JP4238565B2 - 真空蒸着装置及び蒸着フィルム製造方法 - Google Patents

真空蒸着装置及び蒸着フィルム製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、素材フィルム表面に蒸着層を形成して蒸着フィルムを製造するための真空蒸着装置及び蒸着フィルム製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルムシート状の紙やプラスチック等からなる素材フィルムに対し、ガスバリア性や防湿性を持たせるように、真空中で金属等の蒸着層を素材フィルム表面に形成可能な真空蒸着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の真空蒸着装置は、通常、次の(1)〜(3)のように動作する。
(1)真空中で巻出しロールから巻き出した素材フィルムを適宜、テンションロールを介して入側ガイドロールからコーティングロールに導入する。
(2)コーティングロール上で蒸着層を素材フィルム表面に形成する。
(3)コーティングロールから導出された蒸着フィルム表面の蒸着層を出側ガイドロールで押さえながら、当該蒸着フィルムを適宜、テンションロールを介して巻取りロールに巻き取らせる。
【0004】
ここで、巻出し及び巻取りロール、コーティングロール及びテンションロールは、それぞれ図示しないモータにより回転が制御されている。それ以外の各ロールは、フィルムの移動に応じて回転するフリーロールになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−279843号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような真空蒸着装置では、通常は何の問題もないが、本発明者の検討によれば、次のような点で改良の余地があると考えられる。
【0007】
例えば、蒸着フィルムが巻取りロールに巻き取られるまでの間に、蒸着フィルム表面の蒸着層が各ロールに擦られ、蒸着層に傷が入る可能性がある点である。仮に蒸着層に傷が入ると、ガスバリア性や防湿性といった蒸着層の性能が不十分になる恐れがある。このため、蒸着層に傷が入る可能性がある点を解消するように、改良する余地があると考えられる。
【0008】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、蒸着層に傷が入る可能性を解消でき、蒸着層の性能を十分に実現し得る真空蒸着装置及び蒸着フィルム製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に対応する発明は、真空中で巻出しロールから巻き出した素材フィルムを入側ガイドロールからコーティングロールに導入し、このコーティングロール上で蒸着層を素材フィルム表面に形成し、前記コーティングロールから導出された蒸着フィルム表面の蒸着層を出側ガイドロールで押さえながら当該蒸着フィルムを巻取りロールに巻き取らせる真空蒸着装置であって、前記コーティングロールの外周速度v1と前記出側ガイドロールの外周速度v2とをv1=v2となるように同調させるための同調手段、を備えており、前記同調手段としては、前記コーティングロールの回転軸を回転中心とする第1歯車と、前記出側ガイドロールの回転軸を回転中心とする第2歯車と、前記第1歯車の回転を前記第2歯車に伝達するための偶数個の中間歯車と、を備え、前記第1歯車、前記第2歯車及び前記各中間歯車の歯数としては、前記コーティングロールの半径をr1とし、前記出側ガイドロールの半径をr2としたとき、前記第1歯車の単位時間当りの回転数n1と前記第2歯車の単位時間当りの回転数n2とがn2=n1(r1/r2)の関係をもつように設けられている真空蒸着装置である。
【0011】
さらに、請求項2に対応する発明は、真空中で巻出しロールから巻き出した素材フィルムを入側ガイドロールからコーティングロールに導入し、このコーティングロール上で蒸着層を素材フィルム表面に形成し、前記コーティングロールから導出された蒸着フィルム表面の蒸着層を出側ガイドロールで押さえながら当該蒸着フィルムを巻取りロールに巻き取らせる真空蒸着装置であって、前記コーティングロールの外周速度v1と前記出側ガイドロールの外周速度v2とをv1=v2となるように同調させるための同調手段、を備えており、前記同調手段としては、前記コーティングロールの半径r1をk倍(0.4<k≦1)した半径r1’を有し、当該コーティングロールの回転軸を回転中心とする第1ベルト車と、前記出側ガイドロールの半径r2を前記k倍した半径r2’を有し、当該出側ガイドロールの回転軸を回転中心とする第2ベルト車と、前記第1ベルト車の回転を前記第2ベルト車に伝達するためのベルトと、を備えた真空蒸着装置である。
【0013】
一方、請求項3,4に対応する発明は、請求項1,2に対応する真空蒸着装置を蒸着フィルム製造方法として表現したものである。
【0014】
(作用)
従って、請求項1〜4に対応する発明は、同調手段18が、コーティングロール14の外周速度v1と出側ガイドロール15の外周速度v2とをv1=v2とすることにより、蒸着フィルムf2表面の蒸着層が出側ガイドロール15に擦れないため、蒸着層に傷が入る可能性を解消でき、蒸着層の性能を十分に実現させることができる。
【0015】
また、請求項1,3に対応する発明は、同調手段が第1歯車、第2歯車及び中間歯車により構成されるので、容易且つ確実に、前述した作用を奏することができる。
【0016】
さらに、請求項2,4に対応する発明は、同調手段が第1ベルト車、第2ベルト車及びベルトにより構成されるので、容易且つ確実に、前述した作用を奏することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態は、蒸着層に傷が入る可能性を解消する観点から、コーティングロールの外周速度v1と出側ガイドロールの外周速度v2とをv1=v2とするための同調手段を設けたものである。
【0019】
すなわち、本発明者の検討によれば、蒸着層に傷が入る状況は、形成された蒸着層が最初に接する出側ガイドロールの外周速度v2がコーティングロールの外周速度v1よりも遅い場合に、蒸着層が出側ガイドロールに擦れて生じるからである。このため、各実施形態は、いずれも蒸着層が出側ガイドロールに擦れないようにするための同調手段を備えた点で共通し、同調手段の構成が異なる点で相違している。以下、順に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る真空蒸着装置の構成を模式的に示す断面図であり、図2はこの真空蒸着装置の一部を示す模式図である。この真空蒸着装置1は、紙又はプラスチック等の素材フィルムf1の表面に、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等の蒸着層を形成して、ガスバリア性や防湿性を有する蒸着フィルムf2を製造するものである。図示するように、隔壁2を介して導入出部10及び蒸着室20が互いに隔てられている。
導入出部10は、素材フィルムf1を蒸着室20に導入し、蒸着フィルムf2を蒸着室20から導出するための部屋であり、巻出ロール11、入側テンションロール12、入側ガイドロール13、コーティングロール14、出側ガイドロール15、出側テンションロール16、巻取りロール17及び同調手段18を備えている。
【0021】
巻出ロール11は、予め素材フィルムf1が巻かれており、蒸着フィルムの製造時に、この素材フィルムf1が入側テンションロール12に巻き出されるものである。
【0022】
入側テンションロール12は、任意の巻出経路上に適宜、複数個(図示せず)が配置され、巻出ロール11から巻き出された素材フィルムf1の張力を調整しつつ、入側ガイドロール13に導出するものである。
【0023】
入側ガイドロール13は、コーティングロール14の近傍に配置され、入側テンションロール12から導出された素材フィルムf1をコーティングロール14に案内しながら導出するものである。
【0024】
コーティングロール14は、一部が蒸着室20内のルツボ21に対向するように配置され、入側ガイドロール13から導出された素材フィルムf1を蒸着室20内に導出し、素材フィルムf1表面に蒸着層が形成されてなる蒸着フィルムf2を出側ガイドロール15に導出するものである。なお、コーティングロール14、図示しない制御装置から回転数(毎分)等が制御されることにより、結果として外周速度v1で回転可能となっている。
【0025】
出側ガイドロール15は、コーティングロール14の近傍に配置され、蒸着フィルムf2がコーティングロール14から導出された後に最初に蒸着層表面が接するロールであり、この蒸着フィルムf2を出側テンションロール16に導出するものである。
【0026】
ここで、コーティングロール14の近傍とは、例えば15mm〜50mmの範囲内であるが、これに限らず、50mm〜100mmの範囲内としてもよい。また、本明細書中の真空蒸着装置10は、同調手段18の説明に不要なものはその記載を省略している。
【0027】
また、出側ガイドロール15は、同調手段18から制御され、コーティングロール14の外周速度v1と同じ外周速度v2を有して回転することにより、蒸着フィルムf2の蒸着面に傷を付けずに、蒸着フィルムf2を出側テンションロール16に導出するものとなっている。
【0028】
出側テンションロール16は、任意の巻取り経路上に適宜、複数個(図示せず)が配置され、出側ガイドロール15から導出された蒸着フィルムf2の張力を調整しつつ、巻取りロール17に導出するものである。
【0029】
巻取りロール17は、出側テンションロール16から導出された蒸着フィルムf2が巻き取られるものである。
【0030】
同調手段18は、コーティングロール14の外周速度v1と、出側ガイドロール15の外周速度v2とをv1=v2となるように同調させるためのものであり、例えば、次の(a)〜(c)に示す方式などが使用可能となっている。
【0031】
(a)歯車を介して同調させる構成であり、例えば平歯車、はすば歯車、かさ歯車、ねじ歯車、ウォームとウォームホイールなどの任意の歯車が適宜、用いられる。
【0032】
(b)ベルトを介して同調させる方式で、例えばVベルト、タイミングベルト又は歯付ベルト等の任意のベルトが用いられる。なお、ベルトに限らず、チェーンを用いてもよい。
【0033】
(c)モータを制御する方式であり、例えばコーティングロール14のモータM1とは別に設けられ、出側ガイドロール15を回転させるモータM2と、このモータM2の回転を制御するモータ制御部とが用いられる。
【0034】
蒸着室20は、蒸着材料を保持するルツボ21を収容し、図示しない電子銃などの蒸発手段により、ルツボ21内の蒸着材料を蒸発させ、コーティングロール14により導入される素材フィルムf1の表面に蒸着層を形成するための部屋である。
【0035】
なお、蒸着室20に用いられる蒸着方式は、PVD(physical vapor deposition: 物理蒸着法)方式及びCVD(chemical vapor deposition: 化学蒸着法)方式のいずれの方式としてもよい。PVD方式としては、抵抗加熱、誘導加熱及び電子線加熱等のいずれかの方式としてもよい。
【0036】
次に、以上のように構成された真空蒸着装置による蒸着フィルムの製造方法を説明する。
真空蒸着装置1においては、真空中で巻出しロール11から巻き出した素材フィルムf1を入側テンションロール12を介して入側ガイドロール14からコーティングロール14に導入する。
コーティングロール14は、この素材フィルムf1を蒸着室20に導入し、素材フィルムf1表面に蒸着層が形成されてなる蒸着フィルムf2を出側ガイドロール15に導出する。
【0037】
出側ガイドロール15は、この蒸着フィルムf2表面の蒸着層を押さえながら、当該蒸着フィルムf2を出側テンションロール16に導出する。
【0038】
このとき、同調手段18により、コーティングロール14の外周速度v1と、出側ガイドロール15の外周速度v2とがv1=v2となるように同調されている。
【0039】
これにより、形成後の蒸着層を導出する速度v1と、蒸着層に最初に接して蒸着層を押さえるロール15の速度v2とが一致することにより、蒸着層が出側ガイドロール15に擦れることが無いので、蒸着層に傷を付けずに蒸着フィルムf2を出側テンションロール16に導出できる。
【0040】
以下同様に、出側テンションロール16は、導出された蒸着フィルムf2を巻取りロール17に導出し、巻取りロール17はこの蒸着フィルムf2を順次巻き取る。しかる後、巻出ロール11の全ての素材フィルムf1を蒸着室を通して蒸着フィルムf2に形成し、巻取りロール17に巻き取った時点で、巻取りロール17単位の蒸着フィルムf2の製造が完了する。
【0041】
上述したように本実施形態によれば、同調手段18が、コーティングロール14の外周速度v1と出側ガイドロール15の外周速度v2とをv1=v2とすることにより、蒸着フィルムf2表面の蒸着層が出側ガイドロール15に擦れないため、蒸着層に傷が入る可能性を解消でき、蒸着層の性能を十分に実現させることができる。
【0042】
(第2の実施形態)
図3は本発明の第2の実施形態に係る真空蒸着装置に適用される同調手段の一例を示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。なお、以下の各実施形態も同様にして重複した説明を省略する。
【0043】
すなわち、本実施形態は、第1の実施形態の具体例であり、同調手段18を(a)歯車により実現した構成となっている。
【0044】
係る同調手段18は、コーティングロール14の回転軸を回転中心とする第1歯車a1と、出側ガイドロール15の回転軸を回転中心とする第2歯車a2と、第1歯車a1の回転を第2歯車a2に伝達するための2個の中間歯車a3,a4とを備えている。
【0045】
ここで、各歯車a1〜a4としては、平歯車を用いたが、これに限らず、前述したように任意の歯車が適用可能となっている。
【0046】
また、中間歯車a3,a4の個数は、2個に限らず、任意の偶数個であればよい。偶数個の理由は、コーティングロール14と出側ガイドロール15との回転方向の関係(互いに逆回転)を変えない意味であり、この意味を満たすならば特殊な配置により奇数個にしてもよい。なお、この偶数個は0をも含んでいる(中間歯車a3,a4を省略し、第1歯車a1が直接、第2歯車a2に回転力を伝達する構成に変形してもよい)。
【0047】
また、第1歯車a1、第2歯車a2及び各中間歯車a3,a4の歯数は、コーティングロール14の半径をr1とし、出側ガイドロール15の半径をr2としたとき、第1歯車a1の単位時間当りの回転数n1と第2歯車a2の単位時間当りの回転数n2とがn2=n1(r1/r2)の関係をもつように設定されている。
【0048】
以上のような構成としても、コーティングロール14の外周速度v1と出側ガイドロール15の外周速度v2とをv1=v2となるように同調させることができるので、第1の実施形態の効果を得ることができる。
【0049】
(第3の実施形態)
図4は本発明の第3の実施形態に係る真空蒸着装置に適用される同調手段の一例を示す模式図である。
すなわち、本実施形態は、第1の実施形態の具体例であり、同調手段18を(b)ベルトにより実現した構成となっている。
【0050】
係る同調手段18は、第1ベルト車b1、第2ベルト車b2及びベルトb3を備えている。
第1ベルト車b1は、コーティングロール14の半径r1をk倍(例、0.4<k≦1)した半径r1’を有し、当該コーティングロール14の回転軸を回転中心に回転するものである。
【0051】
第2ベルト車b2は、出側ガイドロール15の半径r2を上記k倍した半径r2’を有し、当該出側ガイドロール15の回転軸を回転中心にして回転するものである。
【0052】
ここで、両ベルト車b1,b2の半径r1’,r2’を同一値kを用いて設計した理由は、両ベルト車b1,b2と、両ロール14,15とを互いに相似形にすることにより、容易且つ確実に、両ロール14,15の外周速度v1,v2をv1=v2に同調させるためである。
【0053】
ベルトb3は、第1ベルト車b1の回転力を第2ベルト車b2に伝達するものであり、前述したように任意のベルトが適用可能となっている。
【0054】
以上のような構成としても、コーティングロール14の外周速度v1と出側ガイドロール15の外周速度v2とをv1=v2となるように同調させることができるので、第1の実施形態の効果を得ることができる。
【0055】
(第4の実施形態)
図5は本発明の第4の実施形態に係る真空蒸着装置に適用される同調手段の一例を示す模式図である。
すなわち、本実施形態は、第1の実施形態の具体例であり、同調手段18を(c)モータ制御により実現した構成となっている。
【0056】
係る同調手段18は、モータM2、第1回転計c1、第2回転計c2及びモータ制御部c3を備えている。
ここで、モータM2は、コーティングロール14を回転させる既存のモータM1とは独立に設けられ、モータ制御部c3から制御され、出側ガイドロール15を回転させるためのものである。
【0057】
第1回転計c1は、コーティングロール14の単位時間当りの回転数n1を測定し、得られた回転数n1をモータ制御部c3に送出するものである。
【0058】
第2回転計c2は、出側ガイドロール15の単位時間当りの回転数n2’を測定し、得られた回転数n2’をモータ制御部c3に送出するものである。
【0059】
モータ制御部c3は、第1回転計c1から受けた回転数n1及び第2回転計c2から受けた回転数n2’に基づいて、出側ガイドロール15の単位時間当りの回転数n2をn2=n1(r1/r2)とするように、モータM2を制御する機能をもっている。
【0060】
以上のような構成としても、コーティングロール14の外周速度v1と出側ガイドロール15の外周速度v2とをv1=v2となるように同調させることができるので、第1の実施形態の効果を得ることができる。
【0061】
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0062】
例えば第4の実施形態の場合、モータ制御部c3は、回転数n1を第1回転計c1から得る場合に限らず、既存のモータM1のモータ制御部(図示せず)から得る構成としてもよい。
【0063】
また、回転数n1は、ここでは測定値としたが、これに限らず、設定値に変形してもよい。さらに、第1回転計c1は、コーティングロール14の単位時間当りの回転数n1と、モータM1の回転数とが等しい場合(ロール14とモータM1の回転軸が共通の場合)、モータM1の回転数を測定するものに変形してもよい。また、回転数n1の変形例は、回転数n2でも同様に適用可能である。
【0064】
また、各回転計c1,c2は、回転数n1,n2を測定するものに限らず、各ロール14,15の外周速度v1,v2を直接測定するものに変形してもよい。この場合、モータ制御部c3もn2=n1(r1/r2)の式に代えて、v1=v2の式を用いる構成に変形すればよい。
【0065】
以上のような種々の変形は、第4の実施形態に限らず、第1乃至第3の実施形態でも同様に考えられる。
また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0066】
その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、蒸着層に傷が入る可能性を解消でき、蒸着層の性能を十分に実現し得る真空蒸着装置及び蒸着フィルム製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係る真空蒸着装置の構成を模式的に示す断面図
【図2】同実施形態における真空蒸着装置の一部を示す模式図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る真空蒸着装置に適用される同調手段の一例を示す模式図
【図4】本発明の第3の実施形態に係る真空蒸着装置に適用される同調手段の一例を示す模式図
【図5】本発明の第4の実施形態に係る真空蒸着装置に適用される同調手段の一例を示す模式図
【符号の説明】
1…真空蒸着装置
2…隔壁
10…導入出部
11…巻出ロール
12…入側テンションロール
13…入側ガイドロール
14…コーティングロール
15…出側ガイドロール
16…出側テンションロール
17…巻取りロール
18…同調手段
20…蒸着室
21…ルツボ
f1…素材フィルム
f2…蒸着フィルム
v1,v2…外周速度
a1…第1歯車
a2…第2歯車
a3,a4…中間歯車
b1…第1ベルト車
b2…第2ベルト車
b3…ベルト
M1,M2…モータ
c1,c2…回転計
c3…モータ制御部

Claims (4)

  1. 真空中で巻出しロールから巻き出した素材フィルムを入側ガイドロールからコーティングロールに導入し、このコーティングロール上で蒸着層を素材フィルム表面に形成し、前記コーティングロールから導出された蒸着フィルム表面の蒸着層を出側ガイドロールで押さえながら当該蒸着フィルムを巻取りロールに巻き取らせる真空蒸着装置であって、
    前記コーティングロールの外周速度v1と前記出側ガイドロールの外周速度v2とをv1=v2となるように同調させるための同調手段、
    を備えており、
    前記同調手段は、
    前記コーティングロールの回転軸を回転中心とする第1歯車と、
    前記出側ガイドロールの回転軸を回転中心とする第2歯車と、
    前記第1歯車の回転を前記第2歯車に伝達するための偶数個の中間歯車と、
    を備え
    前記第1歯車、前記第2歯車及び前記各中間歯車の歯数は、前記コーティングロールの半径をr1とし、前記出側ガイドロールの半径をr2としたとき、前記第1歯車の単位時間当りの回転数n1と前記第2歯車の単位時間当りの回転数n2とがn2=n1(r1/r2)の関係をもつように設けられていることを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 真空中で巻出しロールから巻き出した素材フィルムを入側ガイドロールからコーティングロールに導入し、このコーティングロール上で蒸着層を素材フィルム表面に形成し、前記コーティングロールから導出された蒸着フィルム表面の蒸着層を出側ガイドロールで押さえながら当該蒸着フィルムを巻取りロールに巻き取らせる真空蒸着装置であって、
    前記コーティングロールの外周速度v1と前記出側ガイドロールの外周速度v2とをv1=v2となるように同調させるための同調手段、
    を備えており、
    前記同調手段は、
    前記コーティングロールの半径r1をk倍(0.4<k≦1)した半径r1’を有し、当該コーティングロールの回転軸を回転中心とする第1ベルト車と、
    前記出側ガイドロールの半径r2を前記k倍した半径r2’を有し、当該出側ガイドロールの回転軸を回転中心とする第2ベルト車と、
    前記第1ベルト車の回転を前記第2ベルト車に伝達するためのベルトと、
    を備えたことを特徴とする真空蒸着装置。
  3. 真空中で巻出しロールから巻き出した素材フィルムを入側ガイドロールからコーティングロールに導入し、このコーティングロール上で蒸着層を素材フィルム表面に形成し、前記コーティングロールから導出された蒸着フィルム表面の蒸着層を出側ガイドロールで押さえながら当該蒸着フィルムを巻取りロールに巻き取らせる蒸着フィルム製造方法であって、
    前記コーティングロールの外周速度v1と前記出側ガイドロールの外周速度v2とをv1=v2となるように同調させるための同調工程、
    を備えており、
    前記同調工程は、
    前記コーティングロールの回転軸を回転中心に第1歯車が回転する工程と、
    この第1歯車の回転に応動して偶数個の中間歯車が回転する工程と、
    この複数個の中間歯車のうちの最終段の中間歯車の回転に応動して前記出側ガイドロールの回転軸を回転中心に第2歯車が回転する工程と、
    を備え
    前記第1歯車、前記第2歯車及び前記各中間歯車の歯数は、前記コーティングロールの半径をr1とし、前記出側ガイドロールの半径をr2としたとき、前記第1歯車の単位時 間当りの回転数n1と前記第2歯車の単位時間当りの回転数n2とがn2=n1(r1/r2)の関係をもつように設けられていることを特徴とする蒸着フィルム製造方法。
  4. 真空中で巻出しロールから巻き出した素材フィルムを入側ガイドロールからコーティングロールに導入し、このコーティングロール上で蒸着層を素材フィルム表面に形成し、前記コーティングロールから導出された蒸着フィルム表面の蒸着層を出側ガイドロールで押さえながら当該蒸着フィルムを巻取りロールに巻き取らせる蒸着フィルム製造方法であって、
    前記コーティングロールの外周速度v1と前記出側ガイドロールの外周速度v2とをv1=v2となるように同調させるための同調工程、
    を備えており、
    前記同調工程は、
    前記コーティングロールの半径r1をk倍(0.4<k≦1)した半径r1’を有する第1ベルト車が、前記コーティングロールの回転軸を回転中心に回転する工程と、
    この第1ベルト車の回転に応じてベルトが移動する工程と、
    前記出側ガイドロールの半径r2を前記k倍した半径r2’を有する第2ベルト車が、このベルトの移動に応じて前記出側ガイドロールの回転軸を回転中心に回転する工程と、
    を備えたことを特徴とする蒸着フィルム製造方法。
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