JP4275214B2 - 水中防汚剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、漁網、水中構造物等に対する水中生物、特にヒドロ虫等の腔腸動物、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類等の付着防止に好適な水中防汚剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
漁網、水中構造物は、水中、特に海水中で長期に亘って使用されるため、海水との接触部分において、ヒドロ虫、フサコケムシ、アオサ、フジツボ、イガイなどの多数の水中生物が付着、繁殖し、そのため漁網等の本来の機能が損なわれる。漁網の中でも、特に、養殖網や定置網等は、長期間海水中に静置されるため、水中生物の繁殖、腐食が顕著であり、頻繁に漁網を取り替えなければならず、経済的損失は大きい。
【0003】
このような問題を解決するために、水中生物の付着防止を目的として防汚剤ないし防汚塗料を漁網に塗布することが広く行なわれている。かかる水中生物付着防止法としては、亜酸化銅あるいは有機防汚剤に、これらの防汚剤を適正に溶出させるために展色剤としてロジンとアクリル樹脂あるいはビニル樹脂とを配合した防汚剤組成物、または亜酸化銅あるいは有機防汚剤に展色剤として加水分解性樹脂(アクリルポリマーの珪素、銅、亜鉛、錫等のアルキルエステルまたはアルコキシエステル)を配合した防汚剤組成物が広く使用されている。その他として、防汚性を有する展色剤、例えば、室温硬化性シリコーンゴム等は、防汚剤としても使用されている。しかしながら、これらの防汚剤組成物は、満足できる防汚性が得られていない。
【0004】
有機防汚剤として、最も広く使用されている防汚剤の一つにテトラエチルチウラムジスルフィドがある。しかし、これを用いた防汚剤組成物は、種々の水中生物、特にヒドロ虫等の腔腸動物、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類等の付着防止効果が十分とはいえない。
【0005】
また、有機防汚剤として、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンジチオカーバメート含有の防汚剤組成物が、特公昭39−9681号公報、特公昭64−11603号公報、特開平6−157219号公報等において提案されている。しかしながら、これらの公報に開示されている技術では、いずれもヒドロ虫等の腔腸動物、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類の付着防止効果が十分とはいえない。
【0006】
同様の有機溶剤不溶の有機溶剤として、トリフェニルボロンピリジン含有の水中防汚剤が、特開平7−291813号公報、特開平8−239601号公報等において提案されている。しかしながら、これらの公報に開示されている技術でも、いずれもヒドロ虫等の腔腸動物、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類の付着防止効果が十分とはいえない。
【0007】
一方、オキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンを含有してなる防汚塗料が、特開平3−20370号公報、特開平4−142373号公報、特開平5−263022号公報、特開平5−320538号公報、特開平6−93214号公報において提案されている。しかしながら、これらの公報で提案されているオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンを含有してなる防汚塗料は、海藻の付着防止効果は優れているもののヒドロ虫等の腔腸動物の付着防止効果が劣っている。また、定置漁場でヒドロ虫同様に問題となっているイギス等の紅藻植物は通常の海藻以上に付着し易く、上記防汚塗料では防汚効果が不十分であり、養殖漁場で問題となっているカサネカンザシ等の管棲多毛類の防汚効果も不十分である。
【0008】
本発明に関連するものとして、特開平9−176576号公報には、親水性親油性バランス(HLB)が2〜7のオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサン(IV)100重量部と、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート(II)10〜5,000重量部とを含有する水中防汚剤組成物が記載されている。また、特開平9−176577号公報には、同一のオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサン(V)100重量部と、亜酸化銅10〜5,000重量部とを含有する水中防汚剤組成物が記載されている。これらの文献には、前記オキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンとして、下記一般式(V)、
【0009】
【化8】
Figure 0004275214
【0010】
〔式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、R1 は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R2 は、−(C2 4 O)a −(C3 6 O)b −(aは1〜50の数を表し、bは0〜30の数を表す。)で表されるオキシアルキレン基であり、R3 は、水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、mは、1〜7,000の数であり、nは、0〜50の数を表す。〕
で表される化合物が記載されている。
【0011】
また、特開平7−133207号公報には、前記式(IV)で表されるトリフェニルボロンピリジン及びシリコーンオイルを必須成分とする漁網具防汚剤が記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記これら公報には、本発明に用いられるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンについては、上位概念としては含まれるものの、具体的には記載されていない。上記公報の水中防汚剤組成物はヒドロ虫等の腔腸動物同様に問題となっているイギス等の紅藻植物、養殖網等で問題となっているカサネカンザシ等の管棲多毛類には付着防止効果が十分ではない。
【0013】
そこで、本発明は、ヒドロ虫等の腔腸動物はもとより、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類に対しても、優れた水中防汚剤効果を有する水中防汚剤組成物、特に漁網防汚剤組成物を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、前記特開平9−176576号公報に記載の一般式(V)で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンの内、特定のR,R1 ,R2 (a,b),R3 ,mおよびnの化合物が特に優れた水中防汚剤効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、数平均分子量が500〜10,000の式(I)
【0016】
【化9】
Figure 0004275214
【0017】
〔式中、Rはメチル基を表し、
1 は、炭素数3〜5のアルキレン基を表し、
2 は、−(C2 4 O)a −(C3 6 O)b −(aは5〜12,bは0〜12の数を表す。)で表されるオキシアルキレン基であり、
3 は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、
mは、5〜50の数であり、
nは、1〜5の数を表す。〕
で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種以上を含有することを特徴とする水中防汚剤組成物を提供する。
【0018】
本発明の水中防汚剤組成物は、好ましくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種以上を100重量部、および、式(II)
【0019】
【化10】
Figure 0004275214
【0020】
で表されるテトラエチルチウラムジスルフィド(II)の10〜5,000重量部を含有する水中防汚剤組成物である。
【0021】
本発明の水中防汚剤組成物は、好ましくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種以上を100重量部、および、式(III)
【0022】
【化11】
Figure 0004275214
【0023】
で表されるビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバーメート(III)の10〜5,000重量部を含有する水中防汚剤組成物である。
【0024】
また、本発明の水中防汚剤組成物は、好ましくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種以上を100重量部、および、式(IV)
【0025】
【化12】
Figure 0004275214
【0026】
で表されるトリフェニルボロンピリジン(IV)の10〜5,000重量部を含有する水中防汚剤組成物である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る水中防汚剤組成物、該組成物を用いた漁網および水中構造物の防汚処理方法を具体的に説明する。
【0028】
本発明に用いられるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンは、通常、ポリエーテル変性シリコーンと称される化合物であり、中でも前記式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンが好ましく用いられる。
【0029】
前記式(I)中、Rはメチル基を表し、R1 は、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル基等の直鎖若しくは分枝の炭素数3〜5のアルキレン基を表し、R2 は、−(C2 4 O)a −(C3 6 O)b −で表されるオキシアルキレン基であり、aは5〜12、bは0〜12の数を表す。R3 は、水素原子又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等の炭素数1〜4のアルキル基であり、mは5〜50、好ましくは、15〜40の数であり、nは1〜5、好ましくは1〜3の数を表す。
【0030】
前記オキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサン(I)の数平均分子量Mnは、500〜10,000の範囲、好ましくは、1,000〜5,000である。上記範囲内の数平均分子量のオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンを特に選択することによって、防汚性に優れ、長期に亘って優れた防汚性を示す塗膜を形成し得る水中防汚剤組成物を得ることができる。
【0031】
また、このような数平均分子量Mnをもつオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンを特に選択することにより、後述する化合物(II)、(III)、(IV)またはその他の防汚剤を併用する場合、化合物(1)は、化合物(II)、(III)、(IV)またはその他の防汚剤との相乗作用により、優れた防汚効果を発揮する。
【0032】
また、本発明の水中防汚剤組成物は、好ましくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサン(I)の1種または2種以上に、前記式(II)で表されるテトラエチルチウラムジスルフィド(II)を含有する。
【0033】
本発明の水中防汚剤組成物として含有させる場合、通常、化合物(I)100重量部に対し、化合物(II)を10〜5,000重量部、好ましくは100〜1,000重量部の割合で用いる。
【0034】
本発明の水中防汚剤組成物は、好ましくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサン(I)の1種または2種以上に、前記式(III)で表されるビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバーメート(III)を含有する。
【0035】
また、本発明の水中防汚剤組成物として含有させる場合、通常、化合物(I)100重量部に対し、化合物(IV)を10〜5,000重量部、好ましくは100〜1,000重量部の割合で用いる。
【0036】
また、本発明の水中防汚剤組成物は、好ましくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサン(I)の1種または2種以上に、前記式(IV)で表されるトリフェニルボロンピリジンを含有する。トリフェニルボロンピリジンを有効成分とする防汚剤は、例えば、特開平7−133207号公報に開示された漁網具防汚剤であり、ヒドロ虫等の腔腸動物をはじめ、種々の水中生物に対して、優れた防汚効果を示す。
【0037】
しかしながら、上記公報記載の防汚剤は、定置網で問題となっているイギス等の紅藻植物、養殖網で問題となっているカサネカンザシ等の管棲多毛類に対しての防汚効果が十分でない。
【0038】
これに対し、本発明の防汚剤組成物は、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサン(I)を用いることにより、前記イギス及びカサネカンザシについても優れた防汚効果を示し、かつヒドロ虫等の腔腸動物に対しても、特開平7−133207号公報に開示された防汚剤祖紫衣物よりも優れた防汚効果を発揮する。なお。トリフェニルボロンピリジン(IV)は、比重が1.1と、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンジチオカーバメート(III)の比重1.9より軽く、水中防汚剤組成物として製剤化した場合、沈降を起こしにくく、作業性に優れている。
【0039】
また、本発明の水中防汚剤組成物は、好ましくは、前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種以上に、各種有機防汚剤を含有させることができる。前記有機防汚剤として、例えば、ジンクジメチルジチオカーバメート、ジンクエチレンビスジチオカーバメート等のジチオカーバメート系防汚剤、テトラメチルチウラムジスルフィド等のスルフィド系防汚剤、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩等のピリジン系防汚剤、2,4,5,6−テトラクロロ−1,3−イソフタロニトリル等のニトリル系防汚剤、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素等の尿素系防汚剤、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N−ジメチル−N−フェニル−(N−フルロロジクロロメチルチオ)スルファミド等の酸アミド系防汚剤、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)マレイミド等のマレイミド系防汚剤、トリフェニルボロン−n−オクタデシルアミン錯化合物等のトリフェニルボロン−アルキルアミン錯化合物系防汚剤、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール系防汚剤、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾロン等のイソチアゾロン系防汚剤、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン等のトリアジン系防汚剤等を挙げることができる。これらの防汚剤は、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0040】
本発明の水中防汚剤組成物として含有させる場合、通常、化合物(I)100重量部に対し、これらの各種有機防汚剤を10〜5,000重量部、好ましくは、100〜1,000重量部の割合で用いる。
【0041】
本発明に係る水中防汚剤組成物中には、所望により、展色剤としてアクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、ロジンエステル樹脂、アミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体等を添加することができる。これらの樹脂の数平均分子量は、100万以下であり、好ましくは5,000〜500,000である。これらの樹脂は、水中防汚剤の溶出を抑制する効果がある。従って、これらの樹脂は、水中防汚剤組成物の塗膜に長期に亘って防汚性を発揮させたい場合などに特に有効である。これらの樹脂の配合量は、前記化合物(I)100重量部に対し、100〜1,000重量部程度が好ましい。
【0042】
本発明に係る水中防汚剤組成物中には、所望により、液状のポリオレフィン類、例えばポリイソブチレン等から選ばれる少なくとも1種の成分を配合することができる。これらの配合量は、前記化合物(I)100重量部に対して、10〜200重量部程度が好ましい。
【0043】
本発明に係る水中防汚剤組成物中には、所望により溶剤が含まれる。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は1種単独でも用いられるが2種以上の組み合わせでもよい。
【0044】
また、本発明に係る水中防汚剤組成物中には、所望により体質顔料、着色顔料、沈降防止剤、垂れ止め剤、消泡剤等をを本発明の目的を損なわない範囲で含有させることもできる。
【0045】
本発明の水中防汚剤組成物は、以下に示すように常法に従って調製することができる。すなわち、例えば、式(I)で表される化合物(I)と、所望により、化合物(II)、化合物(III)あるいは化合物(IV)で表される防汚剤および有機溶剤、所望に応じて、アクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体等の展色剤、液状のポリオレフィン類、体質顔料、着色顔料、沈降防止剤、垂れ止め剤、消泡剤等を、ボールミル、ビーズミル等で混合分散するか、ディスパーで混合溶解することにより得ることができる。
【0046】
本発明に係る水中防汚剤組成物は、フサコケムシ、アオサ、フジツボ、イガイ等の一般的な付着生物、ヒドロ虫等の腔腸動物等に対する防汚効果が従来の防汚剤組成物より優れ、かつ従来の防汚剤では十分な防汚効果が得られなかったイギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類等にも優れた防汚効果を有するため、漁網に対する防汚処理に特に適している。
【0047】
漁網の防汚処理は、本発明に係る水中防汚剤組成物中に漁網を浸漬するか、漁網に本発明の水中防汚剤組成物を繰り返し注ぐことにより行われる。この防汚処理は、本発明の水中防汚剤組成物を漁網内部に含浸させるとととに、漁網表面に付着させるものである。
【0048】
本発明に係る水中防汚剤組成物は、上述したように、フサコムシ、アオサ、フジツボ、イガイ等の一般的な付着生物、ヒドロ虫等の腔腸動物のみならず、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類等にも優れた防汚効果を有するため、水中構造物に対する防汚処理にも適している。
【0049】
水中構造物の防汚処理は、水中構造物の表面に、本発明に係る水中防汚剤組成物を塗布することにより行われる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(水中防汚剤組成物の調製)
以下の実施例及び比較例で用いた前記式(I)で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンを第1表に示す。なお、これらの内、No.12の化合物は、特開平9−176576号公報記載に類似のオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンである。
【0051】
【表1】
Figure 0004275214
【0052】
次に、上記第1表に示したNo.1〜No.12ののオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンを用いた水中防汚剤組成物を、以下の第2表及び第3表に示す処方に従い調製した(実施例1〜13、比較例1〜14)。
【0053】
【表2】
Figure 0004275214
【0054】
【表3】
Figure 0004275214
【0055】
(ヒドロ虫の付着防止効果の確認実験)
上記第2表、第3表に示した処方に従って調製した水中防汚剤組成物を、それぞれポリエステル製無結節網(6.5節、250デニール/80本)に浸漬塗布して風乾した。次いで、以上の様にして水中防汚剤が塗布された漁網を、定置漁場の海面下約5mに浸漬・保持し、4か月後、漁網に対するヒドロ虫の付着状況を評価した。その結果を第4表に示す。
【0056】
【表4】
Figure 0004275214
【0057】
(イギスの付着防止効果の確認実験)
上記第2表、第3表に示した処方に従って調製した水中防汚剤組成物を、それぞれポリエステル製無結節網(6.5節、250デニール/80本)に浸漬塗布して風乾した。次いで、以上の様にして水中防汚剤が塗布された漁網を、定置漁場の海面下約1mに浸漬・保持し、4か月後、漁網に対するイギスの付着状況を評価した。その結果を第5表に示す。
【0058】
【表5】
Figure 0004275214
【0059】
(カサネカンザシの付着防止効果の確認実験)
上記第2表、第3表に示した処方に従って調製した水中防汚剤組成物を、それぞれポリエチレン製無結節網(6節、400デニール/30本)に浸漬塗布して風乾した。次いで、以上の様にして水中防汚剤が塗布された漁網を、養殖漁場の海面下約1mに浸漬・保持し、4か月後、漁網に対するカサネカンザシの付着状況を評価した。その結果を第6表に示す。
【0060】
【表6】
Figure 0004275214
【0061】
(フサコムシ、アオサ、フジツボ、イガイ等の付着防止効果の確認実験)
上記第2表、第3表に示した処方に従って調製した水中防汚剤組成物を、それぞれポリエチレン製無結節網(6節、400デニール/30本)に浸漬塗布して風乾した。次いで、以上の様にして水中防汚剤が塗布された漁網を、養殖漁場の海面下約1mに浸漬・保持し、4か月後、漁網に対するフサコムシ、アオサ、フジツボ、イガイ等の付着状況を評価した。その結果を第7表に示す。
【0062】
【表7】
Figure 0004275214
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の水中防汚剤組成物は、ヒドロ虫等の腔腸動物、イギス等の紅藻植物、カサネカンザシ等の管棲多毛類、フサコムシ、アオサ、フジツボ、イガイ等の種々の水中生物に対し優れた防汚効果、特に漁網防汚効果に優れた組成物である。

Claims (1)

  1. 数平均分子量が1,000〜5,000の式(I)
    Figure 0004275214
    〔式中、Rはメチル基を表し、Rは、炭素数3〜5のアルキレン基を表し、Rは、−(CO)−(CO)−(aは5〜12,bは0〜12の数を表す。)で表されるオキシアルキレン基であり、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、mは15〜40の数であり、nは1〜3の数を表す。〕
    で表されるオキシアルキレン基含有鎖状オルガノポリシロキサンの1種または2種以上を100重量部、および、式(II)
    Figure 0004275214
    で表されるテトラエチルチウラムジスルフィド(II)、式(III)
    Figure 0004275214
    で表されるビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバーメート(III)、または、式(IV)
    Figure 0004275214
    で表されるトリフェニルボロンピリジン(IV)を、10〜5,000重量部含有することを特徴とする水中防汚剤組成物。
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