JP2004364352A - 電動機とその駆動方法及び自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温時の必要な電池出力を減少させ、電池容量を減少させることができる電動機とその駆動方法を提供する。
【解決手段】永久磁石型電動機において、同一相に第1の巻線1a、2a、3aと第2の巻線1b、2b、3bを設け、各巻線に第1のインバータ4と第2のインバータ5を接続し、これらのインバータ4、5の駆動用の電池6に対し、並列または直列に接続する切替え手段としてのリレーユニット7を設け、電池6の容量が低下する低温時にインバータ4、5を直列接続することによって、低速回転領域での電動機効率を上げ、小さな電池容量で所望のトルクが得られるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】永久磁石型電動機において、同一相に第1の巻線1a、2a、3aと第2の巻線1b、2b、3bを設け、各巻線に第1のインバータ4と第2のインバータ5を接続し、これらのインバータ4、5の駆動用の電池6に対し、並列または直列に接続する切替え手段としてのリレーユニット7を設け、電池6の容量が低下する低温時にインバータ4、5を直列接続することによって、低速回転領域での電動機効率を上げ、小さな電池容量で所望のトルクが得られるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車(PEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCEV)等の自動車に好適に適用できる電動機とその駆動方法及びそれを用いた自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述のような自動車等に用いられる電動機及びその駆動方法として、磁石型電動機を使用した例が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
その例の構成を図8を参照して説明する。図8は、電動機31と、1組のインバータ32と、電池33と、内燃機関34と、変速機50、で構成されたハイブリッド自動車の駆動システムである。
【0004】
ここで、電動機31の動作について説明すると、一般にハイブリッド自動車は、停止状態で始動キーを操作すると、図8に示した電池33からインバータ32を介して電動機31に力行電力が供給され、自動車を動かすととともに一定速度に達した時内燃機関34を始動する。内燃機関34の始動後は電動機31に供給されていた電力は遮断され、電動機31は外力による回転に変わる。この後の動作は電気自動車の構成によって異なるが、一般的には内燃機関34が運転している期間は、電動機31は発電機として作用し、インバータ32は回生電流を電池33へ返し、この電流によって電池33は充電され、始動時に放出した電力を再び蓄積する。ブレーキ時にも同様に回生を行い、電池33を充電することより、車両の運動エネルギーを回収する。また、加速時には電動機31にインバータ32から力行電力が供給され、内燃機関34の出力を補助する。また、交叉点等で車両が停止した場合には、内燃機関34を停止し、再び発進する時には電動機31が上述の運転開始時と同様の動作をする。
【0005】
このような一連の動作をすることにより、ハイブリッド自動車は搭載する燃料の持つエネルギーを有効に利用し、省エネルギー効果を得るとともに、排出されるガスを減らす対環境効果を得ている。
【0006】
同様の構成は、特許公開公報でも開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【非特許文献1】
阿部真一、「ハイブリッド電気自動車を支える要素技術」、「自動車技術」、社団法人自動車技術会、1999年2月、Vol53,No.2、P23−26
【0008】
【特許文献1】
特開平9−140006号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のハイブリッド自動車は、従来の内燃機関自動車に装着されているスタータ電動機は装着せず、電動機31で内燃機関34を始動するが、低温時には始動性が悪くなるという問題がある。低温時には内燃機関34の潤滑油粘度が高くなり、始動する際の負荷が増大し、電動機31が発生しなければいけないトルクが大きくなる。
【0010】
反面、電池33の容量は低温時には減少するので、大きなトルクを出すための電流を電動機31に供給するためには、大容量の電池33を装備しなければならないという問題がある。電池は化学反応を利用するので、低温時には特性が低下し、常温や高温時には特性が復帰・向上する。特に、リチウムイオン電池などの高性能電池になるほどこの傾向は強くなる。電池容量はこの低温特性で決まってしまい、常温や高温時には仕様を越えた過剰な容量となる大きな電池を搭載しなければならない。したがって、この低温時に電池に要求される容量を減少させることができれば、車両に搭載する電池の容積を減少させることができる。
【0011】
また、通常ハイブリッド自動車は、電動機を駆動する電力を供給する電池(高電圧)とランプやファン等のいわゆる補機や制御回路の電源に使用する低電圧電池を搭載している。この低電圧電池は上記高電圧電池からDCDCコンバータを介して充電するか、または低電圧用発電機とこの発電機の電圧制御、整流回路を別に搭載して、低電圧電池の充電する構成をとっている。この場合、DCDCコンバータまたは低電圧用発電機が故障したとき、低電圧電池を充電する電力が断たれるので、補機や制御回路の動作が停止するという問題がある。
【0012】
また、寒冷地での使用あるいは電池の劣化によって内燃機関の始動が困難な場合、通常の自動車では、低電圧電池に外部から電力を並列接続し、セルモータを作動させるという方法をとるが、ハイブリッド自動車では、高電圧電池で駆動される電動機で内燃機関を始動するため、外部から接続する電源をハイブリッド自動車に合わせた電圧仕様とするか、一般に普及している低電圧電源を並列接続し、DCDCコンバータを逆方向に動作させ、高電圧を供給して電動機を作動させ、内燃機関を始動しなければならない。このためには、DCDCコンバータを高電圧から低電圧に変換するとともに低電圧から高電圧に変換するりこともできる双方向とする必要があり、コスト高になるという問題がある。なお、低電圧電源を外部から供給することは比較的簡単であり、寒冷地ではこのための体制も整っているが、高電圧の供給は安全性、体制面で現実的ではない。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、低温時の必要な電池出力を減少させ、電池容量を減少させることができる電動機とその駆動方法、及びそれを用いた自動車並びに異常時に低電圧電池に電力供給できる自動車を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動機は、電動機の同一位相に配設された少なくとも2つ以上の分離した巻線と、それらの巻線に接続された2つ以上のインバータと、これらのインバータを電源に対して直列接続と並列接続の何れかに切り替えて接続する切替え手段とを備えたものである。
【0015】
この構成によって、電池温度が低い時に電池に対してインバータを直列接続することで、電動機の誘起電圧定数を高くすることができる。モデル的に考察すると、磁石型電動機は起動時にトルクが最大となり最大回転数までトルクが低下して零に至る。また、誘起電圧は回転速度に比例するので、電動機電流は起動時に最大となり最大回転数では零に近づく。入力電圧を一定とすると、出力は零速度と最大速度の中間で最大となり、効率は最大回転数近くで最大値を取り、零速度、最大速度で向かって低下する。かくして、誘起電圧定数、すなわちトルク常数の高い電動機は、低い電動機に比べて最大効率となる回転数が低くなるので、低速領域で同一回転速度での効率は高くなる。電動機の入力電流は、電動機出力を電動機効率で除したものであるから、上記のように巻線を直列接続し、トルク常数を高くなるようにした駆動方法により、低速領域での電池電流も小さくなり、必要とする電池容量を減少させることができる。一方、通電によって電池温度が上がった後の通常駆動時には、電池に対してインバータを並列接続することにより、電動機のトルク常数を通常使用時の状態に戻すことにより、高速回転まで効率的に使用可能となる。
【0016】
また、この構成は、複数の磁極歯部を有する固定子鉄心と前記磁極歯部にそれぞれ巻かれた巻線からなる固定子と、永久磁石を含む回転子とを備え、前記固定子の磁極歯部を複数の組に区分するとともに、同じ組の磁極歯部に巻かれた巻線を少なくとも2つの以上の分離した巻線とし、かつ同じ組内において隣接する磁極歯部の巻線の巻回方向を互いに逆方向とするとともに、同じ組内の巻線には同一相の電流を流すことで、高トルクでかつ逆起電圧の波形歪を低減して効率の向上を図った電動機に好適に適用できる。
【0017】
さらに、この電動機の同一相において巻線方向が同一である巻線をまとめて分離された巻線とすると、磁極歯部毎に巻線が分離されるため、同一磁極歯部に異なる巻線を施す場合に比して絶縁面で有利である。
【0018】
また、インバータが直列に接続されたとき、インバータのPWMスイッチングタイミングを互いに重ならないようにすると、インバータのスイッチング周波数を低くしてスイッチング時に発生する損失を小さく、素子に与える負担を少なくしながら、電動機の駆動周波数を高くして可聴周波数を外すことができ、騒音低減を図ることができる。
【0019】
また、インバータに並列に電気2重相キャパシタを接続すると、インバータのスイッチングにより発生する電気ノイズを吸収し、制御の誤動作を無くし、外部に出る電気ノイズを抑制して外部機器ヘの電磁障害を防止できる。
【0020】
また、本発明の電動機の駆動方法は、電動機駆動用の電源電圧が低い場合、若しくは電動機に高い出力トルクが要求される場合、又はその両者の場合に、上記電動機のインバータを直列接続し、その後並列接続に切り替えるものであり、上記作用効果を奏することができる。
【0021】
また、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車や電気自動車において、特に電源にリチウムイオン電池を使用している場合、上記の電動機を自動車駆動用電動機として具備することで、電池容量を減少させることができ、自動車の小型軽量化及び運行面で大きな効果を発揮できる。
【0022】
また、上記自動車において、電源部に電池を有し、この電池の温度を監視する手段と、電池温度が一定値以上である場合にインバータを直列接続しないように制御する手段とを備えると、切替え手段として許容使用回数が多くないリレーを用いた場合においても長期間にわたって安定的に上記効果を奏することができる。
【0023】
また、上記自動車において、低電圧発電をするオルタネータ又は高電圧から低電圧に変換するDCDCコンバータと、これらオルタネータ又はDCDCコンバータが故障した場合、少なくとも1組以上の巻線を発電用に切り替える手段を設けると、オルタネータやDCDCコンバータの故障時にも継続して運転することができる。
【0024】
また、上記自動車において、電池容量が低下した場合、外部から50V以下の電源を、少なくとも1つ以上のインバータに接続する手段を設けると、簡単な構成にて極低温時や電池容量が無くなった時にも、感電する恐れのない外部電源を用いて簡単に始動することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は本実施形態の電動機とその駆動方法を説明するためのブロック図、図2は電動機の回転軸芯に対して垂直な面で断面した断面図である。図1において、1は電動機であり、1aはU相に巻回された第1の巻線、1bはU相に巻回された第2の巻線、2aはV相に巻回された第1の巻線、2bはV相に巻回された第2の巻線、3aはW相に巻回された第1の巻線、3bはW相に巻回された第2の巻線である。U相の第1と第2の巻線1a、1bは、図2に示すように、3つの連続して位置する磁極歯部10a、10b、10cにそれぞれ巻回され、かつ互いに隣接する磁極歯部10a、10cと10bとは互いに逆方向に巻回されている。V相、W相の巻線2a、2b、3a、3bについても、同様に巻回されている。
【0027】
4は第1の巻線1a、2a、3aに接続された第1のインバータ、5は第2の巻線1b、2b、3bに接続された第2のインバータである。4a、5aはインバータ4、5の正側入力、4b、5bはインバータ4、5の負側入力である。6は駆動電源としての電池である。7は電池6に対してインバータ4、5を直列又は並列接続されるように切り替えるリレーユニットで、7a、7bは互いに連動するリレーである。8は電池6の温度を検出する温度検出器、9は電池管理ユニットである。
【0028】
第1のインバータ4の正側入力4aはリレー7aの共通側に、負側入力4bは電池6の負側及びリレー7bのノーマリクローズ側に、第2のインバータ5の正側入力5aは電池6の正側及びリレー7aのノーマリクローズ側に、負側入力5bはリレー7bの共通側に、リレー7aのノーマリオープン側はリレー7bのノーマリオープン側に接続されている。
【0029】
次に、動作を説明する。温度検出器8によって電池6の温度を検出し、温度が一定値、例えば0℃より低い場合、電池管理ユニット9からリレーユニット7に指示を出し、リレー7a、7bを動作させて共通側をノーマリクローズ側からノーマリオープン側に切替え、第1のインバータ4の正側入力4aを第2のインバータ5の負側入力5bに接続する。
【0030】
この動作により2組の電動機巻線が電池6に対して直列に接続されることになる。単位系によるが、トルク常数は誘起電圧定数に等しく、2つの巻線のトルク常数が等しければ、この直列接続により誘起電圧定数は並列接続の場合のトルク常数T2(Nm/A)の2倍になり、トルク常数T1(Nm/A)も2倍になる。
【0031】
電動機トルクはトルク常数と電流の積で決まるが、巻線の直列状態ではトルク常数が2倍になっているので、電動機始動時の必要トルクに対する電動機電流は2分の1で済む。ここで、内燃機関始動のための必要トルクをT1(Nm)、必要回転数をN1(rad/sec)とすると、始動のために必要な内燃機関への入力W1は、
W1=T1×N1 (W) ・・・(1)
となる。各部に損失のない理想状態を考えれば、始動時の電動機の出力はこのW1と等しくなり、電動機と内燃機関が減速機を介さずに直結されている場合は、互いに回転数が等しくなるので、電動機の必要トルクも始動トルクと等しくT1となる。一方、上記条件下における電池出力電圧をVb(V)とした時、電動機1、インバータ4、5等の効率も理想状態で損失がないとした時、電池6の出力電流I1は、
I1=W1/Vb (A) ・・・(2)
となる。
【0032】
これは電動機1のトルク常数に関わりなく一定である。ところが、現実にはインバータ4、5、電動機1共に損失が存在する。ここで、インバータ効率をEi、電動機効率を電源に対してインバータ直結の場合をE1、インバータ並列の場合をE2とすると、電池電流はインバータ直結の場合I2、インバータ並列の場合I3とすると、
I2=W1/(Vb×Ei×E1) (A) ・・・(3)
I3=W1/(Vb×Ei×E2) (A) ・・・(4)
となる。
【0033】
一方、電動機効率は回転数0で、0、無負荷最大回転数で0、0速度と無負荷最大回転数の間でやや最大回転数に近い回転数で最大となるので、同一サイズ、同一銅量で比較した場合、最大効率はほぼ同一であるから、トルク常数の大きな電動機ほど、0から無負荷最大回転数の間の比較的0に近い速度領域では効率が高くなる。
【0034】
すなわち、
E1>E2 ・・・(5)
なので、
I2<I3 ・・・(6)
となる。
【0035】
トルク常数T1とT2に2倍の差があるとき、このE1とE2の差はかなり大きく、
E1>>E2 ・・・(7)
となるので、電池電流の差も大きくなり、
I2<<I3 ・・・(8)
となる。
【0036】
従って、電池出力も、電動機駆動インバータを直列接続した場合をW2、並列接続した場合をW3とすれば、
W2=I1×Vb (W) ・・・(9)
W3=I2×Vb (W) ・・・(10)
で表すことができるから、
W2<<W3 ・・・(11)
となり、インバータ直列接続時には低い電力を出力すれば良く、起動時、特に電池温度が下がっている時に大きな容量の電池6を使う必要がなくなる。
【0037】
また、一旦電動機1を起動した後は、通電による発熱で電池温度は急激に上昇し、電池容量は低温時に比べ大きな値に復帰する。
【0038】
一方、通常走行時には、電動機は内燃機関の最大回転数まで回転する必要があるが、電動機の最大回転数は、トルク常数すなわち誘起電圧定数で決定されるので、誘起電圧定数はある程度低い値に設定する必要がある。ここで、本実施形態では通常走行時にはインバータを電源に対し並列接続とし、誘起電圧定数を内燃機関始動時の2分の1とすることによって対処している。
【0039】
上述のように本実施形態では、電動機始動時に電動機のトルク常数を切り替えるリレーユニット7を備えるが、リレーは許容作動回数が半導体程多くないため、電池温度検出器8で温度検出し、電池管理ユニット9に入力することにより、電源への接続を切替えるリレーユニット7の動作は、電池電圧が低い場合に限定するということも可能である。
【0040】
この場合リレー7a、7bのノーマリオンは、上記動作の直列、並列のどちら側とすることもできる。なお、リレーは半導体で構成してもよい。
【0041】
本実施形態における電動機1は、図2に示すように、本出願人の先願である特願2002−329454号の明細書及び図面に記載された電動機と同様に、連続して位置する複数の磁極歯部を同相とするとともに、同相内で互いに隣接する磁石極歯部の巻線の巻回方向を逆向きにしてなる固定子を有する埋め込み磁石型電動機(以下、多叉電動機と称する)を例にとっているが、通常の集中巻き電動機、または分布巻き電動機に対しても同様に適用することで、同様の作用効果を奏することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の電動機を図3を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明においては、先行する実施形態と同一の構成要素については、同一参照符号を付して説明を省略し、主として相違点について説明する。
【0043】
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様の多叉電動機において、U相の磁極歯部10aと10cに第1の巻線1cが巻回され、U相の磁極歯部10bに第2の巻線1dが巻回され、V相の磁極歯部11aと11cに第1の巻線2cが巻回され、V相の磁極歯部11bに第2の巻線2dが巻回され、W相の磁極歯部12aと12cに第1の巻線3cが巻回され、W相の磁極歯部12bに第2の巻線3dが巻回されている。
【0044】
この実施形態の電動機に、第1の実施形態と同様の駆動方法を適用しても同様の効果を奏することができ、かつ本実施形態では第1の巻線1c、2c、3cと第2の巻線1d、2d、3dがそれぞれ独立した磁極歯部に巻回されているため絶縁構成上有利であり、特に第1と第2の巻線の間、1cと1d、2cと2d、3cと3dの間に特殊な絶縁構成をとる必要がなく、簡易な構成にすることができるという特長を有する。
【0045】
また、本実施形態では多叉電動機を例にしたが、通常の3相電動機でも、4極以上の電動機であれば同様な構成を取り、例えば複数設けられたU相を磁極歯部毎に第1と第2の巻線に分離し、V相、W相についても同様に分離することにより、同様に適用することができる。
【0046】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の電動機の駆動方法を図4を参照して説明する。
【0047】
図4において、13は第1のインバータ4の制御信号、14は第2のインバータ5の制御信号である。
【0048】
自動車自体は停止時には騒音を発生せず静粛であるが、ここから発進する際の内燃機関の始動時の騒音低減のために、インバータのスイッチング周波数を高くし、可聴周波数を外すことが有利なことがある。上記説明のように、電池6の温度が一定値以下の時、インバータを電池6に対して直列接続するが、これらのインバータ4、5は同一の電動機を対象として制御されるため、通電位相は全く同期して制御されるが、直列接続のため、どちらかのインバータがオフであれば、他方のインバータもスイッチング素子の状態に関わらずオフとなる。
【0049】
従って、図4に示すように、制御信号13と14を交互にオン、オフさせ、それぞれのスイッチング周波数をF(Hz)とすれば、電動機全体は2F(Hz)でオン、オフされることになり、高周波数化が達成される。一方、各インバータ4、5のスイッチング素子はF(Hz)で駆動され、電動機の駆動周波数よりも低い値となるため、スイッチング時に発生する損失が小さくて済み、素子に与える負担が少なくなるという効果を奏する。
【0050】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態の電動機の構成を図5を参照して説明する。
【0051】
図5において、15は第1のインバータ4に並列に接続された電気2重相キャパシタ、16は第2のインバータ5に並列に接続された電気2重相キャパシタである。
【0052】
このようにインバータ4、5に並列に電気2重相キャパシタ15、16を接続すると、例えばインバータ4、5を直列に接続した場合に、各々のインバータの発生するスイッチングによる電気ノイズを吸収し、制御の誤作動を無くするという効果が期待できる。また、インバータ4、5から外部に出る電気ノイズを抑制するので、外部機器への電磁障害対策ともなる。
【0053】
(第5の実施形態)
次に、本発明の電動機を自動車に適用した第5の実施形態について、図6を参照して説明する。
【0054】
図6において、17は内燃機関、18は電動機、19はトランスミッション、20は差動ギア、21は車軸と車輪、22は車両制御ユニット、23は内燃機関制御ユニットである。22aは電池管理ユニット9と車両制御ユニット22の間の信号線、22bは車両制御ユニット22と内燃機関制御ユニット23の間の信号線、22cは車両制御ユニット22に車速、その他の各種信号などの必要な信号の入出力を行う信号線、23aは内燃機関17と内燃機関制御ユニット23の間の信号線である。
【0055】
車両の始動時には内燃機関17は停止しているが、電動機18をインバータ4、5で駆動することによって内燃機関17を始動するとともに車軸及び車輪21を駆動して車両を動かす。その際、電池ユニットから成る電池6が一定温度、例えば0℃以下の場合には、電池管理ユニット9がこれを検出し、リレーユニット7を作動させ、インバータ4と5を電池6に対して直列に接続する。
【0056】
これによって、電動機18の誘起電圧定数が大きくなるので、並列接続時よりも少ない電流で確実に始動を行うことができ、その際の電池6から出る電流が少なくて済むので、寒冷地でも十分な始動が可能となる。
【0057】
また、例えば、通常速度から高速走行時に電動機に要求される出力は、車両重量や仕様にもよるが、通常1〜3kW程度である。一方、電動機効率は400〜800rpmで30%前後、インバータ効率が95%前後とすると、電池出力は7kW程度の能力を持たせる必要がある。因みに、低温での内燃機関始動に必要な入力は2kW程度である。
【0058】
ここで、電動機の誘起電圧定数を2倍にした時、400〜800rpmでの電動機効率が60%程度に向上する。ここでの電動機損失は殆どが銅損であり、電動機電流が2分の1となれば、損失は半減することが予想される。かくして、ハイブリッド自動車に搭載する電池6の容量を下げることができ、自動車の小型軽量化に有効であるとともに、コストも安価にでき、優れた性質を有する自動車を提供可能となる。
【0059】
(第6の実施形態)
次に、本発明の電動機を自動車に適用した第6の実施形態について、図7を参照して説明する。
【0060】
図7において、24は第2のリレーユニットであり、互いに連動するリレー24a、24bを備えている。25は低電圧電池である。26はDCDCコンバータであり、26aはその高電圧側、26bは低電圧側である。
【0061】
インバータ4の正側入力4aはリレー7aの共通側に、負側入力4bはリレー24aの共通側に接続されている。インバータ5の正側入力5aは電池6の正側及びリレー24bのノーマリクローズ側に、負側入力5bはリレー7bの共通側に接続されている。リレー7aのノーマリオープン側はリレー7bのノーマリオープン側に接続されている。リレー7aのノーマリクローズ側はリレー24bの共通側に接続されている。リレー24aのノーマリクローズ側は電池6の負側及びリレー7bのノーマリクローズ側に、ノーマリオープン側は低電圧電池25の負側に接続されている。リレー24bのノーマリオープン側は低電圧電池25の正側及びDCDCコンバータ26の低電圧側26bに接続されている。DCDCコンバータ26の高電圧側26aは電池6の正側に、低電圧側26bは低電圧電池25の正側に接続されている。
【0062】
低電圧電池25は補機や制御回路に対して12Vの電源を供給しており、通常は高電圧の電池6からDCDCコンバータ26を介して電圧変換して充電されている。
【0063】
本実施形態では、DCDCコンバータ26が故障した場合に、リレーユニット2を作動させ、インバータ4を低電圧電池25と並列に接続し、電動機巻線1a、2a、3aで発生する電力をインバータ4にて整流、電力制御し、低電圧電池25を充電するともに、補機や制御回路を駆動するように構成している。
【0064】
これによって、DCDCコンバータ26が故障した時に、低電圧電池25に対する充電ができず、その電池電圧が低下してしまい、補機や制御回路が停止してしまうという事態の発生を防止できる。
【0065】
なお、図7では、DCDCコンバータを使用した例を説明したが、DCDCコンバータの代わりに、低電圧オルタネータと電圧安定回路及び整流回路を組み合わせた構成の場合でも同様の効果が得られる。
【0066】
(第7の実施形態)
次に、本発明の電動機を自動車に適用した第7の実施形態について、上記図7を参照して説明する。
【0067】
本実施形態では、図7に仮想線で示すように、低電圧電池25に対して外部電源27を並列で接続して電力供給可能に構成されている。
【0068】
この構成により、寒冷地での電池6の容量低下や、電池6の経年変化による容量低下によって、内燃機関17の始動が困難な場合に、低電圧電池25に外部電源27を並列接続するとともに、上記第6の実施形態と同様にリレーユニット24を動作させ、インバータ4を低電圧電池25に並列に接続することにより、低電圧電池25に外部より電力供給して内燃機関17を始動することが可能となる。なお、外部電源27の電圧は感電の恐れがない50Vの以下とすることで、容易に電力供給を行うことができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも2つの分離された巻線と、巻線に接続された少なくとも2つのインバータと、電源に対してこれらのインバータが直列接続または並列接続されるように切り替える手段とを備えているので、低温時などに電池電源の容量が低下したときに、少なくとも2つのインバータを電源に対して直列に接続することにより、電源から少ない電池電流しか得られなくても所望の電動機出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の電動機とその駆動方法の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態の電動機の巻線構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の電動機の巻線構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態におけるインバータの駆動タイミング図である。
【図5】本発明の第4の実施形態の電動機の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第5の実施形態のハイブリッド自動車の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第6の実施形態の電動機の概略構成を示すブロック図である。
【図8】従来例のハイブリッド自動車の概略構成図である。
【符号の説明】
1 電動機
1a、1c、2a、3a 第1の巻線
1b、1d、2b、3b 第2の巻線
4 第1のインバータ
5 第2のインバータ
6 電池
7 リレーユニット
8 温度検出器
9 電池管理ユニット
10a、10b、10c U相磁極歯部
11a、11b、11c V相磁極歯部
12a、12b、12c W相磁極歯部
15、16 電気2重相キャパシタ
17 内燃機関
18 電動機
24 第2のリレーユニット
25 低電圧電池
26 DCDCコンバータ
27 外部電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車(PEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCEV)等の自動車に好適に適用できる電動機とその駆動方法及びそれを用いた自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述のような自動車等に用いられる電動機及びその駆動方法として、磁石型電動機を使用した例が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
その例の構成を図8を参照して説明する。図8は、電動機31と、1組のインバータ32と、電池33と、内燃機関34と、変速機50、で構成されたハイブリッド自動車の駆動システムである。
【0004】
ここで、電動機31の動作について説明すると、一般にハイブリッド自動車は、停止状態で始動キーを操作すると、図8に示した電池33からインバータ32を介して電動機31に力行電力が供給され、自動車を動かすととともに一定速度に達した時内燃機関34を始動する。内燃機関34の始動後は電動機31に供給されていた電力は遮断され、電動機31は外力による回転に変わる。この後の動作は電気自動車の構成によって異なるが、一般的には内燃機関34が運転している期間は、電動機31は発電機として作用し、インバータ32は回生電流を電池33へ返し、この電流によって電池33は充電され、始動時に放出した電力を再び蓄積する。ブレーキ時にも同様に回生を行い、電池33を充電することより、車両の運動エネルギーを回収する。また、加速時には電動機31にインバータ32から力行電力が供給され、内燃機関34の出力を補助する。また、交叉点等で車両が停止した場合には、内燃機関34を停止し、再び発進する時には電動機31が上述の運転開始時と同様の動作をする。
【0005】
このような一連の動作をすることにより、ハイブリッド自動車は搭載する燃料の持つエネルギーを有効に利用し、省エネルギー効果を得るとともに、排出されるガスを減らす対環境効果を得ている。
【0006】
同様の構成は、特許公開公報でも開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【非特許文献1】
阿部真一、「ハイブリッド電気自動車を支える要素技術」、「自動車技術」、社団法人自動車技術会、1999年2月、Vol53,No.2、P23−26
【0008】
【特許文献1】
特開平9−140006号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のハイブリッド自動車は、従来の内燃機関自動車に装着されているスタータ電動機は装着せず、電動機31で内燃機関34を始動するが、低温時には始動性が悪くなるという問題がある。低温時には内燃機関34の潤滑油粘度が高くなり、始動する際の負荷が増大し、電動機31が発生しなければいけないトルクが大きくなる。
【0010】
反面、電池33の容量は低温時には減少するので、大きなトルクを出すための電流を電動機31に供給するためには、大容量の電池33を装備しなければならないという問題がある。電池は化学反応を利用するので、低温時には特性が低下し、常温や高温時には特性が復帰・向上する。特に、リチウムイオン電池などの高性能電池になるほどこの傾向は強くなる。電池容量はこの低温特性で決まってしまい、常温や高温時には仕様を越えた過剰な容量となる大きな電池を搭載しなければならない。したがって、この低温時に電池に要求される容量を減少させることができれば、車両に搭載する電池の容積を減少させることができる。
【0011】
また、通常ハイブリッド自動車は、電動機を駆動する電力を供給する電池(高電圧)とランプやファン等のいわゆる補機や制御回路の電源に使用する低電圧電池を搭載している。この低電圧電池は上記高電圧電池からDCDCコンバータを介して充電するか、または低電圧用発電機とこの発電機の電圧制御、整流回路を別に搭載して、低電圧電池の充電する構成をとっている。この場合、DCDCコンバータまたは低電圧用発電機が故障したとき、低電圧電池を充電する電力が断たれるので、補機や制御回路の動作が停止するという問題がある。
【0012】
また、寒冷地での使用あるいは電池の劣化によって内燃機関の始動が困難な場合、通常の自動車では、低電圧電池に外部から電力を並列接続し、セルモータを作動させるという方法をとるが、ハイブリッド自動車では、高電圧電池で駆動される電動機で内燃機関を始動するため、外部から接続する電源をハイブリッド自動車に合わせた電圧仕様とするか、一般に普及している低電圧電源を並列接続し、DCDCコンバータを逆方向に動作させ、高電圧を供給して電動機を作動させ、内燃機関を始動しなければならない。このためには、DCDCコンバータを高電圧から低電圧に変換するとともに低電圧から高電圧に変換するりこともできる双方向とする必要があり、コスト高になるという問題がある。なお、低電圧電源を外部から供給することは比較的簡単であり、寒冷地ではこのための体制も整っているが、高電圧の供給は安全性、体制面で現実的ではない。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、低温時の必要な電池出力を減少させ、電池容量を減少させることができる電動機とその駆動方法、及びそれを用いた自動車並びに異常時に低電圧電池に電力供給できる自動車を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動機は、電動機の同一位相に配設された少なくとも2つ以上の分離した巻線と、それらの巻線に接続された2つ以上のインバータと、これらのインバータを電源に対して直列接続と並列接続の何れかに切り替えて接続する切替え手段とを備えたものである。
【0015】
この構成によって、電池温度が低い時に電池に対してインバータを直列接続することで、電動機の誘起電圧定数を高くすることができる。モデル的に考察すると、磁石型電動機は起動時にトルクが最大となり最大回転数までトルクが低下して零に至る。また、誘起電圧は回転速度に比例するので、電動機電流は起動時に最大となり最大回転数では零に近づく。入力電圧を一定とすると、出力は零速度と最大速度の中間で最大となり、効率は最大回転数近くで最大値を取り、零速度、最大速度で向かって低下する。かくして、誘起電圧定数、すなわちトルク常数の高い電動機は、低い電動機に比べて最大効率となる回転数が低くなるので、低速領域で同一回転速度での効率は高くなる。電動機の入力電流は、電動機出力を電動機効率で除したものであるから、上記のように巻線を直列接続し、トルク常数を高くなるようにした駆動方法により、低速領域での電池電流も小さくなり、必要とする電池容量を減少させることができる。一方、通電によって電池温度が上がった後の通常駆動時には、電池に対してインバータを並列接続することにより、電動機のトルク常数を通常使用時の状態に戻すことにより、高速回転まで効率的に使用可能となる。
【0016】
また、この構成は、複数の磁極歯部を有する固定子鉄心と前記磁極歯部にそれぞれ巻かれた巻線からなる固定子と、永久磁石を含む回転子とを備え、前記固定子の磁極歯部を複数の組に区分するとともに、同じ組の磁極歯部に巻かれた巻線を少なくとも2つの以上の分離した巻線とし、かつ同じ組内において隣接する磁極歯部の巻線の巻回方向を互いに逆方向とするとともに、同じ組内の巻線には同一相の電流を流すことで、高トルクでかつ逆起電圧の波形歪を低減して効率の向上を図った電動機に好適に適用できる。
【0017】
さらに、この電動機の同一相において巻線方向が同一である巻線をまとめて分離された巻線とすると、磁極歯部毎に巻線が分離されるため、同一磁極歯部に異なる巻線を施す場合に比して絶縁面で有利である。
【0018】
また、インバータが直列に接続されたとき、インバータのPWMスイッチングタイミングを互いに重ならないようにすると、インバータのスイッチング周波数を低くしてスイッチング時に発生する損失を小さく、素子に与える負担を少なくしながら、電動機の駆動周波数を高くして可聴周波数を外すことができ、騒音低減を図ることができる。
【0019】
また、インバータに並列に電気2重相キャパシタを接続すると、インバータのスイッチングにより発生する電気ノイズを吸収し、制御の誤動作を無くし、外部に出る電気ノイズを抑制して外部機器ヘの電磁障害を防止できる。
【0020】
また、本発明の電動機の駆動方法は、電動機駆動用の電源電圧が低い場合、若しくは電動機に高い出力トルクが要求される場合、又はその両者の場合に、上記電動機のインバータを直列接続し、その後並列接続に切り替えるものであり、上記作用効果を奏することができる。
【0021】
また、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車や電気自動車において、特に電源にリチウムイオン電池を使用している場合、上記の電動機を自動車駆動用電動機として具備することで、電池容量を減少させることができ、自動車の小型軽量化及び運行面で大きな効果を発揮できる。
【0022】
また、上記自動車において、電源部に電池を有し、この電池の温度を監視する手段と、電池温度が一定値以上である場合にインバータを直列接続しないように制御する手段とを備えると、切替え手段として許容使用回数が多くないリレーを用いた場合においても長期間にわたって安定的に上記効果を奏することができる。
【0023】
また、上記自動車において、低電圧発電をするオルタネータ又は高電圧から低電圧に変換するDCDCコンバータと、これらオルタネータ又はDCDCコンバータが故障した場合、少なくとも1組以上の巻線を発電用に切り替える手段を設けると、オルタネータやDCDCコンバータの故障時にも継続して運転することができる。
【0024】
また、上記自動車において、電池容量が低下した場合、外部から50V以下の電源を、少なくとも1つ以上のインバータに接続する手段を設けると、簡単な構成にて極低温時や電池容量が無くなった時にも、感電する恐れのない外部電源を用いて簡単に始動することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は本実施形態の電動機とその駆動方法を説明するためのブロック図、図2は電動機の回転軸芯に対して垂直な面で断面した断面図である。図1において、1は電動機であり、1aはU相に巻回された第1の巻線、1bはU相に巻回された第2の巻線、2aはV相に巻回された第1の巻線、2bはV相に巻回された第2の巻線、3aはW相に巻回された第1の巻線、3bはW相に巻回された第2の巻線である。U相の第1と第2の巻線1a、1bは、図2に示すように、3つの連続して位置する磁極歯部10a、10b、10cにそれぞれ巻回され、かつ互いに隣接する磁極歯部10a、10cと10bとは互いに逆方向に巻回されている。V相、W相の巻線2a、2b、3a、3bについても、同様に巻回されている。
【0027】
4は第1の巻線1a、2a、3aに接続された第1のインバータ、5は第2の巻線1b、2b、3bに接続された第2のインバータである。4a、5aはインバータ4、5の正側入力、4b、5bはインバータ4、5の負側入力である。6は駆動電源としての電池である。7は電池6に対してインバータ4、5を直列又は並列接続されるように切り替えるリレーユニットで、7a、7bは互いに連動するリレーである。8は電池6の温度を検出する温度検出器、9は電池管理ユニットである。
【0028】
第1のインバータ4の正側入力4aはリレー7aの共通側に、負側入力4bは電池6の負側及びリレー7bのノーマリクローズ側に、第2のインバータ5の正側入力5aは電池6の正側及びリレー7aのノーマリクローズ側に、負側入力5bはリレー7bの共通側に、リレー7aのノーマリオープン側はリレー7bのノーマリオープン側に接続されている。
【0029】
次に、動作を説明する。温度検出器8によって電池6の温度を検出し、温度が一定値、例えば0℃より低い場合、電池管理ユニット9からリレーユニット7に指示を出し、リレー7a、7bを動作させて共通側をノーマリクローズ側からノーマリオープン側に切替え、第1のインバータ4の正側入力4aを第2のインバータ5の負側入力5bに接続する。
【0030】
この動作により2組の電動機巻線が電池6に対して直列に接続されることになる。単位系によるが、トルク常数は誘起電圧定数に等しく、2つの巻線のトルク常数が等しければ、この直列接続により誘起電圧定数は並列接続の場合のトルク常数T2(Nm/A)の2倍になり、トルク常数T1(Nm/A)も2倍になる。
【0031】
電動機トルクはトルク常数と電流の積で決まるが、巻線の直列状態ではトルク常数が2倍になっているので、電動機始動時の必要トルクに対する電動機電流は2分の1で済む。ここで、内燃機関始動のための必要トルクをT1(Nm)、必要回転数をN1(rad/sec)とすると、始動のために必要な内燃機関への入力W1は、
W1=T1×N1 (W) ・・・(1)
となる。各部に損失のない理想状態を考えれば、始動時の電動機の出力はこのW1と等しくなり、電動機と内燃機関が減速機を介さずに直結されている場合は、互いに回転数が等しくなるので、電動機の必要トルクも始動トルクと等しくT1となる。一方、上記条件下における電池出力電圧をVb(V)とした時、電動機1、インバータ4、5等の効率も理想状態で損失がないとした時、電池6の出力電流I1は、
I1=W1/Vb (A) ・・・(2)
となる。
【0032】
これは電動機1のトルク常数に関わりなく一定である。ところが、現実にはインバータ4、5、電動機1共に損失が存在する。ここで、インバータ効率をEi、電動機効率を電源に対してインバータ直結の場合をE1、インバータ並列の場合をE2とすると、電池電流はインバータ直結の場合I2、インバータ並列の場合I3とすると、
I2=W1/(Vb×Ei×E1) (A) ・・・(3)
I3=W1/(Vb×Ei×E2) (A) ・・・(4)
となる。
【0033】
一方、電動機効率は回転数0で、0、無負荷最大回転数で0、0速度と無負荷最大回転数の間でやや最大回転数に近い回転数で最大となるので、同一サイズ、同一銅量で比較した場合、最大効率はほぼ同一であるから、トルク常数の大きな電動機ほど、0から無負荷最大回転数の間の比較的0に近い速度領域では効率が高くなる。
【0034】
すなわち、
E1>E2 ・・・(5)
なので、
I2<I3 ・・・(6)
となる。
【0035】
トルク常数T1とT2に2倍の差があるとき、このE1とE2の差はかなり大きく、
E1>>E2 ・・・(7)
となるので、電池電流の差も大きくなり、
I2<<I3 ・・・(8)
となる。
【0036】
従って、電池出力も、電動機駆動インバータを直列接続した場合をW2、並列接続した場合をW3とすれば、
W2=I1×Vb (W) ・・・(9)
W3=I2×Vb (W) ・・・(10)
で表すことができるから、
W2<<W3 ・・・(11)
となり、インバータ直列接続時には低い電力を出力すれば良く、起動時、特に電池温度が下がっている時に大きな容量の電池6を使う必要がなくなる。
【0037】
また、一旦電動機1を起動した後は、通電による発熱で電池温度は急激に上昇し、電池容量は低温時に比べ大きな値に復帰する。
【0038】
一方、通常走行時には、電動機は内燃機関の最大回転数まで回転する必要があるが、電動機の最大回転数は、トルク常数すなわち誘起電圧定数で決定されるので、誘起電圧定数はある程度低い値に設定する必要がある。ここで、本実施形態では通常走行時にはインバータを電源に対し並列接続とし、誘起電圧定数を内燃機関始動時の2分の1とすることによって対処している。
【0039】
上述のように本実施形態では、電動機始動時に電動機のトルク常数を切り替えるリレーユニット7を備えるが、リレーは許容作動回数が半導体程多くないため、電池温度検出器8で温度検出し、電池管理ユニット9に入力することにより、電源への接続を切替えるリレーユニット7の動作は、電池電圧が低い場合に限定するということも可能である。
【0040】
この場合リレー7a、7bのノーマリオンは、上記動作の直列、並列のどちら側とすることもできる。なお、リレーは半導体で構成してもよい。
【0041】
本実施形態における電動機1は、図2に示すように、本出願人の先願である特願2002−329454号の明細書及び図面に記載された電動機と同様に、連続して位置する複数の磁極歯部を同相とするとともに、同相内で互いに隣接する磁石極歯部の巻線の巻回方向を逆向きにしてなる固定子を有する埋め込み磁石型電動機(以下、多叉電動機と称する)を例にとっているが、通常の集中巻き電動機、または分布巻き電動機に対しても同様に適用することで、同様の作用効果を奏することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の電動機を図3を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明においては、先行する実施形態と同一の構成要素については、同一参照符号を付して説明を省略し、主として相違点について説明する。
【0043】
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様の多叉電動機において、U相の磁極歯部10aと10cに第1の巻線1cが巻回され、U相の磁極歯部10bに第2の巻線1dが巻回され、V相の磁極歯部11aと11cに第1の巻線2cが巻回され、V相の磁極歯部11bに第2の巻線2dが巻回され、W相の磁極歯部12aと12cに第1の巻線3cが巻回され、W相の磁極歯部12bに第2の巻線3dが巻回されている。
【0044】
この実施形態の電動機に、第1の実施形態と同様の駆動方法を適用しても同様の効果を奏することができ、かつ本実施形態では第1の巻線1c、2c、3cと第2の巻線1d、2d、3dがそれぞれ独立した磁極歯部に巻回されているため絶縁構成上有利であり、特に第1と第2の巻線の間、1cと1d、2cと2d、3cと3dの間に特殊な絶縁構成をとる必要がなく、簡易な構成にすることができるという特長を有する。
【0045】
また、本実施形態では多叉電動機を例にしたが、通常の3相電動機でも、4極以上の電動機であれば同様な構成を取り、例えば複数設けられたU相を磁極歯部毎に第1と第2の巻線に分離し、V相、W相についても同様に分離することにより、同様に適用することができる。
【0046】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の電動機の駆動方法を図4を参照して説明する。
【0047】
図4において、13は第1のインバータ4の制御信号、14は第2のインバータ5の制御信号である。
【0048】
自動車自体は停止時には騒音を発生せず静粛であるが、ここから発進する際の内燃機関の始動時の騒音低減のために、インバータのスイッチング周波数を高くし、可聴周波数を外すことが有利なことがある。上記説明のように、電池6の温度が一定値以下の時、インバータを電池6に対して直列接続するが、これらのインバータ4、5は同一の電動機を対象として制御されるため、通電位相は全く同期して制御されるが、直列接続のため、どちらかのインバータがオフであれば、他方のインバータもスイッチング素子の状態に関わらずオフとなる。
【0049】
従って、図4に示すように、制御信号13と14を交互にオン、オフさせ、それぞれのスイッチング周波数をF(Hz)とすれば、電動機全体は2F(Hz)でオン、オフされることになり、高周波数化が達成される。一方、各インバータ4、5のスイッチング素子はF(Hz)で駆動され、電動機の駆動周波数よりも低い値となるため、スイッチング時に発生する損失が小さくて済み、素子に与える負担が少なくなるという効果を奏する。
【0050】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態の電動機の構成を図5を参照して説明する。
【0051】
図5において、15は第1のインバータ4に並列に接続された電気2重相キャパシタ、16は第2のインバータ5に並列に接続された電気2重相キャパシタである。
【0052】
このようにインバータ4、5に並列に電気2重相キャパシタ15、16を接続すると、例えばインバータ4、5を直列に接続した場合に、各々のインバータの発生するスイッチングによる電気ノイズを吸収し、制御の誤作動を無くするという効果が期待できる。また、インバータ4、5から外部に出る電気ノイズを抑制するので、外部機器への電磁障害対策ともなる。
【0053】
(第5の実施形態)
次に、本発明の電動機を自動車に適用した第5の実施形態について、図6を参照して説明する。
【0054】
図6において、17は内燃機関、18は電動機、19はトランスミッション、20は差動ギア、21は車軸と車輪、22は車両制御ユニット、23は内燃機関制御ユニットである。22aは電池管理ユニット9と車両制御ユニット22の間の信号線、22bは車両制御ユニット22と内燃機関制御ユニット23の間の信号線、22cは車両制御ユニット22に車速、その他の各種信号などの必要な信号の入出力を行う信号線、23aは内燃機関17と内燃機関制御ユニット23の間の信号線である。
【0055】
車両の始動時には内燃機関17は停止しているが、電動機18をインバータ4、5で駆動することによって内燃機関17を始動するとともに車軸及び車輪21を駆動して車両を動かす。その際、電池ユニットから成る電池6が一定温度、例えば0℃以下の場合には、電池管理ユニット9がこれを検出し、リレーユニット7を作動させ、インバータ4と5を電池6に対して直列に接続する。
【0056】
これによって、電動機18の誘起電圧定数が大きくなるので、並列接続時よりも少ない電流で確実に始動を行うことができ、その際の電池6から出る電流が少なくて済むので、寒冷地でも十分な始動が可能となる。
【0057】
また、例えば、通常速度から高速走行時に電動機に要求される出力は、車両重量や仕様にもよるが、通常1〜3kW程度である。一方、電動機効率は400〜800rpmで30%前後、インバータ効率が95%前後とすると、電池出力は7kW程度の能力を持たせる必要がある。因みに、低温での内燃機関始動に必要な入力は2kW程度である。
【0058】
ここで、電動機の誘起電圧定数を2倍にした時、400〜800rpmでの電動機効率が60%程度に向上する。ここでの電動機損失は殆どが銅損であり、電動機電流が2分の1となれば、損失は半減することが予想される。かくして、ハイブリッド自動車に搭載する電池6の容量を下げることができ、自動車の小型軽量化に有効であるとともに、コストも安価にでき、優れた性質を有する自動車を提供可能となる。
【0059】
(第6の実施形態)
次に、本発明の電動機を自動車に適用した第6の実施形態について、図7を参照して説明する。
【0060】
図7において、24は第2のリレーユニットであり、互いに連動するリレー24a、24bを備えている。25は低電圧電池である。26はDCDCコンバータであり、26aはその高電圧側、26bは低電圧側である。
【0061】
インバータ4の正側入力4aはリレー7aの共通側に、負側入力4bはリレー24aの共通側に接続されている。インバータ5の正側入力5aは電池6の正側及びリレー24bのノーマリクローズ側に、負側入力5bはリレー7bの共通側に接続されている。リレー7aのノーマリオープン側はリレー7bのノーマリオープン側に接続されている。リレー7aのノーマリクローズ側はリレー24bの共通側に接続されている。リレー24aのノーマリクローズ側は電池6の負側及びリレー7bのノーマリクローズ側に、ノーマリオープン側は低電圧電池25の負側に接続されている。リレー24bのノーマリオープン側は低電圧電池25の正側及びDCDCコンバータ26の低電圧側26bに接続されている。DCDCコンバータ26の高電圧側26aは電池6の正側に、低電圧側26bは低電圧電池25の正側に接続されている。
【0062】
低電圧電池25は補機や制御回路に対して12Vの電源を供給しており、通常は高電圧の電池6からDCDCコンバータ26を介して電圧変換して充電されている。
【0063】
本実施形態では、DCDCコンバータ26が故障した場合に、リレーユニット2を作動させ、インバータ4を低電圧電池25と並列に接続し、電動機巻線1a、2a、3aで発生する電力をインバータ4にて整流、電力制御し、低電圧電池25を充電するともに、補機や制御回路を駆動するように構成している。
【0064】
これによって、DCDCコンバータ26が故障した時に、低電圧電池25に対する充電ができず、その電池電圧が低下してしまい、補機や制御回路が停止してしまうという事態の発生を防止できる。
【0065】
なお、図7では、DCDCコンバータを使用した例を説明したが、DCDCコンバータの代わりに、低電圧オルタネータと電圧安定回路及び整流回路を組み合わせた構成の場合でも同様の効果が得られる。
【0066】
(第7の実施形態)
次に、本発明の電動機を自動車に適用した第7の実施形態について、上記図7を参照して説明する。
【0067】
本実施形態では、図7に仮想線で示すように、低電圧電池25に対して外部電源27を並列で接続して電力供給可能に構成されている。
【0068】
この構成により、寒冷地での電池6の容量低下や、電池6の経年変化による容量低下によって、内燃機関17の始動が困難な場合に、低電圧電池25に外部電源27を並列接続するとともに、上記第6の実施形態と同様にリレーユニット24を動作させ、インバータ4を低電圧電池25に並列に接続することにより、低電圧電池25に外部より電力供給して内燃機関17を始動することが可能となる。なお、外部電源27の電圧は感電の恐れがない50Vの以下とすることで、容易に電力供給を行うことができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも2つの分離された巻線と、巻線に接続された少なくとも2つのインバータと、電源に対してこれらのインバータが直列接続または並列接続されるように切り替える手段とを備えているので、低温時などに電池電源の容量が低下したときに、少なくとも2つのインバータを電源に対して直列に接続することにより、電源から少ない電池電流しか得られなくても所望の電動機出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の電動機とその駆動方法の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態の電動機の巻線構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の電動機の巻線構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態におけるインバータの駆動タイミング図である。
【図5】本発明の第4の実施形態の電動機の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第5の実施形態のハイブリッド自動車の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第6の実施形態の電動機の概略構成を示すブロック図である。
【図8】従来例のハイブリッド自動車の概略構成図である。
【符号の説明】
1 電動機
1a、1c、2a、3a 第1の巻線
1b、1d、2b、3b 第2の巻線
4 第1のインバータ
5 第2のインバータ
6 電池
7 リレーユニット
8 温度検出器
9 電池管理ユニット
10a、10b、10c U相磁極歯部
11a、11b、11c V相磁極歯部
12a、12b、12c W相磁極歯部
15、16 電気2重相キャパシタ
17 内燃機関
18 電動機
24 第2のリレーユニット
25 低電圧電池
26 DCDCコンバータ
27 外部電源
Claims (13)
- 電動機の同一位相に配設された少なくとも2つ以上の分離した巻線と、それらの巻線に接続された2つ以上のインバータと、これらのインバータを電源に対して直列接続と並列接続の何れかに切り替えて接続する切替え手段とを備えたことを特徴とする電動機。
- 電動機は、複数の磁極歯部を有する固定子鉄心と前記磁極歯部にそれぞれ巻かれた巻線からなる固定子と、永久磁石を含む回転子とを備え、前記固定子の磁極歯部を複数の組に区分するとともに、同じ組の磁極歯部に巻かれた巻線を少なくとも2つの以上の分離した巻線とし、かつ同じ組内において隣接する磁極歯部の巻線の巻回方向を互いに逆方向とするとともに、同じ組内の巻線には同一相の電流を流すことを特徴とする請求項1記載の電動機。
- 電動機の同一相において巻線方向が同一である巻線をまとめて分離された巻線としたことを特徴とする請求項2記載の電動機。
- インバータが直列に接続されたとき、インバータのPWMスイッチングタイミングを互いに重ならないようにしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電動機。
- インバータに並列に電気2重相キャパシタを接続したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電動機。
- 請求項1〜5の何れかに記載の電動機の駆動方法であって、電動機駆動用の電源電圧が低い場合、若しくは電動機に高い出力トルクが要求される場合、又はその両者の場合に、インバータを直列接続し、その後並列接続に切り替えることを特徴とする電動機の駆動方法。
- 請求項1〜5の何れかに記載の電動機を自動車駆動用電動機として具備したことを特徴とするハイブリッド自動車。
- 請求項1〜5の何れかに記載の電動機を自動車駆動用電動機として具備したことを特徴とする燃料電池自動車。
- 請求項1〜5の何れかに記載の電動機を自動車駆動用電動機として具備したことを特徴とする電気自動車。
- 電源にリチウムイオン電池を使用したことを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の自動車。
- 請求項7〜10の何れかに記載の自動車において、電源部に電池を有し、この電池の温度を監視する手段と、電池温度が一定値以上である場合にインバータを直列接続しないように制御する手段とを備えたことを特徴とする自動車。
- 請求項7〜10の何れかに記載の自動車において、低電圧発電をするオルタネータ又は高電圧から低電圧に変換するDCDCコンバータと、これらオルタネータ又はDCDCコンバータが故障した場合、少なくとも1組以上の巻線を発電用に切り替える手段を設けたことを特徴とする自動車。
- 請求項7〜11に記載の自動車において、電池容量が低下した場合、外部から50V以下の電源を、少なくとも1つ以上のインバータに接続する手段を設けたことを特徴とする自動車。
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