JP4224479B2 - パターン露光方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パターン露光方法及び装置に関し、更に詳しくは、搬送中の帯状ワークに周期パターンを露光するパターン露光方法及び装置に関する。
薄型で大画面の画像表示装置として、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称する)が普及している。このPDPには、パネル本体から発生する電磁波を防ぐために、パネルの前面に電磁波シールドが設けられている。電磁波シールドには、表面ガラスに形成される金属薄膜や、パネル前面に配置される電磁波シールドフイルム等があるが、現在は、高い電磁波シールド特性と、光透過率とを備える電磁波シールドフイルムが主流となっている。電磁波シールドフイルムは、透明フイルム上に金属細線が格子状(メッシュ状)に形成されたものである。
従来の電磁波シールドフイルムは、透明フイルムと金属箔とを貼り合せ、この金属箔をフォトエッチング加工して金属メッシュを形成している。これに対し、本出願人は、銀塩写真技術を利用して、透明フイルムの上に銀塩で微細なメッシュを形成した電磁波シールドフイルムを開発している。この電磁波シールドフイルムは、自由なメッシュパターンを描くことができ、大きさや精細度などパネルの仕様に応じて柔軟に対応することが可能である。また、透明フイルムと金属箔との貼り合せという複雑で歩留りの悪い工程が不用であるため、コストダウンと安定供給とが可能である。
上記電磁波シールドフイルムは、透明フイルム上に塗布された銀塩感材にマスクを介して光を照射してメッシュ状のパターンを露光し、これを現像処理することにより、透明フィルム上に銀塩でメッシュを形成している。このメッシュのピッチや線の太さは、PDPの画質に大きく影響するため、精密に露光することが望まれている。
従来、各種ディスプレイ装置用カラーフィルタ等の遮光パターンや、カラーパターンを形成するために、感光性層を有するワークの上にマスクを介して光を照射して、ワーク上にパターンを露光するパターン露光方法及び装置が用いられており、これを電磁波シールドフイルムの露光工程に応用できないか検討された。例えば、特許文献1記載のパターン露光方法では、帯状ワークを連続して搬送し、この搬送中に帯状ワークの上にマスクを介して光を照射してパターンを露光している。また、特許文献2記載のプロキシミティ露光装置では、帯状ワークを間欠に搬送しながら、位置決め、ギャップ設定、プロキシミティ露光を繰り返し、帯状ワークにパターンを露光している。
特開平09−274323号公報 特開平10−171125号公報
しかし、特許文献1記載のパターン露光方法は、帯状ワークの搬送方向と平行なストライプ状のパターンしか露光することができず、フレキシブルな形状で搬送方向に周期的なパターン、例えば、電磁波シールドフイルムのメッシュパターンは露光することはできない。
また、特許文献2記載のプロキシミティ露光装置は、周期パターンに限らずあらゆるパターンに対応可能であるが、間欠搬送中に位置決め、ギャップ設定、一定時間露光という各工程にかかる積算時間が多く、単位時間あたりの処理能力(スループット)が低いという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するために、フレキシブルな形状で搬送方向に周期的なパターンを高スループットで、かつ設備投資を抑制した簡易な設備で形成することのできるパターン露光方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のパターン露光方法は、感光層を有する帯状もしくはシート状のワークを連続搬送し、このワークに対しプロキシミティギャップを隔てて配置されたフォトマスクを介して、周期的に露光時間ΔTだけプロキシミティ露光を行い、該フォトマスクに設けられたマスクパターンを、搬送方向に周期的な周期パターンとしてワークに露光するようにしたものである。
また、周期パターンのワーク搬送方向に周期的な長さを周期長さL0とし、ワーク搬送方向に直交するワークの幅をワーク幅W0とし、前記フォトマスクのマスクパターンが設けられているパターンエリアのワーク搬送方向の長さをパターン長さL、ワーク幅方向の幅をパターン幅Wとした時に、L0<L、かつW0<Wであり、ワークの搬送速度をVとし、周期パターンを露光するための露光周期をT、露光時間をΔT、マスクパターンの最小線幅をDminとした時に、L0/V>=T、及びV・ΔT<Dminを満たし、フォトマスクの少なくとも1周期分のマスクパターンの全域をカバーする露光領域に、該フォトマスクを介して露光周期T毎に露光時間ΔTだけプロキシミティ露光するようにしたものである。
更に、フォトマスク上に射影される露光光源の光は、ワーク搬送方向の長さをLbとした時、Lb>L0を満たし、かつLb/L0の商をm(mは自然数)としたとき、該ワーク搬送方向にマスクパターンがm個以上設けられたフォトマスクを用い、ワーク搬送速度Vと露光周期Tとの関係が(n−1)×(L0/V)=T(nは自然数)、かつ2=<n<=mを満たすようにし、該ワーク搬送方向の最も上流側のマスクパターンを第1のマスクパターンとしたときに、第1のマスクパターン越しに一度露光されたワーク上の潜像パターンが、第1のマスクパターンの下流側に配置された第nのマスクパターンを通過する時に、ワーク搬送速度Vと露光周期Tの同期をとって、第nのマスクパターン越しに多重露光するようにしたものである。
また、多重露光時の露光量は、少なくとも1回の露光では感光濃度が得られず、n回の多重露光で所望の感光濃度が得られる露光量であることが好ましい。
また、露光光源は、露光周期Tの間に、光をワーク幅方向に1方向から走査させてワークの全幅をフォトマスク越しに露光するものが好ましい。この露光光源としては、例えば、半導体レーザであり、このレーザをレンズを介してコリメ−トした平行光により露光を行うとよい。更に、2系統の半導体レーザを使用して偏光合波及び平行光化をしたり、複数の半導体レーザを使用し、これらのレーザをレンズを介して個々にコリメ−トし、その複数の平行光を集積した光により露光を行ってもよい。なお、半導体レーザの波長としては、感材に合せて405nm程度が好ましい。
更に、露光光源の光を走査させる速度を露光走査速度Vbとし、1回の走査を行う間にワークが搬送される量となる(W/Vb)・Vの分だけ、フォトマスクをワーク搬送方向に対して傾けるとよい。
また、露光光源は、走査速度の変化に応じて光量を変化させることにより、ワークの全幅で露光量が一定になるようにしてもよい。
また、プロキシミティギャップがLgであるときに、露光光源の光の入射角度θの変化に応じて、マスクパターンをワーク幅方向でLg・sinθずつ内側にずらして形成してもよい。
また、ワークに露光される周期パターンの線幅が均一になるように、マスクパターンのスリット幅を走査幅方向において変化させてもよい。
また、走査光を使用せずに、フォトマスク上に射影されるワーク幅方向の長さをLwとした時に、Lw>Wであり、設定した一定時間だけフォトマスク越しにワークの全幅を露光する露光光源を使用してもよい。
また、プロキシミティギャップは、500μm以下が好ましい。
また、感光層は、銀塩感材もしくはフォトレジストを使用するとよい。銀塩感材としては、諧調γ(横軸:光量−縦軸:濃度特性の傾き)が5以上であることが好ましい。
周期パターンとしては、連続的に継ぎ目のないシームレスなパターンであることが好ましい。更に、20μm以下の線幅の周期パターンの露光に、より好適である。このような製品として、電磁波シールド材料の作成に好適である。
また、プロキシミティ露光は、帯状ワークをローラに巻き付けた状態で、該ローラの外周に配置されたフォトマスクを介して行うことが好ましい。
更に、ワークの搬送状況と露光光源の状況との同期状態を常時モニタし、非同期状態の時には、露光をしないことが好ましい。
また、帯状ワークの搬送時に、2本の帯状ワークの端部同士を接合させた接合部がフォトマスクの近傍を通過する際に、該フォトマスクをワークから逃がし、通過後は再現性を保ってプロキシミティギャップに戻るようにするとよい。
また、本発明のパターン露光装置は、感光層を有する帯状もしくはシート状のワークをワーク搬送速度Vで連続搬送する搬送手段と、このワークに対しプロキシミティギャップLgを隔てて配置されるフォトマスクと、このフォトマスクを介して、露光周期Tごとに露光時間ΔTだけ搬送方向に直角な幅方向全域でワークに光を照射してプロキシミティ露光を行う照明手段と、ワーク搬送速度Vと、露光周期T及び露光時間ΔTを同期させる制御手段とを備え、該フォトマスクに設けられたマスクパターンが搬送方向に周期的な周期パターンとしてワークに露光されるようにしたものである。
また、周期パターンのワーク搬送方向に周期的な長さを周期長さL0とし、ワーク搬送方向に直交するワークの幅をワーク幅W0とし、前記フォトマスクのマスクパターンが設けられているパターンエリアのワーク搬送方向の長さをパターン長さL、ワーク幅方向の幅をパターン幅Wとした時に、L0<L、かつW0<Wとしたものである。更に、前記マスクパターンの最小線幅をDminとした時に、L0/V>=T、及びV・ΔT<Dminであることが好ましい。
また、フォトマスクは、パターン長さL方向に同一の周期マスクパターンが複数個連なって設けるようにしたものである。更に、フォトマスク上に射影される露光光源の光のワーク搬送方向の長さをLbとした時に、Lb>L0とし、かつLb/L0の商をm(mは自然数)としたときに、マスクパターンは、ワーク搬送方向にm個以上が設けられるようにしたものである。
更に、制御部は、ワーク搬送速度Vと露光周期Tとの関係が(n−1)×(L0/V)=T(nは自然数)、かつ2=<n<=mを満たすように同期させ、ワーク搬送方向の最も上流側のマスクパターンを第1のマスクパターンとしたときに、この第1のマスクパターン越しに一度露光されたワーク上の潜像パターンが、第1のマスクパターンの下流側に配置された第nのマスクパターンを通過する時に、ワーク搬送速度Vと露光周期Tの同期をとって、第nのマスクパターン越しに多重露光するようにしたものである。
また、多重露光時の露光量は、少なくとも1回の露光では感光濃度が得られず、n回の多重露光で所望の感光濃度が得られる露光量としたものである。
照明手段としては、フォトマスクに向けて光を照射する露光光源と、露光周期Tの間に、露光光源の光をワーク幅方向に1方向から走査させてワークの全幅をフォトマスク越しに露光する走査手段とから構成したものである。
露光光源としては、半導体レーザ出力部と、この半導体レーザ出力部から出力されたレーザ光をコリメ−トして平行光にするコリメートレンズとから構成してもよい。また、2系統の半導体レーザ出力部と、これらの半導体レーザ出力部から出力されたレーザ光を偏光合波する光学部材と、偏光合波されたレーザ光をコリメ−トして平行光にするコリメートレンズから構成してもよい。あるいは、複数の半導体レーザ出力部と、これらの半導体レーザ出力部から出力されたレーザ光を個々にコリメ−トして平行光にする複数のコリメートレンズと、各平行光を集積する複数の光学部材とから構成してもよい。なお、半導体レーザの出力波長は、405nmが好ましい。
また、走査手段は、露光光源の光を反射してフォトマスクに照射させる複数の反射面が設けられたポリゴンミラーと、このポリゴンミラーを回転させる駆動手段及び制御手段とから構成したものである。
また、走査速度の変化に応じて、制御手段により露光光源の光量を変化させ、ワークの全幅で露光量が一定になるように調整してもよい。
更に、走査手段による露光光源の光を走査させる速度を露光走査速度Vbとし、1回の走査を行う間にワークが搬送される量となる(W/Vb)・Vの分だけ、フォトマスクをワーク搬送方向に対して傾けてもよい。
また、マスクパターンは、露光光源の光の入射角度θの変化に応じて、ワーク幅方向でLg・sinθずつ内側にずらして形成してもよい。更に、ワークに露光される周期パターンの線幅が均一になるように、マスクパターンのスリット幅が、走査幅方向において変化させてもよい。
また、照明手段は、フォトマスク上に射影される光のワーク幅方向の長さをLwとした時に、Lw>Wの照射範囲を有する露光光源から構成してもよい。
を用いてもよい。
また、帯状ワークが巻き付けられるローラを設け、フォトマスクは、ローラの外周にプロキシミティギャップLgを隔てて配置されることが好ましい。
制御部は、ワーク搬送手段と照明手段との同期状態を常時モニタし、非同期状態の時には、照明手段から光を照射させないことが好ましい。
更に、フォトマスクを保持する保持枠と、この保持枠に保持されたフォトマスクが、ワークとの間にプロキシミティギャップを隔てて対面される露光位置と、ワークからプロキシミティギャップ以上離されて隙間が形成される退避位置との間で該保持枠を移動自在に支持する支持部と、保持枠を露光位置と退避位置との間で移動させる駆動部とからなるマスク保持手段を設けたものである。また、保持枠には、フォトマスクをワークに接近する方向と離れる方向とに移動させてプロキシミティギャップの調整を行う調整部を設けたものである。
本発明によれば、ワークを連続搬送しながら露光を行うことができるので、生産性が向上する。また、簡易な設備で実現できるため、設備投資が抑えられる。更に、多重露光及び走査露光によって光源輝度分布を平均化でき、均一な線幅が実現可能である。また、多重露光によって光源強度が小さくても露光が可能であるため、ローコストである。更に、フォトマスクを使ったプロキシミティ露光のため、高精細なパターンが書けて、しかも面積が小さく持ちがよく、位置ずらしによる複数回の使い回しが可能で、ランニングコストが小さいのでコストパフォーマンスがよい。更に、シームレスパターンを書くには、連続送りで多重露光することでパターン同士のつなぎ目の合わせが容易にできる。
また、連続送りで多重露光する場合、多数回重なったところだけを潜像ができるように設計可能なため、ぶれ露光された部分は露光量が不足して像がでない設計にできる。これにより、ぶれは品質に影響なくなり、連続送り露光の生産性とトレードオフにもならない。
図1及び図2は、本発明のパターン露光方法及び装置によって形成される電磁波シールドフイルムの平面図及び断面図である。電磁波シールドフイルム2は、透明フイルム3と、この透明フイルム3の上に銀塩によって形成されるメッシュ状の電磁波シールドパターン4とからなる。電磁波シールドパターン4は、透明フイルム3の上に銀塩によって形成される周期パターン5と、この周期パターン5の表面に施されて電磁波シールド機能を付与する銅メッキ6とからなる。図1(B)に部分的に拡大して示すように、周期パターン5は、例えば、線幅Wp=10〜20μmの細線が、線間ピッチP=300μm、配置角度θp=45°で直交するように配置されている。
図3は、上記周期パターン5を形成する際に使用されるパターン露光装置の構成を示す概略図である。このパターン露光装置10は、前記透明フイルムの基材となる帯状ワーク11を供給するワーク供給部12と、帯状ワーク11に設けられた銀塩感材に周期パターン5の形状を露光する露光部13と、露光済みの帯状ワーク11を巻き取るワーク巻取り部14と、複数本の帯状ワーク11を連続して処理する際に、先に処理を終えた帯状ワーク11の後端と、後続の帯状ワーク11の先端とが接合されるワーク接合部15と、これらを統括的に制御する制御部16とを備えている。周期パターン5の形状が露光された帯状ワーク11は、次の工程で現像処理されて一方の面に銀塩の周期パターン5が形成される。その後、周期パターン5上に銅メッキが施され、所定長さごとに切断されることにより、電磁波シールドフイルム2となる。
上記周期パターン5は、斜めに配置された格子状のパターンであるが、この周期パターン5を帯状ワーク11の搬送方向におけるパターンとしてみた場合、1辺が300μm、対角が424μmの菱形を搬送方向に直交する幅方向に並べたパターンとなる。このとき、周期パターン5の1周期分の長さである周期長さL0は、424μmとなる。
帯状ワーク11の平面図、及び断面図である図4(A),(B)に示すように、帯状ワーク11は、前述の透明フイルム3の基材である長尺フイルム20と、この長尺フイルム20上に塗布される銀塩感材21とからなる。長尺フイルム20は、例えば、厚さt1=100μm、ワーク幅W0=650〜750mmの透明なPETフイルムであり、100〜1000mの長さのものがロール状に巻かれてワーク供給部12にセットされる。ワーク供給部12にセットされた帯状ワーク11は、先端が引き出されて複数のローラに掛けられ、ワーク巻取り部14の巻取り用リール24に係止される。そして、搬送手段である巻取り用リール24と、露光ローラ28及び図示しない複数の駆動ローラがモータ群25によって巻取り方向に回転されることにより、帯状ワーク11は、ワーク供給部12からワーク巻取り部14に向かうワーク搬送方向Fに沿って搬送される。この帯状ワーク11のワーク搬送速度Vは、例えば、4m/分であるが、このワーク搬送速度Vは感材感度や露光光源のパワーに応じて最適値が設計される。
上記銀塩感材21は、例えば、405nmの波長域に中心感度を持った感材設計がなされている。感材分光感度特性については上記の設計に限ったものでなく、中心波長はどのような設計であってもよいが、光源波長との関係で両者を合わせる必要がある。また銀塩感材の露光量/濃度特性としてγの大きな感材を使用している。露光量に応じて濃度変化が緩やかに変化するのではなく、ある露光量以上になると一気に濃度が変化する、いわゆる硬調な感材である。
以下に、本発明に用いられる帯状ワーク11の銀塩感材21である導電性金属膜形成用感光材料と、この感光材料を用いて形成される電磁波シールドフイルム2である透光性電磁波シールド膜について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
1.導電性金属膜形成用感光材料
[乳剤層]
本発明に係る感光材料は、支持体上に、光センサーとして銀塩乳剤を含む乳剤層(銀塩含有層)を有する。乳剤層の膨潤率が150%であることを特徴とする。本発明において、膨潤率は以下のように定義する。
膨潤率(%)=100×((b)−(a))/(a)
上記式において、(a)は乾燥時の乳剤層膜厚、(b)は25℃の蒸留水に1分間浸漬した後の乳剤層膜厚を示している。
乳剤層膜厚(a)の測定は、例えば試料の断面を走査型電子顕微鏡で観察することによって測定できる。膨潤後の乳剤層膜厚(b)は、膨潤した試料を液体窒素により凍結乾燥した後の試料断面を走査型電子顕微鏡で観察することにより測定可能である。
本発明において、感光材料の乳剤層の膨潤率は150%以上であることを必要とするが、好ましい範囲の膨潤率は乳剤層のAg/バインダー比に依存する。すなわち膜中のバインダー部は膨潤可能であるがハロゲン化銀粒子は膨潤しないため、バインダー部の膨潤率が同じであってもAg/バインダー比率が高いほど乳剤層全体の膨潤率は低下するからである。本発明において、好ましい乳剤層の膨潤率は、乳剤層のAg/バインダー比が4.5以下の場合は250%以上であり、乳剤層のAg/バインダー比が4.5以上6未満の場合は200%以上であり、乳剤層のAg/バインダー比が6以上の場合は150%以上である。本発明の最も好ましいAg/バインダー比の範囲である6以上10以下のAg/バインダー比の場合、乳剤層の膨潤率は150%以上が好ましく、180%以上がより好ましい。
本発明において膨潤率に上限は無いが、膨潤率が高すぎると処理中の膜強度が低下し、膜が傷つきやすくなる等の問題を生じる為、膨潤率は350%以下であることが好ましい。なお、乳剤層の膨潤率は、硬膜剤の添加量、塗布後の乳剤層のpHや含水率によって制御可能である。
乳剤層には、銀塩乳剤のほか、必要に応じて、染料、バインダー、溶媒等を含有することができる。以下、乳剤層に含まれる各成分について説明する。
<銀塩乳剤>
本発明で用いられる銀塩乳剤としては、ハロゲン化銀などの無機銀塩や酢酸銀などの有機銀塩が挙げられる。銀塩乳剤は、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においても用いることができる。
上記ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらにAgBrやAgClを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が用いられる。
尚、ここで、「AgBr(臭化銀)を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。このAgBrを主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
なお、ハロゲン化銀乳剤における沃化銀含有率は、ハロゲン化銀乳剤1モルあたり1.5mol%であることが好ましい。沃化銀含有率を1.5mol%とすることにより、カブリを防止し、圧力性を改善することができる。より好ましい沃化銀含有率は、ハロゲン化銀乳剤1モルあたり1mol%以下である。
ハロゲン化銀は固体粒子状であり、露光、現像処理後に形成されるパターン状金属銀層の画像品質の観点からは、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、0.1〜100nmであることがより好ましく、1〜50nmであることがさらに好ましい。
尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができ、立方体、14面体が好ましい。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な相からなっていても異なっていてもよい。また粒子内部或いは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、P. Glafkides 著 Chimie etPhysique Photographique (Paul Montel 社刊、1967年)、G. F. Dufin 著Photographic Emulsion Chemistry (The Forcal Press刊、1966年)、V. L.Zelikman et al著 Making and Coating Photographic Emulsion (The Forcal Press 刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製することができる。
すなわち、ハロゲン化銀乳剤の調製方法としては、酸性法、中性法等のいずれでもよく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩とを反応させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組み合わせなどのいずれを用いてもよい。
また、銀粒子の形成方法としては、粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。さらに、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
またアンモニア、チオエーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒子形成させることも好ましい。係る方法としてより好ましくは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号、同55−77737号各公報に記載されている。好ましいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンが挙げられる。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5〜10-2モルが好ましい。
上記コントロールド・ダブルジェット法およびハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作るのが容易であり、本発明に好ましく用いることができる。
また、粒子サイズを均一にするためには、英国特許第1,535,016号明細書、特公昭48−36890号広報、同52−16364号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭55−158124号公報に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を越えない範囲において早く銀を成長させることが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤は単分散乳剤が好ましく、{(粒子サイズの標準偏差)/(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数が20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下であることが好ましい。
また、ハロゲン化銀乳剤は、粒子サイズの異なる複数種類のハロゲン化銀乳剤を混合してもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、VIII族、VIIB族に属する金属を含有してもよい。特に、高コントラストおよび低カブリを達成するために、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物、鉄化合物、オスミウム化合物などを含有することが好ましい。これら化合物は、各種の配位子を有する化合物であってよく、配位子として例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオンなどや、こうした擬ハロゲン、アンモニアのほか、アミン類(メチルアミン、エチレンジアミン等)、ヘテロ環化合物(イミダゾール、チアゾール、5−メチルチアゾール、メルカプトイミダゾールなど)、尿素、チオ尿素等の、有機分子を挙げることができる。
また、高感度化のためにはK4〔Fe(CN)6〕やK4〔Ru(CN)6〕、K3〔Cr
(CN)6〕のごとき六シアノ化金属錯体のドープが有利に行われる。
上記ロジウム化合物としては、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。水溶性ロジウム化合物としては、例えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、ヘキサクロロロジ
ウム(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム錯塩、テトラクロロジアコロジウム錯塩、
ヘキサブロモロジウム(III)錯塩、ヘキサアミンロジウム(III)錯塩、トリザラトロジウム(III)錯塩、K3Rh2Br9等が挙げられる。
これらのロジウム化合物は、水或いは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、或いはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
上記イリジウム化合物としては、K2IrCl6、K3IrCl6等のヘキサクロロイリジウム錯塩、ヘキサブロモイリジウム錯塩、ヘキサアンミンイリジウム錯塩、ペンタクロロニトロシルイリジウム錯塩等が挙げられる。
上記ルテニウム化合物としては、ヘキサクロロルテニウム、ペンタクロロニトロシルルテニウム、K4〔Ru(CN)6〕等が挙げられる。
上記鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、チオシアン酸第一鉄が挙げられる。
上記ルテニウム、オスミニウムは特開昭63−2042号公報、特開平1−285941号公報、同2−20852号公報、同2−20855号公報等に記載された水溶性錯塩の形で添加され、特に好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体が挙げられる。
〔ML6〕‐n
(ここで、MはRu、またはOsを表し、nは0、1、2、3または4を表す。)
この場合、対イオンは重要性を持たず、例えば、アンモニウム若しくはアルカリ金属イオンが用いられる。また好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔RuCl6-3、〔RuCl4(H2O)2-1、〔RuCl5(NO)〕-2、〔RuBr5(NS)〕-2、〔Ru(CO)3Cl3-2、〔Ru(CO)Cl5-2、〔Ru(CO)
Br5-2、〔OsCl6-3、〔OsCl5(NO)〕-2、〔Os(NO)(CN)5-2、〔Os(NS)Br5-2、〔Os(CN)6-4、〔Os(O)2(CN)5-4
これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当り10-10〜10-2モル/モルAgで
あることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
その他、本発明では、Pd(II)イオンおよび/またはPd金属を含有するハロゲン化銀も好ましく用いることができる。Pdはハロゲン化銀粒子内に均一に分布していてもよいが、ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有させることが好ましい。ここで、Pdが「ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有する」とは、ハロゲン化銀粒子の表面から深さ方向に50nm以内において、他層よりもパラジウムの含有率が高い層を有することを意味する。
このようなハロゲン化銀粒子は、ハロゲン化銀粒子を形成する途中でPdを添加することにより作製することができ、銀イオンとハロゲンイオンとをそれぞれ総添加量の50%以上添加した後に、Pdを添加することが好ましい。またPd(II)イオンを後熟時に添加するなどの方法でハロゲン化銀表層に存在させることも好ましい。
このPd含有ハロゲン化銀粒子は、物理現像や無電解メッキの速度を速め、所望の電磁波シールド材の生産効率を上げ、生産コストの低減に寄与する。Pdは、無電解メッキ触媒としてよく知られて用いられているが、本発明では、ハロゲン化銀粒子の表層にPdを偏在させることが可能なため、極めて高価なPdを節約することが可能である。
ハロゲン化銀に含まれるPdイオンおよび/またはPd金属の含有率は、ハロゲン化銀の、銀のモル数に対して10-4〜0.5モル/モルAgであることが好ましく、0.01〜0.3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
使用するPd化合物の例としては、PdCl4や、Na2PdCl4等が挙げられる。
本発明では、さらに光センサーとしての感度を向上させるため、写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感の方法としては、硫黄増感、セレン増感、テルル増感等カルコゲン増感、金増感などの貴金属増感、還元増感等を用いることができる。これらは、単独または組み合わせて用いられる。上記化学増感の方法を組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法などの組み合わせが好ましい。
上記硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。上記硫黄増感剤としては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条件の下で変化し、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-2モルが好ましく、より好ましくは10-5〜10-3モルである。
上記セレン増感に用いられるセレン増感剤としては、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわち、上記セレン増感は、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。上記不安定型セレン化合物としては特公昭44−15748号公報、同43−13489号公報、特開平4−109240号公報、同4−324855号公報等に記載の化合物を用いることができる。特に特開平4−324855号公報中の一般式(VIII)および(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。
上記テルル増感剤に用いられるテルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定されるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−313284号公報に記載の方法で試験することができる。具体的には、米国特許US第1,623,499号明細書、同第3,320,069号明細書、同第3,772,031号明細書、英国特許第235,211号明細書、同第1,121,496号明細書、同第1,295,462号明細書、同第1,396,696号明細書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4−204640号公報、同4−271341号公報、同4−333043号公報、同5−303157号公報、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635(1980)、 ibid 1102(1979)、 ibid 645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.)1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of Organic Selenium and Tellunium Compounds)、Vol 1(1986)、同 Vol 2(1987)に記載の化合物を用いることができる。特に特開平5−313284号公報中の一般式(II)(III)(IV)で示される化合物が好ましい。
セレン増感剤およびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用いる。化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。
また、上記貴金属増感剤としては、金、白金、パラジウム、イリジウム等が挙げられ、特に金増感が好ましい。金増感に用いられる金増感剤としては、具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、チオグルコース金(I)、チオマンノース金(I)などが挙げられ、ハロゲン化銀1モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いることができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよい。
また、ハロゲン化銀乳剤に対しては還元増感を用いることができる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いることができる。上記ハロゲン化銀乳剤は、欧州公開特許(EP)293917に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。ハロゲン化銀乳剤は、1種だけでもよいし、2種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの、感度の異なるもの)の併用であってもよい。中でも高コントラストを得るためには、特開平6−324426号公報に記載されているように、支持体に近いほど高感度な乳剤を塗布することが好ましい。
なお、銀塩乳剤の塗設量に特に制限は無い。乳剤の塗設量が多すぎると感光材料のコスト上昇、現像時間の延長等が問題となるが、銀塩乳剤の塗設量を増やすほどより低い抵抗値の現像銀形成に有効である。導電性膜形成用銀塩感光材料として好ましい銀塩乳剤の塗設量は、銀量換算で2g/m2から15g/m2の範囲であり、4g/m2から10g/m2であることがより好ましい。
<バインダー>
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダーを用いることができる。本発明において上記バインダーとしては、非水溶性ポリマーおよび水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
上記バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロースおよびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
乳剤層中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができるが、乳剤層中のバインダー比がより高いほど低い抵抗値の現像銀形成が可能であり好ましい。ただしAg/バインダー比が高くなりすぎるとハロゲン化銀粒子の凝集や塗布性悪化が問題となる。本発明において、Ag/バインダー重量比率が3以上であることが好ましく、4.5以上12以下であることがより好ましく、6以上10以下であることが最も好ましい。
また、バインダーの種類としてはゼラチンが最も好ましい。
<硬膜剤>
本発明に係る感光材料の乳剤層およびその他の親水性コロイド層は、硬膜剤によって硬膜されることが好ましい。
硬膜剤としては、無機又は有機のゼラチン硬化剤を単独又は組合せて用いることができる。例えば活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド〕など)活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸など)、N−カルバモイルピリジニウム塩類((1−モルホリ、カルボニル−3−ピリジニオ)メタンスルホナートなど)ハロアミジニウム塩類(1−(1−クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジニウム、2−ナフタレンスルホナートなど)を単独または組合せて用いることができる。なかでも、特開昭53−41220、同53−57257、同59−162546、同60−80846に記載の活性ビニル化合物および米国特許3,325,287号に記載の活性ハロゲン化合物が好ましい。以下にゼラチン硬化剤の代表的な化合物例を示す。
Figure 0004224479
Figure 0004224479
Figure 0004224479
前述したように、乳剤層の硬膜剤の添加量等を調製することにより、乳剤層の膨潤率を任意にコントロールすることができる。
乳剤層へ添加する硬膜剤量の好ましい範囲は、硬膜剤添加後の感光材料の保存温湿度、保存期間、感光材料の膜pHおよび感光材料に含まれるバインダー量等によって異なるため、一概には決まらない。特に硬膜剤はバインダーと反応する前に感光材料の同一面側に位置する全層にわたって拡散し得るため、硬膜剤の好ましい添加量は乳剤層を含む感光材料の同一面側の全バインダー量に依存する。本発明の感光材料の、好ましい硬膜剤の含有量は、乳剤層を含む感光材料の同一面側の総バインダー量に対して0.2重量%〜15重量%の範囲であり、より好ましくは0.5重量%〜6重量%の範囲である。
また前述のように硬膜剤は拡散し得るため、硬膜剤の添加位置は乳剤層である必要は無く、乳剤層と同一面側のいずれの層にも好ましく添加でき、また複数の層に分割して添加することも好ましい。
<染料>
感光材料には、少なくとも乳剤層に染料が含まれていてもよい。該染料は、フィルター染料として若しくはイラジエーション防止その他種々の目的で乳剤層に含まれる。上記染料としては、固体分散染料を含有してよい。本発明に好ましく用いられる染料としては、特開平9−179243号公報記載の一般式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式(FA3)で表される染料が挙げられ、具体的には同公報記載の化合物F1〜F34が好ましい。また、特開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−7)等も好ましく用いられる。
このほか、本発明に使用することができる染料としては、現像または定着の処理時に脱色させる固体微粒子分散状の染料としては、特開平3−138640号公報記載のシアニン染料、ピリリウム染料およびアミニウム染料が挙げられる。また、処理時に脱色しない染料として、特開平9−96891号公報記載のカルボキシル基を有するシアニン染料、特開平8−245902号公報記載の酸性基を含まないシアニン染料および同8−333519号公報記載のレーキ型シアニン染料、特開平1−266536号公報記載のシアニン染料、特開平3−136038号公報記載のホロポーラ型シアニン染料、特開昭62−299959号公報記載のピリリウム染料、特開平7−253639号公報記載のポリマー型シアニン染料、特開平2−282244号公報記載のオキソノール染料の固体微粒子分散物、特開昭63−131135号公報記載の光散乱粒子、特開平9−5913号公報記載のYb3+化合物および特開平7−113072号公報記載のITO粉末等が挙げられる。また、特開平9−179243号公報記載の一般式(F1)、一般式(F2)で表される染料で、具体的には同公報記載の化合物F35〜F112も用いることができる。
また、上記染料としては、水溶性染料を含有することができる。このような水溶性染料としては、オキソノール染料、ベンジリデン染料、メロシアニン染料、シアニン染料およびアゾ染料が挙げられる。中でも本発明においては、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料およびベンジリデン染料が有用である。本発明に用い得る水溶性染料の具体例としては、英国特許584,609号明細書、同1,177,429号明細書、特開昭48−85130号公報、同49−99620号公報、同49−114420号公報、同52−20822号公報、同59−154439号公報、同59−208548号公報、米国特許2,274,782号明細書、同2,533,472号明細書、同2,956,879号明細書、同3,148,187号明細書、同3,177,078号明細書、同3,247,127号明細書、同3,540,887号明細書、同3,575,704号明細書、同3,653,905号明細書、同3,718,427号明細書に記載されたものが挙げられる。
上記乳剤層中における染料の含有量は、イラジエーション防止などの効果と、添加量増加による感度低下の観点から、全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
<溶媒>
上記乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等アルコール類、アセトンなどケトン類、ホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸エチルなどのエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本発明の乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、前記乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
[支持体]
本発明に係る感光材料の支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、およびガラス板などを用いることができる。
上記プラスチックフィルムおよびプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさおよび価格の点から、上記プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
本発明により得られる導電性金属膜がディスプレイ用の電磁波シールド材料として用いられる場合、支持体は透明プラスチック等の透明基材であることが好ましい。この場合におけるプラスチックフィルムまたはプラスチック板の全可視光透過率は70〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。
また、支持体は着色したものでもよい。支持体は単層でもよいし、2層以上からなる多層フィルムでもよい。
支持体としてガラス板を用いる場合、その種類は特に限定されないが、本発明により得られる導電性金属膜がディスプレイ用電磁波シールド膜の用途として用いられる場合は、表面に強化層を設けた強化ガラスを用いることが好ましい。強化ガラスは、強化処理していないガラスに比べて破損を防止できる可能性が高い。さらに、風冷法により得られる強化ガラスは、万一破損してもその破砕破片が小さく、かつ端面も鋭利になることはないため、安全上好ましい。
[感光材料の形成]
本発明に係る感光材料は、上記成分を含有する乳剤層用塗布液を支持体上に塗布することにより形成することができる。塗布手段としてはいずれの塗布手段を用いてもよい。
塗布後の乳剤層のpHとしては、前述の膨潤率を達成するために、3.0〜9.0の範囲とするのが好ましく、4.0〜7.0の範囲とすることが好ましい。ここで乳剤層のpHは、塗布膜の表面に蒸留水を1滴20μリットルを滴下し表面電極を接して25℃1分後のpH値を読みとった値と定義する。また、乳剤層の含水率は、乳剤層の総バインダー量に対して50重量%以下の範囲が好ましく、5〜30重量%の範囲とすることが好ましい。
本発明に係る感光材料は、乳剤層以外にも他の機能層を有していてもよい。他の機能層としては、例えば、乳剤層側には保護層、UL層、下塗り層等を設けることができるし、乳剤層を有しない側にはバック層等を設けることができる。
なお、乳剤層は実質的に最上層に配置されていることが好ましい。ここで、「乳剤層が実質的に最上層である」とは、乳剤層が実際に最上層に配置されている場合のみならず、乳剤層の上に設けられた層の総膜厚が0.5μm以下であることを意味する。乳剤層の上に設けられた層の総膜厚は、好ましくは0.2μm以下である。また、乳剤層の膜厚は、特に限定されないが、0.2〜20μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましい。
露光部13は、例えば、直径De=150mmの露光ローラ28と、この露光ローラ28の上部に配置されるフォトマスク29と、フォトマスク29に光を照射する照明手段である照明部30とから構成されている。図5に示すように、フォトマスク29は、例えば、厚みt2=4.5mm、ワーク搬送方向Fのマスク長さL’=200mm、マスク幅W’=800mmの透明なソーダガラスで形成されたマスク基板32と、このマスク基板32の一方の面に、ワーク搬送方向Fに沿って形成される複数個のマスクパターン33とからなる。
マスクパターン33は、例えば黒色の遮光パターンに、マスクパターン33の形状のスリットを形成して光が透過できるようにしたものである。なお、本来、遮光パターンを黒地で、スリットからなるマスクパターン33を白地で描くべきであるが、図面が煩雑になるため、図5では、遮光パターンを白地で、マスクパターン33を黒線で描いている。
図5(C)に示すように、マスクパターン33は、上述したメッシュ状の周期パターン5と同形状、同寸法であり、ワーク幅方向に沿ってクロム蒸着によりマスク基板32上に形成されている。このマスクパターン33は、マスク基板32上に設けられたパターンエリア35内に、ワーク搬送方向Fに沿って複数個が形成されている。パターンエリア35は、例えば、ワーク搬送方向Fのパターン長さLが200mm、ワーク幅方向のパターン幅Wが760mmとされている。このように、パターンエリア35のパターン幅Wがワーク幅W0よりも大きくされているのは、帯状ワーク11が搬送時に蛇行しても、その幅方向の全域に確実に周期パターン5の形状を露光するためである。そのため、ワーク幅W0とパターン幅Wは上記数値に限定されないが、W0<Wの関係を有することが好ましい。
また、マスクパターン33を周期パターン5として帯状ワーク11に露光するために、パターンエリア35のパターン長さLと周期長さL0は、L0<Lの関係を有することが好ましい。本実施形態では、パターン長さL=200mmが、周期長さL0=424μmに対して十分大きいが、これはフォトマスクのたわみなどによる像のねじれに配慮して、剛性を確保することを目的に設定したものであり、マスクパターン33を形成する必要性から決めたものではない。そのため、フォトマスク29の剛性が確保できる構造であれば、L寸法はもっと小さくてもよく、大判のフォトマスクを必要としないという点でコストダウンに繋がる長所となる。たとえば、800×1000mmのソーダガラス基板に同一周期パターンを切ったマスクを形成し、その後短冊状に分割すれば、1枚のマスク製作と切断により、複数個のマスクとなるので、安価にマスクを製作する事ができる。
なお、マスクパターン33のパターン長さLを周期パターン5の露光に最低限必要な周期長さL0に対して十分に大きくすることにより、仮に作業ミスなどでフォトマスク29が損傷しても、ワーク搬送方向FにL0以上ずらして組み付ければ、新しいフォトマスク29として使用することができる。このように、複数回の使いまわしができる点で、予備のフォトマスク29が必ずしも必要でなくなり、その点でもコストパフォーマンスがよい。
マスクパターン33の線幅は、プロキシミティ露光によって生ずる線幅太りを見込んで、出来上がり寸法Wsより細めの線幅としておくのが好ましい。また、パターンの角度θpやピッチP、線幅Wsは限定されるものではないが、帯状ワーク11の送り方向に周期的なパターンであることが必須である。
上記フォトマスク29は、図6に示すマスク保持部40によって保持されている。マスク保持部40は、フォトマスク29を保持する保持枠41と、この保持枠41に保持されたフォトマスク29が、帯状ワーク11との間にプロキシミティギャップLgを隔てて対面される露光位置と、帯状ワーク11からプロキシミティギャップLg以上離されて隙間が形成される退避位置(図中2点鎖線で示す)との間で保持枠41を移動自在に支持する支持部42と、保持枠41を露光位置と退避位置との間で移動させる駆動部であるアクチュエータ43とから構成されている。本実施形態では、プロキシミティギャップLgを例えば、50μmを用いている。
保持枠41は、フォトマスク29の外周を前後から挟み込んで保持する。保持枠41には、背面側から螺合されてフォトマスク29に当接する調節ネジ46が幅方向に複数箇所設けられている。この調節ネジ46は、プロキシミティギャップLgの幅方向微小ひずみに対する微調整を行う調整部であり、保持枠41への締め込み量を加減することによってフォトマスク29が調節ネジ46に押され、保持枠41内で移動して全幅でギャップが同じになるように、プロキシミティギャップLgが調整される。
支持部42は、保持枠41に取り付けられるスライドガイド49と、このスライドガイド49をスライド自在に支持するスライドレール50等からなり、保持枠41を露光位置と退避位置との間でスライド自在に支持する。アクチュエータ43は、例えば、モータやソレノイド、エアシリンダ等が用いられ、保持枠41をスライドレール50上でスライドさせて露光位置と退避位置とに移動させる。プロキシミティギャップLgはスライドレール50上の露光位置を決めるストッパの微調整により決定される。
アクチュエータ43は、支持部42に取り付けられ、移動子43aがスライドガイド49に接続され、制御部16によって制御される。このアクチュエータ43は、露光時には移動子43aを下方に突出させて保持枠41を露光位置に移動させる。また、帯状ワーク11の接合部分が第1フォトマスク29の下を通過する際には、移動子43aを引き込んで保持枠41を退避位置に移動させ、第1フォトマスク29と接合部分との干渉を防止する。退避位置は、第1フォトマスク29と接合部分との干渉を確実に避けるために、例えば、露光位置から50mm程度上方に設定されている。なお、支持部42には、露光位置へ移動した際の位置再現性の高い高精度なものが用いられているため、保持枠41の移動によってプロキシミティギャップLgがずれることはない。
図7は、照明部30の構成を示す概略図である。照明部30は、露光光源であるレーザ出力装置55と、このレーザ出力装置55から出力されたレーザ光Sをコリメートして平行光にするコリメートレンズ56と、レーザ光Sを反射する反射ミラー59と、走査手段であるポリゴンミラー57及びモータ58とから構成されている。
レーザ出力装置55は、例えば、出力60mwのシングルモード半導体レーザ出力装置であり、波長が405nmのレーザ光Sを出力する。コリメートレンズ56は、例えば焦点距離3mmであり、図8に示すように、入力されたレーザ光Sを長軸Lb=3.6mm、短軸Wb=1.2mmの楕円形の射影形状を有する平行光に変換する。このレーザ光Sは、長軸Lbがワーク搬送方向Fに、短軸Wbがワーク幅方向に沿うように、フォトマスク29に照射される。なお、レーザ光Sの射影形状及び大きさは、1/e2換算ビーム径であるが、これに限定されるものではなく、コリメートレンズ56により自由に設定することができる。なお、60mwシングルモード半導体レーザを使用したが、レーザ定格出力を規定するものではなく、光源パワーが大きいほど設計余裕がとれるため、より好ましいといえる。
ポリゴンミラー57は、略円板形状の外周面に平板な反射面61が複数設けられたもので、反射面61に入射されたレーザ光Sをフォトマスク29に向けて反射し、その際にモータ58によって回転されることにより、レーザ光Sをフォトマスク29上で走査させる。本実施形態のポリゴンミラー57は、18面の反射面61が設けられている。この反射面61により走査できる走査角度は20°であるが、本実施形態では走査角度θsとして10°を露光走査に利用する。また、10°の走査角度θsでフォトマスク29の幅方向全域を走査するために、ポリゴンミラー57の反射面61からフォトマスク29までの距離Lsを2250mmとしている。
露光走査に使用する走査角度θsを10°としたのは、ポリゴンミラー57の反射による露光時間のバラツキを小さくするためである。ポリゴンミラー57の反射面61は、回転方向の中央部と端部とで中心からの半径が異なるため、回転時の角速度の違いから走査速度が変化し、露光時間にバラツキが生じて露光品質が低下する。例えば、走査角度が10°のときには、反射面61の中央部と端部との走査速度の差は3.1%と小さいため、周期パターン5の露光に対する影響は少ない。しかし、走査角度が20°になると、走査速度の差は13.2%になり、走査角度45°では50%になるため、周期パターン5の線幅や間隔が不均一になる等の露光不良が発生する。
なお、パターン露光装置10を小型化するために、照明部30とフォトマスク29との距離を短くする場合には、ポリゴンミラー57による走査速度の変化に合せて、レーザ光Sのパワーが変化するように制御するのが好ましい。銀塩感材21は、トータルで露光される光量、すなわち積算露光量に応じて感光濃度が規定されるが、この積算露光量は「積算露光量=トータル露光時間×光量」の関係を有する。そのため、この積算露光量が一定になるようにレーザ光Sのパワー(光量)を可変させれば、露光品質を低下させずに周期パターン5を露光することができる。
また、ポリゴンミラー57の反射面数を18面としたのは、ポリゴンミラー57の直径を100mm程度に抑えるためである。本来ならば20°の走査角度を有するポリゴンミラー57で10°の走査角度しか使用しない場合、露光光源の使用効率が50%となる。また、この50%の使用効率で必要な露光量を得るために、露光光源の光量も大きくする必要があるため、コスト的に不利である。しかし、露光光源の使用効率を上げるためにポリゴンミラー57の反射面数を36面にすると、ポリゴンミラー57の直径は600mm以上となり、部品加工コストが現実的でなくなるため、本実施形態では18面を採用した。なお、ポリゴンミラー57の反射面数と露光光源の光量は対応関係にあるため、露光光源のパワーと露光感材の感度との組み合わせに応じて最適な反射面数を選択するとよい。
なお、ビーム走査はポリゴンミラーに限ったものでなく、ガルバノ、レゾナントスキャナー他いろいろなアクチュエーターが利用可能である。ただし、レーザ走査は、後述するが必ず1方向からのスキャニングとする必要があり、往復走査するタイプのアクチュエータでは片方向をオフする変調制御が必要となる。
次に、上記構成のパターン露光装置10によってメッシュ状の周期パターン5を露光する方法について説明する。図9は、本発明のパターン露光方法を示す概念図である。帯状ワーク11は、図中矢印Fで示すワーク搬送方向に搬送され、この搬送中に照明部30からフォトマスク29にレーザ光Sが照射される。フォトマスク29に照射されたレーザ光Sは、マスクパターン33のスリットを通って帯状ワーク11に達し、周期長さL0=424μmの菱形の周期パターン5が搬送方向に沿って露光される。帯状ワーク11とフォトマスク29との間には、例えば50μmのプロキシミティギャップLgが設けられており、周期長さL0分のワーク搬送に同期させてプロキシミティ露光を行うことにより、ズレの無い周期パターン5が露光される。
本発明は、帯状ワーク11を停止させずに連続搬送しながら、該マスクパターン33が設けられたフォトマスク29は静止させた状態で、フォトマスク29の少なくとも1周期分のマスクパターン33の全域をカバーする露光領域に周期的(424μmの送りにあわせた周期)にプロキシミティ露光することが特徴となる。このことから、フォトマスク29の少なくとも1周期分のマスクパターン33の全域をカバーする露光領域とは、1周期分の周期パターン5を露光するために必要な搬送方向424μm、幅方向750mmの領域を含む最小限の露光エリアを言う。
周期パターン5の搬送方向の周期長さL0=424μm、帯状ワーク11のワーク搬送速度をV=4m/分、周期パターン5を露光するための露光周期をT、露光時間をΔT、マスクパターン33の最小線幅Dmin=10μmとした時、周期長さL0だけ帯状ワーク11が搬送されるのに必要な時間は、L0/V=6.36msecとなる。この時間に1回のレーザ走査を行うように設計すると、露光周期T=6.36msecとなり、18面ポリゴンミラー57の回転数は、ω=524rpmとなる。このときのビーム走査速度Vbは、ポリゴンミラー57からフォトマスク29までの距離Lsが2250mmであるので、Vb=Ls・ω=123m/sec、レーザ光の射影形状の幅方向の大きさは1.2mmなので、レーザ光Sがこの走査速度で露光している露光時間はΔT=1.2/vb=9.8μsec、この間で帯状ワーク11が送り方向に動く搬送量Lmは、V・ΔT=0.65μmとなる。
上記搬送量Lmは、露光時にフォトマスク29に対して帯状ワーク11が搬送方向Fにずれる量となる。そのため、搬送量Lmがマスクパターン33の最小線幅Dminよりも大きくなると、周期パターン5の線幅Wsが太くなり露光品質が低下する。露光品質を確保するには、V・ΔT<Dminにしなければならない。なお、本実施形態では、V・ΔT=0.65μm<Dmin=10μmを満たすため、露光品質の低下は少ない。
なお、本実施形態では、前述のレーザ走査によるレーザ光Sの射影形状の大きさを長軸Lb=3.6mm×短軸L1.2mmとし、フォトマスク29の裏面には、レーザ光Sの長軸Lbにほぼ等しい幅Wsを有するスリット65が設けられた遮光マスク67を配置し、それ以上の光がフォトマスク29に当たらないようにしている。そのため、レーザ光Sの1走査による露光領域は、搬送方向3.6mm×幅方向750mmとなり、3.6/0.424=8.5個分のマスクパターン33を照射し、かつ多重露光が行われることになる。
これにより、フォトマスク上に射影される露光光源の光の長さLb=3.6mm、Lb=3.6>L0=0.424を満たし、Lb/L0の商mはm=8となる。したがって、ワーク搬送速度Vと露光周期Tとの間の関係が、(n−1)×(L0/V)=T(nは自然数)、かつ2=<n<=m=8を満たすようにすると、n=2〜8の任意の数字を選択でき、最も多重露光回数を多く出来るのは、n=2の場合である。本実施形態では、上述のように、周期パターンの1周期分の長さだけ帯状ワークが搬送されるのに必要な時間L0/V=6.36msecとし、この時間に1回のレーザ走査を行うため、n=2、T=6.36msecになるようにTとVとの関係を決めてある。
図10に、レーザ走査による、銀塩感材への露光状態を模式的に表した図を示す。同図(A)のa〜eに示すように、レーザ光Sの1走査により、フォトマスク29越しに8.5列分の周期パターン5が順次左から右へ全幅を露光される。すなわち、同図(B)のaに示すように、帯状ワーク11には、ワーク搬送方向Fに8.5列分の菱形が露光される。その間に、帯状ワーク11はワーク搬送方向Fに周期長さL0分搬送されているので、帯状ワーク11上のすでに周期パターン5が露光された部分の上から、この部分がフォトマスク29を通過する時に、同じパターンがフォトマスク29越しに重ね露光される。このときのワーク搬送速度Vと露光周期Tとが同期されていれば、潜像に重ねて露光がなされるため、周期パターン5に乱れは生じない。これを順次繰り返していくことにより、同図(B)a〜gに示すように、1つの周期パターン5に対して必ず8.5回分の多重露光がなされることになる。なお、パターン露光装置10の稼働開始時と稼働終了時には、段階的に露光回数が不足するので、この部分はNGとして抜き取られる。
上記の必要露光量について計算すると、4m/分の速度で感材750mm幅を露光するので単位時間あたりの露光面積は66.7mm/sec(4m/min)×750mm=500cm2となり、感材感度が例えば10μj/cm2の場合、10μj/cm2×500cm2=5mwの露光パワーが必要となる。更に、マスクパターンのスリット幅(最小線幅)=15μm、ピッチP=300μmの時の開口率は9.75%、走査効率を50%、光学系の効率を50%と仮定すると、露光光源利用効率η=0.5×0.5×0.0975=2.4%となる。前述した5mwをこの効率で1回の露光にて得るには、光源パワーは5/2.4%=208mw必要となる。
上記実施形態による多重露光においては、多重露光回数分の積分値で決まる露光量を1回露光に比べて余計に照射できるので、その分光源パワーは小さくてすむ。感材感度(2〜10μj/cm2程度)選択、および光源パワー(50mw〜200mw)選択により、また光源を複数個組み合わせ露光することでさらにハイパワー化できるので、フレキシブルな設計が可能である。
多重露光することのメリットは、上記計算のように、露光回数を稼げるので光源の光量不足を補うことが出来る点があげられる。更にこれだけでなく、多重露光によって、光源の輝度分布の不均一性を平均化する効果があり、送り方向の輝度ばらつきによる露光量の不均一化を抑制可能である。また横方向の走査も同様に走査方向の光源の輝度分布の不均一性を平均化する効果があり、走査によって走査方向の輝度ばらつきによる露光量の不均一化を抑制可能である。したがって多重露光と横走査との組み合わせによって、光源輝度分布がいかなる場合でも、設計上は積分効果でいつでも均一な露光量になるのである。これは光源の輝度ばらつきを気にする必要がなくなるという点でコストダウンに大きくつながる長所となる。
本発明のパターン露光方法において、露光線幅のばらつきに大きく寄与するのは、上記の露光周期Tとワーク搬送速度Vとの関係であり、これらの同期がずれてしまうと同期ずれの分だけ露光がずれていくことになる。ずれが影響するのは、レーザ光Sの長軸Lbであり、8.5回の周期パターン分が、ずれの累積として効いてくることになる。
同期ずれによる累積露光ズレ量を、以下の条件のもとでシミュレーションで計算した結果を図11に示す。
計算の前提
・ワーク搬送速度V=4m/分
・スキャン周波数1/6.36msec=157Hz
駆動系の前提
・モータの後に1/50ウォーム減速機
・プーリにて1:2に更に減速して、露光ローラを駆動
・最大の速度ムラ成分となるギヤマーク(ギヤの歯1枚あたりの成分:入力軸1回転の周波数成分と同一)
・8回の走査の間に起こり得る最大の走査位置(ワーク搬送方向)ずれをシミュレーション
・ギヤマーク成分の速度ムラ1%と仮定
上記計算の結果、8.5回の多重露光で1%のギヤマークによる速度ムラがあると、最大で37μmものずれを引き起こしてしまうことが分かった。したがって、速度ムラによる同期ズレは極力小さくなるように設備側の速度同期、速度ムラ抑制設計を行い、0.1%程度に押さえ込むことが好ましい。また、レーザ光の射影形状を小さく設計すれば、その分は速度ムラに対する影響を小さく出来るが、その分だけ多重露光回数は減るので、露光パワーが必要となってくる。したがって感材感度や設備費の観点からバランスの良い設計をする必要がある。
また、本実施形態ででは、多重露光の1回目の露光によって感光濃度がほぼゼロの状態であり、2回目の露光でほぼ半分以上の濃度まで達し、3、4回目の露光でほぼ設計上の濃度が得られるように露光量を決めてある。これは前述のγが大きく硬調な感材を使用していることに深く関係する。一般的にこの様な露光を行うための感材のγは、5以上、好ましくは10以上であり、本実施形態に使用している感材では20以上のものを使用している。この感材は、露光回数が少ない領域でγの大きい(諧調の硬い)特性を示しており、上記に好適な感材である。
露光光源の輝度分布は、一般的にガウシアン分布を示し、露光に寄与するだけの輝度を持ったエリアは、例えば8.5回の多重露光を行ううちの中央部4回程度となっている。したがって、実質的には4回の多重露光に近いプロセスとなっており、この間で4回の累積露光量が一定以上に達した場合に潜像形成されることになる。しかし、露光ズレによる露光量は、1回分では潜像となって現れない設計となっているので、その分ずれに対する許容が広い設計となっている。すなわち、重なったところの露光量累積分が一定以上に達したところのみに像が現れることになる。帯状ワーク11を搬送しながら露光するので、必ずブレ露光となるが、このブレ分の累積露光量は十分小さく設計すれば、潜像を形成する露光量に達しないようにできるので、ブレをほとんど見えないようにすることも可能である。
一方、レーザ光Sの振れの影響は、フォトマスク29を介して露光しているため露光量の変動になるが、パターン形状には影響せず、いつもマスクパターン33を露光していることになる。しかも多重露光のため、このレーザ光Sの振れによる露光量変動のトータルとしては平均化されて、線幅に影響が出にくい設計となっている。したがって、ポリゴンミラー57の面ブレや、各面61の角度精度がやや甘くても、露光形状に影響が小さく、安定した品質を保てる点が本発明の大きな長所である。
上記のプロキシミティ露光において、プロキシミティギャップLgは500μm以下であることが好ましい。これは実験の結果、密着露光がほぼフォトマスクと同じ線幅となるのに対して、プロキシミティ露光では、光の回折によって、平行光化した光源を用いても、マスク線幅より若干太った線幅となるためである。プロキシミティギャップLgを50〜550μmまで変化させた際の光回折による光強度分布のシミュレーション結果を図12(A)〜(F)に示す。このシミュレーション結果から分かるように、プロキシミティギャップLgが大きくなるほど光強度分布が広がってしまう。またgapを広げていった場合に露光パターン形状をチェックしていくとマスクパターン形状から線同士の直交点における変形がおおきくなっていく事が判明した為、500μm以下が好ましいと判断した。本実施形態では、プロキシミティギャップLgが小さいほど露光品質に有利なので、50μmに設定した(これ以上近づけない理由は後述する)。
また、本実施形態では、露光部13がφ150mmの露光ローラ28上にあり、この露光ローラ28に帯状ワーク11をラップさせた状態で、連続的に帯状ワーク11を搬送しながら露光している。この時、レーザ光Sの中央が露光ローラ28の中心に向かうようにレーザ光Sの照射方向を合わせこむ。なお、図13に示すように、レーザ光Sの端部と中央部では、露光ローラ28の曲率があるため、プロキシミティギャップLgが変わってくる。露光ローラ半径R、レーザ光半径r、レーザ光Sの中央と端部とでのプロキシミティギャップの差をhとすれば、
h=R−(R2−r21/2
で与えられ、計算するとレーザ光Sの直径Lb=3mmでは、h=15μmの差となる。また、レーザ光Sの直径Lbを3.6mmとすれば、h=21.6μmの差異が出る。このように露光ローラ28のローラ径は、大きければ大きいほど曲率の関係から中央と端部でのプロキシミティギャップLgの差異が小さく、好ましいが、設備上、大径のローラの製作はコストがかかり、大掛かりな装置になるので、レーザ光Sの直径Lbと合せて最適な設計を行うことが好ましい。
また、露光ローラ28の偏芯や、露光ローラ28そのものの加工精度、軸のガタ等によって、プロキシミティギャップLgは露光ローラ28の回転周期で変化する。本実施形態では、プロキシミティギャップLgのブレを20μm程度に抑えてあるが、ローラ加工、組み付けを精密に行えば数ミクロンオーダーで抑える事は可能である。なお、露光ローラ28上で露光することのメリットは、帯状ワーク11のばたつきを抑えることが出来る点である。例えば、ローラ間に掛けられた帯状ワーク11のフラット面でのばたつきは、一桁上の100μオーダーの振れがあり、それに比べるとずっと小さく抑えることが可能である。これらがプロキシミティギャップLgのばらつきとなり、線幅に影響する因子となる。なお、実験では、数十ミクロンの範囲のブレでは、露光品質に大きな影響はでない。上記のようにLgを小さくしすぎると、メカ的なばらつきからウェブとマスクが接触してしまい、マスクや製品にキズが付く可能性がでてくるため、いくらかのマージンを含めてLg=50μmに設定した。
次に、電磁波シールドフイルム2の露光工程の概要について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。帯状ワーク11は、未露光の銀塩感光材料21が塗布された厚みt1=100μm、幅W0=650〜750mmの長尺フイルム20からなり、100〜1000mがリールに巻かれてワーク供給部12にセットされる。一方、ワーク巻取り部14には巻取り用のリール24がセットされ、帯状ワーク11の先端が係止される。この状態で、照明部30はレーザ出力装置55はオフ状態のままポリゴンミラー57を回転させ、設定された回転数に達したら、帯状ワーク11の搬送を開始する。
前述のように、ズレの無い多重露光を行うには、露光周期Tとワーク搬送速度Vとの間に一定の同期関係が必要である。また、露光周期Tとワーク搬送速度Vとを同期させるには、ポリゴンミラー57の回転数ωとワーク搬送速度Vとを同期させるのが最も簡単である。具体的にはワーク搬送速度Vと、露光周期Tとの同期は、基準のクロックとして外部にたとえば水晶発振器80を設け、制御部17は、このクロックを参照してすべての速度が所望の一定速度になるように制御する。これによって正確な同期を取ることができる。ポリゴンミラー57のスキャン開始信号は、ミラーによってスキャンされるレーザ光をフォトダイオードなどの光検出器によって検出した信号を使うか、もしくはミラーの制御信号で1面に1回出力されるパルス信号の立ち上がりを利用する。
なお、ポリゴンミラー57の回転数ωとワーク搬送速度Vとが同期してから露光を開始するのは、露光が適切に行われた部分とNG部分との識別を容易にするためである。ポリゴンミラー57の回転数ωとワーク搬送速度Vとが非同期の状態で露光を行っても、周期パターンは露光されるので、一見良品のように見える場合も考えられ、目視による外観検査によりNG部を抜き取る場合、ヒューマンエラーが必ず発生し、NG混入のリスクを伴う。そのため、予め同期状態に達したかどうかを制御部16でモニタしておき、非同期状態ではレーザ出力装置55を動作させず、露光しなければ、必ずNGと認識することができる。したがって運転スタート/ストップの非同期帯では自動的にレーザは発光しないようになっている。
ポリゴンミラー57の回転数ωとワーク搬送速度Vとが同期状態になると、制御部16はレーザ出力装置55からレーザ光Sを出力させ、フォトマスク29を介して帯状ワーク11に周期パターン5を露光する。この露光は、上述したように複数回の多重露光によって行なわれる。露光済みの帯状ワーク11は、ワーク巻取り部14に巻き取られる。ワーク供給部12の帯状ワーク11が無くなると、ワーク供給部12から制御部16にエンド信号が入力され、帯状ワーク11の搬送が停止され、接合部15にて帯状ワーク11の端末がカットされ、ワーク供給部12セットされる新しい帯状ワーク11の先端とテープ接合される。
帯状ワーク11の接合後、再びワーク搬送が開始されるが、接合部分が露光ロール28を通過する際にマスク保持部40がフォトマスク29を退避位置に移動させるので、フォトマスク29と帯状ワーク11の接合部分とが接触して損傷することはない。接合部分の通過後は、フォトマスク29は再現良く露光位置に復帰され、所定のプロキシミティギャップLgが設定される。なお、この接合部分の通過時にも、レーザ出力装置55をオフ状態にしておくことが好ましい。
ワーク搬送によって接合部分がワーク巻取り部14で巻き取られたら、一旦停止して、巻き取り終端部を固定し、カットして、巻き終わった端末を端末テープ止めする。巻き取られた製品を取り出し、新たにリール24を供給してチャックした後、カットした帯状ワーク11の先端をリール24に係止する。露光工程が以上で一巡し、この繰り返しによって製品が生産される。
なお上記は、1軸送り出し及び巻き取りを例に取り、説明したが、送り出し、巻き取りをそれぞれ2軸にして、切り替え時間を稼ぐ構成としてもよいし、リザーバーなどを構成して完全に無停止切換えを行うように構成すればロスは最小にできる。
露光工程で露光された帯状ワーク11は、現像工程に搬送され、現像されてメッシュ状の周期パターン5が銀塩で形成される。次のメッキ工程では、周期パターンをメッキの核として、電解メッキにより銅メッキを行い、電磁波シールドフイルム2が完成する。
なお、本実施形態では、銀塩感材を使用する電磁波シールドフイルムを例に説明したが、PET基材に銅箔を張り合わせこれにフォトレジストを塗布したもの、もしくはDFR(ドライフィルムレジスト)を張り合わせたものに対して、上記露光方法、露光装置を適用しても好適である。ただし感材分光感度にあわせ、光源波長を適合させておく必要がある。その場合は露光現像後にエッチング工程によって不要な銅箔部分を除去することにより、銅メッシュを形成させ電磁波シールドフイルム製品となる。
また、感材としては、銀塩感材だけでなくフォトレジストであってもよく、市販のドライフイルムレジストでもかまわない。この場合、銀塩感材に比べて感度の点で若干低感度であるが、その分光源パワーを上げてやればよく、フォトレジストであっても十分適用が可能である。この場合も感材分光感度にあわせ、光源波長を適合させておく必要がある。
また、60mwシングルモード半導体レーザを使用したが、レーザ定格出力を規定するものではなく、光源パワーが大きいほど設計余裕がとれるため、より好ましいといえる。その他、図15に示すように、2つのレーザ出力装置70,71から出力された2本のレーザ光S1,S2をプリズム73で偏光合波してパワーを上げ、コリメートレンズ74で平行光にして露光に使用してもよい。また、200mwマルチモード半導体レーザを使用してもよい。更に、図16に示すように、レーザ出力装置77とコリメートレンズ78とプリズム79とを1セットにして雛壇状の基台80の各段81に設置し、複数本のレーザ光S4〜S7を小さな面積に集光してもよい。
また、走査による露光では、フォトマスク29に光が斜めに入射するため、帯状ワーク11の幅方向の両端部では、走査角度が大きくなって周期パターン5が外側にずれて露光される。これを解決するには、予めフォトマスク29に形成されるマスクパターンを幅方向の内側にずらして形成すればよい。例えば、入射角度が20°でプロキシミティギャップLgが50μmである場合、帯状ワーク11上に露光される周期パターン5のずれは、50・sin20=17.1μmとなる。これは、フォトマスク29の幅方向の中央から除々に外側に結像位置がずれていき、最外部で17.1μmずれることになる。これが無視できない場合は、予めマスクパターンの菱形形状を幅方向で50・sinθずつ内側にずらして形成しておけばよい。
また、走査角度が大きくなることにより、帯状ワーク11に露光される周期パターン5の線幅が太くなるが、これを防止するには、フォトマスク29の両端部にいくにしたがってマスクパターン33の線幅を狭くしていくとよい。これによれば、露光される周期パターン5の線幅を均一にすることができる。
また、レーザ走査によってパターン露光する場合、ワーク送り速度V、露光幅W、ビーム走査速度Vbとして、1回走査する間に帯状ワーク11が送り方向に動く量となるV・W/Vb分だけ、予めマスクパターン33を傾けることが好ましい。なぜなら、実際はマスクパターン33と全く同じパターンではなく、帯状ワーク11を連続送りしている分だけ周期パターン5は斜めに傾いて露光されている。その分を補正するには、予め周期パターン5が傾く向きと逆の方向に上記分だけマスクパターン33を傾けることにより、マスクパターン33と同じ周期パターン5を露光することができる。上記実施形態の場合は、帯状ワーク11の全幅750mmに対して(66.7mm/sec÷123m/sec)×750mm=0.407mm、すなわち帯状ワーク11にマスクパターン33を直角に設置した位置から、ビーム走査の下流側をワーク搬送方向に0.407mmだけずらして固定すれば、出来上がりの周期パターン5は帯状ワーク11に直角にさせることが出来る。
また、ポリゴンミラーと半導体レーザの平行光ビームとの組み合わせがシンプル、安価で好ましいが、周期パターンの大きさが非常に大きくなる場合など、必ずしも光源としてビーム走査を行うことが有効でない場合も考えられる。この場合、大面積の平行光源を使用し、シャッタ装置を使用して、規定範囲内に規定時間の露光を行うとよい。なお、この場合は輝度分布が露光量に影響するため、出来る限り均一化された露光光源を使用する必要がある。
図17は、露光ローラ28に帯状ワーク11が掛けられている露光部の正面図であり、露光光源85として、いわゆるプロキシミティ露光機に使用されている紫外域の水銀ランプやメタルハライドランプなどを凹面鏡とコリメートレンズを用いて平行光化した大面積、例えば直径Dn=φ800mmの簡易平行光源を使用する。このとき、帯状ワーク11の幅方向でのフォトマスク29上に射影される光の長さがLw=800mmとなるため、フォトマスク29のワーク幅方向のパターン幅をW=750mmにすれば、Lw>Wを実現することができる。また、露光光源85とフォトマスク29との間に、3.6mm×800mmのスリット86を有する遮光マスク87と、シャッタ装置88とを配置し、全幅に細長い領域を露光時間ΔTだけ露光できるようにするとよい。シャッタ装置88としては、メカニカルシャッターや液晶シャッター等を用いることができる。
本発明のパターン露光方法及び装置は、様々な周期パターンの露光に利用できるが、プラズマディスプレイ用磁気シールドフイルムを構成するメッシュパターンのように、連続的に継ぎ目のないシームレスなパターンで、これを帯状ワークにシームレスに露光する場合により好適である。なぜなら、多重露光によって隣同士のいくつかの周期パターンを連続的に重ね書きするので、外乱が入った場合のパターンの欠落など、つなぎ目欠陥が出にくい設計となっているためである。
また、周期パターンを描くパターン最小線幅Dminとして、20μm以下に露光する場合により好適である。通常の露光ビームによる直描ではビーム径は50μm程度であり、よりビーム径を小さく設計する場合には、設備コストが大きな負担となってくる。しかしながら、本方式によれば、マスクを使用しているため、線幅を細いものでも露光できる点が容易であり、かつ連続的に露光を行えるので高スループットが期待できる。
更に、本発明のパターン露光方法は、パターン露光だけではなく、写真露光等にも適用することができる。また、プロキシミティ露光を採用したが、投影露光を用いることも可能である。さらに本実施例では帯状ワークを例に説明したが、シート状ワークを搬送しながら、連続的に露光する事へも、容易に適用が可能である。
本発明を利用して製造される電磁波シールドフイルムの平面図である。 電磁波シールドフイルムの断面図である。 本発明のパターン露光装置の構成を示す概略図である。 電磁波シールドフイルムの基材となる帯状ワークの平面図及び断面図である。 フォトマスクの平面図及び側面図である。 マスク保持部の構成を示す概略図である。 照明部の構成を示す概略図である。 レーザ光の射影形状を示す説明図である。 本発明のパターン露光方法を表す概念図である。 パターン露光状態を示す模式図である。 同期ズレによる露光ズレ量を表すグラフである。 プロキシミティギャップと光強度分布との関係を表すグラフである。 露光ローラの位置によるプロキシミティギャップの差異を表す説明図である。 電磁波シールドフイルムの露光工程を示すフローチャートである。 レーザ出力装置を2つ使用した露光光源を示す説明図である。 レーザ出力装置を複数使用した露光光源を示す説明図である。 面発光光源を使用した露光部の正面図である。
符号の説明
2 電磁波シールドフイルム
5 周期パターン
10 パターン露光装置
11 帯状ワーク
13 露光部
16 制御部
28 露光ローラ
29 フォトマスク
30 照明部
33 マスクパターン
40 マスク保持部
41 保持枠
42 支持部
43 アクチュエータ
55,70,71,77 レーザ出力装置
56,74,78 コリメータレンズ
57 ポリゴンミラー
73,79 プリズム

Claims (48)

  1. 感光層を有する帯状もしくはシート状のワークを連続搬送し、このワークに対しプロキシミティギャップを隔てて配置されたフォトマスクを介してプロキシミティ露光を行い、該フォトマスクに設けられたマスクパターンを、搬送方向に周期的な周期パターンとしてワークに露光するパターン露光方法において、
    前記周期パターンのワーク搬送方向に周期的な長さを周期長さL とし、ワーク搬送方向に直交するワークの幅をワーク幅W とし、前記フォトマスクのマスクパターンが設けられているパターンエリアのワーク搬送方向の長さをパターン長さL、ワーク幅方向の幅をパターン幅Wとした時に、
    <L、かつW <W
    であり、
    ワークの搬送速度をVとし、周期パターンを露光するための露光周期をT、露光時間をΔT、マスクパターンの最小線幅をDminとした時に、
    /V>=T、及びV・ΔT<Dmin
    を満たし、
    前記フォトマスクの少なくとも1周期分のマスクパターンの全域をカバーする露光領域に、該フォトマスクを介して露光周期T毎に露光時間ΔTだけプロキシミティ露光することを特徴とするパターン露光方法。
  2. 前記フォトマスク上に射影される露光光源の光は、ワーク搬送方向の長さをLbとした時、Lb>Lを満たし、かつLb/Lの商をm(mは自然数)としたとき、該ワーク搬送方向にマスクパターンがm個以上設けられたフォトマスクを用い、
    前記ワーク搬送速度Vと露光周期Tとの関係が、
    (n−1)×(L/V)=T(nは自然数)、かつ2=<n<=m
    を満たすようにし、該ワーク搬送方向の最も上流側のマスクパターンを第1のマスクパターンとしたときに、
    前記第1のマスクパターン越しに一度露光されたワーク上の潜像パターンが、第1のマスクパターンの下流側に配置された第nのマスクパターンを通過する時に、ワーク搬送速度Vと露光周期Tの同期をとって、第nのマスクパターン越しに多重露光することを特徴とする請求項記載のパターン露光方法。
  3. 前記多重露光時の露光量は、少なくとも1回の露光では感光濃度が得られず、n回の多重露光で所望の感光濃度が得られる露光量であることを特徴とする請求項記載のパターン露光方法。
  4. 前記露光光源は、前記露光周期Tの間に、光をワーク幅方向に1方向から走査させてワークの全幅をフォトマスク越しに露光することを特徴とする請求項または記載のパターン露光方法。
  5. 前記露光光源は、半導体レーザであり、このレーザをレンズを介してコリメ−トした平行光により露光を行うことを特徴とする請求項記載のパターン露光方法。
  6. 前記露光光源は、2系統の半導体レーザであり、これらのレーザを偏光合波し、かつレンズを介してコリメ−トした平行光により露光を行うことを特徴とする請求項記載のパターン露光方法。
  7. 前記露光光源は、複数の半導体レーザであり、これらのレーザをレンズを介して個々にコリメ−トし、その複数の平行光を集積した光により露光を行うことを特徴とする請求項記載のパターン露光方法。
  8. 前記半導体レーザは、その波長が405nmであることを特徴とする請求項ないしいずれか記載のパターン露光方法。
  9. 前記露光光源の光を走査させる速度を露光走査速度Vbとし、1回の走査を行う間にワークが搬送される量となる(W/Vb)・Vの分だけ、フォトマスクをワーク搬送方向に対して傾けることを特徴とする請求項ないしいずれか記載のパターン露光方法。
  10. 前記露光光源は、走査速度の変化に応じて光量を変化させ、ワークの全幅で露光量を一定にすることを特徴とする請求項ないしいずれか記載のパターン露光方法。
  11. 前記プロキシミティギャップをLgとし、前記マスクパターンは、露光光源の光の入射角度θの変化に応じて、ワーク幅方向でLg・sinθずつ内側にずらして形成されていることを特徴とする請求項ないし10いずれか記載のパターン露光方法。
  12. 前記ワークに露光される周期パターンの線幅が均一になるように、前記マスクパターンのスリット幅が、走査幅方向に変化していることを特徴とする請求項ないし10いずれか記載のパターン露光方法。
  13. 前記露光光源の光は、フォトマスク上に射影されるワーク幅方向の長さをLwとした時に、Lw>Wであり、設定した一定時間だけフォトマスク越しにワークの全幅を露光することを特徴とする請求項または記載のパターン露光方法。
  14. 前記プロキシミティギャップは、500μm以下であることを特徴とする請求項1ないし13いずれか記載のパターン露光方法。
  15. 前記感光層は、銀塩感材もしくはフォトレジストであることを特徴とする請求項1ないし14いずれか記載のパターン露光方法。
  16. 前記銀塩感材は、諧調γ(横軸:光量−縦軸:濃度特性の傾き)が5以上であることを特徴とする請求項15記載のパターン露光方法。
  17. 前記周期パターンは、連続的に継ぎ目のないシームレスなパターンであり、これを帯状ワークにシームレスに露光することを特徴とする請求項1ないし16いずれか記載のパターン露光方法。
  18. 前記周期パターンの線幅は、20μm以下であることを特徴とする請求項1ないし17いずれか記載のパターン露光方法。
  19. 前記周期パターンは、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターンであることを特徴とする請求項1ないし18いずれか記載のパターン露光方法。
  20. 前記帯状のワークをローラに巻き付けた状態で、該ローラの外周に配置されたフォトマスクを介してプロキシミティ露光を行うことを特徴とする請求項1ないし19いずれか記載のパターン露光方法。
  21. 前記ワークの搬送状況と露光光源の状況との同期状態を常時モニタし、非同期状態の時には、露光をしないことを特徴とする請求項1ないし20いずれか記載のパターン露光方法。
  22. 前記帯状ワークの搬送時に、2本の帯状ワークの端部同士を接合させた接合部分がフォトマスクの近傍を通過する際に、該フォトマスクをワークから逃がし、通過後は再現性を保ってプロキシミティギャップに戻るようにすることを特徴とする請求項1ないし21いずれか記載のパターン露光方法。
  23. 感光層を有する帯状もしくはシート状のワークをワーク搬送速度Vで連続搬送する搬送手段と、このワークに対しプロキシミティギャップLgを隔てて配置されるフォトマスクと、このフォトマスクを介して、露光周期Tごとに露光時間ΔTだけ、搬送方向に垂直な幅方向全域でワークに光を照射してプロキシミティ露光を行う照明手段と、前記ワーク搬送速度Vと、露光周期T及び露光時間ΔTを同期させる制御手段とを備え、該フォトマスクに設けられたマスクパターン搬送方向に周期的な周期パターンとしてワークに露光するパターン露光装置において、
    前記周期パターンのワーク搬送方向に周期的な長さを周期長さL とし、ワーク搬送方向に直交するワークの幅をワーク幅W とし、前記フォトマスクのマスクパターンが設けられているパターンエリアのワーク搬送方向の長さをパターン長さL、ワーク幅方向の幅をパターン幅Wとした時に、
    <L、かつW <W
    であり、
    前記マスクパターンの最小線幅をDminとした時に、
    /V>=T、及びV・ΔT<Dmin
    であることを特徴とするパターン露光装置。
  24. 前記フォトマスクは、パターン長さL方向に同一の周期のマスクパターンが複数個連なって設けられていることを特徴とする請求項23記載のパターン露光装置。
  25. 前記フォトマスク上に射影される露光光源の光のワーク搬送方向の長さをLbとした時に、Lb>Lとし、かつLb/Lの商をm(mは自然数)としたときに、前記マスクパターンは、ワーク搬送方向にm個以上が設けられていることを特徴とする請求項24記載のパターン露光装置。
  26. 前記制御部は、ワーク搬送速度Vと露光周期Tとの関係が、
    (n−1)×(L/V)=T(nは自然数)、かつ2=<n<=m
    を満たすように同期させ、ワーク搬送方向の最も上流側のマスクパターンを第1のマスクパターンとしたときに、この第1のマスクパターン越しに一度露光されたワーク上の潜像パターンが、第1のマスクパターンの下流側に配置された第nのマスクパターンを通過する時に、ワーク搬送速度Vと露光周期Tの同期をとって、第nのマスクパターン越しに多重露光することを特徴とする請求項25記載のパターン露光装置。
  27. 前記多重露光時の露光量は、少なくとも1回の露光では感光濃度が得られず、n回の多重露光で所望の感光濃度が得られる露光量であることを特徴とする請求項26記載のパターン露光装置。
  28. 前記照明手段は、フォトマスクに向けて光を照射する露光光源と、
    前記露光周期Tの間に、露光光源の光をワーク幅方向に1方向から走査させてワークの全幅をフォトマスク越しに露光する走査手段とからなることを特徴とする請求項23ないし27いずれか記載のパターン露光装置。
  29. 前記露光光源は、半導体レーザ出力部と、この半導体レーザ出力部から出力されたレーザ光をコリメ−トして平行光にするコリメートレンズとからなることを特徴とする請求項28記載のパターン露光装置。
  30. 前記露光光源は、2系統の半導体レーザ出力部と、これらの半導体レーザ出力部から出力されたレーザ光を偏光合波する光学部材と、偏光合波されたレーザ光をコリメ−トして平行光にするコリメートレンズからなることを特徴とする請求項28記載のパターン露光装置。
  31. 前記露光光源は、複数の半導体レーザ出力部と、これらの半導体レーザ出力部から出力されたレーザを個々にコリメ−トして平行光にする複数のレンズと、各平行光を集積する複数の光学部材とからなることを特徴とする請求項28記載のパターン露光装置。
  32. 前記半導体レーザは、その波長が405nmであることを特徴とする請求項29ないし31いずれか記載のパターン露光装置。
  33. 前記走査手段は、露光光源の光を反射してフォトマスクに照射させる複数の反射面が設けられたポリゴンミラーと、このポリゴンミラーを回転させる駆動手段及び制御手段とからなることを特徴とする請求項28ないし32いずれか記載のパターン露光装置。
  34. 前記制御手段は、前記走査速度の変化に応じて露光光源の光量を変化させ、ワークの全幅で露光量が一定になるように調整することを特徴とする請求項28ないし33いずれか記載のパターン露光装置。
  35. 前記走査手段による露光光源の光を走査させる速度を露光走査速度Vbとし、1回の走査を行う間にワークが搬送される量となる(W/Vb)・Vの分だけ、フォトマスクをワーク搬送方向に対して傾けることを特徴とする請求項28ないし34いずれか記載のパターン露光装置。
  36. 前記マスクパターンは、露光光源の光の入射角度θの変化に応じて、ワーク幅方向でLg・sinθずつ内側にずらして形成されていることを特徴とする請求項28ないし35いずれか記載のパターン露光装置。
  37. 前記ワークに露光される周期パターンの線幅が均一になるように、前記マスクパターンのスリット幅が、走査幅方向に変化していることを特徴とする請求項28ないし36いずれか記載のパターン露光装置。
  38. 前記照明手段は、フォトマスク上に射影される光のワーク幅方向の長さをLwとした時に、Lw>Wの照射範囲を有する露光光源からなることを特徴とする請求項23ないし27いずれか記載のパターン露光装置。
  39. 前記プロキシミティギャップLgは、500μm以下であることを特徴とする請求項23ないし38いずれか記載のパターン露光装置。
  40. 前記感光層は、銀塩感材もしくはフォトレジストであることを特徴とする請求項23ないし39いずれか記載のパターン露光装置。
  41. 前記銀塩感材は、諧調γ(横軸:光量−縦軸:濃度特性の傾き)が5以上であることを特徴とする請求項40記載のパターン露光装置。
  42. 前記周期パターンは、連続的に継ぎ目のないシームレスなパターンであり、これを帯状ワークにシームレスに露光することを特徴とする請求項23ないし41いずれか記載のパターン露光装置。
  43. 前記周期パターンの線幅は、20μm以下であることを特徴とする請求項23ないし42いずれか記載のパターン露光装置。
  44. 前記周期パターンは、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターンであることを特徴とする請求項23ないし43いずれか記載のパターン露光装置。
  45. 前記帯状のワークが巻き付けられるローラを設け、前記フォトマスクは、該ローラの外周にプロキシミティギャップLgを隔てて配置されていることを特徴とする請求項23ないし44いずれか記載のパターン露光装置。
  46. 前記制御手段は、ワーク搬送手段と照明手段との同期状態を常時モニタし、非同期状態の時には、照明手段から光を照射させないことを特徴とする請求項23ないし45いずれか記載のパターン露光装置。
  47. 前記フォトマスクを保持する保持枠と、
    この保持枠に保持されたフォトマスクが、ワークとの間にプロキシミティギャップを隔てて対面される露光位置と、ワークからプロキシミティギャップ以上離されて隙間が形成される退避位置との間で該保持枠を移動自在に支持する支持部と、
    保持枠を露光位置と退避位置との間で移動させる駆動部とからなるマスク保持手段を設けたことを特徴とする請求項23ないし46いずれか記載のパターン露光装置。
  48. 前記保持枠は、フォトマスクをワークに接近する方向と離れる方向とに移動させてプロキシミティギャップの調整を行う調整部を備えることを特徴とする請求項47記載のパターン露光装置。
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