JP4260525B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体メモリ等の強誘電体キャパシタを有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電源を切っても情報を記憶することのできる不揮発性メモリとしては、フラッシュメモリや強誘電体メモリが知られている。フラッシュメモリは、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(IGFET)のゲート絶縁膜中に埋め込んだフローティングゲートを有し、フローティングゲートに記憶情報を表わす電荷を蓄積することによって情報を記憶する。情報の書き込み、消去には絶縁膜を通過するトンネル電流を流す必要があり、比較的高い電圧を必要とする。
【0003】
強誘電体メモリは、強誘電体のヒステリシス特性を利用して情報を記憶する。強誘電体膜を1対の電極間の誘電体として有する強誘電体キャパシタは、電極間の印加電圧に応じて分極を生じ、印加電圧を取り去っても自発分極を有する。印加電圧の極性を反転すれば、自発分極の極性も反転する。強誘電体メモリでは、この自発分極を検出して情報を読み出すことができる。強誘電体メモリは、フラッシュメモリに比べ低電圧で動作し、省電力で高速の書き込みができる特徴を有している。
【0004】
一般的な強誘電体メモリのキャパシタ部分の製造方法を述べると、下部電極がスパッタリング法等により成膜され、続いて、強誘電体膜が成膜される。強誘電体膜としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT:PbZrxTi1-x3)、またはPZTにLa等をドープしたPZT系材料(PLZT:Pb1-yLayZrxTi1-x3)が用いられることが多い。以下では、PZT、PZT系材料、SrBi2Ta29(SBT、Y1)、またはSBTにNb等をドープしたBi層状構造化合物を想定して説明する。強誘電体膜の成膜方法には、スパッタリング法、ゾルゲル法、金属・有機化学気相成長法(MOCVD)等が用いられている。強誘電体膜の結晶化後に上部電極が成膜される。
【0005】
電気特性がよく、製品歩留まりの高い強誘電体メモリを作製するためには、強誘電体膜の配向が均一になるように制御することが重要である。この強誘電体膜の配向は下部電極の配向に大きく影響される。即ち、下部電極の配向が均一になるように制御することにより、強誘電体膜の配向を均一にすることができる。従って、電気特性がよく、製品歩留まりの高い強誘電体メモリを作製するためには、下部電極の配向が均一になるように制御することが重要である。
【0006】
たとえば基板上の層間絶縁膜であるSiO2膜上の全面に強誘電体キャパシタを設けるプレーナー型の強誘電体メモリにおいては、強誘電体キャパシタが、図1(A)に模式的に示したように、SiO2膜1上に下部電極2、強誘電体膜3、上部電極4をこの順に成膜する構造になっている。SiO2膜1はアモルファスであるため、その上の下部電極2の配向も均一になる。従って、さらにその上の強誘電体膜3の配向も均一にすることが容易に可能である。
【0007】
一方、たとえばSiO2膜1とSiO2膜1内に配される導電性プラグ5とに跨った領域の上部に強誘電体キャパシタを設ける、スタック型の強誘電体メモリにおいては、図1(B)に模式的に示したように、下部電極2はSiO2膜1上だけでなく、導電性プラグ5上にも跨って成膜されることになる。ところが、SiO2膜1がアモルファスであるのに対し、導電性プラグ5には一般的にW(タングステン)のような結晶性金属が用いられる。そこで、この上に下部電極2を成膜すると、SiO2膜1上の部分2aとプラグ上の部分2bとで配向が異なるようになる。このような配向の不均一性は、模式的に3aと3bとで示したように、強誘電体膜の配向も不均一にするため、好ましくない。
【0008】
下部電極の配向を制御する技術としては、配向性のある半導体膜もしくはアモルファス半導体上に設けられた拡散防止用導電膜とその上に設けられた下部電極との組み合わせが知られている(たとえば特許文献1参照。)。しかしながら、このレベルでは、電気特性がよく、均一な性能を有する強誘電体キャパシタをバラツキなく作製するためには、不十分であると思われる。
【0009】
【特許文献1】
国際公開第97/33316号パンフレット(p.5)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を解決し、均一な配向を持った強誘電体膜を持ち、電気特性に優れ、均一な性能を有する強誘電体キャパシタを有する半導体装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、強誘電体キャパシタを有する半導体装置において、アモルファス層間絶縁膜とアモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグとに跨る領域の上部に、アモルファス金属膜と導電性結晶膜と強誘電体キャパシタの下部電極とをこの順に積層してなる半導体装置が提供される。導電性結晶膜の配置後、アモルファス金属膜を結晶化処理してなることが好ましい。このことにより、キャパシタ性能のバラツキを抑制でき、キャパシタを使用する半導体装置の不良率の低減、歩留まりの向上を実現することができる。
【0012】
本発明の他の一態様によれば、強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造方法において、アモルファス層間絶縁膜とアモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグとに跨る領域の上部に、アモルファス金属膜と導電性結晶膜と強誘電体キャパシタの下部電極とをこの順に積層し、導電性結晶膜の配置後、アモルファス金属膜を結晶化する処理を含む半導体装置の製造方法が提供される。電気特性に優れた強誘電体キャパシタを有する半導体装置を歩留まり高く作製することが可能となる。
【0013】
導電性プラグが、金属、合金、塩化金属、ケイ化金属、導電性酸化物およびシリコンからなる群から選ばれたすくなくとも一つの材料からなること、アモルファス金属膜が、Cr,Co,Ta,Nb,Al,Ti,Zr,WおよびMoからなる群から選ばれた少なくとも一つの金属を含む合金からなること、アモルファス金属膜の膜厚が、2〜30nmにあること、導電性結晶膜が、Ta,Al,Ti,Cu,Ir,Pt,Re,Ru、それらの金属を含む合金、Al23,TiO2,IrO2,TiNおよびTaNからなる群から選ばれたすくなくとも一つの材料からなること、導電性結晶膜の膜厚が、2〜30nmにあること、下部電極が、IrまたはPtよりなること、強誘電体膜が、ジルコン酸チタン酸鉛膜または、ジルコン酸チタン酸鉛にLa、Ca、Sr、Ir、Ruからなる群の少なくともいずれか一つの元素をドープした膜であること、が好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図,実施例等を使用して説明する。なお、これらの図,実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0015】
本発明に係る、強誘電体キャパシタを有する半導体装置は、アモルファス層間絶縁膜と当該アモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグとに跨る領域の上部に、アモルファス金属膜と導電性結晶膜と強誘電体キャパシタの下部電極とをこの順に積層してなる。アモルファス金属膜は、アモルファス層間絶縁膜およびアモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグと接して配置されることが多いが、上部であれば必ずしも接していることが必須条件ではない。アモルファス層間絶縁膜や導電性プラグの上部であれば、その配向が影響を与える場合があり得るからである。アモルファス金属膜と導電性結晶膜とはそれぞれ複数の層からなっていてもよい。
【0016】
アモルファス層間絶縁膜と導電性プラグとに跨る領域上にアモルファス金属膜6と導電性結晶膜7とを形成することにより、アモルファス層間絶縁膜と導電性プラグとが、導電性結晶膜を形成する際に、その配向に影響することを遮断でき、図2に示すように、下部電極2と強誘電体膜3とで均一な配向を実現できる。これにより、均一な配向を持った強誘電体膜を得ることができ、その結果、電気特性に優れた強誘電体キャパシタを有する半導体装置が得られる。この半導体装置は、特に、強誘電体メモリとして有用である。
【0017】
なお、本発明において、アモルファス金属膜とはアモルファス構造をなす金属材料よりなる膜を意味する。また、導電性結晶膜とは、導電性材料の結晶化した状態の膜を意味する。アモルファスであることは、X線回折で散漫な回折パターンを示すことで判断することができる。また、結晶化された材料であることは、X線回折で規則的な回折パターンを示すことで判断することができる。どの程度散漫な回折パターンを示すものをアモルファスとするか、どの程度規則的な回折パターンを示すものを結晶化された材料とするかは、結晶化された材料で必要とする配向のレベルにより、適宜選択することができる。この配向のレベルは、導電性結晶膜の(111)配向性を示すロッキングカーブの半値幅から判断することができる。十分均一な配向を持った強誘電体膜を持ち、電気特性に優れた強誘電体キャパシタを有する半導体装置であるためには、この導電性結晶膜のロッキングカーブの半値幅が4.2°以下であることが好ましい。
【0018】
本発明に係る、強誘電体キャパシタを有する半導体装置は、上記構成においても、均一な配向を持った強誘電体膜を持ち、電気特性に優れた強誘電体キャパシタを有する半導体装置となるが、導電性結晶膜の配置後、当該アモルファス金属膜の電気抵抗を低下させるため結晶化処理することがさらに好ましい。
【0019】
本発明に係る導電性プラグとしては、特に制限はなく、公知の材料を使用することができる。金属、合金、塩化金属、ケイ化金属、導電性酸化物およびシリコンからなる群から選ばれたすくなくとも一つの材料を使用することが好ましい。タングステン(W)やポリシリコンを例示することができる。本発明は、導電性プラグがアモルファス層間絶縁膜と異なり結晶状態を示す場合に効果が大きい。この点、Wは、極めて迅速に冷却する等の特殊な条件でない限り、結晶状態を避けることが困難である。導電性プラグにWを使用する場合が、本発明の適用対象として特に好ましい。
【0020】
本発明に係るアモルファス金属膜としては、特に制限はなく、公知の材料を使用することができるが、アモルファス状態を凍結するために高度の急冷を要する材料は好ましくない場合が多い。この意味で、合金であれば、結晶化速度を制御しやすく、好ましい。具体的には、アモルファス金属膜が、Cr,Co,Ta,Nb,Al,Ti,Zr,WおよびMoからなる群から選ばれた少なくとも一つの金属を含む合金からなることが好ましい。たとえば、CrTaや、CrTaに他の元素を含有させたCrTa系合金、CrSi、CrSiに他の元素を含有させたCrSi系合金、CoZrやCoZrに他の元素を含有させたCoZr系合金を挙げることができる。他の元素としては、Co、Nb、Si、Al、Ti、Zr、W、Moを例示できる。より具体的には、CoCrZr系合金、CoTaZr系合金、CoSiZr系合金等である。合金中の各金属の割合はアモルファス状態を実現でき、本発明の趣旨に反しない限り、任意に定めることができるアモルファス金属膜の膜厚は2〜30nmにあることが好ましい。薄すぎるとその下にある層の配向の影響を十分に遮断しがたくなる。厚すぎるとコスト増を招く。
【0021】
本発明に係る導電性結晶膜としては、特に制限はなく、公知の材料を使用することができる。導電性結晶膜が、Ta,Al,Ti,Cu,Ir,Pt,Re,Ru、それらの金属を含む合金、Al23,TiO2,IrO2,TiNおよびTaNからなる群から選ばれたすくなくとも一つの材料からなることが好ましい。均一で安定した配向構造が得られやすいからである。具体的には、Pt、Ir、Ru、Reなどの金属、このような金属を少なくとも含む合金(たとえば、Pt−Ir)、Ir、RuまたはReなどの酸化物、または、このような金属を少なくとも含む金属酸化物、例えばSrRuO3を挙げることができる。導電性結晶膜の導電性の程度には特に制限はなく、実情に応じて定めることができる。
【0022】
導電性結晶膜の膜厚は2〜30nmにあることが好ましい。薄すぎると、均一な配向が得られにくくなる。厚すぎるとコスト増を招く。
【0023】
本発明に係る下部電極としては、特に制限はなく、公知の材料を使用することができる。IrまたはPtを例示できる。
【0024】
また、本発明に係る強誘電体膜としては、特に制限はなく、公知の強誘電材料を使用することができるが、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)膜または、PZTにLa、Ca、Sr、Ir、Ruからなる群の少なくともいずれか一つの元素をドープした材料(たとえばPLZT(Pb1-yLayZrxTi1-x3))や、SrBi2Ta29(SBT、Y1)、またはSBTにNb等をドープしたBi層状構造化合物を例示することができる。
【0025】
本発明に係る強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造方法には、アモルファス層間絶縁膜と当該アモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグとに跨る領域の上部に、アモルファス金属膜と導電性結晶膜と強誘電体キャパシタの下部電極とをこの順に積層する処理が含まれる。更に、導電性結晶膜の配置後、アモルファス金属膜を結晶化する処理を含めてもよい。このような膜形成を経由すると、均一な配向を有する導電性結晶膜を形成でき、従って、その上に形成される下部電極やさらにその上の強誘電体膜の配向も均一にすることが容易に可能になる。このため、電気特性に優れた強誘電体キャパシタを有する半導体装置を歩留まり高く作製することが可能となる。
【0026】
アモルファス金属膜を結晶化する処理には特に制限はなく、公知の熱処理等を採用することができる。その処理時期や条件も、必要とする結晶化のレベルに応じて任意に定めることができる。時期について一般的に言えば、導電性結晶膜の成膜後であればいつでもよい。なお、導電性結晶膜は、その成膜時にすでに結晶化していることが好ましいが、必須条件ではなく、アモルファス金属膜の結晶化に先立って結晶化できるものであればよい。
【0027】
この製造方法における導電性プラグ、アモルファス金属膜、導電性結晶膜、下部電極、強誘電体膜の材質や膜厚等については半導体装置に係る本発明に関する態様と同様の態様が好ましい。なお、導電性プラグ、アモルファス金属膜、導電性結晶膜、下部電極、強誘電体膜の形成方法には特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。たとえば、スパッタリング法、物理的気相法(PVD)、化学的気相法(CVD)、ゾルゲル法等の中から適用できる方法を適宜選択することができる。
【0028】
【実施例】
次に本発明の実施例を詳述する。
【0029】
[実施例1]
本発明に係る半導体装置の製造工程を、図3〜8のシリコン半導体装置の断面図を使用して説明する。図3に示すように、まずシリコン基板10上にMOSトランジスタ20を作製した。その後、SiO2膜内に配されるプラグコンタクトホール31を開口した。このコンタクトホールに、TiN(50nm厚)/Tiよりなる30nm膜厚の密着層32をスパッタリング法により成膜した後、Wをスパッタリング法により堆積し、ついで、ケミカルメカニカルポリシング(CMP)処理し、Wプラグ30を形成した。この場合、SiO2膜がアモルファス層間絶縁膜に、Wプラグがアモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグに該当する。
【0030】
ついで、図4に示すように、アモルファス金属膜40、導電性結晶膜(以下、導電性結晶膜を配向制御層ともいう)50、下部電極60、強誘電体膜70、上部電極80の順で堆積して、強誘電体キャパシタを形成した。
【0031】
アモルファス金属膜40として、アモルファスCo94Zr6層をスパッタリング法により20nm膜厚で成膜した。
【0032】
ここで、Co94Zr6をアモルファス状態で成膜することが重要である。このため、Arガス圧0.2Pa、DCパワー0.3kW、温度200℃の条件を採用し、CVDによりCo94Zr6層を作製した。
【0033】
次に、配向制御層であるTi膜50を、スパッタリング法により10nm膜厚で成膜した。Ti膜の配向をX線回折(XRD)測定した結果、SiO2膜上と同じ(001)配向をしていた。これに対し、Wプラグ上に直接Ti膜を成膜すると、その配向は様々な配向成分を持っていた。
【0034】
ついで、このサンプルを、ファーネスで、N2雰囲気中、400℃、1時間の条件でアニールして、Co94Zr6膜40の結晶化を行った。この状態でTi膜の配向をXRD測定で再確認したが、アニール前後でTi膜の配向に違いは見られなかった。Ti膜の(001)配向性を示すロッキングカーブの半値幅は4.2°であった。
【0035】
これに対し、Co94Zr6膜を結晶化した後にTi膜を成膜した場合には、SiO2膜上とWプラグ上とでCo94Zr6膜の配向が異なるために、その上のTi膜の配向も異なり、均一な配向の膜を得ることができなかった。
【0036】
さらに、下部電極60としてIr膜をスパッタリング法により、Arガス圧0.11Pa、DCパワー0.5kW、温度500℃の条件下、スパッタリング法により、200nm膜厚で成膜した。
【0037】
その後、PZT強誘電体膜70を、Arガス圧0.7Pa、RFパワー1.0kW、室温の条件下、スパッタリング法により、200nm膜厚で成膜した。
【0038】
さらに、形成されたPZT強誘電体膜70を、酸素ガス流量50mL/分、アルゴンガス流量1.95L/分で導入されたArとO2との混合雰囲気中、600℃、90秒、昇温速度125℃/秒の条件で急速熱処理した。
【0039】
この段階で、再度、XRD測定を実施し、Ir下部電極60やPZT強誘電体膜70の配向を確認したところ、(111)以外の配向は確認されておらず、高い(111)配向性を示した。Ir下部電極60の(111)配向性を示すロッキングカーブの半値幅は2.0°であり、PZT強誘電体膜70の(111)配向性を示すロッキングカーブの半値幅は3.0°であった。
【0040】
これに対し、アモルファス金属膜を使用せず、Wプラグ上に直接Ti膜を成膜したものでは、Ir下部電極やPZT強誘電体膜から、(111)以外の多くの配向が観測された。
【0041】
PZT強誘電体膜70を上記のように急速熱処理した後、強誘電体キャパシタの上部電極80となる厚さが20nmのIrO2膜を、Arガス圧0.8Pa、O2ガス流量が標準状態で100cm3/分、DCパワー1.0kW、室温の条件下、スパッタリング法により形成した。
【0042】
ここで、上部電極80としてPt膜ではなく導電性酸化物であるIrO2膜を用いたのは、水素劣化耐性を向上させるためである。Pt膜の場合、水素分子に対して触媒作用があるため、水素ラジカルを発生し、PZT強誘電体膜70を還元させて劣化させやすい。これに対して、IrO2電極は触媒作用を持たないため、水素ラジカルを発生しにくく、PZT膜の水素劣化耐性が格段に向上する。
【0043】
その後、上部電極を成膜する際のスパッタリング等による強誘電体膜へのダメージ(結晶の破壊)を回復するために、回復アニールを施した。この例では、ファーネスで650℃、O2雰囲気、60分の条件を採用した。
【0044】
次に、図5に示すように、パターニング、エッチング技術を用いて、スタック構造の強誘電体キャパシタを形成した。この例では、プラズマTEOS(tetraethoxysilane)/TiNをハードマスクとして、上部電極80、強誘電体膜70、下部電極60、配向制御層50、アモルファス金属膜40を一括してエッチングした。
【0045】
ついで、図6に示すように、保護膜90を10nm膜厚で成膜した後、650℃、O2の条件でファーネスアニールを60分間行った。この保護膜90は、強誘電体からの鉛抜けや水素侵入等のプロセスダメージから強誘電体キャパシタを守るものである。この例では、スパッタリング法によりアルミナを50nm膜厚で成膜した。
【0046】
ついで、図7に示すように、層間絶縁膜100を成膜した後、CMPにより平坦化をおこなった。この例では、層間絶縁膜はHDP(High Density Plasma)装置を用いた酸化膜であり、CMP後の残し膜厚は、強誘電体キャパシタの上部電極80上300nmとした。
【0047】
ついで、図8に示すように、パターニング、エッチング技術を用いてWプラグ30と接続するコンタクトホールを形成した。その後さらに、密着層、Wプラグを成膜し、CMPを行い、Wプラグ110を形成した。
【0048】
この例では、密着層TiN(50nm厚)を用い、CMP後は350℃N2プラズマ120秒を施した。このWプラグ110とWプラグ30との二つでビアツービア(via−to−via)コンタクトが実現でき、後に形成するメタル配線からの基板へのコンタクトが達成される。
【0049】
その後必要な配線等を施し、強誘電体キャパシタを有する半導体装置を製造した。この半導体装置の強誘電体キャパシタは、性能が均一でバラツキが少なく、半導体装置の不良率の低減、歩留まりの向上を実現することができる。
【0050】
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
【0051】
(付記1) 強誘電体キャパシタを有する半導体装置において、
アモルファス層間絶縁膜と当該アモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグとに跨る領域の上部に、アモルファス金属膜と導電性結晶膜と強誘電体キャパシタの下部電極とをこの順に積層してなる
半導体装置。
【0052】
(付記2) 強誘電体キャパシタを有する半導体装置において、
アモルファス層間絶縁膜と当該アモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグとに跨る領域の上部に、アモルファス金属膜と導電性結晶膜と強誘電体キャパシタの下部電極とをこの順に積層してなり、
当該導電性結晶膜の配置後、当該アモルファス金属膜を結晶化処理してなる
半導体装置。
【0053】
(付記3) 前記導電性プラグが、金属、合金、塩化金属、ケイ化金属、導電性酸化物およびシリコンからなる群から選ばれたすくなくとも一つの材料からなる、付記1または2に記載の半導体装置。
【0054】
(付記4) 前記アモルファス金属膜が、Cr,Co,Ta,Nb,Al,Ti,Zr,WおよびMoからなる群から選ばれた少なくとも一つの金属を含む合金からなる、付記1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
【0055】
(付記5) 前記アモルファス金属膜の膜厚が2〜30nmにある、付記1〜4のいずれかに記載の半導体装置。
【0056】
(付記6) 前記導電性結晶膜が、Ta,Al,Ti,Cu,Ir,Pt,Re,Ru、それらの金属を含む合金、Al23,TiO2,IrO2,TiNおよびTaNからなる群から選ばれたすくなくとも一つの材料からなる、付記1〜5のいずれかに記載の半導体装置。
【0057】
(付記7) 前記導電性結晶膜の膜厚が2〜30nmにある、付記1〜6のいずれかに記載の半導体装置。
【0058】
(付記8) 前記下部電極が、IrまたはPtよりなる、付記1〜7のいずれかに記載の半導体装置。
【0059】
(付記9) 前記強誘電体膜が、ジルコン酸チタン酸鉛膜または、ジルコン酸チタン酸鉛にLa、Ca、Sr、Ir、Ruからなる群の少なくともいずれか一つの元素をドープした膜である、付記1〜8のいずれかに記載の半導体装置。
【0060】
(付記10) 強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造方法において、
アモルファス層間絶縁膜と当該アモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグとに跨る領域の上部に、アモルファス金属膜と導電性結晶膜と強誘電体キャパシタの下部電極とをこの順に積層し、
当該導電性結晶膜の配置後、当該アモルファス金属膜を結晶化する処理を含む、
半導体装置の製造方法。
【0061】
(付記11) 前記導電性プラグを、金属、合金、塩化金属、ケイ化金属、導電性酸化物およびシリコンからなる群から選ばれた少なくとも一つの材料から作製する処理を含む、付記10に記載の半導体装置の製造方法。
【0062】
(付記12) 前記アモルファス金属膜を、Cr,Co,Ta,Nb,Al,Ti,Zr,WおよびMoからなる群から選ばれた少なくとも一つの金属を含む合金から作製する処理を含む、付記10または11に記載の半導体装置の製造方法。
【0063】
(付記13) 前記アモルファス金属膜を、膜厚が2〜30nmになるように成膜する処理を含む、付記10〜12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0064】
(付記14) 前記導電性結晶膜を、Ta,Al,Ti,Cu,Ir,Pt,Re,Ru、それらの金属を含む合金、Al23,TiO2,IrO2,TiNおよびTaNからなる群から選ばれたいずれか一つの材料から作製する処理を含む、付記10〜13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0065】
(付記15) 前記導電性結晶膜を、膜厚が2〜30nmになるように成膜する処理を含む、付記10〜14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0066】
(付記16) 前記下部電極を、IrまたはPtで構成する処理を含む、付記10〜15のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0067】
(付記17) 前記強誘電体膜を、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)膜または、PZTにLa、Ca、Sr、Ir、Ruからなる群の少なくともいずれか一つの元素をドープした膜として成膜する処理を含む、付記10〜16のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【0068】
【発明の効果】
本発明の特徴によれば、電気特性に優れ、均一な性能を有する強誘電体キャパシタを有する半導体装置を作製することが可能となる。また、電気特性に優れた強誘電体キャパシタを有する半導体装置を歩留まり高く作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレーナー型の強誘電体メモリとスタック型の強誘電体メモリの模式的断面図である。
【図2】本発明に係る半導体装置の模式的断面図である。
【図3】本発明の実施例による強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造工程を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の実施例による強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造工程を示す他の模式的断面図である。
【図5】本発明の実施例による強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造工程を示す他の模式的断面図である。
【図6】本発明の実施例による強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造工程を示す他の模式的断面図である。
【図7】本発明の実施例による強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造工程を示す他の模式的断面図である。
【図8】本発明の実施例による強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造工程を示す他の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 SiO2
2 下部電極
3 強誘電体膜
4 上部電極
5 導電性プラグ
6 アモルファス金属膜
7 導電性結晶膜
10 シリコン基板
20 MOSトランジスタ
30 Wプラグ
40 アモルファス金属膜
50 配向制御層
60 下部電極
70 強誘電体膜
80 上部電極
90 保護膜
100 層間絶縁膜
110 Wプラグ

Claims (5)

  1. 強誘電体キャパシタを有する半導体装置において、
    アモルファス層間絶縁膜と当該アモルファス層間絶縁膜内に配される導電性プラグとに跨る領域の上部に、アモルファス金属膜と導電性結晶膜と強誘電体キャパシタの下部電極とをこの順に積層してなり、
    当該導電性結晶膜の配置後、当該アモルファス金属膜を結晶化処理してなる
    半導体装置。
  2. 前記アモルファス金属膜が、Cr,Co,Ta,Nb,Al,Ti,Zr,WおよびMoからなる群から選ばれた少なくとも一つの金属を含む合金からなる、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記導電性結晶膜が、Ta,Al,Ti,Cu,Ir,Pt,Re,Ru、それらの金属を含む合金、IrO 2 ,TiNおよびTaNからなる群から選ばれたすくなくとも一つの材料からなる、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記強誘電体膜が、ジルコン酸チタン酸鉛膜または、ジルコン酸チタン酸鉛にLa、Ca、Sr、Ir、Ruからなる群の少なくともいずれか一つの元素をドープした膜である、請求項1〜のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 基板上方にアモルファス層間絶縁膜と当該アモルファス層間絶縁膜内に導電性プラグとを形成することと、
    前記アモルファス層間絶縁膜と前記導電性プラグとに跨る領域の上にアモルファス金属膜を形成することと、
    前記アモルファス金属膜の上に導電性結晶膜を形成することと、
    前記導電性結晶膜の上に強誘電体キャパシタの下部電極を形成することと、
    前記導電性結晶膜の形成後の時点で、加熱により、前記アモルファス金属膜を結晶化することと
    を含む、半導体装置の製造方法。
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