JP3707565B2 - 自動二輪車のステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スクータ型自動二輪車に好適のステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、スクータ型自動二輪車のステアリング装置として、従来、図48に示すものがある。これは、前輪401を軸支する左右一対のフォーク本体402,402の上端同士をブラケット403で固定し、該ブラケット403にステアリングシャフト404を固定するとともに、該シャフト404の上端にT型状のハンドル405を装着した構造のものである。このハンドル405は、ハンドル本体405aの中央下部に連結部405bを溶接してなるものであり、該連結部405bの下部をスリ割り状に形成して該連結部405bにステアリングシャフト404が挿入されボルト406で締め付け固定されている。なお、407はステアリングシャフ404を軸支するヘッドパイプであり、405cは溶接された補強ガセットである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のステアリング装置では、ハンドル本体405aの下側に前部車体カバー408の上面が位置し、ボルト406が内方に位置することから、ハンドル405の着脱作業を行うには前部車体カバー408を一旦取り外さなければならず、ハンドル回りの整備性が低いという問題がある。また上記従来構造では、ハンドル405の溶接部,ボルト取付け部等にブレーキケーブル類が接触して傷付き易いという問題もある。
【0004】
一方、本件出願人は、上述のT型ハンドルを大型スクータに採用することを検討している。しかしながら、従来タイプのものをそのまま大型車に採用するとハンドル廻りの剛性が不足する懸念がある。
【0005】
ここで、ハンドル廻りの剛性を高めるには、図49に示すように、左, 右フォーク本体410をアンダブラケット411を貫通させて上方に延長し、該各延長端及びステアリングシャフト412の上端をアッパブラケット413で固定するとともに、該アッパブラケット413にホルダ片414を介してハンドル本体415をボルト締め固定した構造を採用することが考えられる。しかしながら、上記フォーク本体を延長してハンドル廻りを補強する構造では、該構造の前部車体カバー内に占めるスペースが大きくなり、前部車体カバー内にトランク室や補機配置スペースを確保するのが困難になるという問題が生じる。
【0006】
本発明は上記従来の状況に鑑みてなされたもので、前部車体カバーを外すことなくハンドルの着脱作業を行うことができるとともに、ケーブル類の傷付きを回避でき、さらにはハンドル廻りの剛性を確保しながらトランク室や補機配置スペースを確保できる自動二輪車のステアリング装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前輪を支持するフロントフォークの上端にヘッドパイプで枢支され、かつ前部車体カバーで囲まれたステアリングシャフトを固定し、該ステアリングシャフトの上端部にハンドルを装着した自動二輪車のステアリング装置において、上記ステアリングシャフトの上端部を前部車体カバーから上方に突出させるとともに該上端部の外周面に雄テーパ面を形成し、ハンドルホルダをアッパホルダとアンダホルダとに分割し、該アンダホルダを、上記ハンドルを上記アッパホルダとでボルト締め固定するハンドル取付け座と、上記ステアリングシャフトの上端部が挿通されるステアリングシャフト取付孔を有する筒状の固定部とを一体形成したものとし、該固定部のステアリングシャフト取付孔の内周面に上記ステアリングシャフトの雄テーパ面に嵌合する雌テーパ面を形成し、該ステアリングシャフトの上端にナットを螺着して上記固定部を上記ステアリングシャフトに締め付け固定したことを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1において、前部車体カバーのステアリングシャフト貫通孔が、上記ヘッドパイプにステアリングシャフトを支持固定するためのナットより大径に形成されており、かつハンドルカバーの下面で覆われていることを特徴としている。
【0009】
【作用】
請求項1の発明では、ステアリングシャフトの上端部を前部車体カバーから突出するとともに、該突出部にハンドルホルダを装着したので、前部車体カバーを外すことなくハンドルの着脱作業を容易に行うことができ、ハンドル回りの組付け性,整備性を向上できる。またステアリングシャフトの上端に螺着したナットでハンドルホルダを締め付け固定したので、従来のような溶接部やボルト取付け部の横方向への出っ張りをなくすことができ、ケーブル類の接触による損傷を防止できる。
【0010】
さらに上記ハンドルホルダとステアリングシャフトとをテーパ嵌合し、該ハンドルホルダを上記ナットにより締結したので、嵌合面積を増大できる分だけ締結強度を向上でき、大型スクータに採用する場合に必要なハンドル廻りの剛性を確保できる。その結果、従来のフォーク本体を延長してアッパブラケットで固定する場合に比べて小型化でき、前部車体カバー内にトランク室や補機配置スペースを確保し易い。
【0011】
請求項2の発明では、前部車体カバーのステアリングシャフト貫通孔をステアリングシャフト支持固定用のナットより大径に形成したので、該ナットを締め付けたり,弛めたりする作業を上記貫通孔から容易に行うことができる。これにより前部車体カバーを外すことなくフロントフォーク,ステアリングシャフト全体を着脱することが可能となり、整備性,作業性をさらに向上できる。また上記貫通孔はハンドルカバーで覆われているので、外方から見えることもなく外観の悪化を防止できる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図に基づいて説明する。
図1ないし図47は、本発明の一実施例によるスクータ型自動二輪車を説明するための図であり、図1は自動二輪車の左側面図、図2は動力ユニットの懸架部分を示す左側面図、図3は図2のIII-III 線断面図、図4〜図6はそれぞれパイプの製造方法を説明するための工程図、図7はステアリング装置の左側面図、図8はハンドル取付け部分を示す断面図、図9〜図13はそれぞれ動力ユニットの平面図,左側面図,背面図、右側面図,一部断面平面図、図14〜図17はそれぞれラジエータの配置構造を示す左側面図,平面図,正面図,平面図、図18は車体カバーの正面図、図19はフロントフレームの左側面図、図20はラジエータの冷却構造を示す左側面図、図21はフロントカバーの断面側面図、図22はレッグシールドの背面図、図23はメインスイッチ部分の断面図、図24〜図26はそれぞれ収納装置を説明するための断面図、図27,図28はフートボートの平面図,断面図、図29,図30はサイドカバーの左側面図,断面背面図、図31,図32はグラブバーの断面図,側面図、図33はシート後部を示す一部断面図、図34はリアキャリアを示す左側面図、図35〜図39はそれぞれシート装置を説明するための斜視図,側面図,平面図,断面側面図,一部断面側面図、図40はフューエルリッドの分解斜視図、図41はガスダンパの動作を示す構成図、図42〜図45はそれぞれスタンド装置を説明するための平面図,左側面図,概略構成図,模式図、図46はシートヒンジブラケットの断面図、図47はスタンド本体の動作を示す概念図である。なお、本実施例の左右,前後とは乗車状態で見た左右,前後をいう。
【0013】
図において、1は本実施例のスクータ型自動二輪車であり、これは車体フレーム2の略中央下部にスイング式動力ユニット3を枢支するとともに、上部にシート4を搭載し、車体の周囲を車体カバー1aで囲んだ概略構造のものである。
【0014】
上記車体カバー1aは樹脂製のもので、フロントカバー6,及びレッグシールド7からなり、上記車体フレーム2のヘッドパイプ5の外周部を囲む前部車体カバー6´と、該レッグシールド7の下部に配設され足載部を構成するフートボード8と、該フートボード8の下面に配置されたアンダカバー9と、上記シート4の左, 右下方から上記動力ユニット3の上方を覆うサイドカバー10とを備えている。
【0015】
上記車体フレーム2は、以下の構造となっている。
上記ヘッドパイプ5の中央部には車体後方に斜め下方に延びる1本のメインフレーム11が接続されている。該メインフレーム11の下端には左, 右一対のサイドフレーム12,12の前端が接続されており、該各サイドフレーム12は車体後方に斜め下方に延びた後、後方に略水平に直線状に延びている。
【0016】
また上記へッドパイプ5のメインフレーム11より下部には左, 右一対のダウンチューブ13,13の前端が接続されている。この各ダウンチューブ13は車体後方に下方に延びる傾斜部(前側部)13aと、該傾斜部13aの下端から後方に略水平に直線状に延びる直線部(下側部)13bと、該直線部13bの後端から斜め上方に延びる屈曲部13cとから構成されている。
【0017】
上記各サイドフレーム12の後端部12aと、上記各ダウンチューブ13の屈曲部13cとは懸架ブラケット14により一体に接続固定されている。この各懸架ブラケット14には後方に略直線状に延びるリアフレーム15の前端が接続されており、該リアフレーム15の上面には該フレーム15の前端から後方斜め上方に延びた後、略垂直下方に延びる支持パイプ16が接続されている。
【0018】
上記左, 右の懸架ブラケット14の上部間には平面視で大略U字状をなす懸架リンク17が架設されており、該懸架リンク17の左右アーム部17a,17aは上記懸架ブラケット14にゴムダンパ18を介在させてボルト19で締結されている。この懸架リンク17の基部17bに上記動力ユニット3がピボット軸20により上下揺動可能に枢支されており、該ピボット軸20と懸架リンク17との間にはゴムブッシュ21が圧入されている。
【0019】
また上記懸架ブラケット14とピボット軸20の右端部とは1本のコンプレッションロッド22で連結されている。このコンプレッションロッド22は棒部材22aの両端に円筒部材22b,22cを接続したもので、一方側の円筒部材22bは上記懸架ブラケット14の下部にボルト23で固定されており、他方側の円筒部材22cは上記ピボット軸20に固定されている。上記懸架ブラケット14のボルト23,19間に上記サイドフレーム12の後端部12aが接続されており、このサイドフレーム12の接続により前後方向力に対する剛性の向上を図っている。また上記各円筒部材22b,22cとボルト23,ピボット軸20との間にはゴムブッシュ24が介設されており、該ゴムブッシュ24の半径方向中央には周方向に延びる空隙部24aが形成されている。これにより加減速時等の入力に応じてばね定数が変化し、防振性の向上を図りながら、駆動,制動によるエンジン挙動の防止を図っている。
【0020】
上記サイドフレーム12とダウンチューブ13の屈曲部同士は縦パイプ25により接続されており、また左右サイドフレーム12の屈曲部同士,及び直線部同士は横パイプ26により接続されている。この縦パイプ25はプレスにより打ち抜き形成された平板25´を筒体に成形して製造されたものである。
【0021】
即ち、図4〜6に示すように、上記縦パイプ25の周方向展開寸法(周長)aを有する平板25´を用意し、上記サイドフレーム12,ダウンチューブ13と縦パイプ25との当接面bを展開した形状b´となるように平板25´の図示左,右端部を打ち抜き、この平板25´を円筒体に成形した後、突き合わせ部25a´,25a´同士を溶接して製造されたものである。また上記縦パイプ25には治具孔25b,水抜き孔25cが形成されており、この各孔25b,25cは上記平板25´の両端部の打ち抜きと同時に形成したものである。なお、平板25´として上記周長aより幅の広い板を用意し、これを上記左,右端部打ち抜きと同時にa寸法に打ち抜いても勿論かまわない。また上記横パイプ26も縦パイプ25と同様にして製造されたものである。
【0022】
次に本実施例のステアリング装置について説明する。
上記ヘッドパイプ5にはステアリングシャフト30が挿入されている。該ステアリングシャフト30は上記ヘッドパイプ5の上下端に配設された軸受31,31により軸支されており、上側の軸受31はステアリングシャフト30に螺着されたダブルナット32により締め付け固定されている。また上記ステアリングシャフト30の下端にはフロントフォーク33が固定されており、該フロントフォーク33の下端で前輪34が軸支されている。
【0023】
上記ステアリングシャフト30の上端には操向ハンドル35が装着されている。この操向ハンドル35はアンダホルダ36aとアッパホルダ36bとからなる上下2分割式のハンドルホルダ36に大略U字状のハンドル本体37をボルト締め固定して構成されている。上記アンダホルダ36aはステアリングシャフト30の上部が挿通される筒状の固定部36cにハンドル取付け座36dを一体形成したもので、該固定部36cのステアリングシャフト取付孔38の上部内周面には雌テーパ面38aが形成されている。また上記ステアリングシャフト30の上端部外周面には上記雌テーパ面38aに嵌合する雄テーパ面39が形成されており、半球状の結合キー40で廻り止めされている。そして上記ステアリングシャフト30の上端にはナット41が螺着されており、該ナット41により上記アンダホルダ36aは締め付け固定されている。なお、40aはキー挿通溝である。
【0024】
また上記ステアリングシャフト30の上部はレッグシールド7の上合面に形成された貫通孔42を挿通してハンドルカバー43内に突出している。該貫通孔42は上記ダブルナット32より大径に形成されており、かつ若干の隙間aをあけてハンドルカバー43の下面で覆われている。なお、ハンドルカバー43は、正面視で上記ハンドル本体37に沿った略U字状をなしている。
【0025】
上記操向ハンドル35の右, 左グリップ44にはそれぞれ前輪ディスクブレーキレバー(図示せず),後輪ドラムブレーキレバー45が装着され、また左グリップ44にはホーン,ターンシグナル等のハンドルスイッチ46が装着されている。このうち前輪ブレーキホース,ハンドルスイッチリード線等はハンドルカバー43内に配索されている。上記後輪ブレーキケーブル47はハンドルカバー43の外側に配索されており、該ハンドルカバー43の外側前方を通ってフロントカバー6内のダウンチューブ13に沿って配索されている。また上記後輪ブレーキケーブル47は上記ダウンチューブ13の傾斜部13aの下部,及び直線部13bの後部に装着されたガイドクランプ(図示せず)で前後動自在に支持されており、さらに延長端部は上記動力ユニット3の前端部に固定されている。このように後輪ブレーキケーブル47をハンドルカバー43の外側に配索することにより、局部的な屈曲を避けてケーブル47の曲げRを大きくとることができ、ブレーキ操作時の摺動抵抗を小さくできる。またハンドルカバー43をコンパクにすることができるので、外観の向上を図ることができるとともに、後述するフロントカバー6に配置された各種メータ類の視認性を向上できる。また上記後輪ブレーキケーブル47をダウンチューブ13に沿って配索するとともに、後端部を動力ユニット3に固定したので、該ユニット3の上下揺動により生じるケーブルの前後移動を円滑に吸収することができる。
【0026】
上記スイング式動力ユニット3はエンジン本体50にVベルトドライブ式無段変速装置51を一体的に接続したもので、該動力ユニット3の後端部に後輪52が軸支されている。また上記動力ユニット3の後端部にはリヤクッション53の下端が軸支されており、該リヤクッション53の上端は上記リヤフレーム15に取付けブラケット54を介して軸支されている。
【0027】
上記エンジン本体50はこれの気筒軸を前方に傾斜させた水冷式4サイクル単気筒エンジンであり、これはクランクケース55にシリンダブロック56,シリンダヘッド57を積層してボルトで締結し、上記シリンダブロック56のシリンダボア内にピストン58を摺動自在に挿入するとともに、該ピストン58をコンロッド59でクランク軸60のクランクピン61に連結した構造のものである。上記シリンダヘッド57の合面に形成された燃焼凹部57aには吸気ポート62,排気ポート63が開口しており、該各開口にはこれを開閉する吸気バルブ64,排気バルブ65が配設されている。この吸気バルブ64,排気バルブ65の上端にはこれを押圧駆動するカム軸66が配置されており、該カム軸66はタイミングチェーン67を介して上記クランク軸60で回転駆動される。なお、68は上記タイミングチェーン67の張力を自動調整するオートテンショナである。
【0028】
また上記シリンダヘッド57の下壁の排気ポート63には排気管48が接続されており、該排気管48は車体右側部に導出されここから後方に延びており、後端にはマフラ(図示せず)が接続されている。さらにシリンダヘッド57の上壁の吸気ポート62には吸気管を介してキャブレタ49が接続されており、該キャブレタ49はシリンダブロック56の上壁に固定されている(図14,図15参照)。このキャブレタ49には車体左側部の伝動ケース上に配置されたエアクリーナ(図示せず)が接続されている。
【0029】
上記クランク軸60の右側端部には発電機69が装着されており、左側端部には上記無段変速装置51の駆動プーリ70が装着されている。上記発電機69の内側にはリングギヤ71がワンウエイクラッチ(図示せず)を介して装着されており、該リングギヤ71には上記クランクケース55の上面に配置されたスタータモータ72の出力ギヤ72aが減速ギヤ73を介して噛合している。
【0030】
上記クランクケース55内の下部には冷却水ポンプ駆動軸74が、また該駆動軸74とクランク軸60との間にはオイルポンプ駆動軸75がそれぞれクランク軸60と平行に配置されている。該クランク軸60のリングギヤ71の内側にはドライブギヤ76が装着されており、該ドライブギヤ76は上記駆動プーリ70の反対側に位置している。このドライブギヤ76にはアイドラギヤ77を介して冷却水ポンプ駆動ギヤ78が噛合しており、該アイドラギヤ77には上記オイルポンプ駆動軸75が固定されている。そしてオイルポンプ79は上記駆動プーリ70と反対側のクランクケース55内の中央下部に配設されており、冷却水ポンプ80は駆動プーリ70側のクランクケース55の下部外壁に配設されている。
【0031】
上記クランク軸60の右側軸受81とクランクウェブ60aとの間には潤滑油の不浄物を濾過するロータリフィルタ82が装着されている。また上記クランク軸60の右側部分には、軸方向に延びるメインオイル通路83と、該メインオイル通路83の内端から半径方向に延び上記ロータリフィルタ82の入口に連通する第1オイル通路84と、該ロータリフィルタ82の出口からクランクピン61に向かって斜めに延びる第2オイル通路85とが形成されている。
【0032】
上記エンジンユニット50の潤滑油経路は以下の構造となっている。
上記クランクケース55の下部に形成されたオイルパン86からオイルポンプ79により吸引された潤滑油は、クランクケース55に一体形成されたメインギャラリ87に圧送され、ここからクランク軸経路,カム軸経路に分岐される。該クランク軸経路では、上記メインギャラリ87からクランクケース55の内壁に一体形成されたオイル通路89,及び該ケース55の右合面に装着されたクランクケースカバー88の外壁に一体形成されたオイル通路90a,90bを通ってオイル室90cに圧送される。そしてオイル室90cからクランク軸60のメインオイル通路83,第1オイル通路84を通ってロータリフィルタ82に圧送され、ここから第2オイル通路85を通ってクランクピン61から大端部,ピストン摺動面等に供給され、この後オイルパン86に回収される。また、上記カム軸経路では、上記メインギャラリ87からシリンダヘッド,シリンダをクランクケースに固定するヘッドボルトの挿通孔(図示せず)を通ってシリンダヘッド57の潤滑油孔91aからオイル室91bに圧送される。そしてオイル室91bからカム軸66の軸心及び軸直交方向に連通形成されたオイル孔66a,66bを通ってカム摺動面等に供給されるとともに、カム軸66の軸受92等を通ってタイミングチェーン室93に供給され、この後オイルパン86に回収される(図12,図13の→印参照)。
【0033】
上述のようにロータリフィルタ82をクランク軸60のクランクウェブ60aと右側軸受81との間に配置したので、該フィルタ82からクランクピン61への第2オイル通路85を径方向に延びる1つの直線孔により形成することができ、オイル通路の加工本数の削減を図ることができ、加工コストを低減できる。ちなみに従来は、ロータリフィルタを軸受の外側に配置しており、このため該フィルタとクランクピンとを連通するオイル通路として、軸方向に延びる孔と径方向に延びる孔との2本が必要があった。
【0034】
上記クランクケース55は左右2分割構造のもので、左側クランクケース55aには伝動ケースの内壁面を構成する伝動ケース本体94が一体形成されている。該ケース本体94の合面には伝動ケースの外壁面を構成する伝動ケースカバー95がボルト締め固定されており、これによりベルト室Vが形成されている。このベルト室Vの前部に上記駆動プーリ70が、また後部に従動軸96で支持された従動プーリ97が配置されており、両プーリ70,97間にはVベルト98が巻回されている。上記駆動プーリ70の内側シーブ70aはウエイト99に作用する遠心力により軸方向に移動するようになっている。また上記従動軸96の左側部には遠心クラッチ100が装着されており、該従動軸96には中間軸101を介して後輪軸102が連結されている。
【0035】
側面視で見ると上記伝動ケース本体94,及び伝動ケースカバー95の両プーリ70,97間部分bはVベルト98の配設に必要なサイズより上方,下方に膨出形成されており、これによりVベルト98が上下振れを生じてもケース内壁に当たることはなく、ばたつき音を防止するとともに接触による損傷を防止している。
【0036】
上記伝動ケースカバー95の外側にはケース内で生じる騒音の外方発散を抑制する樹脂製ケースカバー104が装着されている。該樹脂製ケースカバー104は前側カバー105と後側カバー106との2分割構造のものである。上記伝動ケースカバー95の前部には駆動プーリ70側にへこむ凹部95aが形成されており、該凹部95aと前側カバー105の前部とで形成された空間がクリーナボックス107となっている。また上記伝動ケースカバー95の凹部95aにはクリーナボックス107からベルト室V内に冷却風を導入する取入口103が形成されており、該取入口103の周縁部と上記前側カバー105との間にエレメント108が挟持された状態に配設されており、前側カバー105と凹部95aとはボルト締め固定されている。
【0037】
上記前側カバー105の後端部は、後側カバー106の前部外側を覆うように後方に延長されている。該延長部の後端には上記クリーナボックス107内に冷却風を導入する吸引口109が一体形成されており、該吸引口109の開口縁には二股状のねずみ返し部109aが一体形成されている。また吸引口109の開口には複数のリブ105aが上下方向に間隔をあけ、かつ下向きに傾斜させて配設されており、該リブ105aは上記前側カバー105に一体形成されている。これにより上記吸引口109からクリーナボックス107内に水,ほこり等が進入するのを防止している。
【0038】
上記車体フレーム2の前部にはラジエータ116が配設されている。このラジエータ116はコア部116aの左右側部にタンク部116bを配置するとともに後面に電動ファン117を配置した構造のものである。上記ラジエータ116は、上記左, 右のダウンチューブ13の傾斜部(縦辺部)13aの後側で、かつ後述するフートボード8のセンタトンネル8aの前部内に配置されており、またラジエータ116の各タンク部116bが車体正面視で上記傾斜部13aとラップするように配置されている。
【0039】
上記右側タンク部116bの上面に給水ホース118の下端が接続されており、該給水ホース118の上端の給水口118aは上記ヘッドパイプ5の左側部に配置されており、該給水口118aにはラジエータキャップ119が装着されている。また上記左側タンク部116bの下端には冷却水供給ホース120の前端が接続されており、該供給ホース120の後端は上記冷却水ポンプ80の吸引口に接続されている。上記シリンダヘッド57の上面中央部に形成された冷却水排出口にはサーモスタット80aを介設してリターンホース121の後端が接続されており、該ホース121の前端は右側タンク部116bの上端に接続されている。なお、122は冷却水補充用のリカバリタンクであり、これは右側ダウンチューブ13の直線部13b上に配置固定されている。
【0040】
また、上記シリンダヘッド57の上面右側部に形成された冷却水排出口には上記キャブレタ49に冷却水の一部を供給する冷却ホース123が接続されており、これによりアイシングによるキャブレタの作動不良を防止している。また該キャブレタ49の前面中央部には冷却水の戻りホース124が接続されており、該戻りホース124は上記リターンホース121の上流端に接続されている。そして上記キャブレタ49の冷却水通路(図示せず)の途中にはエア抜きスクリュウ115が挿着されており、該スクリュウ115はラジエータ116等の全冷却水通路の最上部に位置している。
【0041】
上記エンジンユニット50の冷却水経路は以下の構造となっている。
冷却水ポンプ80によりラジエータ116から吸引した冷却水は、シリンダブロック56の下面から該ブロック周壁に形成されたウオータジャケット(図示せず)に供給され、ここからシリンダヘッド57に形成されたウオータジャケットに供給される。このウオータジャケットを通った冷却水はシリンダヘッド57の冷却水排出口からサーモスタット80aを経てリターンホース121からラジエータ116のタンク部116bに戻され、コア部116aで冷却された後、再び冷却水ポンプ80で吸引される。一方、上記シリンダヘッド57からの冷却水の一部は冷却ホース123からキャブレタ49内の冷却水通路に供給され、スロットル弁(図示せず)等の周囲を回って戻りホース124から上記リターンホース121に排出される。
【0042】
次に、本実施例の車体カバー1aについて詳細に説明する。
上記前部車体カバー6´を構成するフロントカバー6の前面左, 右側部には走行風導入開口125が形成されており、該開口周縁は車体後方に折り曲げられており、これにより筒状の延長部125aが形成されている。この延長部125aはフロントカバー6の下部の剛性を向上する補強部材としても機能している。
【0043】
また上記フロントカバー6内の上記導入開口125に臨む部分にはインナフェンダ126が配設されており、該インナフェンダ126は、下部ブラケット129,フロントフレーム131等に固定されている。
【0044】
上記インナフェンダ126は、左右側壁126aと天壁126bとからなるトンネル状のもので、上記天壁126bの前縁は上記延長部125aの上側に位置し、後部はラジエータ116に向けて下方に湾曲形成されている。該天壁126bの下端にはアンダカバー9の上方延長部9dが続いており、該上方延長部9dには導入口9eが形成されている。これにより上記インナフェンダ126及び上方延長部9dは上記導入開口125から導入された走行風をラジエータ116のコア部116aに向けて案内する導風機能と、雨水,泥等がフロントカバー6内に侵入するのを防止する泥除け機能を果すようになっている。
【0045】
また上記フロントカバー6の下方には前輪34の上方を覆う可動フェンダ34aが位置しており、上記走行風導入口9eは前輪34の後方に隠れている。上記可動フェンダ34aの上面中央部には下向きのフェンダ凹部34bが形成されており、上記フロントカバー6下面の上記フェンダ凹部34bに対向する部分には上向きのフロント凹部6bが形成されている。これにより上記フロント凹部6bとフェンダ凹部34bとで走行風導入する導入通路Aが形成されており、該通路Aは上記インナフェンダ126,アンダカバー9の上方延長部9dとで走行風をラジエータ116に導入するようになっている。
【0046】
上記インナフェンダ126の下方でかつ走行風導入開口125に対向する位置にホーン127が配置されている。該ホーン127は支持部材128に取付けられており、該支持部材128は上記インナフェンダ126の天壁126bを貫通してヘッドパイプ5に溶接された下部ブラケット129に固定されている。これによりホーン音は上記導入開口125から前方に発音するようになっている。
【0047】
また、図20に示すように、上記アンダカバー9の底面9dのラジエータ116の後側部分には冷却風排出口9bが形成されている。また上排気口9bの後縁から導風壁9cが上記ラジエータ116の上部に向かって斜め上方に傾斜しつつ延びており、該導風壁9cは上記ラジエータ116からの冷却風を上記排出口9bに案内するように機能する。これによりラジエータ116に供給された走行風はアンダカバー9の底面9dと路面との間に生じる負圧によって吸引され、上記排出口9bから外方に放出される。
【0048】
上記ヘッドパイプ5の上部には前方に突出する上部ブラケット130が、下部には上記下部ブラケット129が溶接により固定されており、該両ブラケット129,130には鋼管製のフロントフレーム131が固定されている。このフロントフレーム131は側面視で大略C字状に屈曲形成された前フレーム132と、該前フレーム132に接続された後フレーム133とからなり、該フロントフレーム131に上記フロントカバー6がボルト締め固定されている。
【0049】
上記フロントカバー6の上縁6cは車体前方から見て大略U字状をなすように起立形成されており、該上縁6cの外側にはこれに沿って乗員の前方を覆うウインドシールド134の下縁134aがボルト134bにより固定されている。また上記フロントカバー6の前端中央に形成された開口6dにはヘッドライト135が、左, 右上端部に形成された開口6eにはフラッシャライト136,136がそれぞれ装着されており、この各ライト135〜136は上縁6cの下部に沿って配置されており、フロントカバー6にボルト締め固定されている。
【0050】
上記ウインドシールド134,及び各ライト135〜136は、フロントカバー6のフロントフレーム131への固定部131a,131bに近接して配置されており、また該フロントカバー6の各部品の取付け部,及びその周囲は図示していないが他の部分より厚肉に形成され、さらにリブ等が一体形成されている。このようにウインドシールド134,各ライト135,136,及び機器類137等の各部品をフロントカバー6に直接固定し、該カバー6をフロントフレーム131に固定するとともに、上記各部品の近傍にフロントカバー6の固定部を配置した構造となっている。これにより各部品の重量をフロントカバー6,フロントフレーム131で分散させて支持することができ、強度,剛性を確保できる。また上記各部品をフロントカバー6に直接固定したので、該部品とフロントカバー6との合わせ面を精度良く合わせることができ、外観及び組み付け性を向上できる。即ち、従来は、上記重量物である各部品はフレームに固定するのが一般的である。このため該フレームにフロントカバーを装着する際の取付け誤差により各部品とフロントカバーとの合わせ面がずれ易く見栄えが悪化するという問題があり、また組付け作業に手間がかかるという問題があった。
【0051】
上記フロントカバー6の上縁6cとヘッドライト開口6dの上縁との間には人の手が挿入可能な大きさのメンテナンス開口140が形成されており、また上記上縁6cの左, 右下縁部分には該開口140より小さいメンテナンス開口141,141がそれぞれ形成されている。そして上記フロントカバー6の前面には帯板を大略U字状に屈曲成形してなるメンテナンスカバー(トリムカバー)142が着脱可能に装着されている。このメンテナンスカバー142により上記各メンテナンス開口140,141、及び上記ウインドシールド134の下縁134aの各ボルト134bは覆われている。ここで、上記ヘッドライト135のバルブ交換,各メータ類の結線,メータワイヤの取り替え,等のメンテナンスを行うには、メンテナンスカバー142を外し、メンテナンス開口140,141から手や治具を挿入して行う。またエーミングはフロントカバー6の下面から手を差し入れて行うこととなる(図21参照)。
【0052】
上記フロントカバー6の後面には上記レッグシールド7がヘッドパイプ5の上部ブラケット130等に固定されて装着されており、該レッグシールド7は、収納部を構成する縦壁部7aと該縦壁部7aの下端から斜め下方に延びるトンネル部7bと該トンネル部7bの下端から左, 右側方に延び、足載部の一部を構成するフート部7c,7cとから構成されており、上記トンネル部7b内に上記メインフレーム11,及び左右サイドフレーム12の接続部分が位置している。
【0053】
上記縦壁7aの上端にはインナパネル7hが接続されており、該インナパネル7hと縦壁7aとの境界部に上記貫通孔42が形成され、またインナパネル7hにスピードメータ,タコメータ等の機器類137が配設されている。
【0054】
また上記縦壁7aの上端略中央部には取付け座7dが垂直面をなすように凹設されており、該取付け座7dにメインスイッチ150が配設されている。図23(a),(b)に示すように、上記取付け座7dには挿入孔7eが形成されており、該挿入孔7eの周縁には車体前方に延びる一対の係合片7fが一体に突出形成されている。上記メインスイッチ150はキーシリンダ150aと、該シリンダ150aのオン・オフ位置等を表示するスイッチキャップ151とからなり、上記キーシリンダ150aの後端部は上記ヘッドパイプ5の上部ブラケット130により支持されており、従ってキーシリンダ150aは上記レッグシールド7と共通のブラケットに固定されている。
【0055】
上記スイッチキャップ151は、円筒体151aの前端にフランジ部151bを一体形成するとともに、円筒体151aの後端に一対の突起片151cを一体形成した構造のものである。該スイッチキャップ151はフランジ部151bの内周を上記キーシリンダ150aの前部に一体形成された嵌合部150bに嵌合させるとともに、上記円筒体151aに軸方向に延びるように形成された係合スリット151d内に軸方向に延びるよう形成された突起条150cを係合させることにより周方向に位置決め固定されている。そして上記フランジ部151bは取付け座7dの挿入孔7eの周縁に当接しており、上記突起片151cは取付け座7dの係合片7fに係合している。これにより上記スイッチキャップ151はこれの軸心が取付壁7dに垂直となるように該取付け座7dに固定されており、かつ軸方向への移動が規制されている。
【0056】
また、上記スイッチキャップ151のフランジ部151bには、キースイッチの位置を示すON,OFF,OPEN,LOCKの文字が表示されている。本実施例スクータは、キースイッチをON位置に回動するとヘッドライトが点灯する常時点灯方式を採用し、かつOPEN位置に回動するとシートロックが解除されるようになっている。そしてキースイッチをOPEN位置に回動した後、手を離すとキースイッチはOFF位置に自動復帰するようになっている。従って本実施例ではシートを開いた時はヘッドライトは自動的に消灯するので、消灯忘れによるバッテリあがりを防止できる。
【0057】
上記レッグシールド7には収納装置が設けられている。この収納装置は、該レッグシールド7の縦壁7aの車幅方向中央部から右側部分を車体前方に膨出することにより箱状のトランク凹部152を一体形成するとともに、上記縦壁7aの左側部分を切り欠いてトランク開口153を形成し、該トランク開口153に別途形成されたトランク部材154を配設して構成されている。
【0058】
上記トランク凹部152の車体前方に位置する前壁152aの左端部は上記ヘッドパイプ5の後側を囲むように湾曲形成されており、天壁152bの中央部は上記メインスイッチ150の下側を囲むように湾曲形成されている。また上記トランク凹部152の底壁152cには挿通孔152dが形成されており、該トランク凹部152内には挿通孔152dを挿通して上述のラジエータ116のキャップ119を有する給水口118aが臨んでいる。この挿通孔152dにはキャップ155が着脱可能に配設されており、該キャップ155はこれの下縁を軸方向に切り欠いて形成された係合爪155aを上記挿通孔152dの周縁に係合させることにより装着されている。
【0059】
上記トランク部材154の開口は上記トランク開口153より大きく形成されており、該開口の下縁154aは上記トランク開口153の下縁より下方に、また上縁154bはトランク開口153の上縁より上方に位置し、さらに左縁154eはトランク開口153の左縁より外側に位置している。また上記トランク部材154の開口周縁にはフランジ部154cが一体形成されており、該フランジ部154cには周方向に沿って複数のボス154dが一体形成されている。このボス154d内には上記レッグシールド7の裏面に一体形成された突起部156が嵌合挿入され、その先端部が溶着されており、これによりトランク部材154はレッグシールド7に固定されている。また上記トランク部材154の右端縁は上記トランク凹部152の左端縁に上記突起部156を溶着することにより接合されており、これによりトランク部材154とトランク凹部152とは連通し、かつ一体に接続されている。
【0060】
上記トランク凹部152の開口及びトランク開口153には両開口を開閉するリッド157が配設されている。このリッド157は、これの下縁をヒンジ158を介してトランク凹部152の開口下縁,及びトランク開口153の下縁に回動自在に支持するとともに、上記リッド157の中央上端部にロック部材159を配設したものである。このロック部材159は、図26に示すように、キーシリンダ159aをホルダ159bとナット160で上記リッド157に締め付け固定した構造のものである。また上記トランク凹部152にはこれの天壁152bを下側に屈曲形成してなる係合部152fが形成されており、また該係合部152fの後部には切り欠き孔を介して半円状の支持凹部152gが形成されている。そして上記係合部152fに上記キーシリンダ159aのロック爪159cが係脱可能に係合しており、上記支持凹部152gによりキーシリンダ159aは周方向の動きが規制されている。
【0061】
このように上記収納装置では、キー付きリッド157が配設されたトランク凹部152内にラジエータ116の給水口118aを配置したので、いたずらを防止できるとともに、冷却水の注水作業を容易に行うことができる。ちなみに、従来のように、車体カバー内に給水口を配置する場合は、給水するたびに車体カバーを取り外す必要があり、手間のかかる作業となる。また車体カバーにリッドを配置する場合は、いたずら防止用のキーを別途設ける必要があり、コストが上昇するとともに、リッドが外方から見えることから見栄えが悪いという問題がある。さらにトランク凹部152を構成するレッグシールド7,及びラジエータ116の給水ホース118とも車体フレーム2に固定したので、給水口118aとトランク凹部152の挿通孔152dとの位置精度を向上できる。
【0062】
上記レッグシールド7の下端には上記フートボード8の前端が接続されており、該フートボード8の下面には上記アンダカバー9が接続されている。上記フートボード8は、上記レッグシールド7のトンネル部7b,及び左右のフート部7c,7cに続いて後方に直線状に延びるトンネル部8a,及びフート部8b,8bを一体形成してなり、このトンネル部8a内に左右サイドフレーム12が配置されており、上記両フート部8bの下方にダウンチューブ13の直線部13bが配置されている。
【0063】
上記フートボード8の右側フート部8bの前後方向中央部には、該フート部8bを下方に膨出してなる箱状の収納凹部161が一体形成されている。この収納凹部161の上面開口には蓋部材162がフック163に係脱することにより開閉可能に配設されており、該蓋部材162はフート部8bと面一に形成されている。上記収納凹部161内の中央部にはバッテリ164が、前部にはヒーズ等の電装部品165が、後部には上述のリカバリタンク122の注入口122aが配置されている。また上記フート部8bの上面には足載マット(図示せず)が敷設されており、該マットにより上記蓋部材162は覆われている。
【0064】
このように上記収納凹部161内にバッテリ164,電装部品165,及びリカバリタンク122の注入口122aを集中して配置したので、点検整備を容易に行うことができる。また上記フート部8bの蓋部材162はマットで覆われているので、外方から見えないので外観を向上できるとともにいたずらを防止できる。さらにフート部8bに収納凹部161を一体形成したので、該部分の剛性を向上できる。また収納凹部161内にリカバリタンク122の注入口122aのみを配置し、本体部は収納凹部161の外方に位置させたので、収納凹部161及び蓋部材162を小さくできる。なお、従来は、バッテリ,電装部品等を車体カバー内に個別に分散させて配置しており、点検作業を行うごとにカバー類を脱着する必要があり、手間のかかる作業となっていた。
【0065】
また、上記フートボード8のトンネル部8aの中央部には物入開口166が切り欠き形成されており、該開口周縁には段落ち状のフランジ部166aが一体形成されている。この開口内には別途形成された物入れ箱167が着脱可能に挿入配置されており、該物入れ箱167の上縁に一体形成されたフランジ部167aはボルト167bによりフートボード8及びサイドカバー10と共締め固定されている。上記物入開口166にはリッド168が開閉自在に配設されており、該リッド168の前縁はヒンジ結合されており、後部にはキー付きロック部材168aが装着されており、さらに上記リッド168はトンネル部8aと面一になっている。
【0066】
上記物入れ箱167を取り外すことにより、物入開口166から手を差し入れてエンジンユニット50,ラジエータ116の電動ファン117等の整備を行うことができる。また物入れ箱16とサイドカバー10とが共締めされているので部品点数が少なくて済む。
【0067】
上記フートボード8の後端にはサイドカバー10の前端が接続されている。該サイドカバー10の上部には上記シート4が配設されており、該シート4は、後述するように前部座席4aと該前部座席4aより一段高い後部座席4bとからなり、底板4cにクッション4dを配置し、該クッション4dを表皮4eで覆った構造のものである。上記サイドカバー10は左,右一対の下部サイドカバー170と、左右一体型の上部サイドカバー171と、左右一体型の前部サイドカバー172とで構成された3分割構造のものである。上記下部サイドカバー170は動力ユニット3の左右側方を覆うとともに後輪52の上方を覆っており、該下部サイドカバー170と上部サイドカバー171の前部間には後部乗員の足載部170aが位置している。上記上部サイドカバー171はシート4の後部座席4bの下方を覆うように斜め上方に延びており、該上部サイドカバー171の後端面にはテールランプ,ストップランプ,フラッシャランプを一体化した標識ライト171aが配設されている。また上記前部サイドカバー172は上記シート4の前部座席4aの下方を覆っており、フートボード8と共締め固定されている。
【0068】
また上記サイドカバー10内の後部座席4bの下方には収納ボックス174が配設されている。この収納ボックス174はヘルメット等が収納可能な大きさ,形状からなるもので、上記リヤフレーム15間に架け渡してボルト締め固定されており、該収納ボックス174の開口縁部174aは上記シート4の底板4cで覆われている。この開口縁部174aに臨む底壁4c部分は上方に凸状に膨出形成されており、これによりヘルメット頂部の逃げスペースを確保している。
【0069】
上記上部サイドカバー171の上縁部には、図30(a)に示すように、前後方向に延び、かつ車体前方に前下がりに傾斜し、シート側縁部4dが進入する凹状溝175が一体形成されている。この凹状溝175は、該サイドカバー171の外面をなす外側面175aの上端から下方に屈曲形成され、さらに上記収納ボックス174の開口縁部174aの上方を囲むシール部(内側壁)175cが一体に延長形成されている。このシール部175cの上面には上記シート4の底板4cに装着されたウエザーストリップ176が当接しており、これによりシート4と上部サイドカバー171との間,及び収納ボックス174との間はシールされている。そして上記凹状溝175の外側壁部175bは上記シート4の長手方向中央部から後部にかけて該シート4の側縁部4d外方を覆っており、該側縁部4dの下端は凹溝部175b内に位置している。また上記凹状溝175の内側壁175dは上記収納ボックス174の開口縁部174aの外方を覆っている。
【0070】
図30(b),図33に示すように、上記上部サイドカバー171の後部にはアルミダイキャスト製のグラブバー173が配設されている。このグラブバー173は後部座席4bの左右側部及び後端面を囲む大略コ字状のもので、上述の凹状溝175の一部分を構成する外側壁173bとこれの下端から内方に屈曲して延びる底壁173cとを有し、外側面173aはサイドカバー171の外側面175aと連続面をなしている。左右の外側壁173bの後端部間にはクロスメンバ173dが一体に接続形成されている。上記外側壁173bの前部に一体形成された底壁173cは支持パイプ16の前後方向中央部にブラケット176を介してボルト締め固定されている。また上記クロスメンバ173dの左右端部は上記支持パイプ16の後端部にブラケット178を介してボルト締め固定されており、該クロスメンバ173dの車幅方向中央には上記シート4のロック装置179が固定されている。
【0071】
上記上部サイドカバー171のグラブバー173との重なり部分は内側に凹設されており、これにより上部サイドカバー171の外面とグラブバー173の外面とは連続面をなすように面一となっている。また上記グラブバー173の外側壁173bは上記シート4の側縁部4dを覆っており、該側縁部4dの下端は上記底壁173cに対向している。
【0072】
上記グラブバー173の外側壁173bの後端部には、図31,図32に示すように、ヘルメットホルダ180が一体形成されており、該ホルダ180は上記外側壁173bを一部切り欠いて形成されたものである。このホルダ180にヘルメット181の止め金181aを装着することにより、盗難の防止を図りながら、雨水の侵入を回避できるとともにサイドカバー10への傷付きを防止できる。即ち、装着状態のヘルメット181は金属製のグラブバー173に当接し、サイドカバー10には当接しにくいとともにヘルメット開口が下向きになることから、サイドカバー10が傷付くことはなく、かつヘルメット181内に雨水が入り込むこともない。またホルダ180をグラブバー173に一体形成したのでコストの点においても安価である。なお、従来は、サイドカバーの上縁にホルダを設ける構造であることから、ヘルメットはサイドカバーに直接当たり、かつ上向きになり易いという問題がある。
【0073】
また、図34に示すように、シート4の後上方には、ボックス183が載置されたリヤキャリア182が配設されている。該リヤキャリア182は、矩形状のパイプ182a間に複数の補強板(図示せず)架け渡して接続したもので、上記パイプ182aの左, 右後端部に固着された第1支持部材184,及び中央部に固着された第2支持部材185により支持されている。この第2支持パイプ185は上記グラブバー173の後端内壁にブラケット186を介してボルト締め固定されており、上記第1支持パイプ184は上記支持パイプ16の両端に配設された上記ブラケット178間に架設されたフレームパイプ187に接続されている。
【0074】
上記リヤキャリア182の前端部はグラブバー173の後端上面173fの上方に位置するように延長形成されており、該延長部182bに後部座席用バックレスト188が着脱可能に装着されている。このバックレスト188はこれの車幅方向両端部に脚部189を突設してなり、該脚部189が上記延長部182bに取付けられている。本実施例では、車体フレーム2を構成する支持パイプ16,及び該パイプ16に固定されたグラブバー173にリアキャリア182を固定し、該キャリア182にバックレスト188を取付けたので、例えば従来のように車体フレームに取付けステーを介してバックレストを取付けたり、あるいはシートに取付けたりする場合に比べて構造が簡単であり、しかも余分な取付けスペースを不要にできるのでサイドカバー内の空間を大きくとることができる。また上記バックレスト188を容易に脱着でき、取り外した場合は上記延長部182bを荷台スペースとして利用できるとともに、外した場合の痕跡がなく見栄えの悪化を回避できる。
【0075】
次に本実施例のシート装置について説明する。
上記シート4の前部座席(メインシート)4aの後端には一段高い後部座席(タンデムシート)4bが形成されており、両シート4a,4bの境界部には縦壁部190が形成されている。該縦壁部190には前部バックレスト191が配設されている。このバックレスト191は乗員の腰部を支持することにより乗り心地の向上を図るためのもので、乗員の身長等に応じて前後方向に移動可能に調整できるようになっている。
【0076】
上記縦壁部190の車幅方向中央部には車体前方に突出する凸部192が一体に凸設されている。また上記バックレスト191の背面には、上記凸部192の前面192a,左右側面192b,192b,及び上面192cを囲む凹部191aが凹設されている。上記凸部192の前方突出量は、後述する移動調整機構193によるバックレスト191の前方最大移動量よりも若干大きく設定されており、これにより上記バックレスト191の背面とこれの前方への移動に伴う縦壁部190との間に生じる隙間を埋めている。
【0077】
上記移動調整機構193は、以下の構造となっている。
上記バックレスト191の背面部にはこれの凹部191aを囲むようにフレーム板194が配設されており、該フレーム板194には取付けステー195が装着されている。この取付けステー195は車幅方向に延びる板本体195aの左, 右端部に後方に延びる棒状のステー板195bを一体形成したもので、上記板本体195aがフレーム板194にボルト締め固定されている。なお、上記フレーム板194をバックレスト191の凹部191aを囲むように形成したので、該バックレスト191自体の剛性を高めることができ、腰部を支持する際の安定感,ホールド感を向上できる。
【0078】
一方、上記凸部192の左, 右端部には上記ステー板195bが挿入可能なガイド孔196が形成されており、該ガイド孔196内には角筒状のガイド部197が形成されている。このガイド部197は、これの底部を上記底板4cの左, 右側端部4c´により構成するとともに、左, 右側部及び天井部をコ字状に形成されたカイド部材198により構成されており、該ガイド部材198の外表面には複数の補強リブ198aが一体形成されている。また上記底板4cの左, 右側端部4c´の上記ステー板195bに対向する部分にはこれの移動方向に所定間隔をあけてボルト孔199が形成されており、該ボルト孔199に挿入されたボルト200により上記ステー板195bは締結されている。これにより上記バックレスト191はこれのステー板195bの前部がガイド部197により支持されており、後部がボルト200により固定されている。ここで上述の収納ボックス174の天壁を構成する上記底板4cの前壁部分は、上記凸部192の前面192aに沿って途中まで延びここから車幅方向中央部分を上方に膨出形成し、上記左右側端部4c´だけ水平に形成しており、これによりヘルメットの頂部との干渉を回避している。
【0079】
上記移動調整機構193によれば、バックレスト191に取付けステー195を固定し、シート4の凸部192にガイド部197を設け、該ガイド部197内に上記取付けステー195のステー板195aを差し込むとともに、該ステー板195aの後端をボルト200で固定したので、このボルト200を脱着するだけの簡単な作業でバックレスト191の位置調整を行うことができ、また取付けステー195とガイド部197だけで構成したので、構造を簡略化できるとともに部品点数を必要最小限の抑えることができ、コストを低減できる。またクッション厚を減らすこともないので乗り心地が悪化することもない。
【0080】
上記シート4の前端下部にはシートヒンジ205が配設されており、該ヒンジ205を支点としてシート4は上下方向に揺動するようになっている。このシートヒンジ205は、上記左, 右サイドフレーム12,12間に架け渡して立設された鳥居状の高架ブラケット206にヒンジブラケット207を固定し、上記シート底板4cの前端下部に支持ブラケット208を固定し、該両ブラケット207,208をヒンジピン209により連結して構成されている。また上記シート4の後端下部にはU字状のロック部材210が締結されており、該ロック部材210は上述のロック装置179により施錠,解錠される。
【0081】
ここで上記支持ブラケット208は図46に示すように、水平線Bに対して車体右側(図示左側)が高くなるように傾斜している。上記シート4は上記ヒンジピン209が水平になるように支持されているが、支持ブラケット208が右上りになっていることから閉状態では右上りに配置される。これは後述するシートガスダンパ225が若干車体左寄りに1本配置されていることから、シート開時に右下りとなるおそれがあり、これを回避するためである。なお、上記シート4は閉時にはロック装置179によってロックされることから、上記右上りは略水平に補正される。
【0082】
上記シート4の前部座席4aの前端部の車幅方向中央部は上方に膨出形成されており、該膨出部4eは運転者が脚部で挟持するニーグリップ機能を果している。
【0083】
また上記シート4の前部座席4aの下部には、車体フレーム2に取付け固定された燃料タンク211が配設されている。該タンク211の前端上部には給油口211aが突出形成されており、該給油口211aにはキャップ212が着脱可能に装着されている。そして上記シート4の上記膨出部4eの前端面には給油開口213が形成されている。この給油開口213は、シート4の底板4cの前端部214を上向きに傾斜させて形成されたものである。ここで上記前端部214を上向きに起立させたことにより該部分のクッション4dの厚さは薄肉となるが、この部分には乗員の身体が当接しないので乗り心地を悪化させることはない。また、上記上向き起立により、上述の膨出部4eが形成されたものである。
【0084】
上記給油開口213には該開口を開閉するフューエルリッド215が配設されている。このフューエルリッド215は板金製のインナパネル216とアウタパネル217とからなり、該インナパネル216の下部は上記支持ブラケット208にボルト218で固定されており、上部は上記底板4cの前端部214に一体形成されたリブ部214aにボルト219で固定されている。上記アウタパネル217の下縁はインナパネル216の下縁にヒンジピン220により開閉自在に連結されている。また上記インナパネル216の上端部にはアウタパネル217を施錠,解錠するロック部材221が配設されている。
【0085】
上記インナパネル216には開口216aが形成されており、該開口216aの開口縁は内側に屈曲して円筒状に延びている。そして該開口216a内には上記燃料タンク211の給油口211aが挿入配置されている。また該給油口211aとインナパネル216の開口216aとの間にはブーツ222が配設されており、これにより燃料が外部に流出するのを防止しており、該ブーツ222内に溢れた燃料はチューブ223で回収されるようになっている。
【0086】
ここで、上記シート4を車体フレーム2に装着するにあたっては、まずシート4のロック部材210をグラブバー173に固定されたロック装置179に施錠して位置決め固定し、この状態で給油開口213から上記シート4の前端をシートヒンジ205の支持ブラケット208に位置合わせを行いながらボルト224で固定する(図33,図39参照)。このように上記シート4の前端面に給油開口213を形成し、該開口213の近傍下部にヒンジ205を配置したので、シート4を取付ける際の前後,左右方向の位置決めを精度良くかつ容易に行うことができ、ひいてはシート4とサイドカバー10,グラブバー173と合わせ精度を向上できるとともに、収納ボックス174とのシール面の合わせ精度を向上できる。その結果、シート4とサイドカバー10との合わせ面をつめた設計が可能となり、隙間やずれのない車体ボディを形成でき、外観の向上を図ることができる。即ち、従来は、シート後端のロック部材を位置決めした状態でシート前端をヒンジに取付けることができないことから、サイドカバーとの合わせ精度が低く、両者の間に隙間が生じ易いという問題があった。
【0087】
上記シート4と車体フレーム2との間にはガスダンパ225が配設されている。該ダンパ225はシート開閉時の労力を軽減し、かつ開いた状態に保持するためのものである。上記ガスダンパ225はシリンダ226内にピストン(図示せず)を摺動自在に挿入し、該ピストンにピストンロッド227の一端を固定し、該ロッド227の他端を上記シリンダ226から突出して構成されている。
【0088】
上記ダンパ225は、上記燃料タンク211の上壁211bとシート底板4cとの間に、かつ該底板4cに沿って前後方向に略水平に配置されている。また上記燃料タンク211の上壁211bの車幅方向略中央部には前後方向に延びる凹部211cが凹設されており、該凹部211c内に上記ダンパ225が収納配置されている。上記ダンパ225のピストンロッド227は上記リアフレーム15の前端に固定されたブラケット228に回動可能に連結されている。そして上記シリンダ226は底板4cの下面に固定されたブラケット229に回動可能に連結されており、該シリンダ226のシート側連結部は上記ピストンロッド227の車体連結部より車体前方のシートヒンジ205寄りで、かつヒンジ205より上方に位置している。
【0089】
次に上記自動二輪車1のスタンド装置について説明する。
上記ダウンチューブ13の直線部13bの中央部には1本の脚部を有するサイドスタンド(図示せず)が配設されており、後端部にはメインスタンド235が配設されている。このメインスタンド235は左, 右の脚部236a,236bを有するスタンド本体236にヒンジブラケット237を接続し、該左脚部236aに足踏部材238を接続して構成されている。上記ヒンジブラケット237は、上記左右直線部13b間に下向きに架け渡して接続されたスタンドフレーム239のブラケット240にヒンジピン241を介して連結されている。これにより上記スタンド本体236は起立位置Aと動力ユニット3のクランクケース55の下面に当接する収納位置Bとの間で上下揺動可能となっている。
【0090】
上記スタンド本体236とブラケット240との間には該スタンド本体236を収納方向に常時付勢するスプリング(図示せず)が配設されている。また上記ブラケット240にはスタンド本体236の回動を起立位置Aにて規制するストッパ部材242が接続されており、上記ヒンジブラケット237のストッパ部材242に当接する部分には幅広の凸部243が一体形成されている。
【0091】
上記スタンド本体236の両脚部236a,236bにはクロスバー244が接続されており、該クロスバー244は収納位置Bにおいて下方に突出するように湾曲形成されている。そして該クロスバー244の車幅方向中央に上記クランクケース55の下面に当接するゴムローラ部材245が配設されている。このゴムローラ部材245は上記クロスバー244に接続された左右支持板246a,246b間にピン247を介して回転自在に支持されている。
【0092】
そして上記動力ユニット3の上記ローラ部材245が当接する部分には前後方向に延びる厚肉部248が形成されており、該厚肉部248には逃げ面249が形成されている。この逃げ面249は、動力ユニット3の上下揺動に伴うスタンド本体236の路面高さの減少を抑制する曲面形状を有しており、具体的には上記動力ユニット3のピボット軸20からゴムローラ部材当接部までを半径とする円弧Cに対し、前側部分ほど上方に位置する曲面をなしている。即ち動力ユニット3が静止位置(図43〜図45の実線参照)から伸びきり位置(図43〜図45の一線鎖線参照),及び最圧沈み位置(図43〜図45の二点鎖線参照)に揺動すると、スタンド本体236は上記揺動による路面高さの減少が抑制される方向に、つまり上方に揺動することとなり、よってバンク角θ´の減少を回避している。
【0093】
上記逃げ面249を概念的に示す図47に基づいて説明すれば、該逃げ面249の上記ローラ部材当接部より前側部分は上記円弧Cより上方に位置し、後側部分は下方に位置している。
【0094】
次に、本実施例の作用効果について説明する。
本実施例の車体フレーム2では、ヘッドパイプ5の上部にメインフレーム11を接続し、該メインフレーム11の後端に後方に直線状に延びる左右一対のサイドフレーム12,12を接続し、さらに上記ヘッドパイプ5の下部に左右一対のダウンチューブ13を接続し、該ダウンチューブ13の屈曲部13cと上記サイドフレーム12の後端部12aとを懸架ブラケット14で連結したので、大型スクータに採用する場合の車体フレームの剛性を確保することができる。
【0095】
またヘッドパイプ5に1本のメインフレーム11を接続したので、2本のメインフレームを接続する場合に比べてヘッドパイプ回りに空きスペースを確保でき、これによりレッグシールド7内に収納部を設ける場合の容積を大きくとることができる。また上記左右のサイドフレーム12の直線部と、左右のダウンチューブ13の直線部13bとで足載部を形成したので、フートボード8のトンネル部に容量の大きい物入箱167を配置できる。
【0096】
上記サイドフレーム12とダウンチューブ13との屈曲部同士を縦パイプ25で連結したので、フレーム剛性をさらに向上できる。さらに懸架ブラケット14のサイドフレーム12接続部の上部に懸架リンク17を、下部にコンプレッションロッド22を連結し、両者の連結部で動力ユニット3を支持したので、該動力ユニット3の支持剛性を向上できる。
【0097】
本実施例の縦パイプ25の製造方法では、縦パイプ25の周方向展開寸法aを有する平板25´の両端部を、上記サイドフレーム12,ダウンチューブ13と縦パイプ25との当接面bを展開した形状b´に打ち抜き、該平板25´を円筒状に形成した後、この突き合わせ部25a´同士を溶接して製造したので、該縦パイプ25の当接面aを上記サイドフレーム12,ダウンチューブ13に突き合わせて溶接する際の合い面精度を向上でき、従来のパイプの端面を切断加工して曲面を形成する場合に比べて取付け時の寸法精度を向上できる。また上記平板25´の打ち抜きと同時に治具孔25b,水抜き孔25cを形成したので、従来の孔あけ加工を不要にでき、製造コストを低減できる。
【0098】
本実施例のステアリング装置では、ステアリングシャフト30の上部をフロントカバー6の貫通孔42から外方に突出し、この突出部に操向ハンドル35のハンドルホルダ36を装着したので、上記フロントカバー6を外すことなくハンドル35の着脱作業を行うことができ、ハンドル回りの組付け性,整備性を向上できる。また上記ステアリングシャフト30の上端にナット41を螺着し、該ナット41でハンドルホルダ36を締め付け固定したので、従来の溶接したり,ボルト取付け部を突設したりする場合の出っ張りを不要にでき、ケーブル類の接触による損傷を防止できる。
【0099】
上記ハンドルホルダ36に雌テーパ面38を形成し、該雌テーパ面38にステアリングシャフト30の雄テーパ面39を嵌合させて結合したので、大型スクータに採用する場合の締結強度を向上でき、車体重量に対する剛性を確保できる。従来の2本のフロントフォークを上方に延長して結合する場合に比べて収納部の容積を大きくとることができる。
【0100】
また上記フロントカバー6の貫通孔42をダブルナット32より大径に形成したので、該ナット32の脱着作業を上記貫通孔42から容易に行うことができ、これによりフロントカバー6を外すことなくフロントフォーク33,ステアリングシャフト30を着脱でき、整備性,作業性をさらに向上できる。また上記貫通孔42はハンドルカバー43の下面で覆われているので、外方から見えることもなく外観の悪化を防止できる。
【0101】
本実施例のエンジンユニット50では、クランク軸60のドライブギヤ76にアイドラギヤ77を介して冷却水ポンプ駆動ギヤ78を連結し、該アイドラギヤ77でオイルポンプ駆動軸75を駆動するようにしたので、オイルポンプ駆動ギヤを省略でき、部品点数を削減できるとともに小型化に対応できる。
【0102】
またアイドラギヤ77でオイルポンプ79を駆動するようにしたので、冷却水ポンプ80の減速比とは関係なくオイルポンプ79のギヤ比を設定でき、この点からも小型化に対応できる。
【0103】
さらにまた、上記構成としたので、オイルポンプ79を無断変速装置51の駆動プーリ70の反対側で、かつクランクケース55の中央下部に配置することが可能となり、これにより潤滑油吸込み口をオイルパン86の中央下端に配置できる。その結果、オイル通路を簡略化できるとともに、油面が変動した場合にエアを吸い込むというポンプの吸い込みロスを防止できる。
【0104】
また、本実施例の無段変速装置51の冷却装置では、伝動ケースカバー95の前部に凹設された凹部95aと前側カバー105とでクリーナボックス107を形成し、該前側カバー105の後端部に冷却風を導入する吸引口109を形成したので、既存の部品を利用してクリーナボックス107を構成でき、従来のように別体のキャップや仕切板を設ける場合に比べて部品点数を削減できるとともに、構造を簡略化でき、コストを低減できる。しかもこの場合、伝動ケースカバー95に凹部95aを形成したので、それだけ伝動ケースカバー95の剛性が高まり、振動,騒音の発生を抑制できる。
【0105】
また上記前側カバー105と伝動ケースカバー95とをエレメント108を挟持するように共締め固定したので、上記前側カバー105を外すだけでエレメント108の交換,掃除を行うことができる。
【0106】
さらに上記前側カバー105の吸引口109は進行方向と反対側に開口しているので、車体前側に吸引口を設ける場合に比べて走行風による水,ほこりが進入し難く、しかも上記吸引口109にねずみ返し部109a,リブ106aを配置したので、水,ほこりの進入をさらに抑制でき、エレメント108の寿命を延長できる。
【0107】
本実施例のラジエータ116の配置構造によれば、該ラジエータ116をフートボード8のセンタトンネル8aの前部内に配置したので、走行風を確保できるとともに、センタトンネル8a部分の空きスペースを有効利用して配置でき、従来の前部車体カバー内に配置する場合に比べて該カバー内の内装部品の配置レイアウトに対する自由度を向上でき、ひいては収納部の容積を大きくとることができる。またエンジンユニット50に近接して配置できるので、給水ホース118,リターンホース121の配索が短縮できる分だけ却水抵抗を小さくでき、この点からも冷却効率を向上できる。また上記センタトンネル8aが排風機能を果すとともに通風通路を大きくとれるので、冷却効率をさらに向上できる。
【0108】
上記ラジエータ116を左右ダウンチューブ13の傾斜部(縦辺部)13a間の後側に配置したので、前輪34の回動軌跡(図17の一点鎖線参照)に干渉することなく配置でき、ひいてはホイールベースを短くでき、またホイールベースをそのままとした場合には足載部の前後方向スペースを拡大できる。また上記ラジエータ116の前面は左右ダウンチューブ13により保護されるので外力による損傷を防止でき、かつ地上高さを確保することができる。
【0109】
上記ラジエータ116の左右タンク部116bを上記ダウンチューブ13の傾斜部13aにラップさせたので、センタトネンル8a及び左,右ダウンチューブ13,13の車幅寸法を広げることなくコア部116aの上下方向寸法を大きく設定して有効面積を大きくでき、冷却効率を向上できる。
【0110】
上記エンジンユニット50の上部にキャブレタ49を配置し、該キャブレタ49にエンジンからの冷却水(温水)を供給するとともに、該キャブレタ49のラジエータ116を含む全冷却水通路の最上部にエア抜きスクリュウ115を配設したので、アイシングの防止を図りながら冷却水通路に溜まった空気を容易に抜くことができ、従来のホース類を脱着してエア抜きする場合に比べて作業を改善できる。
【0111】
本実施例の走行風導入構造によれば、フロントカバー6の前面左, 右側部に走行風導入開口125を形成し、該導入開口125からラジエータ116に向けて走行風を案内するインナフェンダ126及びアンダカバー9の上方延長部9dを配設したので、空気抵抗を小さくできるとともに整流効果があり、外観の向上を図りながらラジエータ116への冷却風を効率良く導入できる。また上記導風開口125に続く延長部125aはフロントカバー6の下部分の補強部材として機能し、該部分の剛性を高めることができる。
【0112】
上記インナフェンダ126内に導入開口125に対向するようホーン127を配置したので、ホーン音量を大きく発することができ、従来のホーン用スリットを別途設ける場合に比べフロントカバー6上部への水入りを防止できるとともに外観の悪化を回避できる。
【0113】
また、アンダカバー9のラジエータ116後部に排出口9bを形成し、該排出口9bの後縁からラジエータ116に向かって斜め前方に起立する導風壁9cを形成したので、上記アンダカバー9の後方下部に生じる負圧を有効利用して排風効率を向上でき、ひいてはラジエータ116への冷却風を増大できる。また上記排出口9b,及び導風壁9cは外方から見えないので外観の悪化を防止できるとともに、上記導風壁9cを設けたので排風熱によるエンジンユニット50等への影響を回避でき、かつ泥水等の付着も防止できる。
【0114】
本実施例の車体構造によれば、フロントカバー6の上縁6cとヘッドライト開口6dの上縁との間にメンテナンス開口140を形成し、該メンテナンス開口140及びウインドシールド134の下縁134aをメンテナンスカバー142で覆ったので、フロントカバー6を外すことなく上記メンテナンス開口140からヘッドライト135のバルブ交換や各種メータ類の結線を行うことができ、作業性を向上できる。
【0115】
この場合、上記フロントカバー6のメンテナンス開口形成部分が上部ほど後方に位置するよう斜め上方に傾斜しているので、上記メンテナンス開口の平面投影面積、つまり上方から作業する場合の有効面積が大きくなり、この点からも作業性を向上できる。
【0116】
また上記ウインドシールド134の下縁134aの取付けボルト134bはメンテナンスカバー142で覆われており、しかもメンテナンスカバー142には意匠効果を高めるための模様を施すことができるので、外観の向上を図ることができる。
【0117】
本実施例のメインスイッチ取付け構造によれば、レッグシールド7の取付け座7dに挿入孔7eを形成するとともに該挿入孔7eの周縁に係合片7fを一体形成し、スイッチキャップ151のフランジ部151bを上記挿入孔7eの周縁に当接させるとともに、円筒体151aの突起片151cを上記係合片7fに係合させたので、スイッチキャップ151とレッグシールド7の取付け座7dとの軸方向における隙間をなくすことができ、外観を向上できる。
【0118】
また、キーシリンダ150a及びレッグシールド7を共通の車体ブラケットに固定したので、両者間の取付誤差が小さくなり、この点からも上記スイッチキャップとレッグシールド7の取付け座7dとの軸方向隙間が小さくなる。
【0119】
また、挿入孔7eをスイッチキャップ151の円筒体151aより大径に形成し、係合片7eを弾力性を有するものとしたので、挿入孔7eとスイッチキャップ151との軸直角方向の誤差を吸収できる。
【0120】
本実施例の収納装置では、レッグシールド7の縦壁7aの車幅方向右側部を車体前方に膨出させてトランク凹部152を一体形成し、左側部にトランク開口153を切り欠き形成し、該トランク開口153に別途形成されたトランク部材154を装着したので、トランク容量を大幅にアップすることができ収納機能を向上できる。また上記トランク部材154の下縁154aを上記トランク開口153の下縁より下方に、また上縁154bをトランク開口153の上縁より上部に位置させたので、トランク容量の増大を図りながら収納物の落ちこぼれを防止できる。
【0121】
また上記トランク開口153,及びトランク凹部152の開口に、ロック部材159が装着されたリッド157を配設し、レッグシールド7のトランク凹部152に上記ロック部材159のロック爪159cが係合する係合部152fを一体形成するとともに、ロック部材159の後端部を支持する支持凹部152gを一体形成したので、ロック部材159をレッグシールド7で支持することができ、ロック強度を向上できるとともに、ロック爪159cと係合部152fとの位置精度を向上でき、長期間使用しても施錠を確実に行うことができる。
【0122】
なお、上記実施例では、レッグシールド7の左側部にのみ別体のトランク部材154を配置したが、本発明では収納部全体を別体のトランク部材で構成してもよくこの場合はトランク容量をさらに増大できる。
【0123】
本実施例のサイドカバー処理構造によれば、上部サイドカバー171の上縁部に前後方向に延びる受け部175を凹設し、該受け部175の外壁部175aでシート4の側縁部4dを覆うとともに、内壁部175bのシール部175cで収納ボックス174の開口縁174aを覆ったので、シート4の下方に手を入れることができず悪戯や盗難を防止できる。また上記受け部175とシート4の側縁部4dとはラビリンス構造となっているので、雨水や洗車水による収納ボックス174内への水入りを防止でき、さらに上記受け部175は車体前方に前下がりに傾斜しているので、雨水や洗車水が入り込んでも容易に排水することができる。
【0124】
上記上部サイドカバー171の後部にグラブバー173を配設し、該グラブバー173の外側壁173aでシート4の側縁部4dを覆うとともに、該グラブバー173の外面と上記サイドカバー171の外面とが面一となるように配設したので、悪戯や水入りを防止できるとともに、車体外面が連続面となることから乗降時に邪魔になるものがなく、乗降性を改善できるとともに外観を向上できる。
【0125】
本実施例のシート装置では、シート4の前部座席4a後端の縦壁部190に前方に突出する凸部192を一体形成し、バックレスト191の背面に上記凸部192を囲む大きさの凹部191aを凹設し、上記凸部192の突出量をバックレスト191の前方移動量より大きくしたので、バックレスト191を移動させた場合には、該背面と上記縦壁部190との隙間は凸部192により隠れることから外観の悪化を防止でき、また隙間を別体のカバーで隠す場合のコスト上昇を抑制できる。また上記シート4の縦壁部190側に凸部192を形成したので、バックレスト側を凸部を設ける場合のようなバックレストの側方への広がりを回避でき、乗員の乗車姿勢を安定でき、しかも上記縦壁部190の後方下部の空間が狭まることもないので収納ボックス174への影響を回避できる。
【0126】
本実施例の給油構造によれば、シート4の前端面に、これの底板4cの前端部214を上向きに起立形成するとともに左右側部を上向きの傾斜させて給油開口213を形成し、該開口213にこれを開閉するフューエルリッド215を配設し、該給油開口213内に燃料タンク211の給油口211aを配置したので、重量物のシート4を開閉することなく給油を行うことができる。また給油口211aをシート4の前端に配置したので、この前端部214のクッション厚が薄くなっても乗り心地への影響はなく、しかもニーグリップ機能を有するとともにシート内側の空間を有効利用することができ、シート高さを高くすることなく必要タンク容量を確保できる。さらにシート4の前端下部に車体フレームに固定されたシートヒンジ205が配置されており、このためリッド215と給油口211aとの位置合わせを精度よく行うことができる。
【0127】
また、上記シート4と車体フレーム2との間にダンパ225を配設し、該ダンパ225のピストンロッド227をリアフレーム15に連結し、シリンダ226をシート4の底板4cに連結するとともに、該連結部を上記ピストンロッド227の連結部より車体前方に位置させ、かつシートヒンジ205寄りに位置させたので、シートの開閉労力を軽減を図りながら、ダンパ225の揺動ストロークを小さくできる。またダンパ自体をコンパクトに構成できることから、配置スペースを縮小でき、ひいては燃料タンク211の容量を確保できる。
【0128】
また上記ダンパ225はシートヒンジ205寄りで、かつ燃料タンク211の上壁211bに凹設された凹部211c内に収納配置されてるので、該凹部211cによる燃料容量への影響は小さく、また収納ボックス174の容量や荷物の出し入れに影響を与えることもない。またダンパ225を車幅方向略中央部に配置したので、1本のダンパだけでシートの開閉時のがたつきを防止できる。
【0129】
そして本実施例のスタンド装置では、動力ユニットがθだけ上方(右方)に揺動すると、車体の路面高さはΔHだけ低くなるが、スタンド本体236が逃げ面249に沿って上方にΔLだけ揺動するので、スタンド本体236の右端部の路面高さの低下は軽減される。
【0130】
このように本スタンド装置では、スタンド本体236にゴムローラ部材245を回転自在に装着し、前側部分,後側部分がピボット軸20を中心とした円弧より上方,下方に位置する曲面をなす逃げ面249を形成したので、動力ユニット3の揺動によるスタンド本体236の路面高さの減少を抑制でき、これによりバンク角θ´の減少を軽減でき、車両姿勢を安定化できる。また上記ローラ部材245を車幅方向中央に配置したので、一側部に配置する場合に比べて両脚部236a,236bの傾きを防止できる。さらにローラ部材245を回転自在としたので擦れによる摩耗を抑制でき、寿命を延長できる。
【0131】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る自動二輪車のステアリング装置によれば、ステアリングシャフトの上端にハンドルホルダをテーパ嵌合し、該ステアリングシャフトの上端にナットを螺着して上記ハンドルホルダを固定したので、フロントカバーを外すことなくステアリングシャフトの脱着が可能となり、整備性,組付け性を向上できるとともに、ケーブル類の傷付きを回避できる効果があり、また締結強度を確保してステアリング装置の大型化に対応でき、ステアリング周囲のレイアウト上の自由度を向上できる効果がある。
【0132】
請求項2の発明では、前部車体カバーのステアリングシャフト貫通孔をステアリングシャフト支持固定用のナットより大径にするとともに、ハンドルカバーの下面で覆ったので、外観の悪化を回避しながら、前部車体カバーを外すことなくステアリング系全体の脱着が可能となり、整備性,組付け性をさらに向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるスクータ型自動二輪車の左側面図である。
【図2】上記実施例の動力ユニットの懸架部分を示す左側面図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】上記実施例の縦パイプを示す側面図である。
【図5】上記縦パイプの製造方法を示す工程図である。
【図6】上記縦パイプの展開図である。
【図7】上記実施例のステアリング装置の左側面図である。
【図8】上記ステアリングシャフトの取付け構造を示す断面図である。
【図9】上記実施例の動力ユニットの平面図である。
【図10】上記動力ユニットの左側面図である。
【図11】上記動力ユニットの平面図である。
【図12】上記動力ユニットの右側面図である。
【図13】上記動力ユニットの一部断面平面図である。
【図14】上記実施例のラジエータ配置構造を示す左側面図である。
【図15】上記配置構造の平面図である。
【図16】上記ラジエータを正面から見た概略構成図である。
【図17】上記ラジエータを平面から見た概略構成図である。
【図18】上記実施例の車体カバーの正面図である。
【図19】上記実施例のフロントフレームを示す左側面図である。
【図20】上記実施例のラジエータ冷却構造を示す左側面図である。
【図21】上記実施例のフロントカバーの断面図である。
【図22】上記実施例のレッグシールドの背面図である。
【図23】上記レッグシールドのメインスイッチ取付け部分を示す断面図である。
【図24】上記レッグシールドの収納部を示す断面図である。
【図25】上記レッグシールドの収納部を示す断面図である。
【図26】上記レッグシールドのロック部材を示す断面図である。
【図27】上記フートボードの足載部分の平面図である。
【図28】上記フートボードの足載部分の断面図である。
【図29】上記実施例のサイドカバーの左側面図である。
【図30】上記サイドカバー上縁部分の断面図である。
【図31】上記グラブバーの断面図である。
【図32】上記グラブバー後部を示す側面図である。
【図33】上記実施例のシート後部を示す断面側面図である。
【図34】上記実施例シートのリヤキャリアを示す側面図である。
【図35】上記シートの斜視図である。
【図36】上記シートのバックレストを示す側面図である。
【図37】上記シートのバックレスト調整機構を示す構成図である。
【図38】上記調整機構の断面側面図である。
【図39】上記シート前部を示す断面側面図である。
【図40】上記実施例のフューエルリッドの分解斜視図である。
【図41】上記シートのダンパを示す構成図である。
【図42】上記実施例のスタンド装置を示す平面図である。
【図43】上記スタンド装置の左側面図である。
【図44】上記スタンド装置の逃げ面を示す構成図である。
【図45】上記スタンド装置の模式図である。
【図46】上記実施例のシートヒンジを示す図である。
【図47】上記実施例におけるスタンド装置の移動状態を示す概念図である。
【図48】従来のステアリング装置を示す図である。
【図49】従来のその他のステアリング装置を示す図である。
【符号の説明】
5 ヘッドパイプ
6 フロントカバー
30 フロントシャフト
33 フロントフォーク
34 前輪
35 ハンドル
36 ハンドルホルダ
38 雌テーパ面
39 雄テーパ面
41 ナット

Claims (2)

  1. 前輪を支持するフロントフォークの上端にヘッドパイプで枢支され、かつ前部車体カバーで囲まれたステアリングシャフトを固定し、該ステアリングシャフトの上端部にハンドルを装着した自動二輪車のステアリング装置において、上記ステアリングシャフトの上端部を前部車体カバーから上方に突出させるとともに該上端部の外周面に雄テーパ面を形成し、ハンドルホルダをアッパホルダとアンダホルダとに分割し、該アンダホルダを、上記ハンドルを上記アッパホルダとでボルト締め固定するハンドル取付け座と、上記ステアリングシャフトの上端部が挿通されるステアリングシャフト取付孔を有する筒状の固定部とを一体形成したものとし、該固定部のステアリングシャフト取付孔の内周面に上記ステアリングシャフトの雄テーパ面に嵌合する雌テーパ面を形成し、該ステアリングシャフトの上端にナットを螺着して上記固定部を上記ステアリングシャフトに締め付け固定したことを特徴とする自動二輪車のステアリング装置。
  2. 請求項1において、上記前部車体カバーのステアリングシャフト貫通孔が、上記ヘッドパイプにステアリングシャフトを支持固定するためのナットより大径に形成されており、かつハンドルカバーの下面で覆われていることを特徴とする自動二輪車のステアリング装置。
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