JP4243604B2 - 電動コンプレッサの駆動装置 - Google Patents

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本発明は、電動コンプレッサの駆動装置であって、特に、吸入口と吐出口との間に差圧のある状態で電動コンプレッサの駆動を可能とする電気自動車またはハイブリッド電気自動車に好適に利用される電動コンプレッサの駆動装置に関するものである。
従来のガソリンエンジン自動車におけるエアコンにおいては、エンジンとコンプレッサの圧縮部分とがベルトで機械的に連結されており、エンジンの駆動によりコンプレッサの圧縮部分が駆動される。したがって、エアコンのスイッチをONすると同時にエンジンの駆動力がベルトによりコンプレッサに伝えられ、コンプレッサを駆動することができる。
このようなエアコン等に用いられるコンプレッサは、運転状態から停止状態になった直後では、コンプレッサの吸入口と吐出口とに圧力差(以下、「差圧」という。)が生じる。この差圧のある状態でコンプレッサを再起動するためには、差圧のない時よりもより大きなトルクが必要となる。ところが、ガソリンエンジン車のエアコンの場合は、前述のようにエンジンの駆動力によりコンプレッサを駆動するため、差圧があるときでも問題なく起動できる。
しかし、電気自動車のエアコンは、バッテリからの直流電圧でコンプレッサを駆動するため、差圧が有るときの起動(以下、「差圧起動」という。)には問題がある。具体的に説明すると、前述のように差圧起動時には、通常の起動時よりも大きなトルクを必要とし、大きなトルクを得るためには大きな起動電圧を必要とする。ところが、起動電圧を大きくすると過電流保護回路が作動し、電動コンプレッサへの起動電圧の供給を停止する。この過電流保護回路は、電動コンプレッサ等に電流が流れ過ぎないように最大電流を制限するために一般的に設けられているもので、電流閾値により最大電流を制限する。そこで、大きな起動電圧が印加できるように過電流保護回路の電流閾値の設定を大きくすることも考えられるが、そうすると、過大電流により、駆動装置内に用いられた半導体素子の破壊や、電動コンプレッサに内蔵されたモータの永久磁石の減磁を生じ、電動コンプレッサの効率の悪化や破損を招くという問題がある。加えて、自動車の場合、自動車のキースイッチのオフのたびに電動コンプレッサが停止させられるので、差圧起動の頻度が多く、上記問題がより深刻なものとなっている。
他方、電動コンプレッサが用いられるルームエアコンの場合は、空調空間が比較的広範囲であるため、差圧がなくなるまで2〜3分経過しても温度変化が少なく、差圧がなくなってから電動コンプレッサを起動しても、使用者はそれほど不快感を感じない。また、ルームエアコンの場合、一旦コンプレッサを作動させると、外部から強制的に停止させられることは殆どなく、このため差圧起動の頻度も少なくなる。したがって、ルームエアコンにおいては、このような差圧起動については、考慮する必要がない。
しかし、電気自動車用エアコンの場合、電源のオン/オフも頻繁に行われ、また、空調空間が狭く、ルームエアコンのように差圧がなくなるまで起動を待っては、使用者は不快感を感じる。このため、差圧があっても電動コンプレッサを駆動して空調可能な電気自動車用エアコンが要望されている。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、差圧がある状態でも電動コンプレッサの起動を可能とする電動コンプレッサの駆動装置を提供することにある。
本発明に係る電動コンプレッサの駆動装置は、吸入した冷媒をセンサレス方式ブラシレスモータにより圧縮して吐出する電動コンプレッサと、直流電圧を出力する直流電圧発生手段と、前記センサレス方式ブラシレスモータ内に回転磁界を形成するために、前記直流電圧電源から出力される電圧を矩形パルス列状の疑似交流電圧に変換し前記センサレス方式ブラシレスモータに出力する直流交流変換手段と、設定された電流閾値よりも大きな電流が前記センサレス方式ブラシレスモータに流れるのを防止する過電流保護手段とを備え、前記センサレス方式ブラシレスモータが起動されてから定常状態になるまでの運転センサレス方式ブラシレスモードである起動モードと、定常状態の運転モードである定常モードとを有する電動コンプレッサの駆動装置において、起動時に、前記電動コンプレッサの吸入と吐出の圧力の差である差圧を検出する差圧検出手段と、前記電流閾値の設定を変更する時間である差圧起動時間を設定するタイマ手段と、前記差圧が検出された場合において、前記差圧起動時間の間、前記過電流保護回路の前記電流閾値を、前記差圧が検出されない場合より高く、かつ前記センサレス方式ブラシレスモータにおける永久磁石の減磁限界以下に設定する閾値変更手段と、前記差圧が検出された場合に、前記起動モード時間の間、前記センサレス方式ブラシレスモータに印加する前記疑似交流電圧の電圧値が、前記差圧が検出されない場合よりも大きくなるように、前記疑似交流電圧の前記パルスのデューティ比を制御する起動デューティ比制御手段とを設け、前記タイマ手段は、前記差圧起動時間を前記起動モード時間以上に設定する。
本発明に係る電動コンプレッサの駆動装置は、起動時において、電動コンプレッサの吸入口での圧力と吐出口での圧力との圧力差である差圧を差圧検出手段により検出し、差圧がある時に、所定の差圧起動時間の間、過電流保護手段の電流閾値を、差圧がない時よりも高く設定する。この時、起動デューティ比制御手段により、電動コンプレッサに内蔵されたセンサレス方式ブラシレスモータに印加する交流電圧の値が大きくなるように、直流交流変換手段から出力される交流電圧の矩形パルスのデューティ比を制御する。そして、前記タイマ手段は、前記差圧起動時間を少なくとも前記起動モード時間以上に設定するもので、起動モードの間、またはそれに加えて、電動コンプレッサの動作が不安定で流れる電流値が大きい起動モードから定常モードへ移行した直後までも、電流閾値は高い値に設定される。
好ましくは、前記電動コンプレッサの駆動装置において、前記差圧起動時間は、前記差圧に応じて段階的または直線的に増加し、起動時の差圧が大きいほど、過電流保護手段の電流閾値がより長時間にわたり高い値に設定される。
好ましくは、前記電動コンプレッサの駆動装置において、前記電流閾値は、前記差圧に応じて段階的または線形的に増加し、起動時の差圧が大きいほど電流閾値を高く設定する。
好ましくは、前記電動コンプレッサの駆動装置において、前記起動デューティ比制御手段は、前記交流電圧の電圧値が前記差圧に応じて段階的または線形的に増加するように前記デューティ比の大きさを制御し、起動時の差圧が大きいほど、高い起動電圧を電動コンプレッサ内のモータに印加する。
前記電動コンプレッサの駆動装置において、差圧とモータ温度との間に一定の相関関係があることから、前記差圧検出手段には、前記電動コンプレッサの温度を検出する温度センサを利用することができる。
前記電動コンプレッサの駆動装置において、外気温度による補正を行うために、前記差圧検出手段に、前記電動コンプレッサの温度を検出する温度センサに加えさらに外気温度を検出する温度センサを設けてもよい。
本発明の電動コンプレッサの駆動装置によれば、起動時において、電動コンプレッサの差圧を検出し、差圧があるときには、過電流保護手段の電流閾値を高く設定し、電動コンプレッサに通常よりも高い起動電圧を印加する。これにより、起動時に高いモータのトルクが得られ、差圧がある場合においても、電動コンプレッサの起動を可能とする。
好ましい構成の本発明の電動コンプレッサの駆動装置によれば、差圧起動時間を、起動時の差圧の大きさに応じて増加させるため、差圧が大きい程、長い時間、電流閾値を高い値に設定できる。
好ましい構成の本発明の電動コンプレッサの駆動装置によれば、電流閾値を、起動時の差圧の大きさに応じて増加させるため、差圧が大きい程、高い値に電流閾値を設定できる。したがって、起動時の差圧が大きいほど高い電流を電動コンプレッサおよび電動コンプレッサの駆動装置に流せるため、電動コンプレッサに対して印加する交流電圧の値を高くすることができる。
好ましい構成の本発明の電動コンプレッサの駆動装置によれば、デューティ比制御手段は、起動時の差圧の大きさに応じて、電動コンプレッサに印加される交流電圧の値が高くなるようにデューティ比を制御するため、起動時の差圧が大きい程、電動コンプレッサに高い電圧が印加され、高いモータの出力を得ることができる。
好ましい構成の本発明の電動コンプレッサの駆動装置によれば、差圧起動時間を起動モード時間に設定するため、定常モード時に電流閾値を誤って高く設定することがない。
好ましい構成の本発明の電動コンプレッサの駆動装置によれば、差圧起動時間を起動モード終了後所定時間経過した時間に設定するため、起動モード終了後も所定時間の間、電流閾値を高い値に変更されるため、定常状態になった直後の不安定な時期においても、安定して電動コンプレッサの運転が行える。
好ましい構成の本発明の電動コンプレッサの駆動装置によれば、差圧検出手段は、電動コンプレッサの温度を検出する温度センサにより構成されるため、簡単な構成でかつ安価に実現できる。
好ましい構成の本発明の電動コンプレッサの駆動装置によれば、上記差圧検出手段において、電動コンプレッサの温度を検出する温度センサに加え外気温度を検出する温度センサを設けることにより、外気温度に応じた補正が可能となり、検出精度が向上する。
以下、添付図面を参照して本発明に係る電動コンプレッサの駆動装置の実施形態を説明する。図1は電気自動車のエアコンに好適に利用される電動コンプレッサの駆動装置を示す。この図において、電動コンプレッサ10は冷媒圧縮室11を備えており、そこには冷媒を圧縮するために動作部材(例えばピストン)12が収容されている。また、圧縮室11には冷媒吸入口16と冷媒吐出口17が接続されており、これらが冷媒循環回路の一部を構成している。コンプレッサ10の駆動源であるセンサレス型ブラシレスモータ(以下「モータ」という。)13は、ヨークにコイルを巻回した固定子14と、永久磁石を有する回転子15とを有し、回転子15が動作部材12に駆動連結されており、モータ13の駆動により動作部材12を駆動し、吸入口16から吸入された冷媒を圧縮室11で圧縮して吐出口17から排出するようになっている。
モータ13はスイッチ1、直流交流変換回路(以下「インバータ」という。)5、過電流保護回路7を介して直流電源であるバッテリ3に接続されており、スイッチ1をオンすることによりインバータ5を介して動作電圧が印加されるようになっている。インバータ5は複数のスイッチング用トランジスタ18を備えており、これらをオン/オフすることによりバッテリ3から出力された直流電圧を矩形パルス列状の三相疑似交流電圧に変換してモータ13に供給し、コンプレッサ10を駆動する。この交流電圧値は、その電圧波形を表した図2(a)、(b)から明らかなように、各パルスのデューティ比(t/T)を調節することにより制御可能で、例えばデューティ比を大きくすると交流電圧が増加し、高い起動電圧がモータ13に印加される。尚、図2の電圧波形は、モータ13の中性点からみたU、V、Wの各相電圧を示す。
一方、モータ13に流れる電流は過電流保護回路7で制限される。この過電流保護回路7では、図3に示すように、電源線Vddと基準電位を与えるグランド線GNDとの間に2つの抵抗33、34が直列に接続され、一方の抵抗33と並列にPNPトランジスタ31と抵抗35が接続されており、後述する起動条件設定部9のNANDゲート29からトランジスタ31に出力される信号に応じて、比較器39の基準入力端子(+)には異なる2種類の基準電圧が選択的に入力されるようになっている。過電流保護回路7はまた、インバータ5に流れる電流を検出する電流センサ37を備えており、その検出電流値に対応した比較電圧が比較器39の比較入力端子(−)に入力されるようになっており、比較器39は入力された基準電圧と比較電圧とを比較し、その比較結果をインバータ5に出力する。具体的に、本駆動装置では、比較器39の基準入力端子に入力される2つの異なる基準電圧が、インバータ5に流れる電流の制限値である2つの電流閾値ITH−L,ITH−Hに関連付けられており、起動条件設定部9からトランジスタ31に出力される信号に応じていずれかの電流閾値ITH−L又はITH−Hが設定される。そして、電流センサ37で検出された電流値が比較器39において電流閾値ITH−L又はITH−Hと比較され、検出電流値が電流閾値よりも小さい場合にはインバータ5の各トランジスタ18がオン/オフ可能に保たれ、逆に検出電流値が電流閾値よりも大きい場合にはインバータ5のトランジスタ18がオフ状態を維持するように(すなわちオン不能に)設定される。
図1に戻り、起動条件設定部9はコンプレッサ10を起動するときの条件を設定するものである。起動条件設定部9を説明する前に、コンプレッサ10の運転モードについて簡単に言及する。一般的に、センサレス方式ブラシレスモータを搭載した電動コンプレッサの場合、起動してから定常状態になるまでは、固定子に対する回転子の位置を考慮することなく起動電圧が制御される。この運転モードを「起動モード」という。その後、モータの回転が安定して定常状態になると、コイルに誘起される電圧から固定子に対するモータの位置を検出し、その位置に応じてモータの駆動電圧をフィードバック制御する。以下、この運転モードを「定常モード」という。起動モードから定常モードへの切り替えは、時間に基づいて行われ、起動開始から所定時間経過した時点で自動的に起動モードから定常モードに切り替わるようにしてある。以下、この所定時間を「起動モード時間」という。そして、起動条件設定部9は、起動モードにおける過電流保護回路7の電流閾値およびモータ13に印加するパルスのデューティ比の設定等を行う。
これらの制御を行うために、起動条件設定部9は、コンプレッサ10の吸入口16と吐出口17における圧力差(差圧)の検出手段27と、閾値変更部21と、起動デューティ比制御部23とタイマ25からなる起動電圧制御部20と、NANDゲート29を備えている。
上記差圧検出手段として、本実施形態では温度センサ27を用いている。その理由は、コンプレッサ10を停止してもその温度は急激に下がらず時間と共に漸次低下する傾向を示し、温度と差圧との間にはほぼ一定の関係があることから、コンプレッサ10の温度を測定することで差圧をおおよそ推定できるからである。具体的に、本実施形態では、コンプレッサ10の温度が40℃未満ならば差圧無し、40℃以上ならば差圧有りと判断している。
起動デューティ比制御部23は、図4に示すように、差圧が無い場合(コンプレッサ10の温度が40℃未満)の通常起動用デューティ比制御モードM1と、差圧が有る場合(コンプレッサ10の温度が40℃以上)の差圧起動用デューティ比制御モードM2とを有し、温度センサ27からの出力により差圧が無いと判断された場合は前者の通常起動用デューティ比制御モードM1にしたがってデューティ比が経時的に制御され、逆に差圧が有ると判断された場合は後者の差圧起動用デューティ比制御モードM2にしたがってデューティ比が経時的に制御される。また、差圧起動用デューティ比制御モードM2の各時点におけるデューティ比は通常起動用デューティ比率制御モードM1よりも大きくしてあり、差圧起動時は通常起動時よりも大きな電圧がモータ13に印加されるようにしてある。
タイマ25は、起動時に差圧がある場合に、電流閾値を高い値ITH−Hに設定する時間である差圧起動時間を設定する。本実施形態では、図5(b)に示すように、差圧起動時間を、起動モード終了後所定時間経過した時間t2に設定している。
閾値変更部21は、温度センサ27からの出力により差圧が無いと判断された場合と差圧が有ると判断された場合で異なる閾値設定信号を作成し、これを出力する。
NANDゲート29は、タイマ25からの出力と閾値変更部21からの出力とをNAND演算し、その演算結果を過電流保護回路7に出力する。具体的に、図6に示すように、コンプレッサ10に差圧が無いと判断された場合(コンプレッサ10の温度が40℃未満の場合)、過電流保護回路7の電流閾値ITH−Lは30アンペアに設定される。一方、コンプレッサ10に差圧が有ると判断された場合(コンプレッサ10の温度が40℃以上の場合)、過電流保護回路7の電流閾値ITH−Hは40アンペアに設定される。なお、これらの電流閾値ITH−L,ITH−Hは磁石の減磁限界以下に設定されている。また、図6に示す減磁限界の特性はフェライト系の磁石における一例を示したものである。
以上のように構成した電動コンプレッサ駆動装置の起動制御を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。本制御は電動コンプレッサ駆動装置のスタートスイッチ1をオンすることにより開始される。スイッチ1がオンされると起動制御がスタートし、温度センサ27の出力を検出し(S1)、次にその出力から差圧の有無を判断する(S2)。差圧が無い場合、閾値変更部21は過電流保護回路7の電流閾値をITH−Lに設定すべく第1の閾値設定信号を出力する。これにより、過電流保護回路7における電流閾値がITH−L(30アンペア)に設定される(S3)。次に、起動デューティ比制御部23は通常起動用デューティ比制御モードM1(図4参照)を設定し(S4)、起動モード時間の間、このモードM1にしたがってモータ13に印加する電圧を経時的に変化させる。そして、起動モード時間が終了すると、プログラムは定常モードに入り、この定常モードのデューティ比制御が行われる(S13)。
起動時に差圧がある場合、差圧起動時間t2が設定される(S6)。次に、閾値変更部21は過電流保護回路7の電流閾値をITH−Hに設定すべく第2の閾値設定信号を出力する。これにより、差圧起動時間t2の間、過電流保護回路7における電流閾値がITH−H(40アンペア)に設定される(S7)。この電流閾値ITH−Hは通常起動時に設定される電流閾値ITH−L(30アンペア)よりも大きく(図8参照)、通常起動時よりも大きい電流がモータ13に流れるのが許可される。ただし、電流閾値ITH−Hは磁石の減磁限界よりも低く設定されているので、磁石が減磁して可逆性が失われることはない。続いて、起動デューティ比制御部23は差圧起動用デューティ比制御モードM2(図4参照)を設定し(S8)、起動モード時間の間、この制御モードにしたがってモータ13に印加する電圧を制御する。この差圧起動用デューティ比制御モードM2は、図4に示すように、通常起動用デューティ比制御モードよりも、各時間におけるデューティ比が大きくしてある。したがって、差圧起動時には通常起動時よりも大きな電圧がモータに印加される。そのため、差圧があってもモータ13が回転して冷媒を圧縮し、エアコンが作動する。起動モード時間が終了すると(S9)、起動デューティ比制御部23は差圧起動用デューティ比制御モードM2から定常モードのデューティ比制御に移る(S10)。その後、差圧起動時間t2が終了すると(S11)、閾値変更部21は第2の閾値設定信号をオフして過電流保護回路7の電流閾値を定常モードの電流閾値に設定され(S12)、定常モードでのデューティ比制御が行われる(S13)。
このように、起動時に差圧がある場合には、過電流保護回路7の電流閾値が所定時間高く設定され、その間は高い起動電圧を印加してコンプレッサ10を駆動し、エアコンを作動させることができる。図9はバッテリ出力電圧とコンプレッサ起動可能差圧との関係を示し、本発明の差圧起動によれば従来の起動制御よりもより低い入力電圧でより高い差圧がある場合でもコンプレッサを起動できることが理解できる。また、電流閾値はモータにおける永久磁石の減磁限界以下に設定されるので、永久磁石の可逆性が失われることはない。
なお、上記説明では、図5(b)に示すように、差圧起動時間を起動モード終了後所定時間経過した時間に設定したが、その理由は、起動モードから定常モードに移行した直後はコンプレッサ10の動作が不安定で、それによりモータ13に過電流が流れる恐れがあるからである。この差圧起動時間は、差圧に応じて段階的または直線的に増加し、起動時の差圧が大きいほど、過電流保護手段の電流閾値がより長時間にわたり高い値に設定されるようにしてもよい。
また、上記説明では、差圧が有る場合と無い場合とで過電流保護回路の電流閾値を異なる値に設定するものとしたが、差圧がある場合に、差圧の程度に応じて電流閾値を段階的に又は線形的に変化させるようにしてもよい。
同様に、起動時のデューティ比制御モードも差圧の関数として定義し、差圧に応じて段階的又は線形的にデューティ比制御モードを変化させるようにしてもよい。
さらに、上記説明では差圧をコンプレッサの温度のみから推定したが、外気温度が変化する場合は外気温度に応じて検出値を補正することにより、より高精度の検出が行える。このため、図1に示すように差圧検出手段において、コンプレッサの温度を検出する温度センサ27に加えて外気温度を検出する温度センサ28をコンプレッサの外部に設けてもよい。さらには、コンプレッサの吸入口と吐出口に圧力検出装置を設けて実際の差圧を検出し、その検出結果に基づいて電流閾値、デューティ比、差圧起動時間を変化させるようにしてもよい。
本発明の電動コンプレッサの駆動装置のブロック図。 インバータの出力である疑似交流電圧の波形を示す図。 過電流保護回路の回路図。 電動コンプレッサに印加される疑似交流電圧を構成する矩形パルスのデューティ比の起動時からの時間変化を示す図。 タイマの出力を示す図。 電動コンプレッサの温度と、過電流保護回路の電流閾値および電動コンプレッサの回転子の永久磁石の減磁限界との関係を示す図。 電動コンプレッサの駆動装置の動作を示すフローチャート。 起動電流のピーク値と起動してからの経過時間との関係を示す図。 入力電圧と起動可能差圧との関係を示す図。
符号の説明
1…スイッチ、3…バッテリ、5…インバータ(直流交流変換回路)、7…過電流保護回路、9…起動条件設定部、10…電動コンプレッサ、11…冷媒圧縮室、12…動作部材、13…DCブラシレスモータ、14…固定子、15…回転子、16…冷媒吸入口、17…冷媒吐出口、18…スイッチング用トランジスタ、20…起動電圧制御部、21…閾値変更部、23…起動デューティ比制御部、25…タイマ、27…温度センサ(モータ温度検出用)、28…温度センサ(外気温度検出用)、29…NANDゲート、31…PNPトランジスタ、33〜35…抵抗、37…電流センサ、39…比較器。

Claims (6)

  1. 吸入した冷媒をセンサレス方式ブラシレスモータにより圧縮して吐出する電動コンプレッサと、直流電圧を出力する直流電圧発生手段と、前記センサレス方式ブラシレスモータ内に回転磁界を形成するために、前記直流電圧電源から出力される電圧を矩形パルス列状の疑似交流電圧に変換し前記センサレス方式ブラシレスモータに出力する直流交流変換手段と、設定された電流閾値よりも大きな電流が前記センサレス方式ブラシレスモータに流れるのを防止する過電流保護手段とを備え、前記センサレス方式ブラシレスモータが起動されてから定常状態になるまでの前記センサレス方式ブラシレスモータの回転子の位置を考慮しない運転モードである起動モードと、定常状態の運転モードである定常モードとを有する電動コンプレッサの駆動装置において、
    起動時に、前記電動コンプレッサの吸入と吐出の圧力の差である差圧を検出する差圧検出手段と、
    前記電流閾値の設定を変更する時間である差圧起動時間を設定するタイマ手段と、
    前記差圧が検出された場合において、前記差圧起動時間の間、前記過電流保護回路の前記電流閾値を、前記差圧が検出されない場合より高く、かつ前記センサレス方式ブラシレスモータにおける永久磁石の減磁限界以下に設定する閾値変更手段と、
    前記差圧が検出された場合に、前記起動モード時間の間、前記センサレス方式ブラシレスモータに印加する前記疑似交流電圧の値が、前記差圧が検出されない場合よりも大きくなるように、前記疑似交流電圧の前記パルスのデューティ比を制御する起動デューティ比制御手段とを設け、
    前記タイマ手段は、前記差圧起動時間を前記起動モード時間以上に設定することを特徴とする電動コンプレッサの駆動装置。
  2. 請求項1に記載の電動コンプレッサの駆動装置において、前記差圧起動時間は、前記差圧に応じて段階的または直線的に増加することを特徴とする電動コンプレッサの駆動装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電動コンプレッサの駆動装置において、前記電流閾値は、前記差圧に応じて段階的または線形的に変化させることを特徴とする電動コンプレッサの駆動装置。
  4. 請求項1から3のうちいずれかに記載の電動コンプレッサの駆動装置において、前記起動デューティ比制御手段は、前記交流電圧の値が前記差圧に応じて段階的または線形的に変化させるように前記デューティ比の大きさを制御することを特徴とする電動コンプレッサの駆動装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の電動コンプレッサの駆動装置において、前記差圧検出手段は、前記電動コンプレッサの温度を検出する温度センサを備えることを特徴とする電動コンプレッサの駆動装置。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の電動コンプレッサの駆動装置において、前記差圧検出手段は、前記電動コンプレッサの温度を検出する温度センサと、外気温度を検出する温度センサとを備えることを特徴とする電動コンプレッサの駆動装置。
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