同期電動機の発電時に上記同期電動機の回転数が所定の回転数を超えた期間では、上記同期電動機の入力端子またはその入力端子に接続された上記インバータの入力側の短絡とその解除とを所定の時間間隔で繰り返し行うことにより、上記同期電動機から上記インバータを介する上記直列接続電源への電力供給の停止と供給とを当該所定の時間間隔で繰り返し行い、電力供給の停止時には、上記DC/DCコンバータにより、上記第二のエネルギ蓄積源から、上記第一のエネルギ蓄積源もしくは上記第一のエネルギ蓄積源に接続された負荷へ、エネルギを輸送する。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態に係る自動車用電力装置の構成を示す回路図である。図1において、インバータ1は、M/G(モータ/発電機)20を駆動、または、M/G20の発電機動作時の出力を整流するための3相インバータ装置で、Sx1〜Sx6の6つのスイッチ(スイッチには一般にパワー半導体素子を用いる。図1においてはMOSFETとして記載しているが、IGBTなど他のパワー半導体素子でもよい。以下同様。)から構成され、Sx1、Sx3、Sx5が上側アームのスイッチ、Sx2、Sx4、Sx6が下側アームのスイッチである。M/G20は、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車などの電気自動車において、始動時や加速時に際してエンジンをトルクアシストする場合にはモータとして動作してエンジンを駆動し、定常走行時や減速時にはエンジンの動力を受けて発電を行う発電機として動作するモータ/発電機で、エンジンのクランクシャフトに直結されるか、または、ベルトやギアを介してエンジンのクランクシャフトと結合されている。M/G20としては、永久磁石付きクローポール型や永久磁石型の同期電動機または誘導電動機が考えられる。
【0011】
また、バッテリ30およびコンデンサ31は、それぞれ、第一および第二のエネルギ蓄積源であり、バッテリ30とコンデンサ31は互いに直列接続された直列接続電源を構成している。バッテリ30には、図に示すように、電力供給対象の車載負荷33が接続されている。また、バッテリ30とコンデンサ31の間でエネルギをやり取りするDC/DCコンバータ10は、上側スイッチのQx1、下側スイッチのQx2、リアクトルLxから構成されており、図1におけるDx1,Dx2はフリーホイールダイオードである。バッテリ30とコンデンサ31とDC/DCコンバータ10とは、インバータ10の入力端子に接続されて、M/G20のエンジンの駆動動作時にはインバータ1に直流電力を供給し、M/G20の発電動作時には同期電動機の発電電力により充電される“電源”を構成している。
【0012】
コンデンサ31は大容量のコンデンサで、電気二重層キャパシタやアルミ電解コンデンサなどが用いられる。また、インバータ1とDC/DCコンバータ10の間には平滑コンデンサ15が並列接続されている。制御回路32は、M/G20のモータの回転数やコンデンサ31の電圧を検出し、それに基づいてインバータ1やDC/DCコンバータ10を構成するパワー半導体素子に動作制御信号を送る装置である。
【0013】
図1に示す回路の電気自動車の始動時や発電時における従来の動作についてまず説明する。アイドルストップ後のエンジン再始動時(モータに十分な始動トルクがあり、トルク伝達上も十分な機械的能力があればエンジン温度の低い初期始動時も含む)や加速時のトルクアシストには、大きな電流をモータに供給する必要があり、そのためにはインバータ入力にバッテリから大電流を供給する必要がある。このため、電気自動車においては、必要な始動トルクに合わせて大容量のバッテリを搭載する必要があるため、バッテリが高コストとなっている。一方、インバータにおいては、その定常損失は出力電流にほぼ比例(スイッチング素子にIGBTを用いた場合)するか、または、その2乗(スイッチング素子にMOSFETを用いた場合)にほぼ比例すると考えてよく、インバータを構成するスイッチング素子(パワー半導体素子)の大容量化や多並列化が必要になるため、インバータの小型・低コスト化にはインバータ出力電流の低電流化、入力電圧の高電圧化が求められている。
【0014】
これらの課題を解決する従来の方法が、特開2002−218667号公報に提案されている。当該公報においては、アイドルストップ後の再始動に要する時間は1秒以内程度の短時間であり、その後の加速時のモータによるトルクアシストを含めても10秒程度であるため、大容量バッテリの代わりに、図1の回路に示すように、既存の12Vバッテリなど低電圧のバッテリと大容量コンデンサを直列接続し、上記のアイドルストップ後の再始動やトルクアシスト時の短時間大電流出力領域では、コンデンサからもエネルギをインバータに供給することによって、バッテリから供給する電流を低減でき、バッテリの低電圧化・低容量化による小型・低コスト化、あるいは、瞬時引き出し電流の低電流化による長寿命化を期待している。また、コンデンサ電圧を上げることによって、インバータの入力電圧の高電圧化ができるため、同一の出力電力では、出力電流を低減できる。
【0015】
一方、M/G20を発電機として動作させる場合にはインバータ1は、整流装置として働く。M/G20として誘導電動機を用いた場合、回転磁束を供給するための励磁電流が必要で、力率が悪く、始動電流が大きくなってしまうという問題がある。そこで、以下の記述では、本発明の特徴であるM/G20として永久磁石型の同期電動機、または、永久磁石付きクローポール型同期電動機を用いた場合の発電機の動作について説明する。
【0016】
図2はM/G20が発電機として動作している時のコンデンサ31の充電・放電状況を示している。ここで、縦軸のVcはコンデンサ31の端子間電圧、Vcmaxはコンデンサ31の最大定格電圧である。M/G20が発電機として動作しており、その回転数がある値以下でバッテリ30を充電するに適当な出力電圧に制御されている場合には、モータ回転数を検知している制御回路32から、上側スイッチQx1をオン、下側スイッチQx2をオフする信号が出力され、上側スイッチQx1を通してバッテリ30が充電される。この期間では、スイッチング動作をしないため、上側スイッチQx1の損失は最小限に抑制できるという効果が得られる。この動作状態では、コンデンサ31には電荷は蓄積されておらず、その両端電圧は零である。回転数が上がり、ある一定の回転数に達すると、制御回路32がそれを検知して、DC/DCコンバータ10を降圧コンバータとして作動させる信号を上側スイッチQx1および下側スイッチQx2に出力し、バッテリ30を充電するに適当な電圧まで降圧する。DC/DCコンバータ10を許容温度以下に維持するためには、上側スイッチQx1や下側スイッチQx2の発熱を抑制する必要があり、そのために制御回路32はDC/DCコンバータ10の動作時間やデュティーを制限したり、停止したりする制御を行う。このとき、コンデンサ31はM/G20によって充電される(図2の(a)の期間)。この場合、コンデンサ31の充電電流はバッテリ30にも流れるので、コンデンサ31の充電と同時にバッテリ30も充電されることになる。
【0017】
M/G20の回転数がさらに上がると、コンデンサ31への充電がさらに続き((a)の期間をさらに伸ばす)、図中の点線で示すようにコンデンサ31の最大定格電圧Vcmaxを越えることになるが、ここで、コンデンサ31の電圧VcがVcmaxより低い、予め定められた、ある所定の電圧に達した時(図中の(A)点)、制御回路32がこれを検知して、図1におけるインバータ1の上側アームのパワー半導体素子Sx1、Sx3、Sx5の全てのスイッチをオン、または下側アームのパワー半導体素子Sx2、Sx4、Sx6の全てのスイッチをオンする信号を出力することにより、3相短絡回路を構成すればコンデンサ31はそれ以上充電されず電圧VcはVcmaxを超えることはない。
【0018】
この3相短絡回路を構成するアイデアは、上記特許文献1にも記述されている。同公報によると、永久磁石型同期電動機がある一定以上の高速回転では、平滑コンデンサの充電電圧がその定格電圧を超えないように永久磁石型同期電動機を弱め界磁運転するが、その弱め界磁運転中に異常が発生した場合、平滑コンデンサに必要以上の電圧が印加されるのを防止する手段として3相短絡回路を構成するアイデアを提案している。同公報ではバッテリ側回路が、本実施の形態に係る図1のような構成ではなく、インバータの入力側に直接バッテリが接続されており、3相短絡回路の構成中はバッテリ充電ができない回路構成である。
【0019】
しかるに、本実施の形態においては、図1の回路では、上記の図2の(a)の期間の後、3相短絡回路を構成し、その構成中にDC/DCコンバータ10によりコンデンサ31に蓄えられたエネルギで、車載負荷33へ電力を供給することによって放電したバッテリ30を充電したり、バッテリ30に直接接続された車載負荷33に電力を供給することが可能(図2の(c)の期間)であり、バッテリ30への充電や車載負荷33への電力供給によってコンデンサ31の電圧が下がったことを制御回路32が検知して、3相短絡回路の構成を解除すれば、再びM/G20による発電エネルギをコンデンサ31に蓄える動作モード(図2の(a)の期間)に入ることができる。すなわち、M/G20の回転数が一定値以上でも、弱め界磁運転を行うことなく、上記動作を適当な時間間隔で繰り返し行うことにより、バッテリを充電し続けることが可能である。したがって、高速回転域における弱め界磁電流による制御が不要となり、制御が容易になるとともに、弱め界磁電流による損失を発生させず、インバータ側の発熱も低減することができる。
【0020】
なお、M/G20の高速回転域での弱め界磁電流は、回転数の増加とともに大きくしなければならないが、比較的小さい電流でよい領域では、弱め界磁電流制御によりM/G20の端子電圧を制御してバッテリを充電する方が、制御は複雑になるが、3相短絡とその解除を繰り返すよりもシステム全体の損失を低減できる場合がある。そのような回転域においては、最初弱め界磁運転を行い、それ以上の高速回転域では、3相短絡とその解除を繰り返す方式に移行する運転形態としてもよい。
【0021】
また、図1に示すようにバッテリ30にコンデンサ31を直列接続した電源では、バッテリ単体の電源の場合より、コンデンサ31の定格電圧分だけ、永久磁石型同期電動機の端子電圧が高くても問題なくバッテリ30を充電できる。これは弱め界磁電流が低く抑えられること、あるいは同一界磁電流で、より高速回転までバッテリ30を充電できることを意味し、その分だけ損失を低減できる。したがって、図1に示す回路を用いて、高速回転領域での弱め界磁運転と3相短絡の繰り返しという運転モードでシステム全体をさらに高効率化することも考えられる。
【0022】
さらに、インバータ1の定格電流制限等で弱め界磁運転が不可能になり、3相短絡を連続して構成しなければならない走行状態でも、本実施の形態を用いれば、3相短絡とその解除を繰り返し行うことが可能であり、連続してバッテリ30の充電が可能である。
【0023】
なお、図2では短絡回路を構成するタイミングとDC/DCコンバータ10に降圧コンバータ動作を行わせるタイミングの間に適当な時間(図2の(b)の期間)をとっている。これは、DC/DCコンバータ10を構成するパワー半導体素子Qx1、Qx2、Dx1、Dx2が動作するにおいて十分低い温度にまで下げるためにとっている時間であり、動作上問題が無ければ、図3の動作パターンにあるように(b)の期間を無くして、上記の短絡回路の構成とほぼ同時にDC/DCコンバータ10に降圧コンバータ動作を行わせてもよい。
【0024】
また、図2の(a)の期間はコンデンサ31にエネルギを蓄える期間であるが、DC/DCコンバータ10のパワー半導体素子などの部品が熱的に動作可能な状態であれば、降圧動作を行わせながら、同時にコンデンサ31にもエネルギを蓄えるということも可能である。
【0025】
さらに、図1のようにバッテリ30の上にコンデンサ31を積上げた構成では、万一インバータ1を構成するパワー半導体素子が破壊し短絡状態となった場合でも、コンデンサ31は放電するが、バッテリ30の端子間は短絡状態とはならないので信頼性の高いシステムとなる。
【0026】
また、ここまでの記述では、平滑コンデンサに必要以上の電圧が印加されるのを防止する手段として3相短絡回路を構成する方法を例に上げて述べてきたが、上記特許文献1の図3に示されているようなインバータの入力側を短絡する方法でもよい。
【0027】
以上のように、本実施の形態に係る自動車用電力装置は、永久磁石型同期電動機(M/G20)を駆動するインバータ1の入力側の直流電源を、バッテリ30(第一のエネルギ蓄積源)とコンデンサ31(第二のエネルギ蓄積源)との直列接続で構成し、且つ、バッテリ30とコンデンサ31の間で電力のやり取りを行うDC/DCコンバータ10とで構成した。この電源構成を用いると、永久磁石形同期電動機の回転数が一定以上の高回転時において、インバータ1の上側アームまたは下側アームのスイッチング素子の全オンによる3相短絡とその解除を適当な時間間隔で繰り返し行うことにより、3相短絡解除中には発電電力をコンデンサ31とバッテリ30に供給し、全オン中はコンデンサ31に蓄積されたエネルギをDC/DCコンバータ10によりバッテリ30に輸送することにより、バッテリ30を充電することができる(なお、全オン中において、バッテリ30のみならず、バッテリ30に接続された車載負荷33にもエネルギを輸送するようにしてもよい。)。エネルギがバッテリ30に輸送されるとコンデンサ31両端の電圧が下がり、再びインバータ1の上側アームまたは下側アームでの3相短絡状態を解除することにより、コンデンサ31とバッテリ30を充電する動作モードに入る。この方式では、高回転時でも弱め界磁運転を必要とせず、この動作を繰り返すことにより、永久磁石型同期電動機の回転数によらず連続的にバッテリ30を充電することができ、弱め界磁電流を流さないため損失も減少し、燃費が向上するという効果が得られる。さらに、エンジンブレーキなどを使って高速回転領域を使いながら減速するときなどは、自動車の運動エネルギを有効に回生できるという効果がある。さらに、充放電を繰り返すエネルギ蓄積源の一方にコンデンサ31を使うことは、放電深度を大きくすると極端に経年劣化しやすいバッテリに比べてシステムの寿命を長くすることができるという効果もある。さらに、3相短絡を、インバータ1の上側アームのパワー半導体素子Sx1、Sx3、Sx5の全てのスイッチをオン、または下側アームのパワー半導体素子Sx2、Sx4、Sx6の全てのスイッチをオンすることにより行うようにしたので、安価に3相短絡回路を構成することができるとともに、オン/オフのタイミングの制御を容易に行うことができる。
【0028】
実施の形態2.
本実施の形態においては、図1の回路におけるDC/DCコンバータ10の各部品の耐電圧が以下の不等式を満足するように選択することによって、より信頼性の高いシステムとすることができる。
【0029】
Vcmax > Vemfmax−Vb (1)
VQx1 > Vemfmax (2)
VQx2 > Vemfmax (3)
【0030】
ここで、Vemfmaxは永久磁石型同期電動機の最大回転速度における無負荷誘起電圧、Vcmaxはコンデンサ31の最大定格電圧、VQx1、VQx2はパワー半導体素子(ここではMOSFETとして描いているがIGBTなど他のパワー半導体素子であってもよい。)であるQx1、Qx2のドレイン・ソース間最大定格電圧である。図4は走行時のコンデンサ31の充電・放電状況を示している。実施の形態1と同様に、M/G20が発電モードに入り、回転数がある一定値以上になるとコンデンサ31の充電が開始され(図4の(a)の期間)、MGの回転数が一定になれば、コンデンサ31の両端電圧Vcは
【0031】
Vc=Vemf−Vb (4)
【0032】
となる(図4の(b)の期間)。ここで、Vbはバッテリ30の端子間電圧、Vemfはその回転数においてM/G20の誘起電圧により整流回路として動作しているインバータ1の端子間に発生する出力電圧である。コンデンサ31の最大定格電圧Vcmaxが(1)の関係を満たしているので、M/G20が最大回転速度で回転し続けてもコンデンサ31の電圧VcはVcmaxを超えることはなく、絶縁破壊することはないので信頼性の高い装置となる。
【0033】
このようにM/G20に永久磁石型同期電動機、あるいは、永久磁石付きのクローポール型同期電動機を用いた駆動、発電システムにおいて、(1)式の関係を満たすコンデンサ31をバッテリ30に直列接続し、さらに(2)式、(3)式の関係を満たしていれば、M/G20の回転数によらず、バッテリ30の充電状態やDC/DCコンバータ10を構成する部品の温度に応じて、DC/DCコンバータ10の動作制限や一時停止を行うことができる。これにより、DC/DCコンバータ10に必要以上の冷却性能や低発熱化を求める必要はなくなり、DC/DCコンバータ10を小型化、低コスト化することができる。
【0034】
さらに、インバータ1を構成するパワー半導体素子の耐圧が十分であれば、実施の形態1で述べたインバータ1の上側アームのパワー半導体素子、または、下側アームのパワー半導体素子を全てオン状態にする3相短絡、あるいは、インバータ部の直流入力側を短絡することは必ずしも必要ではなくなり、制御が容易になる。この場合にはバッテリ充電が必要な時にDC/DCコンバータ10を動作させればよい。一方、(1)式、(2)式、(3)式の関係がある場合でも、インバータ1の部品コスト低減や損失低減のため、インバータ1に最大定格電圧の低いパワー半導体素子を使う場合には、上記の短絡回路を構成してこれらの素子に最大定格電圧以上の電圧がかからないようにすればよい。
【0035】
以上のように、本実施の形態によれば、バッテリ30(第一のエネルギ蓄積源)とコンデンサ31(第二のエネルギ蓄積源)を互いに直列接続した直列接続電源の両端に印加可能な電圧が、M/G20の最大回転数における無負荷誘起電圧より大きいようにしたので、M/G20の回転数によらず、バッテリ30の充電状態やDC/DCコンバータ10を構成する部品の温度に応じて、DC/DCコンバータ10の動作制限や一時停止を行うことができる。これにより、DC/DCコンバータ10に必要以上の冷却性能や低発熱化を求める必要はなくなり、DC/DCコンバータ10を小型化、低コスト化することができる。さらに、M/G20の入力端子を短絡させる手段が不要になるという効果が得られる。
【0036】
実施の形態3.
図1〜3においてインバータ1の上側アーム、または、下側アームのパワー半導体素子が全てオン、オフを繰り返しているか、あるいは、インバータ1の入力端子間が短絡、開放を繰り返し、その間、DC/DCコンバータ10が動作して、コンデンサ31の充放電の繰り返しが行われている期間の両側では、Qx1がオン状態でコンデンサ31は充電されていない(すなわち、図2および図3における両端の「Qx1オン」と記載されていて、Vcが0の期間)。この期間は永久磁石型同期電動機、または、永久磁石付きのクローポール型同期電動機の比較的回転数が低く、インバータ1のダイオードで整流した出力でバッテリ30を充電できるか、あるいは、インバータ1による弱め界磁運転を行い、インバータ入力側に現れる電圧でバッテリ30を充電できる状況を示している。このように、永久磁石型同期電動機の比較的回転数が低い場合には、DC/DCコンバータ10を構成するスイッチング素子Qx1は常時オンとしておく。このようにすれば、スイッチングによる損失が発生せず、DC/DCコンバータ10の発熱を低減することができる。
【0037】
以上のように、本実施の形態によれば、DC/DCコンバータ10は、バッテリ30(第一のエネルギ蓄積源)とコンデンサ31(第二のエネルギ蓄積源)の間でエネルギを相互に輸送し合うため、少なくとも2つのスイッチング素子Qx1,Qx2で構成され、これらのスイッチング素子Qx1,Qx2のうち、インバータ1の直流電圧入出力端子の高電圧側端子とバッテリ30とをリアクトルLxを介して接続するスイッチング素子Qx1は、M/G20による発電動作時において、M/G20がある一定の回転数以下では、常時オン状態としたので、発電時のDC/DCコンバータ10部分の発熱を低く抑えることができる。
【0038】
【発明の効果】
この発明は、自動車のエンジンの始動・加速及び発電を行う自動車用電力装置であって、上記エンジンの始動時および加速時に該エンジンを駆動するとともに、定常走行時および減速時に該エンジンの動力を受けて発電を行う同期電動機と、上記同期電動機の上記エンジンの駆動時には上記同期電動機を駆動するとともに、上記同期電動機の発電時には整流動作を行うインバータと、上記インバータの入力端子に接続され、上記同期電動機の上記エンジンの駆動時には上記インバータに直流電力を供給し、上記同期電動機の上記発電時には上記同期電動機の発電電力により充電される電源とを備え、上記電源は、第一のエネルギ蓄積源と第二のエネルギ蓄積源を互いに直列接続した直列接続電源と、上記第一のエネルギ蓄積源および上記第二のエネルギ蓄積源の間でエネルギの輸送を行うDC/DCコンバータとを備え、上記同期電動機の発電時に上記同期電動機の回転数が所定の回転数を超えた期間では、上記同期電動機の入力端子またはその入力端子に接続された上記インバータの入力側の短絡とその解除とを所定の時間間隔で繰り返し行うことにより、上記同期電動機から上記インバータを介する上記直列接続電源への電力供給の停止と供給とを当該所定の時間間隔で繰り返し行い、電力供給の停止時には、上記DC/DCコンバータにより、上記第二のエネルギ蓄積源から、上記第一のエネルギ蓄積源もしくは上記第一のエネルギ蓄積源に接続された負荷へ、エネルギを輸送するようにしたので、高回転時でも弱め界磁運転を必要とせず、永久磁石型同期電動機の回転数によらず連続的にバッテリを充電することができ、弱め界磁電流による損失を抑え、燃費の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動車用電力装置の構成を示す回路図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る自動車用電力装置に設けられたコンデンサの充電・放電動作パターンの実施の形態1に係る一例を示す説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る自動車用電力装置に設けられたコンデンサの充電・放電動作パターンの実施の形態1に係る他の例を示す説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る自動車用電力装置に設けられたコンデンサの充電・放電動作パターンの実施の形態2に係る一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インバータ、10 DC/DCコンバータ、15 平滑コンデンサ、20M/G(モータ/発電機)、30 バッテリ、31 コンデンサ、32 制御回路、33 負荷、Sx1〜Sx6 パワー半導体素子、Qx1 上側スイッチ、Qx2 下側スイッチ、Dx1,Dx2 フリーホイールダイオード、Lx リアクトル。

Claims (5)

  1. 自動車のエンジンの始動・加速及び発電を行う自動車用電力装置であって、
    上記エンジンの始動時および加速時に該エンジンを駆動するとともに、定常走行時および減速時に該エンジンの動力を受けて発電を行う同期電動機と、
    上記同期電動機の上記エンジンの駆動時には上記同期電動機を駆動するとともに、上記同期電動機の発電時には整流動作を行うインバータと、
    上記インバータの入力端子に接続され、上記同期電動機の上記エンジンの駆動時には上記インバータに直流電力を供給し、上記同期電動機の上記発電時には上記同期電動機の発電電力により充電される電源とを備え、
    上記電源は、
    第一のエネルギ蓄積源と第二のエネルギ蓄積源を互いに直列接続した直列接続電源と、
    上記第一のエネルギ蓄積源および上記第二のエネルギ蓄積源の間でエネルギの輸送を行うDC/DCコンバータと
    を備え、
    上記同期電動機の発電時に上記同期電動機の回転数が所定の回転数を超えた期間では、上記同期電動機の入力端子またはその入力端子に接続された上記インバータの入力側の短絡とその解除とを所定の時間間隔で繰り返し行うことにより、上記同期電動機から上記インバータを介する上記直列接続電源への電力供給の停止と供給とを当該所定の時間間隔で繰り返し行い、電力供給の停止時には、上記DC/DCコンバータにより、上記第二のエネルギ蓄積源から、上記第一のエネルギ蓄積源もしくは上記第一のエネルギ蓄積源に接続された負荷へ、エネルギを輸送する
    ことを特徴とする自動車用電力装置。
  2. 上記同期電動機の入力端子またはその入力端子に接続された上記インバータの入力側の短絡は、上記インバータに設けられている上側アームまたは下側アームのスイッチング素子を一括してオンすることにより行うことを特徴とする請求項1に記載の自動車用電力装置。
  3. 上記第一のエネルギ蓄積源はバッテリから構成され、上記第二のエネルギ蓄積源はコンデンサから構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用電力装置。
  4. 上記直列接続電源の両端に印加可能な電圧は、上記同期電動機の最大回転数における無負荷誘起電圧より大きいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。
  5. 上記DC/DCコンバータは、上記インバータの直流電圧入出力端子の高電圧側端子と上記第一のエネルギ蓄積源とをリアクトルを介して接続する第一のスイッチング素子を含む、少なくとも2つのスイッチング素子で構成され、
    上記第一のスイッチング素子は、上記同期電動機による上記発電時において上記同期電動機の回転数が所定の回転数以下の期間では、常時オン状態である
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。
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