JP4241044B2 - フィン付きプレート熱交換器 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器、特に自動車エンジンの燃料冷却器として有用な熱交換器に関する。
【０００２】
近年、自動車、特にジーゼルエンジンを搭載した車両のエンジンによって使用される燃料を冷却することが、必要ではないにせよ、望まれている。これを実現するために最も便利な方法は、エンジンと自動車の燃料タンクとの間にある燃料ラインに直列に熱交換器を挿入配置することである。さらに、これら熱交換器の配置をできるだけ簡単にかつ低コストで維持するために、冷却液ラインを熱交換器に配置する必要性を省くべく、時に、空冷式熱交換器が選択使用される。
【０００３】
通常燃料ラインは自動車の車体下側あるいは下部にそって配設されているため、燃料冷却器も車体下部に設けるのが便利であるが、この場合、熱交換器が部品にさらされるため、破損する問題が生じる。また、寒冷地では、氷や雪により、熱交換器の効率に関して問題が生じる。また、車体下部と道路表面との間に十分な間隔を確保するために、熱交換器は高さが低く、断面も小さくなければならないがこれも問題である。
【０００４】
所望の設計基準を満足し、上記問題を解決する一つの試みが、１９９９年１月１３日に公開されたEP０８９０８１０公報に開示されている。この公報には、内部長手方向に複数の流路を形成した、押し出し成形本体または連続鋳造本体をもつ燃料冷却器が示されている。この本体の端部は開放端部である。本体に、冷却リブまたはフィンをもつ別な部材が取り付けられている。端部部材または密封部材を使用し、本体の端部を密封し、本体の流路に直列に燃料を流すように構成している。しかし、この熱交換器は製造が難しく、コストも高い。というのは、多数の部品が必要な上に複雑であり、特殊な工具類を使用してこれら部品を製造する必要があるからである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、製造がより簡単な上により容易であり、また必要部品を製造するために必要な工具類のコストがより低い熱交換器を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第１側面および第２側面をもつ中央の平面部分を有し、かつこれら第１側面および第２側面の一つから突出する複数の離間フィンを有する細長い本体部材で構成した熱交換器を提供するものである。第１側面および第２側面の他方に接続したクロスオーバー部材が、中央平面部分全体にわたって熱交換流体が流れる離間流路を形成する。流路の入り口端部および出口端部は対向している。クロスオーバー部材および本体部材の一方に、それぞれ入り口端部部分および出口端部部分に連絡する離間入口マニホルド及び出口マニホルドを形成する。入り口管状体および出口管状体がそれぞれ入り口マニホルドおよび出口マニホルドに連絡する。
【０００７】
また、本発明は、中央平面部分とこの中央平面部分の一つの側部から突出する離間フィンを有する本体部材を押し出し成形する工程と、内部に複数の離間横断方向流路を有するクロスオーバー部材を形成する工程と、上記本体部材およびクロスオーバー部材の一方に一対の離間流れマニホルドを形成する工程と、上記流れマニホルドおよび流路が相互にかつ上記中央平面部分と連絡するように上記クロスオーバー部材を上記中央平面部分に取り付ける工程とを有する熱交換器の製作方法を提供するものである。
【０００８】
さらに、本発明は、中央平面部分とこの中央平面部分の一つの側部から突出する離間フィンを有し、かつ一対の離間入り口マニホルドおよび出口マニホルドを上記と同じ方向に上記中央平面部分から横断方向に延設した本体部材を押し出し成形する工程と、対向する入り口端部部分および出口端部部分を有する複数の離間流路を内部に形成したクロスオーバー部材を形成する工程と、上記の対向入り口部分および出口部分がそれぞれ上記入り口流れマニホルドおよび出口流れマニホルドに連絡するように、上記クロスオーバー部材を上記中央平面部分に取り付ける工程とを有する熱交換器の製作方法を提供するものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
最初に図１および図２について説明する。本発明熱交換器の好ましい実施態様を参照符号１０で示す。この熱交換器１０は、燃料冷却器として、また空冷式熱交換器または液体/空気熱交換器として特に有用であるが、この熱交換器１０は流体を加熱するためにも使用でき、また空気や燃料以外の流体とともに使用できるものである。
【００１０】
熱交換器１０は、中央部分１４が平面状の、細長い本体部材１２を有する。この中央平面部分１４は、上部側面即ち第１側面１６と、下部側面即ち第２側面１８とをもつ。中央平面部分１４に複数の離間フィン２０を延設する。図１および図２に示す実施態様では、フィン２０は第２側面１８から下向き延設してあるが、以下の説明から明らかなように、所望に応じて、中央平面部分１４から上向きに、あるいは下向きに延設することも可能である。フィン２０については、熱交換器１０に所定の、あるいは所望の伝熱特性を付与できるように、その長さ、方向、および間隔を設定することができる。
【００１１】
本体部材１２には、熱交換器１０の主構成部品の位置決めを容易にするために、側部スカート２２（図２を参照）を上向きに延設するが、この側部スカート２２は、所望ならば、設ける必要は必ずしもない。
【００１２】
熱交換器１０のクロスオーバー部材２４を、第１側面１６および第２側面１８のいずれかに、即ち図１および図２の場合は第１側面１６に接続する。クロスオーバー部材２４の第１プレート２６を本体部材の中央平面部分１４に近接配設する。この第１プレート２６は、中央平面部分全体にわたって燃料などの熱交換流体が流れる離間流路を形成する複数の離間スロット２８を形成する。第１プレート２６には、スタンプ加工によってスロット２８を形成するのが好ましい。また、スロット２８については、できるだけ密に形成するのが好ましいが、第１プレート２６については、以下に詳しく説明するように、組み立てを目的として自然な平坦形状に保持する。所望ならば、スロット２８の幅を変えて、中央平面部分１４への流れ分布を変えてもよい。また、所望ならば、エキスパンドメタル製のタービュライザーをスロット２８に配設することができる。
【００１３】
クロスオーバー部材２４の第２プレート３０を第１プレート２６上に配設する。この第２プレート３０には、スロット即ち流路２８からの燃料を供給または戻す流れマニホルドになる一対の離間スロット３２、３４を形成する。なお、これら流れマニホルド３２、３４は流路２８の対向端部に連絡している。流体の熱交換器１０内を流れる方向に応じて、これら端部の一方が入り口端部になり、また他方が出口端部になる。同様に、流体の熱交換器１０内を流れる方向に応じて、流れマニホルド３２または３４の一方が入り口マニホルドになり、他方が出口マニホルドになる。また、所望に応じて、熱交換器に沿って長手方向に流れを分配することを容易にするため、流れマニホルド３２または３４にテーパー加工してもよい。
【００１４】
なお、プレート２６および３０を逆にすると、プレート３０が、中央平面部分１４に隣接配置される第１プレートになり、そしてプレート２６が、プレート３０上に配設される第２プレートになる。
【００１５】
クロスオーバー部材２４の第３プレート即ちカバープレート３６を第２プレート即ちマニホルドプレート３０上に配設する。第３プレート即ちカバープレート３６には、第２プレート３０のそれぞれスロット即ち流れマニホルド３２、３４に連絡する入り口開口３８および出口開口４０を形成する。上記と同様に、流体または燃料の熱交換器１０を流れる方向によって、３８、４０うちどの開口が入り口になるか、あるいは出口になるかが決まる。
【００１６】
最後に、第３プレート即ちカバープレート３６に入り口部材および出口部材４２、４４を取り付ける。これら部材４２、４４に、燃料ラインなどのホースを熱交換器１０に取り付けるニップルなどの継ぎ手４６、４８を形成する。これらニップル４６、４８は入り口マニホルド３２および出口マニホルド３４に連絡し、従って流路２８に連絡する。
【００１７】
本体部材１２については、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成するのが好ましい。特に好ましいのは、押し出し成形であり、このように構成すると、押し出し成形体をノコギリなどの切断工具によって所望の長さに切断できる。プレート２６、３０および３６については、ブレージングクラッドアルミニウムをスタンプ加工することによって形成するのが好ましい。入り口部材４２および出口部材４４についても、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成する。これら構成部品を炉ブレージングするか、あるいは半田加工して熱交換器１０を組み立てる。
【００１８】
次に、図３について説明する。本発明熱交換器の別な好適な実施態様を参照符号５０で示す。この熱交換器５０は、押し出し成形で構成したアルミニウム製の本体部材５２からなり、中央平面部分５４と離間フィン５６とを備えている。これら各部品はいずれも図１および図２に示した実施態様の場合とほぼ同じであるが、本体部材５２の中央平面部分５４に長手方向に離間した溝５８、６０を形成してある。これら溝５８、６０は、中央平面部分５４にフィン５６と同じ方向に延設し、部分的な入り口/出口マニホルドを形成するものである。これら入り口/出口マニホルドは、以下に説明するように、クロスオーバー部材６２によって完成されるものである。
【００１９】
即ち、クロスオーバー部材６２には、部分的な入り口マニホルドおよび出口マニホルドを形成する逆Ｕ字形溝６４、６６を設ける。これら溝６４、６６がそれぞれ本体部材の溝５８、６０とともに、熱交換器５０の完全な入り口マニホルドおよび出口マニホルドを構成する。また、クロスオーバー部材６２には、その横断方向に（図３では、リブのように見える）逆Ｕ字形溝即ち流路６８を離間した状態で形成する。こられ流路が長手方向溝即ち流れマニホルド６４、６６の間に連絡する。図３の場合、流路６８はマニホルド６４、６６と直交しているが、所望ならば、所定の角度で配設することも可能である。通常、クロスオーバー部材６２は圧延成形したものであるが、所望に応じて、スタンプ加工すると、幅や高さを変えることができ、従って熱交換器５０内部の流れ分布を変えることができる。
【００２０】
それぞれの本体部材のマニホルド５８、６０に連絡するように、クロスオーバー部材を入り口マニホルド６４および出口マニホルド６６上に配設すると、熱交換器５０用の拡大入り口マニホルドおよび出口マニホルドが形成する。管状体７０、７２を次にこれら流れマニホルドに挿入する。これら管状体７０および７２には、燃料ラインなどのホースを熱交換器５０に取り付けるニップルなどの一体的な継ぎ手７４、７６を形成する。熱交換器５０の反対側の端部で、適当なプラグ（図示せず）を溝５８、６４および６０、６６が形成するマニホルドに挿入する。所望ならば、一つがマニホルド６４、６６それぞれに対応し、そしていずれか一つが入り口管状体に対応し、他の一つが出口管状体に対応するように、管状体７０、７２を熱交換器５０の両端に設けることもできる。そして、マニホルド５８、６４および６０、６６の両端にプラグを挿入する。
【００２１】
熱交換器５０の場合、本体部材５２およびクロスオーバー部材６２の両者において入り口マニホルドおよび出口マニホルドを部分的に形成しているが、クロスオーバー部材６２のみに形成することも可能である。この場合、図１および図２に示すように、中央の平面部分を平坦連続化することができる。また、入り口マニホルド６４および出口マニホルド６６に液密係合できるように管状体７０、７２の形状を変えることができる。熱交換器５０の場合、それぞれのクロスオーバー部材の部分マニホルド６４、６６に連絡し、かつ熱交換器５０の拡大入り口マニホルドおよび出口マニホルドを形成するように、本体部材５２の部分的入り口マニホルド５８および出口マニホルド６０をこれらマニホルド上に配設する。同様に、それぞれの本体部材の部分的マニホルド５８、６０に連絡するように、クロスオーバー部材６２の部分的入り口マニホルド６４および出口マニホルド６６をこれらマニホルド上に配設し、熱交換器５０の拡大入り口マニホルドおよび出口マニホルドを形成する。
【００２２】
次に、図４について説明する。本発明熱交換器の別な好適な実施態様は、参照符号８０で示す。完全な入り口マニホルド８２および出口マニホルド８４を本体部材８６内に形成した点を除けば、この熱交換器８０は図３の熱交換器５０とほぼ同じ構成である。クロスオーバー部材８８には、流路を構成する（ここでも同様に図４ではリブのように見える）上下が逆になった溝９０を横断方向に形成するだけでよい。入り口マニホルド８２および出口マニホルド８４は上部スロット９２、９４を有し、中心の平面部分９６に面した溝９０は、スロット９２、９４の上でかつ入り口マニホルド８２と出口マニホルド８４との間に配設され、中央の平面部分９６の全体にわたって流体または燃料を流すように構成する。溝９０の幅については、熱交換器８０の全長にそって変更することができる。例えば、熱交換器８０の入り口および出口に近接配置した溝９０の場合、幅を狭くし、入り口と出口との間で流れが短絡する傾向を抑えることができる。あるいは、特に熱交換器の入り口および出口に近い溝９０にエキスパンドメタル製のタービュライザーを設けてもよい。
【００２３】
所望ならば、スロット９２、９４代わりに、マニホルド８２、８４に連絡する長手方向に離間した、横断方向孔（例えば、図１０を参照）、あるいは孔と溝を組み合わせた構成を設けてもよい。さらに、孔の大きさを変更するか、あるいは離間間隔を変更するか、あるいは本体部材８６にそう位置を変更すると、熱交換器全長にそってマニホルド８２、８４間の横断流れを調節することができる。この場合、これら孔に合わせて、流路９０の間隔または大きさを調節することができる。
【００２４】
入り口管状体９８、１００に設けた長手方向凸条部（リブまたはタブ）１０２をスロット９２、９４の端部に差し込み、本体部材８６と液密接続する。図６に示すように、また以下に詳しく説明するように、シムを利用する場合には、リブ１０２は必要ない。また、クロスオーバー部材８８に溝９０を形成する代わりに、クロスオーバー部材８８に一つの大きな溝または凹部を設けてもよい。この場合、一つの大きな溝９０がプレート８８と中央の平面部分９６との間に形成する孔部にひとつかそれ以上のエキスパンドメタル製のタービュライザーを設けることが有利である。あるいは、クロスオーバー部材８８として、中央の平面部分９６に接触するように、下向きに形成したディンプルを形成したディンプルプレートを使用してもよい。タービュライザーまたはディンプルの配設密度または間隔を変更すると、入り口マニホルド８２と出口マニホルド８４との間のクロスオーバー流れの分布を変えることができる。以上の点を除けば、熱交換器８０の構成は図３の熱交換器５０とほぼ同じである。また、管状体９８、１００についても、一つの管状体が各マニホルド８２、８４に位置するように、熱交換器８０の両端に配設することができる。
【００２５】
次に、図５について説明する。本発明のさらに別な好適な実施態様による熱交換器を参照符号１０４で示す。この熱交換器１０４の場合、本体部材は、２つの部分１０６、１０８で構成する。即ち、中央の平面部分１１０、１１２を隣接配置した状態で、これら部分１０６、１０８を積層する。同様に、クロスオーバー部材についても、２つの部分またはプレート１１４、１１６で構成する。内部に流路を構成することになる横断方向溝１１８（図５でも同様にリブのように見える）を形成した点で、クロスオーバー部材プレート１１４、１１６は、図４のクロスオーバー部材８８と構成が同じである。これらクロスオーバー部材プレート１１４、１１６については、それぞれの溝１１８が中央の平面部分１１０、１１２に面するように配設する。図４の実施態様における入り口マニホルド８２の場合と同様に、２つの本体部材部分１０６、１０８のうちの一つに入り口マニホルド１２０を形成し、そして図４の実施態様における出口マニホルド８４の場合と同様に、２つの本体部材部分１０６、１０８のうちの他方に出口マニホルド１２２を形成する。クロスオーバー部材プレート１１４、１１６の溝１１８の、入り口マニホルド１２０および出口マニホルド１２２からは離間した位置に移送開口１２４を形成し、クロスオーバー部材プレート１１４、１１６間に熱交換流体を移送する。以上の点を別にすれば、熱交換器１０４の構成は図４の熱交換器８０とほぼ同じである。従って、管状体１２６を介してマニホルド１２０に流入した流体は、流路１１８を通って中央の平面部分１１０に流れ、次に開口１２４を通って熱交換器１０４の下半分の流路１１８に戻り、中央の平面部分１１２に達し、ここから出口管状体１２８に出ることになる。
【００２６】
図６に、図４または図５のいずれかに示した実施態様の入り口または出口に使用することができる管状体１３０の別な実施態様を示す。この管状体１３０は、図３の管状体７４、７６によく似たニップル１３２と、シム１３４とをもつ。シム１３４の管状部分１３６が、管状体１３２を受け取り、マニホルド８２または８４の端部に滑り嵌めする。シム１３４に、スロット９２、９４の端部を密封するタブ部分１３８を形成すると、管状体とマニホルド８２、８４との間を液密接続することができる。シム１３４については、両面にクラッド充填材になるブレージングクラッドアルミニウムまたはブレージングシートで構成するのが好ましく、このように構成すると、シム１３４が、ニップル１３２に対して液密継ぎ手またはシールを与える充填材源になる。あるいは、シム１３４は、充填材金属箔で構成してもよく、これでシム１３４を被覆してもよい。
【００２７】
図７に、入り口管状体または出口管状体を備えていない、入り口マニホルドおよび出口マニホルドの開放端部を密封するために、図３、図４または図５の実施態様のいずれかに使用できるプラグ１４０を示す。このプラグ１４０は、スロット９２、９４の端部を密封するタブ部分１４２を備えている。プラグ１４０については、入り口マニホルドおよび出口マニホルドに接触する充填材金属クラッドを少なくとも片面に形成したブレージングシートで構成するのが好ましい。
【００２８】
充填材金属クラッドまたは充填材金属箔をブレージングシートに使用し、シム１３４およびプラグ１４０を構成する代わりに、充填材金属線材プレフォームを使用することも可能である。また、この充填材金属線材プレフォームはシム１３４の代わりにもなる。
【００２９】
図８は、以上説明してきた各種クロスオーバー部材に使用できるクロスオーバー部材１４４の別な構成を示す概略図である。例えば、図１および図２に示した実施態様における第１プレートとしてクロスオーバー部材１４４を使用することができる。この場合、流路１４６は、クロスオーバープレート１４４の角度付きのスロットが構成することになる。図４および図５に示した実施態様では、流路１４６は、プレート部材１４４に形成した角度付き溝で構成されることになる。このプレート１４４の入り口側は、矢印１４８で示してある。
【００３０】
図９は、縦横に交錯する角度付き流路１５２、１５４をもつ２つの重なりあうプレートで構成したクロスオーバー部材１５０を示す、図８と同様な概略図である。図１および図２に示す実施態様にこのクロスオーバー部材１５０を使用した場合、上記プレート２６および３０の位置をクロスオーバー部材１５０が占めることになる。この場合にも、第３プレート即ちカバープレート３６は必要である。入り口開口３８および出口開口４０については、クロスオーバープレート１５０の両角部に設けるのが好ましい。
【００３１】
また、図４および図５に示す実施態様に上記クロスオーバー部材１５０を使用した場合、流路が斜めになることを除けば、クロスオーバー部材８８、１１４および１１６とほぼ同様に、流路１５２を構成する溝を形成した一体シートで最も上のプレートを構成することになる。ここでも同様に、クロスオーバー部材１４４、１５０の流路の幅または間隔を変更すると、各熱交換器内部の流れの分布を変えることができる。
【００３２】
次に、図１０について説明する。本発明熱交換器のさらに別な好適な実施態様を参照符号１５６で示す。本体部材１５８が、それぞれ入り口マニホルド１６６および出口マニホルド１６８に連絡する複数の離間開口１６２、１６４をもつ中央の平面部分１６０を備えている点を除けば、この熱交換器１５６は図４に示した実施態様と同じである。クロスオーバー部材１７０に蛇行溝即ち流路１７２を形成する。各蛇行溝は、それぞれ入り口開口１６２および出口開口１６４に連絡する入り口端部部分１７４および出口端部部分１７６をもつ。図示の各蛇行流路１７２は、３つのパス即ち長さをもつが、パスの数は５、７、９などの奇数であればよく、入り口開口１６２と出口開口１６４間のパス数についてはこれ以上であってもよい。また、流路には、異なる数の流路が存在していてもよい。流路の幅だけでなく開口１６２、１６４の直径についても、熱交換器１５６内部の流れ分布を変更できるように、変更することができる。
【００３３】
熱交換器１０、５０、８０、１０４および１５６を製作する方法の第１工程は、本体部材を押し出し成形し、中央の平面部分とこの平面部分の一側面から突出する離間フィンを延設する工程である。次に、図１に示すようにプレートをスタンプ加工するか、あるいは図３、４、５および１０に示すタイプのプレートをスタンプ加工または圧延加工することによってクロスオーバー部材を成形する。いずれの場合も、本体部分および/またはクロスオーバー部材に、一対の離間流れマニホルドが形成され、複数の横断方向流路が流れマニホルド間に延設されることになる。次に、入り口管状体および出口管状体を所定の位置に設け、各構成部材を取り付ける。流れマニホルド、流路、入り口管状体および出口管状体が中央の平面部分に連絡し、熱交換器を流れる流体と、本体部材のフィンの作用を受ける空気などの流体との間で熱交換を行なう。
【００３４】
以上、本発明の好適な実施態様を説明してきたが、説明してきた構成には各種の変更を加えることができる。例えば、図示の熱交換器には長手方向フィンを形成し、クロスオーバー部材によって横断方向流路を形成している。これは、十字流形熱交換器を構成するものであるが、クロスオーバー部材の流路をフィンと同じ方向に向けて配設することも可能である。この場合には、平行流形熱交換器が得られる。以上説明した熱交換器は形状が長方形か細長い形状であるが、正方形として構成することも可能である。また、熱交換器を使用する流体回路に熱交換器を取り付けるために、異なるタイプの管状体を使用でき、上記以外の位置にこれら管状体を設けることも可能である。さらに、用途に応じて、上記各構成成分の寸法を変更することもできる。
【００３５】
以上の説明から当業者にとっては明らかなように、本発明を実施するさいには、本発明の範囲から逸脱しなくても各種の変更などが可能である。以上の好適な実施態様に関する説明は例示のみを目的とし、本発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、例示のみを目的として、本発明の好適な実施態様を説明するものである。
【図１】 本発明熱交換器を一つの好適な実施態様を示す斜視図である。
【図２】 図１に示した熱交換器を左端の拡大展開斜視図である。
【図３】 本発明の別な好適な実施態様を示す、図２と同様な展開斜視図である。
【図４】 本発明熱交換器のさらに別な好適な実施態様を示す、図２および図３と同様な展開斜視図である。
【図５】 本発明熱交換器のさらに別な好適な実施態様を示す、図２〜４と同様な展開斜視図である。
【図６】 本発明の各種実施態様における管状体/シムの構成を示す斜視図である。
【図７】 本発明の各種実施態様におけるマニホルド端部プラグの構成を示す斜視図である。
【図８】 本発明に使用する角度付きクロスオーバー部材流路を示す概略図である。
【図９】 角度付き十字流路を備えた積層プレートをもつクロスオーバー部材を示す概略図である。
【図１０】 本発明熱交換器のさらに別な実施態様を示す展開斜視図である。
【符号の説明】
１０：熱交換器
１２：本体部材
１４：中央平面部分
１６：第１側面
１８：第２側面
２０：フィン
２４：クロスオーバー部材
２６：第１プレート
２８：スロット

Claims (13)

1. 第１側面および第２側面を有する中央の平面部分と、これら第１側面および第２側面の一つの側面から突出する複数の離間フィンとを有する細長い延伸した本体部材と、本体部材に少なくとも部分的に形成された離間入り口マニホルドおよび出口マニホルドと、これら第１側面および第２側面の他方の側面に接続され、その中央の平面部分全体にわたって熱交換流体が流れる流路を形成するクロスオーバー部材とを有し、この流路がこれら入り口マニホルドおよび出口マニホルドにそれぞれ連絡する入り口端部分および出口端部部分とを有し、このクロスオーバー部材がこの流路を形成する溝を内部に形成したプレートであり、この溝がこの中央平面部分に対向し、これら入り口マニホルドおよび出口マニホルドにそれぞれ入り口管状体および出口管状体を液密状態で挿入して連絡させたことを特徴とする熱交換器。
2. 前記クロスオーバー部材に入り口マニホルドセクションおよび出口マニホルドセクションを形成し、これらマニホルドセクションをそれぞれの本体部材マニホルドセクションの上に配設するとともに連絡して熱交換器の入り口マニホルドおよび出口マニホルドを形成した請求項１記載の熱交換器。
3. 前記流路が前記それぞれの入り口端部部分と出口端部部分との間で蛇行流路を形成する請求項１記載の熱交換器。
4. 前記入り口マニホルドおよび出口マニホルドを本体部材に対して長手方向に向けた請求項３記載の熱交換器。
5. 前記流路を横断方向に向け、前記入り口マニホルドおよび出口マニホルドを前記本体部材に対して長手方向に向けた請求項３記載の熱交換器。
6. 前記クロスオーバー部材が前記中央平面部分の全体にわたって熱交換流体が流れる複数の流路を形成し、各流路がそれぞれ前記入り口マニホルドおよび出口マニホルドに連絡する入り口端部部分および出口端部部分を有する請求項１記載の熱交換器。
7. 前記クロスオーバー部材に一対の長手方向離間溝を形成し、前記入り口マニホルド部分および出口マニホルド部分を形成するとともに、上記クロスオーバー部材に前記長手方向溝間に連絡する横断方向離間溝を形成し、それによって前記流路を形成した請求項６記載の熱交換器。
8. 前記本体部材を２つの部分から構成し、それぞれの中央平面部分が近接するようにこれら２つの部分を積層し、前記中央平面部分間に前記クロスオーバー部材を配設した請求項１記載の熱交換器。
9. 前記クロスオーバー部材はそれぞれ流路を形成する溝をもつプレートで構成され、前記プレートはそれぞれの本体部材部分の中央平面部分に前記溝が面するように連続的に配設された請求項８記載の熱交換器。
10. 前記本体部材が押し出し成形部材であり、前記入り口マニホルドおよび出口マニホルドが前記本体部材に形成した長手方向流路であり、そして前記本体部材の中央平面部分が、それぞれの入り口マニホルドおよび出口マニホルドを前記クロスオーバー部材の流路に接続する開口を内部に有する請求項１記載の熱交換器。
11. 中央平面部分とこの中央平面部分の一つの側部から突出する離間フィンを有する本体部材を押し出し成形する工程と、この本体部材に一対の離間マニホルドを形成する工程と離間マニホルドに連絡する中央平面部分に離間開口部を形成する工程と、内部に流路を形成した溝をもつプレートを備えたクロスオーバー部材を形成する工程と、前記離間マニホルドおよび流路が相互に前記開口部を通じて連絡するように前記クロスオーバー部材を前記中央平面部分に取り付ける工程と、離間マニホルドの一方に入り口管状体およびその他方に出口管状体を液密状態で挿入して連絡する工程とを有することを特徴とする熱交換器の製作方法。
12. 前記フィンは細長い流路を形成し、前記マニホルドは前記フィンと同じ方向に中央部分から横方向に突出し、前記クロスオーバー部材は離間入り口端部部分および出口端部部分を有する流れ通路を形成する流路を有するように形成され、且つ、前記クロスオーバー部材は前記入り口端部部分および出口端部部分が前記各入り口流れマニホルドおよび出口流れマニホルドと連絡するように取り付けられる請求項１１記載の方法。
13. 前記クロスオーバー部材に形成された各流路は内部に蛇行溝を形成することによって構成される請求項１２記載の方法。

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