JP4236062B2 - スプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ - Google Patents

スプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ Download PDF

Info

Publication number
JP4236062B2
JP4236062B2 JP37335798A JP37335798A JP4236062B2 JP 4236062 B2 JP4236062 B2 JP 4236062B2 JP 37335798 A JP37335798 A JP 37335798A JP 37335798 A JP37335798 A JP 37335798A JP 4236062 B2 JP4236062 B2 JP 4236062B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
armature
spring
pair
pin
armatures
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP37335798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000192997A (ja
Inventor
真弘 村瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Corp
Original Assignee
Nabtesco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabtesco Corp filed Critical Nabtesco Corp
Priority to JP37335798A priority Critical patent/JP4236062B2/ja
Publication of JP2000192997A publication Critical patent/JP2000192997A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4236062B2 publication Critical patent/JP4236062B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用ロボットやFAマシンの保持機構あるいは走行車の保安機構等として従来から用いられているスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキは、図3に示すように構成されていた。
同図において、1は断面コ字状の磁極を形成するヨークで、このヨーク1の凹所にコイル2が収納されている。3は回転軸、4はアーマチュアで、軸方向に可動するように支持軸6に摺動自在に取り付けられると共に、ばね7より左方側の第1のディスクプレート5へ圧着されている。
8は固定部で、支持軸6によりヨーク1に取り付けられている。
なお、ディスクプレート5は回転軸3にスプライン結合により取り付けられているものとする。
【0003】
上記構成において、図示の無励磁の状態では、ばね7のばね圧によりアーマチュア4はヨークより離れてディスクプレート5側に圧着され、ディスクプレート5は固定部8に圧着されているから、回転軸3にブレーキ力が付与されている。
次に、コイル2を励磁すると、アーマチュア4がヨーク1側に吸引されるので、アーマチュア4はディスクプレート5から離れてヨーク1に接触する位置までばね7のばね圧に抗して右方へ移動するので、ディスクプレート5も固定部8に対する圧着力がなくなるので、回転軸3に対するブレーキ力は解放される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキは、上述のように作動体であるアーマチュアが1個であったから、アーマチュア、作動用のばね及びコイルが破損した場合には、無励磁状態となってもブレーキ力が付与されないという問題があった。
このような事態が生じると、このようなスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキを停電時等の場合の保安装置として使用している用途では、安全上の問題を生じる恐れがあった。
また、このようなフェイルセーフ機能を薄型の構成で、しかも消費電力の少ない構成の無励磁作動型の電磁ブレーキで実現させることが要望されていた。
本発明は従来のもののこのような課題(問題点)を解決するようにしたスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキは、上記課題を解決するために、請求項1に記載のものでは、アウターヨークとインナーヨークとを非磁性体の連結体により連結した磁極体、この磁極体に収納された単一の励磁コイル、上記アウターヨーク及びインナーヨークの両側に軸方向に摺動自在に夫々配置された第1のアーマチュア、第2のアーマチュアより成る作動体となる1対のアーマチュア、上記磁極体を形成するアウターヨーク及びインナーヨークのそれぞれと上記第1のアーマチュアとに亙って装着された複数の第1のアーマチュア作動用ばね、及び、これらのアウターヨーク及びインナーヨークのそれぞれと上記第2のアーマチュアに亙って装着された複数の第2のアーマチュア作動用ばね、制動対象となる単一の回転軸、及び、上記1対のアーマチュアにそれぞれ軸方向の外側から対向し、上記単一の回転軸と一体に回転するよう設けられたディスクプレート等の1対の制動体、及び、上記1対の制動体の軸方向の外側に、それぞれ対向して設けられた固定部を備え、上記励磁コイルを励磁したときは、上記1対の各アーマチュアを上記アーマチュア作動用ばねのばね圧に抗してアウターヨーク及びインナーヨークの各対向面に吸引して上記単一の回転軸に対するブレーキ力を解放し、励磁コイルを消磁したときには、上記各アーマチュアを上記1対のアーマチュア作動用ばねにより上記アウターヨーク及びインナーヨークの対向面から離し、上記制動体をそれぞれ上記固定部と上記アーマチュアとの間に挟み込むことにより上記単一の回転軸にブレーキ力を付与するようにし、上記第1、第2のアーマチュア作動用ばねは、上記アウターヨーク及びインナーヨークの上記第1、第2のアーマチュアに向って開口する凹所に収納されるように構成した
【0007】
また、請求項に記載のように、上記1対の制動体は、単一の回転軸に基部をスプライン結合で取り付けられ、断面L状のディスクプレート及び断面逆L状のディスクプレートにより構成するのが望ましい。
【0008】
また、請求項に記載のように、上記断面L状のディスクプレート又は逆L状ディスクプレートに代えて、上端の両面にディスクを固着した薄板ばねの下端部に断面L状又は断面逆L状の単一の回転軸へスプライン結合により取り付けられる取付体を固着した構成とすることもできる。
【0009】
また、請求項に記載のように、上記したスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキに装備される手動操作のブレーキ解放機構を、上記1対のアーマチュアの一方とは軸方向に結合され、他方のアーマチュア及びアウターヨークには軸方向に摺動自在に設けた第1のピン、上記第1のピンの摺動自在に設けたアーマチュア側の部分に上記第1のピンに対して垂直方向に形成した丸穴に対して先端部がDカットされたDカット部分を挿着した第2のピン、上記第1のピンを軸方向に移動させるレバー、このレバーを操作するための操作体を備え、上記操作体の操作によりレバーを所定角度回動したときは、第1のピンを軸方向に駆動して第2のピンを所定角度回動することにより上記1対のアーマチュアを夫々対向する磁性体側に移動させて上記制動体との接触を解除し、単一の回転軸に対するブレーキ力を解放するような構成とすることができる。
この場合、請求項に記載のように、上記第1のピン及び第2のピンは、当該無励磁作動型電磁ブレーキのブレーキ本体の一方の側面側に設けられる上下1対のレバーの両端部に対してアウターヨークを軸方向に緩挿し、一方のアーマチュアには固着し、他方のアーマチュアには軸方向に緩挿するように設けるように各1対設けるように構成するのが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図1及び図2に示す本発明の一実施の形態に基づき、本発明を具体的に説明する。
図1(A)、(B)は夫々本発明を適用したスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキの半部縦断側面図で、この内、同図(A)はコイル励磁時の状態を、同図(B)はコイル無励磁時の状態を夫々示すものである。また、同図(C)はディスクプレートの代替手段の構成を示す側面図である。
また、図2は図1に示すスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキに装備されるのが望ましい手動操作のブレーキ解放機構の構成を示すもので、同図(A)はレバーとピンの関係を示すレバー側から見た正面図、同図(B)はピンに対するレバーの取り付け状態を示す要部拡大図、同図(C)はレバーとピンとの作動状態を説明するための要部拡大側面図、同図(D)はピンと第1及び第2のアーマチュア及びヨークとの関連を示す要部拡大縦断側面図である。
【0011】
まず、本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキの主要構成を図1(A)、(B)を用いて説明する。
同図において、10は本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキで、これは以下の部材から構成される。
即ち、11はアウターヨーク、12はインナーヨーク、13はアウターヨーク11とインナーヨーク12とが断面コ字状を形成するように連結するステンレス材等の非磁性体の連結体である。14は励磁コイルで、アウターヨーク11、連結体13及びインナーヨーク12により形成される環状の凹所15内に収納される。
16及び17は夫々1対となる第1及び第2のアーマチュアで、これらの第1及び第2のアーマチュア16及び17は夫々アウターヨーク11、インナーヨーク12の右方端面及び左方端面に夫々対向して設けられ、図1(B)に示すようにコイル14が無励磁のときは所定間隙を隔てて上記各ヨーク11、12に対して配置され、一方コイル14が励磁されたときは、図1(A)に示すように各ヨーク11、12に対接して配置される。
【0012】
18a及び18a′は夫々第1のアーマチュア作動用ばね、18b及び18b′は夫々アウターヨーク11及びインナーヨーク12内に第1のアーマチュア16に向かって開口される凹所で、第1のアーマチュア作動用ばね18a及び18a′は夫々凹所18b及び18b′に各作動用ばねの一方側を収納し、各作動用ばねの他方側を第1のアーマチュア16の各対向面に亙るように装着される。
なお、凹所18b及び18b′は、アウターヨーク11及びインナーヨーク12の円周方向に適当間隔を隔てて軸方向に複数個配置され、これに対応して作動用ばね18a、18a′も同数上記のように装着するのが望ましい。
19a及び19a′は夫々第2のアーマチュア作動用ばね、19b及び19b′は夫々アウターヨーク11及びインナーヨーク12内に第2のアーマチュア17に向かって開口される凹所で、これらの第2のアーマチュア作動用ばね19a及び19a′は夫々アウターヨーク11及びインナーヨーク12の円周方向に適当間隔を隔てて軸方向の配置される凹所19b及び19b′と第2のアーマチュア17の各対向面に亙って複数個装着される。
なお、各アーマチュア作動用ばねは、磁極体と対向するアーマチュア間に亙り装着される構成とすれば良く、前記した図1に示したコイルばね形式のものに限定されず、板ばね等を用い対向する各アーマチュアに亙ってばねを装着する構成としても良い。その場合には、上記の各アウターヨーク及びインナーヨークに形成する凹所を省くことができる。
【0013】
20は第1のディスクプレートで、第1のアーマチュア16に対向して配置されると共に、その非対向面は固定部22に対向し、また、その基部は回転軸21にスプライン結合により取り付けられる。このため図示のように断面逆L状に形成するのが望ましいが、この形状及び構成に限定されるものではない。
例えば、図1(C)に示すように図1(A)、(B)に示す第1のディスクプレート20に代えて、薄板ばね20a、この薄板ばね20aの上端の各側面に固着されるディスク20b1、20b2、回転軸21に対してスプライン結合で取り付けられる逆L状の取り付け部20c及び薄板ばね20aと取り付け部20cとを固着するビス20dより構成される第1のディスクプレート20Aで代替えしても良い.
23は第2のディスクプレートで、第2のアーマチュア16に対向して配置されると共に、その非対向面は固定部24に対向し、また、その基部は回転軸21にスプライン結合で取り付けられる。このため図示のように断面L状に形成するのが望ましいが、この形状に限定されるものではなく、図1(C)の第1のディスクプレート20Aに準じた構成も考えられる。なお、25は固定用のボルトである。
【0014】
本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキの主要構成は上記のように構成される。なお、手動操作のブレーキ解放用機構については、後述する。
上記構成において、図1(A)に示すようにコイル14の励磁状態では、破線で示すように磁束が流れて、第1及び第2のアーマチュア16及び17がアウターヨーク11及びインナーヨーク12の各対向面側に密着するように各ばね18a、18a′及び19a、19a′に抗して移動する。従って、第1及び第2のディスクプレート20及び23の固定部22及び24への圧着は解放されるので、回転軸3に対するブレーキ力は解放される。
次に、終業時や停電時のようにコイル14の無励磁状態では、図1(B)に示すように、前記の磁束従って吸引力が消滅するので、各ばね18a、18a′及び19a、19a′の圧着力により第1のアーマチュア16及び第2のアーマチュア17が夫々第1のディスクプレート20及び第2のディスクプレート23に密着するように移動され、第1及び第2のディスクプレート20及び23は対向する各固定部22及び24に圧着されるから、回転軸3に対してブレーキ力が付与される。
【0015】
本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキでは、上記のように作動体としてのアーマチュアを第1のアーマチュアと第2アーマチュアとして1対備え、これらの各アーマチュアを磁極体であるアウターヨーク及びインナーヨークの両側に配置すると共に各アーマチュアの制動体であるディスクプレートと固定部も1対備えるように構成したので、次のような優れたフェイルセーフ機能が発揮できる。
(1)1個のアーマチュア、一方のアーマチュア作動用ばね及び励磁コイルが破損した場合でも、他方のアーマチュア及びアーマチュア作動用ばねが存在するので、無励磁状態でのブレーキ機能が喪失されることはない。
(2)また、アーマチュア作動用のばねを円周方向に複数個装着した場合には、1部のアーマチュア作動用ばねが破損しても残りのアーマチュア作動用ばねによりブレーキ機能が損なわれることがない。
【0016】
また、上記のように磁極体の両側に1対のアーマチュア及び制動体を配置した構成としたので、その分は軸方向の厚みが増すが、次の理由で薄型構成とでき、電気性能も向上できる。
(1)吸引面が従来の2面に比べ4面になるから、従来のものと同一トルクのもので、吸引力は1/2で済む。
(2)従って、コイルの起磁力も少なくてよいから、コイルの消費電力も減少し、省エネルギーとなる。
(3)この結果、磁極体を薄型とできるので、前記のように1対のアーマチュア及び制動体を設けても全体の構成も薄型を維持できる。
【0017】
次に、本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキに装備される手動操作のブレーキ解放機構の構成について、図2(A)乃至(D)を用いて説明する。
図2(A)において、26は第1のレバーで、その右方端部26aは第1のピン27a及び第2のピン28aにより本発明の電磁ブレーキの第1及び第2のアーマチュア16及び17並びにこれらの関連部材に次のように連係結合される。 即ち、図2(B)に示すように第1のレバー26の右方端部26aは第2のピン28aに挿着され、またDカットされた第1のピン27aの先端部に形成した丸穴に対して第2のピン28aを図2(D)に示すように垂直方向に挿入することで各ピン27a、28aを連係し、さらに第1のピン27aの胴部は図2(D)に示すように、第2のアーマチュア17のy1で示す開口部に圧入又は溶接で結合され、アウターヨーク11及び第1のアーマチュア16に対しては夫々y2及びy3で示す開口部に僅かな空隙を隔てて摺動自在に収納される。
なお、第2のピン28aも図2(D)に断面をハッチで示すように先端部がDカットされていてDカットされた第1のピン27aの段部と共に第1のアーマチュア16の端面Pに接触するようになっている。
【0018】
第1のレバー26の左方端26bも第1のピン27b及び第2のピン28bにより本発明の電磁ブレーキの第1及び第2のアーマチュア16及び17並びにこれらの関連部材に対して第1のレバー26の右方端部26aの場合と同様に連係結合される。
29は操作体である操作用のワイヤーで、ワイヤー29のレバーとの結合は図示しない連結機構により図2(C)に示す第1のレバー26の略中央に設けた取付部26cに結合されると共に、その他端は第2のレバー30の略中央に設けた取付部に30cとも結合されており、ワイヤー29を引くと各レバー26、30が同時に並行して操作されるようになっているものとする。
第2のレバー30も第1のレバー26と全く同様な構成になっており、第1のピン31a、31bと第2のピン32a、32bを備えてレバー30の右方端及び左方端を本発明の電磁ブレーキの第1及び第2のアーマチュア16及び17並びにこれらの関連部材に前記と同様に連係結合される。なお、33は第1及び第2のアーマチュア16及び17をアウターヨーク11に対して軸方向に変位可能に取り付けるためのねじで、図2(A)に示すように円周方向に複数個設けられる。
以上で、本発明の手動解放機構が構成される。
【0019】
次に、本発明の手動解放機構の動作を説明する。
ワイヤー29を図2(C)に矢印で示すように左方へ引くと、各レバー26、30が操作される。前述のように各レバーとその付属機構の機能は同一なので、第1のレバー26についてその機能を説明することにする。
即ち、ワイヤー29を左方へ引くと、第1のレバー26は図2(C)に示すように反時計方向に回動され、これに伴い第2のピン28aが図2(D)に矢印Rで示すように反時計方向に回転するので、図2(D)に示す第2のピン28aのDカットされた直径の半分に相当する距離だけ、第1のピン27a従って第2のアーマチュア17は左方へ、一方第1のアーマチュア16は右方へと移動され、この結果、各アーマチュア16、17をアウターヨーク11、インナーヨーク12の対向面に接触させるようにする。
【0020】
これは、丁度、図1(A)に示すコイル励磁時の状態となり、各アーマチュア16、17は固定側である第1及び第2のディスクプレート20、23との接触から開離し、第1及び第2のディスクプレート20及び23の固定部22及び24との接触を解放するので、回転軸21に対するブレーキ力は解放される。
即ち、手動によるブレーキ解放を簡単に行うことができる。図示の手動操作のブレーキ解放機構の場合、図2(C)に示すレバー26の位置からレバー26が例えば30度程度回転する範囲ではブレーキの解放は行われず、この30度程度の範囲を越えて、さらに15度程度以上回転した場合、すなわち、図2 ( ) の「通常時」で示されるように合計45度程度回転させたときにブレーキの解放が行われることが確認されている。
また、図2(A)に示すDMはレバーの可動最大径を示すものである。
なお、レバーとしては、上記実施の形態に示したように上下の対称位置に2個のレバー26、30を設けると、ワイヤー29による操作により各アーマチュア16、17が夫々バランス良く平均的に移動可能となるが、いずれか一方のレバーのみでも操作は可能である。
【0021】
なお、図2に示す実施の形態のものでは、手動操作のブレーキ解放機構を本発明の電磁ブレーキの第2のアーマチュア側のブレーキ本体に対向した側面の側から装備した場合について示したが、これに代えて第1のアーマチュア側のブレーキ本体に対向した側面の側から装備するようにしてもよいことは勿論である。このようにした場合には、第1のピン27aに対してアウターヨークが軸方向に小隙を隔てて緩挿される点は共通するが、1対のアーマチュアとの関係は第1のアーマチュアとは軸方向に固着され、第2のアーマチュアとは軸方向に小隙を隔てて緩挿されるように構成されることになる。
【0022】
【発明の効果】
本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキは、上記のように構成されるから、次のような優れた効果を有する。
(1)まず、請求項1に記載するように、磁極体であるアウターヨークとインナーヨークとを非磁性体の連結体により結合し、第1のアーマチュアと第2アーマチュアで作動体となる1対のアーマチュアを上記アウターヨーク及びインナーヨークの両側に軸方向に摺動自在に夫々配置すると共に各アーマチュアの制動体も各1対備えるように構成すると、1個のアーマチュア、一方のアーマチュア作動用ばね及び励磁コイルが破損した場合でも、他方のアーマチュア及びアーマチュア作動用ばねが存在するので、無励磁状態でのブレーキ機能が喪失されることはないというフェイルセーフ機能が発揮できる。
【0023】
(2)また、請求項に記載のように磁極体の両側に1対のアーマチュア制動体、及び固定部を配置した構成とすると、その分は軸方向の厚みが増すが、次の理由で薄型構成とでき、電気性能も向上できる。
(a) 吸引面が従来の2面に比べ4面によりなるから、従来のものと同一トルクのもので、吸引力は1/2で済む。
(b) 従って、コイルの起磁力も少なくてよいから、コイルの消費電力も減少し、省エネルギーとなる。
(c) この結果、磁極体を薄型とできるので、前記のように1対のアーマチュア制動体、及び固定部を設けても全体の構成も薄型を維持できる。
【0024】
(3)また、1対のアーマチュア作動用ばねを、夫々上記アウターヨーク及びインナーヨークと対向する各アーマチュアの対向面に亙って円周方向に適当間隔を隔てて複数個装着するようにすると、1部のアーマチュア作動用ばねが破損しても残りのアーマチュア作動用ばねによりアーマチュアが作動するのでブレーキ機能が損なわれることがないというフェイルセーフ機能が発揮できる。
【0025】
(4)また、請求項3に記載のように、上記1対の制動体を、回転軸に基部をスプライン結合で取り付けられた断面L状のディスクプレート及び断面逆L状のディスクプレートにより構成すると、簡単な構成で1対の固定体を構成することができる。
【0026】
(5)また、請求項4に記載のように、上記断面L状のディスクプレート及び逆L状ディスクプレートに代えて、上端の両面にディスクを固着した薄板ばねの下端部に断面L状の回転軸へスプライン結合で取り付けられる取付体を固着した構成とすると、固定部に対して圧着力を付与するばね機能を有する薄板ばねの存在により、ブレーキ力の付与及び解放をより適切に行うことができるようになる。
【0027】
(6)また、本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキに、請求項5に記載のような手動解放機構を装備した場合には、次のような効果を有する。
(a) 操作用のワイヤーを引くだけの簡単な操作で、手動によるブレーキの解放ができる。従って、万一励磁コイルが損傷した場合でも、必要な時間のブレーキの付与を停止し、本発明の電磁ブレーキを装備した機械装置の駆動が可能である。
(b) この場合、ワイヤーの操作をレバーを介してアーマチュアに伝達しているので、ワイヤーを引く距離がレバーの所定の回動角度を越えない期間では、ブレーキの解放がなされないようになっており、従って、誤ってワイヤーに触れた程度ではブレーキが解放されないので、ブレーキの誤操作が確実に防止できるというフェイルセーフ機能も発揮できる。
【0028】
(7)さらに、請求項6に記載のように、上記第1のピン及び第2のピンは、当該無励磁作動型電磁ブレーキのブレーキ本体の一方の側面側に設けられる上下1対のレバーの両端部に対してアウターヨークを軸方向に緩挿し、一方のアーマチュアには固着し、他方のアーマチュアには軸方向に緩挿するように設けるように各1対設けるようにすると、上下1対のレバーにより手動操作のブレーキ解放機構がバランス良く動作するので、そのブレーキ解放操作を円滑、適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキの一実施の形態の構成を示す半部縦断側面図で、同図(A)はコイル励磁時の状態を、また同図(B)はコイル無励磁時の状態を示すものである。
【図2】図1のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキに装備される手動解放機構を示すもので、同図(A)はレバーとピンの関係を示すレバー側から見た正面図、同図(B)はピンに対するレバーの取り付け状態を示す要部拡大図、同図(C)はレバーとピンとの作動状態を説明するための要部拡大側面図、同図(D)はピンと第1及び第2のアーマチュア及びヨークとの関連を示す要部拡大縦断側面図である。
【図3】従来例の構成を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
10:本発明のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ
11:アウターヨーク
12:インナーヨーク
13:非磁性体より成る連結体
14:励磁コイル
16:第1のアーマチュア
17:第2のアーマチュア
18a、18a′:第1のアーマチュア作動用ばね
19a、19a′:第2のアーマチュア作動用ばね
20:第1のディスクプレート
21:回転軸
23:第2のディスクプレート
22、24:固定部
26:第1のレバー
30:第2のレバー
27a、27b:第1のピン
28a、28b:第2のピン
29:操作用のワイヤー(操作体)

Claims (5)

  1. アウターヨークとインナーヨークとを非磁性体の連結体により連結した磁極体、
    この磁極体に収納された単一の励磁コイル、
    上記アウターヨーク及びインナーヨークの両側に軸方向に摺動自在に夫々配置された第1のアーマチュア、第2のアーマチュアより成る作動体となる1対のアーマチュア、
    上記磁極体を形成するアウターヨーク及びインナーヨークのそれぞれと上記第1のアーマチュアとに亙って装着された複数の第1のアーマチュア作動用ばね、及び、これらのアウターヨーク及びインナーヨークのそれぞれと上記第2のアーマチュアに亙って装着された複数の第2のアーマチュア作動用ばね、
    制動対象となる単一の回転軸、及び、上記1対のアーマチュアにそれぞれ軸方向の外側から対向し、上記単一の回転軸と一体に回転するよう設けられたディスクプレート等の1対の制動体、及び、上記1対の制動体の軸方向の外側に、それぞれ対向して設けられた固定部を備え、
    上記励磁コイルを励磁したときは、上記1対の各アーマチュアを上記アーマチュア作動用ばねのばね圧に抗してアウターヨーク及びインナーヨークの各対向面に吸引して上記単一の回転軸に対するブレーキ力を解放し、
    励磁コイルを消磁したときには、上記各アーマチュアを上記1対のアーマチュア作動用ばねにより上記アウターヨーク及びインナーヨークの対向面から離し、上記制動体をそれぞれ上記固定部と上記アーマチュアとの間に挟み込むことにより上記単一の回転軸にブレーキ力を付与するようにし
    上記第1、第2のアーマチュア作動用ばねは、上記アウターヨーク及びインナーヨークの上記第1、第2のアーマチュアに向って開口する凹所に収納されていることを特徴とするスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ。
  2. 上記1対の制動体は、上記単一の回転軸に基部をスプライン結合で取り付けられた断面L状のディスクプレート及び断面逆L状のディスクプレートにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ。
  3. 上記断面L状のディスクプレート又は逆L状ディスクプレートに代えて、上端の両面にディスクを固着した薄板ばねの下端部に断面L状又は断面逆L状の単一の回転軸へスプライン結合により取り付けられる取付体を固着した構成としたことを特徴とする請求項に記載のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ。
  4. スプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキに装備する手動操作のブレーキ解放機構を、
    上記1対のアーマチュアの一方とは軸方向に結合され、他方のアーマチュア及びアウターヨークには軸方向に摺動自在に設けた第1のピン、
    上記第1のピンの摺動自在に設けたアーマチュア側の部分に上記第1のピンに対して垂直方向に形成した丸穴に対して先端部がDカットされたDカット部分を挿着した第2のピン、
    上記第1のピンを軸方向に移動させるレバー、
    このレバーを操作するための操作体を備え、
    上記操作体の操作によりレバーを所定角度回動したときは、第1のピンを軸方向に駆動して第2のピンを所定角度回動することにより上記1対のアーマチュアを夫々対向する磁性体側に移動させて上記制動体との接触を解除し、上記単一の回転軸に対するブレーキ力を解放するように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ。
  5. 上記第1のピン及び第2のピンは、当該無励磁作動型電磁ブレーキのブレーキ本体の一方の側面側に設けられる上下1対のレバーの両端部に対してアウターヨークを軸方向に緩挿し、一方のアーマチュアには固着し、他方のアーマチュアには軸方向に緩挿するように設けるように各1対設けるようにしたことを特徴とする請求項に記載のスプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ。
JP37335798A 1998-12-28 1998-12-28 スプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ Expired - Fee Related JP4236062B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37335798A JP4236062B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 スプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37335798A JP4236062B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 スプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000192997A JP2000192997A (ja) 2000-07-11
JP4236062B2 true JP4236062B2 (ja) 2009-03-11

Family

ID=18502024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37335798A Expired - Fee Related JP4236062B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 スプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4236062B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5178075B2 (ja) * 2007-07-18 2013-04-10 三菱電機株式会社 ブレーキ装置及びエレベータ装置
CN104265810A (zh) * 2014-09-19 2015-01-07 尹时中 一种双制动弹簧加压电磁制动器
CN108223610A (zh) * 2017-12-28 2018-06-29 天津市灵捷传动技术有限公司 一种离合器
CN110255418A (zh) * 2019-07-02 2019-09-20 苏州西艾杰电机有限公司 一种制动器
CN110376657A (zh) * 2019-07-29 2019-10-25 合肥观佳智能科技有限公司 一种基于物联网的智能安检***
CN216812614U (zh) * 2022-03-14 2022-06-24 奥创动力传动(深圳)有限公司 电磁吸合组件及制动器
JP2023159658A (ja) * 2022-04-20 2023-11-01 芝浦機械株式会社 回転軸クランプ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000192997A (ja) 2000-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5084822B2 (ja) 2系統方形ブレーキの形の電磁解放式ばね圧ブレーキ
JP4236062B2 (ja) スプリング方式無励磁作動型電磁ブレーキ
JP3082565B2 (ja) 無励磁作動型電磁ブレ−キ/クラッチ
JP3924836B2 (ja) 無励磁作動型電磁クラッチ/ブレーキ
JP3384247B2 (ja) 無励磁作動型電磁クラッチ/ブレーキ
JP2000179583A (ja) 交流電磁ブレーキ又は交流電磁クラッチ
JP2540200Y2 (ja) 無励磁作動形電磁ブレーキ
JPS626991Y2 (ja)
JP3291908B2 (ja) ブレーキ付電磁クラッチ
JPH08247181A (ja) 電磁ブレーキ及びクラッチ
JP2003014017A (ja) アクチュエータ用電磁ブレーキ機構
JP2005113965A (ja) 電磁制動装置
JP3706756B2 (ja) 電動機の負作動ブレーキ
JPS60151433A (ja) ブレ−キ解放機構
JP3272179B2 (ja) 無励磁作動形電磁ブレーキ
JP2024011718A (ja) 電磁ブレーキ装置
JP3968804B2 (ja) 回転伝動部材の継手装置および該装置を使用した可変バルブタイミング装置
JPS6338728A (ja) 電磁クラツチ・ブレ−キ装置
JPH08223861A (ja) 電磁制動装置
JPH086769B2 (ja) 無励磁作動を主体とする電磁ブレーキ又は電磁クラッチ
JP2004353684A (ja) ブレーキ装置
JP2004132468A (ja) 電磁クラッチ・ブレーキ装置
JP2022032597A5 (ja)
JP2011112100A (ja) 電磁連結装置
JP2005054907A (ja) 無励磁作動型の電磁ブレーキ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041015

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20041118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060815

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070406

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees