JP3362485B2 - 漁網具防汚剤 - Google Patents
漁網具防汚剤Info
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Description
網及びこれらに使用される浮き子、ロープなどの漁網付
属具に対して、水棲汚損生物の付着を防止し、しかも長
時間効果が持続する低公害性の漁網具防汚剤に関するも
のである。
保存されるために、海藻類、フジツボ、セルプラ、コケ
ムシ、軟体動物類などの海棲汚損生物の付着が激しく、
これらの経済的運用を妨げており、それらの保守に多大
の労力と費用をかけているのが現状である。この対策と
して種々の研究、提案がなされているが、従来は有機錫
を初めとする有機錫重合体が広く使用されてきた。とこ
ろが、錫化合物は環境毒性、特に環境に対する蓄積性が
高いことから第1種特定化学物質や第2種特定化学物質
に指定され、漁網防汚剤として使用することが禁止され
るようになった。そこで、非錫系防汚剤として亜酸化銅
を有効成分とする漁網防汚剤が使用されるようになった
が、亜酸化銅は海水中に溶出して、銅イオン又は銅化合
物として残留するため、環境に好ましくない影響を及ぼ
す恐れがある。また、亜酸化銅は、比重が大きく沈降を
起こしてしまうため実用的かつ作業性の良い製剤にする
ことが極めて困難であるという欠点がある。すなわち、
保存容器内で沈降が起こるため再撹拌を行いながら塗装
作業を行う必要がある。さらに、漁網防汚剤を塗装する
場合、多くは、浸漬塗装を行っており塗装作業中に沈降
が起きると有効成分を均一に塗布することができず、防
汚性能が不良となってしまうという欠点を有する。従っ
て、沈降を和らげるため塗料粘度を高くするなどの方策
が必要である。漁網は、ポリエチレンやポリエステルな
どの素材からなり、塗料を付着させることが比較的困難
であるため、編み目へのしみ込みなどによって付着性を
持たせている。しかしながら、塗料粘度を高くすると、
結果として網へのしみ込みが少なくなり付着性不良を起
こしてしまう。
害性漁網防汚剤の出現が望まれており、様々な有機薬剤
が提案されてきた。特に漁網防汚剤への適性から塗膜に
柔軟性を持たせるために溶剤や樹脂中に溶解する各種の
薬剤、例えばテトラエチルチウラムジスルフィド、テト
ラクロロイソフタロニトリル、ジメチルフェニルジクロ
ロマレイミドなどの化合物が多く使用されてきたが塗膜
物性、防汚性の面で満足される化合物は、いまだ見い出
されていなかった。また、船底防汚塗料として、テトラ
アリールボロン誘導体の4価のボロン系化合物が使用さ
れている例がある(特開昭51−62831号公報、特
開昭60−248780号公報、特開昭61−4776
号公報)。しかしながら、これらの化合物は、ヒドロ虫
類の防汚性やオベリア類の防汚性が劣り、漁網に適用す
ることはできなかった。
術の状況に鑑みてなされたものであり、環境残留性の高
い有機錫や重金属を含まず、低公害性に優れ、防汚性が
良好であり、特に従来技術では到達できなかったヒドロ
虫類の防汚性やオベリア類の防汚性に優れており、更に
作業性の良い漁網具防汚剤を提供することを目的とす
る。
を解決するために鋭意検討を行った結果、式(1)で示
されるトリフェニルボロンピリジンとシリコンオイルを
特定割合で含有し、さらに、特定の樹脂ビヒクルを含有
する魚網具防汚剤が、各種海棲汚損生物の防汚性に優
れ、特に従来技術では達成できなかったヒドロ虫類やオ
ベリア類の防汚性に優れ、さらに、スライムに対して著
しく優れた防汚効果を発揮し、魚網への付着性が良好
で、沈降などが見られず、作業性が良いことを見い出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
式(1)で示されるトリフェニルボロンピリジンとシリ
コーンオイルを重量比で1:99〜99:1の範囲で含
有し、さらに、樹脂ビヒクルを含有し、その樹脂ビヒク
ルがポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ロジン、ロジンエステル、ロジン系石鹸、塩化ビニル系
樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素
化ポリプロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポ
リアミド樹脂、石油系樹脂及び油系樹脂から選ばれる少
なくとも1種であることを特徴する魚網具防汚剤を提供
するものである。
される浮き子、ロープなどの漁網付属具をいう。本発明
の漁網具防汚剤が適用される漁網は、特に制限されるも
のではなく、ポリエチレン、ポリエステルなどの種々の
素材からなる漁網である。
トリフェニルボロンピリジンを必須成分とする。トリフ
ェニルボロンピリジンは、高い安全性を示し、環境汚染
も少ないなどの利点を有する。従って、漁網具防汚剤と
して使用するときは、前記した既知有機金属化合物の有
していた毒性面が殆ど解決されるので、塗装時に問題と
なる毒性や皮膚刺激性がほとんどなく、また、魚毒性に
おいても全く問題がない。また、防汚性の面において
は、付着生物に対して広いスペクトルを示し、養殖海域
においてよく見られる、フジツボ、セルプラ、ホヤ、コ
ケムシなどの大型生物や藻類などに対して亜酸化銅や錫
化合物と同等以上の強い効果を示す。また、定置網など
で亜酸化銅や有機錫において防汚効果の見られなかっ
た、クダウミヒドロ類やオベリア類に対しても驚くべき
防汚効果を発揮することもその特徴として挙げることが
できる。本発明の漁網具防汚剤に使用される、トリフェ
ニルボロンピリジンは、比重が1.1で亜酸化銅の比重
5.9に比べ非常に小さく、漁網具防汚剤として製剤し
た場合、低粘度でも沈降を起こさず作業性が非常に良好
である。
リジンにシリコーンオイルを併用することにより、防汚
性が飛躍的に向上し、長期間に亘って持続することがで
きる。すなわち、トリフェニルボロンピリジンにシリコ
ーンオイルを併用することにより、併用しない場合に比
べて、養殖海域においてよく見られる、フジツボ、セル
プラ、ホヤ、コケムシなどの大型生物や藻類などに対す
る防汚効果が向上するだけでなく、定置海域で問題とな
っている、ヒドロ類やオベリア類に対しても防汚効果が
向上し、更に上述の大型生物に対する防汚効果だけでな
く、スライムに対する防汚効果が飛躍的に向上する。
例えばポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシ
ロキサン、メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキ
サン共重合体、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサ
ン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、
ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、フロロシリ
コーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、その他各
種官能基による変性シリコーンオイルなどが挙げられる
が、これらに限られるものではない。これらのシリコー
ンオイルのうち、好ましいものは、ポリジメチルシロキ
サン、メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン
共重合体、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンで
ある。これらのシリコーンオイルは、1種単独で用いて
もよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。トリフェ
ニルボロンピリジンとシリコーンオイルの配合比は、ト
リフェニルボロンピリジン対シリコーンオイルの重量比
が、1:99〜99:1の範囲であり、特に好ましくは
10:90〜90:10の範囲である。
が含まれる。樹脂ビヒクルとしては、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、ロジンエス
テル、ロジン系石鹸、塩化ビニル系樹脂、塩化ゴム系樹
脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、石油
系樹脂、油系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂ビヒ
クルは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せ
て用いてもよい。樹脂ビヒクルの分子量は、通常重量平
均分子量で100万以下であり、特に200〜200,
000の範囲が好ましい。
剤が含まれる。溶剤としては、特に限定されるものでは
なく種々の溶剤が使用でき、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族系炭化
水素溶剤、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ールなどのアルコール系溶剤、アセトン、ジエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤などが
挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ニルボロンピリジンの配合量は、特に制限されるもので
はないが、樹脂ビヒクル及び溶剤が含有される場合は、
トリフェニルボロンピリジン、樹脂ビヒクル及び溶剤の
合計量に対して、通常0.01〜99重量%の範囲であ
り、好ましくは0.1〜70重量%の範囲である。0.
01重量%未満であると防汚性が悪くなることがあり、
99重量%を超えると漁網具防汚剤としての物性が十分
でない。また、トリフェニルボロンピリジンとシリコー
ンオイルを併用する場合は、これらの化合物の合計配合
量は、特に制限されるものではないが、トリフェニルボ
ロンピリジン、シリコーンオイル、樹脂ビヒクル及び溶
剤の合計量に対して、通常0.1〜99重量%の範囲で
あり、好ましくは0.1〜70重量%の範囲であり、特
に好ましくは0.1〜50重量%の範囲である。0.1
重量%未満であると 防汚性が悪くなることがあり、9
9重量%を超えると漁網具防汚剤としての物性が十分で
ない。
加しても良い。これらの薬剤としては、例えばジチオカ
ーバメート系薬剤、カーバメート系薬剤、マレイミド系
薬剤、イソチアゾロン系薬剤、テトラクロロイソフタロ
ニトリルなどのその他の薬剤などが挙げられる。また、
本発明の漁網具防汚剤には、ジターシャリーノニルポリ
サルファイド、ポリブテン、流動パラフィンや、トリク
レジルフォスフェートなどの可塑剤も加えることができ
る。更に、本発明の漁網具防汚剤には、顔料、その他の
添加剤、例えばポリアマイド燐酸系、ポリアマイド系、
不飽和ポリカルボン酸系などの分散剤、消泡剤、タレ止
め剤などを添加することができる。本発明の漁網具防汚
剤においては、他の薬剤、可塑剤、顔料、その他の添加
剤は、任意の配合割合で含有させることができる。
混合し、必要に応じて各種添加剤を配合し、混合するこ
とにより製造することができる。各成分の混合方法及び
各種添加剤の添加方法は、特に制限されるものではな
く、種々の方法により行うことができ、混合順序及び添
加順序も種々の混合順序及び添加順序で行うことができ
る。
具に塗布することにより、水棲汚損生物の付着を防止
し、優れた防汚性を発揮させる漁網具防汚方法も提供す
ることすることができる。漁網具防汚剤の漁網具への塗
布方法は、例えば浸漬塗装、吹きつけ塗装などの種々の
塗装方法を適用することができるが、浸漬塗装が好まし
い。
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。また、実施例及び比
較例の漁網具防汚剤の評価試験は、次の方法により行っ
た。
40cm×60cmの鉄枠に固定し、北海道厚岸郡厚岸
町定置網の渡し網から水深10mに静置浸漬を行い、付
着生物種と付着面積を目視により観察した。
℃×12時間、−20℃×12時間)1週間での沈降性
を測定した。
布し3日間室温乾燥させた後、塗膜に直径3mmのアッ
タチメントを瞬間接着剤で接着させ、引き剥す力をダイ
ノメーター(BYK社製)にて測定した。
系ワックス1重量部、キシレン54重量部を均一に撹拌
して漁網具防汚剤を調製した。
重量部、キシレン20重量部、イソプロパノール65重
量部を均一に撹拌して漁網具防汚剤を調製した。 実施例1〜5及び比較例の漁網具防汚剤の防汚性試験の
結果を表1に示し、沈降性試験の結果を表2に示し、付
着性試験の結果を表3に示した。
脂(ラウリル酸/イソフタル酸/無水トリメリット酸/
アジピン酸/1,5−ペンタンジオール/トリメチロー
ルプロパン=20/25/10/8.4/28.9/
7.7,重量平均分子量:1900)10重量部、KF
96−100(信越化学工業株式会社製ポリジメチルシ
ロキサン)5重量部、キシレン80重量部を均一に撹拌
して魚網具防汚剤を調製した。
脂(ラウリル酸/イソフタル酸/無水トリメリット酸/
アジピン酸/1,5−ペンタンジオール/トリメチロー
ルプロパン=20/25/10/8.4/28.9/
7.7,重量平均分子量:1900)10重量部、KF
6016(信越化学工業株式会社製エーテル変性シリコ
ーンオイル)5重量部、キシレン80重量部を均一に撹
拌して魚網具防汚剤を調製した。
(メタクリル酸メチル/メタクリル酸secブチル=6
0/40,重量平均分子量:20000)5重量部、ポ
リブテン(ポリブテン06N(日本油脂株式会社製))
5重量部、FQF501−1000(東芝シリコーン株
式会社製フロロシリコーンオイル)5重量部、トルエン
75重量部を均一に撹拌して魚網具防汚剤を調製した。
(メタクリル酸メチル/メタクリル酸secブチル=6
0/40,重量平均分子量:20000)5重量部、ポ
リブテン(ポリブテン06N(日本油脂株式会社製))
5重量部、KF50−100(信越化学工業株式会社製
ポリメチルフェニルシロキサン)5重量部、トルエン7
5重量部を均一に撹拌して魚網具防汚剤を調製した。
ロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾロン4
重量部、ロジン10重量部、TSF4440(東芝シリ
コーン株式会社製シリコーンポリエーテル共重合体)2
0重量部、キシレン20重量部、イソプロパノール45
重量部を均一に撹拌して魚網具防汚剤を調製した。実施
例1〜5及び比較例の魚網具防汚剤の防汚性試験の結果
を表1に示し、耐スライム性の評価の結果を表2に示
し、沈降性試験の結果を表3に示し、付着性試験の結果
を表4に示した。
生物の防汚性に優れ、特に従来技術では達成できなかっ
たヒドロ虫類やオベリア類の防汚性に優れた防汚効果を
発揮し、魚網への付着性が良好で、沈降などが見られ
ず、作業性が良いなどの優れた効果を発揮することがで
きる。更に、スライムに対して飛躍的に防汚効果が向上
する。
Claims (2)
- 【請求項1】 式(1)で示されるトリフェニルボロン
ピリジンとシリコーンオイルを重量比で1:99〜9
9:1の範囲で含有し、さらに、樹脂ビヒクルを含有
し、その樹脂ビヒクルがポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ロジン、ロジンエステル、ロジン系
石鹸、塩化ビニル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩素化ポリ
エチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン−
ブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、石油系樹脂及び油系
樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴する
魚網具防汚剤。 【化1】 - 【請求項2】 さらに、溶剤を含有し、トリフェニルボ
ロンピリジンとシリコーンオイルの合計配合量が、トリ
フェニルボロンピリジン、シリコーンオイル、樹脂ビヒ
クル及び溶剤の合計量に対して0.1〜99重量%であ
る請求項1記載の魚網具防汚剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP30456793A JP3362485B2 (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | 漁網具防汚剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30456793A JP3362485B2 (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | 漁網具防汚剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07133207A JPH07133207A (ja) | 1995-05-23 |
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ID=17934552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3362485B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3126458A1 (en) * | 2014-04-03 | 2017-02-08 | PPG Coatings Europe B.V. | An erodible antifouling coating composition |
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-
1993
- 1993-11-11 JP JP30456793A patent/JP3362485B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3126458A1 (en) * | 2014-04-03 | 2017-02-08 | PPG Coatings Europe B.V. | An erodible antifouling coating composition |
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---|---|
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