JP4241879B2 - 低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液および低誘電率被膜付基材 - Google Patents
低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液および低誘電率被膜付基材 Download PDFInfo
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においては、金属配線間隔が狭くなるため、静電誘導による金属配線のインピーダンスが増大し、応答速度の遅れ、消費電力の増大が懸念されている。このため、半導体基板とアルミニウム配線層などの金属配線層との間、あるいは金属配線層間に設けられる層間絶縁膜の比誘電率をできるだけ小さくすることが必要である。
難しい。
がある。
さく、しかも被塗布面との密着性、機械的強度、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れ、同時に耐クラック性に優れていることを見出し、これを出願している(特願平8-299684号)。
基はプラズマ耐性に乏しく、マイクロフォトリソグラフィ加工時の膜質劣化が生じ、安定
した低誘電率被膜が得られないことがあった。
微粒子と、(ii)酸化分解性樹脂を含有し、かつフェニル基を有するシリカ系微粒子と酸化分解性樹脂との重量比(フェニル基を有するシリカ系微粒子/酸化分解性樹脂)が、0.
5〜5の範囲にあることを特徴としている。
ンの1種または2種以上を加水分解、または加水分解後、熟成して得られたシリカ微粒子の少なくとも一部の表面に下記一般式(II)で示されるフェニル基含有アルコキシシランおよび/または下記一般式(III)で示されるフェニル基含有クロロシランから選ばれた1種
または2種以上の加水分解物を結合させて得られたものであることが好ましい。
XnSi(OR1)4-n (I)
XpR2 qSi(OR1)4-(p+q) (II)
XpR2 qSiX'4-(p+q) (III)
(式中、Xは水素原子、フッ素原子または炭素数1〜8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基またはビニル基を表し、R1は水素原子または炭素数1〜8のアルキル
基、アリール基またはビニル基を表し、R2はフェニル基を表し、X'は塩素原子を表す。また、nは0〜3の整数、pは0〜3の整数、qは1〜3の整数である。なお、p+qは4以下の整数である。)
好ましい。
前記酸化分解性樹脂は、有機溶媒に溶解可能で、かつ室温から500℃までの酸素中の焼
成、または、紫外線、赤外線、電子線、X線、酸素プラズマなどの照射により酸化分解する樹脂が好ましい。
また、本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液から低誘電率シリカ系被膜を2
段階で形成すると、マイクロフォトリソグラフィ加工時のプラズマエッチングやレジスト剥離時の酸素プラズマによる膜質の劣化や被膜への水分再吸着をさけることができる。さらに、被膜の酸化分解後には被膜形成成分として残存するフェニル基を有するシリカ系微粒子の粒子間空孔により被膜が多孔質となり、しかも表面に結合されたフェニル基が、被膜中のこの空孔への水の再吸着を防ぐ効果を有し、安定した低誘電率シリカ系被膜を形成することができる。
本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、(i)フェニル基を有するシリカ系
微粒子と、(ii)酸化分解性樹脂とを、フェニル基を有するシリカ系微粒子と酸化分解性樹脂との重量比(フェニル基を有するシリカ系微粒子/酸化分解性樹脂)で0.5〜5の範
囲となるように含有している。
フェニル基を有するシリカ系微粒子は、一般式(I)で示されるアルコキシシランの1種
または2種以上と水、有機溶媒およびアンモニアの存在下で加水分解、または加水分解後、熟成させることにより得られたシリカ微粒子を後述する一般式(II)で示されるフェニル基含有アルコキシシランおよび/または一般式(III)で示されるフェニル基含有クロロシ
ランから選ばれた1種または2種以上と反応させることにより得られる。この場合、シリカ微粒子の調製法としては、従来より公知の方法を採用することができる。
XnSi(OR1)4-n (I)
式中、Xは水素原子、フッ素原子または炭素数1〜8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基またはビニル基を表し、R1は水素原子または炭素数1〜8のアルキル
基、アリール基またはビニル基を表す。また、nは0〜3の整数である。
トラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラン、ジフルオロジエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
このようなシリカ微粒子の調製法をさらに詳細に説明すると、例えば、水-アルコール
混合溶媒を撹拌しながら、この混合溶媒にアルコキシシランおよびアンモニア水を添加し、反応させる。
ルコキシシランをSiO2換算したときに、アルコキシシラン1モルに対し、0.01〜1モル
、好ましくは0.05〜0.8モルとなるような量で配合されることが望ましい。
媒を添加して、アルコキシシランの加水分解を行い、シリカ微粒子を生成、成長させてもよい。このような高沸点の溶媒をアルコキシシランの加水分解時に添加しておくと、アルコキシ基のエステル交換反応が起こり、高沸点溶媒がシリカ粒子内部に取り込まれ、密度の低い多孔質のシリカ微粒子が得られる。
にあることが好ましい。この範囲の平均粒径の微粒子であれば、均一な粒径のものであっても、粒径の異なる2種以上の微粒子の混合物であっても良い。この粒径が30Å未満では、これより製造される塗布液を塗布して得られるシリカ系被膜の低誘電率化が困難となり、一方、1000Åを越えるとマイクロフォトリソグラフィ工程での微細加工時に欠陥を生じやすい。また、粒子の形状は、球形であっても、異形であってもよい。
で示されるフェニル基含有クロロシランと反応させることにより得られる。
XpR2 qSi(OR1)4-(p+q) (II)
XpR2 qSiX'4-(p+q) (III)
式中、Xは水素原子、フッ素原子または炭素数1〜8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基またはビニル基を表し、R1は水素原子または炭素数1〜8のアルキル
基、アリール基またはビニル基を表し、R2はフェニル基を表し、Xは塩素原子を表す。
なお、フェニル基には炭素数1〜8のアルキル基が置換されていてもよい。
クロロシランは、加水分解物を用いてもよい。なお、シリカ微粒子とフェニル基含有アルコキシシランおよび/またはフェニル基含有クロロシランとの反応においては、シリカ微粒子の成長あるいは新たなシリカ微粒子の生成は起こらず、シリカ微粒子の表面で、このシリカ微粒子とフェニル基含有アルコキシシランおよび/またはフェニル基含有クロロシランとの表面反応が起こり、表面にフェニル基を有するシリカ系微粒子が得られる。
算して、シリカ微粒子1重量部あたり、0.01重量部〜0.3重量部、好ましくは0.05重量部
〜0.2重量部であることが望ましい。
と、シリカ微粒子との表面反応に関与しない余剰のフェニル基含有アルコキシシランまたはフェニル基含有クロロシランが残存し、これより製造される塗布液を塗布して得られるシリカ系被膜は、被塗布面との密着性、機械的強度、塗布性などが悪くなることがある。
ル基含有クロロシランを構成するSi-X'基1モルあたり、0.1モル以上の量であればよい。
酸化分解性樹脂としては、有機溶媒に溶解可能で、かつ室温から500℃までの酸素中の
焼成、または、紫外線、赤外線、電子線、X線、酸素プラズマなどの照射により酸化分解する特性を有する樹脂であればよい。具体的には、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリオール系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。
た、上記酸化分解性樹脂の数平均分子量は、100〜50000、好ましくは500〜10000(ポリスチレン換算分子量)であることが望ましい。
本発明に係る低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液は、上記のようにして得られたフェニル基を有するシリカ系微粒子を、酸化分解性樹脂と混合させることによって調製される。このとき、前述の方法で得られた未精製のフェニル基を有するシリカ系微粒子をそのまま用いてもよいが、両者を混合させるに先立ち、あらかじめ限外濾過あるいは蒸留などの手段により分散媒の水-有機溶媒系を有機溶媒系に溶媒置換させておくことが好ましい。
グ法による積層膜との密着性や膜質の劣化傾向がある。一方、成分(B)の量が多くなると、同様にして得られる被膜は酸化分解性樹脂成分が多いため多孔質にならず、マイクロフォトリソグラフィ加工には優れているが、酸化分解後に形成される多孔質の低誘電率シリカ系被膜の収縮が起こり、被塗布面との密着性、機械的強度などが悪くなる。
変動するが、通常、0.5〜5時間、好ましくは0.5〜3時間加熱処理を行う。
本発明に係るシリカ系被覆形成用塗布液には、フェニル基を有するシリカ系微粒子と酸化分解性樹脂以外に、上記の一般式(I)で示されるアルコキシシランおよび/または下記
の一般式(VI)で示されるハロゲン化シランまたはその加水分解物、あるいは当該加水分解物と下記の一般式(V)で示されるポリシラザンとの反応物であるポリシロキサザンが含ま
れていてもよい。これらのその他成分の割合は、SiO2に換算して、フェニル基を有するシリカ系微粒子1重量部あたり、0.3以下、好ましくは0.2以下とすることが望ましい。
XnSiX'4-n (IV)
ビニル基を表し、R2、R3、R4は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、アリール
基またはビニル基を表し、X' はハロゲン基を表す。また、mは整数、nは0〜3の整数である。
焼成、または、紫外線、赤外線、電子線、X線、酸素プラズマなどの照射して、バインダーとして含まれている酸化分解性樹脂を酸化分解する。
本発明に係る被膜付基材は、上記のようにして得られた低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液を各種の基材の表面に塗布・加熱し、次いで室温から500℃までの酸素中の焼成、ま
たは、紫外線、赤外線、電子線、X線、酸素プラズマなどの照射によりバインダーとして含まれている酸化分解性樹脂を酸化分解させることによって得られる。
不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
リフロー性を維持している。このため、平坦性が一層向上した被膜が得られる。
このようにして形成される低誘電率シリカ系被膜の膜厚は、被膜を形成する基材、その目的によって異なるが、例えば、半導体装置におけるシリコン基板上では通常1000〜2500Å程度であり、多層配線の配線層間の場合は通常3000〜5000Åである。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
1.フェニル基を有するシリカ系微粒子の調製
(1) 純水139.1gとメタノール169.9gの混合溶液を60℃に保持し、これにテトラエトキシシラン(エチルシリケート-28、多摩化学工業製)の水-メタノール溶液(重量比2/8の水/メタノール混合液2450gにテトラエトキシシランを532.5g加えたもの)2982.5gおよび0.25%のアンモニア水596.4gを同時に52時間かけて添加した。添加終了後、さらにこの温度で3時間熟成した。その後、限外濾過法で未反応のテトラエトキシシラン、メタノール、アンモニアを除去すると同時に純水を加え、精製した。その後、シリカ濃度5重量%に調整し、オートクレーブ中にて300℃で、10時間、縮合反応を行い、その後、両性イオン交換樹
脂(AG-501、Bio-Rad社製)で精製して、平均粒径300Åのシリカ微粒子分散液を得た。
ノール分散液に調整した後、フェニルトリメトキシシランをSiO2に換算してシリカ微粒子重量の10重量%加え、1重量%のアンモニア水でpHを10に調整した。50℃で15時間反応させた後、10倍量のMIBK(メチルイソブチルケトン)を添加し、ロータリーエバポレーターで溶媒置換を行い、濃度5重量%、水分0.5重量%のフェニル基を有するシリカ系微粒子のMIBK分散液を得た。
上記のようにして得られたフェニル基を有するシリカ系微粒子とエチルセルロースのエタノール溶液を表1に記載の所定の割合で混合し、50℃で1時間加熱処理した。その後、
ロータリーエバポレーターで再度メチルイソブチルケトンに溶媒置換して、加熱処理により生成するアルコールや水分を完全に除去して、濃度が20重量%である被膜形成用塗布液(1)〜(5)を調製した。
被膜形成用塗布液(1)〜(5)を、それぞれ最小0.25ミクロンルールの金属配線が施された半導体基板上にスピンコート法で塗布し、80℃で3分間乾燥した。その後、窒素中で250℃、30分間焼成して被膜を形成した。これらの被膜はいずれも5000Åであった。これらの膜上にプラズマCVD法でSiO2膜を1000Å形成した。通常のマイクロフォトリソグラフィー工
程に供してvia holeを形成し、RIE法により残存するレジストを除去した後、有機アミン
、水でvia holeを洗浄した。バリアーメタルとしてTiNをスパッタリング法で形成し、さ
らにWプラグをCVD法およびCMP法で形成してviaを形成した。その後、酸素プラズマを照
射し、エチルセルロースを酸化分解した。上層の金属配線を形成し、半導体装置を作成した。
このようにして得られたそれぞれの半導体装置のシリカ系被膜の比誘電率と100個の連
続したviaの導通歩留まりを測定した結果を表2に示す。
Claims (3)
- (i)フェニル基を有するシリカ系微粒子と、(ii)酸化分解性樹脂を含有し、かつフェニル基を有するシリカ系微粒子と酸化分解性樹脂との重量比(フェニル基を有するシリカ系微粒子/酸化分解性樹脂)が、0.5〜5の範囲にあり、
前記フェニル基を有するシリカ系微粒子(i)が、下記一般式(I)で示されるアルコキシシランの1種または2種以上を加水分解、または加水分解後、熟成して得られたシリカ微粒子の少なくとも一部の表面に下記一般式(II)で示されるフェニル基含有アルコキシシランまたは下記一般式(III)で示されるフェニル基含有クロロシランから選ばれた1種および
/または2種以上の加水分解物を結合させて得られたものであり、
前記酸化分解性樹脂(ii)が、セルローズ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリオール樹脂、エポキシ樹脂から選ばれる樹脂であることを特徴とする低誘電率被膜形成用塗布液。
XnSi(OR1)4-n (I)
XpR2 qSi(OR1)4-(p+q) (II)
XpR2 qSiX'4-(p+q) (III)
(ここで、Xは水素原子、フッ素原子または炭素数1〜8のアルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基またはビニル基を表し、R1は水素原子または炭素数1〜8のアルキ
ル基、アリール基またはビニル基を表し、R2はフェニル基を表し、X'は塩素原子を表す。また、nは0〜3の整数、pは0〜3の整数、qは1〜3の整数である。なお、p+qは4以下の整数である。) - 前記酸化分解性樹脂が、有機溶媒に溶解可能で、かつ室温から500℃までの酸素中の焼
成、または、紫外線、赤外線、電子線、X線、酸素プラズマなどの照射により酸化分解する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の低誘電率被膜形成用塗布液。 - 前記シリカ微粒子調製時の加水分解温度、または熟成温度が180℃以上であることを特
徴とする請求項1または2に記載の低誘電率被膜形成用塗布液。
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