JP4250347B2 - 不良クラスタリング検索方法、不良クラスタリング検索装置、不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体、救済回路最適化方法、工程管理方法、クリーンルーム管理方法、半導体装置の製造方法、問題工程及び問題装置の抽出方法、問題工程及び問題装置の抽出プログラムを格納した記録媒体、問題工程及び問題装置の抽出装置、及び検索母体のスクラップ判断方法 - Google Patents

不良クラスタリング検索方法、不良クラスタリング検索装置、不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体、救済回路最適化方法、工程管理方法、クリーンルーム管理方法、半導体装置の製造方法、問題工程及び問題装置の抽出方法、問題工程及び問題装置の抽出プログラムを格納した記録媒体、問題工程及び問題装置の抽出装置、及び検索母体のスクラップ判断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造技術における不良箇所のクラスタリング検索技術に関わり、特に、簡便に製造プロセスやデザインの異常を発見して半導体デバイスの生産性を改善するための不良クラスタリング検索方法、この方法を実施するための不良クラスタリング検索装置、及び不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体に関する。また、この不良クラスタリング検索方法を用いて不完全性実体の救済に必要な救済回路数の最適化を行う救済回路最適化方法に関する。さらに、不良クラスタリング検索方法を用いてクラスタリングの傾向を調査する工程管理方法に関する。さらに、半導体装置の製造工程中の検査工程においてこの不良クラスタリング検索方法によるクラスタリング検索を行うクリーンルーム管理方法及び半導体装置の製造方法に関する。さらに、不良クラスタリング検索方法を用いて、歩留り低下に関与する工程(問題工程)及び製造装置(問題装置)を効率よく抽出する方法、このプログラムを格納した記録媒体、及びそれを実現するための装置に関する。さらに、不良クラスタリング検索方法を用いた検索母体のスクラップ判断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今の半導体装置の微細化によりプロセスマージンは減少し、マスク合わせずれ、不純物濃度、薄膜厚さなどのウェハ面内における不均一性あるいはウェハ内の微小欠陥などが、デバイスの不良原因として顕在化してきている。デバイスの不良原因を究明して生産歩留りを向上させるために、半導体装置の製造工場において様々なプロセス改善が急務とされている。
【0003】
従来、プロセス改善の方法として以下に示す方法がある。まず、フェイル・ビット・マップ(Fail Bit Map)などの不良マップに基づいて、電気的不良がウェハ内でランダムに発生しているか、それとも特定の部分に集中して発生しているか、つまり、クラスタリングしているか否かを経験的に判断する。そして、ウェハ周辺部などの特定の部分に集中して発生している場合、この部分(ウェハ周辺部)を電気的不良のクラスタリング箇所として特定する。そして、ウェハ周辺部において電気的不良が発生するマスク合わせずれなどの不良原因を想定し、関連するステッパーなどの製造装置に対して不良原因を調査していた。また、ウェハ内の欠陥に対しては、欠陥観察装置を用いて、経験的に定めたしきい値より多くの欠陥が集中して存在する場所を欠陥多発箇所(クラスタリング箇所)として抽出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの手法では、主に、不良マップを人間が目で見て、経験に基づいて不良クラスタリング箇所を特定し、あるいは経験的に定めたしきい値を用いてクラスタリングの有無を判定していたため、客観性に乏しいという問題があった。つまり、電気的不良または欠陥がウェハ面内でランダムに発生しているのか、もしくは特定の原因をもつシステマティックなものかの定量的な判定が困難であった。
【0005】
このような問題に対し、統計的手法を用いてクラスタリングの有無を判断する例が、Proc. 1997 Second Int. Workshop Statistical Metrology p52-55.に開示されている。ここでは、チップ当りに発生した欠陥の頻度分布に対してポアソン分布を近似させ、欠陥数の多いテイル部分、すなわちポアソン分布では欠陥数がほとんど0となる部分において、ノンゼロの値が存在している場合にクラスタリングしていると判定している。しかしながら、この文献の例では、目で見ても明らかにクラスタリングの判別が可能であり、テイル部の「分布形状」を考慮した定量的な判断がなされていない。
【0006】
このように、従来、統計的に欠陥あるいは電気的不良がランダムに発生する偶発的不良と欠陥あるいは電気的不良が偏って発生するクラスタリング不良(クラスタリング箇所)を判別することは困難であった。
【0007】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、定量的なクラスタリング検索を行うことができる不良クラスタリング検索方法、不良クラスタリング検索装置、及び不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、特定の原因を持って検索母体内に偏って発生する不完全性実体に近似された離散型分布関数の分布形状に基づいて、クラスタリング検索することができる不良クラスタリング検索方法、不良クラスタリング検索装置、及び不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体を提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、検索母体内のクラスタリング箇所を表示することで、クラスタリングの原因を容易に解明することができる不良クラスタリング検索方法、不良クラスタリング検索装置、及び不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体を提供することである。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、救済後の歩留りを最適化することができる救済回路最適化方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、的確な製造工程の工程管理を行い、適切なプロセス改善を行うことができる工程管理方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、高い歩留りを安定して維持することができるクリーンルーム管理方法、及び半導体装置の製造方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、製造歩留りの低下に関与する不完全性実体が、どの工程の、どの製造装置において発生したものであるかを的確に突き止めることができる問題工程及び問題装置の抽出方法、問題工程及び問題装置の抽出プログラムを格納した記録媒体、及び問題工程及び問題装置の抽出装置を提供することである。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、低歩留りの検索母体による損失を小さく抑えることが出来る検索母体のスクラップ判断方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第1のステップと、検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第3のステップと、頻度分布に対する離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第4のステップとを少なくとも有する不良クラスタリング検索方法であることである。
【0016】
ここで、「不完全性実体」は、電気的不良、レイヤー毎の電気的不良、欠陥、レイヤー毎の欠陥、あるいは、救済に必要となる救済回路などを示す。また、不完全性実体は、半導体チップ内に限らず、半導体外囲器についての電気的不良、欠陥なども含む概念である。例えば、樹脂パッケージのクラック、ボンディングワイヤーの断線、リードフレームのオープン・ショート不良などがある。
【0017】
また、「検索母体」に対してクラスタリングの有無が判定され、あるいは検索母体内のクラスタリング箇所が検索される。検索母体の例として、ウェハ、ロット、製造ライン、製造工場などが考えられる。「単位セル」は、検索母体を分割した個々の領域を示し、検索母体内に存在する不完全性実体の頻度を示す単位である。1つの単位セル当りの不完全性実体の数が不完全性実体の頻度を示す。単位セルの例として、チップを2つ以上に分割した個々の領域である「ブロック」、チップ、2つ以上のチップをまとめた領域である「グループ」、リソグラフィの単位となる「ショット領域」、ウェハ、ロットなどが該当する。ただし、単位セルのサイズは検索母体よりも小さければならない。
【0018】
さらに、不完全性実体の頻度分布には、検索母体内でランダムに発生する偶発的不良や特定の原因を持って検索母体内で偏って発生するクラスタリング不良が含まれている。「離散型分布関数」は、不完全性実体の頻度分布に含まれる偶発的不良やクラスタリング不良に対してそれぞれ個別に近似される分布関数である。例えば、偶発的不良に対してポアソン分布、クラスタリング不良に対して負の二項分布などの離散型分布関数が近似される。
【0019】
さらに、「検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータ」は、不完全性実体の検索母体内での座標、不完全性実体の種類(電気的不良、欠陥など)、各単位セル内に存在する不完全性実体の数、その単位セルの検索母体内での座標、及びクラスタリングを判定する条件などの不完全性実体の頻度分布を計算し、クラスタリングを判定する上で必要なデータの意である。
【0020】
本発明の第1の特徴によれば、検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力することで、不完全性実体の頻度分布を計算することができる。不完全性実体の頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似することで、不完全性実体の頻度分布を2種類以上の離散型分布関数に分割することができる。頻度分布を分割する各離散型分布関数は、検索母体内にランダムに発生する不完全性実体、特定の原因を持って検索母体内に偏って発生する不完全性実体などの不完全性実体の発生原因別に近似される。特定の原因を持って検索母体内に偏って発生する不完全性実体に近似された離散型分布関数の重みに基づいて、検索母体がクラスタリングしているか否か、あるいは検索母体内のどの単位セルがクラスタリングしているかなどを定量的に判定・検索することができる。
【0021】
本発明の第1の特徴において、第1のステップは、各単位セル内に存在する不完全性実体の数を入力する第1の作業と、離散型分布関数の重みに関するクラスタリング判定条件を入力する第2の作業とからなることが望ましい。また、第4のステップは、クラスタリング判定条件に従って、検索母体がクラスタリングしているか否かを判定するステップであるであることが望ましい。各単位セル内に存在する不完全性実体の数を入力することにより、不完全性実体の頻度分布を計算することができる。また、離散型分布関数の重みに関するクラスタリング判定条件を入力することにより、第4のステップにおいて、この判定条件に従って定量的なクラスタリング判定を行うことができる。クラスタリング判定条件は、離散型分布関数の重みの不等式からなる条件式であることが望ましい。
【0022】
また、離散型分布関数は、1つのポアソン分布関数と、1つの負の二項分布とからなり、第2の作業は、頻度分布に対する負の二項分布の重みのしきい値を入力する作業であることが望ましい。また、第4のステップは、負の二項分布の重みがしきい値より大きければクラスタリング有りとし、小さければクラスタリング無しと判定するステップであることが望ましい。不完全性実体のうち、大半がランダムに存在し、一部がクラスタリングしている場合には、この両者を重ね合わせて使用するのが適当であると考えられる。
【0023】
さらに、第1のステップの前に、検索母体内に存在する不完全性実体を検出するステップと、検出された不完全性実体の座標データを記憶するステップと、不完全性実体の座標データを、各単位セル内に存在する不完全性実体の数のデータに変換するステップとをさらに有することが望ましい。不完全性実体の検出方法とリンクした不良クラスタリング検索方法を得ることができる。
【0024】
また本発明の第1の特徴において、第1のステップは、各単位セル内に存在する不完全性実体の数と、各単位セルの座標を入力するステップであっても構わない。この場合、第4のステップは、2種類以上の離散型分布関数の成分が互いに等しくなる不完全性実体の数をクラスタリングしきい値として計算する第1の作業と、不完全性実体の数がクラスタリングしきい値よりも多い単位セルをクラスタリング箇所として検索する第2の作業とからなることが望ましい。各単位セルの座標を入力することにより、クラスタリング箇所が検索母体のどの座標に位置するかを求めることができる。クラスタリング箇所を表示することで、クラスタリングの原因を解明することができる。なお、第1のステップにおいて入力した単位セルの座標に基づいて、クラスタリング箇所を検索母体のマップ上に表示することが望ましい。
【0025】
また、離散型分布関数は、1つのポアソン分布関数と、1つの負の二項分布とからなり、第1の作業は、ポアソン分布と負の二項分布の成分が互いに等しくなる不完全性実体の数をクラスタリングしきい値として計算する作業であっても構わない。ここで、ポアソン分布と負の二項分布の「成分」とは、ポアソン分布と負の二項分布を重ね合わせて近似する(3)式における右辺第1項及び右辺第2項をそれぞれ示す。
【0026】
さらに本発明の第1の特徴において、不完全性実体は、電気的不良あるいは欠陥であることが望ましい。
【0027】
本発明の第2の特徴は、検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する入力装置と、不完全性実体に関するデータを用いて、検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する頻度分布計算部と、頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似する離散型分布関数近似部と、頻度分布に対する離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索するクラスタリング検索部とを少なくとも有する不良クラスタリング検索装置であることである。
【0028】
本発明の第2の特徴において、不完全性実体に関するデータは、各単位セル内に存在する不完全性実体の数と、離散型分布関数の重みに関するクラスタリング判定条件とからなることが望ましい。また、クラスタリング検索部は、クラスタリング判定条件に従って、検索母体がクラスタリングしているか否かを判定するクラスタリング判定部であることが望ましい。
【0029】
あるいは、不完全性実体に関するデータは、各単位セル内に存在する不完全性実体の数と、各単位セルの座標とからなってもよい。また、クラスタリング検索部は、2種類以上の離散型分布関数の成分が互いに等しくなる不完全性実体の数を計算するクラスタリングしきい値計算部と、不完全性実体の数がクラスタリングしきい値よりも多い単位セルをクラスタリング箇所として検索するクラスタリング箇所検索部とからなってもよい。
【0030】
本発明の第3の特徴は、検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第1のステップと、検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第3のステップと、頻度分布に対する離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第4のステップとを少なくとも有する不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体であることである。
【0031】
本発明の第4の特徴は、ウェハを分割した各チップ内に存在する救済に必要な救済回路の数を入力する第1のステップと、各チップ当りの救済回路の頻度分布を計算する第2のステップと、救済回路の数の増加に従って、増加する良品チップ数と減少するウェハ内の全チップ数との関係から、ウェハから取れる良品チップの数が最大となる救済回路の数を計算する第3のステップとを少なくとも有する救済回路最適化方法であることである。
【0032】
本発明の第4の特徴によれば、電気的不良を救済するために必要となる救済回路の頻度分布を作成し、設定した救済回路数の元での救済後歩留り、さらには、チップ面積の救済回路数存在性を考慮することにより、ウェハから取れる良品数を最大にする設定救済回路数を求めることが可能となる。
【0033】
本発明の第5の特徴は、複数の検索母体から1検索母体を選ぶ第1のステップと、1検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第2のステップと、1検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する第3のステップと、頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第4のステップと、頻度分布に対する離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第5のステップと、総ての検索母体が選ばれていない場合、第1のステップに戻り、他の検索母体について第1乃至第5のステップを行う第6のステップとを少なくとも有する工程管理方法であることである。
【0034】
本発明の第5の特徴によれば、不完全性実体の頻度分布に対する離散型分布関数の重みに基づいて検索母体ごとにクラスタリング検索することで、クラスタリングがどの検索母体でどの程度発生しているか、クラスタリングの傾向はどうか、などについての理解が可能となる。
【0035】
本発明の第6の特徴は、クリーンルーム内で行われる1つ又は複数の不完全性実体の検査工程において、検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第1のステップと、検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第3のステップと、頻度分布に対する離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第4のステップとを少なくとも有するクリーンルーム管理方法であることである。
【0036】
本発明の第6の特徴によれば、クリーンルーム内で行われる検査工程において検出された不完全性実体に対して、クラスタリング検索を行うことで、電気的不良や欠陥などの不完全性実体の多発を製造途中において早期に発見することができる。また、不完全性実体の発生原因となる製造工程を容易に特定することができる。
【0037】
本発明の第7の特徴は、半導体装置の製造工程中の1つ又は複数の不完全性実体の検査工程において、検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第1のステップと、検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第3のステップと、頻度分布に対する離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第4のステップとを少なくとも有する半導体装置の製造方法であることである。
【0038】
本発明の第7の特徴によれば、半導体装置の製造工程中の検査工程において検出された不完全性実体に対して、クラスタリング検索を行うことで、電気的不良や欠陥などの不完全性実体の多発を製造途中において早期に発見することができる。また、不完全性実体の発生原因となる製造工程を容易に特定することができる。
【0039】
本発明の第8の特徴は、(1)複数の検索母体から1検索母体を選ぶ第1のステップと、(2)1検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第2のステップと、(3)検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する第3のステップと、(4)この頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似し、離散型分布関数の重みを計算する第4のステップと、(5)総ての検索母体が選ばれていない場合、第1のステップに戻り、他の検索母体について第1乃至第4のステップを行う第5のステップと、(6)各検索母体毎の離散型分布関数の重み、及び各検索母体の装置履歴を用いて、工程別に、経由した装置毎の離散型分布関数の重みの頻度分布(以後、単に「重みの頻度分布」という)を計算する第6のステップと、(7)工程別に、経由した装置間の重みの頻度分布の差を計算する第7のステップと、(8)重みの頻度分布の差が大きい工程及び装置を順番に抽出する第8のステップとを少なくとも有する問題工程及び問題装置の抽出方法であることである。
【0040】
本発明の第8の特徴によれば、第6のステップにおいて、工程別に、経由した装置毎の離散型分布関数の重みの頻度分布を計算し、第7のステップにおいて、この重みの頻度分布の経由した装置の違いによる差を計算することで、不完全性実体のクラスタリングの度合いに対する経由した装置の依存性を定量的に求めることができる。よって、特定の原因を持ったクラスタリング不良が、どの工程の、どの製造装置において発生したものであるかを的確に突き止めることができる。更に、複数の工程・装置が関連する複合的な要因で発生する不完全性実体に関与する工程・装置を的確に抽出することができる。
【0041】
本発明の第8の特徴において、不完全性実体は、救済に必要な救済回路であることが望ましい。メモリデバイスにおいて、リダンダンシー回路によりスクリーニングされた不良メモリセルを考慮に入れて不完全性実体の発生原因を解明することができる。
【0042】
本発明の第9の特徴は、(1)複数の検索母体から1検索母体を選ぶ第1のステップと、(2)1検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第2のステップと、(3)検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する第3のステップと、(4)この頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似し、離散型分布関数の重みを計算する第4のステップと、(5)総ての検索母体が選ばれていない場合、第1のステップに戻り、他の検索母体について第1乃至第4のステップを行う第5のステップと、(6)各検索母体毎の離散型分布関数の重み、及び各検索母体の装置履歴を用いて、工程別に、経由した装置毎の離散型分布関数の重みの頻度分布(以後、単に「重みの頻度分布」という)を計算する第6のステップと、(7)工程別に、経由した装置間の重みの頻度分布の差を計算する第7のステップと、(8)重みの頻度分布の差が大きい工程及び装置を順番に抽出する第8のステップとを有する問題工程及び問題装置の抽出プログラムを格納した記録媒体であることである。
【0043】
本発明の第10の特徴は、検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータ、及び検索母体と当該検索母体が経由した工程及び装置との対応関係を示す装置履歴のデータを少なくとも格納したデータ記憶部と、不完全性実体に関するデータを用いて、検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する頻度分布計算部と、頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似し、離散型分布関数の重みを計算する離散型分布関数近似部と、各検索母体毎の離散型分布関数の重みのデータ、及び装置履歴のデータを用いて、各工程別に、各装置毎の離散型分布関数の重みの頻度分布を計算する重み頻度分布計算部と、工程別に、経由した装置間の離散型分布関数の重みの頻度分布の差を計算する重み頻度分布差計算部とを有する問題工程及び問題装置の抽出装置であることである。
【0044】
本発明の第10の特徴によれば、重み頻度分布計算部を用いて、工程別に、経由した装置毎の離散型分布関数の重みの頻度分布を計算し、重み頻度分布差計算部を用いて、この重みの頻度分布の経由した装置の違いによる差を計算することで、不完全性実体のクラスタリングの度合いに対する経由した装置の依存性を定量的に求めることができる。よって、特定の原因を持ったクラスタリング不良が、どの工程の、どの製造装置において発生したものであるかを的確に突き止めることができる。更に、複数の工程・装置が関連する複合的な要因で発生する不完全性実体に関与する工程・装置を的確に抽出することができる。
【0045】
本発明の第11の特徴は、(1)半導体装置の製造途中の検査工程において、半導体素子の素子特性を評価して、検索母体内に存在する不完全性実体を検出する第1のステップと、(2)検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、(3)頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似して、離散型分布関数のパラメータを計算する第3のステップと、(4)離散型分布関数のパラメータを用いて、検索母体の歩留りを計算する第4のステップと、(5)検索母体の歩留りを用いて、製造途中の検索母体をスクラップするか否かを判断する第5のステップとを有する検索母体のスクラップ判断方法であることである。
【0046】
本発明の第11の特徴によれば、製造途中の検索母体をスクラップせずに最終工程まで流した場合の損益と、製造途中の検索母体をスクラップした場合の損益とを比較して、スクラップの是非を判断することができる。これにより、低歩留りの検索母体による損失を小さく抑えることが出来る。また、実際には、低歩留りの検索母体をスクラップすることにより、その後の製造工程に余裕が生じ、他の検索母体の工期を短縮することができ、或いは多数の検索母体を処理することができる。即ち、製造ライン全体として処理効率を高めることができる。
【0047】
本発明の第11の特徴において、不完全性実体を電気的不良とし、検索母体をロット或いはウェハとすることが望ましい。この場合、製造途中の検査工程において、半導体素子の素子特性評価を実施し、その結果に基いてロット或いはウェハの不良クラスタリング検索を実施することで、その時点での歩留り、そして最終的な歩留りを計算することができる。よって、ロット/ウェハのスクラップの判断を行うことができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
(基本構成)
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似な部分には同一あるいは類似な符号を付している。まず、本発明の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法の基本構成を図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法の基本構成を示すフローチャートである。実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法は、以下のステップから構成されている。
【0049】
(1)まず、ステップS100において、検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する。
【0050】
(2)次に、ステップS200において、入力されたデータに基づいて、検索母体を分割した各単位セル当りの不完全性実体の頻度分布を計算する。
【0051】
(3)次に、ステップS300において、不完全性実体の頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似する。
【0052】
(4)最後に、ステップS400において、不完全性実体の頻度分布に対する離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する。
【0053】
なおここでは、不完全性実体は「電気的不良」を示し、検索母体は「ウェハ」を示し、単位セルは「チップ」を示す。
【0054】
ステップS100において、ウェハ内に存在する電気的不良に関するデータは、ステップS200において電気的不良の頻度分布を計算する上で必要なデータを示す。例えば、電気的不良のウェハ内での座標、各チップ内に存在する電気的不良の数及びそのチップのウェハ内での座標、クラスタリングを判定する条件などがこのデータに該当する。
【0055】
ステップS200において、電気的不良の頻度分布は、横軸に各チップあたりの電気的不良の数を、縦軸にチップ数あるいはチップ数の対数をそれぞれ取って表示される。電気的不良の頻度分布は、ウェハ内でランダムに発生する偶発的不良や特定の原因を持ってウェハ内で偏って発生するクラスタリング不良などの様々な種類の電気的不良の分布が重ね合わされて構成されている。
【0056】
ステップS300において、離散型分布関数は、電気的不良の頻度分布に含まれる偶発的不良やクラスタリング不良に対してそれぞれ個別に近似される分布関数である。例えば、偶発的不良に対してポアソン分布、クラスタリング不良に対して負の二項分布などの離散型分布関数が近似される。電気的不良の内、大半がランダムに分布し、一部がクラスタリングしている場合には、2種類以上の離散型分布関数として、1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を重ね合わせて近似することが望ましい。
【0057】
ステップS400において、電気的不良の頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似することで、電気的不良の頻度分布を2種類以上の離散型分布関数に分割することができる。頻度分布を分割する各離散型分布関数は、ウェハ内にランダムに発生する電気的不良、特定の原因を持ってウェハ内に偏って発生する電気的不良などの電気的不良の発生原因別に近似される。また、各離散型分布関数は、頻度分布に対して占める重み、電気的不良数の平均値、クラスタリングパラメータなどの様々なパラメータをそれぞれ有する。これらのパラメータに基づいて、ウェハがクラスタリングしているか否か、あるいはウェハ内のどのチップがクラスタリングしているかなどを判定・検索する。
【0058】
一般に、不完全性実体(電気的不良)が検索母体(ウェハ)内にランダムに存在し、ある単位セル(チップ)内の電気的不良数の平均値がλ個である場合において、チップ内にn個の電気的不良が存在する確率分布は、(1)式に示すポアソン分布P(n;λ)に従うことが知られている。つまり、ポアソン分布は、電気的不良がランダムに存在している場合に有用な分布である。
【0059】
P(n;λ)=exp(−λ)×(λ/n! ・・・(1)
一方、電気的不良がランダムに存在せず、ウェハ内である偏りを持って存在している場合においては、チップ内の電気的不良数の平均値をλNBとし、クラスタリングファクターをαとすると、チップ内にn個の電気的不良が存在する確率分布は、(2)式に示す負の二項分布に従うことが知られている。
【0060】
NB(n;λNB、α)
=A・[α/(λNB+α)]αNB/(λNB+α)] ・・・(2)
但し、A=(α+n−1)(α+n−2)・・・α/n!とする。αが小さく、0に近くなると、偏りの度合いが大きくなり、大きなクラスタリングが起こっていることを意味する。一方、αが大きくなると偏りの度合いが小さくなり、α→∞の極限では、負の二項分布はポアソン分布に一致することが知られている。つまり、負の二項分布は、電気的不良がクラスタリングしている場合に有用な分布である。電気的不良のうち、大半がランダムに存在し、一部がクラスタリングしている場合には、ポアソン分布と負の二項分布を電気的不良の頻度分布に対して重ね合わせて近似する、つまり、この両者を重ね合わせて使用することが適当であると考えられる。
【0061】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態においては、検索母体(ウェハ)がクラスタリングしているか否かを判定する方法及びその方法を実施する不良クラスタリング検索装置について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る不良クラスタリング検索装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、不良クラスタリング検索装置は、処理制御部1と、プログラム記憶部2と、データ記憶部3と、ウェハ内に存在する電気的不良に関するデータを入力する入力装置4と、出力装置5と、分布形状表示部6とから構成されている。
【0062】
処理制御部1は、不良クラスタリングを検索する機能手段として、ウェハ内に存在する電気的不良に関するデータを用いてウェハを分割した各チップ当りの電気的不良の頻度分布を計算する頻度分布計算部7と、電気的不良の頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似する離散型分布関数近似部8と、電気的不良の頻度分布に対する離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索するクラスタリング検索部9とを有する。ここで、電気的不良に関するデータは、各チップ内に存在する電気的不良の数と、離散型分布関数の重みに関するクラスタリング判定条件とからなる。また、離散型分布関数は、1つのポアソン分布と1つの負の二項分布とからなる。離散型分布関数の重みは、負の二項分布の重みを示す。また、クラスタリング検索部9は、クラスタリング判定条件に従って、ウェハがクラスタリングしているか否かを判定するクラスタリング判定部である。クラスタリング判定条件は、負の二項分布の重みの不等式からなる条件式である。負の二項分布の重みがこの条件式を満たすか否かにより、ウェハがクラスタリングしているか否かを判定する。
【0063】
出力装置5及び入力装置4は、クラスタリング検索作業とは関係のない検索装置独自の機能を有し、クラスタリング判定結果、離散型分布関数のパラメータなどを表示したり、クラスタリング検索結果などを装置外部のファイルに保存したり、ファイルに保存したクラスタリング検索結果などを復元したりする。分布形状表示部6は、頻度分布計算部7により計算された電気的不良の頻度分布、離散型分布関数近似部8により近似された離散型分布関数などの形状を表示する。分布形状表示部6は出力装置5と別の構成で示したが、出力装置5と同一構成であっても構わない。プログラム記憶部2は、不良クラスタリング検索プログラムなどを格納する。データ記憶部3は、入力装置4から入力された各チップ内に存在する電気的不良の数と、離散型分布関数の重みに関するクラスタリング判定条件などのクラスタリング検索に必要なデータを格納する。
【0064】
本発明の第1の実施の形態に係る不良クラスタリング検索装置は、ウェハ内に存在する電気的不良がクラスタリングしているか否かを判定する。ウェハがクラスタリングしていると判定された場合、そのウェハが含まれていたロット、このウェハが製造された製造ラインあるいは製造工場の他のロットで特定の原因による電気的不良が多発している可能性が示唆され、関連する製造工程、製造ライン、製造工場などに対して不良発生原因がチェックされ、プロセス改善を実施することができる。
【0065】
次に、図2に示した不良クラスタリング検索装置を用いた不良クラスタリング検索方法を図3及び図4を参照して説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法を示すフローチャートである。
【0066】
(イ)まず、ウェハ内に存在する電気的不良に関するデータとして、ステップS101において、各チップ内に存在する電気的不良の数を入力し、ステップS102において負の二項分布の重みに関するクラスタリング判定条件を入力する。ステップS101とステップS102の入力作業は、入力装置4を用いて行われるが、どちらを先に行っても構わない。入力された電気的不良の数及びクラスタリング判定条件のデータは、データ記憶部3に記憶される。
【0067】
(ロ)次に、ステップS200において、各チップ内に存在する電気的不良の数から、各チップ当りの電気的不良の頻度分布を計算する。図4(a)は、分布形状表示部6に表示された電気的不良の頻度分布を示す。図4(a)に示すように、横軸に電気的不良の数を取り、縦軸にチップ数の対数を取って、電気的不良の数に対するチップ数の分布を示している。電気的不良の数が比較的少ない領域ではチップ数が多く、大きなピークが形成され、電気的不良の数が比較的多い領域ではチップ数が少なく、緩やかな下向きの傾斜を持って減少している。電気的不良の数が比較的少ない領域にはランダムに発生する電気的不良が分布し、電気的不良の数が比較的多い領域には特定の原因を持って発生した電気的不良が分布している。つまり、図4(a)は、電気的不良のうち、大半がランダムに存在し、一部がクラスタリングしていることを示している。縦軸がチップ数の対数を取る理由は、電気的不良の数が比較的多い領域(テイル部)を強調するためである。
【0068】
(ハ)次に、ステップS300において、電気的不良の頻度分布に対して1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を重ね合わせて近似する。ポアソン分布はウェハ内でランダムに発生する偶発的な不良に、負の二項分布は特定の原因を持ってウェハ内で偏って発生するクラスタリング不良にそれぞれ近似される。具体的には、(3)式に示すように、電気的不良の頻度分布f(n)に対して、1つのポアソン分布P(n;λ)と、1つの負の二項分布NB(n;λNB、α)を重ね合わせて近似する。
【0069】
f(n)=W×P(n;λ)+WNB×NB(n;λNB、α) ・・・(3)
ここで、Wは電気的不良の頻度分布に対してポアソン分布が占める重みを示し、WNBは電気的不良の頻度分布に対して負の二項分布が占める重みを示す。但し、W+WNB=1とする。図4(b)は、電気的不良の頻度分布に対して1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を重ね合わせて近似した状態を示す。図4(b)に示すように、電気的不良の数が比較的少ない領域にポアソン分布17が近似され、電気的不良の数が比較的多いテイル領域に負の二項分布18が近似される。すなわち、電気的不良の頻度分布f(n)が、ポアソン分布P(n;λ)と負の二項分布NB(n;λNB、α)に分割される。電気的不良の頻度分布を分割するポアソン分布はウェハ内にランダムに発生する電気的不良に、負の二項分布は特定の原因を持ってウェハ内に偏って発生する電気的不良にそれぞれ近似される。また、ポアソン分布及び負の二項分布は、頻度分布に対して占める重みの他に、不完全性実体数の平均値(λ、λNB)、クラスタリングパラメータαなどのパラメータをそれぞれ有する。
【0070】
(ニ)次に、ステップS401において、クラスタリング判定条件に従って、ウェハがクラスタリングしているか否かを判定する。具体的には(3)式において、W=1、WNB=0の場合には、f(n)=P(n;λ)となり、総ての電気的不良がポアソン分布に従って分布していることになる。すなわち、総ての電気的不良は、ウェハ内にランダムに存在し、クラスタリングは起こっていないことを意味する。一方、W<1、WNB>0の場合には、負の二項分布に従う電気的不良がWNBの割合だけ存在しており、電気的不良の一部はクラスタリングしていることを意味する。すなわち、電気的不良の頻度分布に対して1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を重ね合わせて近似して得られる負の二項分布の重み(WNB)を用いて、クラスタリングの度合いを判定することができる。
【0071】
したがって、ステップS102において入力するクラスタリング判定条件として、負の二項分布の重みのしきい値WNB(th)=0.1(10%)を入力する。そして、ステップS401において、負の二項分布の重みがこのしきい値よりも小さかった場合、つまりWNB≦WNB(th)である場合、電気的不良はクラスタリングしていないと判定する。そして、このしきい値よりも大きかった場合、つまりWNB>WNB(th)である場合、電気的不良はクラスタリングしていると判定する。負の二項分布の重みのしきい値を判定条件とする代わりに、ポアソン分布の重みのしきい値W(th)=1−WNB(th)=0.9(90%)をステップS102において入力し、ステップS401において、W>W(th)の場合にクラスタリング無しと判定し、W≦W(th)の場合にクラスタリング有りと判定してもよい。さらに、クラスタリングファクターαのしきい値を用いても構わない。以上述べたステップを経て、検査母体であるウェハについて、電気的不良のクラスタリングがあるか否かを判定し、その結果を出力する。
【0072】
本発明の第1の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができる。この記録媒体は、図2に示したプログラム記憶部2として用いる、あるいはプログラム記憶部2に読み込ませ、このプログラムにより処理制御部1における種々の作業を所定の処理手順に従って実行することができる。ここで、記録媒体には、例えばROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ等のプログラムを記録することできる記録媒体が含まれる。
【0073】
図11は、これらの記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、そこに記述された手順に従って、不良クラスタリング検索システムを実現するコンピュータシステムからなる不良クラスタリング検索装置90の一例を示す外観図である。この不良クラスタリング検索装置90の本体全面には、フロッピーディスクドライブ91、及びCD−ROMドライブ92が設けられており、磁気ディスクとしてのフロッピーディスク93または光ディスクとしてのCD−ROM94を各ドライブ入り口から挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記録媒体に格納されたプログラムをシステム内にインストールすることができる。また、所定のドライブ装置97を接続することにより、例えばゲームパックなどに使用されている半導体メモリとしてのROM95や、磁気テープとしてのカセットテープ96を用いることもできる。
【0074】
本発明の第1の実施の形態によれば、電気的不良の頻度分布に対して1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を同時近似することで、電気的不良の頻度分布を1つのポアソン分布と1つの負の二項分布に分割することができる。特定の原因を持ってウェハ内に偏って発生する電気的不良に近似された負の二項分布の重みに基づいて、ウェハがクラスタリングしているか否かを定量的に判定することができる。
【0075】
第1の実施の形態においては、不完全性実体が電気的不良である場合について説明したが、不完全性実体はこれに限定されるわけではない。不完全性実体は、レイヤー毎の電気的不良、欠陥、レイヤー毎の欠陥、あるいは、救済に必要となる救済回路であっても構わない。なお、電気的不良は、ファンクションテスト、マージンテスト、リークテストなどにより顕在化したビット不良、マージン不良、配線間ショート、オープン、及びブロック単位で生じたブロック不良などが含まれる。これらがすべて含まれていても、一部のレイヤーのみに存在しているものを抽出していても構わない。また、欠陥は、欠陥観察装置で観察されるもの、あるいは、実体として存在しているにもかかわらず、観測が困難であるものも該当する。このような例として、積層膜中に埋まっているもの、あるいは、金属汚染に起因した欠陥などがある。電気的不良の場合と同様に、様々な種類の欠陥がすべて含まれていても、一部のレイヤーのみに存在している欠陥を抽出していても構わない。さらに、不完全性実体には、半導体チップ内で発生する電気的不良や欠陥などのほかに、半導体外囲器において発生するものも含まれる。例えば、樹脂パッケージのクラック、ボンディングワイヤーの断線、リードフレームのオープン・ショート不良などがある。
【0076】
また、検索母体がウェハである場合について説明したが、検索母体はこれに限定されるわけではない。検索母体は、ロット、製造ライン、製造工場であっても構わない。同様に、単位セルがチップである場合について説明したが、単位セルは、チップを2つ以上に分割した個々の領域である「ブロック」、2つ以上のチップをまとめた領域である「グループ」、リソグラフィの単位となる「ショット領域」、ウェハ、あるいはロットなどであっても構わない。ただし、単位セルのサイズは検索母体よりも小さければならない。例えば、検索母体がウェハである場合、単位セルは、グループ、チップ、ブロック、あるいはショット領域でなければならない。
【0077】
さらに、図4(a)及び(b)に示したように、電気的不良の内、大半がランダムに分布し、一部がクラスタリングしている場合において、1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を重ね合わせて近似する場合について説明した。しかし、電気的不良の頻度分布の分布状況に応じて、平均値が異なる2つ以上のポアソン分布、あるいは平均値、クラスタリングファクターなどが異なる2つ以上の負の二項分布を重ね合わせて近似しても構わない。前者はランダムに発生する電気的不良の発生原因が2つ以上ある場合、後者はクラスタリング不良の発生原因が2つ以上有る場合に有効である。具体的には、平均値が異なる2種類のポアソン分布を電気的不良の頻度分布に対して重ね合わせて近似する場合は(4)式に従って行うことができる。
【0078】
f(n)=WP1×P(n;λP1)+WP2×P(n;λP2) ・・・(4)
但し、WP1+WP2=1とする。
【0079】
(4)式は、ランダムに発生する電気的不良の発生要因の相対比を調査する場合などにおいて有効に機能する。例えば、平均値が大きいほうのポアソン分布の重みが大きくなったときに、ステップS401において警告を発するようなクラスタリング判定条件をステップS102において設定することができる。また同様に、平均値λ及びクラスタリングファクターαが異なる2種類の負の二項分布を電気的不良の頻度分布に対して重ね合わせて近似する場合は(5)式に従って行うことができる。
【0080】
f(n)=WNB1×NB(n:λNB1、α1)+WNB2×NB(n;λNB2、α2) ・・・(5)
但し、WNB1+WNB2=1である。
【0081】
(5)式は、クラスタリングの度合いが比較的小さい電気的不良と、クラスタリングの度合いが比較的大きい電気的不良が混ざって分布しており、それらの相対比を調査する場合において有効に機能する。前者にはαが大きい負の二項分布が近似され、後者にはαが小さい負の二項分布が近似される。例えば、αが小さい負の二項分布の重みが大きくなった場合にステップS401において警告を発するようなクラスタリング判定条件をステップS102において設定することができる。さらに同様に、3つ以上の離散型分布関数を重ねて、同様の処理を行うことも可能である。例えば、(6)式に示すようにして、2つのポアソン分布と1つの負の二項分布を電気的不良の頻度分布に対して重ね合わせて近似することができる。
【0082】
f(n)=WP1×P(n;λP1)+WP2×P(n;λP2)+WNB×NB(n;λNB、α) ・・・(6)
但し、WP1+WP2+WNB=1である。
【0083】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態においては、電気的不良の数に対してしきい値(クラスタリングしきい値)を設定して、電気的不良の数がこのしきい値よりも多い単位セル(チップ)をクラスタリング箇所として検索する不良クラスタリング検索方法及びその方法を実施する不良クラスタリング検索装置について説明する。
【0084】
図5は、第2の実施の形態に係る不良クラスタリング検索装置の構成を示すブロック図である。図5に示すように、不良クラスタリング検索装置は、処理制御部10と、プログラム記憶部2と、データ記憶部3と、ウェハ内に存在する電気的不良に関するデータを入力する入力装置4と、出力装置5と、分布形状表示部6と、クラスタリング箇所表示部13とから構成されている。図2に示した不良クラスタリング検索装置に比して、処理制御部10及びクラスタリング箇所表示部13が新規な構成要素である。また、入力装置4には、ウェハ内に存在する電気的不良に関するデータとして各チップ内に存在する電気的不良の数のほかに、各チップのウェハ内での座標も入力される。
【0085】
処理制御部10は、不良クラスタリングを検索する機能手段として、頻度分布計算部7と、離散型分布関数近似部8と、クラスタリングしきい値計算部11と、クラスタリング箇所検索部12とを有する。図2に示した処理制御部1に比して、クラスタリングしきい値計算部11及びクラスタリング箇所検索部12が新規な構成要素である。クラスタリングしきい値計算部11は、2種類以上の離散型分布関数の成分が互いに等しくなる電気的不良の数を計算する。即ち、ここでは、電気的不良の頻度分布に対する1つのポアソン分布と1つの負の二項分布の成分が互いに等しくなる電気的不良の数を計算する。ここで、1つのポアソン分布の成分とは(3)式の右辺第1項(W×P(n;λ))を示し、1つの負の二項分布の成分とは(3)式の右辺第2項(WNB×NB(n;λNB、α))を示す。計算された電気的不良の数はクラスタリングしきい値となり、クラスタリング検索の条件として使用される。クラスタリング箇所検索部12は、電気的不良の数がクラスタリングしきい値よりも多いチップをクラスタリング箇所として検索する。クラスタリング箇所表示部13は、検索されたクラスタリング箇所のウェハ上での座標を表示する。クラスタリング箇所表示部13のモニター部分には、ウェハマップ上にクラスタリング箇所として検索されたチップの位置が示される。
【0086】
次に、図5に示した不良クラスタリング検索装置を用いた不良クラスタリング検索方法を図6及び図7を参照して説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法を示すフローチャートである。
【0087】
(イ)まず、ウェハ内に存在する電気的不良に関するデータとして、ステップS103において、各チップ内に存在する電気的不良の数と、ウェハ内における各チップの座標を入力する。ステップS103の入力作業は入力装置4を用いて行われる。電気的不良の数とチップの座標は互いにリンクされて入力される。入力された電気的不良の数及びチップの座標のデータは、データ記憶部3に記憶される。
【0088】
(ロ)次に、ステップS200において、図4(a)に示したように、各チップ内に存在する電気的不良の数から、各チップ当りの電気的不良の頻度分布を計算する。第2の実施の形態においても、電気的不良のうち、大半がランダムに存在し、一部がクラスタリングしている場合について説明する。
【0089】
(ハ)次に、ステップS300において、電気的不良の頻度分布に対して1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を重ね合わせて近似する。具体的には、(3)式に示したように、電気的不良の頻度分布f(n)に対して、1つのポアソン分布P(n;λ)と、1つの負の二項分布NB(n;λNB、α)を重ね合わせて近似する。したがって、第2の実施の形態においても、図4(b)に示したように、電気的不良の数が比較的少ない領域にポアソン分布17が近似され、電気的不良の数が比較的多いテイル領域に負の二項分布18が近似される。すなわち、電気的不良の頻度分布f(n)が、ポアソン分布P(n;λ)と負の二項分布NB(n;λNB、α)に分割される。
【0090】
(ニ)次に、ステップS402において、1つのポアソン分布と1つの負の二項分布の成分が互いに等しくなる電気的不良の数をクラスタリングしきい値(λth)として計算する。ここで、1つのポアソン分布と1つの負の二項分布の成分が互いに等しくなる電気的不良の数が、クラスタリングしきい値として機能する理由を以下に述べる。一般的に、電気的不良数nがポアソン分布P(n;λ)の平均値λよりも大きい領域(n>λ)において、ポアソン分布P(n;λ)に対応する確率は、電気的不良数nが平均値λから大きくなるにつれて急速に0に近づく。一方、負の二項分布NB(n;λNB、α)は、クラスタリングファクターαが適度に小さければ、ポアソン分布P(n;λ)に比べて、0に近づくのが遅く、裾をひく。図7(c)に示すように、この裾の部分が電気的不良が多発している部分、つまりクラスタリング領域19に対応する。したがって、(3)式において、右辺第1項に示したポアソン分布の成分と、右辺第2項に示した負の二項分布の成分がほぼ等しくなる電気的不良数n、すなわち、
×P(n;λ)=WNB×NB(n;λNB、α) ・・・(7)
(7)式を満たす電気的不良数nをしきい値:n=λthとして、クラスタリング個所の判定を行う。なお、(7)式を厳密に満たす電気的不良数n(整数)は実際に存在するとは限らず、一般的には存在しない場合が多い。この場合、(7)式に示す条件式に最も近い電気的不良数n(整数)をクラスタリングしきい値とすればよい。また、このしきい値は、上の条件で厳密に決めなくても、さらに多少の余裕を持たせてもよい。例えば、(7)式を満たす電気的不良数nの0.5倍から2倍の範囲内の値をλthとして選んでもよい。あるいは、電気的不良の頻度分布がウェハ、ロットにより変化し、クラスタリングしきい値が同時に変化してしまうのが不便な場合は、クラスタリングしきい値を固定してしまうことも可能である。このようにしきい値を固定することにより、ロット間やウェハ間でのクラスタリング箇所を直接に比較することが可能となる。このようにしてクラスタリングしきい値λthを設定することで、次のステップS403において、その値以上の電気的不良を含む領域(チップ)を取り出すことができる。
【0091】
ここで、(7)式を満たす電気的不良数nが複数個存在する場合がある。例えば、図7(b)において(7)式に示す条件式は、n=λthで満たされるほかに、電気的不良数nがほぼゼロに近い部分でも満たされている。この場合、(7)式を満たす電気的不良数nの内で、その電気的不良数nを境にその前後で、W×P(n;λ)とWNB×NB(n;λNB、α)との大小関係が次のように変化するものを、クラスタリングしきい値として選択する。電気的不良数が(7)式を満たす電気的不良数nよりも小さい領域では、ポアソン分布の成分が負の二項分布の成分よりも大きくなり、電気的不良数が(7)式を満たす電気的不良数nよりも大きい領域では、負の二項分布の成分がポアソン分布の成分よりも大きくなる。即ち、(7)式を満たす電気的不良数nが複数個存在する場合は、クラスタリングしきい値λthは、(7)式のほかに(8)式及び(9)式に示す条件式を満たす。
【0092】
n<λthにおいて、
×P(n;λ)>WNB×NB(n;λNB、α) ・・・(8)
n>λthにおいて、
×P(n;λ)<WNB×NB(n;λNB、α) ・・・(9)
(ホ)最後に、ステップS403において、電気的不良の数がクラスタリングしきい値(λth)よりも多いクラスタリング領域19に存在するチップをクラスタリング箇所として検索する。そして、検索結果として、クラスタリング箇所表示部13を用いて、検索されたクラスタリング箇所のウェハ上での座標、あるいは図7(d)に示すようにウェハ20上にクラスタリング箇所23として検索されたチップ21の位置などを表示する。例えば、これらの検索結果から、クラスタリング箇所23がウェハ20の外周部に集中している場合には、それと近い対称性を持つ装置がクラスタリングの原因となっている可能性が示唆され、操作者は関連する装置に対してクラスタリングの原因を調査することができる。特に、電気的不良がレイヤ毎に集計されている場合、あるいは、レイヤ毎に集計された欠陥を計算対象とする場合には、もう少し細かい原因の特定ができる。
【0093】
本発明の第2の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができる。この記録媒体は、図5に示したプログラム記憶部2として用いる、あるいはプログラム記憶部2に読み込ませ、このプログラムにより処理制御部10における種々の作業を所定の処理手順に従って実行することができる。また、図11に示したようなコンピュータシステムからなる不良クラスタリング検索装置90により、これらの記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、そこに記述された手順に従って、不良クラスタリング検索システムを実現することができる。
【0094】
本発明の第2の実施の形態によれば、チップ内に存在する電気的不良の数と各チップの座標を入力することにより、クラスタリング箇所がウェハのどの座標に位置するかを求めることができる。クラスタリング箇所を表示することで、クラスタリングの原因を解明することができる。
【0095】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、1つのポアソン分布と1つの負の二項分布の組み合わせだけでなく、2つ以上のポアソン分布の重ね合わせや、2つ以上の負の二項分布の重ね合わせで頻度分布を近似し、一部の離散型分布関数の重みが大きくなる箇所をウェハマップ上で表示することにより、プロセス原因の特定ができる。
【0096】
また、検査母体をウェハとし、単位セルをチップとしたが、これらに限定されるわけではない。検索母体は、ロット、製造ライン、製造工場であっても構わず、単位セルは、チップを2つ以上に分割した個々の領域である「ブロック」、2つ以上のチップをまとめた領域である「グループ」、リソグラフィの単位となる「ショット領域」、ウェハ、あるいはロットなどであっても構わない。図8は、単位セルをショット領域とした場合におけるクラスタリング箇所表示部13に表示されるウェハマップの例を示す。マトリックス上に配置された白抜きのショット領域24の内、電気的不良の数がクラスタリングしきい値よりも多いショット領域を、クラスタリング箇所25として黒く塗りつぶして表示されている。図8に示すように、ウェハの周辺部に位置するショット領域で電気的不良が多発していることがわかる。したがって、このウェハマップを見た操作者に対して、例えば、リソグラフィ装置のレンズの外周部に不良原因があることを示唆し、プロセス改善の提案をすることができる。また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態を組み合わせて、クラスタリング有無の判定と、クラスタリングありの場合のクラスタリング箇所の表示を同時に行うことも可能である。
【0097】
(第3の実施の形態)
第1及び第2の実施の形態においては、各チップ内に存在する電気的不良の数やウェハ内における各チップの座標などの電気的不良のデータが予め用意されている場合について説明したが、これらのデータは、電気的不良の頻度分布を計算するために必要なデータとしての例を示したにすぎない。通常、電気的不良は、テスタ、欠陥観察装置、EMSなどの装置を用いて検出され、これらの観察装置から出力される電気的不良のデータは、不良内容や位置などが電気的不良について個別に示された形式のデータである。つまり、電気的不良の観察装置から出力される電気的不良のデータを電気的不良の頻度分布を計算するために必要なデータに変換する必要がる。このデータ変換により、個々の電気的不良の座標を直接取り扱うことが回避でき、データを圧縮することになる。そこで、本発明の第3の実施の形態においては、電気的不良のデータを変換する機能を有し、電気的不良の検出装置にリンクされた不良クラスタリング検索装置、及びその装置を用いた不良クラスタリング検索方法について説明する。また、本発明の第3の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、ウェハ内に存在する電気的不良がクラスタリングしているか否かを判定する不良クラスタリング検索装置について説明する。
【0098】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る不良クラスタリング検索装置の構成を示すブロック図である。図9に示すように、不良クラスタリング検索装置は、処理制御部14と、プログラム記憶部2と、データ記憶部3と、入力装置4と、出力装置5と、分布形状表示部6と、電気的不良検出装置16とから構成されている。図2に示した不良クラスタリング検索装置に比して、処理制御部14及び電気的不良検出装置16が新規な構成要素である。また、入力装置4には、ウェハ内に存在する電気的不良に関するデータとして、クラスタリング判定条件は入力されるが、各チップ内に存在する電気的不良の数、各チップのウェハ内での座標などは入力されない。
【0099】
電気的不良検出装置16は、電気的あるいは光学的な手法を用いて、ウェハ内に存在する電気的不良を検出し、電気的不良のウェハ内における座標データを出力する。例えば、電気的不良検出装置16として、テスタ、電子ビームテスタ(EBテスタ)、エミッション顕微鏡(EMS)、電子顕微鏡などがある。処理制御部1は、不良クラスタリングを検索する機能手段として、電気的不良データ変換部15と、頻度分布計算部7と、離散型分布関数近似部8と、クラスタリング検索部9とを有する。図2に示した処理制御部1に比して、電気的不良データ変換部15が新規な構成要素である。電気的不良データ変換部15は、電気的不良検出装置16から出力された電気的不良のウェハ内における座標データを各チップ内に存在する電気的不良の数データに変換する。電気的不良の数データを用いて、頻度分布計算部7は電気的不良の頻度分布を計算することができる。
【0100】
本発明の第3の実施の形態に係る不良クラスタリング検索装置は、第1の実施の形態と同様に、ウェハ内に存在する電気的不良がクラスタリングしているか否かを判定する。ウェハがクラスタリングしていると判定された場合、そのウェハが含まれていたロット、このウェハが製造された製造ラインあるいは製造工場の他のロットで特定の原因による電気的不良が発生している可能性が示唆され、関連する製造ライン、製造工場などに対して不良発生原因がチェックされ、プロセス改善を実施することができる。
【0101】
次に、図9に示した不良クラスタリング検索装置を用いた不良クラスタリング検索方法を図10を参照して説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法の一部分を示すフローチャートである。
【0102】
(イ)まず、ステップS104において、電気的不良検出装置16を用いてウェハを観察して、ウェハ内に存在する電気的不良を検出する。電気的不良検出装置16から電気的不良のウェハ内における座標データが出力される。
【0103】
(ロ)次に、ステップS105において、電気的不良のウェハ内における座標データを、データ記憶部3内に記憶する。
【0104】
(ハ)次に、ステップS106において、ウェハを複数のチップに分割する。
【0105】
(ニ)次に、ステップS107において、データ記憶部3内に記憶された電気的不良の座標データを呼び出し、電気的不良データ変換部15を用いて電気的不良の座標データを各チップ内に存在する電気的不良の数のデータに変換する。変換されたデータは、直接、頻度分布計算部7に送られるか、あるいは一旦、データ記憶部3に記憶される。そして、ステップS200に進む。
【0106】
(ホ)一方、ステップS104乃至S107とは別に、ステップS102において、クラスタリング判定条件を入力装置4を介して入力する。
【0107】
(へ)次に、図3に示したように、ステップS200において、直接送られた、あるいはデータ記憶部3から呼び出された電気的不良の数のデータを用いて、各チップ当りの電気的不良の頻度分布を計算する。
【0108】
(ト)以下、図3に示したフローチャートにしたがって、クラスタリングを検索して、その結果を出力する。
【0109】
本発明の第3の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができる。この記録媒体は、図9に示したプログラム記憶部2として用いる、あるいはプログラム記憶部2に読み込ませ、このプログラムにより処理制御部14における種々の作業を所定の処理手順に従って実行することができる。また、図11に示したようなコンピュータシステムからなる不良クラスタリング検索装置90により、これらの記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、そこに記述された手順に従って、不良クラスタリング検索システムを実現することができる。なお、不良クラスタリング検索装置90の後には、電気的不良検出装置16が配置され、コンピュータシステムに直接接続されている。電気的不良検出装置16は、ウェハの観察、電気的不良の検出、検出された電気的不良の座標データの送受信などの機能がコンピュータシステム上から制御される。
【0110】
本発明の第3の実施の形態によれば、電気不良検出装置16により検出された電気的不良の座標データを用いて、各チップ当りの電気的不良の数を数え、座標データを電気的不良の数のデータに変換する。このような処理を行うことにより、個々の電気的不良の座標を直接取り扱うことが回避でき、よりデータを圧縮させることができる。また、チップ内で発生した電気的不良の頻度分布を用いることにより、第1の実施の形態で述べたようにクラスタリングの定量的な判定が可能となる。
【0111】
また、半導体装置の製造工程中の電気的不良の検査工程において、図11に示した電気的不良検出装置16を含むコンピュータシステムを製造ライン上に配置させて製造ライン上のウェハを常時検査することで、電気的不良のクラスタリングの発生をモニタリングすることができ、電気的不良のクラスタリングに対して、迅速な対応を取ることができる。つまり、定量的な半導体製造工程の工程管理を迅速に行うことができる。
【0112】
なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ウェハ内に存在する電気的不良がクラスタリングしているか否かを判定する不良クラスタリング検索装置について説明したが、第2の実施の形態において図5、図6を参照して説明したウェハ内でクラスタリング箇所を検索する不良クラスタリング検索装置及び方法に対しても適用することができる。図5に示したクラスタリング検索装置が、処理制御部10に接続された電気的不良検出装置16をさらに有し、処理制御部10が、電気的不良データ変換部15をさらに有していればよい。また、図6に示したステップS103の電気的不良の数と各チップの座標のデータを、図10に示したステップS104乃至S107によって求めればよい。
第3の実施の形態においても、検査母体をウェハとし、単位セルをチップとしたが、これらに限定されるわけではない。検索母体は、ロット、製造ライン、製造工場であっても構わず、単位セルは、チップを2つ以上に分割した個々の領域である「ブロック」、2つ以上のチップをまとめた領域である「グループ」、リソグラフィの単位となる「ショット領域」、ウェハ、あるいはロットなどであっても構わない。製造ライン上に配置した場合には、検索母体はロットであることが望ましい。この場合については、第5の実施の形態において述べる。また、不完全性実体が電気的不良である場合について説明したが、結晶欠陥、電気的不良の救済に必要な救済回路などであっても構わない。不完全性実体が結晶欠陥である場合、図9に示した電気的不良検出装置16の代わりに欠陥観察装置を配置すればよい。
【0113】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態においては、不良クラスタリング検索方法を用いた救済回路最適化方法を説明する。ウェハ内に存在する電気的不良は、その不良内容によっては所定の救済回路を付与することによりその不良が救済される場合がある。チップ内のすべての電気的不良が救済されることにより、不良品チップは良品チップへと救済され、半導体装置の製造歩留りが向上する。しかし、付与された救済回路はチップ内の所定の領域を占有し、その面積は救済回路数の増加と共に広がる。したがって、むやみにチップに対して付与する救済回路の数を増やしてしまうと、救済回路がチップ内に占める面積が増加し、ウェハから取れるチップ数自体が減少してしまい、救済後の歩留りを最適化するためには、適切な救済回路数を設定しなければならない。
【0114】
また、救済回路の数は所定の集計単位ごとに計算され、集計単位当りの救済に必要な救済回路数の頻度分布が計算される。ここで、救済回路数を計算する集計単位としては、最小の救済単位であることが望ましい。最小の救済単位とは、1つの救済回路が救済可能となる範囲(自由度)のことを意味する。例えば、16Mビットのデバイスにおいて、4Mビット毎に、ロウ、あるいはカラムの救済回路が設けてあり、1つの救済回路が4Mビットの範囲内でしか適用できない場合には、最小の救済単位は4Mビットとなる。但し、集計単位が最小の救済単位でない場合でも、救済単位内での救済回路数をスケーリングすることにより、適用は可能である。ここでは救済回路数を計算する集計単位をチップとする。つまり、第4の実施の形態においては、不完全性実体が電気的不良を救済する救済回路であり、検索母体がウェハであり、単位セルがチップである場合について図12及び図13を参照して説明する。図12は、本発明の第4の実施の形態に係る救済回路最適化方法を示すフローチャートである。
【0115】
(イ)まず、ステップS31において、ウェハを分割した各チップ内に存在する電気的不良の救済に必要な救済回路の数を計算する。具体的には、まず図10に示したステップS104乃至S107にしたがって電気的不良の数のデータを求める。そして、そのデータを基にチップごとに救済に必要な救済回路数を計算する。そして、各チップ内に存在する救済に必要な救済回路数を入力装置を介して入力する。
【0116】
(ロ)次に、ステップS32において、各チップ内に存在する救済に必要な救済回路の頻度分布を計算する。図13(a)はステップS32において計算された救済回路の頻度分布の一例を示す。横軸に救済に必要な救済回路数(n)を取り、縦軸にチップ数の対数を取って、救済回路の頻度分布を示している。
【0117】
(ハ)次に、ステップS33において、救済回路の数の増加に従って増加する良品チップ数と減少するウェハ内の全チップ数との関係から、ウェハから取れる良品チップの数が最大となる救済回路の数を計算する。具体的には、まず、設定する救済回路数に対する救済後の歩留りを計算する。図13(a)において、設定救済回路数を図中の矢印の値に設定した場合、救済に必要な救済回路数(n)が設定救済回路数よりも多いチップは不良品チップとなり、救済に必要な救済回路数(n)が設定救済回路数と等しいか、あるいは設定救済回路数よりも少ないチップはすべての電気的不良が救済されて良品チップとなる。したがって、設定救済回路数を増やすことにより、図中の矢印は右側にシフトして、良品チップの数が増え、不良品チップの数は減少する。図13(b)は、設定する救済回路数に対する救済後の歩留りを示すグラフである。救済後の歩留りとは、救済回路を付与された後のウェハ内の良品率(歩留り)の意である。図13(b)に示すように、設定救済回路数の増加と共に救済後の歩留りは100%に向かって単調増加する。しかし、前述したように設定救済回路数を増やすと、チップ内を占有する救済回路の面積も増加する。結果的に、図13(c)に示すように、設定救済回路数の増加と共に、チップ全体の面積が増加してしまい、一定面積のウェハから取ることができるチップの数自体が減少してしまう。したがって、図13(d)に示すように、救済後の歩留りとグロスの積を考慮することにより、ウェハから取ることができる良品チップの数が最大(最大良品数)となるような設定救済回路数(nMAX)を計算する。
【0118】
(ニ)最後に、ステップS34において、救済後の歩留りを出力する。
【0119】
本発明の第4の実施の形態によれば、各チップ内当りの救済に必要な救済回路の頻度分布を計算し、良品チップの数が最大(最大良品数)となるような設定救済回路数(nMAX)を計算することで、救済後の歩留りを最適化する救済回路数を設定することができる。
【0120】
なお、ここでは、実際の頻度分布を用いて評価を行った例を示しているが、第1乃至第3の実施の形態で示したように、2つ以上の離散型分布関数を重ね合わせた分布を考慮し、生産ラインの改善時の頻度分布やシュリンクされた次世代デバイスの頻度分布を予測することにより、必要救済回路数の検討を行うことも可能となる。
【0121】
(第5の実施の形態)
半導体装置の製造工程中の種々の検査工程において、本発明に係る不良クラスタリング検索方法を用いたクラスタリング検索を行うことができる。本発明の第5の実施の形態においては、不良クラスタリング検索方法を用いた半導体装置の工程管理方法について図14を参照して説明する。ここでは、検索母体がロットであり、複数のロットについてクラスタリング検索する場合のクラスタリング検索方法について図14を参照して説明する。
【0122】
(イ)まず、ステップS41において、複数のロットから1ロットを選ぶ。
【0123】
(ロ)次に、ステップS42において、1ロット内に存在する電気的不良に関するデータとして、各チップ内に存在する電気的不良の数を入力する。
【0124】
(ハ)次に、ステップS43において、ロットを分割したチップ当りの電気的不良の頻度分布を計算する。
【0125】
(ニ)次に、ステップS44において、(3)式にしたがって電気的不良の頻度分布に対して1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を重ね合わせて近似する。そして、負の二項分布の重み(WNB)を計算する。
【0126】
(ホ)次に、ステップS45において、総てのロットが選択されたか否かを判定する。総てのロットがステップS41において選択されていない場合(ステップS45においてNO)、ステップS41に戻り、まだ選ばれていないロットを選び、このロットに対して、ステップS42乃至S44の処理を施し、負の二項分布の重み(WNB)を求める。総てのロットがステップS41において選択されている場合(ステップS45においてYES)、ステップS46に進む。
【0127】
(へ)最後に、ステップS46において、各ロットについて負の二項分布の重み(WNB)のトレンド(ロット依存性)をグラフに表示する。図15は、各ロットについて負の二項分布の重み(WNB)のトレンドを示すグラフの一例である。図15に示すように、このグラフから、どのロットで大きなクラスタリングが起こっているか、つまりクラスタリングロット(異常ロット)26を容易に判断することができる。また、このグラフが右下がりである場合は製造工程の不良要因が減少し、生産環境が改善されている傾向を示し、右上がりの場合は悪化していることを示している。つまり、生産環境のレベルを可視化する目安となる。また、第1の実施の形態において示した負の二項分布の重みのしきい値を同時に表示することで、クラスタリングの判断を容易にすることができる。
【0128】
本発明の第5の実施の形態によれば、電気的不良の頻度分布をポアソン分布と負の二項分布の重ね合わせで近似させた際の負の二項分布の重み(WNB)をロットごとのトレンドとして表示することにより、クラスタリングがどのロットでどの程度発生しているか、クラスタリングの傾向はどうか、などについての理解が可能となる。したがって、半導体装置の製造工程中の種々な検査工程において、的確な製造工程の工程管理を行い、適切なプロセス改善を行うことができる。
【0129】
なお、負の二項分布の重み(WNB)の代わりに、離散型分布関数の各種パラメータとして、分布関数の平均値(λ、λNB)あるいはクラスタリングファクターαをトレンドとして表示しても有効である。例えば、ポアソン分布の平均値λのトレンドからは、ランダムに発生する電気的不良の発生密度の傾向を理解することで、クリーンスーム内のダスト管理、クリーンルームのクリーンレベル見直し、フィルター交換時期の判断などのクリーンルーム管理を行うことができる。クラスタリングファクターαのトレンドからも、クラスタリングの度合いを理解することで、クラスタリングが大きいロットの検出する、あるいはクラスタリングの傾向を判断することができる。
【0130】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態においては、第5の実施の形態に示した半導体装置の工程管理方法を用いたクリーンルーム管理方法、及び半導体装置の製造方法について説明する。つまり、半導体装置の製造工程中の種々の検査工程において、本発明に係る不良クラスタリング検索方法を用いたクラスタリング検索を行う半導体装置の製造方法について説明する。なお、半導体装置としてDRAM混載デバイスを例に取り、図16乃至18を参照して説明する。図16及び図17は、本発明の第6の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0131】
第6の実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、ウェハ製造工程と、ウェハ処理工程(前工程)と、組み立て工程(後工程)と、検査工程とに大別することができる。以下に大別された製造工程ごとに、本発明の第6の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について述べる。
【0132】
(イ)まず、ウェハ製造工程は次の製造工程からなる。まず、ステップS51の単結晶成長工程において、CZ法あるいはFZ法を用いて半導体単結晶のインゴットを成長させる。次に、ステップS52の切断工程において、半導体単結晶を薄く切断して、板状の半導体ウェハを製造する。次に、ステップS53の研磨工程において、ウェハの表面に平坦化処理を施す。最後に、ステップS54の欠陥観察工程において、欠陥検出装置を用いてウェハ表面に形成された結晶欠陥を検出する。さらに、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いて結晶欠陥のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、ステップS51乃至S53にフィードバックされ、フィードバックされた製造工程のプロセス改善が行われる。以上の工程を経て、半導体ウェハが製造される。
【0133】
(ロ)次に、ウェハ処理工程(前工程)は次の工程からなる。まず、ステップS55のトレンチキャパシタ形成工程において、DRAM内のメモリセルが有するトレンチキャパシタが形成される部分の半導体基板を選択的にエッチング除去してトレンチを形成する。次に、ステップS56のトレンチキャパシタ欠陥観察工程において、結晶欠陥検出装置を用いてトレンチ内部の結晶欠陥を検出する。さらに、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いて結晶欠陥のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、ステップS55のトレンチキャパシタ形成工程にフィードバックされ、トレンチキャパシタ形成工程のプロセス改善が行われる。
【0134】
次に、ステップS57の素子分離工程において、素子分離領域が形成される部分の半導体基板を選択的に熱酸化して厚膜のLOCOS酸化膜を形成する。次に、ステップS58のウェル形成工程において、pチャネル/nチャネルトランジスタが形成される部分の半導体基板に選択的にn型/p型の不純物を拡散して、nウェル/pウェル領域をそれぞれ形成する。次に、ステップS59のチャネル形成工程において、pチャネル/nチャネルトランジスタの各チャネル領域を形成する。次に、ステップS60のチャネル部欠陥観察工程において、欠陥観察装置を用いてチャネル部の結晶欠陥あるいはゲート絶縁膜の欠陥などを検出する。さらに、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いて結晶欠陥、ゲート絶縁膜の欠陥のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、ステップS59のチャネル形成工程にフィードバックされ、チャネル形成工程のプロセス改善が行われる。
【0135】
次に、ステップS61のトランジスタ形成工程において、チャネルの上にゲート電極を形成し、ゲート電極に対して自己整合的にソース・ドレイン領域をそれぞれ形成する。次に、ステップS62のトランジスタ部欠陥観察工程において、トランジスタ部の結晶欠陥、ゲート電極の形状異常、あるいはソース・ドレインの拡散異常などのトランジスタ部で発生した欠陥、あるいは電気的不良を検出する。さらに、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いてトランジスタ部で発生した欠陥、あるいは電気的不良のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、ステップS61のトランジスタ形成工程にフィードバックされ、トランジスタ形成工程のプロセス改善が行われる。
【0136】
次に、ステップS63のPMD(Pre Metal Dielectric)工程において、半導体基板上に絶縁膜を堆積する。次に、ステップS64のコンタクト形成工程において、ソース・ドレイン領域、ゲート電極の上に形成された絶縁膜を選択的に除去してコンタクトホールを形成する。次に、ステップS65のM1(Metal 1)形成工程において、絶縁膜上及びコンタクトホール内にアルミニウムなどの金属膜を堆積し、所望の形状にパターンニングを行い、トランジスタの各電極領域に接続された第1の配線層を形成する。次に、ステップS66のM1欠陥観察工程において、第1の配線層に対して、配線のオープン、ショート、形状異常、スクラッチなどの電気的不良、欠陥などを検出する。さらに、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いて第1の配線層で発生した欠陥、あるいは電気的不良のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、ステップS65のM1形成工程にフィードバックされ、M1形成工程のプロセス改善が行われる。
【0137】
次に、ステップS67のILD1(Inter Layer Dielectric 1)形成工程において、第1の配線層の上に第1の層間絶縁膜を一様に形成する。次に、ステップS68のM2(Metal 2)形成工程において、第1の配線層と同様にして第2の配線層を形成する。次に、ステップS69のM2欠陥観察工程において、第2の配線層に対して、配線のオープン、ショート、形状異常、スクラッチなどの電気的不良、欠陥などを検出する。さらに、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いて第2の配線層で発生した欠陥、あるいは電気的不良のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、ステップS68のM2形成工程にフィードバックされ、M2形成工程のプロセス改善が行われる。
【0138】
次に、ステップS70のILD2(Inter Layer Dielectric 2)形成工程において、第1の層間絶縁膜と同様にして第2の層間絶縁膜を一様に形成する。次に、ステップS71のM3(Metal 3)形成工程において、第1の配線層と同様にして第3の配線層を形成する。次に、ステップS72のM3欠陥観察工程において、第3の配線層に対して、配線のオープン、ショート、形状異常、スクラッチなどの電気的不良、欠陥などを検出する。さらに、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いて第3の配線層で発生した欠陥、あるいは電気的不良のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、ステップS71のM3形成工程にフィードバックされ、M3形成工程のプロセス改善が行われる。次に、ステップS73のILD3(Inter Layer Dielectric 3)形成工程において、第1の層間絶縁膜と同様にして第3の層間絶縁膜を一様に形成する。次に、ステップS74のパッシベ−ション形成工程において、シリコン窒化膜まどの保護膜を堆積する。
【0139】
次に、ステップS75のテスト工程において、ウェハ上に形成された半導体チップの電極パッドにプローバを当ててウェハ状態で機能試験を行い、半導体チップ内の電気的不良を検出する。さらに、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いて半導体チップ内で発生した電気的不良のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、ウェハ処理工程のステップS55、S59、S61、S65、S68、S71などの各製造工程にフィードバックされ、各製造工程のプロセス改善が行われる。次に、ステップS76のダイシング工程において、ウェハをチップに切断する。以上の工程を経て、半導体チップが製造される。
【0140】
(ハ)次に、組み立て工程(後工程)は次の工程からなる。まず、ステップS77のボンディング工程において、半導体チップをリードフレームなどの基板上に取り付け、極細ワイヤで電気的に接続する。次に、ステップS78の封止工程において、樹脂材料により半導体チップを被覆して、外部環境から絶縁し、且つ機械的、環境ストレスから半導体チップを保護する。次に、ステップS79の仕上げ工程において、樹脂材料のバリ取りなどの半導体外囲器の仕上げを行う。次に、ステップS80のマーキング工程において、半導体外囲器の表面に製品番号、製造メーカなどを印刷する。
【0141】
(ニ)次に、検査工程は次の工程からなる。まず、ステップS81の製品検査工程において、半導体装置に対して製品状態で機能試験を行い、半導体装置内の電気的不良を検出する。さらに、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いて半導体装置内で発生した電気的不良のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、組み立て工程内のステップS77乃至S80の各製造工程、ウェハ処理工程のステップS55、S59、S61、S65、S68、S71などのウェハ処理工程にフィードバックされ、各製造工程のプロセス改善が行われる。次に、ステップS82の信頼性試験工程において、温度あるいは電気的ストレスを半導体装置に印加して評価する加速寿命試験などの信頼性試験を行う。信頼性試験を行うことで、製造途中の各検査工程において検出することができなかった半導体装置に内在する故障メカニズムの発生を加速させ、欠陥、電気的不良などの不良原因を顕在化させることができる。そして、顕在化した不良原因に対して、本発明の実施の形態で説明した不良クラスタリング検索方法を用いて半導体装置内で発生した電気的不良のクラスタリングを検索する。クラスタリングの検索結果は、組み立て工程内のステップS77乃至S80の各製造工程、ウェハ処理工程のステップS55、S59、S61、S65、S68、S71などのウェハ処理工程にフィードバックされ、各製造工程のプロセス改善が行われる。以上の工程を経て、第6の実施の形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0142】
ここで、ステップS65のM1形成工程についてさらに詳細に述べる。図18は、M1形成工程の詳細な構成を示すフローチャートである。図18に示すように、ステップS65は、次の4つの製造工程からなる。まず、ステップS65.1のM1層の成膜工程において、スパッター法などを用いて金属膜を一様に堆積する。次に、ステップS65.2のレジストパターンニング工程において、スピンナーで一様にレジスト膜を形成し(塗布)、所定のマスクを介してレジスト膜に光を当て(露光)、所定の現像液でレジスト膜を現像して(現像)、第1の配線層と同一形状のレジストパターンを形成する。次に、ステップS65.3のM1層のRIE工程において、このレジストパターンをマスクとして、RIEを行い、金属膜を選択的に除去する。最後に、ステップS65.4のレジスト除去工程において、レジストパターンを除去する。以上4つの製造工程の終了後、ステップS66のM1欠陥観察工程を行う。M1欠陥観察工程におけるクラスタリングの検索結果は、M1形成工程を構成する4つの製造工程にそれぞれフィードバックされ、各製造工程のプロセス改善が行われる。例えば、ダストによる配線のオープン不良が多発している場合、M1層成膜工程の成膜前のウェハにダストが付着する原因が疑われる。また、各ショット内の同一箇所で配線のショート不良が多発している場合、レジストパターンニング工程において使用する露光マスクに形状があることが疑われる。ここでは、M1形成工程を例に取り、フィードバックの詳細について図18を参照して示したが、M1形成工程に限定されることは無く、図16及び図17示した他の製造工程についても、同様に詳細な製造工程から構成され、各製造工程に対してフィードバックがかけられていることは言うまでもない。
【0143】
本発明の第6の実施の形態によれば、製造工程中の種々の検査工程において検出された欠陥、電気的不良に対して、クラスタリング検索を行うことで、欠陥、電気的不良などの不完全性実体の多発を製造途中において早期に発見することができる。また、不完全性実体の発生原因となる製造工程を容易に特定することができる。したがって、半導体装置の各製造工程に対するプロセス改善を行うことができ、高い歩留りを安定して維持することができる半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0144】
本発明の第6の実施の形態においては、主要な検査工程において本発明に係るクラスタリング検索方法を用いてプロセス改善を行う方法について示したが、半導体装置の製造工程中のすべての検査工程においてクラスタリング検索を行う必要があることを意味しているわけではない。技術者の判断により選定された検査工程においてのみ、クラスタリング検索を行っても、十分な上記作用効果を奏することができる。例えば、クリーンルーム内に行われる検査工程においてのみ、クラスタリング検索を行うことで、適切なクリーンルーム管理を行うことができ、プロセス改善を行うことができる。
【0145】
(第7の実施の形態)
近年、微細加工技術の向上により、素子構造の複雑化、配線の多層化が進み、1製品を製造する上で数多くの工程及び製造装置が使用されるようになってきた。これに伴い、歩留り低下の原因となる不完全性実体(電気的不良、欠陥、救済に必要となる救済回路など)が発生する確率が、工程・装置の増加分だけ高まり、さらに不完全性実体がどの工程の、どの製造装置において発生したものであるかを突き止めることがたいへん困難になってきている。したがって、半導体工場の製造ラインの生産性を如何にして向上させるかが重要な課題になってきている。その際、高歩留りのウェハ或いはロットを数多く生産することが重要である。例えば、ある工程のある製造装置に問題がある場合、その工程・装置により処理されたウェハ或いはロットに多くの不良が発生し、歩留りが低いが、その装置により処理されていないウェハ或いはロットの歩留りは高い。よって、歩留り低下に関与する工程及び製造装置を特定し、工程及び製造装置の改善を行うことが重要な課題である。
【0146】
そこで、第7の実施の形態では、本発明に係るクラスタリング検索方法において求められる(3)式に示した負の二項分布の重み(WNB)を用いて、歩留り低下に関与する工程(問題工程)及び製造装置(問題装置)を効率よく抽出する方法、及びそれを実現するための装置について説明する。
【0147】
図19及び図20は、第7の実施の形態に係る、問題工程及び問題装置を抽出する方法を示すフローチャートである。なお、図19及び図20は異なる2つの方法を示すものではなく、1つの方法を2つの図に分割して示したものである。また、図19及び図20には、当該方法の特徴となる「負の二項分布の重み(WNB)を用いて問題工程/問題装置を抽出する方法」に関する部分のみを示し、既に図1、図14などを参照して説明した「負の二項分布の重み(WNB)を求める方法」に関する部分は示していない。更にここでは、不完全性実体は「電気的不良」を示し、検索母体は「ロット」を示し、単位セルは「チップ」を示す。また、検索母体であるロットが複数存在する場合について説明する。
【0148】
(イ)まず、図14を参照して説明した第5の実施の形態と同様にして、各ロット毎に、負の二項分布の重み(WNB)を求める。即ち、複数のロットの中から1ロットを選び(S41)、1ロット内の各チップについてチップ内に存在する電気的不良の数を求めて(S42)、電気的不良の頻度分布を計算する(S43)。そして、電気的不良の頻度分布に対して、1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を重ね合わせて近似して、(3)式に示した負の二項分布の重み(WNB)を計算する(S44)。S41〜44を繰り返し行い(S45)、総てのロットについて、各ロット毎の負の二項分布の重み(WNB)を求める(S46)。
【0149】
(ロ)次に、図19に示したステップS91において、各ロット毎の負の二項分布の重み(WNB)の一覧27、及び各ロット毎の装置履歴28のデータを入力する。なお、各ロット毎のWNBの一覧27に記載されたロットが、検索対象のロットとなり、問題工程/問題装置として抽出される可能性がある総ての工程/装置を経由した総てのロットをこの一覧27に含ませるか、或いはこれらのロットからサンプリングしたロットをこの一覧27に含ませる必要がある。ここでは、各ロット毎のWNBの一覧27に記載されたロットの総数はN個であり、N個のWNBの一覧27が入力される場合について説明を続ける。
【0150】
また、各ロット毎の装置履歴28のデータは、各ロットに対して行われる各製造工程が、どの製造装置を経由して行われたかをロットごとに示すものである。例えば、ロットm(m番目のロット)は、工程1において装置1aを経由し、工程2において装置2bを経由し、工程3において装置3aを経由し、・・・という内容からなるデータである。図19には示さないが、ロットmと同様に、検索対象となる総てのロット(m=1、2、・・・、N)について、各工程における経由した装置の履歴がステップS91において入力される。また、装置履歴28のデータには、各工程において存在する他の装置が記述されている。例えば、ロットmの装置履歴28のデータには、工程1では装置1aの他に装置1bを経由し得る、工程2では装置2bの他に装置2aを経由し得る、工程3では装置3aの他に装置3b、装置3cを経由し得る・・・・という内容のデータが含まれる。このような装置履歴28のデータとして、ロットと当該ロットが経由した工程及び装置の対応関係が示された通常のプロセスフローデータを使用することができる。
【0151】
(ハ)次に、ステップS92において、各ロット毎のWNBの一覧27、及び各ロットの装置履歴28のデータを用いて、各工程別に、経由した装置毎の負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布を計算する。図19のステップS92には、工程1において装置1aを経由したロットの頻度分布と、装置1bを経由したロットの頻度分布を表示したグラフ29aを示し、工程2において装置2aを経由したロットの頻度分布と、装置2bを経由したロットの頻度分布を表示したグラフ29bを示した。ともに、横軸はWNBを示し、縦軸はロット数(頻度)を示す。
【0152】
工程1を例にとり、経由した装置毎のWNBの頻度分布の計算方法を具体的に示す。まず、各ロットの装置履歴28のデータを用いて、検索対象の総てのロットを、装置1aを経由したロット、及び装置1bを経由したロットに分類する。そして、各ロット毎のWNBの一覧27を用いて、装置1aに分類されたロットについて、WNBの頻度分布をグラフ29a上にプロットする。同様に、装置1bに分類されたロットについて、WNBの頻度分布をグラフ29a上にプロットする。工程2及びその他の工程についても、工程1と同様にして、その工程において経由した装置ごとにロットに分類し、WNBの頻度分布をグラフ上にプロットする。
【0153】
図19のWNBの頻度分布のグラフ29a、29bに示すように、装置1aと装置1bとの間でWNBの頻度分布に大きな差はないが、装置2aと装置2bとの間でWNBの頻度分布に大きな差があることが分かる。このように、同一工程であっても経由した装置が異なることで、負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布に差が現れなかったり、現れたりすることがある。第1の実施の形態でも示したように、負の二項分布の重み(WNB)は、特定の原因を持ってウェハ内に偏って発生する電気的不良の割合、即ち、電気的不良のクラスタリングの度合いを示すものである。したがって、経由した装置毎のWNBの頻度分布に差が生じることは、電気的不良のクラスタリングの度合いが、経由した装置に依存することを示していることになる。
【0154】
(ニ)次に、図20のステップ93において、工程別に、経由した装置間の負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布の差を計算する。即ち、図19に示した頻度分布のグラフ29a、29bに表示した、各装置間のWNBの頻度分布の差を定量的に求めて、問題の有無を判定する。
【0155】
具体的には、負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布が正規分布である場合或いは正規分布に近似できる場合、t検定を用いてWNBの頻度分布に差があるかどうか、WNBの頻度分布の差がどの程度か(有意差がいくつで差があるといえるか)を計算する。また、正規分布でない場合或いは正規分布に近似できない場合、対象ロットを特徴量にしたがって幾つかのグループに分け、ある工程のある装置を経由したロットがどのグループに多く存在するかを解析すること、即ち、ある工程のある装置を通過したロットは、例えば、クラスタリングの程度が大きいグループに多く存在することをχ検定を用いて調べ、χ値(問題がない場合に想定される値より分布がどの程度違っているかを示す値)を比較することにより、問題の程度を比較する。
【0156】
そして、図20のステップS93に示すように、工程1におけるWNBの頻度分布の差を表わすパラメータが1であった場合、WNBの頻度分布の差は小であり、「工程1は問題工程ではない」と判断する。一方、工程2におけるWNBの頻度分布の差を表わすパラメータが40であった場合、WNBの頻度分布の差は大であり、「工程2は問題工程である」と判断する。問題工程であるか否かの判定は、第1の実施の形態におけるクラスタリング判定条件と同様にして行うことができる。即ち、図3のステップS401におけるクラスタリングしきい値(WNB(th))の代わりに、頻度分布の差を表わすパラメータのしきい値を予め設定しておくことで、各工程におけるWNBの頻度分布の差を表わすパラメータから、各工程が問題工程であるか否かを自動的に判定することができる。
【0157】
(ホ)最後に、ステップS94において、装置毎の負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布の差が大きい工程及び負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布が大きい装置を、問題工程及び問題装置として順番に抽出する。例えば、図20のステップS94に示すように、最も頻度分布及びその差が大きい工程及び装置は、工程2及び装置2bであり、その頻度分布の差は40であり、その次に頻度分布の差が大きい工程及び装置は、工程6及び装置6cであり、その頻度分布の差は15である、・・・・というデータ30を抽出する。そして、この問題工程及び問題装置に対して順番の早いほうから、不良発生原因となるものであるかどうかを調査することで、歩留り低下に関与する問題工程及び問題装置を効率的に特定することができる。また、予め、分布の差を表わすパラメータにしきい値を設定しておき、このしきい値を超える問題工程・問題装置が発生した場合に、工程管理者に対して所定の警告をすることで、製造工程の異変に対して迅速な対応を取ることができる。
【0158】
図21は、本発明の第7の実施の形態に係る問題工程及び問題装置の抽出装置の構成を示すブロック図である。次に、図21を参照して、図19及び図20のフローチャートに示した問題工程及び問題装置の抽出方法を実現するための装置について説明する。
【0159】
図21に示すように、問題工程及び問題装置の抽出装置は、テスタ(電気的不良検出装置)32と、処理制御部35と、プログラム記憶部2と、データ記憶部と、ウェハ内に存在する電気的不良に関するデータを入力するための入力装置4と、出力装置5と、分布形状表示部6と、警告装置36とから構成されている。また、第7の実施の形態においてデータ記憶部は、電気的不良データ31と、ロット毎の負の二項分布の重み(WNB)のデータ27と、プロセスフローデータ(装置履歴のデータ)28と、装置毎のWNBの頻度分布のデータ29と、問題工程・問題装置及び(WNB)の頻度分布の差のデータ30と、不良データ34とをそれぞれ記憶する部分から構成されている。
【0160】
テスタ32は、第3の実施の形態(図9)に示した電気的不良検出装置16の一例であり、電気的あるいは光学的な手法を用いて、ウェハ内に存在する電気的不良を検出し、電気的不良のウェハ内における座標データを出力する。勿論、テスタ32の代わりに、電子ビームテスタ(EBテスタ)、エミッション顕微鏡(EMS)、電子顕微鏡などを適用した実施例も可能である。
【0161】
処理制御部35は、問題工程及び問題装置を抽出するための機能手段として、テスタ32からの送られた不良データ34を電気的不良の頻度分布を形成するために必要な形式のデータに変換する電気的不良データ変換部15と、各チップ当りの電気的不良の頻度分布を計算する頻度分布計算部7と、電気的不良の頻度分布に対して2種類以上の離散型分布関数を重ね合わせて近似する離散型分布関数近似部8と、クラスタリング不良に対して近似された負の二項分布の重み(WNB)の分布を計算するWNB頻度分布計算部33と、装置間の負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布の差を計算するWNB頻度分布差計算部32とを有する。
【0162】
電気的不良データ変換部15は、テスタ32などの電気的不良検出装置から出力される不良データ34を、電気的不良の頻度分布を計算するために必要な形式の電気的不良データ31に変換する機能を有する。具体的には、テスタ32から出力された電気的不良のウェハ内における座標データ34を各チップ内に存在する電気的不良の数データに変換する。電気的不良データ変換部15については、本発明の第3の実施の形態で図9を参照して説明したので、その詳細は省略する。
【0163】
頻度分布計算部7は、電気的不良の数データ(電気的不良データ)31を用いて各チップ当りの電気的不良の頻度分布を計算する機能を有する。離散型分布関数近似部8は、電気的不良の頻度分布に対して、1つのポアソン分布と1つの負の二項分布を重ねて近似して、(3)式に示す負の二項分布の重み(WNB)を計算する機能を有する。計算された負の二項分布の重み(WNB)は、図19のステップ91に示した各ロット毎の負の二項分布の重み(WNB)のデータ27として、データ記憶部の一部に記憶される。頻度分布計算部7及び離散型分布関数近似部8は、本発明の第1の実施の形態において図2を参照して説明したので、その詳細は省略する。
【0164】
NB頻度分布計算部33は、各ロット毎のWNBのデータ27、及びロット、工程、装置の対応関係を示すプロセスフローデータ28などの各ロットの装置履歴のデータを用いて、負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布を計算する機能を有する。なお、WNB頻度分布計算部33は、各ロットのプロセスフローデータ28を用いて、各工程別に各装置毎の負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布を計算する機能を有する。具体的には、図19のステップS92に示したWNBの頻度分布のグラフ29a、29bを作成する機能を有している。計算された装置毎のWNBの頻度分布は、装置毎のWNBの頻度分布のデータ29として、データ記憶部の一部に記憶される。
【0165】
NB頻度分布差計算部32は、各工程別に、経由した装置間の負の二項分布の重み(WNB)頻度分布の差を計算する機能手段である。即ち、図19に示した頻度分布のグラフ29a、29bに表示された、各装置ごとのWNBの頻度分布の差を定量的に求める役割を果たす。具体的には、分布差計算部32は、正規分布判定部と、t検定を用いて頻度分布の差を求めるt検定部と、χ検定を用いてχ値を比較することにより、問題の程度を比較するχ検定部とからなる。
【0166】
(1)正規分布判定部は、装置毎の負の二項分布の重み(WNB)の頻度分布が正規分布であるか否か、或いは正規分布に近似できるか否かを判定する機能を有する。
【0167】
(2)t検定部は、装置毎のWNBの頻度分布が正規分布である場合或いは正規分布に近似できる場合に、頻度分布に差があるかどうか、分布の差がどの程度か(有意差がいくつで差があるといえるか)を計算する機能を有する。
【0168】
(3)χ検定部は、装置毎のWNBの頻度分布が正規分布でない場合或いは正規分布に近似できない場合に、対象ロットを特微量にしたがって幾つかのグループに分け、ある工程のある装置を経由したロットがどのグループに多く存在するかを解析すること、即ち、ある工程のある装置を通過したロットは、例えば、クラスタリングの程度が大きいグループに多く存在することを、χ値(問題がない場合に想定される値より分布がどの程度違っているかを示す値)を比較することにより、問題の程度を比較する機能を有する。
【0169】
計算されたWNBの頻度分布の差を表わすパラメータは、問題工程・装置及び分布の差のデータ30として、データ記憶部の一部に記憶される。
【0170】
プログラム記憶部2と入力装置4と出力装置5とは、本発明の第1の実施の形態において図2を参照して示したものとそれぞれ同一の機能を有しているため、ここではその詳細を省略する。また、分布形状表示部6は、頻度分布計算部7により計算された電気的不良の頻度分布、離散型分布関数近似部8により近似された離散型分布関数のほかに、WNB頻度分布計算部33により計算されたWNBの頻度分布の形状を表示する機能をさらに有する。
【0171】
警告装置36は、工程管理者に対して問題工程及び問題装置の存在を警告する機能手段である。例えば、製造ライン上の各製造装置の上部に配置された赤色灯或いはアラームは、分布の差を表わすパラメータが所定のしきい値よりも大きな問題装置の存在を灯火或いは鳴らすことで、製造ライン上に居る工程管理者に製造装置の異常を直接警告する。また、問題工程・装置及び分布の差のデータ30を出力するモニター画面上において、分布の差を表わすパラメータが所定のしきい値よりも大きな工程及び装置を表示させることで、製造ラインから離れた場所に居る工程管理者に対して警告する。
【0172】
本発明の第7の実施の形態に係る問題工程及び問題装置の抽出方法を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができる。この記録媒体は、図21に示したプログラム記憶部2として用いる、あるいはプログラム記憶部2に読み込ませ、このプログラムにより処理制御部35における種々の作業を所定の処理手順に従って実行することができる。また、図11に示したようなコンピュータシステムからなる問題工程及び問題装置の抽出装置90により、これらの記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、そこに記述された手順に従って、問題工程及び問題装置の抽出システムを実現することができる。なお、問題工程及び問題装置の抽出装置90の場合、その背後には、電気的不良検出装置16の代わりにテスタ32が配置され、コンピュータシステムに直接接続されている。テスタ32は、ウェハの観察、電気的不良の検出、検出された電気的不良の座標データの送受信などの機能がコンピュータシステム上から制御される。
【0173】
以上説明したように、負の二項分布の重み(WNB)を用いて、歩留り低下に関与する工程及び製造装置を特定することにより、従来に比べて以下に示す有利な効果を奏する。即ち、従来においては、図19のステップS91の各ロット毎の(WNB)27の代わりに、「各ロット毎の歩留り」を用いて、ステップS92のグラフ29a、29bの横軸を負の二項分布の代わりに歩留りとした「歩留りの頻度分布」を計算し、「歩留りの頻度分布の差」に基いて問題工程・問題装置を特定していた。
【0174】
しかし、歩留りを用いた従来の方法では、歩留りに大きく関与する工程・装置を抽出することはできても、歩留り低下の原因が複数の工程・装置が関与しているような場合に、これらの工程・装置をそれぞれ抽出することが困難であった。特に、メモリーデバイスにおいてはリダンダンシー回路(救済回路)が使用されている場合が多いため、歩留りには、救済回路により救済された不良メモリセルがスクリーニングされてしまい、製造過程で発生する電気的不良を正確に評価することが困難であった。
【0175】
上述した本発明の第7の実施の形態に係る問題工程及び問題装置の抽出方法によれば、製造歩留りの低下に関与する不完全性実体が、どの工程の、どの製造装置において発生したものであるかを的確に突き止めることができる。しかも、故障解析作業に多大な時間と労力を不要とし、故障解析作業の負担を軽減することができ、結果的に発生原因を特定できない惧れも少ない。更に、複数の工程・装置が関連する複合的な要因で発生する電気的不良(不完全性実体)に関与する工程・装置を的確に抽出することができる。例えば、リソグラフィ装置の合わせずれの問題、或いはリソグラフィ装置とその後に使用するエッチング装置との相性の問題を検出するために、1つの工程の装置だけでなく、複数の工程の複数の装置の組合せに対しても、精度の高い解析を行うことができる。
【0176】
また、メモリデバイスにおいて、不完全性実体として「救済に必要な救済回路数」を選択した場合、リダンダンシー回路によりスクリーニングされた不良メモリセルの検出が可能となる。図22は、救済に必要な救済回路数(n)の頻度分布を示すグラフである。第4の実施の形態で述べたように、ウェハから取ることができる良品チップの数が最大となるような設定救済回路数(nMAX)を設定することで、nがnMAXより多いチップは不良品チップとなり、nがnMAXより少ないチップは良品チップとなる。また、第2の実施の形態で述べたように、(7)式を満たすnを基準にしてクラスタリングしきい値(λth)を設定することで、特定の原因を持ってウェハ内で偏って発生するクラスタリング不良のチップ38とウェハ内で無作為に発生するランダム不良のチップ37とを判別している。従って、歩留りではなく負の二項分布の重み(WNB)を用いることにより、λth<n<nMAXの範囲のクラスタリング不良のチップ38を考慮した解析を行うことができる。
【0177】
さらに、不完全性実体の頻度分布を、特定のレイヤー(例えば、活性領域、ゲート、第1配線層、第2配線層、・・・など)ごとに作成することで、歩留りに関与する工程・装置をより高精度に抽出することが可能となる。レイヤーを特定することで必然的にそのレイヤーに関与する工程・装置が特定されるからである。従って、検索対象とするロット(検索母体)の数を減らし、短時間で高精度の解析を行うことができる。
【0178】
第7の実施の形態においては、検査母体をロットとし、単位セルをチップとしたが、これらに限定されるわけではない。検索母体は、「ウェハ」であっても構わず、単位セルは、「ブロック」、「グループ」、「ショット領域」などであっても構わない。また、不完全性実体が電気的不良である場合について説明したが、結晶欠陥、電気的不良の救済に必要な救済回路などであっても構わない。不完全性実体が結晶欠陥である場合、図21に示したテスタ32の代わりに欠陥観察装置を配置すればよい。
【0179】
また、負の二項分布の重み(WNB)の代わりに、離散型分布関数の各種パラメータとして、分布関数の平均値(λ、λNB)あるいはクラスタリングファクターαをトレンドとして表示しても有効である。例えば、ポアソン分布の平均値λのトレンドからは、ランダムに発生する電気的不良の発生密度の傾向を理解することで、製造装置に限らず、クリーンルーム内のダスト管理装置などの環境装置をも、問題装置の対象とすることができる。或いは、クリーンルームのクリーンレベル見直し、フィルター交換時期の判断などを行うことも可能である。
【0180】
(第8の実施の形態)
第7の実施の形態の冒頭でも述べたように、現在、半導体工場の製造ラインの生産性を如何にして向上させるかが重要な課題となっており、その際、高歩留りのウェハ或いはロットを数多く生産することが重要なポイントとなる。
【0181】
本発明の第5及び第6の実施の形態において、本発明に係る不良クラスタリング検索方法を、半導体装置の製造工程途中の種々な検査工程に適用して装置/工程などを管理する実施形態として、工程管理方法、クリーンルーム管理方法、及び半導体装置の製造方法を示した。
【0182】
これらの製造途中の検査工程における不良クラスタリング検索結果から、その時点での歩留りを予測することが可能であり、更にはその後に行われる工程の歩留りを考慮することで最終的な生産歩留りを予測することも可能である。また、検査工程の時点で、ウェハ或いはロットをスクラップ(破棄)した場合の製造コスト、そのまま工程を流しつづけた場合の製造コストを評価することもできる。従って、両者の製造コストを比較してウェハ或いはロットをスクラップするか否かを検査工程の時点で判断することができる。なお、必要に応じて顧客からの要求を考慮してスクラップの適否を判断することも重要である。
【0183】
本発明の第8の実施の形態においては、半導体装置の製造工程途中の種々な検査工程における不良クラスタリング検索結果を用いた、ウェハ或いはロット(検索母体)のスクラップ判断方法について説明する。図23は、第8の実施の形態に係るスクラップ判断方法を示すフローチャートであり、図16に示したウェハ処理工程(前工程)における主要な工程を抜粋したものである。またここでは、トランジスタを形成した後、配線を形成する前の検査工程における不良クラスタリング検索結果を用いたロットのスクラップ判断方法について説明する。
【0184】
(イ)図23に示すように、まず、ステップ57において、ウェハ製造工程において製造されたベアウェハに対して、半導体素子が形成される領域(素子形成領域)を絶縁分離するための領域(素子分離領域)を形成する工程(素子分離工程)を実施する。そして、ステップS58において、素子形成領域に対して、そこに形成される半導体素子(トランジスタ)のタイプ(pタイプ/nタイプ)に応じたウェル領域を形成する工程(ウェル形成工程)を実施する。
【0185】
そして、ステップS59において、MOS型トランジスタのチャネルが形成される領域に、所定濃度の不純物を拡散してチャネル領域を形成する工程(チャネル形成工程)を実施する。そして、ステップS61において、チャネル領域の上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成し、ゲート電極に隣接してソース/ドレインなどの拡散領域を形成する工程(トランジスタ形成工程)を実施する。以上の工程が終了した時点で、ウェハ上に配置されるトランジスタの形成が終了する。
【0186】
(ロ)次に、ステップS84において、トランジスタの素子特性を評価する検査工程(「素子特性評価工程」という)を実施して、ウェハ内に存在する電気的不良を検出する。即ち、素子特性評価工程において、ウェハ上のトランジスタが、所望の機能・性能を有しているか否かを検査して、所望の機能・性能を有していないトランジスタを電気的不良のトランジスタとして検出する。具体的には、トランジスタのスイッチング速度、ゲートしきい電圧、ソース/ドレイン/ゲート/チャネル等の各電極領域の抵抗値或いはソース/ドレイン間のオン抵抗値などが設計どおりの特性・性能を有しているか、即ちこれらの特性値・性能値が許容範囲内に納まっているかの検査(マージンテスト)を行う。その他に、トランジスタの各電極間のショート、ゲート絶縁膜欠陥(ピンホールなど)、各電極の異常パターン、チャネル領域内の結晶欠陥、電極領域間のPN接合破壊等の物理的不良の有無を同時に検査しても構わない。更に、電気的不良、物理的な不良の他に、アルカリ金属(Na、K等)、重金属イオン(Fe、Cu、Ni等)によるケミカル汚染の有無を同時に検査することもより望ましい。
【0187】
素子特性の評価結果は、第3の実施の形態で示したように、不良内容やウェハ内の位置(座標)などが電気的不良について個別に示された形式のデータとして出力される。従って、図9或いは図21に示した電気的不良データ変換部15と同一の機能手段を用いて、上記形式のデータを電位的不良の頻度分布を計算するために必要な形式のデータに変換する。即ち、電気的不良の座標データを、各チップ内に存在する電気的不良の数のデータと各チップの座標のデータとに変換する。
【0188】
(ハ)次に、変換された電気的不良データに基いて、第1の実施の形態(図3)と同様な方法により、各チップ当りの電気的不良の頻度分布を計算し(S200)、この頻度分布に対して1つのポアソン分布と1つの負の二項分布とを重ね合わせて近似する(S300)。
【0189】
次に、(3)式に示されたポアソン分布及び負の二項分布の各種パラメータ(W、λ、WNB、λNB、α)を用いて、救済後歩留りを計算する。具体的には、頻度分布に従って、仮想的に電気的不良を発生させた場合に、救済単位中に設けられている救済回路数を超えない確率を求めることにより、トランジスタ形成工程が終了した時点での歩留りを予測する。或いは、直接、検出された不良を、救済回路を用いて仮想的に救済した場合に、救済される割合を計算することによっても、救済後歩留りを求めることができる。そして更に、この後行われる配線工程(S63〜74)での歩留り低下分(不良発生率)をも考慮してウェハ工程終了後の歩留りを予測する。
【0190】
(ニ)次に、ウェハ工程終了後の歩留りに基いて、各ロット毎に、この時点でスクラップを行うか否かを判定する。この判定は、スクラップせずに素子特定評価工程後のロットを継続して製造ライン上を流した場合の損益を計算し、この時点でスクラップを行った場合の損失(製造コスト)を計算し、両者を比較することにより行われる。
【0191】
図24は、十分高い歩留りが得られるロットにおける工程の流れと製造コストとの関係、及び最終的な売上と利益の関係を示すグラフである。横軸は製造工程の流れを示し、縦軸が損益を示している。また折れ線は、各工程におけるロット毎の製造コストを示す。図24に示すように、各ロットの製造コストは工程の経過に従って累積的に増加する。素子特性評価工程(S84)を実施したところ、トランジスタ形成工程(S61)後の救済後歩留りは95%であった。素子特性評価工程(S84)後に継続して配線工程・後工程を実施し、最終製品の歩留りが90%であった。この場合、売上は最終工程までの製造コストよりも大きくなり、その差が利益として現れる。
【0192】
一方、図25(a)は、十分高い歩留りが得られないロットにおける工程の流れと製造コストとの関係、及び最終的な売上と損失の関係を示すグラフである。図25(a)に示すように、素子評価工程(S84)を実施した際の救済後歩留りが35%であり、その後に継続して配線工程、後工程を実施し、最終製品の歩留りが20%であった。この場合、売上は最終工程までの製造コストよりも小さくなり、その差が損失として現れる。歩留りが極端に低いロットをそのまま流してしまった場合、最終的な損失は膨大なものになる。
【0193】
そこで、素子特性評価工程(S84)における救済後歩留り、そこから予測される最終的な歩留りを考慮して、素子特性評価工程(S84)後の配線工程、後工程などを行わずに、ロットをスクラップしてしまうことで、損失を素子特性評価工程(S84)前までに要した製造コストに抑えることができる。図25(b)は、図25(a)に示した十分高い歩留りが得られないロットを素子特定評価工程(S84)後にスクラップした場合の損失(製造コスト)を示すグラフである。図25(b)に示すように、素子特定評価工程(S84)後に、低歩留り(35%)のロットをスクラップした場合、トランジスタ形成工程(S61)までの製造コストが損失となり、図25(a)に示した最終工程まで流した場合の損失に比して、スクラップした場合の損失を小さく抑えることが出来る。また、実際には、低歩留りのロットをスクラップすることにより、配線工程に余裕が生じ、他のロットの工期を短縮することができ、或いは多数のロットを処理することができる。即ち、製造ライン全体として処理効率を高めることができる。
【0194】
なお、これまでは、「ロット」をスクラップする場合について述べたが、電気的不良が、あるウェハ(群)に偏って存在する場合は、そのウェハ(群)のみをスクラップすることもありうる。
【0195】
また、スクラップするか否かの判断を行う際、顧客からの要求も考慮に入れる必要がある。例えば、良品数が少なくともなるべく早く欲しいという顧客に対する製品の場合にはロットをそのまま流しつづけるべきであり、遅くなってもいいからなるべく安く、大量にに欲しいという顧客に対する製品の場合、図25(a)、(b)に示したような低歩留りロットはスクラップした方が望ましい。
【0196】
本発明の第8の実施の形態によれば、トランジスタを形成した後、配線を形成する前の検査工程において、トランジスタの特性を評価し、評価結果から不良クラスタリングを行うことで、その時点での歩留りを予測し、その後に行われる工程の歩留りを考慮することで最終的な生産歩留りを予測することができる。そして、この歩留り予測から製造途中のロット、ウェハをスクラップするか否かを正確に判断することができる。
【0197】
本発明の第8の実施の形態においては、トランジスタを形成した後、配線を形成する前の検査工程における不良クラスタリング検索結果を用いたロットのスクラップ判断方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。一部配線を形成した後の検査工程など、第6の実施の形態(図16〜図18)で示した各検査工程において得られる不良クラスタリング検索結果を用いてロットのスクラップを判断しても構わない。検査工程は、各製造工程のプロセス改善を行うための不完全性実体の検査工程であり、例えば、欠陥観察工程(S54)、トレンチキャパシタ欠陥観察工程(S56)、チャネル部欠陥観察工程(S60)、M1欠陥観察工程(S66)、M2欠陥観察工程(S69)等がある。
【0198】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、定量的なクラスタリング検索を行うことができる不良クラスタリング検索方法、不良クラスタリング検索装置、及び不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体を提供することができる。
【0199】
また本発明によれば、特定の原因を持って検索母体内に偏って発生する不完全性実体実体に近似された離散型分布関数の分布形状に基づいて、クラスタリング検索することができる不良クラスタリング検索方法、不良クラスタリング検索装置、及び不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体を提供することができる。
【0200】
さらに本発明によれば、検索母体内のクラスタリング箇所を表示することで、クラスタリングの原因を容易に解明することができる不良クラスタリング検索方法、不良クラスタリング検索装置、及び不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体を提供することができる。
【0201】
さらに本発明によれば、救済後の歩留りを最適化することができる救済回路最適化方法を提供することができる。
【0202】
さらに本発明によれば、的確な製造工程の工程管理を行い、適切なプロセス改善を行うことができる工程管理方法を提供することができる。
【0203】
さらに本発明によれば、高い歩留りを安定して維持することができるクリーンルーム管理方法及び半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0204】
さらに本発明によれば、製造歩留りの低下に関与する不完全性実体が、どの工程の、どの製造装置において発生したものであるかを的確に突き止めることができる問題工程及び問題装置の抽出方法、問題工程及び問題装置の抽出プログラムを格納した記録媒体、及び問題工程及び問題装置の抽出装置を提供することができる。
【0205】
さらに本発明によれば、低歩留りの検索母体による損失を小さく抑えることが出来る検索母体のスクラップ判断方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法の基本構成を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る不良クラスタリング検索装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)は、頻度分布計算部により計算された各チップ当りの電気的不良の頻度分布を示すグラフである。図4(b)は、離散型分布関数近似部により1つのポアソン分布と1つの負の二項分布が電気的不良の頻度分布に重ね合わせて近似された様子を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る不良クラスタリング検索装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法を示すフローチャートである。
【図7】図7(a)は、頻度分布計算部により計算された各チップ当りの電気的不良の頻度分布を示すグラフである。図7(b)は、離散型分布関数近似部により1つのポアソン分布と1つの負の二項分布が電気的不良の頻度分布に重ね合わせて近似された様子を示すグラフである。図7(c)は、電気的不良の頻度分布の電気的不良が多発している部分(クラスタリング領域)を示すグラフである。図7(d)は、ウェハ上にクラスタリング箇所として検索されたチップの位置などを表示したウェハマップの図である。
【図8】単位セルをショット領域とした場合におけるクラスタリング箇所表示部に表示されるウェハマップの図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る不良クラスタリング検索装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法の一部を示すフローチャートである。
【図11】記録媒体に格納された不良クラスタリング検索プログラムを読み取り、そこに記述された手順に従って、不良クラスタリング検索システムを実現するコンピュータシステムからなる不良クラスタリング検索装置の一例を示す外観図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る不良クラスタリング検索方法を用いた救済回路最適化方法を示すフローチャートである。
【図13】図13(a)は、各チップ当りの救済に必要な救済回路の頻度分布を示すグラフである。図13(b)は、設定救済回路数に対する救済後の歩留りを示すグラフである。図13(c)は、設定救済回路数の増加と共に、チップ全体の面積が増加してしまう様子を示す図である。図13(d)は、設定救済回路数に対するウェハから取ることができる良品チップ数を示すグラフである。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る工程管理方法及びクリーンルーム管理方法を示すフローチャートである。
【図15】各ロットについて負の二項分布の重み(WNB)のトレンドを示すグラフの一例である。
【図16】本発明の第6の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである(その1)。
【図17】本発明の第6の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである(その2)。
【図18】図16におけるM1形成工程の詳細な構成を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第7の実施の形態に係る、問題工程及び問題装置を抽出する方法を示すフローチャートである(その1)。また、当該方法の特徴となる「負の二項分布の重み(WNB)を用いて問題工程/問題装置を抽出する方法」に関する部分を示す。
【図20】本発明の第7の実施の形態に係る、問題工程及び問題装置を抽出する方法を示すフローチャートである(その2)。また、当該方法の特徴となる「負の二項分布の重み(WNB)を用いて問題工程/問題装置を抽出する方法」に関する部分を示す。
【図21】本発明の第7の実施の形態に係る問題工程及び問題装置の抽出装置の構成を示すブロック図である。
【図22】救済に必要な救済回路数(n)の頻度分布を示すグラフである。ウェハから取ることができる良品チップの数が最大となるような設定救済回路数(nMAX)と、クラスタリングしきい値(λth)との間、即ちλth<n<nMAXの範囲に存在するクラスタリング不良のチップ38を示している。
【図23】本発明の第8の実施の形態に係るスクラップ判断方法を示すフローチャートであり、図16に示したウェハ処理工程(前工程)における主要な工程を抜粋したものである。
【図24】十分高い歩留りが得られるロットにおける工程の流れと製造コストとの関係、及び最終的な売上と利益の関係を示すグラフである。
【図25】図25(a)は、十分高い歩留りが得られないロットにおける工程の流れと製造コストとの関係、及び最終的な売上と損失の関係を示すグラフである。図25(b)は、図25(a)に示した十分高い歩留りが得られないロットを素子特定評価工程(S84)後にスクラップした場合の損失(製造コスト)を示すグラフである。
【符号の説明】
1、10、14、35 処理制御部
2 プログラム記憶部
3 データ記憶部
4 入力装置
5 出力装置
6 分布形状表示部
7 頻度分布計算部
8 離散型分布関数近似部
9 クラスタリング検索(判定)部
11 クラスタリングしきい値計算部
12 クラスタリング箇所検索部
13 クラスタリング箇所表示部
15 電気的不良データ変換部
16 電気的不良検出装置
17 ポアソン分布
18 負の二項分布
19 クラスタリング領域
20 ウェハ
21 チップ
22 電気的不良
23、25 クラスタリング箇所
24 ショット領域
26 クラスタリングロット
27 各ロット毎の負の二項分布の重み(WNB)の一覧
28 各ロット毎の装置履歴
29a、29b 経由した装置毎のロットの頻度分布を表示したグラフ
30 頻度分布の差のデータ
31 電気的不良データ
32 テスタ
33 WNB頻度分布計算部
34 不良データ
36 警告装置
37 ランダム不良のチップ
38 クラスタリング不良のチップ
39 WNB頻度分布差計算部

Claims (22)

  1. 半導体装置に存在する不良のクラスタリング検索方法であって、
    検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第1のステップと、
    前記検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第3のステップと、
    前記頻度分布に対する前記離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第4のステップと
    を有することを特徴とする不良クラスタリング検索方法。
  2. 前記第1のステップは、前記各単位セル内に存在する不完全性実体の数を入力する第1の作業と、前記離散型分布関数の重みに関するクラスタリング判定条件を入力する第2の作業とからなり、
    前記第4のステップは、前記クラスタリング判定条件に従って、前記検索母体がクラスタリングしているか否かを判定するステップである
    ことを特徴とする請求項1記載の不良クラスタリング検索方法。
  3. 前記離散型分布関数は、1つのポアソン分布関数と、1つの負の二項分布とからなり、
    前記第2の作業は、前記頻度分布に対する前記負の二項分布の重みのしきい値を入力する作業であり、
    前記第4のステップは、前記負の二項分布の重みが前記しきい値より大きければクラスタリング有りとし、小さければクラスタリング無しと判定するステップである ことを特徴とする請求項2記載の不良クラスタリング検索方法。
  4. 前記第1のステップの前に、
    前記検索母体内に存在する前記不完全性実体を検出するステップと、
    検出された前記不完全性実体の座標データを記憶するステップと、
    前記不完全性実体の座標データを、前記各単位セル内に存在する不完全性実体の数のデータに変換するステップと
    をさらに有することを特徴とする請求項2記載の不良クラスタリング検索方法。
  5. 前記第1のステップは、前記各単位セル内に存在する不完全性実体の数と、当該各単位セルの座標を入力するステップであり、
    前記第4のステップは、2種類の前記離散型分布関数の成分が互いに等しくなる前記不完全性実体の数をクラスタリングしきい値として計算する第1の作業と、前記不完全性実体の数が前記クラスタリングしきい値よりも多い前記単位セルをクラスタリング箇所として検索する第2の作業とからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の不良クラスタリング検索方法。
  6. 前記離散型分布関数は、1つのポアソン分布関数と、1つの負の二項分布とからなり、
    前記第1の作業は、前記ポアソン分布と前記負の二項分布の成分が互いに等しくなる前記不完全性実体の数を前記クラスタリングしきい値として計算する作業である
    ことを特徴とする請求項5記載の不良クラスタリング検索方法。
  7. 前記第1のステップの前に
    前記検索母体内に存在する前記不完全性実体を検出するステップと、
    検出された前記不完全性実体の座標データを記憶するステップと、
    前記不完全性実体の座標データを、前記各単位セル内に存在する不完全性実体の数と前記各単位セルの座標のデータに変換するステップと
    をさらに有することを特徴とする請求項5記載の不良クラスタリング検索方法。
  8. 前記不完全性実体は、電気的不良であることを特徴とする請求項1記載の不良クラスタリング検索方法。
  9. 前記不完全性実体は、欠陥であることを特徴とする請求項1記載の不良クラスタリング検索方法。
  10. 半導体装置に存在する不良のクラスタリング検索装置であって、
    検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する入力装置と、
    前記不完全性実体に関するデータを用いて、前記検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する頻度分布計算部と、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似する離散型分布関数近似部と、
    前記頻度分布に対する前記離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索するクラスタリング検索部と
    を有することを特徴とする不良クラスタリング検索装置。
  11. 前記不完全性実体に関するデータは、前記各単位セル内に存在する不完全性実体の数と、前記離散型分布関数の重みに関するクラスタリング判定条件とからなり、
    前記クラスタリング検索部は、前記クラスタリング判定条件に従って、前記検索母体がクラスタリングしているか否かを判定するクラスタリング判定部である
    ことを特徴とする請求項10記載の不良クラスタリング検索装置。
  12. 前記不完全性実体に関するデータは、前記各単位セル内に存在する不完全性実体の数と、当該各単位セルの座標とからなり、
    前記クラスタリング検索部は、2種類の前記離散型分布関数の成分が互いに等しくなる前記不完全性実体の数を計算するクラスタリングしきい値計算部と、前記不完全性実体の数が前記クラスタリングしきい値よりも多い前記単位セルをクラスタリング箇所として検索するクラスタリング箇所検索部とからなる
    ことを特徴とする請求項10記載の不良クラスタリング検索装置。
  13. 半導体装置に存在する不良のクラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体であって、
    検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第1のステップと、
    前記検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第3のステップと、
    前記頻度分布に対する前記離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第4のステップと
    を有することを特徴とする不良クラスタリング検索プログラムを格納した記録媒体。
  14. 半導体装置の製造工程が実施されたウェハを分割した各チップ内に存在する不良の救済に必要な救済回路の数を入力する第1のステップと、
    前記各チップ当りの前記救済回路の頻度分布を計算する第2のステップと、
    前記頻度分布に設定救済回路数を設定して前記設定救済回路数以下の前記救済回路が存在するチップを良品チップとして、前記ウェハから取れる前記良品チップの数を計算する第3のステップと、
    前記設定救済回路数の増加に従って、増加する前記良品チップ数と減少する前記ウェハ内の全チップ数との関係から、前記ウェハから取れる前記良品チップの数が最大となる前記設定救済回路数を計算する第のステップと
    を有することを特徴とする救済回路最適化方法。
  15. 半導体装置の製造工程の管理方法であって、
    複数の検索母体から1検索母体を選ぶ第1のステップと、
    前記1検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第2のステップと、
    前記1検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する第3のステップと、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第4のステップと、
    前記頻度分布に対する前記離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第5のステップと、
    総ての検索母体が選ばれていない場合、前記第1のステップに戻り、他の検索母体について前記第1乃至第5のステップを行う第6のステップと
    を有することを特徴とする工程管理方法。
  16. 半導体装置の製造工程中にクリーンルーム内で行われる1つ又は複数の不完全性実体の検査工程において、
    検索母体内に存在する前記不完全性実体に関するデータを入力する第1のステップと、
    前記検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第3のステップと、
    前記頻度分布に対する前記離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第4のステップと
    を有することを特徴とするクリーンルーム管理方法。
  17. 半導体装置の製造工程中の1つ又は複数の不完全性実体の検査工程において、
    検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第1のステップと、
    前記検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似する第3のステップと、
    前記頻度分布に対する前記離散型分布関数の重みに基づいて、クラスタリングを検索する第4のステップと
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 半導体装置の不完全性実体を発生させる問題工程及び問題装置の抽出方法であって、
    複数の検索母体から1検索母体を選ぶ第1のステップと、
    前記1検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第2のステップと、
    前記1検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する第3のステップと、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似し、当該離散型分布関数の重みを計算する第4のステップと、
    総ての検索母体が選ばれていない場合、前記第1のステップに戻り、他の検索母体について前記第1乃至第4のステップを行う第5のステップと、
    各検索母体毎の前記離散型分布関数の重み、及び各検索母体の装置履歴を用いて、工程別に、経由した装置毎の当該離散型分布関数の重みの頻度分布を計算する第6のステップと、
    工程別に、経由した装置間の当該重みの頻度分布の差を計算する第7のステップと、
    当該重みの頻度分布の差が大きい前記工程及び前記装置を順番に抽出する第8のステップと
    を有することを特徴とする問題工程及び問題装置の抽出方法。
  19. 前記不完全性実体は、救済に必要な救済回路であることを特徴とする請求項18記載の問題工程及び問題装置の抽出方法。
  20. 半導体装置の不完全性実体を発生させる問題工程及び問題装置の抽出プログラムを格納した記録媒体であって、
    複数の検索母体から1検索母体を選ぶ第1のステップと、
    前記1検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータを入力する第2のステップと、
    前記1検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する第3のステップと、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似し、当該離散型分布関数の重みを計算する第4のステップと、
    総ての検索母体が選ばれていない場合、前記第1のステップに戻り、他の検索母体について前記第1乃至第4のステップを行う第5のステップと、
    各検索母体毎の前記離散型分布関数の重み、及び各検索母体の装置履歴を用いて、工程別に、経由した装置毎の前記離散型分布関数の重みの頻度分布を計算する第6のステップと、
    工程別に、経由した装置間の当該重みの頻度分布の差を計算する第7のステップと、
    当該重みの頻度分布の差が大きい前記工程及び前記装置を順番に抽出する第8のステップと
    を有することを特徴とする問題工程及び問題装置の抽出プログラムを格納した記録媒体。
  21. 半導体装置の不完全性実体を発生させる問題工程及び問題装置の抽出装置であって、
    検索母体内に存在する不完全性実体に関するデータ、及び検索母体と当該検索母体が経由した工程及び装置との対応関係を示す装置履歴のデータを少なくとも格納したデータ記憶部と、
    前記不完全性実体に関するデータを用いて、前記検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する頻度分布計算部と、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似し、当該離散型分布関数の重みを計算する離散型分布関数近似部と、
    各検索母体毎の前記離散型分布関数の重みのデータ、及び前記装置履歴のデータを用いて、工程別に、各装置毎の離散型分布関数の重みの頻度分布を計算する重み頻度分布計算部と、
    工程別に、経由した装置間の当該重みの頻度分布の差を計算する重み頻度分布差計算部と
    を有することを特徴とする問題工程及び問題装置の抽出装置。
  22. 半導体装置の製造途中の検査工程において、半導体素子の素子特性を評価して、検索母体内に存在する不完全性実体を検出する第1のステップと、
    前記検索母体を分割した各単位セル当りの前記不完全性実体の頻度分布を計算する第2のステップと、
    前記頻度分布に対して2種類の離散型分布関数を重ね合わせて近似して、当該離散型分布関数のパラメータを計算する第3のステップと、
    前記離散型分布関数のパラメータを用いて、前記検索母体の歩留りを計算する第4のステップと、
    前記検索母体の歩留りを用いて、製造途中の前記検索母体をスクラップするか否かを判断する第5のステップと
    を有することを特徴とする検索母体のスクラップ判断方法。
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