JP4242317B2 - ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターンの形成方法に関する。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。微細化の手法としては一般に露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザ(248nm)が導入され、さらに、ArFエキシマレーザ(193nm)が導入され始めている。
微細な寸法のパターンを再現可能な高解像性の条件を満たすレジスト材料の1つとして、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤を有機溶剤に溶解した化学増幅型レジスト組成物が知られている。
KrFエキシマレーザを用いて露光する方法に好適なレジスト材料として提案されている化学増幅型ポジ型レジスト組成物は、一般に、ベース樹脂として、ポリヒドロキシスチレン系樹脂の水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護したものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、その酸解離性溶解抑制基としては、1−エトキシエチル基に代表される鎖状エーテル基又はテトラヒドロピラニル基に代表される環状エーテル基等のいわゆるアセタール基、tert−ブチル基に代表される第3級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基に代表される第3級アルコキシカルボニル基等が主に用いられている。
一方、レジスト材料の面からの超微細化対応策に加え、パターン形成方法の面からも、レジスト材料のもつ解像度の限界を超える技術の研究・開発が行われている。
そのような微細化技術の1つとして、最近、通常のリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成した後、該レジストパターンに熱処理を行い、パターンサイズを微細化するサーマルフロープロセスが提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
サーマルフローは、ホトリソグラフィー技術により一旦レジストパターンを形成した後、レジストを加熱し、軟化させ、パターンの隙間方向にフローさせることにより、レジストパターンのパターンサイズ、つまり、レジストが形成されていない部分のサイズ(ホールパターンの孔径やラインアンドスペース(L&S)パターンのスペース幅など)を小さくする方法である。
特開平4−211258号公報 特開2000−188250号公報 特開2000−356850号公報
近年、微細化の速度がますます加速するなかで、レジスト材料にはさらなる解像性の向上が求められている。
そこで、種種の材料を用いて解像性の向上について本出願人が検討したところ、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位と、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位とを有する共重合体の水酸基の一部が酸解離性溶解抑制基で保護された共重合体をレジスト材料の樹脂成分として用いる場合に、その酸解離性溶解抑制基による保護率をあげると解像性が向上する。しかしながら、この保護率をあげると現像残渣等の現像欠陥が生じる傾向がある。現像欠陥が生じると半導体素子の製造において重大な問題となり、不都合である。
よって本発明の課題は、解像性を維持しつつ現像欠陥が生じにくいポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明においては以下の解決手段を提案する。
第1の発明は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含むポジ型レジスト組成物において、
前記樹脂成分(A)が、下記一般式(I)で表される第1の構成単位(a1)、および下記一般式(II)で表される第2の構成単位(a2)を含み、前記構成単位(a1)の水酸基および前記構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が前記酸解離性溶解抑制基で保護された共重合体(A1)であり、
さらに、(C)少なくとも一つの酸解離性溶解抑制基を有し(B)成分から発生した酸の作用により該溶解抑制基が解離し有機カルボン酸を発生し得る化合物であって、質量平均分子量が200〜1000であり、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
Figure 0004242317
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
Figure 0004242317
(式中、Rは水素原子又はメチル基、xは1〜3の整数である。)
Figure 0004242317
(式中、R’は酸解離性溶解抑制基であり、少なくとも1つは第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基である。)
第2の発明は、基板上に、本発明のポジ型ホトレジスト組成物を用いてポジ型レジスト膜を形成し、該ポジ型レジスト膜に対して選択的に露光処理を行った後、現像処理を施してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を意味する。
本発明により、解像性を維持しつつ現像欠陥を生じにくいポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
[ポジ型レジスト組成物]
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という)と、(C)少なくとも一つの酸解離性溶解抑制基を有し(B)成分から発生した酸の作用により該溶解抑制基が解離し有機カルボン酸を発生し得る化合物(以下、(C)成分という)とを含む。
(A)成分においては、露光により(B)成分から発生した酸が作用すると、酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体がアルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。
そのため、レジストパターンの形成において、マスクパターンを介して露光すると又は露光に加えて露光後加熱すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりポジ型のレジストパターンが形成できる。
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、ヒドロキシスチレンから誘導される第1の構成単位(a1)と、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される第2の構成単位(a2)を必須の構成単位として有し、第1の構成単位(a1)の水酸基および第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が酸解離性溶解抑制基で保護された共重合体(以下、共重合体(A1)という)である。
この共重合体(A1)は、第1の構成単位(a1)および第2の構成単位(a2)のほかに、さらにスチレンから誘導される第3の構成単位(a3)を有していてもよい。
[第1の構成単位(a1)]
構成単位(a1)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位であり、下記一般式(I)で表される。即ち、ここでのヒドロキシスチレンとは、文字どおりのヒドロキシスチレン又はα−メチルヒドロキシスチレンの両方を意味する。
下記一般式(I)で表される構成単位(a1)において、水酸基の位置は、o−位、m−位、p−位のいずれでもよいが、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。
Figure 0004242317
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
[第2の構成単位(a2)]
構成単位(a2)は、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
共重合体(A1)は、構成単位(a2)を有することにより、従来の、ポリヒドロキシスチレンの水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂(以下、PHS樹脂ということがある)よりも、アルカリ現像液に対する溶解性が低くなっている。
すなわち、従来のPHS樹脂は、酸解離性溶解抑制基で保護した単位以外は全て、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(ヒドロキシスチレン単位)であった。ヒドロキシスチレン単位の水酸基は、フェノール性水酸基である。一方、共重合体(A1)は、ヒドロキシスチレン単位に代えて、フェノール性水酸基よりもアルカリ溶解性に劣るアルコール性水酸基をベース樹脂側鎖中の一部に導入しうる構成単位(構成単位(a2))を有している。そのため、共重合体(A1)のアルカリ現像液に対する溶解性が、PHS樹脂に比べて小さくなっている。これにより、保護率を低くしディフェクトを低減できるとともに解像性が向上できる。
したがって、本発明における構成単位(a2)は、そのような作用を有する限り、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であれば、限定されるものではないが、高解像性、対ドライエッチング性に優れることから、アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
上記アルコール性水酸基を有する脂肪族多環式基を構成する多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。この様な多環式基は、ArFレジストにおいて、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
構成単位(a2)としては、特に、下記一般式(II)で表される、少なくとも1つのアルコール性水酸基を有するアダマンチル基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を好適に用いることができる。
下記一般式(II)で表される構成単位(a2)の中で最も好ましいのは下記一般式(IIa)で表される構成単位である。
Figure 0004242317
(式中、Rは水素原子又はメチル基、xは1〜3の整数である。)
[酸解離性溶解抑制基]
共重合体(A1)においては、第1の構成単位(a1)の水酸基と第2の構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうち、一部の水酸基が酸解離性溶解抑制基で保護されている必要がある。
前記酸解離性溶解抑制基としては、従来の化学増幅型のKrF用ポジ型レジスト組成物およびArF用ポジ型レジスト組成物における、酸解離性溶解抑制基として提案されているものを適宜用いることができ、例えば、tert−ブチル基、tert−アミル基、1‐メチルシクロペンチル基、1‐エチルシクロペンチル基、1‐メチルシクロヘキシル基、1‐エチルシクロヘキシル基等の鎖状又は環嬢の第3級アルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等の環状エーテル基、又は下記一般式(III)で表される、1位が炭素数1〜8の鎖状、分岐状、又は環状のアルコキシ基で置換された1−低級アルコキシアルキル基等を用いることができる。この中でも、特に一般式(III)で表される1−低級アルコキシアルキル基が好ましい。それらの具体例としては、1−エトキシエチル基、1‐イソプロポキシエチル基のような鎖状又は分岐状アルコキシアルキル基、1‐シクロヘキシルオキシエチル基のような環状アルコキシアルキル基が挙げられ、それらの中でも特に、解像性能に優れることから、1−エトキシエチル基が好ましい。
Figure 0004242317
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8の鎖状又は分岐状のアルキル基、または炭素数5〜7のシクロアルキル基を表す。)
本発明において、共重合体(A1)における水酸基の保護割合は、構成単位(a1)の水酸基と構成単位(a2)のアルコール性水酸基との合計の10モル%以上25モル%以下の範囲であることが好ましく、15モル%以上20モル%以下であることがより好ましい。
水酸基の保護割合を上記範囲の上限以下とすることにより、現像後のレジストパターンの矩形性が良好なものとなる。また、現像後のレジストパターンのパターン欠陥(現像欠陥)を効果的に防止することができる。一方、水酸基の保護割合を上記範囲の下限以上とすることにより、良好な解像性能が得られる。
共重合体(A1)において、酸解離性溶解抑制基で保護されている水酸基は、構成単位(a1)の水酸基であっても、構成単位(a2)のアルコール性水酸基であってもよく、特に限定されないが、構成単位(a1)の水酸基(ヒドロキシスチレンのフェノール性水酸基)のみ、又は構成単位(a1)の水酸基および構成単位(a2)のアルコール性水酸基の両方が、酸解離性溶解抑制基で保護されていることが好ましい。また、酸解離性溶解抑制基にも依存するが、構成単位(a1)の水酸基および構成単位(a2)のアルコール性水酸基の両方が酸解離性溶解抑制基で保護されていることがより好ましい。
共重合体(A1)において、前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の共重合体の構成単位(a1)と前記構成単位(a2)とのモル比は85:15〜70:30の範囲内であることが好ましく、より好ましい範囲は82:18〜78:22である。
構成単位(a2)が上記の範囲より多いと、現像液に対する溶解性が不足し、他方、少ないと、構成単位(a2)を用いたことによる効果が十分に得られない。
また、共重合体(A1)において、前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の共重合体の構成単位(a1)と構成単位(a2)との合計が、共重合体(A1)を構成する全構成単位の合計の90モル%以上であることが好ましい。90モル%より少ないと、解像性が劣化する傾向がある。構成単位(a1)と構成単位(a2)との合計は、より好ましくは95モル%以上であり、100モル%でもよい。
[第3の構成単位(a3)]
構成単位(a3)は、スチレンから誘導される構成単位であり、下記一般式(IV)で表される。即ち、ここでのスチレンとは、文字どおりのスチレンとα−メチルスチレンの両方を意味する。
Figure 0004242317
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
本発明において、構成単位(a3)は必須ではないが、これを含有させると、焦点深度が向上する、耐ドライエッチング性が向上するなどの利点が得られる。
構成単位(a3)を用いる場合は、共重合体(A1)を構成する全構成単位の合計の0.5〜10モル%とすることが好ましく、より好ましくは2〜5モル%である。構成単位(a3)を上記範囲内含有することにより、現像液に対する溶解性が良好なものとなる傾向にある。
共重合体(A1)の、水酸基の一部が酸解離性溶解抑制基で保護される前における質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算、以下同様)は、2000以上8500以下であることが好ましく、より好ましくは4500以上8500以下である。該質量平均分子量が8500以下であると、特にマイクロブリッジの発生を防止することができる。また、該質量平均分子量が2000以上であると耐エッチング性や耐熱性が良好である。
ここでのマイクロブリッジとは、現像欠陥の一種であり、例えばラインアンドスペースパターンにおいて、隣接するレジストパターンの表面に近い部分どうしがレジストでつながれて橋かけ状態になった欠陥をいう。マイクロブリッジは、質量平均分子量が高いほど、また露光後加熱(PEB)の温度が高いほど発生し易い。
また、共重合体(A1)の、水酸基の一部が酸解離性溶解抑制基で保護される前における分散度(Mw/Mn比)は、分散度が小さい単分散であると、解像性に優れ好ましい。具体的には、2.0以下、好ましくは1.7以下である。
共重合体(A1)は、例えば、水酸基が保護されていない、構成単位(a1)に相当するモノマーと、水酸基が保護されていない、構成単位(a2)に相当するモノマーとを共重合させた後、構成単位(a1)および/または構成単位(a2)の水酸基を、周知の手法により酸解離性溶解抑制基で保護する方法により製造することができる。
または、構成単位(a1)の水酸基が予め酸解離性溶解抑制基で保護された構成単位に相当するモノマーを調製し、このモノマーと構成単位(a2)に相当するモノマーとを常法により共重合させた後、加水分解により、酸解離性溶解抑制基で保護された水酸基の一部を水酸基に変え、さらに必要であれば構成単位(a2)の水酸基を、周知の手法により酸解離性溶解抑制基で保護する方法によっても製造することができる。
本発明のポジ型レジスト組成物における共重合体(A1)、すなわち(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚に応じて調整すればよい。一般的には、固形分濃度にして、8〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
<(B)成分>
本発明において、(B)成分としては、従来、化学増幅型レジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
中でもジアゾメタン系酸発生剤やオニウム塩類が好ましい。ジアゾメタン系酸発生剤の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
オニウム塩類の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートが挙げられる。これらのなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩が好ましい。
(B)成分として、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対し、1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部とされる。上記範囲より少ないとパターン形成が十分に行われないし、上記範囲を超えると均一な溶液が得られにくく、保存安定性が低下する原因となるおそれがある。
<(C)成分>
(C)成分を配合することにより、解像性を維持しつつ、現像欠陥、特に現像残渣を抑制することができる。その結果、微細なレジストパターンを解像することができる。
(C)成分は、上記(1)〜(4)の先行技術や特開平6−287163号公報、特開平7−285918号公報、特開平8−193052号公報、特開平8−193054号、特開平8−193055号公報、特開平8−245515号公報および特開平9−77720号公報などこれまで多数提案されており、これらを使用することについては特に限定されるものではない。
酸解離性溶解抑制基はこれまで化学増幅型のポジレジストにおいて知られているものから任意に選択できるが、フェノール性水酸基を酸解離性溶解抑制基で保護する場合と、カルボキシル基を酸解離性溶解抑制基で保護する場合と2つに分けられる。
具体的には、このような酸解離性溶解抑制基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基のような第3級アルキルオキシカルボニル基;tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基のような第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基;tert−ブチル基、tert−アミル基などの第3級アルキル基;テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基などの環状エーテル基;エトキシエチル基、メトキシプロピル基などのアルコキシアルキル基;1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロアルキル基などの1−低級アルキルモノシクロアルキル基、1−メチルアダマンチル基、1−エチルアダマンチル基などの1−低級アルキルポリシクロアルキル基などの1−アルキルシクロアルキル基が好ましいものとして挙げられる。
中でも、tert―ブチルオキシカルボニル基、tert―ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、1−メチルシクロヘキシル基および1−エチルシクロヘキシル基が好ましい。
フェノール性水酸基の酸解離性溶解抑制基としては、上記した酸解離性溶解抑制基のうち、1−アルキルシクロアルキル基を除いたものが挙げられる。カルボキシル基の酸解離性溶解抑制基としては、上記した酸解離性溶解抑制基の内第3級アルキルオキシカルボニル基を除いたものが挙げられる。
但し、(C)成分は、(B)成分から発生した酸の作用により該溶解抑制基が解離し有機カルボン酸を発生し得ることが必要であるから、カルボキシル基を持たないフェノール性化合物からそのフェノール性水酸基を上記溶解抑制基で保護して(C)成分とする場合、フェノール性水酸基の少なくとも一つは第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基のようなカルボン酸発生基を用いること必要である。
また、少なくとも一つのカルボキシル基を有する化合物からそのカルボキシル基を上記溶解抑制基で保護して(C)成分とする場合、上記溶解抑制基から任意に選択可能である。
より好ましい(C)成分は、高解像性、良好なレジストパターン形状を安価に得られることから、
(c−1)質量平均分子量が200〜1000、好ましくは600〜900のフェノール誘導体、あるいは
(c−2)酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸誘導体単位を少なくとも2モル%以上有する重合体であって、かつその質量平均分子量が2000〜20000の範囲の重合体が挙げられる。
(c−1)成分としては、置換または未置換のベンゼン核を1〜6個、より好ましくは2〜4個を有するフェノール誘導体が好ましい。
(c−1)成分は、次の(i)、(ii)および(iii)に分けることができる。
(i)ビスフェノールA、トリスフェノール類のようなフェノール性化合物とブロモ酢酸tert−ブチルアセテートのようなハロゲン化脂肪酸の第3級アルキルエステルとをアルカリ触媒存在下脱ハロゲン化水素反応させることにより、フェノール性水酸基の水素原子を第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基で置換した化合物。なお、水酸基を複数個有する場合、第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基以外の他の酸解離性溶解抑制基で置換されていてもよい。
(ii)ビフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸のようなカルボキシル基含有化合物を酸解離性溶解抑制基で置換した化合物。
(iii)4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸のようなカルボキシル基と水酸基をともに有する化合物のカルボキシル基または水酸基を前記酸解離性溶解抑制基で置換した化合物。なお、この場合異種の酸解離性溶解抑制基で置換されていてもよい。
(i)におけるフェノール性化合物は、非化学増幅型のポジレジストにおける感光性成分に用いるフェノール性化合物として、また該ポジレジストに配合する感度向上剤として既に多数のものが知られており、そのようなものから任意に用いることができる。例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。
(ii)におけるカルボキシル基含有化合物としては、既に公知のカルボン酸化合物から任意に用いることができる。例えば、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、ビフェニルポリカルボン酸、ナフタレン(ジ)カルボン酸、ナフタレントリ酢酸、ベンゾイル安息香酸、アントラセンカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、1−ナフチル酢酸、下記式で表される化合物、
Figure 0004242317
などが挙げられる。
(iii)におけるカルボキシル基と水酸基をともに有する化合物としては、公知の化合物から任意に用いることができる。例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、などが挙げられる。
さらに好ましい後者の(c−1)としては、
(c−1−1)下記一般式(i)で表される化合物の少なくとも一つの水酸基またはカルボキシル基の水素原子を酸解離溶解抑制基で置換した化合物、
(c−1−2)フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールおよびキシレノールから選ばれる少なくとも一つとホルムアルデヒドとの縮合物であって、その水酸基の水素原子の少なくとも一つをtert−ブチルオキシカルボニルアルキル基で置換した化合物に分けられる。
これらの(c−1−1)および(c−1−2)は、ポジ型レジスト組成物を高コントラストにし、レジストパターン形状および解像性を一層向上させるので好ましい。
Figure 0004242317
[式中、R1〜R4は、それぞれ独立して水素原子、直鎖状、分岐状または環状の炭素数6以下のアルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシル基含有アルキル基であり、そのうち少なくとも一つは水酸基又はカルボキシル基であり、Xはそれぞれ独立して単結合、−C(O)−、−C(R5)(R6)−のいずれかであり、R5は水素原子または低級アルキル基であり、
6は水素原子、低級アルキル基、カルボキシル基、カルボキシル基含有アルキル基または次の一般式(ii)で表されるアリール基であり(なお、式(ii)中のR1〜R4は前記定義に同じである)、rは0または1〜2の整数であり、qは0または1であり、qが0のとき括弧内の基は水素原子である。]
Figure 0004242317
さらには、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一つの水酸基またはカルボキシル基の水素原子を酸解離性溶解抑制基で置換した化合物が好ましい。
Figure 0004242317
[式中、R1〜R4は、それぞれ独立して水素原子、直鎖状、分岐状または環状の炭素数6以下のアルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、カルボキシル基含有アルキル基であり、そのうち少なくとも一つは水酸基又はカルボキシル基であり、Xは単結合、−C(O)−、−C(R5)(R6)−のいずれかであり、R5は水素原子または低級アルキル基であり、R6は水素原子、低級アルキル基、カルボキシル基、カルボキシル基含有アルキル基または次の一般式(II)で表されるアリール基であり(式(II)中のR1〜R4は前記定義に同じである)、qは0または1であり、qが0のとき括弧内の基は水素原子である。]
Figure 0004242317
上記R1〜R6における直鎖状、分岐状または環状の炭素数6以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。カルボキシル基含有アルキル基とは、カルボキシル基が炭素数1−10のアルキレン基に結合したものであり、該アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、直鎖状または分岐状のプロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、ノニレン基などが挙げられる。
本発明における後者の(c−1)成分を具体的に挙げると次のような化合物が挙げられる。
Figure 0004242317
Figure 0004242317
Figure 0004242317
Figure 0004242317
また、前記(c−1−1)の中では、下記(1)、(2)で表されるものが好ましい。
Figure 0004242317
(式中、R’は酸解離性溶解抑制基である。)
Figure 0004242317
(式中、R’は酸解離性溶解抑制基である。)
前記一般式(1)、(2)において、R’としては、上記の酸解離性溶解抑制基を挙げることができ、例えば第3級アルコキシカルボニル基、第3級アルコキシカルボニルアルキル基、第3級アルキル基、環状エーテル基、アルコキシアルキル基および1−アルキルシクロアルキル基から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、酸解離性溶解抑制基が、tert―ブチルオキシカルボニル基、tert―ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、1−メチルシクロヘキシル基および1−エチルシクロヘキシル基から選択される少なくとも1種であると好ましい。
また、酸解離性溶解抑制基がtert―ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、1−メチルシクロヘキシル基および1−エチルシクロヘキシル基から選択される少なくとも1種(特にはtert―ブチルオキシカルボニルメチル基)であると好ましい。
中でも第3級アルコキシカルボニルメチル基が好ましく、その中ではtert−ブチルオキシカルボニルメチル基が好ましい。
前記一般式(1)、(2)のうちでは、一般式(1)で表されるものが好ましく、その中でもR’が全てtert−ブチルオキシカルボニルメチル基のものが最も好ましい。
(C)成分の配合割合は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。下限値以上とすることにより現像欠陥低減の効果が得られる。上限値以下とすることによりコストの点で有利である。
(c−1)成分の低分子量体を用いる場合は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜10質量部で用いると高解像性で耐ドライエッチング性に優れるレジストパターンが得られ好ましい。
<含窒素有機化合物(D)>
本発明のポジ型レジスト組成物には、矩形性等のレジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、アミン、特に第2級低級脂肪族アミンや第3級低級脂肪族アミンが好ましい。
ここで、低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第3級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミンのような第3級アルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分に対して、通常0.01〜5.0質量%の範囲で用いられる。
<架橋剤(E)>
本発明のポジ型レジスト組成物を、後述のサーマルフロー処理を含む工程に使用する場合、本発明のポジ型レジスト組成物は、さらに架橋剤(E)(以下、(E)成分という)を含有してもよい。
(E)成分は、加熱により(A)成分と反応して架橋を形成する成分である。(E)成分を配合することにより、サーマルフロー処理を施した際の、レジストパターンの矩形性がさらに向上する。
(E)成分としては、サーマルフロー処理に好適な化学増幅型レジスト組成物における架橋剤成分として知られているものを適宜使用することができる。
具体的には、(E)成分として、少なくとも2個の架橋性のビニルエーテル基を有する化合物を用いることができ、アルキレングリコールやジアルキレングリコール、トリアルキレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールや、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ペンタグリコールなどの多価アルコールの少なくとも2個の水酸基をビニルエーテル基で置換した化合物を用いることができる。好ましい(E)成分の具体例としては、シクロヘキシルジメタノールジビニルエーテルが挙げられる。
(E)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)成分を用いる場合、(E)成分は、(A)成分に対して、通常0.1〜25質量%、好ましくは1〜15質量%の範囲で用いられる。
<その他の任意成分>
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
<有機溶剤>
本発明のポジ型レジスト組成物は、必須成分である(A)成分と(B)成分、(C)成分および必要に応じて配合される(D)成分、(E)成分、その他の任意成分を、有機溶剤に溶解させて製造することができる。
有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、γ−ブチロラクトン等のヒドロキシ基やラクトンを有する極性溶剤との混合溶剤は、ポジ型レジスト組成物の保存安定性が向上するため、好ましい。ELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が6:4〜4:6であると好ましい。
PGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比が8:2〜2:8、好ましくは8:2〜5:5であると好ましい。
[レジストパターンの形成方法]
本発明のポジ型レジスト組成物は、従来のKrF用ポジ型レジスト組成物と同様に、レジストパターンの形成に用いることができる。プレベークにおける加熱温度および露光後加熱(PEB)における加熱温度は、一般に90℃以上でよいが、マイクロブリッジを効果的に抑制するためには、特にそれぞれ90〜120℃、好ましくは90〜110℃が好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、解像性を維持しつつレジストパターンの現像欠陥を低減させることができる。その結果、解像性以外のレジストパターン断面形状、焦点深度幅等の特性も向上させることができる。
ここで、本発明における現像欠陥の抑制効果は、例えば、現像工程を経て得られたレジストパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)又は現像欠陥検査装置にて、観察して、現像残渣の有無、マイクロブリッジの有無、およびその他の欠陥の有無を調べることによって確認することができる。
また、解像性については、上記SEMによりレジストパターンを観察し確認することができる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物は、後述するサーマルフロー処理を有するパターン形成方法にも好適に用いることができ、良好なフローレートが得られる。特に、本発明のポジ型レジスト組成物は、レジスト組成物の保存安定性に悪影響を与え得る架橋剤成分を含まない組成でも、サーマルフロー処理を有するパターン形成方法によって、良好な微細レジストパターンを形成することができる。これは、加熱により、(A)成分の構成単位(a1)と(a2)との間に架橋反応が生じるためと推測される。なお、所望に応じ、前記架橋剤成分(D)を含有させることもできる。
また、サーマルフロー処理前の現像工程において、上記したように、現像欠陥が防止され、解像性の高いレジストパターンを形成することができるので、これにサーマルフロー処理を施して得られる狭小化レジストパターンにおいても、低欠陥および高解像性能が達成される。
次に、本発明に係るサーマルフロー処理を有するパターン形成方法について説明する。
まずシリコンウェーハ等の基板上に、本発明のポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベークを行う。次いで、露光装置などを用い、ポジ型レジスト組成物の塗膜に対して、所望のマスクパターンを介して選択的に露光を行った後、PEB(露光後加熱)を行う。続いて、アルカリ現像液を用いて現像処理した後、リンス処理を行って、基板上の現像液および該現像液によって溶解したレジスト組成物を洗い流し、乾燥させる。
ここまでの工程は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用するポジ型レジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
露光は、好ましくはKrFエキシマレーザーを用いて行うが、電子線レジストやEUV(極端紫外光)等にも有用である。
なお、基板とレジスト組成物の塗膜との間に、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
次いで、このようにして形成されたレジストパターンにサーマルフロー処理を施してレジストパターンを狭小化する。
サーマルフロー処理は、レジストパターンを1回以上、加熱することによって行われる。加熱の回数を多くした方が、単位温度当たりのレジストパターンサイズの変化量(以下、フローレートということもある)が小さくなるので好ましいが、工程数が増え、処理に要する時間が長くなって、スループットが悪化する面もある。
ここで、サーマルフロー処理におけるフローレートが小さい方が、狭小化されたレジストパターンにおける、ウエーハ上のパターン寸法の面内均一性が高く、レジストパターンの断面形状も優れたものとなる。レジスト膜厚が1000nm以下であれば、膜厚によるフローレートへの影響はほとんど無い。
サーマルフロー処理における加熱温度は100〜200℃、好ましくは110〜180℃の範囲から、レジストパターンの組成に応じて選択される。加熱を2回以上行う場合、第2回目以降の加熱は、第1回目の加熱と同じ温度またはそれ以上の温度で行う。
加熱時間は、スループットに支障がなく、所望のレジストパターンサイズが得られる範囲であればよく、特に制限されないが、通常は、各回の加熱を30〜270秒間の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは60〜120秒間の範囲内とする。
サーマルフロー処理を有するレジストパターン形成方法は、通常の方法では形成が困難である、微細なレジストホールパターンの形成に好適に用いられる。
本発明のレジストパターン形成方法は、特に、本発明のポジ型レジスト組成物を用いて行うので、架橋剤成分を含まない組成でも、また前記架橋剤成分(E)を含有する組成でも、良好なフローレートが得られる。したがって、解像性能が高く、レジストパターンの断面形状が良好で、現像欠陥が防止されており、しかもパターン寸法の面内均一性が高い狭小化レジストパターンが得られる。
本発明においては、特定の(A1)成分と(C)成分とを組み合わせることにより、解像性を維持しつつ現像欠陥、特に現像残渣を抑制することができる。その結果、解像性向上の効果が得られる。
以下、本発明を、実施例を示して詳しく説明する。
(実施例)
まず(A)成分を用意した。すなわち、p−ヒドロキシスチレンと、前記一般式(IIa)においてRがメチル基であるアダマンタノールメタクリレートとの共重合体(モル比80:20、質量平均分子量(Mw)は8000、分散度(Mw/Mn)は1.78)とエチルビニルエーテルを、酸触媒下で公知の手法により反応させて、前記共重合体の水酸基を1−エトキシエチル基で保護した樹脂X(Mw=10000、Mw/Mn=約1.7)を(A)成分として使用した。
この樹脂XをH−NMRで分析した結果、p−ヒドロキシスチレンとアダマンタノールの合計水酸基の数に対する1−エトキシエトキシ基の数は20%であった。これより、水酸基の保護割合が20モル%であると認められた。
この(A)成分100質量部と、(B)成分として、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン4.0質量部、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン1.0質量部、およびトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート4.0質量部を用い、下記化学式で表される(C)成分2質量部を用い、
Figure 0004242317
(D)成分として、トリエタノールアミン0.3質量部、およびトリイソプロパノールアミン0.3質量部を用い、これらをPGMEAとELの混合溶剤(PGMEA:ELの質量比が6:4)500質量部に溶解させてポジ型レジスト組成物を得た。
一方、8インチのシリコンウェーハ上に、有機反射防止膜(ブリューワーサイエンス社製、商品名DUV−44)を、材料を塗布し、225℃、60秒で加熱することにより、膜厚65nmに形成した基板を用意した。
上記で得られたポジ型レジスト組成物を、基板上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で100℃、60秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚287nmのレジスト層を形成した。
ついで、KrFスキャナー(波長λ248nm)NSR−S203B(Nikon社製、NA(開口数)=0.68,2/3輪帯照明)により、KrFエキシマレーザー(248nm)を、8%ハーフトーンレチクルを介して選択的に照射した。
そして、110℃、60秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間パドル現像し、その後15秒間、純水を用いて水リンスした。振り切り乾燥を行った後、100℃で60秒間加熱して乾燥させてレジストパターンを形成した。
このようにしてレジストパターンを形成した基板を、日立社製の走査型電子顕微鏡(測長SEM、S−9200)により観察したところ、120nmのラインアンドスペースが解像していた。また、現像残渣等の現像欠陥はなかった。
(比較例)
(C)成分を配合しなかった以外は実施例と同様にして実験を行い、評価したところ、130nmのラインアンドスペースが解像していた。しかしながら、レジストパターンには現像残渣が生じており、特にラインとスペースとの境界に細かい凹凸状の現像欠陥が確認された。
これら実施例の結果より、(C)成分を配合することにより現像残渣等の現像欠陥を抑制できることが確認できた。

Claims (9)

  1. 酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含むポジ型レジスト組成物において、
    前記樹脂成分(A)が、下記一般式(I)で表される第1の構成単位(a1)、および下記一般式(II)で表される第2の構成単位(a2)を含み、前記構成単位(a1)の水酸基および前記構成単位(a2)のアルコール性水酸基のうちの一部が前記酸解離性溶解抑制基で保護された共重合体(A1)であり、
    さらに、(C)少なくとも一つの酸解離性溶解抑制基を有し(B)成分から発生した酸の作用により該溶解抑制基が解離し有機カルボン酸を発生し得る化合物であって、質量平均分子量が200〜1000であり、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 0004242317
    (式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
    Figure 0004242317
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、xは1〜3の整数である。)
    Figure 0004242317
    (式中、R’は酸解離性溶解抑制基であり、少なくとも1つは第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基である。)
  2. 前記一般式(1)において、R’が第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基であることを特徴とする請求項に記載のポジ型レジスト組成物。
  3. 前記一般式(1)において、R’がtert−ブチルオキシカルボニルメチル基であることを特徴とする請求項に記載のポジ型レジスト組成物。
  4. 前記共重合体(A1)の、前記構成単位(a1)の水酸基と前記構成単位(a2)のアルコール性水酸基との合計の10モル%以上25モル%以下が前記酸解離性溶解抑制基により保護されており、かつ前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の質量平均分子量が2000以上8500以下である請求項1〜のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
  5. 前記共重合体(A1)中、前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)とのモル比が85:15〜70:30である請求項1〜のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
  6. 前記共重合体(A1)の酸解離性溶解抑制基が、1−低級アルコキシアルキル基である請求項1〜のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  7. 前記共重合体(A1)の、前記酸解離性溶解抑制基で保護する前の分散度(Mw/Mn比)が2.0以下である請求項1〜のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  8. さらに含窒素有機化合物(D)を含む請求項1〜のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物
  9. 基板上に、請求項1〜のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物を用いてポジ型レジスト膜を形成し、該ポジ型レジスト膜に対して選択的に露光処理を行った後、現像処理を施してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
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