JP4246082B2 - 船舶の補助推進力を発生させるドジャー支持体構造 - Google Patents

船舶の補助推進力を発生させるドジャー支持体構造 Download PDF

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Description

本発明は、ドジャ−支持体を有する船舶における補助推進力を発生させるドジャー支持体構造に関するものである。
近年、地球温暖化の原因として二酸化炭素が注目され、船舶においても二酸化炭素を含有する推進機関の排気ガス削減が求められている。そこで、推進機関の補助推進装置として風力利用が考えられており、その一例としてエンジンと帆を併用することが提案されている。しかし、大型船舶において帆を使用することは、装備の複雑さ、保守管理、強風時の安全性の確保などの問題があり、いまだ実用のレベルにない。
一方、別の提案として船舶の甲板上に水平方向に回転可能な円筒状構造物を設け、この円筒状構造物を回転させて、いわゆるマグナス効果を利用して補助推進力を得るものがある(特許文献1参照)。
このマグナス効果による補助推進力の発生原理を非粘性の流れをもとに図11に基づいて概念的に説明する。図11(a)は、円柱体90が一様な気流Aの中に置かれている状態を平面図で示したものであり、この状態では円柱体90まわりに、左右対称な気流Aが形成される。即ち、円柱体90まわりの左右の流速は同じであり、したがって圧力も同じとなり、左右方向には力が生じない。ところが、図11(b)のように円柱体90を例えば時計まわりに回転させると、円柱体90まわりの右側の流速が大きくなり、左側の流速は小さくなる。したがって、右側の圧力が左側の圧力よりも小さくなり、結果としてこの圧力差により円柱体90には、右側方向の力Fが生ずる。このようなマグナス効果の原理により、円柱体90は右側方向の補助推進力Fが得られることになる。
この提案では、甲板上の煙突を回転体として回転させるものなどが示されているが、大規模な構造やコスト高の観点から実用化が困難なものであった。
さらに、別の提案として船上に、多数の穴を有する円または略円柱状の構造物を設け、この穴から流体を出し入れして構造物まわりの気流を変化させ、圧力差を生じさせることで船の推進力を得る揚力発生装置が提案されている(特許文献2参照)。この装置の揚力発生原理は、円柱状の構造物に設けた穴から流体を出し入れすることによって、マグナス効果と同様の効果を得ようとするものである。
この提案では、円柱状の構造物を別途、設ける必要があり、コスト高の問題があった。
特開昭57―55292号 特開平5―213271号
本発明は前記したような従来技術の問題点を解決するためになされたものである。即ち、ドジャー支持体を利用した比較的簡易で、コスト負担の少ない船舶の補助推進力を発生させるドジャー支持体構造を提供することにある。
上記の目的を達成するための本願発明に係るドジャー支持体構造は、甲板上に設けられた居住区から左右両方向に水平に伸びたドジャーを支えるドジャー支持体を有する船舶において補助推進力を発生させるドジャー支持体構造であって、前記甲板上に立設される円柱状のドジャー支持体と、該ドジャー支持体を内挿し、回転自在に支持される回転円筒体と、該回転円筒体を回転させる回転駆動装置と、からなるようにしたことを特徴とする
ここでの円柱状のドジャー支持体は、横断面が円形だけでなく、ドジャー支持機構と回転円筒体のガイドの機能を併せ持てばよく、略円形を含み、内部は中実か中空かを問わない。
上記のドジャー支持体構造において、さらに、回転円筒体に該回転体内部と外部とを連通する吸気部と、該吸気部から外部の空気を吸入する吸気装置と、を設けたことを特徴とする。この吸気装置が外部の空気を吸入し、気流により回転円筒体後方に生じる境界層を吸い込む。
上記の目的を達成するための本願発明に係るドジャー支持体構造は、甲板上に設けられた居住区から左右両方向に水平に伸びたドジャーを支えるドジャー支持体を有する船舶において補助推進力を発生させるドジャー支持体構造であって、前記甲板上に立設される筒状のドジャー支持体と、該ドジャー支持体の後部外周に設けられた中空状のフィンと、該フィンの左右両側面に設けられた該フィンの内部と外部とを連通するフィン吸気部と、該フィン吸気部から外部の空気を吸入する吸気装置と、からなり、前記左右両側面に設けられたフィン吸気部から左右それぞれ単独で吸気ができるようにしたことを特徴とする
上記のドジャー支持体構造において、フィンのドジャー支持体における周方向位置またはフィンの突出方向の少なくともいずれか一方を変更可能としたことを特徴とする。
上記のドジャー支持体構造において、さらに、ドジャー支持体が受ける風力または風向きの少なくともいずれか一方を感知するセンサと、該センサからの信号を受けて補助推進力発生の制御を行う制御部と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載のドジャー支持体構造では、マグナス効果により補助推進力を発生させる回転円筒体がドジャー支持体を内挿し、ドジャー支持体を中心軸として回転自在に支持されるので別途、甲板上に回転円筒体を回転自在に支持するものを設ける必要がなく、また、構造も小規模であり、船舶の運航上、特別な負担を生じさせず、補助推進力を得ることができる。
即ち、従来は空気抵抗となるだけであったドジャー支持体をコスト負担の小さな比較的簡易な構造で、補助推進力を得る構造とすることができる。
さらに、回転円筒体に円筒内部と外部を連通する吸気部を設けて、この吸気部から外部の空気を吸入して、回転円筒体が回転していない状態でも回転円筒体まわりの気流を変化させ、補助推進力を発生することができる。即ち、この外気吸入によってドジャー支持体後方に形成される相対的に圧力の低い、はく離領域を狭くしてドジャー支持体前後方向の圧力差を小さくして、圧力抵抗を削減し、結果としてマグナス効果により補助推進力を発生させるのと同様の効果を得ることができる。これにより、回転円筒体の回転では補助推進力を得ることのできない風向であっても、吸気部からの吸気により補助推進力を得ることができる。つまり、回転円筒体の回転と吸気部からの吸気のいずれか一方の手段を適宜、選択して補助推進力を得ることができる。これにより、従来は空気抵抗となるだけであったドジャー支持体をコスト負担の小さな比較的簡易な構造で、補助推進力を得る構造とすることができる。
上記の目的を達成するための本発明に係るドジャー支持構造の制御方法は、前記回転円筒体を回転させマグナス効果を利用した補助推進力を得る制御、又は前記回転円筒体の向きを風向角度調整のために回転させて変更することで前記吸気部を風下に向け、前記吸気部から空気を吸入して前記ドジャー支持体の空気抵抗を減少させる制御のいずれか一方の制御を選択して行なうことを特徴とする。
上記の目的を達成するための本願発明に係るドジャー支持体構造は、ドジャー支持体後部外周に設けられた中空状のフィンの左右両側面にフィン吸気部を設けたので、ドジャー支持体に吸気部を設けなくともよくなる。また、フィンの左右側面のフィン吸気部からそれぞれ単独で吸気を可能としたので、フィンの左右で明確に気流の圧力差を生じさせることができ、さらに大きな補助推進力を得ることができる。これにより、従来は空気抵抗となるだけであったドジャー支持体をコスト負担の小さな比較的簡易な構造で、補助推進力を得る構造とすることができる。
ドジャー支持体に吸気部を設けて、この吸気部からも外気を吸入すれば、さらに大きな補助推進力を得ることができる。
上記のドジャー支持体構造において、フィンのドジャー支持体における周方向位置またはフィンの突出方向の少なくともいずれか一方を変更可能としたので風向に応じて、吸気をしない側のドジャー支持体まわりの気流が滑らかに後に導かれるようにフィン位置、フィンの突出方向を変えることができる。これにより、吸気をしない側のドジャー支持体まわりの気流は加速されず、吸気する側の気流との流速差が大きくなり、結果としてより大きな補助推進力を得ることができる。
したがって、従来は空気抵抗となるだけであったドジャー支持体をコスト負担の小さな比較的簡易な構造で、補助推進力を得る構造とすることができる。
上記のドジャー支持体構造において、ドジャー支持体が受ける少なくとも風向または風力のいずれか一方をセンサで感知し、センサから送られる信号に応じて制御部が、吸気部の位置、吸気速度やフィンの位置・突出方向を制御し、最適な補助推進力を発生させる。したがって、様々な風向、風力条件において最大の補助推進力を得ることができ、従来は空気抵抗となるだけであったドジャー支持体をコスト負担の小さな比較的簡易な構造で、補助推進力を得る構造とすることができる。
以下、本発明によるドジャー支持体構造の第一の実施形態を説明する。
図12に示すように、タンカーなど平甲板船80の甲板81上には居住区70があり、居住区70から水平にドジャー60が左右に延び、このドジャー60をドジャー支持体1が支えている。このドジャー60は船80の接岸時に接岸離岸状況を監視するなどの目的で人間が往来するためなどに使用される。大型船ではこのドジャー60が長くなるため、ドジャー60を支えるドジャー支持体1が必要となる。
図1に第一の実施形態の構造概要を、図2に補助推進力発生の制御の概要を示す。回転円筒体20は外筒部21と内筒部22とこれらを連結する連結リブ23からなっている。そして、回転円筒体20はドジャー支持体1外周に取り付けられたラジアルベアリング2に内筒部22を嵌めこみ、ドジャー支持体1を中心軸とするように内挿し、回転自在に支持される。ラジアルベアリング2は内筒部22の頂部にも設置し、多点にて支持することも可能である。もちろん、内筒部22または内筒部22と連結リブ23の両方を省略した構造の回転円筒体20にすることもでき、ドジャー支持体1を内挿して回転自在に支持される構造ならばよい。
この回転円筒体20の下端には回転円筒体20とともに回転する大歯車25が設けられている。回転円筒体20の長さは、大きな補助推進力Fを得るには長い方が好ましいが、コストや周辺環境などによって適宜、決定する。
ドジャー支持体1の下部周辺の甲板81上には、回転円筒体20を回転させる回転駆動装置10が設置されており、この回転駆動装置10に取り付けられた駆動歯車11と大歯車25が噛み合って回転することで回転円筒体20が自在に回転する。回転駆動装置10は電動モータなどの一般的なものでよく、正逆回転できるものが好ましい。逆回転できない回転駆動装置10の場合は、大歯車25と駆動歯車11の間に中間ギヤを噛ませることなどにより、回転円筒体20の正逆回転を可能とする。
回転駆動伝達手段は歯車に限らず、ベルトやチェーンなどの他の手段でもよい。
ドジャー支持体の基盤4上にはスラストベアリング3が設置され、回転円筒体20の重量支持と共に円滑な回転が可能となっている。
回転円筒体20には、円周方向一定範囲の領域に回転円筒体20の外部と内部を連通する吸気孔24が多数設けられており、回転円筒体20とドジャー支持体1との間のすき間を通じて基盤4上の連通路8を経て、船80内部に外気を吸入する構造となっている。この外気吸入はドジャー支持体1の下方に設置された吸気装置となる吸入ポンプ5がおこなう。吸気孔24の数や位置は適宜、決定し、吸気孔24の代わりにまたは吸気孔24に加えて縦方向のスリットを設けてもよく、回転円筒体20の内部と外部を連通する吸気部として機能すればよい。船80内部に吸入された外気は船内の機関室、居室または貨物室の換気などに利用する。
そして、ドジャー支持体1の上端周辺には風向、風力を感知するセンサ6が取り付けられていて、このセンサ6からの信号eを受けて、補助推進力Fの発生を制御する制御部7が一体化して設けられている。もちろん、センサ6と制御部7は独立したものでもよい。また、センサ6は風向、風力のいずれか一方を感知するものでもよいが両方を感知するセンサ6のほうが細かい制御が可能となるので好ましい。
制御部7は、補助推進力Fの発生を制御するために回転駆動装置10、吸入ポンプ5の作動を制御する。即ち、センサ6の信号eに応じて回転駆動装置10の回転速度、回転方向や吸入ポンプ5の吸気速度を変化させる。また、回転円筒体20を回転させ吸気孔24の位置を変化させる。
つぎに、第一の実施形態の使用方法について説明する。
船80が航行中にドジャー支持体1は様々な向き、大きさの風Wを受ける。この風向、風力をセンサ6が感知して制御部7に信号eを送り、この信号eに応じて、制御部7はあらかじめプログラムされた指示に基づいて、回転駆動装置10や吸入ポンプ5を作動させる。
そして、回転駆動装置10を作動させて回転円筒体20を回転させることでマグナス効果により補助推進力Fを得たり、回転円筒体20を固定したままで吸入ポンプ5を作動させて吸気をし、回転円筒体20まわりの気流を変化させ、補助推進力Fを得るようにする。
船首方向から左舷側にマイナス、右舷側にプラスとして角度を定めると例えば、船首からマイナス30〜マイナス135°好ましくはマイナス45〜マイナス120°の風Wを受ける場合は回転円筒体20を時計回りに回転させることで、マグナス効果によって船首方向に近い、良好な補助推進力Fを得ることができる。そこで、この風向の場合は回転円筒体20を時計回りに回転させるように回転駆動装置10を制御する。図3(a)にはその一例を示している。
また、船首からプラス30〜プラス135°好ましくはプラス45〜プラス120°の風Wを受ける場合は回転円筒体20を反時計回りに回転させることで、マグナス効果によって船首方向に近い、良好な補助推進力Fを得ることができる。そこで、この風向の場合は回転円筒体20を反時計回りに回転させるように回転駆動装置10を制御する。図3(b)にはその一例を示している。
回転円筒体20のマグナス効果によって良好な補助推進力Fが得られない風向、例えば、船首からマイナス30〜プラス30°の風Wの場合は吸気による気流変化によりドジャー支持体1が受ける空気抵抗を減らす。空気抵抗を低減することは補助推進力Fを得たのと同様の効果といえる。
この空気抵抗低減の原理を図4で説明する。図4(a)は、ドジャー支持体1が船首方向からの風Wを受けている状態を示す。回転円筒体20周りの気流Aは左右対称で、回転円筒20後端周辺ではく離して、はく離領域Bが形成される。このはく離領域Bは圧力が相対的に低くなるためにドジャー支持体1の前後方向では前の圧力が大きくなり、圧力抵抗として後方向に抗力R1が生ずる。一方、図4(b)に示すように回転円筒体20の吸気孔24を風下にして、吸気をすると気流Aのはく離位置が後方にずれ、はく離領域Bが小さくなる。これにより、圧力抵抗としての抗力R2は吸気しない場合のR1よりも小さくなり、結果として吸気によりドジャー支持体1が受ける空気抵抗を低減することができる。
したがって、風向が船首からマイナス30〜プラス30°の場合は吸気孔24の位置を風下となるように回転円筒体20を回転させて固定し、吸入ポンプ5を作動して吸気をするように制御する。
また、最適な補助推進力Fが発生するように、風力に応じて回転円筒体20の回転速度、吸入ポンプ5の吸気速度を制御する。風力が小さい場合は、得られる補助推進力Fが小さいため、回転円筒体20を回転させず、また吸入ポンプ5で吸気をしないように制御して、エネルギーの損失を防ぐ。
第一の実施形態では、回転円筒体20に吸気孔24、そして吸気をするための吸入ポンプ5を設けたが、これらを設けず回転円筒体20の回転のみによるマグナス効果によってのみ補助推進力Fを得るようにしてもよい。
また、センサ6と制御部7を省略して人間が直接、回転駆動装置10や吸入ポンプ5を制御するようにしてもよい。
つぎに第二の実施形態について説明する。図5はこの実施形態の構造概要が示されており、円筒状のドジャー支持体1の後部には三角柱状のフィン30が縦に取り付けられている。ドジャー支持体1は円筒状に限られず、横断面を楕円形、翼状形などにした筒状体でよい。
フィン30の形状は三角柱状に限られず、ドジャー支持体1の横断面形状に応じてドジャー支持体1まわりの気流が滑らかになるような形状とするのが好ましい。また、フィン30の大きさ、長さ、取り付け位置なども気流Aが滑らかになるように適宜、決定する。フィン30は縦に一つ取り付けるだけでなく、たとえば、ドジャー支持体1の上部、中間部、下部に三分割して取り付けることもでき、適宜決定することができる。
ドジャー支持体1の前後方向中間部から後部の領域には、フィン30をはさんで左右に、ドジャー支持体1の内部と外部とを連通する吸気孔24が多数設けられている。この吸気孔24からドジャー支持体1内部を経て、船80内部に外気を吸入する構造となっている。この外気吸入はドジャー支持体1の下方に設置された吸入ポンプ5がおこなう。吸気孔24の数や位置は適宜、決定し、吸気孔24の代わりにまたは吸気孔24に加えて縦方向のスリットを設けてもよく、ドジャー支持体1の内部と外部を連通する吸気部として機能すればよい。
ドジャー支持体1の内部構造は図6に示すように、ドジャー支持体1内部を左右に分割する隔壁42が設けられ、隔壁42の下端には船80内部に外気を吸入することを妨げる封鎖弁40が設けられている。この実施形態ではドジャー支持体1内部横断面形状を二等分割にした蓋部41を軸回転させて封鎖弁40としており、フィン30をはさんでドジャー支持体1の左右に設けられている吸気孔24からそれぞれ左右単独で吸気ができるようになっている。もちろん、フィン30をはさんで左右に設けられている吸気孔24からそれぞれ単独に吸気できる構造ならば、この構造に限られない。
つぎに、第二の実施形態の使用方法について説明する。
ドジャー支持体1は様々な向き、大きさの風を受けるが、たとえば、図7(a)のように右斜め前方からの風Wを受ける場合、ドジャー支持体1は風Wと同じ向きの抗力Rを受ける。ところが、図7(b)に示すようにフィン30に隔てられたドジャー支持体1の左側の吸気孔24のみから吸気をすると左側の気流Aの速度が増す一方で、吸気をしない右側の気流Aの速度の変化はなく、結果として左側の圧力が小さくなり、左前方への補助推進力Fが発生する。ドジャー支持体1左側の吸気孔24からのみ吸気をするには、ドジャー支持体1内部の蓋部41を回転させて右側の内部を封鎖し、吸入ポンプ5を作動させればよい。この内部構造によれば、容易にかつ確実に片側の吸気孔24のみから吸気がおこなえる。
同様に、左斜め前方からの風Wに対しては右側の吸気孔24のみから吸気をすると右前方への補助推進力Fが発生する。
風力が小さい場合は、得られる補助推進力Fが小さいため、吸入ポンプ5での吸気をやめて、エネルギーの損失を防ぐ。
この実施形態においても第一の実施形態と同様に、風向、風力を感知するセンサと、センサからの信号を受けて補助推進力Fの発生を制御する制御部を用いることができる。この場合は、封鎖弁40、吸入ポンプ5の作動を制御部が制御することとなる。
また、フィン30をドジャー支持体1の周方向に移動可能にすることもできる。たとえば、右斜め前方からの風Wを受ける場合、フィン30を右側(図7(c)では反時計まわり)に移動させる。これにより、ドジャー支持体1の右側の気流Aはフィン30によって、後方に滑らかに導かれて、加速されず、ドジャー支持体1の左側の気流Aとの流速差がより大きくなり、結果的により大きな左前方への補助推進力Fを得ることができる。
フィン30の先端を左右に可動すること、即ち、フィン30の突出方向を変えることによっても同様の効果を得ることができる。
つぎに、第三の実施形態について説明する。図8はこの実施形態の構造の概要が示されており、円筒状のドジャー支持体1の後部に既述した実施形態と異なり、中空の三角柱状のフィン30が縦に取り付けられている。ドジャー支持体1は円筒状に限られず、横断面を、楕円形、翼状形などにした筒状体でよい。また、ドジャー支持体1の内部を中実としてもよい。
フィン30の形状は三角柱状に限られず、ドジャー支持体1の横断面形状に応じてドジャー支持体1回りの気流が滑らかになるような形状とするのが好ましい。また、フィン30の大きさ、長さ、取り付け位置なども気流が滑らかになるように適宜、決定する。フィン30は縦に一つ取り付けるだけでなく、たとえば、ドジャー支持体1の上部、中間部、下部に三分割して取り付けることもでき、適宜決定することができる。
フィン30の左右側面にはフィン30内部と外部とを連通するフィン吸気孔31が多数設けられている。このフィン吸気孔31からフィン30内部を経て、船80内部に外気を吸入する構造となっている。この外気吸入はフィン30の下方に設置された吸入ポンプ5がおこなう。フィン吸気孔31の数や位置は適宜、決定し、フィン吸気孔31の代わりにまたはフィン吸気孔31に加えて縦方向のスリットを設けてもよく、フィン30の内部と外部を連通する吸気部として機能すればよい。
また、ドジャー支持体1内部とフィン30内部を連通する空気連通部を設けて、フィン吸気孔31から吸気した空気をこの空気連通部を介して、ドジャー支持体1内部に導き、船80内部に外気を吸入するようにしてもよい。
フィン30の内部構造は図9に示すように、フィン30の左右側面設けられた一方のフィン吸気孔31を封鎖することのできる吸気方向変更弁33が備わっている。この実施形態ではフィン30の一方側面のフィン吸気孔31を内部から塞ぐように突出した蓋部32を軸回転させて両側面のフィン吸気孔31を封鎖できる弁としている。即ち、蓋部32を軸回転させることで、希望する側面のみから吸気ができる吸気方向変更弁33となっている。もちろん、フィン30の左右側面に設けられているフィン吸気孔31からそれぞれ単独に吸気できるのならば他の構造でもよい。
つぎに、第三の実施形態の使用方法について説明する。
第二の実施形態と同様であるが、たとえば、図10のように右斜め前方からの風Wを受ける場合、フィン30の左側面のフィン吸気孔31のみから吸気をするとドジャー支持体1まわり左側の気流Aの速度が増す一方で、吸気をしない右側の気流Aの速度変化はなく、結果として左側の圧力が小さくなり、左前方への補助推進力Fが発生する。フィン30の左側面のフィン吸気孔31からのみ吸気をするには、フィン30内部の蓋部32を回転させて右側面の吸気孔31を封鎖し、吸入ポンプ5を作動させればよい。この吸気構造によれば、容易にかつ確実に片側のフィン吸気孔31のみから吸気ができる。
同様に、左斜め前方からの風Wに対してはフィン30右側面のフィン吸気孔31のみから吸気をすると右前方への補助推進力Fが発生する。
風力が小さい場合は、得られる補助推進力Fが小さいため、吸入ポンプ5での吸気をやめて、エネルギーの損失を防ぐ。
この実施形態においても第一の実施形態と同様に、風向、風力を感知するセンサと、センサからの信号を受けて補助推進力Fの発生を制御する制御部を用いることができる。この場合は、吸気方向変更弁33、吸入ポンプ5の作動を制御部が制御することとなる。
また、第二の実施形態と同様だが、フィン30をドジャー支持体1の周方向に移動可能にし、もしくはフィン30突出方向を変更可能とすれば、より大きな補助推進力Fを得ることができる。
ドジャー支持体を有するタンカーなどの平甲板型の大型船舶には、本発明に係るドジャー支持体構造は、特に好適である。
第一の実施形態の構造概要を示す分解斜視図である。 第一の実施形態の補助推進力発生の制御概要を示す説明図である。 第一の実施形態のマグナス効果による補助推進力の発生方向を示す説明図である。 第一の実施形態の吸気による補助推進力の発生方向、即ち抵抗減少を示す説明図である。 第二の実施形態の構造概要を示す斜視図である。 第二の実施形態のドジャー支持体内部構造の一部を示す斜視透視図である。 第二の実施形態の補助推進力の発生方向を示す説明図である。 第三の実施形態の構造概要を示す斜視図である。 第三の実施形態のフィンの内部構造を示す断面説明図である。 第三の実施形態の補助推進力の発生方向を示す説明図である。 マグナス効果による補助推進力発生原理の説明図である。 船(タンカー)の外部構造を示す正面図である。
符号の説明
1 ドジャー支持体 2 ラジアルベアリング 3 スラストベアリング
4 基盤 5 吸入ポンプ(吸気装置) 6 センサ 7 制御部
8 連通部 10 回転駆動装置 11 駆動歯車
20 回転円筒体 21 外筒部 22 内筒部 23 連結リブ
24 吸気孔(吸気部) 25 大歯車
30 フィン 31 フィン吸気孔
32 蓋部 33 吸入方向変更弁
40 封鎖弁 41 蓋部 42 隔壁
60 ドジャー 70 居住区
80 船(タンカー) 81 甲板

Claims (5)

  1. 甲板上に設けられた居住区から左右両方向に水平に伸びたドジャーを支えるドジャー支持体を有する船舶において補助推進力を発生させるドジャー支持体構造であって、
    前記甲板上に立設される円柱状又は筒状のドジャー支持体と、
    該ドジャー支持体を内挿し、回転自在に支持される回転円筒体と、
    該回転円筒体を回転させる回転駆動装置と、
    該回転円筒体の前後方向中間部から後方の領域に設けられた、該回転円筒体の内部と外部とを連通する吸気部と、
    該吸気部から外部の空気を船舶内部に吸入する吸気装置と、を設けたことを特徴とするドジャー支持体構造。
  2. 請求項1に記載のドジャー支持体構造の制御方法であって、前記回転円筒体を回転させマグナス効果を利用した補助推進力を得る制御、又は前記回転円筒体の向きを風向角度調整のために回転させて変更することで前記吸気部を風下に向け、前記吸気部から空気を吸入して前記ドジャー支持体の空気抵抗を減少させる制御のいずれか一方の制御を選択して行なうことを特徴とするドジャー支持体構造の制御方法。
  3. 甲板上に設けられた居住区から左右両方向に水平に伸びたドジャーを支えるドジャー支持体を有する船舶において補助推進力を発生させるドジャー支持体構造であって、
    前記甲板上に立設される筒状のドジャー支持体と、
    該ドジャー支持体の後部外周に設けられた中空状のフィンと、
    該フィンの左右両側面に設けられた該フィンの内部と外部とを連通するフィン吸気部と、
    該フィン吸気部から外部の空気を吸入する吸気装置と、からなり、
    前記左右両側面に設けられたフィン吸気部から左右それぞれ単独で吸気ができるドジャー支持体構造。
  4. フィンのドジャー支持体における周方向位置またはフィンの突出方向の少なくともいずれか一方を変更可能とした請求項3に記載のドジャー支持体構造。
  5. さらに、ドジャー支持体が受ける風力または風向きの少なくともいずれか一方を感知す
    るセンサと、該センサからの信号を受けて補助推進力発生の制御を行う制御部と、を備えた請求項3又は4に記載のドジャー支持体構造。
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