JP4253421B2 - 感熱性平版印刷用原板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像不要のコンピュータ・ツウ・プレートシステム用の感熱性平版印刷用原板に関する。より詳しくは、デジタル信号に基づいた赤外線走査露光による画像記録が可能であり、画像記録したものは従来のような液体による現像工程を経ることなしに、そのまま印刷機に装着して印刷することが可能な感熱性平版印刷用原板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年進展が目覚ましいコンピュータ・ツウ・プレートシステム用刷版については、多数の研究がなされている。その中で、一層の工程合理化と廃液処理問題の解決を目指すものとして、露光後、現像処理することなしにそのまま印刷機に装着して印刷できる平版印刷用原板が研究され、種々の方法が提案されている。
【0003】
処理工程をなくす方法の一つに、露光済みの印刷用原版を印刷機のシリンダーに装着し、シリンダーを回転しながら湿し水とインキを供給することによって、印刷用原版の非画像部塗布層を除去する機上現像と呼ばれる方法がある。すなわち、印刷用原版を露光後、そのまま印刷機に装着し、通常の印刷過程の中で処理が完了する方式である。
このような機上現像に適した平版印刷用原板は、湿し水やインキ溶剤に可溶な感光層を有し、しかも、明室に置かれた印刷機上で現像されるのに適した明室取り扱い性を有することが必要とされる。
【0004】
例えば、特許第2938397号公報には、親水性バインダーポリマー中に熱可塑性疎水性重合体の微粒子を分散させた感光層を親水性支持体上に設けた平版印刷用原板が開示されている。この公報には、該平版印刷用原板において、赤外線レーザー露光して熱可塑性疎水性重合体の微粒子を熱により合体させて画像形成した後、印刷機シリンダー上に版を取付け、湿し水および/またはインキにより機上現像できることが記載されている。
【0005】
また、特開平9−127683号公報およびWO99−10186号公報にも熱可塑性微粒子を熱による合体後、機上現像により印刷版を作製することが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような熱による微粒子の単なる合体で画像を作る方法は、良好な機上現像性を示すものの、画像強度が弱いために耐刷性が不十分という問題があった。
従って本発明の目的は、この問題を解決することであり、良好な機上現像性を有し、しかも高耐刷性の感熱性平版印刷用原板を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、熱硬化性化合物を含む微粒子を用いることにより、レーザ光照射時に溶融、反応、硬化させて強い皮膜強度をもった画像を形成できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0008】
1. 親水性表面を有する支持体上に、a)熱硬化性化合物としてエポキシ樹脂を含有する微粒子、ヘキサメトキシメチルメラミン、及びb)親水性樹脂、を含有する感熱層を有する機上現像用感熱性平版印刷版用原板。
【0009】
2. 微粒子が光熱変換剤を含有することを特徴とする上記1記載の機上現像用感熱性平版印刷用原板。
【0010】
3. 親水性表面を有する支持体が、陽極酸化処理され親水化処理されたアルミニウム支持体であることを特徴とする上記1又は2記載の機上現像用感熱性平版印刷用原板。
【0011】
4. 親水性表面を有する支持体が、陽極酸化処理されポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を持つ化合物、糖類化合物、クエン酸、アルカリ金属珪酸塩、フッ化ジルコン酸カリウム、リン酸塩 / 無機フッ素化合物を含有する液により親水化処理されたアルミニウム支持体であることを特徴とする、上記3記載の機上現像用感熱性平版印刷用原板。
5. 上記1〜4に記載された機上現像用感熱性平版印刷版原板を画像露光し、それ以上の処理なしに印刷機に装着し、湿し水とインクを用いて印刷する方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
尚、本発明は、親水性表面を有する支持体上に、a)熱硬化性化合物としてエポキシ樹脂を含有する微粒子、ヘキサメトキシメチルメラミン、及びb)親水性樹脂、を含有する感熱層を有する機上現像用感熱性平版印刷版用原板に関するものであるが、その他についても参考のため記載した。
本発明に用いられる熱硬化性化合物は、熱硬化性樹脂及びヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を有する低分子化合物である。
本発明に好適な熱硬化性樹脂としては、フェノール骨格を有する樹脂、尿素系樹脂(例えば、尿素又はメトキシメチル化尿素など尿素誘導体をホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したもの)、メラミン系樹脂(例えば、メラミン又はその誘導体をホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したもの)、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0013】
好適なフェノール骨格を有する樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾールなどをホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したフェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、N−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドなどのフェノール骨格を有するメタクリルアミド又はアクリルアミド樹脂、及びN−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリレートなどのフェノール骨格を有するメタクリレート又はアクリレート樹脂を挙げることができる。
中でも、特に好ましいのは、フェノール骨格を有する樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂及びエポキシ樹脂である。
【0014】
本発明に用いられるヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を有する低分子化合物としては、分子量1000以下の化合物が好ましく、アルコキシメチル基としてはメトキシメチル基及びエトキシメチル基が好ましい。
具体的化合物としては、2,4,6−トリス(エトキシメチル)フェノール、4−クロロ−2,6−ビス(エトキシエチル)フェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−トルエン、2,6−ビス(エトキシメチル)−p−トルエン、下記構造式(I)及び(II)の化合物、メラミン誘導体、例えばメトキシメチルメラミン類等が挙げられる。
【0015】
【化1】
【0016】
本発明に用いられる熱硬化性化合物を含有する微粒子は、平均粒径は0.01μm〜2.0μmが好ましい。
このような微粒子の合成方法としては、これら化合物を非水溶性の有機溶剤に溶解し、これを分散剤が入った水溶液と混合乳化し、さらに熱をかけて、有機溶剤を飛ばしながら微粒子状に固化させる方法がある。また、熱硬化性樹脂を合成する際に微粒子化してもよい。しかし、これらの方法に限らない。
【0017】
熱硬化性化合物を含有する微粒子の感熱層への添加量は、固形分換算で好ましくは40〜98重量%、より好ましくは50〜95重量%である。
【0018】
本発明の感熱層中には親水性樹脂が含有される。親水性樹脂が含有されることで機上現像性が良好となるばかりか、感熱層自体の皮膜強度も向上する。
親水性樹脂としては、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキシメチル基などの親水基を有するものが好ましい。
【0019】
具体的な親水性樹脂として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類及びそれらの塩、ポリメタクリル酸類及びそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、ならびに加水分解度が少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%の加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー及びポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩のホモポリマー及びコポリマー等を挙げることができる。
【0020】
親水性樹脂の感熱層中への添加量は、2〜40重量%が好ましく、3〜30重量%がさらに好ましい。この範囲内で、機上現像性と耐刷性とが良好となる。
【0021】
本発明の感熱層には、光を吸収し発熱する光熱変換剤を含有させることが望ましい。光熱変換剤は微粒子外に存在させてもよいが、微粒子中に含有させる方が耐刷性向上の点から好ましい。微粒子中に存在させるには、例えば、水に不溶性の光熱変換剤を熱硬化性化合物と共に非水溶性の有機溶剤に溶解し、乳化分散後、有機溶剤を飛ばしながら微粒子状に固化させる方法がある。
一方、微粒子外に存在させるには、水に可溶の光熱変換剤を親水性樹脂中に添加することで行われる。
【0022】
本発明に用いられる光熱変換剤としては700nm以上の光を吸収する物質が特に好ましく、種々の顔料、染料および金属微粒子を用いることができる。
【0023】
顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている赤外吸収性の顔料が利用できる。
【0024】
これら顔料は、添加される層に対する分散性を向上させるため、必要に応じて公知の表面処理を施して用いることができる。表面処理の方法には、親水性樹脂や親油性樹脂を表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シリカゾル、アルミナゾル、シランカップリング剤やエポキシ化合物、イソシアナート化合物等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。
【0025】
親水性の層に添加する顔料は、水溶性の樹脂と分散しやすく、かつ親水性を損わないように、親水性樹脂やシリカゾルで表面がコートされたものが望ましい。顔料の粒径は0.01μm〜1μmの範囲にあることが好ましく、0.01μm〜0.5μmの範囲にあることが更に好ましい。顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。
特に好ましい顔料としては、カーボンブラックを挙げることができる。
【0026】
染料としては、市販の染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊、「化学工業」1986年5月号P.45〜51の「近赤外吸収色素」、「90年代機能性色素の開発と市場動向」第2章2.3項(1990)シーエムシー)あるいは特許に記載されている公知の染料が利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、ポリメチン染料、シアニン染料などの赤外線吸収染料が好ましい。
【0027】
さらに、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、 特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム染料、英国特許434,875号記載のシアニン染料や米国特許第4,756,993号記載の染料、米国特許第4,973,572号記載のシアニン染料、特開平10−268512号記載の染料、特開平11−235883号記載のフタロシアニン化合物を挙げることができる。
【0028】
また、染料として米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン染料、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物、エポリン社製エポライトIII−178、エポライトIII−130、エポライトIII−125等も好ましく用いられる。
これらの中で、感熱層の親水性樹脂中などの親水性マトリックス中に添加するのに好ましい染料は水溶性染料で、以下に具体例を示す。
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】
本発明の感熱層の微粒子中など親油性物質中に添加する光熱変換剤としては、親油性の染料がより好ましい。具体例として以下の染料を挙げることができる。
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】
本発明の感熱層などには、光熱変換剤として金属微粒子を用いることもできる。金属微粒子の多くは、光熱変換性であって、かつ自己発熱性でもある。
好ましい金属微粒子として、Si、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Mo、Ag、Au、Pt、Pd、Rh、In、Sn、W、Te、Pb、Ge、Re、Sbの単体又は合金あるいはそれらの酸化物、硫化物の微粒子が挙げられる。
これらの金属微粒子を構成する金属の中でも好ましい金属は、光照射によって熱融着し易い融点がおよそ1000℃以下で赤外、可視又は紫外線領域に吸収をもつ金属、たとえばRe、Sb、Te、Au、Ag、Cu、Ge、Pb及びSnである。
また、とくに好ましいのは、融点も比較的低く、熱線に対する吸光度も比較的高い金属の微粒子、たとえばAg、Au、Cu、Sb、Ge及びPbで、とくに好ましい元素はAg、Au及びCuが挙げられる。
【0035】
また、例えばRe、Sb、Te、Au、Ag、Cu、Ge、Pb、Snなどの低融点金属の微粒子とTi、Cr、Fe、Co、Ni、W、Geなどの自己発熱性金属の微粒子を混合使用するなど、2種以上の光熱変換物質で構成されていてもよい。また、Ag、Pt、Pdなど微小片としたときに光吸収がとくに大きい金属種の微小片と他の金属微小片を組み合わせて用いることは好ましい。
【0036】
以上に述べた金属単体及び合金の微粒子は、表面を親水性化処理することによって、本発明の効果がより発揮される。表面親水性化の手段は、親水性でかつ粒子への吸着性を有する化合物、例えば界面活性剤で表面処理したり、粒子の構成物質と反応する親水性基を持つ物質で表面処理したり、保護コロイド性の親水性高分子皮膜を設けるなどの方法を用いることができる。特に好ましいのは、表面シリケート処理であり、例えば鉄微粒子の場合は、70℃のケイ酸ナトリウム(3%)水溶液に30秒浸漬する方法によって表面を十分に親水性化することができる。他の金属微粒子も同様の方法で表面シリケート処理を行うことができる。
【0037】
これらの粒子の粒径は、10μm以下、好ましくは、0.003〜5μm、さらに好ましくは、0.01〜3μmである。微小であるほど、熱融着温度は低下する、つまりヒートモードの光感度が高くなって好都合であるが、粒子の分散が難しく、10μm以上では、印刷物の解像度が悪くなる。
【0038】
本発明の感光層には、必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料又は酸化チタンなどの顔料を挙げることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、感熱層塗布液全固形分に対し、0.01〜10重量%が好ましい。
【0039】
本発明の感熱層は、必要に応じて、特開平9−171250号に記載されている加熱時に親水性樹脂を架橋結合しうる架橋結合剤、特願2000−6970号に記載されている、加熱時の反応を開始又は促進する化合物、又は微粒子状ポリマー中の反応性基と反応することができる官能基またはその保護基を有する化合物を含有することができる。
【0040】
また、本発明においては、感熱層がラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有する場合は、塗布液の調製中もしくは保存中においての不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感熱層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.1重量%〜約10重量%が好ましい。
【0041】
また、本発明における感熱層塗布液中には、機上現像の安定性を広げるため、特開昭62−251740号や特開平3−208514号に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号、特開平4−13149号に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0042】
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の感熱層塗布液中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0043】
さらに、本発明に係る感熱層中には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0044】
本発明の感熱層は、上記各成分の必要なものを溶媒に溶かして塗布液を調製し、適当な支持体上に塗布し、乾燥して設けられる。使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができ、単独又は混合して使用されるが、これに限定されるものではない。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。
【0045】
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感熱層の乾燥塗布量は、用途によって異なるが、一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
【0046】
本発明に係る感熱層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全感熱層の材料固形分中0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0047】
本発明に好適に使用される親水性表面を有する支持体としては、表面処理されたアルミニウム板、及び親水層を塗布されたプラスチック支持体を挙げることができる。さらに具体的には、陽極酸化されたアルミニウム板、陽極酸化処理された後、親水化処理をされたアルミニウム板、及び親水層を塗布されたポリエステルフィルムが好適である。
【0048】
該アルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、さらにはアルミニウムまたはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。しかし、本発明に適用されるアルミニウム板は、従来より公知公用の素材のアルミニウム板をも適宜に利用することができる。
【0049】
本発明で用いられる上記の基板の厚みは0.05mm〜0.6mm、好ましくは0.1mm〜0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mmである。
【0050】
アルミニウム板を使用するに先立ち、表面の粗面化、陽極酸化などの表面処理をすることが好ましい。表面処理により、親水性の向上および感熱層との接着性の確保が容易になる。
【0051】
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。化学的方法としては、特開昭54−31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適している。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸などの酸を含む電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号に開示されているように混合酸を用いた電解粗面化方法も利用することができる。
【0052】
上記の如き方法による粗面化は、アルミニウム板の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.2〜1.0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。
粗面化されたアルミニウム板は必要に応じて水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いてアルカリエッチング処理がされ、さらに中和処理された後、所望により耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。
形成される酸化皮膜量は、1.0〜5.0g/m2、特に1.5〜4.0g/m2であることが好ましい。
【0053】
本発明で用いられる親水性表面を有する支持体としては、上記のような表面処理をされ酸化皮膜を有する基板そのままでも良いが、親水性、汚れ難さなどのさらなる向上のため、親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する親水化処理を行うことも好ましい。かかる親水性化合物としては、特願2000−143387号に記載の化合物が好適である。すなわち、ポリビニルホスホン酸、スルホン酸基をもつ化合物、糖類化合物(例えばサポニン)、クエン酸、アルカリ金属珪酸塩、フッ化ジルコニウムカリウム、リン酸塩/無機フッ素化合物などを挙げることができる。
これらの化合物を濃度0.02〜30重量%の水溶液とし、必要に応じてpHを調節し、液温10〜100℃で、0.5〜300秒間浸漬して親水化処理を行う。処理後は、水などで洗浄し次いで乾燥される。
【0054】
本発明に有用なポリエステルフィルムに塗布される親水層としては、特願2000−10810号に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
【0055】
本発明においては、感熱層を塗布する前に、必要に応じて、特願2000−143387号に記載の、例えばホウ酸亜鉛等の水溶性金属塩のような無機下塗層、又は例えばカルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリアクリル酸などの含有する有機下塗層が設けられてもかまわない。
又、この下塗層には、前記光熱変換剤を含有させてもよい。
【0056】
本発明の平版印刷用原板は、親油性物質による感熱層表面の汚染防止のため、感熱層上に、水溶性オーバーコート層を設けることができる。本発明に使用される水溶性オーバーコート層は印刷時容易に除去できるものであり、水溶性の有機高分子化合物から選ばれた樹脂を含有する。ここで用いる水溶性の有機高分子化合物としては、塗布乾燥によってできた被膜がフィルム形成能を有するもので、具体的には、ポリ酢酸ビニル(但し加水分解率65%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、アラビアガム、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変性体 、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等を挙げることができる。また、目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して用いることもできる。
【0057】
また、オーバーコート層には、前記の水溶性光熱変換剤を添加しても良い。さらに、オーバーコート層には塗布の均一性を確保する目的で、水溶液塗布の場合には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテルなどの非イオン系界面活性剤を添加することができる。
オーバーコート層の乾燥塗布量は、0.1〜2.0g/m2が好ましい。この範囲内で、機上現像性を損なわず、指紋付着汚れなどの親油性物質による感熱層表面の良好な汚染防止ができる。
【0058】
本発明の平版印刷用原板は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
画像露光された本発明の平版印刷用原板は、それ以上の処理なしに印刷機に装着し、インキと湿し水を用いて通常の手順で印刷することができる。
また、これらの平版印刷用原板は、日本特許2938398号に記載されているように、印刷機シリンダー上に取りつけた後に、印刷機に搭載されたレーザーにより露光し、その後に湿し水又はインクをつけて機上現像することも可能である。
また、これらの平版印刷用原板は、水または適当な水溶液を現像液とする現像をした後、印刷に用いることもできる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0060】
微粒子(1)の合成例
酢酸エチル21.0gに、重量平均分子量2000のフェノールのレゾール樹脂6.0g、光熱変換剤(本明細書記載のIR−26)1.5g、アニオン界面活性剤パイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを溶解し、油相を作製した。これに4%のポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA205)水溶液36.0gの水相を加え、ホモジナイザーで10000rpmで10分間乳化させた。水を24.0gを加えた後に、この液を50℃で3時間、有機溶剤を飛ばしながら加熱した。固形分濃度を測定したところ15.0重量%であった。また平均粒径は0.7μmであった。
【0061】
微粒子(2)の合成例
アセトニトリル5.0g、酢酸エチル16.0gにエポキシ樹脂エピコート1002(油化シェルエポキシ(株)製)6.0g及び1,8−ジアミノオクタン0.5g、光熱変換剤(本明細書記載のIR−26)1.5g、パイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを溶解し、油相を作製した。以下、微粒子(1)の合成例と同様にして、固形分濃度14.0重量%、平均粒径は0.4μmの微粒子(2)の分散液を作製した。
【0062】
微粒子(3)の合成例
酢酸エチル21.0gに重量平均分子量7000のフェノールノボラック樹脂6.0g、熱硬化性低分子化合物(本明細書記載の構造式(I)の化合物)1.0g及び光熱変換剤(本明細書記載のIR−26)1.5g、パイオニンA−41C0.1gを溶解し、油相を作成した。以下、微粒子(1)の合成例と同様にして、固形分濃度15.0重量%、平均粒径は0.7μmの微粒子(3)の分散液を作製した。
【0063】
微粒子(4)の合成例
アセトニトリル10.0g、酢酸エチル11.0gに重量平均分子量4000のm−/p−比6/4のクレゾールノボラック樹脂6.0g、ヘキサメトキシメチルメラミン1.0g、光熱変換剤(本明細書記載のIR−26)1.5g、パイオニンA−41C0.1gを溶解し、油相を作製した。これに微粒子(1)の合成例と同じ水相を加え同様にホモジナイザーでの乳化を行った。水24.0gを加えた後に、この液を60℃で3時間酢酸エチルを飛ばしながら加熱した。固形分濃度を測定したところ20.0重量%であった。また平均粒径は0.8μmであった。
【0064】
微粒子(5)の合成例
アセトニトリル5.0g、酢酸エチル16.0gに100%油溶性フェノール樹脂(pp−3120群栄化学工業(株)製)6.0g、光熱変換剤(本明細書記載のIR−26)1.5g、パイオニンA−41C0.1gを溶解し、油相を作製した。以下、微粒子(1)の合成例と同様にして、固形分濃度14.5重量%、平均粒径は0.9μmの微粒子(5)の分散液を作製した。
【0065】
微粒子(6)の合成例
酢酸エチル21.0gに重量平均分子量2000のフェノールのレゾール樹脂6.0g、パイオニンA−41C0.1gを溶解し、油相を作成した。以下、微粒子(1)の合成例と同様にして、固形分濃度15.0重量%、平均粒径は0.7μmの微粒子(6)の分散液を作製した。
【0066】
比較用微粒子(7)の合成例
酢酸エチル21.0gに重量平均分子量10000のポリスチレン樹脂6.0g、光熱変換剤(本明細書記載のIR−26)1.5g、パイオニンA−41C0.1gを溶解し、油相を作製した。以下、微粒子(1)の合成例と同様にして、固形分濃度15.0重量%、平均粒径は0.7μmの微粒子(7)の分散液を作製した。
【0067】
支持体の製造例1
銅を0.01%、チタンを0.03%、鉄を0.3%、ケイ素を0.1%含有する、JIS A 1050アルミニウム材の厚み0.24mm圧延板を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20重量%水懸濁液と、ブラシの毛径0.30mmの回転ナイロンブラシ(6−10ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。
【0068】
これを15重量%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニム5重量%含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2になるようにエッチングした後、流水で水洗した。さらに、1重量%硝酸で中和し、次に0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウムイオンとして0.5%含有)中で、陰極時電圧9.3ボルト、陽極時電圧10.5ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実施例に記載されている電流波形)を用いて160クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、40℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2になるようにエッチングした後、水洗した。次に50℃30%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗した。
さらに、35℃20重量%硫酸水溶液(アルミニウムイオンとして0.8%含有)中で、直流を用いて多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。すなわち電流密度13A/dm2で電解を行ない、電解時間を調節して陽極酸化皮膜重量4.0g/m2とし、水洗乾燥した。
【0069】
以上のようにして得られたアルミニウム支持体(支持体A)は、反射濃度は0.28で、中心線表面粗さ(Ra)は0.45μmであった。なお、反射濃度はマクベスRD920反射濃度計で測定し、中心線表面粗さ(Ra)は東京精密機械社製SURFCOM触針計(触針10μR)を使用して測定した。
この支持体Aを、ポリビニルホスホン酸0.5重量%水溶液に、60℃10秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体(I)を得た。
【0070】
支持体の製造例2
支持体Aを、リグニンスルホン酸ナトリウム0.1重量%水溶液(pH5.5)に、80℃60秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体(II)を得た。
【0071】
支持体の製造例3
支持体Aを、サポニン1重量%水溶液(pH5.5)に、40℃30秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体(III)を得た。
【0072】
支持体の製造例4
支持体Aを、クエン酸5重量%水溶液に50℃60秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体(IV)を得た。
【0073】
支持体の製造例5
支持体Aを、ケイ酸ナトリウム2.5重量%水溶液に70℃12秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体(V)を得た。
【0074】
支持体の製造例6
支持体Aを、フッ化ジルコニウムカリウム1.5重量%水溶液に60℃60秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体(VI)を得た。
【0075】
支持体の製造例7
支持体Aを、NaH2PO4/NaF(10重量%/0.1重量%)水溶液に70℃30秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体(VII)を得た。
【0076】
実施例1〜16および比較例1上記の製造例で得た支持体、及び下記組成の感熱層塗布液(1)〜(3)を、表1に示した組み合わせで用いて、感熱性平版印刷用原板を作製した。感熱層の塗布はバー塗布で行い、乾燥条件は、オーブン使用、90℃120秒であり、感熱層乾燥塗布量は1.2g/m2であった。
尚、実施例1〜7、9〜14は参考例である。
【0077】
感熱層塗布液(1)
水 30g
微粒子(固形分換算) 2.0g
メガファックF−171 0.1g
(大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤)
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA205) 0.2g
ヘキサメトキシメチルメラミン 0.02g
【0078】
感熱層塗布液(2)
水 30g
微粒子(固形分換算) 2.0g
メガファックF−171 0.1g
ポリエチレングリコール(重量平均分子量2000) 0.2g
ヘキサメトキシメチルメラミン 0.02g
【0079】
感熱層塗布液(3)
水 30g
微粒子(固形分換算) 2.0g
メガファックF−171 0.1g
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量20000) 0.2g
ヘキサメトキシメチルメラミン 0.02g
【0080】
このようにして得られた機上現像可能な平版印刷版を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載したクレオ社製トレンドセッター3244VFSにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギー100mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で露光した後、処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取付け、湿し水を供給したのち、インキを供給し、さらに紙を供給し印刷を行った。すべての原板について問題なく機上現像することができ、印刷可能であった。各原板で得られた印刷物の枚数と汚れ難さのレベルを表1に記載した。
【0081】
【表1】
【0082】
本発明の平版印刷版は、良好な機上現像性を有し、優れた耐刷性と汚れ難さを有することがわかる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタル信号に基づいた走査露光による製版が可能であり、良好な機上現像性を有し、しかも高耐刷性を有する感熱性平版印刷用原板を提供できる。
Claims (5)
- 親水性表面を有する支持体上に、a)熱硬化性化合物としてエポキシ樹脂を含有する微粒子、ヘキサメトキシメチルメラミン、及びb)親水性樹脂、を含有する感熱層を有する機上現像用感熱性平版印刷版用原板。
- 微粒子が光熱変換剤を含有することを特徴とする請求項1記載の機上現像用感熱性平版印刷用原板。
- 親水性表面を有する支持体が、陽極酸化処理され親水化処理されたアルミニウム支持体であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の機上現像用感熱性平版印刷用原板。
- 親水性表面を有する支持体が、陽極酸化処理されポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を持つ化合物、糖類化合物、クエン酸、アルカリ金属珪酸塩、フッ化ジルコン酸カリウム、リン酸塩/無機フッ素化合物を含有する液により親水化処理されたアルミニウム支持体であることを特徴とする、請求項3記載の機上現像用感熱性平版印刷用原板。
- 請求項1〜4に記載された機上現像用感熱性平版印刷版原板を画像露光し、それ以上の処理なしに印刷機に装着し、湿し水とインクを用いて印刷する方法。
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