JP4276032B2

JP4276032B2 - 自動車のシール構造

Info

Publication number: JP4276032B2
Application number: JP2003315811A
Authority: JP
Inventors: 幸三出口; 敏幸上田
Original assignee: Nishikawa Rubber Co Ltd; Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nishikawa Rubber Co Ltd; Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 2003-09-08
Filing date: 2003-09-08
Publication date: 2009-06-10
Anticipated expiration: 2023-09-08
Also published as: DE602004022225D1; JP2005081989A; EP1512570B1; US7320199B2; EP1512570A2; US20050050800A1; EP1512570A3

Description

本発明は、ドアフレームの上側コーナー部で型成形接続されてなる自動車のシール構造に関するものである。

図６，図７に示すように、自動車のドア１，２のドアフレーム３，４はその外周に沿ってドアウェザーストリップ５が取付けられていて、ドア１，２の閉時に、ボディ１０に弾接して車内外を弾接するようになっている。
そして、ドアフレーム３，４のセンターピラー側の上部コーナー部、すなわち、フロントドア１側ドアフレーム３の後側上部コーナー部３ａ、リヤドア２側ドアフレーム４の前側上部コーナー部４ａでは、ボディ１０を構成するルーフ部に弾接するアッパーシールリップ部７と、同じくボディ１０を構成するピラー部に弾接するサイドシールリップ部８とが型成形接続されている。アッパーシールリップ部７は断面舌状で略車両前後方向方向に延び、サイドシールリップ部８は同じく断面舌状で略車両上下方向方向に延びている。また、サイドシールリップ部８には下方に延びる中空のパーティングシール部９が一体成形されている。

このような自動車のシール構造は、例えば特許公報１に開示されている。
実開平５−４００１９号公報

しかしながら、図７に示すようなシール構造であれば、型成形接続されたアッパーシールリップ部７とサイドシールリップ部８の部位は一枚のシール壁からなるため、ドア１，２の閉時にそのシール壁の角部Ｐが、図８に示すように内側（車内側）に反転してしまうといった問題がある。特に、ドア２のヒンジ側コーナー部、すなわち、リヤドア２側ドアフレーム４の前側上部コーナー部４ａにおいては、このシール壁の角部Ｐからボディに弾接していくので、角部Ｐが反転しやすい。
このような反転が生じるとシール性が不十分になるとともにドア閉じ性にも悪影響を及ぼす。

この対策として、シール壁の角部Ｐの高さを先端部に向けて局所的におよそ１．５ｍｍ程度低くすることが考えられたが、これによるとアッパーシールリップ部７の見え幅が一定でないため見栄えが悪くなってしまう。
また、高水圧の洗車時などに高圧水が、シール性が不十分となったシール壁の角部Ｐから車内側に浸入するといった問題もある。

そこで、本発明の目的とするところは、特にシール機能を低下させたり、見栄えを悪化させることのない自動車のシール構造を提供することである。

上記の目的を達成するために本発明の請求項１に記載の発明は、断面舌状で略車両前後方向に延びてルーフ部に弾接するアッパーシールリップ部（７）と、断面舌状で略車両上下方向に延びてピラー部に弾接するサイドシールリップ部（８）とを、ドアフレーム（４）の上側コーナー部（４ａ）で型成形接続して、アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を連設してなる自動車のシール構造であって、
前記アッパーシールリップ部（７）と前記サイドシールリップ部（８）を連設した部位を車内側から覆うシール壁（２０）を設け、前記アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を車内外から二重に壁で連設したことを特徴とする。

また、請求項２に記載の発明は、断面舌状で略車両前後方向に延びてルーフ部に弾接するアッパーシールリップ部（７）と、断面舌状で略車両上下方向に延びてピラー部に弾接するサイドシールリップ部（８）とを、ドアフレーム（４）の上側コーナー部（４ａ）で型成形接続して、アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を連設してなる自動車のシール構造であって、
前記アッパーシールリップ部（７）と前記サイドシールリップ部（８）を連設した部位を車内側から覆うシール壁（２０）で袋状中空部（２１）を形成し、前記アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を車内外から二重に壁で連設したことを特徴とする

さらに、請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の発明の構成に加えて、前記袋状中空部（２１）を型成形材料で埋めたことを特徴とする。

また、請求項４に記載の発明は、請求項１乃至３に記載の発明の構成に加えて、前記シール壁（２０）を、車内側に向けて膨出湾曲させたことを特徴とする。

また、請求項５に記載の発明は、断面舌状で略車両前後方向に延びてルーフ部に弾接するアッパーシールリップ部（７）と、断面舌状で略車両上下方向に延びてピラー部に弾接するサイドシールリップ部（８）とを、ドアフレーム（４）の上側コーナー部（４ａ）で型成形接続して、アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を連設してなる自動車のシール構造であって、
前記アッパーシールリップ部（７）と前記サイドシールリップ部（８）を連設した部位を車内側から覆うシール壁（２０）を、車内側に向けて膨出湾曲させた状態で設け、前記アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を車内外から二重に壁で連設するとともに、前記コーナー部（４ａ）をドア（２）のヒンジ側のコーナー部とし、ドア（２）閉時には前記膨出湾曲させたシール壁（２０）からボディに弾接させるようにしたことを特徴とする。

なお、括弧内の記号は図面および後述する発明の実施の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。

本発明の自動車のシール構造は、ドアフレームの上側コーナー部で型成形接続されたアッパーシールリップ部とサイドシールリップ部の連設部位を車内側からシール壁で覆ったものであるので、コーナー部において、アッパーシールリップ部とサイドシールリップ部は車内外から二重に壁で連設される。
よって、従来のようにシール壁が一枚の場合と比較して、アッパーシールリップ部とサイドシールリップ部が連設されたコーナー部は支持力がアップするので、ボディに弾接した際に連設されたコーナー部が反転することが防止される。

シール壁で覆う方法としては、袋状中空部を形成するように覆うことや、覆った中空部の全部又は一部を型成形材料で埋めて中実部とすることもできる。
特に、中空部又は中実部の車内側を、さらに車内側に向けて膨出湾曲させると、例えば、ドアのヒンジ側のコーナー部に適用した場合、ドア閉時には膨出湾曲させた部位からボディ側に弾接するようになるので、コーナー部の反転を一層防止することができる。

本発明の自動車のシール構造によれば、従来のようにシール壁が一枚の場合と比較して、アッパーシールリップ部とサイドシールリップ部が連設されたコーナー部は二重の壁により支持力がアップし、ボディに弾接した際に連設されたコーナー部が反転することが防止されるので、シール機能が特に低下することはない。
また、コーナー部の位置を周りに比して低くする必要もないので、特に見栄えを悪くすることもない。

図１乃至図４を参照して、本発明の実施形態に係る自動車のシール構造について説明する。図１は本発明の実施形態に係る自動車のシール構造を示す拡大斜視図であり、図２はそのＡ−Ａ線拡大断面図であり、図３は別の形態を示すＡ−Ａ線拡大断面図であり、図４は図１のＢ−Ｂ線拡大断面図である。なお、従来例で示した図面（図６乃至図８）と同一部分には同一符号を記した。

本発明の実施形態に係る自動車のシール構造は、図１に示すように、従来例（図６，図７）と同様に、自動車のドア１，２のドアフレーム３，４外周にはドアウェザーストリップ５が取付けられ、ドアウェザーストリップ５を構成する、断面舌状で略車両前後方向に延びるアッパーシールリップ部７と、断面舌状で略車両上下方向に延びるサイドシールリップ部８とが、ドアフレーム４の上側コーナー部４ａで型成形接続され、その型成形接続部が図示しないクリップ等を孔Ｈに嵌め込むことによりドアフレーム３，４に固定されている。なお、図１ではリヤドア２側ドアフレーム４の前側上部コーナー部４ａの構成について示したが、フロントドア１側ドアフレーム３の前側上部コーナー部，後側上部コーナー部３ａやリヤドア２側ドアフレーム４の後側上部コーナー部の構成についても同様にアッパーシールリップ部７とサイドシールリップ部８とが型成形接続されている。

ドア１，２の閉時に、アッパーシールリップ部７はボディ１０を構成するルーフ部に弾接し、サイドシールリップ部８は同じくボディを構成するピラー部に弾接して車内外をシールしている。また、サイドシールリップ部８には下方に延びる中空のパーティングシール部９が一体成形されている。中空のパーティングシール部９を設けるかわりに、断面舌状のサイドシールリップ部８を下方に向けて延設してもよい。また、図２に示すように、アッパーシールリップ部７は取付基部１１に設けられているが、図３に示すように、アッパーシールリップ部７と取付基部１１との間に車内側に向けて中空シールリップ部１２を設け、ドア１，２閉時にはアッパーシールリップ部７と中空シールリップ部１２の両者をルーフ部に弾接する二重シール構造にすることもできる。

そして、アッパーシールリップ部７のコーナー部４ａ側の端末部７ａの車内側と、前記サイドシールリップ部８の上側端末部８ａの車内側とを、車内側から型成形材料からなるシール壁２０で覆っている。これともない、図４に示すように、連設されたアッパーシールリップ部７とサイドシールリップ部８のコーナー部４ａには開口部２１ａを有する袋状の中空部２１が形成される。

これによれば、アッパーシールリップ部７のコーナー部４ａ側の端末部７ａの車外側とサイドシールリップ部８の上側端末部８ａの車外側とが連設されるのに加え、アッパーシールリップ部７のコーナー部４ａ側の端末部７ａの車内側とサイドシールリップ部８の上側端末部８ａの車内側とがシール面２０で覆われるといったように、コーナー部４ａにおいて、アッパーシールリップ部７とサイドシールリップ部８は車内外から二重に壁で連設される。
よって、シール壁が一枚の場合と比較して、アッパーシールリップ部７とサイドシールリップ部８が連設されたコーナー部Ｔは支持力がアップするので、図５に示すように、ボディ１０に弾接した際に反転することが防止される。

また、中空部２１を形成するシール壁２０の車内側は、図４に示すように、さらに車内側に向けて膨出湾曲させてある。
これによれば、図５に示すように、アッパーシールリップ部７とサイドシールリップ部８が連設されたコーナー部Ｔがボディ１０に弾接する際には、車内側に膨出湾曲した部位から先にボディ１０に弾接していくので、コーナー部Ｔの反転が一層防止される。
特に、ドアのヒンジ側のコーナー部、すなわち、リヤドア２側ドアフレーム４の前側上部コーナー部４ａやフロントドア１側ドアフレーム３の前側上部コーナー部において反転防止機能が効果的に得られる。

なお、中空部２１の全部又は一部を型成形材料で埋めて中実部にすることもできるが、その場合には、ドア閉じ性に注意して中実にする割合を決定する必要がある。
また、本実施形態では、アッパーシールリップ部７のコーナー部４ａ側の端末部７ａの車内側と、前記サイドシールリップ部８の上側端末部８ａの車内側とを、車内側から型成形材料からなるシール壁２０で覆い、袋状の中空部２１を形成するようにしたが、覆い方法は、シール壁２０で開口部２１ａを除き隙間なく覆うことに限定されることなく、例えば、ビードによって部分的に覆うようにしてもよい。

本発明は、特にシール機能を低下させたり、見栄えを悪化させたりすることはないという効果を有し、ドアフレームの上側コーナー部で型成形接続されてなる自動車のシール構造等として有用である。

本発明の実施形態に係る自動車のシール構造を示す拡大斜視図である。図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。他の実施形態に係る図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。図１のＢ−Ｂ線拡大断面図である。図１に示すシール壁がボディに弾接する様子を示す断面図である。自動車の外観側面図である。従来例に係る自動車のシール構造を示す拡大斜視図である。図７に示すシール壁がボディに弾接する様子を示す断面図である。

符号の説明

１フロントドア
２リヤドア
３，４ドアフレーム
３ａドアフレーム３の後側上部コーナー部
４ａドアフレーム４の前側上部コーナー部
５ドアウェザーストリップ
７アッパーシールリップ部
７ａ端末部
８サイドシールリップ部
８ａ上側端末部
９パーティングシール部
１０ボディ
１１取付基部
１２中空シールリップ部
２０シール壁
２１中空部
２１ａ開口部
Ｈ孔
Ｐシール壁の角部
Ｔコーナー部

Claims

断面舌状で略車両前後方向に延びてルーフ部に弾接するアッパーシールリップ部（７）と、断面舌状で略車両上下方向に延びてピラー部に弾接するサイドシールリップ部（８）とを、ドアフレーム（４）の上側コーナー部（４ａ）で型成形接続して、アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を連設してなる自動車のシール構造であって、
前記アッパーシールリップ部（７）と前記サイドシールリップ部（８）を連設した部位を車内側から覆うシール壁（２０）を設け、前記アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を車内外から二重に壁で連設したことを特徴とする自動車のシール構造。
断面舌状で略車両前後方向に延びてルーフ部に弾接するアッパーシールリップ部（７）と、断面舌状で略車両上下方向に延びてピラー部に弾接するサイドシールリップ部（８）とを、ドアフレーム（４）の上側コーナー部（４ａ）で型成形接続して、アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を連設してなる自動車のシール構造であって、
前記アッパーシールリップ部（７）と前記サイドシールリップ部（８）を連設した部位を車内側から覆うシール壁（２０）で袋状中空部（２１）を形成し、前記アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を車内外から二重に壁で連設したことを特徴とする自動車のシール構造。
前記袋状中空部（２１）を型成形材料で埋めたことを特徴とする請求項２に記載の自動車のシール構造。
前記シール壁（２０）を、車内側に向けて膨出湾曲させたことを特徴とする請求項１乃至３のうちいずれか一つに記載の自動車のシール構造。
断面舌状で略車両前後方向に延びてルーフ部に弾接するアッパーシールリップ部（７）と、断面舌状で略車両上下方向に延びてピラー部に弾接するサイドシールリップ部（８）とを、ドアフレーム（４）の上側コーナー部（４ａ）で型成形接続して、アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を連設してなる自動車のシール構造であって、
前記アッパーシールリップ部（７）と前記サイドシールリップ部（８）を連設した部位を車内側から覆うシール壁（２０）を、車内側に向けて膨出湾曲させた状態で設け、前記アッパーシールリップ部（７）とサイドシールリップ部（８）を車内外から二重に壁で連設するとともに、前記コーナー部（４ａ）をドア（２）のヒンジ側のコーナー部とし、ドア（２）閉時には前記膨出湾曲させたシール壁（２０）からボディに弾接させるようにしたことを特徴とする自動車のシール構造。