JP7201663B2 - キャップ、シリンジ組立体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、キャップ、シリンジ組立体及びその製造方法に関する。
従来、筒体内に充填した薬液を押し子の押圧作用下に生体内に投与するシリンジポンプ型の薬液投与デバイスは公知である(特許第4759630号公報を参照)。薬液投与デバイスは、薬液が充填されるシリンジ組立体を備える。シリンジ組立体は、先端ノズル部を有するシリンジと、先端ノズル部に固定されたキャップとを備える。キャップは、先端ノズル部の先端開口を封止する弾性体からなるシール部材と、シール部材を覆う硬質なカバー部材とを有する。
シリンジ組立体の組立工程において、先端ノズル部にキャップを取り付ける際、キャップのカバー部材の内周部に形成された爪部に負荷がかかり過ぎ、爪部が削れる可能性がある。爪部が削れると、組立後にシリンジからキャップが外れやすくなる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、シリンジの先端ノズル部から外れにくいキャップ、このキャップを備えたシリンジ組立体、及びこのシリンジ組立体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、シリンジの先端ノズル部に装着可能な筒状のキャップであって、弾性を有し、前記先端ノズル部の先端開口を封止する板状のシール部材と、前記シール部材を保持し、前記シール部材より硬質な筒状のカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記カバー部材の先端に設けられた基部と、前記基部から前記キャップの軸に沿って基端方向に延び、前記先端ノズル部を覆う筒状の装着部と、を有し、前記基部は、前記シール部材を収納する収納部と、前記収納部と連通し、前記シール部材の先端面を露出させる貫通孔と、を有し、前記装着部は、前記収納部から基端方向に離間した位置に配置され、前記装着部の内周面から内方に向かって突出し、互いに対向する2つの爪部と、前記装着部の周方向において前記2つの爪部の一方の両側に配置され、前記キャップの前記軸に沿って基端方向に延びる2つの第1柱部と、前記装着部の周方向において前記2つの爪部の他方の両側に配置され、前記キャップの前記軸に沿って基端方向に延びる2つの第2柱部と、を有し、前記装着部の外周部は、互いに反対方向を向くように、前記2つの第1柱部間及び前記2つの第2柱部間のそれぞれに配置された2つの外周切欠部を有し、前記装着部のうち前記2つの外周切欠部が設けられた部分は、前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部よりも径方向の厚みが薄く、前記2つの外周切欠部の前記軸からの距離は、前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部の各外周面の前記軸からの距離よりも短く、前記装着部の内周部は、前記2つの第1柱部と前記2つの第2柱部との間で、互いに対向するように配置され、前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部の内周面よりも径方向外側に向かって凹んだ2つの内周凹部を有する。
上記のように構成された本発明のキャップによれば、装着部の外周部が2つの外周切欠部を有し、装着部の内周部が2つの内周凹部を有し、2つの外周切欠部の反対側の位置に2つの爪部が設けられているため、キャップをシリンジの先端ノズル部に取り付ける際、装着部が、2つの外周切欠部の箇所で外側に変形する一方、2つの内周凹部の箇所で内側に変形する。これにより、キャップの装着部が楕円状に変形するため、組立時に2つの爪部に過大な負荷がかかることがなく、2つの爪部が削れることを抑制することができる。従って、キャップがシリンジの先端ノズル部から外れにくい。また、このキャップは、4つの柱部(2つの第1柱部及び2つの第2柱部)を有するため、キャップを含むシリンジ組立体に対して加熱を伴う滅菌処理を行う場合でも、滅菌時に変形しにくい(形状を保持しやすい)。このため、加熱を伴う滅菌後においても、キャップがシリンジの先端ノズル部から外れにくい。
前記装着部の前記内周部は、互いに対向するように、前記2つの第1柱部間及び前記2つの第2柱部間のそれぞれに配置された2つの基端当接部を有し、前記2つの基端当接部は、前記先端ノズル部の前記外周面に当接することにより、前記先端ノズル部に対する前記キャップの傾きを防止してもよい。
この構成により、組立後のキャップのガタツキを抑制することができるため、キャップの耐圧性(薬液の漏れにくさ)のバラツキと、引抜強度(キャップの取れにくさ)のバラツキとを抑制することができる。
前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部の前記内周面は、前記先端ノズル部の前記外周面に当接することにより、前記先端ノズル部に対する前記キャップの傾きを防止してもよい。
この構成により、組立後のキャップのガタツキを抑制することができるため、キャップの耐圧性のバラツキと、引抜強度のバラツキとを抑制することができる。
前記基部は、前記収納部の基端に、前記先端ノズル部の前記外周面に当接することにより、前記先端ノズル部に対する前記キャップの傾きを防止する先端当接部を有してもよい。
この構成により、組立後のキャップのガタツキを抑制することができるため、キャップの耐圧性のバラツキと、引抜強度のバラツキとを抑制することができる。
前記装着部は、前記2つの爪部の基端に、前記2つの外周切欠部を有する2つの第1側壁部と、前記2つの内周凹部を有する2つの第2側壁部とを有し、前記装着部の径方向における前記第1柱部及び前記第2柱部の厚みは、前記装着部の径方向における前記第1側壁部及び第2側壁部の厚みの1.25~3.0倍であってもよい。
この構成により、キャップを先端ノズル部に装着する際には装着部がより変形しやすく、キャップの装着後はより抜けにくい。
前記第1側壁部及び第2側壁部の前記厚みは、0.5~1.5mmであってもよい。
この構成により、キャップを先端ノズル部に装着する際には装着部がより変形しやすい。
前記第1柱部及び前記第2柱部の前記厚みは、0.7~2.5mmであってもよい。
この構成により、キャップを先端ノズル部に装着した後は、キャップがより抜けにくい。
前記2つの外周切欠部はそれぞれ、前記2つの爪部のそれぞれの先端から前記装着部の基端まで延びていてもよい。
この構成により、装着部がより確実に変形する。
前記2つの内周凹部はそれぞれ、前記装着部の先端から基端まで延びていてもよい。
この構成により、装着部がより確実に変形する。
前記基部は、前記収納部の内周面から突出し、且つ、前記キャップの前記軸に沿って延び、前記シール部材の外周面と嵌合する複数のリブを有し、前記複数のリブのそれぞれは、その基端に、突出高さが基端に向かって漸減する傾斜部を有してもよい。
収納部の内周面に複数のリブを有することにより、キャップをシリンジの先端ノズル部に装着する前の状態で、シール部材を収納部に確実に保持させておくことができるため、キャップの装着工程を効率的に行うことができる。
前記2つの外周切欠部は、前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部の外周面よりも径方向内側に向かって凹んだ2つの外周凹部であってもよい。
前記2つの外周切欠部は、前記キャップの軸に平行な2つの平坦部であってもよい。
また、本発明は、先端ノズル部を有するシリンジと、前記シリンジの前記先端ノズル部に装着されたキャップとを備えたシリンジ組立体であって、前記キャップは、上記のキャップであり、前記先端ノズル部は、その外周面に係合凸部を有し、前記装着部の前記爪部が前記係合凸部と係合することにより、前記先端ノズル部に前記キャップが装着されるとともに、前記シール部材で前記先端ノズル部の先端開口が封止されている。
また、本発明は、先端ノズル部を有するシリンジと、前記シリンジの前記先端ノズル部に装着されたキャップとを備えたシリンジ組立体であって、前記キャップは、上記いずれかのキャップであり、前記シリンジは、前記先端ノズル部に対する前記キャップの周方向の回転を防止する2つの回転防止凸部を有し、前記2つの回転防止凸部は、前記先端ノズル部の外周部から前記先端ノズル部の径方向外方に突出し、前記2つの第1柱部と前記2つの第2柱部の間にそれぞれ挿入され、前記2つの第1柱部の角部及び前記2つの第2柱部の角部にそれぞれ係合する。
前記シリンジは、前記先端ノズル部の周方向において前記2つの回転防止凸部の両側に隣接して前記先端ノズル部の外周部から径方向外方に突出し、前記2つの第1柱部の内面及び前記2つの第2柱部の内面にそれぞれ嵌合した4つの嵌合凸部を有してもよい。
前記2つの回転防止凸部は、当該2つの回転防止凸部の先端側を構成する2つの先端凸部と、当該2つの回転防止凸部の基端側を構成する2つの基端凸部と、当該2つの回転防止凸部の前記2つの先端凸部と前記2つの基端凸部との間を構成する2つの中間凸部とをそれぞれ有し、前記2つの基端凸部の前記先端ノズル部の周方向に沿った幅は、前記2つの先端凸部の前記先端ノズル部の周方向に沿った幅よりもそれぞれ大きく、前記2つの回転防止凸部のうち少なくとも前記2つの中間凸部は、基端方向に向かうに従って前記先端ノズル部の周方向に沿った幅が大きくなる2つの傾斜ガイド部をそれぞれ有し、前記2つの中間凸部の先端の前記先端ノズル部の周方向に沿った先端幅及び前記2つの先端凸部の前記先端ノズル部の周方向に沿った前記幅は、前記2つの第1柱部と前記2つの第2柱部の間の対応する前記先端ノズル部の周方向に沿った幅よりもそれぞれ小さくてもよい。
また、本発明は、外周面に設けられた係合凸部と、先端開口とを有する先端ノズル部を備えたシリンジを準備し、弾性を有する板状のシール部材を準備し、前記シール部材より硬質な材料からなり、先端に設けられた基部と、前記基部からキャップの軸に沿って基端方向に延びる筒状の装着部と、を備え、前記基部が、前記シール部材を収納する収納部と、前記収納部と連通し、前記シール部材の先端面を露出させる貫通孔と、を有し、前記装着部が、前記収納部から基端方向に離間した位置に配置され、前記装着部の内周面から内方に向かって突出し、互いに対向する2つの爪部を有するカバー部材を準備し、前記収納部に前記シール部材を収納した前記カバー部材の前記装着部内に、前記先端ノズル部を挿入し、前記係合凸部が前記2つの爪部を先端方向に向かって乗り越えるまで、前記先端ノズル部を前記装着部内に押し込んで、前記先端ノズル部の先端開口をシール部材で封止するとともに、前記キャップを前記先端ノズル部に装着する、シリンジ組立体の製造方法であって、前記装着部は、前記装着部の周方向において前記2つの爪部の一方の両側に配置された2つの第1補強部と、前記装着部の周方向において前記2つの爪部の他方の両側に配置された2つの第2補強部と、前記2つの第1補強部間及び前記2つの第2補強部間のそれぞれに配置された互いに対向する2つの第1変形促進部と、前記2つの第1補強部と前記2つの第2補強部との間で、互いに対向するように配置された2つの第2変形促進部と、を有し、前記係合凸部が前記2つの爪部を乗り越える際に、前記2つの第1変形促進部を径方向外方に変形させ、前記2つの第2変形促進部を径方向内方に変形させることにより、前記2つの爪部間の距離を前記係合凸部の外径と略一致させる。
本発明のキャップ、シリンジ組立体及びその製造方法によれば、キャップがシリンジの先端ノズル部から外れにくい。
以下、本発明に係るキャップ及びシリンジ組立体及びその製造方法について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一又は同様な要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
[第1実施形態]
図1に示す薬液投与デバイス10は、薬液Mを生体内に投与するために使用される。薬液投与デバイス10は、シリンジ組立体12A内に充填された薬液Mをプランジャ組立体14の押圧作用下に比較的長い時間(例えば、数分~数時間程度)をかけて持続的に生体内に投与する。薬液投与デバイス10は、薬液Mを間欠的に生体内に投与してもよい。薬液Mとしては、例えば、タンパク質製剤、麻薬性鎮痛薬、利尿薬等が挙げられる。
図1に示す薬液投与デバイス10は、薬液Mを生体内に投与するために使用される。薬液投与デバイス10は、シリンジ組立体12A内に充填された薬液Mをプランジャ組立体14の押圧作用下に比較的長い時間(例えば、数分~数時間程度)をかけて持続的に生体内に投与する。薬液投与デバイス10は、薬液Mを間欠的に生体内に投与してもよい。薬液Mとしては、例えば、タンパク質製剤、麻薬性鎮痛薬、利尿薬等が挙げられる。
図1に示すように、薬液投与デバイス10の使用時において、薬液投与デバイス10には投与器具16として例えばパッチ式の針付きチューブ17が接続され、シリンジ組立体12Aから吐出された薬液Mが針付きチューブ17を介して患者の体内に注入される。針付きチューブ17は、シリンジ組立体12Aの先端ノズル部48に接続可能なコネクタ18と、一端部がコネクタ18に接続された可撓性を有する送液チューブ19と、送液チューブ19の他端に接続され皮膚Sに貼着可能なパッチ部20と、パッチ部20から突出した穿刺針21とを備える。穿刺針21は皮膚Sに対して略垂直に穿刺される。なお、穿刺針21は皮膚Sに対して斜めに穿刺されるものであってもよい。
なお、薬液投与デバイス10に接続される投与器具16は上述したパッチ式の針付きチューブ17に限られず、例えば、送液チューブ19の先端に穿刺針(翼状針等)が接続されたものであってもよい。あるいは、投与器具16は、送液チューブ19を介さずにシリンジ組立体12Aの先端ノズル部48に接続可能な屈曲した針であってもよい。この場合、屈曲した針は、例えばシリンジ組立体12Aの先端ノズル部48から下方に略90°屈曲しており、薬液投与デバイス10の皮膚Sへの固定(貼り付け)に伴い皮膚Sに対して垂直に穿刺される。また、シリンジ組立体12Aの先端ノズル部48と投与器具16及び針の一部はシリンジ組立体12Aの内部にあり、針の先端がシリンジ組立体12Aより突出している形であってもよい。この場合でも、薬液投与デバイス10の皮膚Sへの固定(貼り付け)に伴い、針が皮膚Sに対して垂直に穿刺される。
図1又は図2に示すように、薬液投与デバイス10は、薬液Mが充填されたシリンジ24を有するシリンジ組立体12Aと、シリンジ24内に摺動可能に配置されたガスケット26と、軸方向(矢印X方向)に伸長可能であるとともにガスケット26を先端方向(矢印X1方向)に押圧可能なプランジャ組立体14と、プランジャ組立体14を駆動する駆動機構28と、薬液投与デバイス10の動作に必要な電力を供給する電池30と、駆動機構28を制御する制御部32と、シリンジ組立体12A、プランジャ組立体14及び駆動機構28を支持するシャーシ構造34と、これらを収容する筐体36とを備える。
図2に示すように、シリンジ組立体12Aは、先端ノズル部48を有するシリンジ24と、シリンジ24の先端ノズル部48に装着されたキャップ40とを備える。
シリンジ24は、中空円筒状に形成されている。具体的に、シリンジ24は、薬液Mを充填可能な内腔13を有する胴部44と、胴部44の先端から縮径する肩部46と、肩部46から先端方向に突出した先端ノズル部48と、胴部44の外周面から外方に突出したフランジ部54とを有する。薬液Mはシリンジ24内に予め充填されている。シリンジ24は透明性を有する材料により構成されているとよい。
図3に示すように、先端ノズル部48の先端部には、係合凸部48aが設けられている。係合凸部48aは、径方向外方に突出し且つ周方向に一周延在する環状に形成されている。係合凸部48aは、キャップ40の後述する爪部62a、62bが係止される係止面48a1と、係止面48a1よりも先端側に形成されるとともに先端方向に向かって縮径する傾斜面48a2とを有する。係止面48a1は、先端ノズル部48の軸に対して垂直な平坦面である。先端ノズル部48の外周部において、係合凸部48aの基端側には、径方向内側に凹む環状溝48bが形成されている。
先端ノズル部48の基端部外周には、キャップ40のガタツキを防止するガタツキ防止凸部48eが設けられている。ガタツキ防止凸部48eは、径方向外方に膨出し且つ周方向に一周延在する環状に形成されている。ガタツキ防止凸部48eの外周面は、先端ノズル部48の軸に沿って延在している。ガタツキ防止凸部48eの基端は、肩部46の先端に連なっている。
キャップ40は、ゴム材やエラストマー材等の弾性樹脂材料からなり、先端ノズル部48の先端開口49を封止する板状のシール部材41と、シール部材41を保持し、シール部材41より硬質な筒状のカバー部材42とを備える。
シール部材41は、カバー部材42によってシリンジ組立体12Aの先端ノズル部48に固定されている。シール部材41は、先端ノズル部48の先端面とカバー部材42の先端との間に軸方向に弾性的に圧縮された状態で保持されている。シール部材41は、円盤状に形成されている。
シール部材41は、厚さ方向の中央部を構成するシール本体部41aと、シール本体部41aの先端面から先端方向に突出した先端凸部41bと、シール本体部41aの基端面から基端方向に突出した基端凸部41cとを有する。先端凸部41bは、カバー部材42の先端面42aよりも先端方向に僅かに突出している。なお、先端凸部41bの先端面は、カバー部材42の先端面42aと同じ軸方向位置か、該先端面42aよりも基端側に位置していてもよい。シール部材41は、図1に示したコネクタ18が先端ノズル部48に接続される際に、コネクタ18に設けられた針18aにより穿刺される。
図3及び図4に示すように、カバー部材42は、カバー部材42の先端に設けられた基部56と、基部56からキャップ40の軸に沿って基端方向に延び、先端ノズル部48を覆う筒状(円筒状)の装着部58とを有する。基部56は、シール部材41を収納する収納部56aと、収納部56aと連通し、シール部材41の先端面を露出させる貫通孔56bとを有する。収納部56aは概ね円形状に形成されている。
貫通孔56bは、円形の孔部であり、収納部56aと同軸上に収納部56aよりも小径に形成されている。貫通孔56bは、基部56の先端壁56dに形成されている。図3に示すように、貫通孔56bにシール部材41の先端凸部41bが挿入されている。シール部材41の先端面は、カバー部材42の貫通孔56bから露出している。
収納部56aの基端には、先端ノズル部48の外周面に当接することにより、先端ノズル部48に対するキャップ40の傾きを防止する先端当接部56cが設けられている。組立時にカバー部材42の後述する爪部62a、62bが先端ノズル部48の係合凸部48aを確実に乗り越えられるように、先端当接部56cと、先端ノズル部48の先端に設けられたテーパ外周面(傾斜面48a2)との間には、微小な隙間が設けられている。
図5に示すように、基部56は、さらに、収納部56aの内周面から突出し、且つ、キャップ40の軸に沿って延び、シール部材41の外周面と嵌合する複数のリブ60を有する。複数のリブ60は、収納部56aの内周面において周方向に等間隔に設けられている。複数のリブ60の各先端は、基部56の先端壁56dに繋がっている。複数のリブ60のそれぞれは、その基端に、突出高さが基端に向かって漸減する傾斜部60aを有する。
図5及び図6に示すように、装着部58は、2つの爪部62a、62bと、2つの第1柱部64と、2つの第2柱部66とを有する。2つの爪部62a、62bは、互いに対向し、収納部56aから基端方向に離間した位置に配置され、装着部58の内周面から内方に向かって突出する。2つの爪部62a、62bが先端ノズル部48の係合凸部48aと係合することにより、先端ノズル部48にキャップ40が装着される。すなわち、2つの爪部62a、62bが、先端ノズル部48の係合凸部48aの基端(係止面48a1)に係合することにより、カバー部材42が先端ノズル部48から外れることが防止されている。2つの爪部62a、62bはそれぞれ装着部58の内周面に沿って周方向に円弧状に延在している。
2つの第1柱部64は、装着部58の周方向において一方の爪部62aの両側に配置され、キャップ40の軸に沿って基端方向に延びている。2つの第1柱部64は、装着部58における2つの第1補強部を構成する。2つの第2柱部66は、装着部58の周方向において他方の爪部62bの両側に配置され、キャップ40の軸に沿って基端方向に延びている。2つの第2柱部66は、装着部58における2つの第2補強部を構成する。
図3に示すように、2つの第1柱部64の内周面64a及び2つの第2柱部66の内周面66aは、先端ノズル部48の外周面(ガタツキ防止凸部48e)に当接することにより、先端ノズル部48に対するキャップ40の傾きを防止する。
図5及び図6に示すように、装着部58の外周部は、互いに反対方向を向くように、2つの第1柱部64間及び2つの第2柱部66間のそれぞれに配置された2つの外周切欠部67を有する。装着部58のうち2つの外周切欠部67が設けられた部分は、2つの第1柱部64及び2つの第2柱部66よりも径方向の厚みが薄く、2つの外周切欠部67の先端ノズル部48の軸からの距離は、2つの第1柱部64及び2つの第2柱部66の各外周面の先端ノズル部48の軸からの距離よりも短い。2つの外周切欠部67は、2つの外周凹部68である。
2つの外周凹部68は、互いに反対方向を向くように配置されている。一方の外周凹部68は、2つの第1柱部64間に配置されている。他方の外周凹部68は、2つの第2柱部66間に配置されている。2つの外周凹部68は、2つの第1柱部64及び2つの第2柱部66の外周面よりも径方向内側に向かって凹んでいる。2つの外周凹部68は、装着部58における第1変形促進部を構成する。
2つの外周凹部68はそれぞれ、2つの爪部62a、62bのそれぞれの先端から装着部58の基端まで延びている。従って、2つの外周凹部68はそれぞれ、装着部58の基端面で基端方向に開口している。2つの外周凹部68の間にはそれぞれ2つの外周凸部70が設けられている。2つの外周凸部70と基部56の基端面56eとの間には環状係合溝72が形成されている。図1に示すコネクタ18をキャップ40に接続した際、コネクタ18の内周部に設けられた係合ツメが、キャップ40の環状係合溝72に係合する。
図5及び図6に示すように、装着部58の内周部は、2つの内周凹部74を有する。2つの内周凹部74は、2つの第1柱部64と2つの第2柱部66との間で、互いに対向するように配置されている。2つの内周凹部74は、2つの第1柱部64及び2つの第2柱部66の内周面よりも径方向外側に向かって凹んでいる。2つの内周凹部74はそれぞれ、装着部58の先端から基端まで延びている。従って、2つの内周凹部74はそれぞれ、装着部58の基端面で基端方向に開口している。2つの内周凹部74は、装着部58における第2変形促進部を構成する。
装着部58の内周部は、互いに対向するように、2つの第1柱部64間及び2つの第2柱部66間のそれぞれに配置された2つの基端当接部76を有する。2つの基端当接部76は、先端ノズル部48の外周面(ガタツキ防止凸部48e)に当接することにより、先端ノズル部48に対するキャップ40の傾きを防止する。2つの基端当接部76は、キャップ40の軸に沿って延在している。
装着部58は、2つの爪部62a、62bの基端に、2つの外周凹部68を有する2つの第1側壁部78と、2つの内周凹部74を有する2つの第2側壁部80とを有する。2つの第1側壁部78及び2つの第2側壁部80はそれぞれ、キャップ40の軸を中心とする円弧状に形成されている。2つの第1側壁部78は、周方向に沿った長さが互いに同じである。2つの第2側壁部80は、周方向に沿った長さが互いに同じである。2つの第1側壁部78の周方向に沿った長さは、2つの第2側壁部80の周方向に沿った長さよりも長い。
図6において、装着部58の径方向における第1柱部64及び第2柱部66の厚みTh1、Th2は、装着部58の径方向における第1側壁部78及び第2側壁部80の厚みTs1、Ts2の1.25~3.0倍であり、好ましくは、1.25~1.75倍である。第1側壁部78及び第2側壁部80の厚みTs1、Ts2は、0.5~1.5mmである。本実施形態では、2つの第1側壁部78の径方向の厚みTs1は、2つの第2側壁部80の径方向の厚みTs2と略同じである。なお、2つの第1側壁部78の径方向の厚みTs1は、2つの第2側壁部80の径方向の厚みTs2と異なっていてもよい。第1柱部64及び第2柱部66の径方向の厚みTh1、Th2は、0.7~2.5mmである。
装着部58において、2つの第1側壁部78(外周凹部68)のそれぞれの先端側には装着部58の壁部を径方向に貫通する2つの側孔82が形成されている。2つの側孔82の周方向長さは、2つの外周凹部68のそれぞれの周方向長さよりも短い。なお、2つの側孔82の周方向長さは、2つの外周凹部68のそれぞれの周方向長さと同じか、それより長くてもよい。
図2において、ガスケット26は、シリンジ24の内腔13の基端側を液密に閉じている。薬液投与デバイス10の初期状態で、ガスケット26はシリンジ24の基端よりも先端側に位置する。ガスケット26は、その外周部がシリンジ24(胴部44)の内周面と液密に密着している。シリンジ組立体12Aと薬液Mとガスケット26とにより、プレフィルドシリンジ15が構成されている。
プランジャ組立体14は、ガスケット26をシリンジ24内で前進させ、シリンジ組立体12Aから薬液Mを押し出すように構成されている。薬液投与デバイス10の初期状態で、プランジャ組立体14の先端側はシリンジ24の基端側に挿入されている。駆動機構28は、電池30を電源として制御部32の制御作用下に駆動制御されるモータ31と、モータ31の出力軸に固定された駆動歯車37とを有する。
シャーシ構造34は、筐体36(図1参照)内に配置されている。シリンジ組立体12A、駆動機構28及びプランジャ組立体14は、それぞれシャーシ構造34の所定位置に固定されている。シャーシ構造34は、シャーシ本体部材34aと、シャーシ本体部材34aに固定されるとともにシャーシ本体部材34aとの間でモータ31を保持するモータ保持部材34bとを備える。
シャーシ本体部材34aは、上方に突出するとともにシリンジ24のフランジ部54を保持するフランジ保持部34cを有する。フランジ保持部34cには、フランジ部54が挿入された保持溝34dが設けられている。
図1において、筐体36は、上述したシリンジ組立体12A、ガスケット26、プランジャ組立体14、駆動機構28、電池30、制御部32及びシャーシ構造34を収容するように構成された中空状部材である。シリンジ組立体12Aの先端ノズル部48が筐体36から突出し、カバー部材42が外部に露出している。筐体36の上面36aには、透明性を有する材料からなる窓部36wが設けられている。
薬液投与デバイス10は、例えば、患者の皮膚Sに貼り付けて使用するパッチタイプとして構成され得る。このようなパッチタイプの場合、筐体36の底面36bには、皮膚Sに貼着可能なシート状の貼着部(粘着部)が設けられる。薬液投与デバイス10の初期状態で貼着部の貼着面には剥離可能な保護シートが貼り付けられる。
なお、薬液投与デバイス10は、筐体36の底面36bにフックやクリップ等の装着具が設けられ、患者の衣服(例えば、ズボンのウエスト部分等)に引っ掛ける等して取り付けるタイプとして構成されてもよい。
次に、シリンジ組立体12Aの製造方法(組立方法)を説明する。
この製造方法は、シリンジ準備工程と、シール部材準備工程と、カバー部材準備工程と、キャップ組立工程と、挿入工程(図8A、図8B)と、装着工程とを有する。
シリンジ準備工程では、外周面に設けられた係合凸部48aと、先端開口49とを有する先端ノズル部48を備えた上記シリンジ24を準備する。
シール部材準備工程では、弾性を有する板状の上記シール部材41を準備する。
カバー部材準備工程では、シール部材41より硬質な材料からなり、先端に設けられた基部56と、基部56からキャップ40の軸に沿って基端方向に延びる筒状の装着部58と、を備え、基部56が、シール部材41を収納する収納部56aと、収納部56aと連通し、シール部材41の先端面を露出させる貫通孔56bと、を有し、装着部58が、収納部56aから基端方向に離間した位置に配置され、装着部58の内周面から内方に向かって突出し、互いに対向する2つの爪部62a、62bを有する上記カバー部材42を準備する。
キャップ組立工程では、カバー部材42の収納部56aにシール部材41を挿入し、収納部56aによりシール部材41を保持させることにより、上記キャップ40を得る。カバー部材42の収納部56aにシール部材41を挿入する際、シール部材41は、収納部56aに設けられた複数のリブ60の各基端の傾斜部60aにより、収納部56aへと案内される。なお、シール部材41の外径は、互いに対向する2つの爪部62a、62b間の距離より小さくなっている。このため、カバー部材42の収納部56aにシール部材41をスムーズに挿入することができる。
図8A及び図8Bに示すように、挿入工程では、収納部56aにシール部材41を収納したカバー部材42の装着部58内に、先端ノズル部48を挿入する。なお、図8Aは、図6におけるVIIIA-VIIIA線に対応する位置での断面図であり、図8Bは、図6におけるVIIIB-VIIIB線に対応する位置での断面図である。挿入工程の完了段階では、2つの爪部62a、62bは先端ノズル部48の係合凸部48aを乗り越えておらず、且つ、先端ノズル部48の先端面はシール部材41に当接していない。
装着工程では、図8A及び図8Bの状態から、係合凸部48aが2つの爪部62a、62bを先端方向に向かって乗り越えるまで、先端ノズル部48を装着部58内に押し込んで、先端ノズル部48の先端開口49をシール部材41で封止するとともに、キャップ40を先端ノズル部48に装着する。係合凸部48aが2つの爪部62a、62bを乗り越える際、係合凸部48aは、外周凹部68が設けられた第1側壁部78を径方向外方に変形させる(図8Aの矢印A参照)。第1側壁部78の径方向外側への変形に伴い、内周凹部74が設けられた第2側壁部80は、径方向内方に変形する(図8Bの矢印B参照)。この結果、図6において仮想線で示すように、装着部58は、2つの第1側壁部78が対向する方向に長径を有し、2つの第2側壁部80が対向する方向に短径を有する楕円状に変形する。
次に、上記のように構成されたシリンジ組立体12Aを備えた薬液投与デバイス10の作用を説明する。
図1に示した薬液投与デバイス10の使用に際し、薬液投与デバイス10には投与器具16が接続される。具体的には、コネクタ18がシリンジ組立体12Aの先端ノズル部48(カバー部材42)に接続される。
そして、薬液投与デバイス10は、患者の皮膚Sに貼り付ける、あるいは衣服に装着する等して、患者に取り付けられる。次に、投与器具16の穿刺針21が患者の皮膚Sに穿刺される。なお、皮膚Sへの穿刺針21の穿刺前に薬液投与デバイス10が患者に取り付けられてもよい。
そして、薬液投与デバイス10が所定の動作開始指令を受けると、プランジャ組立体14によりガスケット26が押圧され、シリンジ24内でガスケット26が前進することにより、シリンジ24内の薬液Mが押し出される。シリンジ24内から押し出された薬液Mは、患者に穿刺された投与器具16を介して患者の体内に投与(注入)される。
第1実施形態に係るキャップ40は、以下の効果を奏する。
このキャップ40によれば、図5及び図6に示すように、装着部58の外周部が2つの外周凹部68を有し、装着部58の内周部が2つの内周凹部74を有し、2つの外周凹部68の反対側の位置に2つの爪部62a、62bが設けられている。このため、図8A及び図8Bに示したように、キャップ40をシリンジ24の先端ノズル部48に取り付ける際、装着部58が、2つの外周凹部68の箇所で外側に変形する一方、2つの内周凹部74の箇所で内側に変形する。これにより、キャップ40の装着部58が楕円状に変形するため、組立時に2つの爪部62a、62bに過大な負荷がかかることがなく、2つの爪部62a、62bが削れることを抑制することができる。従って、キャップ40がシリンジ24の先端ノズル部48から外れにくい。また、このキャップ40は、4つの柱部(2つの第1柱部64及び2つの第2柱部66)を有するため、キャップ40を含むシリンジ組立体12Aに対して加熱を伴う滅菌処理を行う場合でも、滅菌時に変形しにくい(形状を保持しやすい)。このため、加熱を伴う滅菌後においても、キャップ40がシリンジ24の先端ノズル部48から外れにくい。
図5に示すように、装着部58の内周部は、互いに対向するように、2つの第1柱部64間及び2つの第2柱部66間のそれぞれに配置された2つの基端当接部76を有する。そして、2つの基端当接部76は、先端ノズル部48の外周面に当接することにより、先端ノズル部48に対するキャップ40の傾きを防止する。この構成により、組立後のキャップ40のガタツキを抑制することができるため、キャップ40の耐圧性(薬液Mの漏れにくさ)のバラツキと、引抜強度(キャップ40の取れにくさ)のバラツキとを抑制することができる。
図3に示すように、2つの第1柱部64及び2つの第2柱部66の内周面は、先端ノズル部48の外周面に当接することにより、先端ノズル部48に対するキャップ40の傾きを防止する。この構成により、組立後のキャップ40のガタツキを抑制することができるため、キャップ40の耐圧性のバラツキと、引抜強度のバラツキとを抑制することができる。
基部56は、収納部56aの基端に、先端ノズル部48の外周面に当接することにより、先端ノズル部48に対するキャップ40の傾きを防止する先端当接部56cを有する。この構成により、組立後のキャップ40のガタツキを抑制することができるため、キャップ40の耐圧性のバラツキと、引抜強度のバラツキとを抑制することができる。
図6に示すように、装着部58は、2つの爪部62a、62bの基端に、2つの外周凹部68を有する2つの第1側壁部78と、2つの内周凹部74を有する2つの第2側壁部80とを有し、装着部58の径方向における第1柱部64及び第2柱部66の厚みTh1、Th2は、装着部58の径方向における第1側壁部78及び第2側壁部80の厚みTs1、Ts2の1.25~3.0倍である。好ましくは、1.25~1.75倍である。この構成により、キャップ40を先端ノズル部48に装着する際には装着部58がより変形しやすく、キャップ40の装着後はより抜けにくい。
第1側壁部78及び第2側壁部80の厚みTs1、Ts2は、0.5~1.5mmである。この構成により、キャップ40を先端ノズル部48に装着する際には装着部58がより変形しやすい。
第1柱部64及び第2柱部66の厚みTh1、Th2は、0.7~2.5mmである。この構成により、キャップ40を先端ノズル部48に装着した後は、キャップ40がより抜けにくい。
2つの外周凹部68はそれぞれ、2つの爪部62a、62bのそれぞれの先端から装着部58の基端まで延びている。この構成により、装着部58がより確実に変形する。
2つの内周凹部74はそれぞれ、装着部58の先端から基端まで延びている。この構成により、装着部58がより確実に変形する。
基部56は、収納部56aの内周面から突出し、且つ、キャップ40の軸に沿って延び、シール部材41の外周面と嵌合する複数のリブ60を有する。複数のリブ60のそれぞれは、その基端に、突出高さが基端に向かって漸減する傾斜部60aを有する。収納部56aの内周面に複数のリブ60を有することにより、キャップ40をシリンジ24の先端ノズル部48に装着する前の状態で、シール部材41を収納部56aに確実に保持させておくことができるため、キャップ40の装着工程を効率的に行うことができる。
[第2実施形態]
図9及び図10に示す第2実施形態に係るシリンジ組立体12Bのシリンジ90は、先端ノズル部48の先端面から突出したリング状のシール用突起部92を有する。シール用突起部92の径方向の幅は、先端ノズル部48の先端面の径方向の幅よりも小さい。図9に示すように、シール用突起部92は、シール部材41に一周密着している。シール用突起部92は、シール部材41(シール本体部41a)に基端側から食い込んでいる。従って、シール部材41における、シール用突起部92が食い込んだ部分は、先端方向に凹んでいる。シール部材41のつぶし量(軸方向の圧縮量)は、第1実施形態と第2実施形態とで同じである。
図9及び図10に示す第2実施形態に係るシリンジ組立体12Bのシリンジ90は、先端ノズル部48の先端面から突出したリング状のシール用突起部92を有する。シール用突起部92の径方向の幅は、先端ノズル部48の先端面の径方向の幅よりも小さい。図9に示すように、シール用突起部92は、シール部材41に一周密着している。シール用突起部92は、シール部材41(シール本体部41a)に基端側から食い込んでいる。従って、シール部材41における、シール用突起部92が食い込んだ部分は、先端方向に凹んでいる。シール部材41のつぶし量(軸方向の圧縮量)は、第1実施形態と第2実施形態とで同じである。
カバー部材42の先端側内面には湾曲形状部94が設けられている。具体的に、カバー部材42の基部56において、収納部56aを形成する内周面と、先端壁56dの基端面との接続部位には、弧状に湾曲した湾曲形状部94が設けられている。湾曲形状部94は、カバー部材42の軸回りに一周する円環状に設けられている。湾曲形状部94は、カバー部材42の強度を増強させる補強部として機能する。湾曲形状部94の湾曲の曲率半径は、例えば0.1mm以上に設定され、好ましくは0.3mm以上に設定される。この曲率半径が大きいほどカバー部材42の強度が向上する。
第2実施形態に係るシリンジ組立体12Bによれば、先端ノズル部48の先端にシール用突起部92を設けることで、シール部材41をつぶす単位面積当たりの力が増すため、耐圧性が向上し、薬液Mがより漏れにくくなる。また、カバー部材42の先端側内面には湾曲形状部94が設けられているため、キャップ40を下向きにしてシリンジ組立体12Bが落下した場合でも、カバー部材42が破損することを抑制することができる。すなわち、カバー部材42の落下強度(落下耐性)を向上させることができる。その他、第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
ところで、シリンジ組立体12Aの先端側の耐圧性は、キャップ40のシール部材41の圧縮による耐圧性と、先端ノズル部48の先端とシール部材41と固着(仮固着)による耐圧性とからなる。このため、キャップ40が先端ノズル部48に対して回転すると、上記固着が剥がれてしまうことで、シリンジ組立体12Aの耐圧性が下がる。そのため、薬液投与デバイス10の使用において、ユーザがキャップ40にコネクタ18を接続する際の外力でキャップ40を回転させてしまった場合、シリンジ組立体12Aの耐圧性低下を招く。シリンジ組立体12Bについても同様である。
このような課題を解決するため、図11以降に示す第3実施形態に係るシリンジ組立体12Cのシリンジ100は、先端ノズル部48に対するキャップ40Aの周方向の回転を防止する2つの回転防止凸部102を有する。2つの回転防止凸部102は、先端ノズル部48の軸a(中心軸線)を基準に互いに反対側に配置されている。各回転防止凸部102は、先端ノズル部48の外周部から先端ノズル部48の径方向外方に突出している。
図16Bに示すように、2つの回転防止凸部102は、キャップ40Aの2つの爪部62b(図3参照)が先端ノズル部48の係合凸部48aに係合し且つ先端ノズル部48の先端がシール部材41に密着した状態(以下、「キャップ装着状態」という)で、2つの第1柱部64と2つの第2柱部66の間にそれぞれ挿入され、内周凹部74に対向している。また、2つの回転防止凸部102は、2つの第1柱部64の角部64k及び2つの第2柱部66の角部66kにそれぞれ係合している。
図16Bに示すように、キャップ装着状態で、回転防止凸部102の周方向両側の端部が、第1柱部64の内周凹部74側の角部64kと第2柱部66の内周凹部74側の角部66kにそれぞれ当接している。従って、回転防止凸部102と内周凹部74とが2つずつ設けられた当該シリンジ組立体12Cにおいては、キャップ40Aのカバー部材42Aとシリンジ100とが合計4箇所で周方向に干渉している。
図12及び図13に示すように、回転防止凸部102の先端は、先端ノズル部48の先端面よりも基端側にある。回転防止凸部102の先端は、係合凸部48aの基端面よりも先端側にある。他の態様において、回転防止凸部102の先端は、係合凸部48aの基端面と同じ位置か、当該基端面より基端側にあってもよい。
図13に示すように、回転防止凸部102は、当該回転防止凸部102の先端側を構成する先端凸部102aと、当該回転防止凸部102の基端側を構成する基端凸部102cと、当該回転防止凸部102の先端凸部102aと基端凸部102cとの間を構成する中間凸部102bとを有する。基端凸部102cの先端ノズル部48の周方向に沿った幅Wcは、先端凸部102aの先端ノズル部48の周方向に沿った幅Waよりも大きい。また、先端凸部102aの幅Waは、第1柱部64と第2柱部66の間の対応する先端ノズル部48の周方向に沿った幅よりも小さい。
回転防止凸部102のうち少なくとも中間凸部102bは、基端方向に向かうに従って先端ノズル部48の周方向に沿った幅が大きくなる部分(傾斜ガイド部)を有する。具体的に、中間凸部102bは、周方向一方側の第1側面S1と、周方向他方側の第2側面S2とを有する。第1側面S1と第2側面S2は、先端方向に向かって互いに近づくように、先端ノズル部48の軸aに対して傾斜している。また、先端ノズル部48の周方向において、中間凸部102bの先端の先端幅は、先端凸部102aの幅Waと等しく、第1柱部64と第2柱部66の間の幅よりも小さい。
先端ノズル部48から回転防止凸部102が突出する方向から回転防止凸部102を見たとき、図13に示す態様の回転防止凸部102はH字形状に形成されている。従って、回転防止凸部102は、先端ノズル部48の先端に向かって延び周方向に互いに間隔を置いて対向する一対のリブ状部104と、一対のリブ状部104をつなぐ連結部106とを有する、と表現することもできる。一対のリブ状部104の先端部外面には、先端方向に向かって先端ノズル部48の軸aに近づくように傾斜した傾斜面104aが設けられている。他の態様において、回転防止凸部102は、U字形状に形成されてもよい。
図12~図14に示すように、シリンジ100は、先端ノズル部48の周方向において2つの回転防止凸部102の両側に隣接した4つの嵌合凸部110を有する。4つの嵌合凸部110は、先端ノズル部48の外周部から径方向外方に突出し、2つの第1柱部64の内面及び2つの第2柱部66の内面にそれぞれ嵌合している。嵌合凸部110の外面110a(突端面)は、先端ノズル部48の軸aと平行に延在し、且つ先端ノズル部48の軸aを中心とする円弧に沿って形成されている。
先端ノズル部48の外周部からの嵌合凸部110の突出高さは、先端ノズル部48の外周部からの回転防止凸部102の突出高さよりも低い。先端ノズル部48の軸方向において、嵌合凸部110の全長は、回転防止凸部102の全長よりも短い。嵌合凸部110の先端は、回転防止凸部102の先端よりも基端側に位置する。嵌合凸部110の基端は、回転防止凸部102の基端よりも先端側に位置する。
図16Bに示すように、カバー部材42Aの装着部58Aの外周部は、互いに反対方向を向くように、2つの第1柱部64間及び2つの第2柱部66間のそれぞれに配置された2つの外周切欠部112を有する(図11も参照)。装着部58Aのうち2つの外周切欠部112が設けられた部分は、2つの第1柱部64及び2つの第2柱部66よりも径方向の厚みが薄く、2つの外周切欠部112の先端ノズル部48の軸aからの距離は、2つの第1柱部64及び2つの第2柱部66の各外周面の先端ノズル部48の軸aからの距離よりも短い。2つの外周切欠部112は、キャップ40Aの軸に平行な2つの平坦部114である。
上記のように構成された第3実施形態に係るシリンジ組立体12Cによれば、図16A及び図16Bに示すキャップ装着状態で、シリンジ100の回転防止凸部102がキャップ40Aの内周凹部74に対向して、2つの第1柱部64の角部64k及び2つの第2柱部66の角部66kにそれぞれ係合する。このため、先端ノズル部48に対するキャップ40Aの回転が防止される。従って、ユーザがキャップ40Aにコネクタ18を接続する際の外力によってキャップ40Aが回転することがなく、シール部材41と先端ノズル部48との固着の剥がれが起きない。よって、シール部材41の固着を維持して、シリンジ組立体12Cの耐圧性の低下を防止することができる。
シリンジ100は、先端ノズル部48の周方向において2つの回転防止凸部102の両側に隣接して先端ノズル部48の外周部から径方向外方に突出し、2つの第1柱部64の内面及び2つの第2柱部66の内面にそれぞれ嵌合した4つの嵌合凸部110を有する。この構成により、図15A及び図15Bに示すように、キャップ装着工程において、キャップ装着状態に至る前の仮組状態で、4つの嵌合凸部110がキャップ40Aのカバー部材42Aの内部(カバー部材42Aの内面における内周凹部74に隣接する部分)に干渉する。この干渉によって、キャップ装着状態に至る前の仮組状態で、キャップ40Aの軸と、先端ノズル部48の軸aとを一致させる。そしてキャップ40Aをさらに基端方向に押し込むことにより、キャップ40Aの軸と、先端ノズル部48の軸aとを一致させたまま、図16Aに示すキャップ装着状態に至ることができる。このため、コネクタ18(図1参照)をキャップ40Aに接続する際のキャップ40Aの傾きを防止して、シール部材41の横ずれを防止することができる。すなわち、コネクタ18の接続に伴うシール部材41の固着の剥がれを防止することができる。
図13に示すように、回転防止凸部102は、当該回転防止凸部102の先端側を構成する先端凸部102aと、当該回転防止凸部102の基端側を構成する基端凸部102cと、当該回転防止凸部102の先端凸部102aと基端凸部102cとの間を構成する中間凸部102bとを有する。基端凸部102cの先端ノズル部48の周方向に沿った幅Wcは、先端凸部102aの先端ノズル部48の周方向に沿った幅Waよりも大きく、回転防止凸部102のうち少なくとも中間凸部102bは、基端方向に向かうに従って先端ノズル部48の周方向に沿った幅が大きくなる部分(傾斜ガイド部)を有する。また、先端ノズル部48の周方向において、2つの中間凸部102bの先端の先端幅はそれぞれ、対応する2つの先端凸部102aの幅Waと等しく、2つの第1柱部64と2つの第2柱部66の間の対応するそれぞれの幅よりも小さい。この構成により、シリンジ組立体12Cの組立工程においてキャップ40Aを先端ノズル部48に装着する際に、回転防止凸部102がキャップ40Aの第1柱部64と第2柱部66との間に挿入されやすい。従って、キャップ装着時の組立性を向上させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
例えば、2つの回転防止凸部はそれぞれ、その全体のほとんどが、2つの中間凸部、すなわち、傾斜ガイド部から構成されていてもよい。この場合、2つの中間凸部の先端に、先端ノズル部の軸に近づくように傾斜した傾斜面がそれぞれ設けられていてもよい。
Claims (17)
- シリンジの先端ノズル部に装着可能な筒状のキャップであって、
弾性を有し、前記先端ノズル部の先端開口を封止する板状のシール部材と、
前記シール部材を保持し、前記シール部材より硬質な筒状のカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記カバー部材の先端に設けられた基部と、前記基部から前記キャップの軸に沿って基端方向に延び、前記先端ノズル部を覆う筒状の装着部と、を有し、
前記基部は、前記シール部材を収納する収納部と、前記収納部と連通し、前記シール部材の先端面を露出させる貫通孔と、を有し、
前記装着部は、
前記収納部から基端方向に離間した位置に配置され、前記装着部の内周面から内方に向かって突出し、互いに対向する2つの爪部と、
前記装着部の周方向において前記2つの爪部の一方の両側に配置され、前記キャップの前記軸に沿って基端方向に延びる2つの第1柱部と、
前記装着部の周方向において前記2つの爪部の他方の両側に配置され、前記キャップの前記軸に沿って基端方向に延びる2つの第2柱部と、を有し、
前記装着部の外周部は、互いに反対方向を向くように、前記2つの第1柱部間及び前記2つの第2柱部間のそれぞれに配置された2つの外周切欠部を有し、
前記装着部のうち前記2つの外周切欠部が設けられた部分は、前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部よりも径方向の厚みが薄く、前記2つの外周切欠部の前記軸からの距離は、前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部の各外周面の前記軸からの距離よりも短く、
前記装着部の内周部は、前記2つの第1柱部と前記2つの第2柱部との間で、互いに対向するように配置され、前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部の内周面よりも径方向外側に向かって凹んだ2つの内周凹部を有する、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項1記載のキャップにおいて、
前記装着部の前記内周部は、互いに対向するように、前記2つの第1柱部間及び前記2つの第2柱部間のそれぞれに配置された2つの基端当接部を有し、
前記2つの基端当接部は、前記先端ノズル部の前記外周面に当接することにより、前記先端ノズル部に対する前記キャップの傾きを防止する、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項1又は2記載のキャップにおいて、
前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部の前記内周面は、前記先端ノズル部の前記外周面に当接することにより、前記先端ノズル部に対する前記キャップの傾きを防止する、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載のキャップにおいて、
前記基部は、前記収納部の基端に、前記先端ノズル部の前記外周面に当接することにより、前記先端ノズル部に対する前記キャップの傾きを防止する先端当接部を有する、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のキャップにおいて、
前記装着部は、前記2つの爪部の基端に、前記2つの外周切欠部を有する2つの第1側壁部と、前記2つの内周凹部を有する2つの第2側壁部とを有し、前記装着部の径方向における前記第1柱部及び前記第2柱部の厚みは、前記装着部の径方向における前記第1側壁部及び第2側壁部の厚みの1.25~3.0倍であることを特徴とするキャップ。 - 請求項5記載のキャップにおいて、
前記第1側壁部及び第2側壁部の前記厚みは、0.5~1.5mmである、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項5又は6記載のキャップにおいて、
前記第1柱部及び前記第2柱部の前記厚みは、0.7~2.5mmである、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項1~7のいずれか1項に記載のキャップにおいて、
前記2つの外周切欠部はそれぞれ、前記2つの爪部のそれぞれの先端から前記装着部の基端まで延びている、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項1~8のいずれか1項に記載のキャップにおいて、
前記2つの内周凹部はそれぞれ、前記装着部の先端から基端まで延びている、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項1~9のいずれか1項に記載のキャップにおいて、
前記基部は、前記収納部の内周面から突出し、且つ、前記キャップの前記軸に沿って延び、前記シール部材の外周面と嵌合する複数のリブを有し、
前記複数のリブのそれぞれは、その基端に、突出高さが基端に向かって漸減する傾斜部を有する、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項1~10のいずれか1項に記載のキャップにおいて、
前記2つの外周切欠部は、前記2つの第1柱部及び前記2つの第2柱部の外周面よりも径方向内側に向かって凹んだ2つの外周凹部である、
ことを特徴とするキャップ。 - 請求項1~10のいずれか1項に記載のキャップにおいて、
前記2つの外周切欠部は、前記キャップの軸に平行な2つの平坦部である、
ことを特徴とするキャップ。 - 先端ノズル部を有するシリンジと、前記シリンジの前記先端ノズル部に装着されたキャップとを備えたシリンジ組立体であって、
前記キャップは、請求項1~12のいずれか1項に記載のキャップであり、
前記先端ノズル部は、その外周面に係合凸部を有し、
前記装着部の前記爪部が前記係合凸部と係合することにより、前記先端ノズル部に前記キャップが装着されるとともに、前記シール部材で前記先端ノズル部の先端開口が封止されている、
ことを特徴とするシリンジ組立体。 - 先端ノズル部を有するシリンジと、前記シリンジの前記先端ノズル部に装着されたキャップとを備えたシリンジ組立体であって、
前記キャップは、請求項1~12のいずれか1項に記載のキャップであり、
前記シリンジは、前記先端ノズル部に対する前記キャップの周方向の回転を防止する2つの回転防止凸部を有し、
前記2つの回転防止凸部は、前記先端ノズル部の外周部から前記先端ノズル部の径方向外方に突出し、前記2つの第1柱部と前記2つの第2柱部の間にそれぞれ挿入され、前記2つの第1柱部の角部及び前記2つの第2柱部の角部にそれぞれ係合する、
ことを特徴とするシリンジ組立体。 - 請求項14記載のシリンジ組立体において、
前記シリンジは、前記先端ノズル部の周方向において前記2つの回転防止凸部の両側に隣接して前記先端ノズル部の外周部から径方向外方に突出し、前記2つの第1柱部の内面及び前記2つの第2柱部の内面にそれぞれ嵌合した4つの嵌合凸部を有する、
ことを特徴とするシリンジ組立体。 - 請求項14記載のシリンジ組立体において、
前記2つの回転防止凸部は、当該2つの回転防止凸部の先端側を構成する2つの先端凸部と、当該2つの回転防止凸部の基端側を構成する2つの基端凸部と、当該2つの回転防止凸部の前記2つの先端凸部と前記2つの基端凸部との間を構成する2つの中間凸部とをそれぞれ有し、
前記2つの基端凸部の前記先端ノズル部の周方向に沿った幅は、前記2つの先端凸部の前記先端ノズル部の周方向に沿った幅よりもそれぞれ大きく、
前記2つの回転防止凸部のうち少なくとも前記2つの中間凸部は、基端方向に向かうに従って前記先端ノズル部の周方向に沿った幅が大きくなる2つの傾斜ガイド部をそれぞれ有し、
前記2つの中間凸部の先端の前記先端ノズル部の周方向に沿った先端幅及び前記2つの先端凸部の前記先端ノズル部の周方向に沿った前記幅は、前記2つの第1柱部と前記2つの第2柱部の間の対応する前記先端ノズル部の周方向に沿った幅よりもそれぞれ小さい、
ことを特徴とするシリンジ組立体。 - 外周面に設けられた係合凸部と、先端開口とを有する先端ノズル部を備えたシリンジを準備し、
弾性を有する板状のシール部材を準備し、
前記シール部材より硬質な材料からなり、先端に設けられた基部と、前記基部からキャップの軸に沿って基端方向に延びる筒状の装着部と、を備え、前記基部が、前記シール部材を収納する収納部と、前記収納部と連通し、前記シール部材の先端面を露出させる貫通孔と、を有し、前記装着部が、前記収納部から基端方向に離間した位置に配置され、前記装着部の内周面から内方に向かって突出し、互いに対向する2つの爪部を有するカバー部材を準備し、
前記収納部に前記シール部材を収納した前記カバー部材の前記装着部内に、前記先端ノズル部を挿入し、
前記係合凸部が前記2つの爪部を先端方向に向かって乗り越えるまで、前記先端ノズル部を前記装着部内に押し込んで、前記先端ノズル部の先端開口をシール部材で封止するとともに、前記キャップを前記先端ノズル部に装着する、
シリンジ組立体の製造方法であって、
前記装着部は、前記装着部の周方向において前記2つの爪部の一方の両側に配置された2つの第1補強部と、前記装着部の周方向において前記2つの爪部の他方の両側に配置された2つの第2補強部と、前記2つの第1補強部間及び前記2つの第2補強部間のそれぞれに配置された互いに対向する2つの第1変形促進部と、前記2つの第1補強部と前記2つの第2補強部との間で、互いに対向するように配置された2つの第2変形促進部と、を有し、
前記係合凸部が前記2つの爪部を乗り越える際に、前記2つの第1変形促進部を径方向外方に変形させ、前記2つの第2変形促進部を径方向内方に変形させることにより、前記2つの爪部間の距離を前記係合凸部の外径と略一致させる、
ことを特徴とするシリンジ組立体の製造方法。
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