JP4267206B2 - 貯蔵器接続具 - Google Patents

Description

【０００１】
（技術分野）
本出願は、１９９８年１０月２９日出願の仮特許出願第６０／１０６，２３７号および１９９９年１０月２８日出願の米国特許出願第０９／ｘｘｘ，ｘｘｘ号（代理人整理番号００５９−０３０７号）に基づいて優先権を主張するものであり、両出願は本願に引用して援用する。
【０００２】
本発明は、広くは、輸液ポンプ、たとえば、患者に薬物を制御下に投与するために用いられる輸液ポンプにおいて使用するための注射器および貯蔵器インタフェースの改善に関する。より詳しくは、本発明は、貯蔵器または注射器と、輸液セット管系と、輸液ポンプの間の接続具の改善に関する。
【０００３】
（背景技術）
輸液ポンプ装置およびシステムは、医療技術においては比較的よく知られており、所定の薬物、たとえばインスリンを患者に投与または投薬するために用いられる。１つの形態によれば、このような装置は比較的小型のポンプハウジングを備え、このハウジングに、輸液管系と、関連するカテーテルを通じて患者に投与される所定の薬物を担持する注射器または貯蔵器が適切に収容される。
【０００４】
輸液ポンプは、リードスクリュー組立部品を介して結合される小型駆動モータを備え、貯蔵器ピストンがモータ駆動により進められることによって、薬物が患者に投与される。プログラマブルコントロールによって、通常、駆動モータを連続的または定期的に間隔をおいて作動させ、長期間にわたり、薬物を厳密に制御して正確に投与することが可能となる。このような輸液ポンプは、インスリンまたは他の薬物を投与するために用いられ、ポンプ構造の例は、米国特許第４，５６２，７５１号、第４，６７８，４０８号、第４，６８５，９０３号第５，０８０，６５３号、および第５，０９７，１２２号に開示されており、これらの特許は、本願に引用して援用する。
【０００５】
前述した一般形式の輸液ポンプによって、薬物または他の流体を長期間にわたり正確に投与する点に関して、相当な利益および便益が提供される。この輸液ポンプは、比較的小型で耐水性を有するように設計することが可能であり、したがって、使用者が、たとえばベルトクリップなどによって適切に携帯できる。その結果、重要な薬物は、たとえば水上スポーツに参加する能力を含めて、使用者の移動性または生活様式による制約なしに、正確に自動的な方法によって、使用者に投与することができる。
【０００６】
輸液セットとは、薬物が、ポンプに配置される貯蔵器または注射器から患者まで流れる経路を形成する管系および接続具を指す。輸液セット管系を貯蔵器に取り付ける接続具は、種々の形態とすることができる。リューエル（ｌｕｅｒ）接続が、一般に用いられる接続方法である。しかし、使用者が水上スポーツに参加することを可能とするため、輸液手順を容易にし、耐水性である適切なインタフェース接続を提供する接続方法の改善された設計を開発することは、依然として望ましい。
【０００７】
（発明の開示）
隔壁を有する貯蔵器と基体を導管と接続する装置が、提供される。本発明のある態様によれば、この装置は、キャップと、２つの位置の１つにおいて基体をキャップと着脱自在に適切に結合する着脱自在結合具と、を備える。貫通部材、たとえば注射針は、導管と接続される。注射針は、基体が第１位置にある場合、貯蔵器の内部ではなく、キャップの１つの位置に配置される。さらに、注射針は、基体が第２位置にある場合、貯蔵器隔壁を貫通するように配置される。
【０００８】
他の実施形態によれば、装置を用いて、隔壁を有する貯蔵器と基体は、ハウジングならびに導管と接続される。ハウジングは、ハウジング係合部材、たとえばねじを有する。装置は、キャップと、２つの位置の１つにおいて基体をキャップに着脱自在に適切に結合する結合具と、を備える。貫通部材、たとえば注射針は、導管に着脱自在に結合される。注射針は、基体が第１位置にある場合、貯蔵器の内部ではなく、キャップの１つの位置に配置される。さらに、注射針は、基体が第２位置にある場合、貯蔵器隔壁を貫通するように配置される。キャップは、さらに、ハウジング係合部材と適切に係合する係合部材、たとえばねじを備える。
【０００９】
また別の実施形態によれば、キャップは、さらに、疎水性材料によって被覆される通気口を備える。この通気によって、空気はキャップを通過するが、水は通過を阻止されることが可能となる。
【００１０】
（発明を実施するための最良の形態）
以下、本明細書の一部を形成し、本発明の幾つかの実施形態を図解する貼付図面を参照して述べる。本発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態を用いることことができることならびに構造および作動の変更を実施できることを理解されたい。
【００１１】
図解のため図示するように、本発明は、注射器または薬物貯蔵器を導管、たとえば輸液セット管系または外部注射針ならびに輸液ポンプと接続するインタフェースとして具体化される。一実施形態によれば、本発明による装置には、貯蔵器を適切に収容する基体が備えられる。また、２つの位置の１つにおいて、基体に着脱自在に適切に結合されるキャップが備えられる。着脱自在な結合具は、基体から突出する一対の戻り止めと、キャップ内にあり基体の戻り止めと着脱自在に適切に係合する２対の戻り止め開口部と、を備える。
【００１２】
貫通部材、たとえば注射針は、基体戻り止めが第１の対のキャップ戻り止め開口部内にある場合、注射針は貯蔵器隔壁から引き離され、基体戻り止めが第２の対のキャップ戻り止め開口部内にある場合、注射針は貯蔵器隔壁を貫通する様式によって、キャップの内部に配置される。貯蔵器、基体およびキャップが接続されると、その結果、輸液ポンプハウジングに挿入することができる一体型装置が形成される。キャップおよびポンプハウジングのための係合部材、たとえばねじを用いて、一体型装置はハウジング内に固定される。
【００１３】
図１および２は、薬物貯蔵器に取り付けられる輸液セット接続具インタフェースを示す図である。接続具インタフェースは、基体２とキャップ４を備える。キャップ４は、キャップハウジング内に配置される注射針９を備える。図１は、分解図であり、基体２は、通常、基体２を環状部３の回りに固定することによって貯蔵器１に固定して取り付けられる。しかし、本発明の別の実施形態によれば、接続具インタフェースを標準の貯蔵器、すなわち最初は取り付けられる基体と共に製作されないカートリッジまたは注射器と共に使用できるように、着脱自在な基体が備えられる。
【００１４】
接続具インタフェースのキャップ４部分は、着脱自在な結合具によって、基体２に着脱自在に取り付けられる。一実施形態によれば、着脱自在結合具は、基体２に形成される戻り止めと、キャップ４に配置される戻り止め開口部と、によって構成される。２個の戻り止め８は、基体２の両側面に、半径方向に１８０°離れて配置される。図１には、１個の戻り止め８のみを示す。戻り止め８は、キャップ４に形成される、２個の下部戻り止め開口部６またはその代わりに２個の上部戻り止め開口部７に適合するサイズである。対の戻り止め８と同様に、各下部戻り止め開口部６および各上部戻り止め開口部７は、それぞれ、半径方向に１８０°間隔をおいて配置される。
【００１５】
作動中は、基体２および貯蔵器１は一体型装置を形成し、次に、この一体型装置は、キャップ４と接続される。この一体型基体／貯蔵器装置をキャップ４と接続することによって、基体２は、戻り止め８が下部戻り止め開口部６に係合するまで、キャップ４の下端部中に挿入される。これは、戻り止め８を、内部カム表面１０を越えて下部戻り止め開口部６の方向に動かすことによって実現される。カム表面は、戻り止め８が下部戻り止め開口部６と係合することを可能とするように、十分に戻り止め８を圧迫する傾斜面として作用する。内側ねじ１０Ａによって、戻り止め８は定位置に案内される。
【００１６】
基体／貯蔵器装置が、この第１の下部位置にある場合、注射針９は、貯蔵器１の隔壁（図示してない）から離れて配置される。したがって、注射針は、隔壁を貫通せず、一方、基体／貯蔵器装置はこの第１位置にある。基体／貯蔵器装置が、この様式によってキャップと接続されると、それによって、一体型キャップ／基体／貯蔵器装置が形成される。このような一体型キャップ／基体／貯蔵器装置は、この様式によって、長期間、販売または保管することができる。あるいは、最終使用者は、使用するためポンプにこの装置を配置する直前に、この装置を組み立てることができる。
【００１７】
使用者がキャップ／基体／貯蔵器装置をポンプハウジングに挿入し、導管、たとえば輸液セット管系５を通じて薬物の投与を開始することを所望する場合、基体２は、キャップ４内の第２位置に移動される。これは、基体／貯蔵器装置をねじりながら、同時に装置をさらにキャップ４中に押し込むことによって達成される。戻し止め８は下部戻り止め開口部６から離脱され、上部戻り止め開口部７と係合される。キャップ４の追加内側ねじ１０Ａは、下部戻り止め開口部６内の戻り止め８の第１位置から上部戻り止め開口部７内の第２位置まで、追加カム表面１０を超えて戻り止め８を案内するように作用する。
【００１８】
一実施形態によれば、ねじおよび下部戻り止め開口部６と上部戻り止め開口部７の間隔は、基体の４分の１（１／４）回転によって、基体／貯蔵器装置は第１位置から第２位置に移動されるように構成される。注射針９は、基体／貯蔵器装置が第２位置にある場合、注射針は貯蔵器１の隔壁を貫通するように配置される。したがって、基体／貯蔵器装置が、キャップ内において第１位置から第２位置まで移動することによって、注射針は貯蔵器の隔壁を貫通するように作用され、その結果、流体が貯蔵器から注射針９および挿入セット管系５に流れることが可能となる。
【００１９】
この接続の実施後、貯蔵器、基体およびキャップは、薬物輸液ポンプのハウジングに着脱自在に固定することができる１つを装置を形成する（図示してない）。戻り止め４Ａは、キャップの外部から半径方向に延在し、ポンプハウジングの戻り止め開口部（図示してない）と適切に係合する。別の実施形態によれば、キャップ４は、貯蔵器／基体／キャップ装置をハウジング内に固定するため、ポンプハウジングのねじと係合するように用いられる外側ねじ（図示してない）を備える。
【００２０】
図３および４は、輸液セット接続具インタフェースの別の実施形態を示す図である。接続具インタフェースは、基体１１とキャップ１２からなる。キャップ１２は、キャップハウジングの内部に配置される注射針１８を備える（図４）。基体１１は、通常、環状部３の回りに基体１１を固定することによって、貯蔵器１に固定して取り付けられる。しかし、本発明の別の実施形態によれば、接続具インタフェースには、最初は取り付けられる基体と共に製作されない、標準貯蔵器、カートリッジまたは注射器と共に用いることができるように、着脱自在な基体が備えられる。
【００２１】
接続具インタフェースのキャップ１２部分は、着脱自在結合具によって基体１１に着脱自在に取り付けられる。この実施形態によれば、着脱自在結合具は、基体１１に形成される戻り止めと、キャップ１２に配置される戻り止め開口部とからなる。２つの戻り止め１３は、基体１１の両側面に配置され、半径方向に１８０°間隔をおいて配置される。図３には、１つの戻り止め１３のみを示す。２つの戻り止め１３は、キャップ１２に形成される２つの戻り止め開口部１４に適合するサイズである。対の戻り止め１３と同様に、各戻り止め開口部１４は、半径方向に１８０°間隔をおいて配置される。
【００２２】
作動中、基体１１および貯蔵器１は一体型装置を形成し、次に、この装置はキャップ１２と接続される。この一体型基体／貯蔵器装置をキャップ１２と接続することによって、基体１１は、キャップ１２の下端部に挿入される。戻り止め１３は滑動して、キャップ１２の内壁内に形成される係合するような形状である縦長に開口した入口スロット１５に入る。基体１１が、キャップ１２に完全に挿入されると、戻り止め１３の先端部はキャップ１２内に形成される環状停止肩部１６と接触する。戻り止め１３がこの位置となった後、基体１１は、キャップ１２内において固定位置の方向に回転される。図４に示すように、この回転によって、戻り止め１３は、回転方向に変位され、キャップ１２内に形成されるカム表面１７と係合される。戻り止め１３に作用するカム表面１７を超える回転力によって、戻り止め１３に対する圧縮力が形成される。基体１１を連続して回転することによって、戻り止め１３は、カム表面１７を過ぎて変位され、戻り止め開口部１４と整合される。戻り止め１３は、係合作用（snap-action）によって戻り止め開口部１４に入る。その結果、戻り止め１３は、戻り止め開口部１４内に効果的に固定され、基体１１がキャップ１２から縦方向に分離されることが防止される。
【００２３】
好適な実施形態によれば、キャップ１２の内部注射針１８は、基体／貯蔵器装置がキャップ１２中に完全に挿入されると、注射針は、貯蔵器１の隔壁（図示してない）を貫通するように配置される。したがって、戻り止め１３が環状停止肩部１６と接触する点まで基体／貯蔵器装置を挿入する力によって、注射針１８は隔壁を貫通させられ、その結果、貯蔵器内の流体が、注射針１８および挿入セット管系（図示してない）に流入することが可能となる。
【００２４】
この接続の実施後、貯蔵器、基体、およびキャップは、薬物輸液ポンプ（図示してない）のハウジングに着脱自在に固定できる装置を形成する。キャップ１２は外側ねじ１９を備え、このねじは、貯蔵器／基体／キャップ装置をハウジング中に固定するため、ポンプハウジングのねじと係合するように用いられる。好適な実施形態によれば、ねじ１９は、インチ当たり８個のねじ山を有し（８ＴＰＩ）、２条側面を有する。その上、ねじは方形断面を有し、この構造によってねじの保持強度が最大になる。しかし、他のねじ側面および断面を用いることはできる。
【００２５】
所望により基体１１をキャップ１２から取り外す場合、基体１１は、キャップ１２内において逆に回転させ、戻り止め１３をカム表面１７を超えて入口スロット１５と整合するように移動させねばならない。このような結合具の逆回転は比較的容易に実施できるが、本質的に、結合を外すという使用者の明確な意図が必要とされる。戻り止め１３が入口スロット１５と再び整合された場合、キャップ１２と基体１１は、最小限の縦方向の力によって容易に分離することができる。
【００２６】
図５は、図３および４の実施形態による貯蔵器／基体／キャップ一体型装置の断面図である。貯蔵器１は、端部の曲ったシール環状部３を備え、このシール環状部３によって、隔壁２０を貯蔵器１に固定して耐水性シールを形成するため、ゴム隔壁２０の外縁部が囲い込まれる。図示のように、基体１１がロック位置にある場合、基体１１の戻り止め１３は、戻り止め開口部１４内にロックされ、基体／貯蔵器装置がキャップ１２中に確実に取り付けられる。注射針１８は、ゴム隔壁２０を貫通し、その結果、液体が、注射針１８を通って輸液セット管系空洞２２に流入することが可能となる。輸液セット管系（図示してない）を空洞２２内に固定することによって、液体が連続して使用者まで流れることが可能となる。
【００２７】
好適な実施形態によれば、キャップ１２からの導管は、輸液セット管系である。しかし、別の実施形態によれば、導管は、第２注射針（図示してない）を備える。第２注射針は、第２注射針が外側に延在する点によって、空洞２２内に固定される。この構造によって、接続具は貯蔵器１の再充填を可能とする装置として作用する。第２に、外部注射針は、流体の供給小瓶の隔壁を貫通することになる。次に、流体は、逆流してキャップに引き込まれ、内部注射針１８を介して貯蔵器１に流入する。
【００２８】
図５に示す実施形態によれば、輸液セット管系は空洞２２に固定され、液体が使用者まで流れることが可能となる。空洞２２は、キャップ１２の***部分に配置される。しかし、別の実施形態によれば、キャップ１２の***部分は、図１３に示すように標準リューエルはめ合い４７の形状とすることができる。
【００２９】
図５に示す一実施形態によれば、基体１１は、貯蔵器１の端部の曲がったシール環状部３部分に固定して取り付けられる。しかし、別の実施形態によれば、基体１１は、貯蔵器に固定して取り付けられない。むしろ、基体１１は、摩擦はめ合いによって貯蔵器に着脱自在に適切に固定される独立した装置である。この構造によって、接続具装置を標準貯蔵器と共に用いることが可能となる。
【００３０】
さらに、図５について述べると、キャップ１２は、ねじ１９を備え、組立部品をポンプハウジング（図示してない）内に固定する。肩部２３は、キャップ１２の一部として形成され、ポンプハウジング接して適切に設置され、耐水性シールが形成される。これによって、ハウジングの外側にある水がハウジング内に入ることが防止され、その結果、使用者が水上スポーツに参加することが可能となる。
【００３１】
耐水性を必要とするこれらのポンプの構造によって、作動上の問題が発生する。使用者が、ポンプを気圧変動に暴露する活動、たとえば水泳または航空機による移動に参加する場合、気密／耐水性ハウジングの内部と大気の間に差圧が発生する場合がある。ハウジング内の圧力が外部気圧を超える場合、生じる力によって貯蔵器ピストンが内側に駆動され、その結果、所望されない薬物が投与される場合がある。あるいは、ハウジング内の圧力が外部圧力より低い場合、生じる力によって輸液ポンプモータが貯蔵器ピストンを進める動作が困難になる場合がある。
【００３２】
この問題を処理するため、本発明の好適な実施形態は、耐水性ハウジング構造を可能とする通気孔を備える。キャップ１２は、複数の通気口２４を備え、そのうち１つのみを図５に示す。通気口２４によって、ポンプハウジング圧力を大気圧と平衡にすることが可能となる。疎水性材料（図示してない）によって、通気口２４の内側開口部は被覆される。疎水性材料によって、空気は材料を通過するが、水または他の液体は通過を阻止することが可能となり、その結果、耐水性通気が可能となる。好適な実施形態によれば、疎水性材料として、たとえばＧｏｒｅ−Ｔｅｘ（登録商標）、ＰＴＦＥ、ＨＤＰＥ、またはＵＨＭＷポリマーが用いられ、これらは、アリゾナ州のＦｌａｇｓｔａｆｆのＷ．Ｉ．Ｇｏｒｅ ＆ Ａｓｓｏｃｉａｔｅｓ、ジョージア州のＦａｉｒｂｕｒｎのＰｏｒｅｘ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ、ロードアイランド州のＳａｕｎｄｅｒｓｔｏｗｎのＤｅＷＡＬ Ｉｎｄｕｓｔｒｉｅｓ、またはニューヨーク州のＰｏｒｔ ＷａｓｈｉｎｇｔｏｎのＰａｌｌ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｍａｔｅｒｉａｌｓから入手できる。
【００３３】
これらの材料は、シートの形状または選択した幾何形状の成型品（プレス成形および焼結）として利用することができる。図１４ａ〜１４ｃに示すように、この材料をキャップ１２に取り付ける好適な方法には、疎水性材料を球５０（図１４ａ）または円柱５１（図１４ｂ）に成形する過程と、それらを事前に成形されたプラスチックハウジングの空洞部に押し込む過程と、が含まれる。あるいは、この材料のラベル５２（図１４ｃ）を、ラベルが通気口２４全体に覆うように、トランスファー接着または熱接合材料５３のどちらかによって接合することができる。あるいは、ラベルをハウジングに音波溶接することができる。どちらの方法においても、空気は自由に通過することができるが、水は通過することができない。
【００３４】
図示してない別の実施形態によれば、通気は、ポンプハウジングに配置される通気口を通じてなされる。この方法は、本出願と同時出願の同時係属出願第 号（代理人整理番号第００５９−０２８６号）により詳細に開示されており、同出願はその全体を本願に引用して援用する。あるいは、通気口は、キャップ１２ならびにポンプハウジングの両者に配置することができる。
【００３５】
ポンプハウジングのみに配置する場合とは対照的に、通気口および疎水性材料をキャップ１２内に配置する利点は、輸液セットおよびその間連接続具は、使い捨て可能であり、それぞれ薬物の新貯蔵器または小瓶と頻繁に交換されることである。その結果、新しい疎水性材料が、頻繁に置換されて使用される。これによって、ポンプハウジングのみにおける疎水性材料の置換に比べて、通気が強化される。この位置の材料は、頻繁には交換されず、その結果、汚染に暴露されまたは油分が蓄積し、通気が減退される。
【００３６】
疎水性材料を用いる代わりに、他の装置、たとえば逃がし弁の使用によって、水が通気口を通って流れることを防止することができる。
【００３７】
図６は、ポンプハウジング３０内に固定される、図３および４による実施形態の貯蔵器／基体／キャップ装置の断面図である。キャップ１２のねじ１９は、ポンプハウジングねじと係合する。別の実施形態（図示してない）によれば、キャップ１２は、ねじの使用ではなく、キャップ１２の外側から半径方向に延在する戻り止めを備え、この戻り止めは、ポンプハウジングの戻り止め開口部と適切に係合する。
【００３８】
キャップ１２の肩部２３部分は、ポンプハウジング３０に接して設置され、防水性構造が可能となる。さらに、防水性構造は、ポンプハウジング３０内に配置され肩部２３の直上に位置するＯ−リングシール３１によって強化される。好適な実施形態によれば、通気性材料３２は、疎水性材料からなり、キャップ１２の上部内面に音波溶接される。あるいは、通気性材料３２は、接着剤によってキャップ１２に取り付けられる。通気口は、図６には示してない。
【００３９】
前述した通気に関する記述は図３〜６の実施形態に関連して述べたが、この態様は、図１〜２の実施形態にも適用することができる。
【００４０】
図７〜８は、キャップ１２の代替方法の実施形態を示す図である。図７によれば、キャップ係合部材は、キャップ１２の上部に形成される戻り止めアーム３４からなる。戻り止めアーム３４は、キャップ１２をポンプハウジング内に確実に係合することを目的とする。図８は、ポンプハウジング３０内に配置されるキャップ１２の平面図である。ポンプハウジング３０は、ハウジングの環状リムに配置される２個の筒ロック凹所３５を有する。戻り止めアーム３４は、どちらかの筒ロック凹所３５にはまりこむ。キャップ１２が適切に収容される場合、この係合はカチャッと音を立て、その結果、使用者に、キャップがポンプハウジングと確実に係合されたことを、触覚および聴覚の両者によってフィードバックすることが可能となる。さらに、凹所３５と整合される戻り止めアーム３４も、キャップ１２が適切に収容されたことを示す可視指標として作用する。
【００４１】
図９は、児童のための安全態様を含むキャップ１２の別の実施形態を示す図である。キャップ１２は、溝３７に配置される安全つまみ３６からなるロック部材を備える。安全つまみ３６は、溝３７の全長に沿って滑動することができるサイズである。安全つまみ３６が図９に示す位置にある場合、戻り止めアーム３４は、係合された位置から後退することができない。したがって、キャップ１２がポンプハウジング３０（図示してない）に収容され、戻り止めアームが筒ロック凹所３５（図示してない）に収容される場合、安全つまみ３６によって、戻り止めアーム３４が筒ロック凹所３５から外れることが防止され、その結果、キャップ１２がポンプハウジング内により確実に固定される。
【００４２】
したがって、たとえば、親は、安全つまみ３６を非ロック位置から図９に示すロック位置まで滑動させることが可能であり、その結果、年少の児童または幼児が不注意によって、キャップ／基体／貯蔵器装置をポンプハウジングから取り外すことが一層困難になる。他方、安全つまみ３６が溝３７の反対側端部まで移動されると、戻り止めアーム３４は、後退することが可能となり、その結果、キャップ１２をポンプハウジングから取り外すことが可能となる。
【００４３】
前述したキャップ係合部材および児童安全つまみは、図３〜９の実施形態に関連しているが、この態様は、図１〜２の実施形態にも適用することができる。
【００４４】
図１０は、キャップ１２および通気性材料３２の分解図である。好適な実施形態によれば、通気性材料は、疎水性材料からなり、中心に円柱状孔を有する環状形状として形成される。通気性材料３２は、音波溶接または接着剤によってキャップ１２の上部内面３８に取り付けられる。このように取り付けられる場合、注射針１８は、通気性材料３２の中心孔を通して突出するが、通気口２４（図示してない）の内部開口部は被覆される。
【００４５】
図１１および１２は、本発明の参考実施形態を示す図であり、この参考実施形態においては、アダプタ４０が備えられ、これによって、一体型リューエルはめ合い４２を有する標準型注射器４１をポンプハウジングに取り付けシールすることが可能となる。注射器４１は、アダプタ４０の中心を通して挿入され、摩擦はめ合いによって定位置に保持される。アダプタ４０のＯ−リングシール４３は、水および汚染物がポンプハウジングに侵入することを阻止するため、注射器壁に接して収容される。
【００４６】
肩部４５は、アダプタ４０の一部として形成され、ポンプハウジングの内側に接して適切に収容される。２つのつまみ４４は、アダプタ４０の頂面に形成され、アダプタねじ１９がポンプハウジングのねじ（図示してない）と係合するように、使用者がアダプタ４０を把持してねじることが可能となる。戻り止めアーム３４は、アダプタ４０の上部部分に形成される。戻り止めアームの目的は、図８と同じ様式によって、アダプタ４０をポンプハウジング（図示してない）に確実に固定することである。図１１および１２には示してないが、アダプタ４０は、さらに、他の実施形態について前述した様式と同じ様式によって、ポンプハウジングの防水性通気を可能とするため、疎水性材料または逃がし弁によって被覆される通気口を備える。
【００４７】
図１３は、本発明の他の参考実施形態を示す図であり、この参考実施形態においては、インタフェースが備えられ、標準リューエルはめ合い接続を介して、貯蔵器を導管、たとえば管系と接続する。これによって、リューエル形式の使い捨て輸液セットをポンプハウジング（図示してない）と接続することが可能となる。キャップ４６は、リューエルはめ合い４７部分と共に、その統合型部品として形成される。リューエルはめ合い４７部分の形状を除いて、キャップ４６は、図５に示すキャップ１２の他のすべての特徴を有する。したがって、図１３によれば、キャップ４６は、特に、キャップ４６の内部に配置される、ねじ１９、戻り止め開口部１４、肩部２３、通気口２４、戻り止めアーム３４、および注射針（図示してない）からなる。
【００４８】
以上、本発明の特定の実施形態を参照して述べたが、本発明の思想を逸脱することなく、多数の変形を実施できることを理解されたい。特許請求の範囲は、本発明の真の特許請求の範囲および思想に含まれるこのような変形を包括することを意図とするものである。したがって、本明細書において開示される実施形態は、あらゆる面において、例示であり制約するものではなく、本発明の範囲は、前述した説明ではなく特許請求の範囲によって示されるものであり、したがって、特許請求の範囲の均等の意味および範囲内に含まれるすべての変更は、本発明の範囲に包括することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 薬物貯蔵器接続インタフェース装置の分解斜視図である。
【図２】 薬物貯蔵器接続インタフェース装置として用いられるキャップの斜視図である。
【図３】 薬物貯蔵器接続インタフェース装置の別法の実施形態の分解斜視図である。
【図４】 薬物貯蔵器接続インタフェース装置として用いられるキャップの内部の見える切断面図である。
【図５】 貯蔵器に挿入される注射針を有する薬物貯蔵器接続インタフェース装置の内部の見える切断面図である。
【図６】 ポンプハウジングに挿入される薬物貯蔵器接続インタフェース装置の内部の見える切断面図である。
【図７】 薬物貯蔵器接続インタフェース装置の別法の実施形態の斜視図である。
【図８】 ポンプハウジング内に固定される薬物貯蔵器接続インタフェース装置の別法の実施形態の斜視図である。
【図９】 薬物貯蔵器接続インタフェース装置の別法の実施形態の斜視図である。
【図１０】 薬物貯蔵器接続インタフェース装置として用いられるキャップの分解斜視図である。
【図１１】 参考実施形態の薬物貯蔵器接続インタフェースアダプタの斜視図である。
【図１２】 参考実施形態の薬物貯蔵器接続インタフェースアダプタの断面図である。
【図１３】 参考実施形態の薬物貯蔵器接続インタフェース装置として用いられるキャップの別の実施形態の斜視図である。
【図１４ａ】 貯蔵器接続インタフェース装置またはアダプタと共に用いられる通気口の一実施形態の断面図である。
【図１４ｂ】 貯蔵器接続インタフェース装置またはアダプタと共に用いられる通気口の一実施形態の断面図である。
【図１４ｃ】 貯蔵器接続インタフェース装置またはアダプタと共に用いられる通気口の一実施形態の断面図である。

Claims (15)

1. 薬物輸液ポンプに使用される流体薬物貯蔵器を導管に接続する装置であって、
   前記流体薬物貯蔵器に結合される基体と、
   前記基体を介して前記流体薬物貯蔵器に結合され、前記流体薬物貯蔵器と前記薬物輸液ポンプと結合させるためのキャップと、
   前記キャップに結合させるために前記基体上に設けられた戻り止めと、
   前記キャップ上に配置され、前記キャップと前記薬物注入ポンプのハウジングとを係合させる戻り止め又はねじと、
   空気の通過を可能とし、同時に流体の通過を不可とするキャップ内の通気口と、
   前記キャップ内に配置された導管であって、前記キャップが前記流体薬物貯蔵器と機能的に係合された場合に、前記流体薬物貯蔵器からの前記導管を介した流体の移動を可能にする導管と、
   を備えることを特徴とする装置。
2. 請求項１に記載の装置であって、
   前記キャップが、前記薬物注入ポンプのハウジングに収容された際に、防水シールを形成する肩部を備えることを特徴とする装置。
3. 請求項１に記載の装置であって、
   前記導管が、前記キャップが前記流体薬物貯蔵器と結合及び機能的に係合されている場合に、前記流体薬物貯蔵器に結合する貯蔵器の隔壁を貫通するように前記キャップ内に配置された貫通部材を備えることを特徴とする装置。
4. 請求項３に記載の装置であって、
   前記貫通部材が、前記キャップが第１の位置において結合される時には、前記流体薬物貯蔵器の隔壁を貫通せず、前記キャップが第２の位置において結合される時には、前記流体薬物貯蔵器の隔壁を貫通することを特徴とする装置。
5. 請求項１に記載の装置であって、
   前記通気口が疎水性材料を含むことを特徴とする装置。
6. 薬物注入ポンプに使用される流体薬物貯蔵器を導管に接続する装置であって、
   前記流体薬物貯蔵器に結合される基体と、
   前記基体を介して前記流体薬物貯蔵器に結合され、前記流体薬物貯蔵器と前記薬物輸液ポンプと結合させるためのキャップと、
   前記キャップに結合させるために前記基体上に設けられた戻り止めと、
   前記キャップ上に配置され、前記キャップと前記薬物注入ポンプのハウジングとを係合させる戻り止め又はねじと、
   空気の通過を可能とし、同時に流体の通過を不可とするキャップ内の通気口と、
   前記キャップ内に配置され、前記キャップに前記導管を固定する導管空洞と、
   を備えることを特徴とする装置。
7. 請求項６に記載の装置であって、
   前記キャップが、前記薬物注入ポンプのハウジングに収容された際に、防水シールを形成する肩部を備えることを特徴とする装置。
8. 請求項６に記載の装置であって、
   前記導管が、前記キャップが前記流体薬物貯蔵器と結合及び機能的に係合されている場合に、前記貯蔵器に結合する貯蔵器の隔壁を貫通するように前記キャップ内に配置された貫通部材を備えることを特徴とする装置。
9. 請求項８に記載の装置であって、
   前記貫通部材が、前記キャップが第１の位置において結合される時には、前記流体薬物貯蔵器の隔壁を貫通せず、前記キャップが第２の位置において結合される時には、前記キャップ内に位置し、前記流体薬物貯蔵器の隔壁を貫通することを特徴とする装置。
10. 請求項６に記載の装置であって、
    前記導管空洞が、開口円筒状の空洞であることを特徴とする装置。
11. 請求項６に記載の装置であって、
    前記通気口が疎水性材料を含むことを特徴とする装置。
12. 薬物注入ポンプにおいて使用される流体薬物貯蔵器を導管に接続する方法であって、
    前記流体薬物貯蔵器に結合される基体と、
    前記基体を介して前記流体薬物貯蔵器に結合され、前記流体薬物貯蔵器と前記薬物輸液ポンプと結合させるためのキャップと、
    前記キャップに結合させるために前記基体上に設けられた戻り止めと、
    前記キャップ上に配置され、前記キャップと前記薬物注入ポンプのハウジングとを係合させる戻り止め又はねじと、
    空気の通過を可能とし、同時に流体の通過を不可とするキャップ内の通気口と、
    前記キャップ内に配置された導管であって、前記キャップが前記流体薬物貯蔵器と機能的に係合された場合に、前記流体薬物貯蔵器からの前記導管を介した流体の移動を可能にする導管と、
    を備える装置によって、前記流体薬物貯蔵器を前記導管に接続するステップと、
    を含み、
    前記流体薬物貯蔵器が、前記導管に接続されることを特徴とする方法。
13. 薬物注入ポンプにおいて使用される流体薬物貯蔵器を導管に接続する方法であって、
    前記流体薬物貯蔵器に結合される基体と、
    前記基体を介して前記流体薬物貯蔵器に結合され、前記流体薬物貯蔵器と前記薬物輸液ポンプと結合させるためのキャップと、
    前記キャップに結合させるために前記基体上に設けられた戻り止めと、
    前記キャップ上に配置され、前記キャップと前記薬物注入ポンプのハウジングとを係合させる戻り止め又はねじと、
    空気の通過を可能とし、同時に流体の通過を不可とするキャップ内の通気口と、
    前記キャップ内に配置され、前記導管を前記キャップに固定する導管空洞と、
    を備える装置によって、前記流体薬物貯蔵器を前記導管に接続するステップと、
    を含み、
    前記流体薬物貯蔵器が、前記導管に接続されることを特徴とする方法。
14. 請求項１３に記載の方法であって、
    前記装置が前記流体薬物貯蔵器に接続された後に、前記導管が前記装置に接続されることを特徴とする方法。
15. 請求項１３に記載の方法であって、
    前記装置が前記流体薬物貯蔵器に接続される前に、前記導管が前記装置に接続されることを特徴とする方法。

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