JP4275733B2 - ピロロピリミジンおよびその製造法 - Google Patents

ピロロピリミジンおよびその製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP4275733B2
JP4275733B2 JP52389797A JP52389797A JP4275733B2 JP 4275733 B2 JP4275733 B2 JP 4275733B2 JP 52389797 A JP52389797 A JP 52389797A JP 52389797 A JP52389797 A JP 52389797A JP 4275733 B2 JP4275733 B2 JP 4275733B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lower alkyl
phenyl
amino
pyrrolo
carbamoyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP52389797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000503005A5 (ja
JP2000503005A (ja
Inventor
トラクスラー,ペーター
フライ,イェルク
ボルト,ギド
Original Assignee
ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト filed Critical ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Publication of JP2000503005A publication Critical patent/JP2000503005A/ja
Publication of JP2000503005A5 publication Critical patent/JP2000503005A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4275733B2 publication Critical patent/JP4275733B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D487/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/06Antipsoriatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Description

本発明は7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体および製造法およびその製造のための新規中間体、そのような誘導体を含む医薬製剤および医薬としてのそのような誘導体の使用および医薬の製造におけるその使用に関する。
本発明の化合物は、式I
Figure 0004275733
〔式中、R1およびR2は互いに独立して、低級アルキル;モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル;低級アルコキシ;非置換またはハロゲン、モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル、カルバモイル−メトキシ、カルボキシ−メトキシ、ベンジルオキシカルボニル−メトキシ、低級アルコキシカルボニル−メトキシ、フェニル、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、フェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ、フロイル、チエニルカルボニル、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキル−アミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、N−(N’,N’−ジ−低級アルキルアミノメチリデン)−アミノ、N−((N’,N’−ジ−低級アルキルアミノ)−(低級アルキル)−メチリデン)−アミノ、グアニジノ、ウレイド、N3−低級アルキルウレイド、N3,N3−ジ−低級アルキルウレイド、チオウレイド、N3−低級アルキルチオウレイド、N3,N3−ジ−低級アルキルチオウレイド、低級アルカンスルホニルアミノ、非置換またはベンゼンまたはナフタレン環を低級アルキル−置換されているベンゼン−またはナフタレン−スルホニルアミノ、アジドもしくはニトロにより置換されているフェニル;水素;非置換またはハロ−または低級アルキル−置換ピリジル;N−ベンジル−ピリドニウム;ナフチル;シアノ;カルボキシ;低級アルコキシカルボニル;カルバモイル;N−低級アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル;N−ベンジル−カルバモイル;ホルミル;低級アルカノイル;低級アルケニル;低級アルケニルオキシ;またはハロゲン、アミノ、低級アルキルアミノ、ピペラジノ、ジ−低級アルキルアミノ、フェニルアミノまたはフェニル(それぞれ非置換またはフェニル部分をハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノまたはトリフルオロメチルにより置換されている)、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、メルカプトまたは式R5−S(Oq)−(式中、R5は低級アルキルおよびqは0、1または2)により置換されている低級アルキルであるか、または
1とR2が共に非置換または低級アルキルにより置換されている2から5炭素原子を有するアルキレン鎖を形成する、
Qは環窒素原子を経由して結合し、式IA
Figure 0004275733
(式中、mおよびnは互いに独立して0から3、
3およびR4は互いに独立して低級アルキル;アミノ−低級アルキル;N−低級アルキル−アミノ−低級アルキル;N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル;低級アルケニル;低級アルキニル;トリ−低級アルキルシラニル−低級アルキニル;モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル;ハロゲン;ニトロ;ヒドロキシ;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;イソチオシアナート;非置換またはハロゲン、ニトロ、トリハロ−低級アルキル、ヒドロキシまたは低級アルキルにより置換されているフェニル;チエニル;非置換またはフェニル環をハロゲン、ニトロ、トリハロ−低級アルキル、ヒドロキシまたは低級アルキルにより置換されているフェニル−低級アルコキシ;カルボキシ;低級アルコキシカルボニル;カルバモイル;N−低級アルキルカルバモイル;N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル;シアノ;アミノ;N−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルアミノ;アジド;非置換またはベンゼン環をハロゲン、ニトロ、トリ−ハロ−低級アルキル、ヒドロキシまたは低級アルキルにより置換されているベンゾイルアミノ;低級アルカノイルアミノ;モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキルカルボニルアミノ;低級アルカンスルホニルアミノ;トリハロ−低級アルカンスルホニルアミノ;低級アルキルチオ;低級アルキルスルフィニル;低級アルカンスルホニル;ピロル−1−イル;ピペリジン−1−イル;ピロリジン−1−イルおよび低級アルカノイルであるか、または二つの基R3が共に、または二つの基R4が共に低級アルキレンジオキシ;
Aを記した環は5から9環原子を有し、少なくとも一つの飽和結合を有するヘテロシクロルであり、OおよびSから選択される更なるヘテロ原子が、結合窒素原子に加えて存在することが可能である;
Bを記した環系は、5から9炭素原子を有する遊離またはベンゾ−、チエノ−、フロ−、ピロロ−またはジヒドロピロロ−融合炭素環であり、環Aと融合し、不飽和であるか、部分的に飽和または全部飽和されていてもよい;そして
環システムAとBの間の平衡した点線で示した結合は、一重または二重結合である)
を有するヘテロシクリル〕
の化合物および少なくとも一つの塩形成基が存在する場合、その塩に関する。
上記および下記で使用する“低級”なる用語は、最大7まで(7を含む)、特に最大4まで(4を含む)炭素原子、および特に(逆に示されない限り)1または2炭素原子を有する基を意味する。
式Iの化合物が不整中心を有する場合、エナンチオマーの混合物の形であり得、数個の不整中心が存在する場合、ジアステレオ異性体混合物の形であり得る;二重結合が存在する場合、シス/トランス異性体が可能である。式Iの化合物は好ましくは純粋異性体である。
置換基が定義されていない炭素原子は、水素原子に結合している;置換基の数が変わるとき、炭素原子は、該炭素原子が中性であり、完全な電子オクテットをもたらすような数の、置換基および水素原子を有する。
低級アルキルは好ましくはn−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチルまたは特にメチルである。
ハロゲンは、臭素、ヨウ素または好ましくはフッ素または特に塩素である。
モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキルは特にトリフルオロメチルである。
低級アルコキシは、特にメトキシである。
モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキルは特にモノフルオロ−、ジフルオロ−または(特に)トリフルオロ−メチルである。
低級アルコキシカルボニル−メトキシは特にメトキシカルボニル−メトキシである。
アミノ−低級アルキルは特にアミノメチルである。
フェニル−置換フェニルR1またはR2は、例えば、ビフェニリル、特に4−ビフェニリルである。
低級アルカノイルアミノは特にアセチルアミノ、プロピオニルアミノ、n−ブチリルアミノまたはイソブチリルアミノである。
低級アルコキシカルボニルアミノは特にメトキシカルボニルアミノまたはより特別にはtert−ブトキシカルボニルアミノである。
フェニル−低級アルコキシカルボニルアミノは好ましくはベンジルオキシカルボニルアミノである。
フロイルは特にフラン−2−カルボニルである。
チエニルカルボニルは特にチエニル−2−カルボニルである。
低級アルキルアミノは、例えば、プロピルアミノ、エチルアミノまたは特にメチルアミノである。
N,N−ジ−低級アルキルアミノは特にジメチルアミノである。
低級アルカノイルオキシは特にアセトキシである。
低級アルコキシカルボニルは特にtert−ブトキシカルボニルまたはより特別にはメトキシカルボニルである。
N−低級アルキル−カルバモイルは、例えば、N−メチルカルバモイル、N−(n−ブチル)−カルバモイルまたはN−(2−メチル−ブト−1−イル)−カルバモイルである。
N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイルは、例えば、N,N−ジメチル−カルバモイルである。
N−(N’,N’−ジ−低級アルキルアミノ−メチリデン)−アミノは特にN−(N’,N’−ジメチルアミノ−メチリデン)−アミノである。
N−(N’,N’−ジ−低級アルキルアミノ)−(低級アルキル)メチリデン)−アミノは特にN−((N’,N’−ジ−メチルアミノ)−(イソプロピルアミノ)メチリデン)−アミノである。
3−低級アルキルウレイドは特にN3−メチルウレイド(CH3−H−(C=O)−NH−)である。
3,N3−ジ−低級アルキルウレイドは特にN3,N3−ジメチルウレイド([(CH32−N−(C=O)−NH−)である。
3−低級アルキルチオウレイドは特にN3−メチルチオウレイド(CH3−NH−(C=S)−NH−)である。
3,N3−ジ−低級アルキルチオウレイドは特にN3,N3−ジメチルチオウレイド([(CH32−N−(C=S)−NH−)である。
低級アルカンスルホニルアミノは特にN−メタンスルホニルアミノ(CH3−(S{=O}2)−NH−)である。
非置換またはベンゼンまたはナフタレン環で低級アルキル−置換されているベンゼン−またはナフタレン−スルホニルアミノは特に4−トルエンスルホニルアミノまたはベンゼンスルホニル−アミノである。
置換フェニルR1またはR2は、1個またはそれ以上の置換基を有し得るが、好ましくは3置換基を超えず、それらは互いに同一または異なり得る。好ましくは、置換フェニルR1またはR2は、オルト−位または、好ましくは、メタ−またはパラ−位に唯一の置換基を有する。置換フェニルR1またはR2は好ましくは非置換フェニルである。
非置換またはハロ−または低級アルキル−置換ピリジルは特に2−ピリジルである。
N−ベンジル−ピリドニウムは特にN−ベンジル−ピリドニウム−2−イルである。
ナフチルは、例えば、2−ナフチルである。
低級アルカノイルは、例えば、イソブチリル、ブチリル、プロピオニルまたは特にアセチルである。
アミノ−低級アルキルは特に3−アミノプロピルである。
N−低級アルキル−アミノ−低級アルキルは特に3−(N−メチルアミノ)−プロピルである。
N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルは特に3−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピルである。
低級アルケニルは、好ましくは2から7個、特に2から4個の炭素原子を有し、好ましくはビニル、プロプ−1−エニルまたはプロプ−2−エニル(アリル)である。
低級アルケニルオキシは、例えば、ビニルオキシ、プロプ−1−エニルオキシまたはプロプ−2−エニルオキシ(アリルオキシ)である。
置換低級アルキルR1またはR2は、1個またはそれ以上の置換基を有し得るが、好ましくは3置換基を越えず、それらは同一または異なり得る。好ましくは、置換低級アルキルR1またはR2唯一の置換基を有する。
非置換またはフェニル部分をハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノまたはトリフルオロメチルで置換されているフェニルアミノまたはフェニルにより置換されている低級アルキルは、特にこの方法でメチル置換されており、好ましくはアニリノ−メチルまたは4−メトキシアニリノ−メチル、または3−または4−アミノフェニル−メチルである。
式R5−S(Oq)−(式中、R5は低級アルキルおよびqは0、1または2である)により置換されている低級アルキルR1またはR2は、特にメタンスルホニル−メチルである。
1とR2と共に形成され、非置換または低級アルキルにより置換されている2から5炭素原子を有するアルキレン鎖は、好ましくはプロピレンまたはブチレンである。
1およびR2が非置換または置換アルキレン鎖以外の記載された基である、式Iの化合物が好ましい。
好ましくは二つの基R1およびR2は互いに独立して低級アルキル、またはR2は上記のように非置換または置換フェニルであるが、R1は水素または低級アルキル、特にメチルでもある。特に好ましい式Iの化合物において、R1はメチルおよびR2はメチル;またはR1は水素またはメチルでもあり、R2は非置換または特にアミノ、ニトロまたはメトキシにより置換されたフェニル、特に4−アミノフェニル、4−ニトロフェニルまたは4−メトキシフェニルである。
窒素原子を介して結合している式IAのヘテロシクリルにおいて、mおよびnは互いに独立して0から3;好ましくはmは0または1およびnは0から3;および特に:n+m=0から3、およびより特別には:m=0およびn=0または1である。
低級アルキニルは特にC2−C7アルキニル、好ましくはエチニルのようなC2−C4アルキニルである。
トリ−低級アルキルシラニル−低級アルキニルは特にトリメチルシラニルエチニルである。
非置換またはハロゲン、ニトロ、トリハロ−低級アルキル、ヒドロキシまたは低級アルキルにより置換されているフェニルは、互いに独立して選択できる、記載の置換基を1個またはそれ以上、特に3個含むが、好ましくは1個の置換基を含む。非置換フェニルが好ましい。
チエニルは特に2−チエニルである。
非置換またはフェニル環をハロゲン、ニトロ、トリハロ−低級アルキル、ヒドロキシまたは低級アルキルにより置換されているフェニル−低級アルコキシは特にベンジルオキシである。
非置換またはベンゼン環をハロゲン、ニトロ、トリハロ−低級アルキル、ヒドロキシまたは低級アルキルで置換されているベンゾイルアミノは特に非置換ベンゾイルアミノである。
モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキルカルボニルアミノは特にトリフルオロアセチルアミノである。
トリハロ−低級アルカンスルホニルアミノは特にトリフルオロメタンスルホニルアミノである。
低級アルキルチオは特にメチルチオである。
低級アルキルスルフィニル(低級アルキル−(S=O)−)は特にメチル−またはエチル−スルフィニルである。
低級アルカンスルホニルは好ましくはメタンスルホニルである。
二つの基R3により、または二つの基R4により形成された低級アルキレンジオキシは、好ましくは二つの隣接した環原子を経由して結合し、特にメチレンジオキシである。低級アルキレンジオキシは特に二つの基R4により形成される。
Aで示した環は、5から9個の環原子を有し、少なくとも一つの飽和結合を有するヘテロシクリルであり、更に、結合窒素原子に加えてOおよびSから選択される更なる環ヘテロ原子が存在できる;好ましくは、結合窒素原子に加えて更なるヘテロ原子を含まない5−から8−員環、例えば2,3−ジヒドロピロル−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−1−イル、2,3,4,5−テトラヒドロアゼピン−1−イルまたは1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロアゾシン−1−イルである。
Bで示した環系は、遊離またはベンゾ−、チエノ−、フロ−、ピロロ−またはジヒドロピロロ−融合炭素環式環であり、5から9個、好ましくは6個の炭素原子を有し、環Aに(環を完全にする二つの隣接原子を介して)融合し、不飽和、部分的にまたは完全に飽和であり得、特にベンゾ、ナフト、ピロロ−融合ベンゾまたは2,3−ジヒドロピロロ−融合ベンゾである。
Qは特に2,3−ジヒドロインドール−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−1−イル、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロベンゾ[b]アゾシン−1−イル、2,3,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[g]インドール−1−イル、1,2,3,5−テトラヒドロピロロ[2,3−f]インドル−1−イルまたは1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−ピロロ[2,3−f]インドール−1−イルであり、それぞれ非置換または独立して低級アルキル、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、低級アルキニル、トリ−低級アルキルシラニル−低級アルキニル、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、イソチオシアナート、非置換フェニル、非置換フェニル−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノ、アジド、低級アルカノイルアミノ、トリハロ−低級アルキルカルボニルアミノ、ピロル−1−イルおよびピロリジン−1−イルからなる群から選択される1から3個の基R3またはR4もしくはR3とR4、または二つの基R4により形成され、隣接環原子に結合する低級アルキレンジオキシで置換されている;Qは特に2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−ブロモ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−メチル−2,3−ジヒドロインドール−1−イルまたは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イルである。
AおよびBで示す環系の間の平衡した点線で示される結合は一重結合または二重結合であり、好ましくは二重結合である。
式Iの化合物の塩は、特に有機酸または無機酸との酸付加塩、特に薬理学的に許容される、非毒性塩である。適当な無機塩は、例えば、炭酸(好ましくはカーボネートまたはビカーボネートの形);塩酸のようなヒドロハロ酸;硫酸;またはリン酸である。適当な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸またはスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルコースモノカルボン酸、ギ酸、コハク酸、アジピン酸、ピメール酸、スベリン酸、アゼラン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルカール酸、ガラクタリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、N−メチルグリシン、アセチルアミノ酢酸、N−アセチルアスパラギン酸またはN−アセチルシステインのようなアミノ酸、ピルビン酸、アセト酢酸、ホスホセリン、2−または3−グリセロリン酸、グルコース−6−リン酸、グルコース−1−リン酸、フルクトース−1,6−ビスリン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、1−または3−ヒドロキシナフチル−2−カルボン酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、桂皮酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、メタン−またはエタン−スルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、2−、3−または4−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−またはN−プロピル−スルファミン酸、またはアスコルビン酸のような他の有機プロトン性酸である。
少なくとも一つの遊離カルボキシ基を有する式Iの化合物は、アルカリ金属金属またはアルカリ土類金属塩のような、分子内塩または金属またはアンモニウム塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩またはアンモニアまたは3級モノアミン、例えばトリエチルアミンまたはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミンのような適当な有機アミンとのアンモニウム塩、またはヘテロ環式塩基、例えばN−エチルピペリジンまたはN,N’−ジメチル−ピペラジンを形成できる。
単離または精製目的のために、薬理学的に許容されない塩、例えばピクリン酸または過塩素酸の使用もまた可能である。薬理学的に許容され、(使用する用量で)非毒性である塩のみが治療的に使用され、従って好ましい。
新規化合物(特に式I)の遊離形と、新規化合物の精製またはその同定の中間体として使用できるその塩を含む塩形の密接な関係の結果、上記および下記の遊離化合物に関する記載は、対応する塩、および溶媒和物、例えば、水和物も適当な場合、および好都合な場合、含むことは理解される。
式Iの化合物は、有効な薬理学的に許容される特性を示す。特に、それらは特異的阻害活性を示し、それが薬理学的興味である。それらは特にチロシンプロテインキナーゼの阻害剤および/または(更に)セリン/スレオニンプロテインキナーゼ阻害剤として作用する;それらは、例えば、上皮成長因子(EGF)およびc-erbB2キナーゼの受容体のチロシンキナーゼ作用を強力に阻害する。それらの受容体特異的酵素活性は、ヒト細胞、特に上皮細胞、免疫系の細胞ならびに中枢および末梢神経系細胞を含む多くの哺乳類細胞の信号伝達に重要な役割を担う。例えば、種々の細胞タイプにおける受容体関連チロシンプロテインキナーゼ(EGF−R−PTK)のEGF−誘導活性は、細胞分割および従って、細胞集団の増加に必須である。EGF−受容体特異的チロシンキナーゼ阻害剤の投与は、従って、細胞の複製を阻害する。同じことが、上記および下記の他のプロテインキナーゼでも同様にあてはまる。
EGF−受容体−特異的チロシンプロテインキナーゼ(EGF−R−PTK)の阻害は既知の方法を使用して、例えばEGF受容体の組み換え細胞内ドメイン(EGF−R ICD;、例えば、E.McGlynn et al,Europ.J.Biochem.207、265−275(1992)参照)を使用して、証明できる。式Iの化合物は、酵素活性を阻害剤なしのコントロールと比較して50%(IC50)、例えば0.001から20μM、特に0.01から5μMの濃度で阻害する。
EGF受容体のEGF−刺激細胞性チロシンリン酸化における式Iの化合物の作用は、ヒトA431上皮細胞癌細胞で、U.Trinks,et al,J.Med.Chem.37(7)、1015−1027(1994)により記載のELISAの手段で測定できる。この試験(EGFR−ELISA)において、式Iの化合物は、ナノモルからマイクロモルの濃度で阻害を示す。
休止BALB/c3T3細胞のEGFによる刺激は、急速なc−fos mRNAの発現をもたらす。細胞のEGF刺激前の式Iの化合物による前処理は、c−fos発現の阻害ができる。試験法は、U.Trinks et al,J.Med.Chem.37(7)、1015−1027(1994)に記載のものと同様である。
マイクロモル範囲で、式Iの化合物はまた、例えば、EGF−依存的細胞系、例えば類上皮BALB/cマウスケラチン生成細胞系(Weissmann,B.A.,およびAaronson、S.A.、Cell 32、599(1983)参照)またはEGF−依存的上皮細胞の標準源として有用であることが認められている(Carpenter,G.,およびZendegni,J.Anal.Biochem.153,279−282(1985)参照)A431細胞系の細胞生育の阻害も示す。既知の試験法において(Meyer et al,Int.J.Cancer 43,851(1989)参照)、式Iの化合物の阻害活性は簡単に、下記のように測定される:BALB/MK細胞(10000/マイクロタイタープレートウェル)を96−ウェルマイクロタイタープレートに移す。試験化合物(DMSOに溶解)を連続した濃度(連続希釈)で添加しDMSOの最終濃度が1%(v/v)を超えないようにする。添加の後、プレートを3日間インキュベートし、その間、試験化合物なしのコントロール培養は少なくとも3回の細胞分割が可能である。MK細胞の生育は、メチレンブルー染色の手段により測定する:インキュベーションの後、細胞をグルタールアルデヒドで固定し、0.05%メチレンブルーで染色する。洗浄段階の後、染色液を3%HClで溶出させ、マイクロタイタープレートのウェルあたりの光学密度をTitertek multiskanを使用してで685nmで行う。IC50値を、式
IC50=[(OD試験−OD開始)/(ODコントロール−OD開始)]×100
のコンピューター補助システムの手段により得る。
これらの実験のIC50値は、阻害剤なしのコントロールと比較して、細胞の数の50%減少をもたらす使用試験化合物の濃度と定義される。式Iの化合物は、マイクロモル範囲で阻害作用を有し、特に0.1から50μMのIC50を有する。
式Iの化合物はまた、例えば、下記に記載の試験で示されるように腫瘍細胞の生育をインビボで阻害できる:試験は、ヒト類上皮癌A431(ATCC No.CRL1555;アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ロックビル、メリーランド、USA;Santon,J.B.,et al.、Cancer Research 46、4701−4705(1986)およびOzawa,S.,et al、Int.J.Cancer 40、706−710(1987)参照)の生育の阻害を基にしており、それをメスBALB/c裸マウス(Bomholtgard、Denmark)に移植する。この癌は、EGF受容体の発現の程度と相関した生育を示す。本実験において、インビボで生育した約1cm3容量の腫瘍を外科的に滅菌条件下で実験動物から除く。これらの腫瘍を粉砕し、10容量(w/v)のリン酸緩衝食塩水に懸濁する。懸濁液を動物の左横腹にs.c.(0.2ml/マウス、リン酸緩衝食塩水中)で注射する。あるいは、0.2mlリン酸緩衝食塩水のインビトロ培養由来の1×106細胞を注射できる。式Iの試験化合物での処理は、腫瘍が4−5mmの直径に達した時、移植後5または7日後に開始する。使用する試験化合物は、(異なる動物群に異なる容量)1日1回、連続15日投与する。腫瘍生育を互いに垂直3軸に沿って腫瘍の直径を測定することにより決定する。腫瘍の容量を、既知の式p×L×D2/6(Evans,B.D.,et al、Brit.J.Cancer 45、466−488(1982)参照)を使用して計算する。結果は、処置/コントロール割合(T/C×100=T/C%)として示す。
EGF受容体チロシンプロテインキナーゼの阻害に加えて、またはその変わりに、式Iの化合物は、栄養要求因子により介在される信号伝達に関与する他のチロシンプロテインキナーゼ、例えば、特にv−ablキナーゼ(IC50が例えば、0.01から5μM)のようなablキナーゼ、特にc−srcキナーゼ(IC50、例えば、0.01から10μM)、およびまたlckおよびfynのようなsrcキナーゼファミリーのキナーゼ;EGFファミリーの他のキナーゼ、例えばc−erbB2キナーゼ(HER−2)、c−erbB3キナーゼ、c−erbB4キナーゼ;PDGFチロシンプロテインキナーゼファミリーのメンバー、例えば、PDGF受容体、CSF−1、Kit、VEGF−RおよびFGF−R;およびインシュリン様成長因子受容体キナーゼ(lGF−1−キナーゼ)、およびまたセリン/スレオニンキナーゼ、例えばプロテインキナーゼCも阻害し、この全てはヒト細胞を含む哺乳類細胞の増殖調節および形質転換に役割を担う。最後に、式Iの化合物はまた血管形成の阻害にも使用できる。
上記のv−ablチロシンキナーゼの阻害は、N.Lydon et al,Oncogene Research 5、161−173(1990)およびJ.F.Geissler et al,Cancer Research 52,4492−4498(1992)の方法に従って、[Val5]−アンギオテンシンIIおよび[γ−32P]−ATPを基質として使用して測定する。
c−erbB2チロシンキナーゼ(HER−2)の阻害は、例えば、EGF−R−PTK(C.House et al、Europ.J.Biochem.140,363−367(1984)に使用した方法と同様にして測定できる。c−erbB2キナーゼは単離でき、それ自体既知のプロトコールに従って、例えばT.Akiyama et al,Science 232、1644(1986)に従って、その活性を測定できる。
上皮成長因子(EGF)受容体でチロシンキナーゼ活性を阻害する、または更に他の記載チロシンプロテインキナーゼまたはセリン/スレオニンキナーゼも阻害できる式Iの化合物は、従って、例えば、良性または悪性腫瘍(例えば、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳、胃、卵巣、大腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣または甲状腺の癌、肉腫、グリア芽細胞腫ならびに多くの頭頚腫瘍)の処置に使用できる。それらは、腫瘍の縮小をもたらすか、または腫瘍転移の形成および転移癌(微小も)の成長を抑制する。より具体的に、それらは上皮過増殖(乾癬)、前立腺肥大、腫瘍形成(特に上皮性性質の)、例えば乳癌の処置において、および白血病の処置において使用できる。式Iの化合物を、数個または特に、個々のチロシンプロテインキナーゼおよび/または(更に)セリン/スレオニンプロテインキナーゼが関与する限り、免疫系の疾患の処置にも使用することが可能である;式Iの化合物は、少なくともひとつのチロシンプロテインキナーゼおよび/または(更に)セリン/スレオニンプロテインキナーゼが関与する、中枢または末梢神経系の疾患の処置にもまた使用できる。
一般に、本発明はまた式Iの化合物の、該プロテインキナーゼの阻害における使用にも関する。
本発明の化合物はそれ自体でまたは他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて、例えばポリアミン生合成の酵素の阻害剤、プロテインキナーゼCの阻害剤、他のチロシンキナーゼの阻害剤、サイトカイン、負の増殖調節剤、例えばTGF−βまたはIFN−β、アロマターゼ阻害剤、アンチオエストロゲンおよび/または静細胞剤と共に使用できる。
下記の本発明の好ましい主題において、適当および簡便である場合、より一般的な定義に代えて、最初により具体的な記載を使用できる。
式中、R1およびR2が互いに独立して低級アルキル;モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル;低級アルコキシ;非置換またはハロゲン、モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル、カルバモイル−メトキシ、カルボキシ−メトキシ、ベンジルオキシカルボニル−メトキシ、低級アルコキシカルボニル−メトキシ、フェニル、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、フェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ、フロイル、チエニルカルボニル、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、N−(N’,N’−ジ−低級アルキルアミノメチリデン)−アミノ、N−(N’,N’−ジ−低級アルキルアミノ)−(低級アルキル)−メチリデン)−アミノ、グアニジノ、ウレイド、N3−低級アルキルウレイド、N3,N3−ジ−低級アルキルウレイド、チオウレイド、N3−低級アルキルチオウレイド、N3,N3−ジ−低級アルキルチオウレイド、低級アルカンスルホニルアミノ、非置換またはベンゼンまたはナフタレン環を低級アルキル−置換されているベンゼン−またはナフタレン−スルホニルアミノ、アジドまたはニトロにより置換されているフェニル;水素;非置換またはハロ−または低級アルキル−置換ピリジル;N−ベンジル−ピリドニウム;ナフチル;シアノ;カルボキシ;低級アルコキシカルボニル;カルバモイル;N−低級アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル;N−ベンジル−カルバモイル;ホルミル;低級アルカノイル;低級アルケニル;低級アルケニルオキシ;またはハロゲン、アミノ、低級アルキルアミノ、ピペラジノ、ジ−低級アルキルアミノ、フェニルアミノまたはフェニル(フェニル部分は、それぞれ非置換またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノまたはトリフルオロメチルにより置換されている)、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、メルカプトまたは式R5−S(Oq)−(式中、R5は低級アルキルおよびqは0、1または2)により置換されている低級アルキル、そして
Qは2,3−ジヒドロインドール−1−イル;および好ましくは1,2,3,4−テトラ−ヒドロキノリン−1−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−1−イル、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロベンゾ−[b]アゾシン−1−イル、2,3,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[g]インドール−1−イル、1,2,3,5−テトラヒドロピロロ[2,3−f]インドール−1−イルおよび1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−ピロロ[2,3−f]インドール−1−イルから選択される式IAの基;記載の基は、非置換または互いに独立して選択された低級アルキル、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、低級アルキニル、トリ−低級アルキルシラニル−低級アルキニル、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、イソチオシアナート、非置換フェニル、非置換フェニル−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノ、アジド、低級アルカノイルアミノ、トリハロ低級アルキルカルボニルアミノ、ピロル−1−イルおよびピロリジン−1−イルから選択された1から3個(即ちm+n=0から3)の基R3またはR4もしくはR3およびR4で置換されるかまたは二つの基R4から形成され、隣接環原子に結合している低級アルキレンジオキシにより置換されている;Qは特に2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−ブロモ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−メチル−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イルまたはより特別には1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イルである;
式Iの化合物、または少なくとも一つの塩形成基が存在する場合、その塩が好ましい。
式中、R1およびR2が互いに独立して、水素、メチルのような低級アルキル、および非置換またはハロゲン、モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル、カルバモイル−メトキシ、カルボキシ−メトキシ、ベンジルオキシカルボニル−メトキシ、低級アルコキシカルボニル−メトキシ、フェニル、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、フェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ、フロイル、チエニルカルボニル、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、N−(N’,N−ジ−低級アルキルアミノメチリデン)−アミノ、N−((N’,N’−ジ−低級アルキルアミノ)−(低級アルキル)−メチリデン)アミノ、グアニジノ、ウレイド、N3−低級アルキルウレイド、N3,N3−ジ−低級アルキルウレイド、チオウレイド、N3−低級アルキルチオウレイド、N3,N3−ジ−低級アルキルチオウレイド、低級アルカンスルホニルアミノ、非置換またはベンゼンまたはナフタレン部分を低級アルキル−置換されているベンゼン−またはナフタレン−スルホニルアミノ、アジドまたはニトロにより置換されているフェニル、そして
Qは2,3−ジヒドロインドール−1−イル;および好ましくは1,2,3,4−テトラ−ヒドロキノリン−1−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−1−イル、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロベンゾ−[b]アゾシン−1−イル、2,3,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[g]イントール−1−イル、1,2,3,5−テトラヒドロピロロ−[2,3−f]インドール−1−イルおよび1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−ピロロ[2,3−f]インドール−1−イルからなる群から選択される式IAの化合物;記載の基は、それぞれ非置換または互いに独立して低級アルキル、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、低級アルキニル、トリ−低級アルキルシラニル−低級アルキニル、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、イソチオシアナート、非置換フェニル、非置換フェニル−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノ、アジド、低級アルカノイルアミノ、トリハロ−低級アルキルカルボニルアミノ、ピロル−1−イルおよびピロリジン−1−イルからなる群から選択される1から3個の基R3またはR4もしくはR3およびR4で置換されるか、または二つの基R4により形成され、隣接環原子に結合している低級アルキレンジオキシにより置換される;Qは特に2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−ブロモ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−メチル−2,3−ジヒドロインドール−1−イルまたは特に1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル
である式Iの化合物またはその塩が特に好ましい。
式中、二つの基R1およびR2が互いに独立して低級アルキル、好ましくはそれぞれメチル;またはR1は水素そしてR2は非置換または特にアミノ、ニトロまたはメトキシにより置換されているフェニル、特に4−アミノフェニル、4−ニトロフェニルまたは4−メトキシフェニル;そして
Qは2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−ブロモ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−メチル−2,3−ジヒドロインドール−1−イルまたは特に1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル;
である化合物が非常に好ましい。
実施例に記載の式Iの化合物および薬理学的に許容されるその塩が最も好ましい。
式Iの化合物およびその塩は、それ自体既知の方法で製造される。本発明の方法は下記の通りである:
a)式II
Figure 0004275733
〔式中、Xは適当な脱離基、Zは水素または1−アリール−低級アルキルそして他の置換基は、上記式Iに関して定義の通り、基R1およびR2に存在する遊離官能基は、必要であれば容易に除去できる保護基により保護する〕
のピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体を、式III
Q−H (III)
〔式中、Qは上記式Iで定義の通り、基Qに存在する遊離官能基は、必要であれば容易に除去できる保護基により保護する〕
のアザ化合物と反応させ、保護基および存在する場合、1−アリール−低級アルキル基Zを除去する、または
b)式IV
Figure 0004275733
〔式中、Z’は1−アリール−低級アルキルおよびR1およびR2は上記式Iで定義の通り、基R1およびR2に存在する遊離官能基は、必要であれば、容易に除去できる保護基で保護する〕
のピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−オン誘導体を、脱水剤および3級アミン(これは、好ましくは強酸との塩の形である)の存在下、上記式IIIのアザ化合物と反応させ、存在する保護基を除去する;
そして、必要であれば、変法a)およびb)を行った後、式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変換する;および/または、必要であれば、塩の形成のために、得られた遊離の式Iの化合物を塩に変換するか、または、必要であれば、遊離化合物の製造のために、得られた塩の化合物を遊離化合物に変換する;または、式Iの入手可能な塩を、式Iの異なる塩に変換する。
好ましい方法の詳細な説明
上記の方法を、より詳細に下記に示す(German Offenlegungsschrift No.3036390、1982年5月13日発行、A.Jorgensen et al,J.Heterocycl.Chem.22、859[1985]もまた参照)。以下のより詳細な記載において、特記しない限り、R1、R2、Q、R3およびR4および変数mおよびnは式Iで定義の意味である。
一般的注意:
式Iの最終生産物は、他の式Iの最終生産物の製造のための出発物質中の保護基としても使用できる置換基を含み得る。本明細書の範囲において、内容が他のことを示さない限り、“保護基”なる用語は、使用する所望の式Iの最終生産物の構成要素ではない容易に除去できる基のみを意味するために使用する。
工程a)
式IIの化合物において、適当な脱離基Xは好ましくは臭素、ヨウ素または特に塩素のようなハロゲンである。1−アリール−低級アルキルZは、好ましくは、特に1−フェニルエチルまたはより特別にはベンジルのような1−フェニル−低級アルキルである。
必要であれば、容易に除去できる保護基により保護する基R1およびR2およびまたQに存在する遊離官能基は、特にアミノまたは低級アルキルアミノ、またはヒドロキシでもある。
保護基およびそれらを導入および除去する方法は、例えば、“Protective Groups in Organic Chemistry”、Plenum Press、London、New York 1973、および“Methoden der organischen Chemie”、Houben−Weyl、第4版、Vol.15/1、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgart 1974、およびTheodora W.Greene、“Protective Groups in Organic Synthesis”、John Wiley&Sons、New York 1981に記載されている。容易に除去でき、即ち、望ましくない副反応なしに、例えば、加溶媒分解、還元、光分解または生理学的条件下で行うことが保護基の特徴である。
保護アミノ基は、例えば、容易に開裂できるアシルアミノ、アリールメチルアミノ、エーテル化メルカプトアミノまたは2−アシル−低級アルコ−1−エニルアミノ基である。
このようなアシルアミノ基において、アシルは、例えば、例えば、18までの炭素原子を有する有機カルボン酸のアシル基、特に非置換または置換、例えばハロ−またはアリール−置換、アルカンカルボン酸または非置換または置換、例えばハロ−、低級アルコキシ−またはニトロ−置換、安息香酸、またはカルボン酸セミエステルである。このようなアシル基は、例えば、ホルミル、アセチルまたはプロピオニルのような低級アルカノイル、2−ハロアセチル、特に2−クロロ−、2−ブロモ−、2−ヨード−、2,2,2−トリフルオロ−または2,2,2−トリクロロ−アセチルのようなハロ−低級アルカノイル、非置換または置換、例えばハロ−、低級アルコキシ−またはニトロ−置換、ベンゾイル、例えばベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−メトキシベンゾイルまたは4−ニトロベンゾイル、または低級アルキル基の1位が分枝であるか、または1位または2位を適当に置換された低級アルコキシカルボニル、特にtert−低級アルコキシカルボニル、例えばtert−ブトキシカルボニル、非置換または置換ベンジルオキシカルボニル、好ましくは非置換または、例えば、低級アルキル、特にtert−ブチルのようなtert−低級アルキル、メトキシのような低級アルコキシ、ヒドロキシ、塩素のようなハロゲン、および/またはニトロによりモノ−またはポリ−置換されているフェニルである1個または2個のアリール基を有するアリールメトキシカルボニル、例えば4−ニトロベンジルオキシカルボニル、または置換ジフェニルメトキシカルボニル、例えばベンズヒドロキシカルボニルまたはジ(4−メトキシフェニル)−メトキシカルボニル、アロイルメトキシカルボニル(ここで、アロイル基は好ましくは非置換または臭素のようなハロゲンにより置換されているベンゾイル、例えばフェナシルオキシカルボニル)、2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、例えば2,2,2−トリクロロ−エトキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニルまたは2−ヨードエトキシカルボニル、または2−(トリ置換シリル)−エトキシカルボニル、ここで、置換基は互いに非置換または、例えば低級アルキル−、低級アルコキシ−、アリール−、ハロ−またはニトロ−置換された、15炭素原子までを有する脂肪族、アラリファティック、環状脂肪族または芳香族炭化水素、例えば、対応する非置換または置換低級アルキル、フェニル−低級アルキル、シクロアルキルまたはフェニル、例えば2−トリメチルシリルエトキシカルボニルまたは2−(ジ−n−ブチル−メチル−シリル)−エトキシカルボニルのような2−トリ−低級アルキルシリル−エトキシカルボニル、または2−トリアリールシリル−エトキシカルボニル、例えば2−トリフェニルシリルエトキシカルボニルである。
モノ−、ジ−または特にトリ−アリールメチルアミノ基であるアリールメチルアミノ基において、アリール基は特に非置換または置換フェニル基である。このような基は、例えば、ベンジル−、ジフェニルメチル−または特にトリチル−アミノである。
このような基により保護されているアミノ基のエーテル化メルカプト基は、特にアリールチオまたはアリール−低級アルキルチオ(ここで、アリールは特に非置換または、例えばメチルまたはtert−ブチルのような低級アルキル、メトキシのような低級アルコキシ、塩素のようなハロゲンおよび/またはニトロにより置換されているフェニルである)である。このようなアミノ−保護基の一つは、例えば、4−ニトロフェニルチオである。
アミノ−保護基として使用できる2−アシル−低級アルコ−1−エン−1−イル基において、アシルは、例えば、低級アルカンカルボン酸、非置換または、例えば、メチルまたはtert−ブチルのような低級アルキル、メトキシのような低級アルコキシ、塩素のようなハロゲンおよび/またはニトロにより置換されている安息香酸、または特にカルボン酸低級アルキルセミエステルのようなカルボン酸セミエステルの対応する基である。このような保護基は、特に1−低級アルカノイル−プロプ−1−エン−2−イル、例えば1−アセチル−プロプ−1−エン−2−イル、または1−エトキシカルボニル−プロプ−1−エン−2−イルのような1−低級アルコキシカルボニル−プロプ−1−エン−2−イルである。
好ましいアミノ−保護基は、カルボン酸セミエステル、特にtert−ブチルオキシカルボニル、非置換または例えば、示すように置換された、ベンジルオキシカルボニル、例えば4−ニトロ−ベンジルオキシカルボニル、またはジフェニルメトキシカルボニル、または2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルのような2−ハロ−低級アルコキシカルボニルのアシル基、およびまたトリチルまたはホルミルである。
式IIの誘導体と式IIIのアザ化合物の間の反応は、適当には不活性極性溶媒、特にアルコール、例えばメタノール、プロパノール、イソプロパノールまたは特にエタノールまたはn−ブタノールのような低級アルカノールである。ある場合、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)のような溶解剤の添加が、有利である。反応は上昇した温度、例えば70から150℃の範囲の温度で、好ましくは還流条件下で行う。立体的に妨害された式IIIの化合物(例えば2−低級アルキル−インドリン)を使用するこれらの化合物の製造のために、tert−ブタノールまたはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリジン−2−オンのような非プロトン性溶媒の、溶媒としての使用が好ましい。必要であれば、塩基、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩またはヒドロキシド、またはピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、N−メチル−モルホリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンまたはN,N−ジメチル−アニリンのような3級窒素塩基を添加する。
式IIの化合物中のZが1−アリール−低級アルキルである場合、この基は式Iの化合物の得られる前駆体で除去される(窒素原子上の水素原子の代わりのZと共に)。これは、例えば、塩酸、リン酸またはポリリン酸のようなプロトン性酸と、20℃から150℃の好ましい温度で、所望により水の存在下(これは特にZ=1−フェニルエチルで好ましい)処理することにより行う;または好ましくはルイス酸、特にAlCl3、と芳香族溶媒中、特にベンゼンおよび/またはトルエン中、上昇した温度で、特に還流下行う[これは、特にZ=ベンジルの時好ましい;Chem.Pharm.Bull.39(5)、1152(1991)の類似工程もまた参照]。
保護基の除去
式Iの所望の最終生産物の構成要素ではない保護基の除去は、それ自体既知の方法、例えば加溶媒分解、特に加水分解、アルコール分解または酸分解、または還元の手段、特に水素化分解または化学的還元により、所望により段階的にまたは同時に行う。除去は、好ましくは上記の標準文献に記載の方法に従って、またはそれと類似に行う。
保護アミノ基は、例えば、例えば、それ自体既知の方法で、保護基の性質に依存して、種々の方法で、好ましくは加溶媒分解または還元により、遊離できる。2−ハロ−低級アルコキシカルボニルアミノ(適当な2−ブロモ−低級アルコキシカルボニルアミノ基の2−ヨード−低級アルコキシカルボニルアミノ基への変換後)、アロイルメトキシ−カルボニルアミノまたは4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノは、例えば、水性酢酸のような適当なカルボン酸の存在下、亜鉛のような適当な化学的還元剤で開裂できる。アロイルメトキシカルボニルアミノはまた、求核性の、好ましくは塩形成性試薬、例えばナトリウムチオ−フェノラートでの処理により、および4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノはまたアルカリ金属ジチオナイト、例えばナトリウムジチオナイトでの処理により開裂できる。非置換または置換ジフェニルメトキシ−カルボニルアミノ、tert−低級アルコキシカルボニルアミノまたは2−トリ置換シリルエトキシカルボニルアミノは、適当な酸、例えばギ酸またはトリフルオロ酢酸で開裂できる;非置換または置換ベンジルオキシカルボニルアミノは、例えば、水素化分解の手段により、即ち、パラジウム触媒のような適当な水素化触媒の存在下、水素で処理することにより開裂できる;非置換または置換トリアリール−メチルアミノまたはホルミルアミノは、例えば、無機酸、例えば塩酸、または有機酸、例えばギ酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸のような酸との、適当な場合、水の存在下での処理により、および有機シリル基により保護されているアミノ基は、例えば、加水分解またはアルコール分解により遊離できる。2−ハロアセチル、例えば2−クロロアセチルにより保護されているアミノ基は、塩基存在下、チオウレアでの処理により、またはチオウレアのアルカリ金属チオレートのようなチオレート塩での処理、続く得られる縮合生産物のアルコール分解または加水分解のような加溶媒分解により遊離できる。2−置換シリルエトキシカルボニルにより保護されているアミノ基は、フッ素アニオンを形成するフッ化水素酸の塩での処理により、遊離アミノ基にまた変換できる。
工程b)
式IVの1−アリール−低級アルキルZ’は特に1−フェニルエチルおよびまたベンジルである。
式IVの化合物は、互変異性体の平衡(ラクタム/ラクチム形)であり、ラクタム形(式IV)が優勢であると考えられる。式IVは二つの可能な形を示すために使用する。
ラクチムは式IVa
Figure 0004275733
〔式中、基は式IVの化合物で定義した意味である〕
を有する。
使用する脱水剤は、強化学脱水剤、より具体的には五酸化リン(P410)である。
適当な3級アミンは特に互いに独立してアルキル、特にメチルまたはエチルのような低級アルキルおよび3から7個の炭素原子を有するシクロアルキル、特にシクロヘキシル、例えばN,N−ジ−メチル−N−シクロヘキシルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミンまたはトリエチルアミンで置換されたアンモニア、またはピリジン、N−メチルモルホリンまたは4−ジメチルアミノピリジンでもある。
3級アミンは好ましくは強酸、好ましくは硫酸、リン酸または特に塩化水素のような水素化ハライドとの塩である。
式IVのピロロ−ピリミジノン化合物と、式IIIのアザ化合物の間の反応は、上昇した温度、例えば200から250℃で行う。
付加的工程
所望である付加的工程において、反応に関与することを意図しない出発物質の官能基は、非保護であるかまたは保護形であり得る;例えばそれらは上記の1個またはそれ以上の保護基で保護し得る。保護基は、最終生産物から、“保護基の除去”の標題の元に述べた方法の一つに従って、同時にまたは連続して除去し得る。
式Iの化合物の異なる式Iの化合物への変換は、特に式Iの置換基の変換におり行う。
例えば、式中、R1はジメチルアミノ−メチルおよび他の置換基は上記式Iの化合物で定義した意味である式Iの化合物の製造のために、対応するR1は水素および他の置換基は上記式Iの化合物で定義した意味であり、存在する更なる遊離官能基は必要であれば容易に除去できる保護基により保護されている式Iの化合物をN,N−ジ−メチル−メチレンイモニウムヨウジドと反応させ、存在する保護基を除去する。反応は、適当な不活性溶媒、例えば特にテトラヒドロフランのような環状エーテルのような適当なエーテル中、除湿して、上昇した温度で、好ましくは還流下行う。
式中、少なくとも一つの基R1およびR2はヒドロキシ−置換フェニルおよび/または少なくとも一つの基R3およびR4はヒドロキシおよび他の基は上記式Iで定義した意味である式Iの製造のために、対応する式中、少なくとも一つの基R1およびR2は低級アルコキシ−置換、特にメトキシ−置換、フェニルおよび/または少なくとも一つの基R3およびR4は低級アルコキシおよび他の置換基は上記式Iで定義の意味であり、存在する更なる遊離基を必要であれば容易に除去できる保護基で保護している式Iの化合物をボロントリブロミドまたはアルミニウム(III)クロライドと反応させ、存在する保護基を除去することも可能である。反応は、適当な不活性溶媒、例えば特に塩化メチレンのような適当なハロゲン化炭化水素中、除湿して約−20℃から+50℃の温度範囲で、好ましくは氷冷しながら、または室温で行う。
少なくとも一つの基R1およびR2はアミノ−置換アミノおよび/または少なくとも一つの基R3およびR4はアミノおよび他の置換基は上記式Iの化合物で定義の意味である式Iの製造のために、少なくとも一つの基R1およびR2はニトロ−置換フェニルおよび/または少なくとも一つの基R3およびR4はニトロおよび他の置換基は上記式Iの化合物について定義の意味であり、存在する遊離官能基を必要により容易に除去できる保護基で保護している式Iの化合物を、触媒的に水素化し、存在する保護基を除去できる。水素化は好ましくは上昇した圧力下でまたは特に通常の圧力下で、特にラネイ・ニッケルのような適当な水素化触媒存在下、好ましくはテトラヒドロフランおよびメタノールの混合物ような適当な環状エーテルおよび適当な低級アルカノールの混合物のような溶媒または溶媒混合物中、約0℃から+50℃の範囲の温度、好ましくは室温で行う。
少なくとも一つの基R1およびR2はN−(N’,N’−ジ−低級アルキルアミノメチリデン)−アミノまたはN−(N’,N’−ジ−低級アルキルアミノ)−(低級アルキル)−メチリデン)アミノにより置換されているフェニルおよび他の置換基は上記式Iの化合物で定義の意味である式Iの化合物の合成のために、対応する少なくとも一つの基R1およびR2はアミノ−置換フェニルおよび他の置換基は上記式Iの化合物で定義の意味であり、存在する更なる遊離官能基は必要により容易に除去される保護基で保護されている式Iの化合物を、N,N−ジ−低級アルキルホルムアミドジエチルアセタール、特にN,N−ジメチルホルムアミドジメチル−アセタール、またはN,N−ジ−低級アルキル−低級アルキルカルボン酸アミドジエチルアセタール、特にN,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタールと、不活性溶媒中、例えばトルエン中反応させ、存在する保護基を除去できる。
式R5−S(Oq)−(式中、R5は低級アルキルおよびqは0)の基で置換されている低級アルキルR1またはR2、または低級アルキルチオR3またはR4を、対応するR5−S(Oq)−(式中、qは1または2)に、これを低級アルキルスルフィニルまたは低級アルカンスルホニルに、それぞれ、対応するチオ化合物を、例えば過酸化水素、3−クロロ過安息香酸、過ギ酸または過酢酸のような過酸、カリウム過酸化モノリン酸カリウムのようなアルカリ金属過酸化硫酸、三酸化クロムまたはガス状酸素と、白金存在下、酸化することにより変換できる。酸化はできるだけ緩和な条件下で、過酸化を避けるために化学量論的量を使用して行う。適当な溶媒は特に塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランまたはtert−ブチルメチルエーテルであり、温度は好ましくは−30から50℃、好ましくは18から28℃の範囲、例えば室温である。スルフィニル化合物の製造のために、酢酸またはエタノールのような極性溶媒中、好ましくは、メタ過ヨウ素酸ナトリウムまたはメタ過ヨウ素酸カリウムのような緩和な酸化剤を使用することが可能である。
式中、R1および/またはR2はシアノまたはシアノ−C1−C6アルキルで置換されているフェニルである式Iの化合物から、対応するシアノ−低級アルキルフェニル化合物を、例えば触媒的水素化により、好ましくは例えばラネイ・ニッケルまたは特にラネイ・ウシバラニッケル存在下、メタノールのようなアルコール中、好ましくは20から100℃、好ましくは約90℃で、上昇した水素圧、例えば1から15MPa(約10から150atm)、または適当な溶媒中、特にジエチルエーテルのようなエーテル中水素化リチウムアルミニウムのような水素化錯体と、好ましくは還流下、還元することにより得られる。
式中、R1および/またはR2はシアノ−置換フェニルである式Iの化合物から、対応するアミジンを、アンモニアによるアンモニア分解によりまたは、ニトリル出発物質およびアルコールの混合物への乾燥塩化水素の添加および続くアンモニアでの処理によるイミノエステルの形成を経由したピナー開裂(アルキルイミデート)により(Chem.Ber.10,1889(1877);Chem.Ber.11,4、1475(1878)またはChem.Ber.16,352、1643(1883)参照)得ることができる。
式中、R1および/またはR2はアミノ−置換低級アルキルまたはアミノ−置換フェニルである式Iの化合物から、対応する1個またはそれ以上のアミノ基の場所が低級アルカノイル−アミノまたは(出発物質としてのアミノ−置換フェニルの場合)ウレイド、N3−低級アルキルウレイド、N3,N3−ジ−低級アルキルウレイド、低級アルカンスルホニルアミノ、または非置換またはベンゼンまたはナフタレン環を低級アルキル−置換されているベンゼン−またはナフタレン−スルホニルアミノに代わっている式Iの化合物を、慣用的条件下でアシルすることにより得ることが可能である。適当なアシル化剤は、例えば、アミノ基のアシル化に適当であるものに対応する試薬、例えばブロミドまたはクロライドのような対応するアシルハライド、対応する無水物または混合無水物、シアナート(ウレイド化合物の製造のために)、例えば対応するアルカリ金属シアナート、またはイソシアナートである。N−スルホニル化は、対応するスルホニルハライドまたは無水物で行うことができる。反応は、反応に不活性な溶媒中で行い、好ましくは−20から約120℃、好ましくはほぼ室温で行う。
ヒドロキシを、カルバモイルまたは上記で定義の置換基で示されているように置換されているカルバモイルまたは低級アルカノイルオキシへ変換するために、対応するアシル化剤、例えば対応するハライド、無水物または混合無水物が適している。
反応条件はアミノ基のアシル化に関して上記のものと類似である。アシル化はその場所で、例えばカルボジイミドのような縮合剤の存在下で行うことも可能である。カルバモイルまたは置換カルバモイルの導入のために、対応するシアナートまたはアルキルイソシアナートを、典型的に適当な塩基の存在下で使用することも可能である。
式Iの化合物の置換基としての少なくとも一つのヒドロキシまたはアミノ基の低級アルコキシ、カルバモイルメトキシ、カルボキシメトキシ、ベンジルオキシカルボニル−メトキシ、低級アルコキシカルボニルメトキシまたは低級アルキルアミノへの変換のために、好ましくは適当な塩基存在下でのアルキル化が好ましい。適当なアルキル化剤は、例えば、対応するアルキルハライドであり、それは好ましくは10から140℃の好ましい温度、特にほぼ室温で使用する。
これらのおよび他の変換は、1995年8月31日発行のWO95/23141にまた見ることができ、これを引用して本明細書に包含させる。
少なくとも一つの塩形成基を有する式Iの化合物の塩は、それ自体既知の方法で製造できる。例えば、式Iの化合物の酸付加塩は、例えば、酸または適当なアニオン交換試薬での処理により得られる。
塩は、遊離化合物に慣用的方法で、例えば適当な塩基性剤での処理により変換できる。
この方法で得られた遊離の式Iの化合物の酸付加塩での処理により、式Iの化合物の塩を他の塩に変換することが可能である。
立体異性混合物、例えばジアステレオ異性体の混合物、シス/トランス異性体またはエナンチオマーを、対応する異性体に、それ自体既知の適当な分離方法で分離できる。例えば、ジアステレオ異性体の混合物は、個々のジアステレオ異性体に分画的結晶化、クロマトグラフィー、溶媒分配等により分離できる。このような分離は、出発物質の一つの段階または式Iの化合物それ自体のいずれかで行うことができる。
出発物質
式IIの出発物質は新規であるか、既知であるかまたはそれ自体既知の方法により製造できる。それらは、German Offenlegungsschriften No.2818676(1979年11月8日出版)およびNo.3036390(1982年5月13日出版)および欧州特許EP0682027(1995年11月15日出版)に記載のものと類似の方法により製造できる。
式中、Xは塩素である式IIの出発物質は、例えば、式中、Xはヒドロキシである式IIと類似の化合物から、オキシ塩化リン(ホスホリルクロライド、P(=O)Cl3)と、除湿しながら、還流温度で反応させることにより得られる。所望により、式中、Xは塩素である得られる式IIの出発物質の式IIIのアザ化合物との更なる反応を同じ容器内で行うことができ、即ちワンポット工程である。この目的のために、オキシ塩化リンとの反応混合物を反応が完了した時エバポレーションにより濃縮乾燥し、n−ブタノールのような適当な溶媒でスラリーにし、更に式IIIのアザ化合物と反応させる。
式中、Xはヒドロキシである式IIと類似の化合物(即ち、式IVの化合物の異性体)を、例えば式V
Figure 0004275733
〔式中、Z’は1−アリール−低級アルキルおよび他の記号は上記で定義の意味〕の化合物から、好ましくは式Vに関して過剰に、例えば10から30倍モル過剰に使用するギ酸と、所望により、ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒の存在下、上昇した温度、例えば80℃から沸点で反応させて得る。
あるいは、式中、Xはヒドロキシおよび他の記号は上記で定義の意味である式IIと類似の化合物を、例えば、式VI
Figure 0004275733
〔式中、R6は特にエチルのような低級アルキル、および他の記号は上記で定義の意味〕
の化合物から、無水ジメチルホルムアミドおよびギ酸の混合物中の大過剰のホルムアミドとの反応により得る。反応を上昇した温度、例えば100℃から150℃、および好ましくは保護的ガスの存在下で行う。
中間体として使用する式Vの1−(Z’)−2−アミノ−3−シアノ−ピロールは、それ自体既知の刊行された方法に従って、良好な収率で製造できる[例えば、Roth,H.J.およびEger,K.,Arch.Pharmaz.308、179(1975)参照]。この目的のために、例えば、式VII
Figure 0004275733
の化合物を式Z’−NH2のアミンと反応させて式VIII
Figure 0004275733
の化合物を形成させ、それを次いで式CH2(CN)2のマロン酸ジニトリルで所望の式Vの中間体に変換させる。詳細において、アミンZ’−NH2との反応は、慣用的な縮合条件下、例えば触媒量の強酸、例えば塩酸またはp−トルエンスルホン酸存在下、上昇した温度(好ましくは沸点)で、適当な溶媒、例えばベンゼンまたはトルエン中、水を除きながら行い、対応する式VIIIのα−アミノケトンを得る。後者は単利しないが、熱い間に水の除去を続けながらマロン酸ジニトリルと直ちに縮合させ、必要に応じて少量のピペリジンのような塩基を添加して、式Vの化合物を製造する。
式中、R2はN−ベンジル−ピリドニウム−2−イルおよび他の記号は上記で定義の意味である中間体として使用する式VIの化合物は、例えば、式中、R2は水素および他の記号は上記で定義の意味である式VIの化合物をN−ベンジル−2−ブロモピリドニウムブロミドと特に塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素のような適当な溶媒中で反応させることにより得る。反応は好ましくは保護的ガス下、暗い中無水条件下で室温でまたは上昇した温度、例えば20℃から80℃で、および2,6−ジメチルピリジン(2,6−ルチジン)存在下で行う。式VIの他の化合物は、例えば、式IX
Figure 0004275733
〔式中、R6は上記で定義の意味〕
の2−アミジノ−酢酸低級アルキルエステルを式X
Figure 0004275733
〔式中、記号は上記で定義の意味〕
の2−X−1−R2−エタン−1−オンと反応させることにより得る。脱離基Xは好ましくは臭素である。反応を開始する前に、式IXの2−アミジノ−酢酸低級アルキルエステルを、特にその塩酸塩のようなその酸付加塩から、等モル量の特にナトリウムエタノラートのような塩基の助けを借りて、氷冷しながら離す。反応は適当な溶媒、特に好ましくはエタノールのような低級アルカノール中、0℃から50℃の好ましい温度、特に室温で行う。
式IIIのアザ化合物は既知であるかまたはそれ自体既知の方法で製造できる;これらのいくつかは商品として入手可能である。
例えば、式IIIのアザ化合物は、1995年8月31日に発行の国際出願WO95/23141(これを引用して本明細書に包含させる)に記載の方法の一つまたはその中に記載の引用文献に従って製造できる。
例えば、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾキサジン誘導体は、R.C.Elderfield et al.,Chapter 12“Heterocyelic Compounds”、Vol.6、R.C.Elderfield編、John Wiley&Sons、Inc.、New York 1957に従って製造できる;置換2,3−ジヒドロベンゾチアジニル化合物はR.C.Elderfield et al、同本のChapter 13;1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンおよびその出発物質は“Chemistry of Heterocyelic Compounds”、Vol.32、Parts1、2および3;G.Jones(編),John Wiley&Sons、New York 1977:メタノール中の酸化プラチナ/水素を使用した対応するキノリンの触媒的還元による低級アルキルもしくは非置換または置換フェニルにより置換された1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(Honel et al、J.Chem.Soc.Perkin I 1980、1933−1939参照);G.R.Proctor、Chapter II、Vol.43、“Chemistry of Heterocyelic Cmpounds”、Part 1と同様にして置換2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン;A.Rosowsky(編)、Wiley Interscience、New York 1984;およびある2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピンおよび1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゾシンは対応する2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−2−オンおよび1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゾシン−2−オンの還元により(Horning et al、J.Am.Chem.Soc.74,5153(1952)およびHuisgen et al、Liebigs Am.Chem.586、30(1954)製造できる。
インドリンタイプの式IIIのアザ化合物は、それ自体既知の連続反応で製造できる。
例えば、式IIIのインドリン化合物を、特に対応するインドール出発物質の還元により得ることが可能である。この目的のために、置換基(R3および/またはR4)が非プロトン性または適当に保護されている対応するインドール前駆体をZnBH4(ZnCl2から製造、Gensler et al、J.Am.Chem.Soc.82、6074−6081(1960)参照)と、ジエチルエーテルのようなエーテル性溶媒中、約10から約40℃、好ましくは室温で反応させる(Korsuki et al、Heterocyeles 28、1771−1774(1987)参照);またはインドール出発物質をボラン/ピリジン錯体(または他のボラン/tert−アミン錯体)とテトラヒドロフランのような溶媒の存在下または非存在下、約10から30℃、好ましくは室温で反応させ、次いで塩酸、トリフルオロ酢酸または酢酸のような酸での処理に付し、インドリン化合物を形成させる。
ある式IIIのインドリン化合物は、他のインドリン化合物から更なる修飾により製造できる。例えば、非置換または適当に置換された5−ヒドロキシインドリンを対応するインドリンから、ヒドロキシル化(Teuber et al、Chem.Ber.89、489−508(1956)参照)および続く中間体5−ヒドロキシ−インドールの還元により5−ヒドロキシインドリンを形成することにより製造できる:水性リン酸緩衝液中のニトロソジスルホン酸カリウムを、非置換または適当に置換されたインドリンに、アセトン中、中性pHで、約0から25℃の温度で添加する;得られる5−ヒドロキシインドール誘導体を、次いでボラン/ピリジン/水性HClと反応させ、5−ヒドロキシインドリン誘導体を形成させる。非置換または適当に置換されたブロモインドリン(例えば4−または6−位を臭素化)は、対応するインドリンから、臭素化により得ることができる(Miyake et al.、J.Het.Chem.20,349−352(1983)参照)。この方法は、大きな環系の臭素化(例えば1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピンおよび1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−ベンゾ[b]−アゾシン、特に5/7−、6/8−および7/9−位の)にも使用できる。この目的のために、一般的に非置換または適当に置換されたインドリンは、臭素を、硫化銀のような求ハロゲン試薬と、強酸条件下で、0から25℃で反応させる。加えて、3−アルキル置換基ありまたはなしのあるインドリンは、対応する2−(2−ハロフェニル)アルキルアミン(独特許出願DE3424900参照)から製造できる。更に、ヒドロキシアルキルインドリンは対応するカルボキシ前駆体またはそのエステルの還元により製造できる(Corey et al、J.Am.Chem.Soc.92(8)、2476−2488(1970)参照)。適当に置換された低級アルキル−、低級アルケニル−またはアリル−置換インドリンは、対応するトリアルキルシリル−保護4−、5−または6−ハロインドールから、ニッケル−ホスフィン触媒グリニヤール添加(Tamao et al、Bull.Chem.Soc.Japan49、1958−1969(1976)参照)により製造でき、この場合、インドリンは一般にtert−ブチル−ジメチル−シリルトリフレートとのハロゲン化溶媒中の3級アミン存在下での反応によりN−保護されている。N−シリル化ハロインドリンは次いで対応するアルキル−、アルケニル−またはアリル−グリニヤールと、エーテル性溶媒中、適当なニッケル−ホスフィン錯体(典型的にビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロライド)の存在下で反応させる。微量のトリフルオロ酢酸のような酸を含むメタノール、または適当な溶媒中のテトラヒドロフランのようなフッ素アニオンでの続く処理は、所望のインドリン誘導体を遊離させる。
加えて、4−、5−、6−または7−低級アルケニル−インドリンまたは遊離またはトリ−低級アルキルシリル−置換低級アルキニル−インドリンは、対応する4−、5−、6−または7−ハロインドリンのパラジウム触媒ビニル化またはアルキニル化により得ることができる(Kalinin、Synthesis 1992,413−432参照)。低級アルキニルインドリンの製造のために、対応するブロモ−またはヨード−インドリンを、還流下、適当な低級アルキンまたはトリメチルシリルアセチレンまたはその類似体と触媒量のCuIおよびPd(PPh3)の存在下で反応させる。
3,3−ジメチルインドリンは、例えば、N−メチルアリルアセトアニリドのルイス酸介在環化、続く加水分解により製造できる(Synthetic Communications 25(24)、4029−4033参照)。適当なルイス酸は、例えば、AlCl3である;加水分解は、例えば、塩化水素存在下で行う。
中間体として使用できる多くのインドリン、インドール、オクスインドールおよびイサチンの更なる製造法は、文献に見ることができる(“Heterocyclic Compounds with Indole and Carbazole Systems”、W.C.SumpterおよびF.Miller、“Chemistry of Heterocyclic Compounds”、Vol.8、Interscience Publishers Inc.、New York 1954およびその中の引用文献参照)。
他の出発化合物は既知であるか、それ自体既知の方法で製造できるか、または商品として入手可能である。
出発物質の製造に使用する反応条件は、特に明細書におよび特に実施例に記載の反応条件と類似である。
一般的処理条件
本明細書に記載の全処理工程はそれ自体既知の反応条件下で行うことができるが、好ましくは特記した条件下で、溶媒または稀釈剤、好ましくは使用する試薬またはそのための溶媒に不活性な溶媒または稀釈剤の非存在下または通常存在下で、反応および/または還元する反応物の性質に依存して、触媒、縮合剤または中和剤、例えばH+形のカチオン交換機のようなイオン交換機の存在下または非存在下で、通常または上昇した温度、例えば約−100℃から約190℃、好ましくは約−80℃から約150℃、例えば−80℃から−60℃の温度範囲、室温、−20℃から40℃またはほぼ使用する溶媒の沸点で、大気圧または密閉容器で、所望により加圧下で、および/または不活性雰囲気、例えばアルゴンまたは窒素雰囲気下で行う。
出発物質または中間体の場合、塩形成基が存在する場合、塩が存在し得る。塩はまたこのような化合物の反応中にも存在し得るが、但し反応には影響しない。
全ての反応段階において、形成される異性体混合物は個々の異性体、例えばジアステレオ異性体またはエナンチオマーに、または所望の異性体混合物、例えばラセミ体またはジアステレオ異性体混合物に、例えば“更なる処理段階”の標題の元に記載の方法と同様にして分離できる。
ある場合、例えば水素化の場合、例えば、個々の異性体がより容易に得られ得るように、立体選択的反応を行うことも可能である。
特定の反応に好ましい溶媒は、例えば、水、低級アルキル低級アルカノエートのようなエステル、例えば酢酸エチル、脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテルのようなエーテル、または環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン、ベンゼンまたはトルエンのような液体芳香族炭化水素、メタノール、エタノールまたは1−または2−プロパノールのようなアルコール、アセトニトリルのようなニトリル、塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素、ジメチルホルムアミドのような酸アミド、ヘテロ環式窒素塩基、例えばピリジンのような塩基、低級アルカン酸無水物、例えば酢酸無水物のようなカルボン酸無水物、シクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタンのような環状、直鎖または分枝鎖炭化水素、またはこれらの溶媒の混合物、例えば水性溶液を含む群から、処理の過程で特記しない限り選択する。このような溶媒混合物は、例えばクロマトグラフィーまたは分配による後処理でも使用できる。
本発明は、任意の段階で中間体として得られる化合物を出発物質として使用し、残りの工程を行う方法か、または本工程を任意の段階で中断するか、または出発物質を反応条件下で形成するか、または反応性誘導体または塩の形で使用するか、または本発明の方法により得られる化合物を処理条件下で製造しその場で更に処理する形にも関し、上記で好ましい、より特に好ましいおよび/または非常に好ましいとして記載している化合物をもたらす出発物質の使用が好ましい。
式Iの化合物(およびまたその中間体)の製造は、好ましくは実施例に記載の処理および工程段階に従って行う。
塩を含む式Iの化合物は、溶媒和物、例えば水和物または、例えば、結晶化に使用した溶媒を含む結晶の形でも得られ得る。
医薬組成物、その製造および本発明の式Iの化合物の使用およびそれらの化合物を有効成分として含む組成物
本発明はまたは活性成分として式Iの化合物の一つを含む医薬組成物にも関し、それは特に最初に記載の疾病の処理に使用できる。温血動物、特にヒトへの経鼻、バッカル、直腸または特に経口投与のような経腸投与および静脈内、筋肉内または皮下投与のような非経口投与が特に好ましい。組成物は活性成分をそれ自体でまたは好ましくは薬理学的に許容される担体と共に含む。活性成分の投与量は処置すべき疾病、種、年齢、体重および個々の状態、個々の薬物動態データ、処置すべき疾病および投与形態に依存する。
本発明はまたヒトまたは動物の治療的処置の方法に使用するための医薬組成物、その製造法(特に腫瘍処置の薬剤として)および上記疾病、特に腫瘍疾病、より特別には上記の一つ、または乾癬の処置法に関する。
プロテインキナーゼの阻害に反応する疾病、特に乾癬または腫瘍疾患に罹患している温血動物、特にヒトの処置に適した、式Iの化合物または塩形成基が存在する場合、その塩をプロテインキナーゼを阻害する量、少なくとも一つの薬理学的に許容される担体と共に含む医薬組成物が好ましい。
医薬組成物は約1%から約95%活性成分を含み、単一投与量形の投与形は好ましくは約20%から約90%活性成分および単一投与量形でない投与の形は好ましくは約5%から約20%活性成分を含む。単位投与量形は、例えば、糖衣錠、錠剤、アンプル、バイアル、座薬またはカプセルである。他の投与の形は、例えば、軟膏、クリーム、泥膏、泡状物、チンキ、リップスティック、飴、スプレー、分散剤等である。例は約0.05gから約1.0gの活性成分を含むカプセルである。
本発明の医薬組成物は、それ自体既知の方法で、例えば慣用の混合、顆粒化、砂糖付、溶解または凍結乾燥方法の手段により製造する。
活性成分の溶液および懸濁液または分散剤、特に等張性水性溶液、分散剤または懸濁液を好ましくは使用し、例えば活性成分を単独または、担体例えばマンニトールと一緒に含む凍結乾燥物の場合、このような溶液、懸濁液または分散剤を使用前に製造することも可能である。医薬組成物は滅菌し得および/または賦形剤、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、溶解剤、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝液を含み得、それ自体既知の方法で、例えば慣用の溶解または凍結乾燥により製造する。このような溶液または懸濁液はナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンのような粘性増加物質も含み得る。
油中の懸濁液は、油成分として通常の注射目的のための植物、合成または半合成油を含む。それらは、特に8から22、特に12から22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を酸成分として含む脂肪酸エステル、例えばラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、または対応する不飽和酸、例えばオレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸またはリノレン酸を、所望により抗酸化剤、例えばビタミンE、β−カロテンまたは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンの添加とともに含むことを特記し得る。脂肪酸エステルのアルコール成分は最大6炭素原子を有し、モノ−またはポリ−ハイドリック、例えばモノ−、ジ−またはトリ−ハイドリックアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはペンタノールまたはその異性体であるが、特にグリコールおよびグリセロールである。脂肪酸エステルの以下の例は従って:オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、
Figure 0004275733
であるが、特に綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油およびより特別にはピーナッツ油のような植物油である。
注射用組成物は、滅菌条件下で慣用的方法により製造する:同じことが、例えば、アンプルまたはバイアルへの組成物の挿入および容器の密封にも当てはまる。
経口投与用医薬組成物は、例えば、活性成分を1個またはそれ以上の固体担体とあわせ、所望により得られる混合物を顆粒化し、混合物または顆粒を処理し、必要であれば更なる賦形剤を添加して、錠剤または糖衣錠コアを形成する。
適当な担体は、特に糖、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤のような糖および/またはリン酸カルシウム、例えば三リン酸カルシウムまたはリン酸水素カルシウムおよび澱粉、例えばコーン、小麦、米またはジャガイモ澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドンのような結合剤および/または必要であれば上記の澱粉およびまたカルボキシメチル澱粉のような崩壊剤、架橋ポリビニルピロリドンまたはアルギニン酸またはアルギニン酸ナトリウムのようなそれらの塩を含む。更なる賦形剤は、特に流動調節剤および滑沢剤、例えば珪酸、タルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウムのようなそれらの塩および/またはポリエチレングリコールまたはそれらの誘導体である。
糖衣錠コアは、適当なように、所望により腸溶コーティングし、とりわけアラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液、または腸溶コーティングのための適当な有機溶媒または溶媒混合物、アセチルセルロールフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのような適当なセルロース調整物の溶液を使用する。着色剤または色素は、例えば同定目的のためにまたは活性成分の異なる容量を示すために錠剤または糖衣コーティングに添加し得る。
経口投与可能医薬組成物は、またゼラチンからなる乾燥充填カプセルおよびまたゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤からなる軟、密封カプセルを含む。乾燥充填カプセルは、活性剤を、例えば、コーンスターチ、結合剤および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤および所望により安定化剤の混合物中に顆粒の形で含み得る。軟カプセルにおいて、活性成分は好ましくは脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールまたはエチレンもしくはエチレンまたはプロピレングリコールの脂肪酸エステルのような適当な液体賦形剤中に溶解または懸濁し、その中に安定剤および界面活性剤、例えばポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル型のものをまた添加し得る。
他の経口投与形は、例えば活性成分を、例えば、懸濁液形で、約5%から20%、好ましくは約10%の濃度で含むか、または例えば5または10mlの測定で投与した場合、適当な単一量を提供する同様の濃度で含む慣用的方法で製造したシロップである。例えばミルク中のシェーキの製造のための粉末または液体濃縮剤もまた適当である。このような濃縮剤は単一投与量でパッケージし得る。
適当な経腸投与用医薬組成物は、例えば、活性成分および座薬基剤の組み合わせを含む座薬である。適当な座薬基剤は、例えば、天然または合成トリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコールまたは高級アルカノールである。
非経口投与のために、水溶性形、例えば水溶性塩の形の活性成分の水性溶液、または粘性増加物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストランおよび所望により安定化剤を含む水生注射用懸濁液が特に好ましい。活性成分は、所望により賦形剤と共に、凍結乾燥形でもあり得、適当な溶媒の添加により非経口投与の前に溶液にすることができる。
例えば、非経口投与のために使用されるような溶液は、また輸液としても使用できる。
好ましい防腐剤は、例えば、アスコルビン酸のような抗酸化剤、ソルビン酸または安息香酸のような殺微生物剤である。
軟膏は70%までであるが、好ましくは20から50%までの水または水性相を含む水中油型エマルジョンである。脂肪相として適当なのは特に炭化水素、例えばVaseline(登録商標)、パラフィン油または硬パラフィンであり、これらは水結合性能の改善のために好ましくは脂肪アルコールまたはそのエステル、例えばセチルアルコールまたは羊毛蝋のような羊毛蝋アルコールを含む。乳化剤は、ソルビタン脂肪酸エステル(Spans(登録商標))、例えばソルビタンオレエートおよび/またはソルビタンイソステアレートのような対応する親油性物質である。水性相への添加剤は、例えば、ポリアルコール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよび/またはポリエチレングリコールのような湿潤剤または防腐剤および香料である。
脂肪軟膏は無水であり、基剤物質として特に炭化水素、例えばパラフィン、Vaseline(登録商標)またはパラフィン油および天然または合成脂肪、例えばココナッツ脂肪酸トリグリセリドまたは好ましくは硬化油、例えば水素化ピーナッツ油またはヒマシ油およびグリセロールの脂肪酸部分エステル、例えばグリセロールモノ−および/またはジステアリン酸およびまた例えば脂肪アルコール、乳化剤および/または軟膏に関する水吸収を増加させるための添加剤を含む。
クリームは水中油型エマルジョンであり、50%以上の水を含む。油状基材物質として、特に脂肪アルコール、例えばラウリルアルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコール、脂肪酸、例えばパルミチン酸またはステアリン酸、ワックスを溶解するための液体、例えばイソプロピルミリステート、羊毛蝋または蜜蝋および/または炭化水素、例えばVaseline(登録商標)(ペトロラタム)またはパラフィン油を使用する。乳化剤として適当なのは、対応する非イオン性乳化剤、例えばポリグリセリン酸脂肪酸エステルまたはポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tweens(登録商標))のようなポリアルコールの脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキシ付加物、またポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルまたは脂肪酸エステル、または脂肪アルコール硫酸のアルカリ金属塩、例えばラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウムまたはステアリル硫酸ナトリウムのような対応するイオン性乳化剤のような主に親水性特性を有する界面活性物質であり、これらは慣用的に脂肪アルコール、例えばセチルアルコールまたはステアリルアルコール存在下で使用される。水性相への添加剤は、とりわけクリームの乾燥を減じる試薬、例えばグリセロール、ソルビトール、プロピレングリコールおよび/またはポリエチレングリコールのようなポリアルコールおよびまたは防腐剤および香料である。
泥膏およびクリームおよび軟膏は、酸化金属、たとえば酸化チタンまたは酸化亜鉛およびまたタルクおよび/または珪酸アルミニウムのような分泌吸収粉末を含み、この目的は存在する湿気または分泌物に結合することである。
泡状物は加圧式容器から投与し、エアロゾル形の液体水中油型エマルジョンであり、クロロ−フルオロ低級アルカン、例えばジクロロジフルオロメタンおよびジクロロテトラフルオロエタンのような推進ハロゲン化炭化水素、または好ましくは非ハロゲン化ガス状炭化水素、空気、N2Oまたは二酸化炭素を使用する。油相として、とりわけ上記のものが軟膏およびクリームに関連して使用され、および同様にそこに記載の添加剤も使用される。
チンキおよび溶液は、一般に水性エタノール性塩基を有し、それにとりわけ、ポリアルコール、例えばグリセロール、グリコールおよび/またはポリエチレングリコールが、蒸発を減少させるための加湿剤として、および低分子量ポリエチレングリコールを有する脂肪酸エステルのような脂肪貯蔵物質、すなわち、水性相に溶解する親油性物質が、エタノールにより皮膚から除かれる脂肪物質の変わりに添加され、必要であれば、他の賦形剤および添加剤も添加される。
本発明はまた上記病理学的状態、特に腫瘍疾患または乾癬、より具体的にプロテインキナーゼの阻害に反応するこのような疾病の処置の過程および方法にも関する。式Iの化合物は、予防的にまたは治療的に、それ自体または医薬組成物の形で、好ましくはこのような疾病に対する充分な量で、このような処置を必要とする温血動物、例えばヒトに投与され、使用する化合物は好ましくは医薬組成物の形である。このような処置において、体重約70kgの個体は約0.1mgから約5g、好ましくは約0.5gから約2gの本発明の化合物を毎日投与される。
以下の実施例は本発明の説明のために働くが、その範囲を限定するものではない。
使用する略名および略語は以下の意味を有する:
略語
abs. 完全(無水)
DMF ジメチルホルムアミド
FAB−MS 高速電子衝撃質量分析法
m.p. 融点
MS 質量分析法
Rf TLCにおける溶離剤に関する浸潤進行の比率
RT 室温
sat. 飽和
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄相クロマトグラフィー
注意:
特記されていない限り、“ヘキサン”はヘキサン異性体の混合物である。
実施例1:4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
アルゴン雰囲気下、5mlのabs.n−ブタノール中の0.2g(1.1mmol)の4−クロロ−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン(Liebigs Ann.Chem.1986(9)、1485−1505;CAS−Reg.No.82703−38−6参照)および0.15ml(1.32mmol)の2,3−ジヒドロインドール(Fluka、Buchs、Switzerland)を2時間、出発物質がTLCで観察されなくなるまで加熱還流する。反応混合物を50℃で真空蒸発させることにより濃縮する。茶色残渣30mlの酢酸エチルに溶解し、10mlの1N NaOH溶液を添加する。有機相を分取し、少量の水で三回洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固する。粗生産物を10mlのTHFに溶解し、n−ヘキサンを結晶化が始まるまで添加する。攪拌を0℃で行い、生産物を吸引濾過し、高真空下で乾燥させる。純粋4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを、220−221℃の融点を有する無色結晶として得る。FAB−MS:(M+H)+=265(C16164に対応);Rf値(トルエン−アセトン−4:6)=0.46。
実施例2:4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
この生産物は、実施例1に記載のものと類似の方法で、4−クロロ−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンおよび6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール(1.1当量、J.Org.Chem.55(2)、580−584(1990)CAS Reg.No.52537−00−5参照)から製造する。
実施例3:4−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
この生産物は、実施例1に記載のものと類似の方法で、4−クロロ−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンおよび6−ブロモ−2,3−ジヒドロインドール(1.1当量、WO95/23141;CAS Reg.No.63839−24−7)から製造する。
実施例4:4−(6−メチル−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
この生産物は、実施例1に記載のものと類似の方法で、4−クロロ−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンおよび6−メチル−2,3−ジヒドロインドール(1.1当量、WO95/23141;CAS Reg.No.86911−82−2参照)から製造する。
実施例5:4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
この生産物は、実施例1に記載のものと類似の方法で、4−クロロ−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(4当量、Fluka、Buchs、Switzerland)から製造する。M.p.:263−264℃;FAB−MS:(M+H)+=279(C17184に対応);Rf値(トルエン−アセトン−(4:6))=0.29。
実施例6:4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
窒素雰囲気下、10mlのabs.n−ブタノール中の0.5g(1.82mmol)の4−クロロ−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジンおよび0.43ml(2.1当量)の2,3−ジヒドロインドールを、1.5時間、TLCで出発物質がなくなるまで加熱還流し、所望の生産物が沈殿し、それを濾取する。茶色粗生産物を約20mlの1N NaOHで約15分間激しく攪拌し、懸濁液を吸引濾過し、残渣を水、n−ブタノールおよびヘキサンで洗浄し、高真空下で乾燥する。4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを、>300℃の融点を有するさび茶色の形で得る。FAB−MS:(M+H)+=358(C201552に対応);Rf値(トルエン−アセトン−4:6)=0.40。
出発物質を下記のように製造する:
段階6.1:2−アミノ−3−エトキシカルボニル−5−(4−ニトロ−フェニル)−ピロル
乾燥三首フラスコ中、アルゴン下、75mlのabs.エタノールおよび6.5g(390mmol)の2−アミジノ−酢酸エチルエステルヒドロクロライド[製造は:Liebigs Ann.Chem.、1895(1977)参照]を0−5℃に冷却し、2.65g(390mmol)のナトリウムエタノラートを添加する。5g(195mmol)の2−ブロモ−1−(4−ニトロ−フェニル)−エタン−1−オンを次いで添加し、混合物を室温に暖め、さらに48時間攪拌する。反応混合物を水と酢酸エチルで分配する。酢酸エチル相を三回水および一回sat.NaCl溶液で洗浄し、乾燥および濾過し、濾液をエバポレーションにより濃縮する。赤茶色残渣をヘキサン中でスラリーとし、表題化合物が粗生産物(純度93%)の形で沈殿し、それを次の段階にさらに精製することなく使用する;MS:(M)+=275。
段階6.2:4−ヒドロキシ−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
2.5g(97mmol)の2−アミノ−3−エトキシカルボニル−5−(4−ニトロ−フェニル)−ピロル、19.4mlのホルムアミド、9.7mlのDMFおよび3.1mlのギ酸を、150℃で22時間攪拌する。1mlのイソプロパノールを温反応混合物に添加する。反応混合物を冷却した後、沈殿生産物を濾取し、三回、各10mlのエタノールと、二回、各10mlのイソプロパノールとおよび二回、各10mlのヘキサンと吸引しながら洗浄する。表題化合物をさび茶色結晶の形で得、それを次段階に使用する;MS:(M)+=256。
段階6.3:4−クロロ−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
4−クロロ−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを、除湿しながら、4−ヒドロキシ−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを、過剰のPOCl3と沸点まで加熱することにより製造する。懸濁液を残量20mlまで、エバポレーションにより濃縮する。残渣を少しずつ水に入れ、固体NaHCO3で中和し、0.2リットルの酢酸エチルを添加する。濾過および熱THFでの洗浄により、表題化合物、m.p.>280℃を得る;FAB−MS:(M+H)+=275。
実施例7:4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
400mgの4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(実施例6)を、メタノール/THF(35:20)中の150mgのラネイ・ニッケルで、RTおよび定圧で10時間水素化する。触媒を濾取し、溶液をエバポレーションにより濃縮する。残渣をTHFに溶解し、生産物がヘキサンの添加により沈殿する。4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンが無色粉末の形で得られる。M.p.>300℃;FAB−MS:(M+H)+=328(C20175に対応);Rf値(トルエン−アセトン−4:6)=0.21。
実施例8:4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン
この生産物を、実施例6に記載のものと同様の方法で、4−クロロ−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンおよび6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール(1.1当量)から製造する。
実施例9:4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン
この生産物を、実施例7に記載のものと同様の方法で、4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン(実施例8)のラネイ・ニッケルによる水素化により製造する。
実施例10:4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン
この生産物は、実施例6に記載のものと類似の方法で、4−クロロ−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(2.1当量)から製造する。FAB−MS:(M+H)+=372(C211752に対応);Rf値(トルエン−アセトン−4:6)=0.36。
実施例11:4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
この生産物を、実施例7に記載のものと同様の方法で、4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン(実施例10)をラネイ・ニッケルで水素化して製造する。M.p.243−245℃:FAB−MS:(M+H)+=342(C21195に対応);Rf値(トルエン−アセトン−4:6)=0.25。
実施例12:4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−メトキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン
この生産物は、実施例1に記載のものと類似の方法で、4−クロロ−6−(4−メトキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンおよび2,3−ジヒドロインドール(1.1当量)から製造する。M.p.>300℃;FAB−MS:(M+H)+=343(C21184Oに対応)。
実施例13:乾燥充填カプセル
それぞれ活性成分として0.25gの前記実施例で述べた式Iの化合物の一つを含む5000カプセルを下記のように製造する:
組成
活性成分 1250g
タルク 180g
小麦澱粉 120g
ステアリン酸マグネシウム 80g
ラクトース 20g
製造法:上記の粉末物質を0.6mmメッシュサイズのふるいを通す。0.33g分の混合物を、カプセル充填機を使用してゼラチンカプセルに入れる。
実施例14:軟カプセル
それぞれ活性成分として0.05gの前記実施例で述べた式Iの化合物の一つを含む5000軟ゼラチンカプセルを下記のように製造する:
組成
活性成分 250g
Lauroglykol 2リットル
製造法:粉末活性成分をLauroglykol(登録商標)
Figure 0004275733
に懸濁し、約1から3μmの粒子サイズまで、湿潤微粉砕機で挽く。0.419g分の混合物を、カプセル充填機を使用して軟ゼラチンカプセルに充填する。
実施例15:軟カプセル
それぞれ活性成分として0.05gの前記実施例で述べた式Iの化合物の一つを含む5000軟カプセルを下記の通り製造する:
組成
活性成分 250g
PEG400 1リットル
Tween80 1リットル
製造法:粉末活性成分をPEG400(約380から約420のMrのポリエチレングリコール、Fluka、Switzerland)およびTween(登録商標)80(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、Atlas Chem.Ind.,Inc.,USA、Fluka、Switzerlandにより供給)に懸濁し、約1から3μmの粒子サイズまで湿潤微粉砕機で挽く。次いで、混合物の0.43g分を、カプセル充填機を使用して軟ゼラチンカプセルに入れる。
実施例16:EGF−受容体−特異的チロシンキナーゼの阻害
上記方法に従って、EGF受容体の組替え細胞内ドメイン(Europ.J.Biochem.207,265−275(1992))を使用して、以下のIC50値を得る:
化合物の実施例 IC50(μM)
1 1.56
5 2.69
7 0.21
11 0.026
実施例17:MK(マウスケラチン生成細胞)細胞のインビトロでの成長阻害:
BALB/MK細胞の式Iの化合物存在下での生育を上記方法に従って試験する。以下の阻害値(IC50)を得る:
化合物の実施例 IC50(μM)
7 15.8
11 0.76
実施例18:v−ablキナーゼの阻害:
上記(Oncogene Research 5、161−173(1990)およびCancer Research 52,4492−4498(1992))の方法に従って、以下のIC50値を得る:
化合物の実施例 IC50(μM)
7 0.078
11 0.002

Claims (10)

  1. 【化1】
    式I
    Figure 0004275733
    [式中、
    1 、低級アルキル;モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル;低級アルコキシ;非置換またはハロゲン、モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル、カルバモイル−メトキシ、カルボキシ−メトキシ、ベンジルオキシカルボニル−メトキシ、低級アルコキシカルボニル−メトキシ、フェニル、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、フェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ、フロイル、チエニルカルボニル、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキル−アミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、N−(N’,N’−ジ−低級アルキルアミノメチリデン)−アミノ、N−((N’,N’−ジ−低級アルキルアミノ)−(低級アルキル)−メチリデン)−アミノ、グアニジノ、ウレイド、N3−低級アルキルウレイド、N3,N3−ジ−低級アルキルウレイド、チオウレイド、N3−低級アルキルチオウレイド、N3,N3−ジ−低級アルキルチオウレイド、低級アルカンスルホニルアミノ、ベンゼン−またはナフタレン−スルホニルアミノ(ただし、ベンゼンまたはナフタレン環において低級アルキル置換されているか、または低級アルキル置換されていない)、アジドもしくはニトロにより置換されているフェニル;水素;非置換またはハロ−または低級アルキル−置換ピリジル;N−ベンジル−ピリドニル;ナフチル;シアノ;カルボキシ;低級アルコキシカルボニル;カルバモイル;N−低級アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル;N−ベンジル−カルバモイル;ホルミル;低級アルカノイル;低級アルケニル;低級アルケニルオキシ;またはハロゲン、アミノ、低級アルキルアミノ、ピペラジノ、ジ−低級アルキルアミノ、フェニルアミノまたはフェニル(ただし、これらのフェニル部分ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノまたはトリフルオロメチルにより置換されているか、または置換されていない)、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、メルカプトまたは式R5−S(Oq)−(式中、R5は低級アルキルおよびqは0、1または2)の基により置換されている低級アルキルであ
    2 は、低級アルキル;モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル;低級アルコキシ;非置換またはハロゲン、モノハロ−、ジハロ−またはトリハロ−低級アルキル、カルバモイル−メトキシ、カルボキシ−メトキシ、ベンジルオキシカルボニル−メトキシ、低級アルコキシカルボニル−メトキシ、フェニル、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、フェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ、フロイル、チエニルカルボニル、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキル−アミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、N−(N’,N’−ジ−低級アルキルアミノメチリデン)−アミノ、N−((N’,N’−ジ−低級アルキルアミノ)−(低級アルキル)−メチリデン)−アミノ、グアニジノ、ウレイド、N 3 −低級アルキルウレイド、N 3 ,N 3 −ジ−低級アルキルウレイド、チオウレイド、N 3 −低級アルキルチオウレイド、N 3 ,N 3 −ジ−低級アルキルチオウレイド、低級アルカンスルホニルアミノ、ベンゼン−またはナフタレン−スルホニルアミノ(ただし、ベンゼンまたはナフタレン環において低級アルキル置換されているか、または低級アルキル置換されていない)、アジドもしくはニトロにより置換されているフェニル;非置換またはハロ−または低級アルキル−置換ピリジル;N−ベンジルピリドニル;ナフチル;シアノ;カルボキシ;低級アルコキシカルボニル;カルバモイル;N−低級アルキル−カルバモイル;N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル;N−ベンジル−カルバモイル;ホルミル;低級アルカノイル;低級アルケニル;低級アルケニルオキシ;またはハロゲン、アミノ、低級アルキルアミノ、ピペラジノ、ジ−低級アルキルアミノ、フェニルアミノまたはフェニル(ただし、これらのフェニル部分はハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、シアノ、アミジノ、アミノ、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノまたはトリフルオロメチルにより置換されているか、または置換されていない)、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル、メルカプトまたは式R 5 −S(O q )−(式中、R 5 は低級アルキルおよびqは0、1または2)の基により置換されている低級アルキルであり、そして
    Qは2,3−ジヒドロインドール−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−1−イル、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロベンゾ[b]アゾシン−1−イル、2,3,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[g]インドール−1−イル、1,2,3,5−テトラヒドロピロロ[2,3−f]インドル−1−イルまたは1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−ピロロ[2,3−f]インドル−1−イルであり、これらの基のそれぞれは非置換であるか、または互いに独立して低級アルキル、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、低級アルキニル、トリ−低級アルキルシラニル−低級アルキニル、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、イソチオシアナト、非置換フェニル、非置換フェニル−低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノ、アジド、低級アルカノイルアミノ、トリハロ−低級アルキルカルボニルアミノ、ピロル−1−イルおよびピロリジン−1−イルからなる群から選択される1から3個の基により置換されているか、または二つの隣接環原子に結合する低級アルキレンジオキシで置換されている
    の化合物、または少なくとも一つの塩形成基が存在する場合、その塩。
  2. Qが2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−ブロモ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル、6−メチル−2,3ジヒドロインドール−1−イルまたは1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イルである、請求項1に記載の化合物、または少なくとも一つの塩形成基が存在する場合、その塩。
  3. 1 およびR2が互いに独立して低級アルキルであるかまたはR1 水素であって、2 非置換またはアミノ、ニトロもしくはメトキンにより置換されているフェニルである、請求項1または2に記載の化合物、または少なくとも一つの塩形成基が存在する場合、その塩。
  4. 4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(6−メチル−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン、
    4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン、
    4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、または
    4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−メトキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン
    である、請求項1から3のいずれかに記載の化合物、または少なくとも一つの塩形成基が存在する場合、その塩。
  5. 4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン、または
    4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−メトキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン
    である、請求項4記載の化合物、または薬理学的に許容されるその塩。
  6. 4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(6−メチル−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
    4−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン、
    4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン、
    4−(6−クロロ−2,3−ジヒドロインドール−1−イル)−6−(4−アミノ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]−ピリミジン、または
    4−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル)−6−(4−ニトロ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
    である、請求項4記載の化合物、または薬理学的に許容されるその塩。
  7. 医薬として使用するための、請求項1から6のいずれかに記載の化合物、まは薬理学的に許容されるその塩。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の化合物、まは薬理学的に許容されるその塩を、薬学的担体と共に含む、医薬組成物。
  9. 腫瘍疾患または乾癬の処置に使用するための医薬組成物の製造における使用のための、請求項1から6のいずれかに記載の化合物、まは薬理学的に許容されるその塩。
  10. 請求項1から6のいずれかに記載の化合物、まは薬理学的に許容されるその塩の、腫瘍疾患または乾癬の処置に使用するための医薬組成物の製造における使用。
JP52389797A 1996-01-23 1997-01-13 ピロロピリミジンおよびその製造法 Expired - Fee Related JP4275733B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CH17596 1996-01-23
CH175/96 1996-01-23
PCT/EP1997/000127 WO1997027199A1 (en) 1996-01-23 1997-01-13 Pyrrolopyrimidines and processes for their preparation

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000503005A JP2000503005A (ja) 2000-03-14
JP2000503005A5 JP2000503005A5 (ja) 2004-11-11
JP4275733B2 true JP4275733B2 (ja) 2009-06-10

Family

ID=4180979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52389797A Expired - Fee Related JP4275733B2 (ja) 1996-01-23 1997-01-13 ピロロピリミジンおよびその製造法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US6140317A (ja)
EP (1) EP0888349B1 (ja)
JP (1) JP4275733B2 (ja)
AT (1) ATE217873T1 (ja)
AU (1) AU1441497A (ja)
DE (1) DE69712745T2 (ja)
ES (1) ES2177925T3 (ja)
PT (1) PT888349E (ja)
WO (1) WO1997027199A1 (ja)

Families Citing this family (117)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6811779B2 (en) 1994-02-10 2004-11-02 Imclone Systems Incorporated Methods for reducing tumor growth with VEGF receptor antibody combined with radiation and chemotherapy
US6395733B1 (en) * 1995-06-07 2002-05-28 Pfizer Inc Heterocyclic ring-fused pyrimidine derivatives
US7060808B1 (en) * 1995-06-07 2006-06-13 Imclone Systems Incorporated Humanized anti-EGF receptor monoclonal antibody
ATE384062T1 (de) 1996-08-23 2008-02-15 Novartis Pharma Gmbh Substituierte pyrrolopyrimidine und verfahren zu ihrer herstellung
WO1998014450A1 (en) 1996-10-02 1998-04-09 Novartis Ag Pyrimidine derivatives and processes for the preparation thereof
EP1012151B1 (en) * 1997-09-02 2002-08-07 Bristol-Myers Squibb Pharma Company Heterocyclyl-substituted ring-fused pyridines and pyrimidines as corticotropin releasing hormone (crh) antagonists, useful for treating cns and stress-related disorders
US20030224001A1 (en) * 1998-03-19 2003-12-04 Goldstein Neil I. Antibody and antibody fragments for inhibiting the growth of tumors
EP1067123B1 (en) 1998-03-31 2011-01-19 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Nitrogenous heterocyclic compounds
ZA200007412B (en) * 1998-05-15 2002-03-12 Imclone Systems Inc Treatment of human tumors with radiation and inhibitors of growth factor receptor tyrosine kinases.
KR100415791B1 (ko) 1998-06-19 2004-01-24 화이자 프로덕츠 인코포레이티드 피롤로[2,3-디]피리미딘 화합물
PA8474101A1 (es) * 1998-06-19 2000-09-29 Pfizer Prod Inc Compuestos de pirrolo [2,3-d] pirimidina
IL146480A0 (en) * 1999-05-14 2002-07-25 Imclone Systems Inc Treatment of refractory human tumors with epidermal growth factor receptor antagonists
WO2001042246A2 (en) 1999-12-10 2001-06-14 Pfizer Products Inc. PYRROLO[2,3-d]PYRIMIDINE COMPOUNDS
AU2001259707A1 (en) 2000-06-14 2001-12-24 Warner Lambert Company 6,5-fused bicyclic heterocycles
ATE423120T1 (de) 2000-06-26 2009-03-15 Pfizer Prod Inc Pyrroloä2,3-düpyrimidin verbindungen als immunosuppressive wirkstoffe
JP2004527456A (ja) * 2000-08-09 2004-09-09 イムクローン システムズ インコーポレイティド Egf受容体拮抗剤による過増殖性の疾患の治療
US20080008704A1 (en) * 2001-03-16 2008-01-10 Mark Rubin Methods of treating colorectal cancer with anti-epidermal growth factor antibodies
US7301023B2 (en) 2001-05-31 2007-11-27 Pfizer Inc. Chiral salt resolution
IL159506A0 (en) * 2001-06-23 2004-06-01 Aventis Pharma Inc Pyrrolopyrimidines as protein kinase inhibitors
GB0115393D0 (en) * 2001-06-23 2001-08-15 Aventis Pharma Ltd Chemical compounds
JP2005507424A (ja) * 2001-10-29 2005-03-17 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 固形腫瘍の処置における7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体の使用
EP1572213A1 (en) 2002-11-26 2005-09-14 Pfizer Products Inc. Method of treatment of transplant rejection
EP1622941A2 (en) * 2003-03-20 2006-02-08 ImClone Systems Incorporated Method of producing an antibody to epidermal growth factor receptor
US7253166B2 (en) 2003-04-22 2007-08-07 Irm Llc 6-phenyl-7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidine compounds that induce neuronal differentiation in embryonic stem cells
CN101966338A (zh) 2003-06-09 2011-02-09 塞缪尔·瓦克萨尔 用胞外拮抗物和胞内拮抗物抑制受体酪氨酸激酶的方法
WO2005069865A2 (en) * 2004-01-13 2005-08-04 Ambit Biosciences Corporation Pyrrolopyrimidine derivatives and analogs and their use in the treatment and prevention of diseases
GB0403606D0 (en) 2004-02-18 2004-03-24 Novartis Ag Organic compounds
JP4734319B2 (ja) 2004-03-19 2011-07-27 イムクローン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー ヒト抗上皮成長因子受容体抗体
CN1980934B (zh) * 2004-05-03 2011-10-26 詹森药业有限公司 作为选择性雄激素受体调节剂(sarms)的新的吲哚衍生物
BRPI0514094A (pt) * 2004-08-02 2008-05-27 Osi Pharm Inc composto, composição, e, método de tratamento de distúrbio hiperproliferativo
MY179032A (en) * 2004-10-25 2020-10-26 Cancer Research Tech Ltd Ortho-condensed pyridine and pyrimidine derivatives (e.g.purines) as protein kinase inhibitors
US7423043B2 (en) 2005-02-18 2008-09-09 Lexicon Pharmaceuticals, Inc. 4-Piperidin-1-yl-7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidine compounds
CA2598956A1 (en) * 2005-02-24 2006-08-31 Pfizer Products Inc. Bicyclic heteroaromatic derivatives useful as anticancer agents
US8128929B2 (en) 2005-06-17 2012-03-06 Imclone Llc Antibodies against PDGFRa
US8129114B2 (en) 2005-08-24 2012-03-06 Bristol-Myers Squibb Company Biomarkers and methods for determining sensitivity to epidermal growth factor receptor modulators
SG174772A1 (en) * 2006-09-11 2011-10-28 Curis Inc Multi-functional small molecules as anti-proliferative agents
US20080161320A1 (en) * 2006-09-11 2008-07-03 Xiong Cai Fused bicyclic pyrimidines as ptk inhibitors containing a zinc binding moiety
CA2663434A1 (en) * 2006-09-15 2008-03-20 Schering Corporation Spirocyclic azetidinone derivatives for the treatment of disorders of lipid metabolism, pain, diabetes and other disorders
EP2091534A1 (en) * 2006-09-15 2009-08-26 Schering Corporation Azetidinone derivatives and methods of use thereof
WO2008033464A2 (en) * 2006-09-15 2008-03-20 Schering Corporation Azetidinone derivatives for the treatment of disorders of the lipid metabolism
US8349847B2 (en) 2008-01-11 2013-01-08 Durga Prasad Konakanchi Pyrazolo [3,4-D] pyrimidine derivatives as anti-cancer agents
RU2493157C2 (ru) 2008-08-20 2013-09-20 Пфайзер Инк. ПРОИЗВОДНЫЕ ПИРРОЛО[2,3-d]ПИРИМИДИНА
MX2011004824A (es) 2008-11-07 2012-01-12 Triact Therapeutics Inc Uso de derivados de butano catecólico en terapia contra el cáncer.
JP2012518657A (ja) 2009-02-25 2012-08-16 オーエスアイ・ファーマシューティカルズ,エルエルシー 併用抗癌治療
US20110171124A1 (en) 2009-02-26 2011-07-14 Osi Pharmaceuticals, Inc. In situ methods for monitoring the EMT status of tumor cells in vivo
US8465912B2 (en) 2009-02-27 2013-06-18 OSI Pharmaceuticals, LLC Methods for the identification of agents that inhibit mesenchymal-like tumor cells or their formation
WO2010099138A2 (en) 2009-02-27 2010-09-02 Osi Pharmaceuticals, Inc. Methods for the identification of agents that inhibit mesenchymal-like tumor cells or their formation
WO2010099363A1 (en) 2009-02-27 2010-09-02 Osi Pharmaceuticals, Inc. Methods for the identification of agents that inhibit mesenchymal-like tumor cells or their formation
EP2408479A1 (en) 2009-03-18 2012-01-25 OSI Pharmaceuticals, LLC Combination cancer therapy comprising administration of an egfr inhibitor and an igf-1r inhibitor
US20120220594A1 (en) 2009-10-30 2012-08-30 Bristol-Meyers Squibb Company Methods for treating cancer in patients having igf-1r inhibitor resistance
JP2013510564A (ja) 2009-11-13 2013-03-28 パンガエア ビオテック、ソシエダッド、リミターダ 肺癌におけるチロシンキナーゼ阻害剤に対する応答を予測するための分子バイオマーカー
EP2468883A1 (en) 2010-12-22 2012-06-27 Pangaea Biotech S.L. Molecular biomarkers for predicting response to tyrosine kinase inhibitors in lung cancer
US9134297B2 (en) 2011-01-11 2015-09-15 Icahn School Of Medicine At Mount Sinai Method and compositions for treating cancer and related methods
EP2670244B1 (en) 2011-02-04 2018-04-11 Duquesne University of The Holy Spirit Bicyclic and tricyclic pyrimidine tyrosine kinase inhibitors with antitubulin activity and methods of treating a patient
EP2492688A1 (en) 2011-02-23 2012-08-29 Pangaea Biotech, S.A. Molecular biomarkers for predicting response to antitumor treatment in lung cancer
WO2012129145A1 (en) 2011-03-18 2012-09-27 OSI Pharmaceuticals, LLC Nscle combination therapy
WO2012149014A1 (en) 2011-04-25 2012-11-01 OSI Pharmaceuticals, LLC Use of emt gene signatures in cancer drug discovery, diagnostics, and treatment
GB201106870D0 (en) 2011-04-26 2011-06-01 Univ Belfast Marker
CA2845179A1 (en) 2011-08-31 2013-03-07 Genentech, Inc. Diagnostic markers
AU2012321248A1 (en) 2011-09-30 2014-04-24 Genentech, Inc. Diagnostic methylation markers of epithelial or mesenchymal phenotype and response to EGFR kinase inhibitor in tumours or tumour cells
EP2766497A1 (en) 2011-10-13 2014-08-20 Bristol-Myers Squibb Company Methods for selecting and treating cancer in patients with igf-1r/ir inhibitors
WO2013152252A1 (en) 2012-04-06 2013-10-10 OSI Pharmaceuticals, LLC Combination anti-cancer therapy
WO2013190089A1 (en) 2012-06-21 2013-12-27 Pangaea Biotech, S.L. Molecular biomarkers for predicting outcome in lung cancer
US10227357B2 (en) 2012-09-06 2019-03-12 Plexxikon Inc. Compounds and methods for kinase modulation, and indications therefor
US9834575B2 (en) 2013-02-26 2017-12-05 Triact Therapeutics, Inc. Cancer therapy
WO2014147246A1 (en) 2013-03-21 2014-09-25 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) Method and pharmaceutical composition for use in the treatment of chronic liver diseases associated with a low hepcidin expression
CA2923667A1 (en) 2013-09-09 2015-03-12 Triact Therapeutics, Inc. Cancer therapy
US20170027940A1 (en) 2014-04-10 2017-02-02 Stichting Het Nederlands Kanker Instituut Method for treating cancer
RU2739942C2 (ru) 2014-12-24 2020-12-30 Дженентек, Инк. Терапевтические, диагностические и прогностические способы для рака мочевого пузыря
WO2018078143A1 (en) 2016-10-28 2018-05-03 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Means and methods for determining efficacy of anti-egfr inhibitors in colorectal cancer (crc) therapy
CR20190338A (es) 2016-12-22 2019-09-09 Amgen Inc Inhibidores de kras g12c y métodos para su uso
JOP20190272A1 (ar) 2017-05-22 2019-11-21 Amgen Inc مثبطات kras g12c وطرق لاستخدامها
ES2928576T3 (es) 2017-09-08 2022-11-21 Amgen Inc Inhibidores de KRAS G12C y métodos de uso de los mismos
US11045484B2 (en) 2018-05-04 2021-06-29 Amgen Inc. KRAS G12C inhibitors and methods of using the same
AU2019262589B2 (en) 2018-05-04 2022-07-07 Amgen Inc. KRAS G12C inhibitors and methods of using the same
EP3790886A1 (en) 2018-05-10 2021-03-17 Amgen Inc. Kras g12c inhibitors for the treatment of cancer
MA52765A (fr) 2018-06-01 2021-04-14 Amgen Inc Inhibiteurs de kras g12c et leurs procédés d'utilisation
WO2019241157A1 (en) 2018-06-11 2019-12-19 Amgen Inc. Kras g12c inhibitors for treating cancer
MX2020012261A (es) 2018-06-12 2021-03-31 Amgen Inc Inhibidores de kras g12c que comprenden un anillo de piperazina y uso de estos en el tratamiento del cancer.
BR112021006407A8 (pt) 2018-10-04 2022-12-06 Inst Nat Sante Rech Med uso de inibidores do egfr para ceratodermas
JP2020090482A (ja) 2018-11-16 2020-06-11 アムジエン・インコーポレーテツド Kras g12c阻害剤化合物の重要な中間体の改良合成法
JP7377679B2 (ja) 2018-11-19 2023-11-10 アムジエン・インコーポレーテツド がん治療のためのkrasg12c阻害剤及び1種以上の薬学的に活性な追加の薬剤を含む併用療法
AU2019384118A1 (en) 2018-11-19 2021-05-27 Amgen Inc. KRAS G12C inhibitors and methods of using the same
JP2022514268A (ja) 2018-12-20 2022-02-10 アムジエン・インコーポレーテツド Kif18a阻害剤
US20220056015A1 (en) 2018-12-20 2022-02-24 Amgen Inc. Kif18a inhibitors
CR20210387A (es) 2018-12-20 2021-08-19 Amgen Inc Inhibidores de kif18a
CA3123044A1 (en) 2018-12-20 2020-06-25 Amgen Inc. Heteroaryl amides useful as kif18a inhibitors
SG11202109036WA (en) 2019-03-01 2021-09-29 Revolution Medicines Inc Bicyclic heteroaryl compounds and uses thereof
MX2021010323A (es) 2019-03-01 2021-12-10 Revolution Medicines Inc Compuestos bicíclicos de heterociclilo y usos de este.
EP3738593A1 (en) 2019-05-14 2020-11-18 Amgen, Inc Dosing of kras inhibitor for treatment of cancers
SG11202112855WA (en) 2019-05-21 2021-12-30 Amgen Inc Solid state forms
CA3147451A1 (en) 2019-08-02 2021-02-11 Amgen Inc. Kif18a inhibitors
CN114401953A (zh) 2019-08-02 2022-04-26 美国安进公司 Kif18a抑制剂
US20220372018A1 (en) 2019-08-02 2022-11-24 Amgen Inc. Kif18a inhibitors
WO2021026098A1 (en) 2019-08-02 2021-02-11 Amgen Inc. Kif18a inhibitors
MX2022004656A (es) 2019-10-24 2022-05-25 Amgen Inc Derivados de piridopirimidina utiles como inhibidores de kras g12c y kras g12d en el tratamiento del cancer.
CA3160142A1 (en) 2019-11-04 2021-05-14 Revolution Medicines, Inc. Ras inhibitors
CN115873020A (zh) 2019-11-04 2023-03-31 锐新医药公司 Ras抑制剂
WO2021091982A1 (en) 2019-11-04 2021-05-14 Revolution Medicines, Inc. Ras inhibitors
MX2022005525A (es) 2019-11-08 2022-06-08 Revolution Medicines Inc Compuestos de heteroarilo bicíclicos y usos de estos.
AU2020381492A1 (en) 2019-11-14 2022-05-26 Amgen Inc. Improved synthesis of KRAS G12C inhibitor compound
AU2020383535A1 (en) 2019-11-14 2022-05-05 Amgen Inc. Improved synthesis of KRAS G12C inhibitor compound
WO2021108683A1 (en) 2019-11-27 2021-06-03 Revolution Medicines, Inc. Covalent ras inhibitors and uses thereof
EP4087611A1 (en) 2020-01-07 2022-11-16 Revolution Medicines, Inc. Shp2 inhibitor dosing and methods of treating cancer
CN115916194A (zh) 2020-06-18 2023-04-04 锐新医药公司 用于延迟、预防和治疗针对ras抑制剂的获得性抗性的方法
EP4208261A1 (en) 2020-09-03 2023-07-12 Revolution Medicines, Inc. Use of sos1 inhibitors to treat malignancies with shp2 mutations
PE20231207A1 (es) 2020-09-15 2023-08-17 Revolution Medicines Inc Derivados indolicos como inhibidores de ras en el tratamiento del cancer
CA3203111A1 (en) 2020-12-22 2022-06-30 Kailiang Wang Sos1 inhibitors and uses thereof
KR20240004960A (ko) 2021-05-05 2024-01-11 레볼루션 메디슨즈, 인크. Ras 억제제
IL308195A (en) 2021-05-05 2024-01-01 Revolution Medicines Inc RAS inhibitors for cancer treatment
JP2024516450A (ja) 2021-05-05 2024-04-15 レボリューション メディシンズ インコーポレイテッド 共有結合性ras阻害剤及びその使用
AR127308A1 (es) 2021-10-08 2024-01-10 Revolution Medicines Inc Inhibidores ras
TW202340214A (zh) 2021-12-17 2023-10-16 美商健臻公司 做為shp2抑制劑之吡唑并吡𠯤化合物
EP4227307A1 (en) 2022-02-11 2023-08-16 Genzyme Corporation Pyrazolopyrazine compounds as shp2 inhibitors
WO2023172940A1 (en) 2022-03-08 2023-09-14 Revolution Medicines, Inc. Methods for treating immune refractory lung cancer
WO2023240263A1 (en) 2022-06-10 2023-12-14 Revolution Medicines, Inc. Macrocyclic ras inhibitors
WO2024081916A1 (en) 2022-10-14 2024-04-18 Black Diamond Therapeutics, Inc. Methods of treating cancers using isoquinoline or 6-aza-quinoline derivatives

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE140457T1 (de) * 1989-09-19 1996-08-15 Teijin Ltd Pyrrolo(2,3-d>pyrimidinderivate, verfahren zur herstellung und arzneimittelzusammensetzungen die diese enthalten
IL108523A0 (en) * 1993-02-03 1994-05-30 Gensia Inc Pharmaceutical compositions containing adenosine kinase inhibitors for preventing or treating conditions involving inflammatory responses and pain
IL112249A (en) * 1994-01-25 2001-11-25 Warner Lambert Co Pharmaceutical compositions containing di and tricyclic pyrimidine derivatives for inhibiting tyrosine kinases of the epidermal growth factor receptor family and some new such compounds
AU686843B2 (en) * 1994-02-23 1998-02-12 Pfizer Inc. 4-heterocyclyl-substituted quinazoline derivatives, processes for their preparation and their use as anti-cancer agents
DK0682027T3 (da) * 1994-05-03 1998-05-04 Ciba Geigy Ag Pyrrolopyrimidinderivater med antiproliferativ virkning
NZ304859A (en) * 1995-04-03 2000-01-28 Novartis Ag 4-amino-1H-pyrazolo[3,4-d]pyrimidine derivatives, medicaments and processes for the preparation thereof
MX9709867A (es) * 1995-06-07 1998-03-31 Pfizer Derivados de pirimidina condensados con un anillo heterociclico, composiciones que contienen los mismos, y uso de los mismos.
MX9800215A (es) * 1995-07-06 1998-03-31 Novartis Ag Pirrolopirimidas y procesos para su preparacion.
BR9713552A (pt) * 1996-11-27 2000-01-25 Pfizer Derivados de pirimidina bicìclicos condensados

Also Published As

Publication number Publication date
PT888349E (pt) 2002-10-31
ATE217873T1 (de) 2002-06-15
EP0888349A1 (en) 1999-01-07
AU1441497A (en) 1997-08-20
ES2177925T3 (es) 2002-12-16
DE69712745T2 (de) 2002-10-31
JP2000503005A (ja) 2000-03-14
WO1997027199A1 (en) 1997-07-31
EP0888349B1 (en) 2002-05-22
US6140317A (en) 2000-10-31
DE69712745D1 (de) 2002-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4275733B2 (ja) ピロロピリミジンおよびその製造法
JP4146514B2 (ja) ピロロピリミジン類およびその製造方法
US6180636B1 (en) Substituted pyrrolopyrimidines and processes for their preparation
AU695244B2 (en) Pyrrolopyrimidine derivatives having pharmacological activity
JP4205168B2 (ja) ピリミジン誘導体およびその製造法
US4209623A (en) Pyrimidine-5-N-(1H-tetrazol-5-yl)-carboxamides
US10548883B2 (en) Benzotriazole-derived α and β-unsaturated amide compound used as TGF-β RI inhibitor
WO1998017662A1 (en) Phenyl-substituted bicyclic heterocyclyl derivatives and their use
KR20080046728A (ko) 복소환 화합물, 그의 제조 방법 및 용도
AU2004245351B2 (en) (1,2,4)triazolo(1,5-a)pyrimidin-2-ylurea derivative and use thereof
JPH11511761A (ja) チロシンキナーゼ抑制剤としての2環式4−アラルキルアミノピリミジン誘導体
EP0623620B1 (fr) Dérivés de pyrrolopyrazines à activité 5-HT3
KR100845749B1 (ko) 트리시클, 이의 제조 및 약학적 제제로서의 용도
CA2242354C (en) Pyrrolopyrimidines and processes for their preparation
KR20080063833A (ko) 트리시클릭 락탐 유도체, 이의 제조 및 약학적 제제로서의용도
JP2003506376A (ja) 1,2−ジヒドロ−1−オキソ−ピラジノ[1,2−a]インドール誘導体
AU707626C (en) Pyrrolopyrimidines and processes for the preparation thereof
TW472057B (en) Pyrrolopyrimidines and processes for the preparation thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040108

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080408

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080905

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees