JP2001341449A - 感熱性平版印刷用原板 - Google Patents

感熱性平版印刷用原板

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JP2001341449A JP2000165998A JP2000165998A JP2001341449A JP 2001341449 A JP2001341449 A JP 2001341449A JP 2000165998 A JP2000165998 A JP 2000165998A JP 2000165998 A JP2000165998 A JP 2000165998A JP 2001341449 A JP2001341449 A JP 2001341449A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光後、処理を行うことなく、そのまま印刷
機に装着して印刷することが可能であり、良好な機上現
像性を有し、しかも高耐刷性の感熱性平版印刷用原板を
提供する。 【解決手段】 親水性表面を有する支持体上に、a)熱
硬化性化合物を含有する微粒子、及びb)親水性樹脂、
を含有する感熱層を有する感熱性平版印刷用原板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像不要のコンピ
ュータ・ツウ・プレートシステム用の感熱性平版印刷用
原板に関する。より詳しくは、デジタル信号に基づいた
赤外線走査露光による画像記録が可能であり、画像記録
したものは従来のような液体による現像工程を経ること
なしに、そのまま印刷機に装着して印刷することが可能
な感熱性平版印刷用原板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年進展が目覚ましいコンピュータ・ツ
ウ・プレートシステム用刷版については、多数の研究が
なされている。その中で、一層の工程合理化と廃液処理
問題の解決を目指すものとして、露光後、現像処理する
ことなしにそのまま印刷機に装着して印刷できる平版印
刷用原板が研究され、種々の方法が提案されている。
【0003】処理工程をなくす方法の一つに、露光済み
の印刷用原版を印刷機のシリンダーに装着し、シリンダ
ーを回転しながら湿し水とインキを供給することによっ
て、印刷用原版の非画像部塗布層を除去する機上現像と
呼ばれる方法がある。すなわち、印刷用原版を露光後、
そのまま印刷機に装着し、通常の印刷過程の中で処理が
完了する方式である。このような機上現像に適した平版
印刷用原板は、湿し水やインキ溶剤に可溶な感光層を有
し、しかも、明室に置かれた印刷機上で現像されるのに
適した明室取り扱い性を有することが必要とされる。
【0004】例えば、特許第2938397号公報に
は、親水性バインダーポリマー中に熱可塑性疎水性重合
体の微粒子を分散させた感光層を親水性支持体上に設け
た平版印刷用原板が開示されている。この公報には、該
平版印刷用原板において、赤外線レーザー露光して熱可
塑性疎水性重合体の微粒子を熱により合体させて画像形
成した後、印刷機シリンダー上に版を取付け、湿し水お
よび/またはインキにより機上現像できることが記載さ
れている。
【0005】また、特開平9−127683号公報およ
びWO99−10186号公報にも熱可塑性微粒子を熱
による合体後、機上現像により印刷版を作製することが
記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような熱による微粒子の単なる合体で画像を作る方法
は、良好な機上現像性を示すものの、画像強度が弱いた
めに耐刷性が不十分という問題があった。従って本発明
の目的は、この問題を解決することであり、良好な機上
現像性を有し、しかも高耐刷性の感熱性平版印刷用原板
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、熱硬化性化
合物を含む微粒子を用いることにより、レーザ光照射時
に溶融、反応、硬化させて強い皮膜強度をもった画像を
形成できることを見出し、本発明に至った。すなわち、
本発明は、以下のとおりである。
【0008】1.親水性表面を有する支持体上に、a)
熱硬化性化合物を含有する微粒子、及びb)親水性樹
脂、を含有する感熱層を有する感熱性平版印刷用原板。
【0009】2.微粒子が光熱変換剤を含有することを
特徴とする前記1記載の感熱性平版印刷用原板。
【0010】3.親水性表面を有する支持体が、陽極酸
化処理され親水化処理されたアルミニウム支持体である
ことを特徴とする前記1又は前記2記載の感熱性平版印
刷用原板。
【0011】4.熱硬化性化合物が、フェノール骨格を
有する樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂及びエポキシ樹脂
から選ばれた少なくとも一つの樹脂であることを特徴と
する前記1から前記3のいずれかに記載の感熱性平版印
刷用原板。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられる熱硬化性化合物は、熱硬化性
樹脂及びヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を
有する低分子化合物である。本発明に好適な熱硬化性樹
脂としては、フェノール骨格を有する樹脂、尿素系樹脂
(例えば、尿素又はメトキシメチル化尿素など尿素誘導
体をホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化
したもの)、メラミン系樹脂(例えば、メラミン又はそ
の誘導体をホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により
樹脂化したもの)、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げること
ができる。
【0013】好適なフェノール骨格を有する樹脂として
は、例えば、フェノール、クレゾールなどをホルムアル
デヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したフェノール
樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、N−(p−ヒドロキシ
フェニル)メタクリルアミドなどのフェノール骨格を有
するメタクリルアミド又はアクリルアミド樹脂、及びN
−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリレートなどのフ
ェノール骨格を有するメタクリレート又はアクリレート
樹脂を挙げることができる。中でも、特に好ましいの
は、フェノール骨格を有する樹脂、メラミン樹脂、尿素
樹脂及びエポキシ樹脂である。
【0014】本発明に用いられるヒドロキシメチル基又
はアルコキシメチル基を有する低分子化合物としては、
分子量1000以下の化合物が好ましく、アルコキシメ
チル基としてはメトキシメチル基及びエトキシメチル基
が好ましい。具体的化合物としては、2,4,6−トリ
ス(エトキシメチル)フェノール、4−クロロ−2,6
−ビス(エトキシエチル)フェノール、2,6−ビス
(ヒドロキシメチル)−p−トルエン、2,6−ビス
(エトキシメチル)−p−トルエン、下記構造式(I)
及び(II)の化合物、メラミン誘導体、例えばメトキシ
メチルメラミン類等が挙げられる。
【0015】
【化1】
【0016】本発明に用いられる熱硬化性化合物を含有
する微粒子は、平均粒径は0.01μm〜2.0μmが
好ましい。このような微粒子の合成方法としては、これ
ら化合物を非水溶性の有機溶剤に溶解し、これを分散剤
が入った水溶液と混合乳化し、さらに熱をかけて、有機
溶剤を飛ばしながら微粒子状に固化させる方法がある。
また、熱硬化性樹脂を合成する際に微粒子化してもよ
い。しかし、これらの方法に限らない。
【0017】熱硬化性化合物を含有する微粒子の感熱層
への添加量は、固形分換算で好ましくは40〜98重量
%、より好ましくは50〜95重量%である。
【0018】本発明の感熱層中には親水性樹脂が含有さ
れる。親水性樹脂が含有されることで機上現像性が良好
となるばかりか、感熱層自体の皮膜強度も向上する。親
水性樹脂としては、例えばヒドロキシル基、カルボキシ
ル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ア
ミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキ
シメチル基などの親水基を有するものが好ましい。
【0019】具体的な親水性樹脂として、アラビアゴ
ム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチ
ルセルロース及びそのナトリウム塩、セルロースアセテ
ート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸
コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポ
リアクリル酸類及びそれらの塩、ポリメタクリル酸類及
びそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモ
ポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレー
トのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピル
メタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロ
キシプロピルアクリレートのホモポリマー及びコポリマ
ー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマー及
びコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポ
リマー及びコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒ
ドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール
類、ならびに加水分解度が少なくとも60重量%、好ま
しくは少なくとも80重量%の加水分解ポリビニルアセ
テート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリ
マー及びコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー
及びポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポ
リマー及びコポリマー、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸及びその塩のホモポリマー及びコ
ポリマー等を挙げることができる。
【0020】親水性樹脂の感熱層中への添加量は、2〜
40重量%が好ましく、3〜30重量%がさらに好まし
い。この範囲内で、機上現像性と耐刷性とが良好とな
る。
【0021】本発明の感熱層には、光を吸収し発熱する
光熱変換剤を含有させることが望ましい。光熱変換剤は
微粒子外に存在させてもよいが、微粒子中に含有させる
方が耐刷性向上の点から好ましい。微粒子中に存在させ
るには、例えば、水に不溶性の光熱変換剤を熱硬化性化
合物と共に非水溶性の有機溶剤に溶解し、乳化分散後、
有機溶剤を飛ばしながら微粒子状に固化させる方法があ
る。一方、微粒子外に存在させるには、水に可溶の光熱
変換剤を親水性樹脂中に添加することで行われる。
【0022】本発明に用いられる光熱変換剤としては7
00nm以上の光を吸収する物質が特に好ましく、種々
の顔料、染料および金属微粒子を用いることができる。
【0023】顔料としては、市販の顔料およびカラーイ
ンデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本
顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技
術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている赤
外吸収性の顔料が利用できる。
【0024】これら顔料は、添加される層に対する分散
性を向上させるため、必要に応じて公知の表面処理を施
して用いることができる。表面処理の方法には、親水性
樹脂や親油性樹脂を表面コートする方法、界面活性剤を
付着させる方法、反応性物質(例えば、シリカゾル、ア
ルミナゾル、シランカップリング剤やエポキシ化合物、
イソシアナート化合物等)を顔料表面に結合させる方法
等が考えられる。
【0025】親水性の層に添加する顔料は、水溶性の樹
脂と分散しやすく、かつ親水性を損わないように、親水
性樹脂やシリカゾルで表面がコートされたものが望まし
い。顔料の粒径は0.01μm〜1μmの範囲にあるこ
とが好ましく、0.01μm〜0.5μmの範囲にある
ことが更に好ましい。顔料を分散する方法としては、イ
ンク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が
使用できる。特に好ましい顔料としては、カーボンブラ
ックを挙げることができる。
【0026】染料としては、市販の染料および文献(例
えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊、「化学工業」1986年5月号P.45〜51の
「近赤外吸収色素」、「90年代機能性色素の開発と市
場動向」第2章2.3項(1990)シーエムシー)あ
るいは特許に記載されている公知の染料が利用できる。
具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロン
アゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、
カルボニウム染料、キノンイミン染料、ポリメチン染
料、シアニン染料などの赤外線吸収染料が好ましい。
【0027】さらに、例えば、特開昭58−12524
6号、特開昭59−84356号、特開昭60−787
87号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−
173696号、特開昭58−181690号、特開昭
58−194595号等に記載されているメチン染料、
特開昭58−112793号、特開昭58−22479
3号、特開昭59−48187号、特開昭59−739
96号、特開昭60−52940号、特開昭60−63
744号等に記載されているナフトキノン染料、 特開
昭58−112792号等に記載されているスクワリリ
ウム染料、英国特許434,875号記載のシアニン染
料や米国特許第4,756,993号記載の染料、米国
特許第4,973,572号記載のシアニン染料、特開
平10−268512号記載の染料、特開平11−23
5883号記載のフタロシアニン化合物を挙げることが
できる。
【0028】また、染料として米国特許第5,156,
938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、ま
た、米国特許第3,881,924号記載の置換された
アリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−1
42645号記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開
昭58−181051号、同58−220143号、同
59−41363号、同59−84248号、同59−
84249号、同59−146063号、同59−14
6061号に記載されているピリリウム系化合物、特開
昭59−216146号記載のシアニン染料、米国特許
第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリ
リウム塩等や特公平5−13514号、同5−1970
2号公報に開示されているピリリウム化合物、エポリン
社製エポライトIII−178、エポライトIII−130、
エポライトIII−125等も好ましく用いられる。これ
らの中で、感熱層の親水性樹脂中などの親水性マトリッ
クス中に添加するのに好ましい染料は水溶性染料で、以
下に具体例を示す。
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】本発明の感熱層の微粒子中など親油性物質
中に添加する光熱変換剤としては、親油性の染料がより
好ましい。具体例として以下の染料を挙げることができ
る。
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】本発明の感熱層などには、光熱変換剤とし
て金属微粒子を用いることもできる。金属微粒子の多く
は、光熱変換性であって、かつ自己発熱性でもある。好
ましい金属微粒子として、Si、Al、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、
Mo、Ag、Au、Pt、Pd、Rh、In、Sn、
W、Te、Pb、Ge、Re、Sbの単体又は合金ある
いはそれらの酸化物、硫化物の微粒子が挙げられる。こ
れらの金属微粒子を構成する金属の中でも好ましい金属
は、光照射によって熱融着し易い融点がおよそ1000
℃以下で赤外、可視又は紫外線領域に吸収をもつ金属、
たとえばRe、Sb、Te、Au、Ag、Cu、Ge、
Pb及びSnである。また、とくに好ましいのは、融点
も比較的低く、熱線に対する吸光度も比較的高い金属の
微粒子、たとえばAg、Au、Cu、Sb、Ge及びP
bで、とくに好ましい元素はAg、Au及びCuが挙げ
られる。
【0035】また、例えばRe、Sb、Te、Au、A
g、Cu、Ge、Pb、Snなどの低融点金属の微粒子
とTi、Cr、Fe、Co、Ni、W、Geなどの自己
発熱性金属の微粒子を混合使用するなど、2種以上の光
熱変換物質で構成されていてもよい。また、Ag、P
t、Pdなど微小片としたときに光吸収がとくに大きい
金属種の微小片と他の金属微小片を組み合わせて用いる
ことは好ましい。
【0036】以上に述べた金属単体及び合金の微粒子
は、表面を親水性化処理することによって、本発明の効
果がより発揮される。表面親水性化の手段は、親水性で
かつ粒子への吸着性を有する化合物、例えば界面活性剤
で表面処理したり、粒子の構成物質と反応する親水性基
を持つ物質で表面処理したり、保護コロイド性の親水性
高分子皮膜を設けるなどの方法を用いることができる。
特に好ましいのは、表面シリケート処理であり、例えば
鉄微粒子の場合は、70℃のケイ酸ナトリウム(3%)
水溶液に30秒浸漬する方法によって表面を十分に親水
性化することができる。他の金属微粒子も同様の方法で
表面シリケート処理を行うことができる。
【0037】これらの粒子の粒径は、10μm以下、好
ましくは、0.003〜5μm、さらに好ましくは、
0.01〜3μmである。微小であるほど、熱融着温度
は低下する、つまりヒートモードの光感度が高くなって
好都合であるが、粒子の分散が難しく、10μm以上で
は、印刷物の解像度が悪くなる。
【0038】本発明の感光層には、必要に応じてこれら
以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光
域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用す
ることができる。具体的には、オイルイエロー#10
1、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、
オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブル
ー#603、オイルブラックBY、オイルブラックB
S、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工
業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバ
イオレット(CI42555)、メチルバイオレット
(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミン
B(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI
42000)、メチレンブルー(CI52015)等、
及び特開昭62−293247号に記載されている染料
又は酸化チタンなどの顔料を挙げることができる。これ
らの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別が
つきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量
は、感熱層塗布液全固形分に対し、0.01〜10重量
%が好ましい。
【0039】本発明の感熱層は、必要に応じて、特開平
9−171250号に記載されている加熱時に親水性樹
脂を架橋結合しうる架橋結合剤、特願2000−697
0号に記載されている、加熱時の反応を開始又は促進す
る化合物、又は微粒子状ポリマー中の反応性基と反応す
ることができる官能基またはその保護基を有する化合物
を含有することができる。
【0040】また、本発明においては、感熱層がラジカ
ル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物
を含有する場合は、塗布液の調製中もしくは保存中にお
いての不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防
止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤と
してはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−
t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチ
ルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン
アルミニウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量
は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重
量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻
害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような
高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で
感熱層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の
添加量は、全組成物の約0.1重量%〜約10重量%が
好ましい。
【0041】また、本発明における感熱層塗布液中に
は、機上現像の安定性を広げるため、特開昭62−25
1740号や特開平3−208514号に記載されてい
るような非イオン界面活性剤、特開昭59−12104
4号、特開平4−13149号に記載されているような
両性界面活性剤を添加することができる。非イオン界面
活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレー
ト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレ
ート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0042】両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、
商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられ
る。上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の感熱
層塗布液中に占める割合は、0.05〜15重量%が好
ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0043】さらに、本発明に係る感熱層中には、必要
に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加え
られる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸ト
リブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレ
ジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイ
ン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0044】本発明の感熱層は、上記各成分の必要なも
のを溶媒に溶かして塗布液を調製し、適当な支持体上に
塗布し、乾燥して設けられる。使用する溶媒としては、
エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチ
ルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−
2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1
−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタ
ン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチル
ウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等
を挙げることができ、単独又は混合して使用されるが、
これに限定されるものではない。溶媒中の上記成分(添
加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重
量%である。
【0045】また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感
熱層の乾燥塗布量は、用途によって異なるが、一般的に
0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方法とし
ては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バ
ーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗
布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、
ロール塗布等を挙げることができる。
【0046】本発明に係る感熱層塗布液には、塗布性を
良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−17
0950号に記載されているようなフッ素系界面活性剤
を添加することができる。好ましい添加量は、全感熱層
の材料固形分中0.01〜1重量%、さらに好ましくは
0.05〜0.5重量%である。
【0047】本発明に好適に使用される親水性表面を有
する支持体としては、表面処理されたアルミニウム板、
及び親水層を塗布されたプラスチック支持体を挙げるこ
とができる。さらに具体的には、陽極酸化されたアルミ
ニウム板、陽極酸化処理された後、親水化処理をされた
アルミニウム板、及び親水層を塗布されたポリエステル
フィルムが好適である。
【0048】該アルミニウム板は、純アルミニウム板お
よびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合
金板であり、さらにはアルミニウムまたはアルミニウム
合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているもの
である。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ
素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、
ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元
素の含有量は高々10重量%以下である。しかし、本発
明に適用されるアルミニウム板は、従来より公知公用の
素材のアルミニウム板をも適宜に利用することができ
る。
【0049】本発明で用いられる上記の基板の厚みは
0.05mm〜0.6mm、好ましくは0.1mm〜
0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mm
である。
【0050】アルミニウム板を使用するに先立ち、表面
の粗面化、陽極酸化などの表面処理をすることが好まし
い。表面処理により、親水性の向上および感熱層との接
着性の確保が容易になる。
【0051】アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々
の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する
方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化
学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械
的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラス
ト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることが
できる。化学的方法としては、特開昭54−31187
号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の
飽和水溶液に浸漬する方法が適している。また、電気化
学的な粗面化法としては塩酸または硝酸などの酸を含む
電解液中で交流または直流により行う方法がある。ま
た、特開昭54−63902号に開示されているように
混合酸を用いた電解粗面化方法も利用することができ
る。
【0052】上記の如き方法による粗面化は、アルミニ
ウム板の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.2〜1.
0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。粗
面化されたアルミニウム板は必要に応じて水酸化カリウ
ムや水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いてアルカリエ
ッチング処理がされ、さらに中和処理された後、所望に
より耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質とし
ては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が
可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるい
はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は
電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処理
条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定
し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%
溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2
電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれ
ば適当である。形成される酸化皮膜量は、1.0〜5.
0g/m2、特に1.5〜4.0g/m2であることが好
ましい。
【0053】本発明で用いられる親水性表面を有する支
持体としては、上記のような表面処理をされ酸化皮膜を
有する基板そのままでも良いが、親水性、汚れ難さなど
のさらなる向上のため、親水性化合物を含有する水溶液
に浸漬する親水化処理を行うことも好ましい。かかる親
水性化合物としては、特願2000−143387号に
記載の化合物が好適である。すなわち、ポリビニルホス
ホン酸、スルホン酸基をもつ化合物、糖類化合物(例え
ばサポニン)、クエン酸、アルカリ金属珪酸塩、フッ化
ジルコニウムカリウム、リン酸塩/無機フッ素化合物な
どを挙げることができる。これらの化合物を濃度0.0
2〜30重量%の水溶液とし、必要に応じてpHを調節
し、液温10〜100℃で、0.5〜300秒間浸漬し
て親水化処理を行う。処理後は、水などで洗浄し次いで
乾燥される。
【0054】本発明に有用なポリエステルフィルムに塗
布される親水層としては、特願2000−10810号
に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、
珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウ
ム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選
択される少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物
のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好
ましい。中でも、珪素の酸化物又は水酸化物のコロイド
を含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
【0055】本発明においては、感熱層を塗布する前
に、必要に応じて、特願2000−143387号に記
載の、例えばホウ酸亜鉛等の水溶性金属塩のような無機
下塗層、又は例えばカルボキシメチルセルロース、デキ
ストリン、ポリアクリル酸などの含有する有機下塗層が
設けられてもかまわない。又、この下塗層には、前記光
熱変換剤を含有させてもよい。
【0056】本発明の平版印刷用原板は、親油性物質に
よる感熱層表面の汚染防止のため、感熱層上に、水溶性
オーバーコート層を設けることができる。本発明に使用
される水溶性オーバーコート層は印刷時容易に除去でき
るものであり、水溶性の有機高分子化合物から選ばれた
樹脂を含有する。ここで用いる水溶性の有機高分子化合
物としては、塗布乾燥によってできた被膜がフィルム形
成能を有するもので、具体的には、ポリ酢酸ビニル(但
し加水分解率65%以上のもの)、ポリアクリル酸、そ
のアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリル酸共
重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメ
タクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポ
リメタクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくは
アミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒ
ドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、
その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチ
ルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アク
リルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そ
のアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリ
ルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合
体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、アラビアガ
ム、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロー
ズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ
等)、その変性体 、ホワイトデキストリン、プルラ
ン、酵素分解エーテル化デキストリン等を挙げることが
できる。また、目的に応じて、これらの樹脂を二種以上
混合して用いることもできる。
【0057】また、オーバーコート層には、前記の水溶
性光熱変換剤を添加しても良い。さらに、オーバーコー
ト層には塗布の均一性を確保する目的で、水溶液塗布の
場合には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンドデシルエーテルなどの非イオ
ン系界面活性剤を添加することができる。オーバーコー
ト層の乾燥塗布量は、0.1〜2.0g/m2が好まし
い。この範囲内で、機上現像性を損なわず、指紋付着汚
れなどの親油性物質による感熱層表面の良好な汚染防止
ができる。
【0058】本発明の平版印刷用原板は熱により画像形
成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像
様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯
などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが
用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放
射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外
線レーザによる露光が好適である。画像露光された本発
明の平版印刷用原板は、それ以上の処理なしに印刷機に
装着し、インキと湿し水を用いて通常の手順で印刷する
ことができる。また、これらの平版印刷用原板は、日本
特許2938398号に記載されているように、印刷機
シリンダー上に取りつけた後に、印刷機に搭載されたレ
ーザーにより露光し、その後に湿し水又はインクをつけ
て機上現像することも可能である。また、これらの平版
印刷用原板は、水または適当な水溶液を現像液とする現
像をした後、印刷に用いることもできる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0060】微粒子(1)の合成例 酢酸エチル21.0gに、重量平均分子量2000のフ
ェノールのレゾール樹脂6.0g、光熱変換剤(本明細
書記載のIR−26)1.5g、アニオン界面活性剤パ
イオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを溶解し、
油相を作製した。これに4%のポリビニルアルコール
(クラレ(株)製PVA205)水溶液36.0gの水
相を加え、ホモジナイザーで10000rpmで10分
間乳化させた。水を24.0gを加えた後に、この液を
50℃で3時間、有機溶剤を飛ばしながら加熱した。固
形分濃度を測定したところ15.0重量%であった。ま
た平均粒径は0.7μmであった。
【0061】微粒子(2)の合成例 アセトニトリル5.0g、酢酸エチル16.0gにエポ
キシ樹脂エピコート1002(油化シェルエポキシ(株)
製)6.0g及び1,8−ジアミノオクタン0.5g、
光熱変換剤(本明細書記載のIR−26)1.5g、パ
イオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを溶解し、
油相を作製した。以下、微粒子(1)の合成例と同様に
して、固形分濃度14.0重量%、平均粒径は0.4μ
mの微粒子(2)の分散液を作製した。
【0062】微粒子(3)の合成例 酢酸エチル21.0gに重量平均分子量7000のフェ
ノールノボラック樹脂6.0g、熱硬化性低分子化合物
(本明細書記載の構造式(I)の化合物)1.0g及び
光熱変換剤(本明細書記載のIR−26)1.5g、パ
イオニンA−41C0.1gを溶解し、油相を作成した。
以下、微粒子(1)の合成例と同様にして、固形分濃度
15.0重量%、平均粒径は0.7μmの微粒子(3)
の分散液を作製した。
【0063】微粒子(4)の合成例 アセトニトリル10.0g、酢酸エチル11.0gに重
量平均分子量4000のm−/p−比6/4のクレゾール
ノボラック樹脂6.0g、ヘキサメトキシメチルメラミ
ン1.0g、光熱変換剤(本明細書記載のIR−26)
1.5g、パイオニンA−41C0.1gを溶解し、油相
を作製した。これに微粒子(1)の合成例と同じ水相を
加え同様にホモジナイザーでの乳化を行った。水24.
0gを加えた後に、この液を60℃で3時間酢酸エチル
を飛ばしながら加熱した。固形分濃度を測定したところ
20.0重量%であった。また平均粒径は0.8μmで
あった。
【0064】微粒子(5)の合成例 アセトニトリル5.0g、酢酸エチル16.0gに10
0%油溶性フェノール樹脂(pp−3120群栄化学工
業(株)製)6.0g、光熱変換剤(本明細書記載のI
R−26)1.5g、パイオニンA−41C0.1gを溶
解し、油相を作製した。以下、微粒子(1)の合成例と
同様にして、固形分濃度14.5重量%、平均粒径は
0.9μmの微粒子(5)の分散液を作製した。
【0065】微粒子(6)の合成例 酢酸エチル21.0gに重量平均分子量2000のフェ
ノールのレゾール樹脂6.0g、パイオニンA−41C
0.1gを溶解し、油相を作成した。以下、微粒子
(1)の合成例と同様にして、固形分濃度15.0重量
%、平均粒径は0.7μmの微粒子(6)の分散液を作
製した。
【0066】比較用微粒子(7)の合成例 酢酸エチル21.0gに重量平均分子量10000のポ
リスチレン樹脂6.0g、光熱変換剤(本明細書記載の
IR−26)1.5g、パイオニンA−41C0.1gを
溶解し、油相を作製した。以下、微粒子(1)の合成例
と同様にして、固形分濃度15.0重量%、平均粒径は
0.7μmの微粒子(7)の分散液を作製した。
【0067】支持体の製造例1 銅を0.01%、チタンを0.03%、鉄を0.3%、
ケイ素を0.1%含有する、JIS A 1050アル
ミニウム材の厚み0.24mm圧延板を、400メッシ
ュのパミストン(共立窯業製)の20重量%水懸濁液
と、ブラシの毛径0.30mmの回転ナイロンブラシ
(6−10ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てし
た後、よく水で洗浄した。
【0068】これを15重量%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニム5重量%含有)に浸漬してアルミニウムの
溶解量が5g/m2になるようにエッチングした後、流
水で水洗した。さらに、1重量%硝酸で中和し、次に
0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウムイオンとして
0.5%含有)中で、陰極時電圧9.3ボルト、陽極時
電圧10.5ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=
0.90、特公昭58−5796号公報実施例に記載さ
れている電流波形)を用いて160クーロン/dm 2
陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、40
℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、
アルミニウム溶解量が1g/m2になるようにエッチン
グした後、水洗した。次に50℃30%の硫酸水溶液中
に浸漬し、デスマットした後、水洗した。さらに、35
℃20重量%硫酸水溶液(アルミニウムイオンとして
0.8%含有)中で、直流を用いて多孔性陽極酸化皮膜
形成処理を行った。すなわち電流密度13A/dm2
電解を行ない、電解時間を調節して陽極酸化皮膜重量
4.0g/m2とし、水洗乾燥した。
【0069】以上のようにして得られたアルミニウム支
持体(支持体A)は、反射濃度は0.28で、中心線表
面粗さ(Ra)は0.45μmであった。なお、反射濃
度はマクベスRD920反射濃度計で測定し、中心線表
面粗さ(Ra)は東京精密機械社製SURFCOM触針
計(触針10μR)を使用して測定した。この支持体A
を、ポリビニルホスホン酸0.5重量%水溶液に、60
℃10秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体
(I)を得た。
【0070】支持体の製造例2 支持体Aを、リグニンスルホン酸ナトリウム0.1重量
%水溶液(pH5.5)に、80℃60秒間浸漬処理し
た後、水洗乾燥して、支持体(II)を得た。
【0071】支持体の製造例3 支持体Aを、サポニン1重量%水溶液(pH5.5)
に、40℃30秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支
持体(III)を得た。
【0072】支持体の製造例4 支持体Aを、クエン酸5重量%水溶液に50℃60秒間
浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体(IV)を得た。
【0073】支持体の製造例5 支持体Aを、ケイ酸ナトリウム2.5重量%水溶液に7
0℃12秒間浸漬処理した後、水洗乾燥して、支持体
(V)を得た。
【0074】支持体の製造例6 支持体Aを、フッ化ジルコニウムカリウム1.5重量%
水溶液に60℃60秒間浸漬処理した後、水洗乾燥し
て、支持体(VI)を得た。
【0075】支持体の製造例7 支持体Aを、NaH2PO4/NaF(10重量%/0.
1重量%)水溶液に70℃30秒間浸漬処理した後、水
洗乾燥して、支持体(VII)を得た。
【0076】実施例1〜16および比較例1 上記の製造例で得た支持体、及び下記組成の感熱層塗布
液(1)〜(3)を、表1に示した組み合わせで用い
て、感熱性平版印刷用原板を作製した。感熱層の塗布は
バー塗布で行い、乾燥条件は、オーブン使用、90℃1
20秒であり、感熱層乾燥塗布量は1.2g/m2であっ
た。
【0077】 感熱層塗布液(1) 水 30g 微粒子(固形分換算) 2.0g メガファックF−171 0.1g (大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤) ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA205) 0.2g ヘキサメトキシメチルメラミン 0.02g
【0078】 感熱層塗布液(2) 水 30g 微粒子(固形分換算) 2.0g メガファックF−171 0.1g ポリエチレングリコール(重量平均分子量2000) 0.2g ヘキサメトキシメチルメラミン 0.02g
【0079】 感熱層塗布液(3) 水 30g 微粒子(固形分換算) 2.0g メガファックF−171 0.1g ポリビニルピロリドン(重量平均分子量20000) 0.2g ヘキサメトキシメチルメラミン 0.02g
【0080】このようにして得られた機上現像可能な平
版印刷版を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載し
たクレオ社製トレンドセッター3244VFSにて、出
力9W、外面ドラム回転数210rpm、版面エネルギ
ー100mJ/cm2、解像度2400dpiの条件で
露光した後、処理することなく、ハイデルベルグ社製印
刷機SOR−Mのシリンダーに取付け、湿し水を供給し
たのち、インキを供給し、さらに紙を供給し印刷を行っ
た。すべての原板について問題なく機上現像することが
でき、印刷可能であった。各原板で得られた印刷物の枚
数と汚れ難さのレベルを表1に記載した。
【0081】
【表1】
【0082】本発明の平版印刷版は、良好な機上現像性
を有し、優れた耐刷性と汚れ難さを有することがわか
る。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、デジタル信号に基づい
た走査露光による製版が可能であり、良好な機上現像性
を有し、しかも高耐刷性を有する感熱性平版印刷用原板
を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷中 宏充 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA12 AB03 AC08 AD01 BJ03 CB28 CB51 CB54 CC11 CC17 DA36 2H096 AA06 BA06 CA03 EA04 EA23 2H114 AA04 AA14 AA22 AA24 BA01 BA10 DA04 DA43 DA44 DA46 DA51 DA55 DA59 DA74 DA75 EA01 FA16 GA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性表面を有する支持体上に、a)熱
    硬化性化合物を含有する微粒子、及びb)親水性樹脂、
    を含有する感熱層を有する感熱性平版印刷用原板。
  2. 【請求項2】 微粒子が光熱変換剤を含有することを特
    徴とする請求項1記載の感熱性平版印刷用原板。
  3. 【請求項3】 親水性表面を有する支持体が、陽極酸化
    処理され親水化処理されたアルミニウム支持体であるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の感熱性平版
    印刷用原板。
  4. 【請求項4】 熱硬化性化合物が、フェノール骨格を有
    する樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂及びエポキシ樹脂か
    ら選ばれた少なくとも一つの樹脂であることを特徴とす
    る請求項1から請求項3のいずれかに記載の感熱性平版
    印刷用原板。
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