JP4241880B2 - 低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液 - Google Patents
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ては、金属配線間隔が狭くなるため、静電誘導による金属配線のインピーダンスが増大し、応答速度の遅れ、消費電力の増大が懸念されている。このため、半導体基板とアルミニウム配線層などの金属配線層との間、あるいは金属配線層間に設けられる層間絶縁膜の比誘電率をできるだけ小さくすることが必要とされている。
のフッ素ドープシリカ膜が限界と言われており、3以下のシリカ系被膜を形成することは難しいという問題がある。
という欠点がある。
さく、しかも被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れ、同時に耐クラック性に優れていることを見出し、これを出願している(特願平8-299684号)。
リカ系被膜が形成された基材を提供することを目的としている。
微粒子と、(ii)下記一般式(I)で示されるアルコキシシランおよび/または下記一般式(II)で示されるハロゲン化シランの加水分解物と、下記一般式(III)で示されるポリシラザンとの反応物であるポリシロキサザンとを含有することを特徴としている。
XnSiX'4-n (II)
。また、mは整数、nは0〜3の整数である。)
調製する際の加水分解温度または熟成温度は、180℃以上であることが好ましい。
本発明に係る低誘電率被膜付基材は、前記低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用いて形成された低誘電率シリカ系被膜を有することを特徴としている。
るシリカ系微粒子と(ii)ポリシロキサザンとの反応物を含んでいる。塗布液中のシリカ系微粒子は、粒子間の空孔により被膜を多孔質化させる。また、シリカ系微粒子表面のフェニル基は被膜中のこの空孔への水の再吸着を防ぐ効果を有するとともに、酸素プラズマ耐性も高いという特性を有している。このため、本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を用いて低誘電率シリカ系被膜を形成すると、マイクロフォトリソグラフィ加工時のプラズマエッチングやレジスト剥離時の酸素プラズマによる膜質の劣化を防止することが可能となり、さらに被膜への水分再吸着も防止されるため、誘電率が低く、密着性、耐薬品性、耐クラック性などに優れ、導電歩留りが向上し、しかも平坦化特性の良い、安定した低誘電率シリカ系被膜を形成することができる。また、シリカ系微粒子のアンカー効果により被塗布面との密着性にも優れている。
ィ加工時の酸素プラズマ耐性に優れ、同時に機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性、耐クラック性に優れたシリカ系被膜を有する各種基材を得ることができる。
[低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液]
本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、(i)フェニル基を有するシリカ系
微粒子と、(ii)下記一般式(I)で示されるアルコキシシランおよび/または下記一般式(II)で示されるハロゲン化シランの加水分解物と、下記一般式(III)で示されるポリシラザンとの反応物であるポリシロキサザンとを含有することを特徴としている。
XnSiX'4-n (II)
。また、mは整数、nは0〜3の整数である。)
まず、(i)フェニル基を有するシリカ系微粒子について説明する。
フェニル基を有するシリカ系微粒子は、上記式(I)で示されるアルコキシシランの1種
または2種以上と水、有機溶媒およびアンモニアの存在下に加水分解・重縮合させることによりシリカ微粒子を調製し、得られたシリカ微粒子とフェニル基含有アルコキシシランまたはフェニル基含有クロロシランとを反応させることにより得られる。
トラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラン、ジフルオロジエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
グリコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル類が用いられる。
このようなシリカ微粒子の調製法をさらに詳細に説明すると、例えば、水-アルコール
混合溶媒を撹拌しながら、この混合溶媒にアルコキシシランおよびアンモニア水を添加し、アルコキシシランの加水分解・重縮合反応を行う。
ましくは1〜25モルとなるような量で用いられることが望ましい。また、アンモニアは、アルコキシシラン1モル当たり、0.01〜1モル、好ましくは0.05〜0.8モルとなるような量で配合されることが望ましい。
さらに、この後、加水分解と同一温度またはより高い温度で熟成してもよい。上記の加水分解反応温度、熟成温度は、高い方がアルコキシシランの重縮合がより促進され、シリカ微粒子内部が緻密化されるので望ましい。また、このようにシリカ微粒子が緻密化されると、粒子自体の吸湿性が低下するとともに、粒子表面の残留官能基を少なくすることもできる。
媒を添加して、アルコキシシランの加水分解を行い、シリカ微粒子を生成、成長させてもよい。このような高沸点の溶媒をアルコキシシランの加水分解時に添加しておくと、アルコキシ基のエステル交換反応が起こり、高沸点溶媒がシリカ微粒子内部に取り込まれ、密度の低い多孔質のシリカ微粒子が得られる。
にあることが望ましい。このような範囲の平均粒径のシリカ微粒子であれば、均一な粒径のものでも粒径の異なる微粒子の2種類以上の混合物でもよく、すなわち粒度分布がシャープなものであっても、ブロードなものであっても、バイモダルなものであってもよい。
粒子とフェニル基含有アルコキシシランまたはフェニル基含有クロロシランとを、縮合反応によって結合させることによって得られる。
XpPhqSi(OR1)4-(p+q) (IV)
XおよびR1は、前記一般式(I)におけるXおよびR1と同じものを示す。また、Phはフ
ェニル基を示す。なお、このフェニル基には、アルキル基が置換されていてもよい。
る。
XpPhqSiCl4-(p+q) (V)
Xは、前記一般式(I)におけるXと同じものを示す。
系微粒子との反応に関与しない余剰のフェニル基含有アルコキシシランまたはフェニル基含有クロロシランが残存し、これにより製造される塗布液を塗布して得られるシリカ系被膜は、被塗布面との密着性、機械的強度、塗布性などが悪くなることがある。
を構成するSi-Cl基1モルに対し、0.1モル以上の量であればよい。
酸性を示す化合物が挙げられる。しかしながら、触媒としては、塩基性の触媒が好ましい。
件などにより変動するが、通常、0.5〜50時間、好ましくは0.5〜15時間加熱することが望ましい。
ことが望ましい。
次に、(ii)ポリシロキサザンについて説明する。本発明で用いられる(ii)ポリシロキサザンは、アルコキシシランおよび/またはハロゲン化シランの加水分解物と、ポリシラザンとの反応物である。[アルコキシシランおよび/またはハロゲン化シランの加水分解物]本発明では、ポリシロキサザンを形成する成分として、下記一般式(I)で表されるアル
コキシシランまたは下記一般式(II)で表されるハロゲン化シランの加水分解物が使用される。
XnSiX'4-n …(II)
式中、Xは、水素原子、フッ素原子、または炭素数1〜8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基またはビニル基を表し、R1は、水素原子または炭素数1〜8のア
ルキル基、アリール基またはビニル基を表し、X'はハロゲン原子を表す。また、nは0〜3の整数である。
様のものが挙げられる。一般式(II)で表されるハロゲン化シランとしては、トリクロロシラン、トリブロモシラン、ジクロロシラン、フルオロトリクロロシラン、フルオロトリブロモシランなどが挙げられる。
または上記一般式(II)で表されるハロゲン化シランを、水、有機溶媒および触媒の存在下に加水分解・重縮合させることにより得られる。このような加水分解・重縮合方法としては、従来公知の方法が挙げられる。
2モルの量で用いられることが望ましい。また、触媒は、アルコキシシランまたはハロゲン化シラン1モル当たり0.001〜1モルの量で添加されることが望ましい。
0時間、好ましくは1〜5時間であることが望ましく、また、ハロゲン化シランを加水分解する場合、反応温度は、0〜50℃、好ましくは5〜20℃であり、反応時間は0.1
〜20時間、好ましくは1〜10時間であることが望ましい。
なお、アルコキシシランを使用する場合、アルコキシシランは前記シリカ系微粒子の調製に用いられたものと同一のものでもよく、また異なるものであってもよい。
本発明では、ポリシラザンとして、下記一般式(III)で表されるものが使用される。
ビニル基を示し、mは整数である。上記式(III)でR2、R3およびR4がすべて水素原子で
あり、1分子中にケイ素原子が55〜65重量%、窒素原子が20〜30重量%、水素原子が10〜15重量%であるような量で存在している無機ポリシラザンが特に好ましい。
状であってもよく、直鎖状のポリシラザンと環状のポリシラザンとの混合物でもよい。
これらのポリシラザンの数平均分子量(ポリスチレン換算)は、100〜10000、好ましくは500〜2000の範囲にあることが望ましい。
本発明で用いられる(ii)ポリシロキサザンは、上記のようにして得られたアルコキシシランおよび/またはハロゲン化シランの加水分解物と、ポリシラザンを有機溶媒中で混合
し、反応させることにより得られる。
の反応温度で、通常0.5〜5時間、好ましくは0.5〜3時間加熱することが望ましい。
本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、上記(i)フェニル基を有するシリ
カ系微粒子を含む分散液と(ii)ポリシロキサザンとを、必要に応じて溶媒を添加して混合し、加熱処理によって(i)フェニル基を有するシリカ系微粒子と(ii)ポリシロキサザンと
を反応させることによって調製される。
するシリカ系微粒子の間がポリシロキサザンにより埋められ誘電率が低くならないことがある。
本発明に係る被膜付基材は、上記のようにして得られた低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を各種の基材の表面に塗布し、次いで加熱することによって得られる。
程度まで低粘度によるリフロー性を維持している。その結果、平坦性が一層向上した被膜が得られる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.フェニル基を有するシリカ系微粒子の調製
(1)純水139.1gとメタノール169.9gの混合溶液を60℃に保持し、これにテトラエトキシ
シラン(エチルシリケート-28、多摩化学工業製)の水-メタノール溶液(重量比2/8の水/メタノール混合液2450gにテトラエトキシシランを532.5g加えたもの)2982.5gおよび0.25%のアンモニア水596.4gを同時に52時間かけて添加した。添加終了後、さらにこの温度で3時間熟成した。その後、限外濾過法で未反応のテトラエトキシシラン、メタノール、アンモニアを除去すると同時に純水を加え、精製した。シリカ濃度5重量%に調整後、オートクレーブで300℃-10時間、縮合反応を行い、その後、両性イオン交換樹脂(AG-501、Bio-Rad社製)で精製して、平均粒径300Åのシリカ微粒子分散液(A)を得た。
(1)アルコキシシランおよびハロゲン化シランの加水分解物の調製
特公平6-41518号公報に開示されている方法に従って、トリクロロシランをトルエン中
でトルエンスルホン酸水和物を触媒にして加水分解を行い、数平均分子量3500のハイドロジェンシルセスキオキサンポリマーを得た。
特公昭63-16325号公報に記載されている製造法に準じて、次のような製造法で製造した。
温度が0℃に保たれた恒温槽内に設置した反応器中にピリジン600mlを入れ、撹拌しながらジクロロシラン28.3gを加えて錯体(ピリジンアダクツ)を形成させた。これにNH3量
がジクロロシランの15モル倍になるまでアンモニアガスを2時間で吹き込み、反応生成物
を含む溶液を得た。得られた沈殿を濾過して除去した後、濾液を減圧して溶媒をキシレンに置換することにより、数平均分子量800、5重量%のポリシラザンを得た。
上記のようにして得られたハイドロジェンシルセスキオキサンポリマーをMIBKに溶解して5重量%溶液を調整し、ポリシラザン溶液を3時間かけて添加した。50℃で5時間反応
させた後、ロータリーエバポレーターで溶媒をMIBKに置換し、数平均分子量4000、5重量%のポリシロキサザンを得た。
上記のようにして得られたフェニル基を有するシリカ系微粒子(C),(D)とポリシロキサ
ザンを表1の記載の所定の割合で混合し、50℃で1時間加熱処理した。その後、ロータリ
ーエバポレーターで再度メチルイソブチルケトンに溶媒置換して、加熱処理により生成するアルコールや水分を完全に除去して、シリカ濃度が20重量%である被膜形成用塗布液(1)〜(4)を調製した。
同様に反応させて、被膜形成用塗布液(5)、(6)を調製した。調製した被膜形成用塗布液の組成を表1に示す。
シリカ系被膜付半導体装置の作製
被膜形成用塗布液(1)〜(2)を、それぞれ最小0.25μルールの金属配線が施された半導体基板上にスピンコート法で塗布し、250℃で3分間乾燥した。その後、窒素中で400℃、30
分間焼成してシリカ系被膜を形成した。これらのシリカ系被膜はいずれも5000Åであった。これらの膜上にプラズマCVD法でSiO2膜を4000Å形成し、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法で配線段差を平坦化した。通常のマイクロフォトリソグラフィー工程に供し
てvia holeを形成し、酸素プラズマを照射して残存するレジストを除去した後、有機アミン、水でvia holeを洗浄した。バリアーメタルとしてTiNをスパッタリング法で形成し、
さらにWプラグをCVD法およびCMP法で形成してviaを形成した。その後、上層の金属配線
を形成し、半導体装置を作成した。
続したviaの導通歩留まりを測定した。比誘電率は隣接配線間のC-V測定から算出し、100
個の連続したviaの導通歩留まりは配線抵抗の測定により評価した。
1,2のフェニル基を有していないシリカ微粒子を用いたシリカ系被膜では、比誘電率は高くなり、viaの導通歩留まりが小さくなった。
Claims (4)
- (i)下記一般式(I)で示されるアルコキシシランの1種または2種以上を加水分解、または加水分解後、熟成して得られたシリカ微粒子の少なくとも一部の表面に、フェニル基含有アルコキシシランまたはフェニル基含有クロロシランの加水分解物を結合させて得られたフェニル基を有するシリカ系微粒子と、
(ii)下記一般式(I)で示されるアルコキシシランおよび/または下記一般式(II)で示され
るハロゲン化シランの加水分解物と、下記一般式(III)で示されるポリシラザンとの反応
物であるポリシロキサザンとの反応物を含有することを特徴とする低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液。
XnSi(OR1)4-n (I)
XnSiX'4-n (II)
また、mは整数、nは0〜3の整数である。) - 前記一般式(I)で示されるアルコキシシランの1種または2種以上からシリカ微粒子を
調製する際の加水分解温度または熟成温度が180℃以上であることを特徴とする請求項1
に記載の低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液。 - アルコキシシランまたはハロゲン化シランの加水分解物とポリシラザンとの混合量が、アルコキシシランまたはハロゲン化シランの加水分解物91〜99重量%、ポリシラザン9〜1重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液。
- フェニル基を有するシリカ系微粒子と、ポリシロキサザンとの重量比(フェニル基を有するシリカ系微粒子の重量/ポリシロキサザンの重量)が、0.1〜20の重量比にあること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液。
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