JP4221126B2 - モールの装着方法、モールの装着装置、及びモール付ガラス板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モールの装着方法、モールの装着装置、及びモール付ガラス板に関するものであり、特に、自動車の車体に固定されたフロントガラスやリヤガラス等、コーナー部を有する板材の外周にモールを装着することができる、モールの装着方法、モールの装着装置、及びその装置により生成されたモール付ガラス板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のフロントガラスやリヤガラスには、その外周に沿って樹脂製またはゴム製のモールが装着されており、このモールによって車体との気密性(水密性)が維持されている。モールの種類としては、ガラスの外周縁に嵌合させるタイプのものや、ガラスの裏面に接着させるタイプのものがある。また、モールの構成として、肉厚が比較的厚い主部と、この主部の側面から突出したヒレ状のリップ部とから構成されたものが知られている。このモールによれば、主部によってガラス板と窓枠との気密性が維持され、リップ部によってガラス板と車体本体との気密性が維持される。
【0003】
一方、ガラス板にモールを装着する装置として、例えば特開平8−90566号公報に開示されたものがある。具体的には、モールを押出成形する押出成形手段と、押出されたモールをガラス板に装着する装着ヘッドと、ガラス板を保持するとともに装着ヘッドに対してガラス板を相対的に移動させる移動手段と、これらの押出成形手段、装着ヘッド、及び移動手段を動作させて、ガラス板の外周にモールを装着させる制御手段とを備えている。つまり、断面一定形状のモールを長手方向に連続して押出成形するとともに、ガラス板を相対的に回転させることにより、棒状に成形されたモールをガラス板の外周に沿って装着させるものである。
【0004】
ところで、押出成形されたモールを、そのモールが固化される前、すなわち可塑性がある状態のままガラス板に装着する方法では、モールの装着の際、あるいはガラス板を移動させる際にモールが変形してしまうことがある。特に、リップ部等、比較的に肉厚の薄い部分では、僅かな衝撃で変形してしまい、見栄えが損なわれるとともに気密性が悪化する恐れもある。そこで、押出成形されたモールを冷却手段によって冷却し、固化されたモールをガラス板に装着するようにしている。
【0005】
ところが、上記ように、押出成形手段から押出されるモールは、その断面が一定の形状であるため、このようなモールがガラス板の外周に沿って装着されると、ガラス板の直線部分では不具合が生じないものの、コーナー部に装着される部分においてはモールの内周側と外周側との距離が異なることから、内周側では圧縮されるように力が作用し、外周側では引張られるように力が作用する。このため、図9(a)に示すように、外周側にリップ部MRが形成されているモールMでは、リップ部MRが外周に沿った方向へ引張られて跳ね上がった状態となり、見栄えが損なわれるとともに気密性が悪化する恐れが生じる。なお、図9(b)は、ガラス板Gの直線部分に装着されたモールMの装着状態を示している。つまり、この場合のモールMは、押出成形手段から押出されたままの形状となる。
【0006】
そこで、従来は、図10に示すように、ガラス板Gの外周にモールMを装着した後、ガラス板Gのコーナー部に、予め製作された治工具である一定形状の型体60を当てて、リップ部MRの突出角度を矯正するようにしている。具体的には、モールMのリップ部MRを型体60の斜面60aに沿わせ(aに示す)、その状態において加熱手段61によってリップ部MRを加熱し(bに示す)、さらに冷却ブロワ62によってリップ部MRを冷却(cに示す)するものである。これにより、主部MSに対するリップ部MRの突出角度を、型体60の斜面60aの角度に一致させた状態で固化させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の矯正方法では、型体60として、ガラス板Gの大きさや外周形状、及びモールMの断面形状に合致したものを準備しなければならないため、自動車のガラス等、多品種のガラス板に対応するためには、非常に多くの種類の型体60が必要であった。このため、設備費が高額となるとともに、型体60の管理等に工数やコストを要していた。
【0008】
また、従来の矯正方法では、ガラス板GにモールMが装着された後に、別の工程として矯正作業を行わなければならなかった。このため、矯正という修正作業を行うために余分な工数が必要であるとともに、作業を行うための比較的広い場所も必要であった。
【0009】
さらに、従来の矯正方法では、固化されたモールMを再び可塑性がある状態に戻さなければならず、加熱手段61等を備えた大型の設備が必要であるとともに、加熱時間や加熱温度の調整等、煩わしい調整作業も必要であった。
【0010】
そこで、本発明は、モールの装着後に行われていた矯正工程を省くことにより、作業工数や作業場所を大幅に削減できるモールの装着方法の提供を第1の課題とし、この方法を使用し、簡単で且つ安価な構成の装置によってモールを矯正できるモールの装着装置の提供を第2の課題とし、この装置により製造されるモール付ガラス板の提供を第3の課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかるモールの装着方法は、押出成形によって、主部及び該主部の側面から所定の突出角度で突出したヒレ状のリップ部からなる断面一定形状のモールを長手方向に連続して成形する押出成形工程と、成形され且つ固化された前記モールを、直線部及びコーナー部を有する板材の外周に沿って装着するとともに、装着された前記モールのうち、前記コーナー部に対応する所定部位の前記リップ部の外周側が長手方向に引っ張られることにより前記所定部位における前記リップ部が跳ね上がるモール装着工程とを有するモールの装着方法であって、押出成形された前記モールが固化される前に、前記コーナー部に装着されるべき前記モールの前記所定部位を押圧することで、前記モール装着工程において前記所定部位の前記リップ部が跳ね上がった際に元の前記突出角度に戻るように、前記所定部位の前記リップ部を前記直線部に装着される部位の前記リップ部よりも下向きに変形させる矯正工程をさらに有するものである。ここで、矯正としては、主部に対するリップ部の突出角度を変更させるようにしてもよく、主部を内側として主部及びリップ部をともに湾曲させ、主部に対するリップ部の長さを長くさせるようにしてもよい。
【0012】
したがって、請求項1の発明のモールの装着方法によれば、モールが押出成形されると、そのモールが固化される前に、モールの所定部位のみが押圧される。この所定部位とは、板材のコーナー部に装着されるべき部分である。そして、この押圧によりモールの所定部位が所定の形状に矯正される。その後、板材の外周に沿ってこのモールが装着される。装着された状態では、矯正された所定部位がコーナー部に位置することから、コーナー部におけるリップ部の跳ね上がりが防止され、全周にわたって一様な形状となる。
【0013】
請求項2の発明にかかるモールの装着方法は、請求項1に記載のモールの装着方法において、前記モールを連続して押出成形しつつ、前記所定部位における前記主部または前記リップル部の少なくとも一方を、該モールの押出方向に対して垂直方向に押圧し、前記主部に対する前記リップ部の突出角度を矯正するものである。
【0014】
したがって、請求項2の発明のモールの装着方法によれば、請求項1の発明のモールの装着方法の作用に加え、モールが連続して押出成形されるとともに、押出されたモールの所定部位が垂直方向に押圧される。この際、押圧されるのは、所定部位における主部またはリップル部の少なくとも一方であり、この押圧により主部に対するリップ部の突出角度が矯正される。具体的には、所定部位におけるリップ部の突出角度を、他の直線部分(矯正しない部分)と比べて下向きになるように矯正させればよい。これによれば、モールを装着した際に、コーナー部におけるモールのリップ部が引張られると、そのリップ部は、矯正された突出角度が相殺するように、換言すれば元の形に戻るように変形し、その結果、他の部分のリップ部と同じ突出角度となる。
【0015】
請求項3の発明にかかるモールの装着方法は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のモールの装着方法において、前記所定部位を矯正した後、矯正された部分を強制的に冷却するものである。
【0016】
したがって、請求項3の発明のモールの装着方法によれば、請求項1または請求項2の発明のモールの装着方法の作用に加え、モールの所定部位が矯正された後、そのモールは強制的に冷却される。これにより、モールが固化され、可塑性のない状態で板材に装着される。
【0017】
請求項4の発明にかかるモールの装着装置は、主部及び該主部の側面から所定の突出角度で突出したヒレ状のリップ部からなる断面一定形状のモールを長手方向に連続して押出成形する押出成形手段と、該押出成形手段によって成形され且つ固化された前記モールを、直線部及びコーナー部を有する板材に装着する装着ヘッドと、該装着ヘッドに対して前記板材を相対的に移動させる板材移動手段と、前記押出成形手段と前記装着ヘッドとの間に配設され、前記モールが固化される前に、前記モールを押圧して前記リップ部を変形させることが可能な押圧手段と、前記板材の前記コーナー部に装着されるべき所定部位の位置を認識する位置認識手段と、前記押出成形手段、前記装着ヘッド及び前記板材移動手段を動作させ、前記コーナー部に対応する前記所定部位の前記リップ部の外周側が長手方向に引っ張られることにより前記所定部位における前記リップ部が跳ね上がるように前記板材の外周に沿って前記モールを装着させるモール装着制御手段と、前記位置認識手段によって認識された所定部位に対して、前記押圧手段を動作させ、前記モールが前記板材に装着され前記所定部位の前記リップ部が跳ね上がった際に元の前記突出角度に戻るように、前記所定部位の前記リップ部を前記直線部に装着される部位の前記リップ部よりも下向きに変形させる矯正制御手段とを備えるものである。
【0018】
したがって、請求項4の発明のモールの装着装置によれば、モール装着制御手段により、押出成形手段、装着ヘッド、及び板材移動手段が動作する。押出成形手段は、モールを長手方向に連続して押出成形する。なお、このモールは主部とリップ部とから構成され、押出された直後は断面形状が一定である。また、装着ヘッドは、板材移動手段と協動して押出成形された棒状のモールを板材の外周に沿って装着させる。つまり、板材移動手段によって、装着ヘッドと対向する板材の位置が順次変位することにより、板材の外周に沿ってモールが装着される。
【0019】
一方、矯正制御手段により、押圧手段が動作する。この押圧手段は、押出成形手段と装着ヘッドとの間に配設されており、位置認識手段によって認識された所定部位に対してモールを押圧し、モールの形状を矯正する。この所定部位とは、板材のコーナー部に装着されるべき部分である。矯正されたモールは装着ヘッド側に送られ、板材の外周に沿って装着される。そして、装着された状態では、矯正された所定部位がコーナー部に位置することから、コーナー部におけるリップ部の跳ね上がりが防止され、全周にわたって一様な形状となる。
【0020】
請求項5の発明にかかるモールの装着装置は、請求項4に記載のモールの装着装置において、前記押圧手段は、前記所定部位における前記主部または前記リップ部の少なくとも一方を押圧し、前記主部に対する前記リップ部の突出角度を矯正する角度矯正用押圧部を有するものである。
【0021】
したがって、請求項5の発明のモールの装着装置によれば、請求項4の発明のモールの装着装置の作用に加え、押圧手段に備えられた角度矯正用押圧部は、所定部位における主部またはリップル部の少なくとも一方を押圧する。この押圧により主部に対するリップ部の突出角度が矯正される。具体的には、角度矯正用押圧部は、所定部位におけるリップ部の突出角度を、他の直線部分(矯正しない部分)と比べて下向きになるように押圧する。これによれば、モールを装着した際に、コーナー部におけるモールのリップ部が引張られると、そのリップ部は、矯正された突出角度が相殺するように変形し、その結果、他の部分のリップ部と同じ突出角度となる。
【0022】
請求項6の発明にかかるモールの装着装置は、請求項4または請求項5のいずれかに記載のモールの装着装置において、前記位置認識手段は、前記モール装着制御手段によって制御される前記板材移動手段の作動位置に基づいて、前記コーナー部に装着されるべき前記所定部位を推測する位置推測部を有するものである。
【0023】
したがって、請求項6の発明のモールの装着装置によれば、請求項4または請求項5の発明のモールの装着装置の作用に加え、位置認識手段に備えられた位置推測部は、板材移動手段の作動位置、換言すれば板材の移動位置に基づいて、コーナー部に装着されるべきモールの所定部位を推測する。具体的には、押圧手段の配設位置と、装着ヘッドの配設位置との間隔は常に一定であることから、板材のコーナー部から装着ヘッドと対向する位置までの距離(すなわち、板材の移動位置)を認識することにより、コーナー部に装着されるべき所定部位が推測できる。つまり、押圧手段と装着ヘッドとの間隔(一定の長さ)と、板材のコーナー部から装着ヘッドと対向する位置までの距離とが一致した際に、押圧手段と対向する部分が、コーナー部に装着されるべきモールの所定部位となる。
【0024】
請求項7の発明にかかるモールの装着装置は、請求項4乃至請求項6のいずれか1つに記載のモールの装着装置において、前記押圧手段と前記装着ヘッドとの間に配設され、前記モールを強制的に冷却する冷却手段をさらに備えるものである。ここで、冷却手段は、水冷式の装置であってもよく、空冷式の装置であってもよい。
【0025】
したがって、請求項7の発明のモールの装着装置によれば、請求項4乃至請求項6のいずれかのモールの装着装置の作用に加え、押圧手段によってモールの所定部位が矯正された後、冷却手段によって強制的に冷却される。これにより、モールが固化され、可塑性のない状態で板材に装着される。
【0026】
請求項8の発明にかかるモールの装着装置は、請求項4乃至請求項7のいずれか1つに記載のモールの装着装置において、前記押圧手段と前記装着ヘッドとの間に配設され、前記モールを所定長さで切断する切断手段と、該切断手段で前記モールが切断されてから次の板材が搬入されるまでの間、前記押出成形手段から押出される前記モールの押出速度を低下させる押出速度制御手段とをさらに備えるものである。
【0027】
したがって、請求項8の発明のモールの装着装置によれば、請求項4乃至請求項7のいずれかのモールの装着装置の作用に加え、押出成形手段によって連続して押出されたモールは、一定長さ(板材の外周に沿って装着させるのに必要な長さ)となるように、切断手段によって切断される。つまり、一定長さ分、押出される毎に、切断手段が動作してモールを切断する。
【0028】
そして、モールが切断された後も、装着ヘッドと板材移動手段との動作により、モールの最後尾まで装着される。その後、モールが装着された板材は所定の場所に排出され、さらに次の板材が搬入される。なお、この搬出、搬入は、別の装置によって行ってもよいが、板材移動手段により行うようにしてもよい。一方、押出速度制御手段は、モールが切断されてから次の板材が搬入されるまでの間、押出成形手段から押出されるモールの押出速度を低下させる。これにより、板材に装着されるモール(切断手段より下流側のモール)と、押出成形されるモール(切断手段より上流側のモール)との間で時間差が生じ、2つのモールの間隔が広がる。したがって、上流側のモールの先端が装着ヘッドに到達する前に、次の板材を搬入することが可能となる。
【0029】
請求項9の発明にかかるモールの装着装置は、請求項4乃至請求項8のいずれか1つに記載のモールの装着装置において、前記押圧手段は、矯正形状に対応した窪みが周面に沿って環状に形成されたローラと、該ローラを回転自在に支持する支持手段と、前記ローラを前記モールの押出方向に対して垂直方向に移動させるシリンダとを有するものである。
【0030】
したがって、請求項9の発明のモールの装着装置によれば、請求項4乃至請求項8のいずれかのモールの装着装置の作用に加え、モールの所定部位を矯正する際は、シリンダを動作させ、押出されたモールに対して垂直方向から押圧する。ローラは支持手段に回転自在に支持されているため、モールの押出しによって回転する。そして、ローラの周面には矯正形状に対応した窪みが環状に形成されているため、押圧されたモールはローラの窪みに応じた形状に変形しながら送られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるモールの装着装置について図1乃至図6に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態であるモールの装着装置の構成を示す作動原理図であり、図2及び図3はこの装置におけるモールの矯正方法を説明するための説明図であり、図4はこの装置における制御手段の構成を示すブロック図であり、図5及び図6は制御手段における動作の流れを示すフローチャートである。本実施形態のモールの装着装置Aは、車両用の窓ガラスG(以下、ガラス板Gと称す)の外周にモールMを装着するための装置であり、図1に示すように、押出成形手段1、押圧手段2、冷却手段3、装着ヘッド4、及び板材移動手段5とを具備している。なお、ガラス板Gは、強化ガラス、合わせガラス等であり、その外周が長方形または台形の形状を呈している。
【0034】
押出成形手段1は、所定形状のモールMを長手方向に連続して押出成形するものである。押出成形手段1は、モールMの原料となる塩化ビニール等の樹脂を供給する押出機8と、この押出機8の先端に配設され、押出機8から供給される樹脂を断面一定形状のモールMに成形する型9とを備えている。つまり、型9には、モールMの断面形状に対応した開口(図示しない)が穿設されており、この開口を介して高温に加熱された樹脂を押出すことにより、一定形状のモールMが成形される。なお、押出されたモールMは、図2(b)に示すように、肉厚が比較的厚い半楕円形の主部MSと、この主部MSの側面から突出したヒレ状のリップ部MRとからなる。
【0035】
押圧手段2は、押出成形手段1から押出されたモールMの所定部位を矯正するものであり、略円柱状のローラ11と、このローラ11を回転可能に支持する支持手段12と、ローラ11及び支持手段12を昇降するシリンダ13とから構成されている。ローラ11の周面には、図3(b)に示すように、窪み11aが環状に形成されている。また、シリンダ13は、空気供給機構(図示しない)に接続されており、圧縮空気の供給が制御されることにより、そのピストン13aが突出状態と収納状態とに切換えられる。つまり、ピストン13aが突出するようにシリンダ13を動作させることにより、ローラ11がモールMの底面を押圧し、モールMの所定部位を持上げることができる。この際、ローラ11の窪み11aがモールMの主部MSの底部に当接し、窪み11aが形成されていない部分がモールMのリップ部MRの底面に当接する。ここで、ローラ11が、本発明の角度矯正用押圧部に相当する。
【0036】
冷却手段3は、モールMを冷却して固化させるものであり、押圧手段2の後工程として設けられている。この冷却手段3は、通水管15、及び通水管15から分岐された複数の出水管16を備えており、可塑性のモールMに対して複数の位置において冷却水をかけることにより、モールMを速やかに冷却し固化させるものである。つまり、押圧手段2によってモールMの所定部位が矯正された後、この冷却手段3によって冷却させることにより、モールMを矯正された形状のまま固化させることができる。なお、出水管16から吐出された冷却水は水槽17で受止められ、冷却機(図示しない)を介して給水管15に戻されるようになっている。
【0037】
また、上流側の出水管16の下方には、モールMを押出方向に案内するガイド部材18が配設されている。このガイド部材18には、図2(b)及び図3(c)に示すように、モールMの幅寸法に合致した形状の窪み18aが形成されている。つまり、ガイド部材18は、モールMの水平方向への位置ずれを防止しながら、冷却手段3への導入を案内するためのものである。
【0038】
装着ヘッド4は、押出成形され更に固化されたモールMをガラス板Gに装着させるためのものであり、モールMを送る搬送機能と、モールMを必要な長さに切断する切断機能と、モールMをガラス板Gの裏面に圧着させる装着機能とを有している。つまり、具体的な構成として、送り手段19と、切断手段20と、圧着手段21とを備えている。
【0039】
送り手段19は、モールMの側面に当接するように、モールMの送り方向に対して順に配設された第1ローラ22、第2ローラ23、及び第3ローラ24を備えている。第1ローラ22は回転可能に支持されており、第1モータ25の動作により所定方向(送り方向)に回転する。また、第2ローラ23、及び第3ローラ24はカムによって互いに連結されており、第2モータ26の動作により所定方向(送り方向)に回転する。つまり、第1モータ25及び第2モータ26を動作させることにより、各ローラ22,23,24が一定方向に回転し、モールMを所定方向に送ることができる。なお、第1ローラ22によるモールMの送り速度と、第2ローラ23及び第3ローラ24によるモールMの送り速度とは個々に制御されている。また、モールMの上面側には、第1ローラ22、第2ローラ23、及び第3ローラ24にそれぞれ対応するように、3つの押付けローラ22a,23a,24aが配設されている。これらの押付けローラ22a,23a,24aは、モールMの上面に当接しており、モールMが送られることにより回転する。
【0040】
装着ヘッド4に備えられた切断手段20は、カッター及びこのカッターを上下動させるシリンダ(いずれも図示しない)を備えている。またカッターには、ワイヤとワイヤを加熱するヒータとが具備されている。つまり、加熱されたワイヤを、モールMに当てて押圧することにより、モールMを切断することができる。なお、切断手段の構成としては、上記のものに限定されるものではなく、例えばモールMの上方及び下方にそれぞれ刃を備え、挟み込んで切断するものであっても構わない。
【0041】
装着ヘッド4に備えられた圧着手段21は、モールMをガラス板Gの裏面に押圧させながら装着させるものであり、回転可能に支持された圧着ローラ21aと、この圧着ローラ21aをガラス板G側へ移動させるシリンダ(図示しない)とを備えている。モールMを送りながらシリンダを動作させることにより、圧着ローラ21aによってモールMをガラス板Gの裏面に押付けることができる。なお、ガラス板Gの裏面の外周縁部には予め接着剤が塗布されているため、押付けられたモールMはガラス板Gの裏面に貼着される。
【0042】
板材移動手段5は、ガラス板Gを保持するとともに、装着ヘッド4に対してガラス板Gを相対的に移動させるものであり、汎用の6軸ロボットから構成されている。具体的には、制御手段6(図4参照)に基づいて、ガラス板Gを任意の方向へ移動させたり、回転させたりするアーム及びハンド28と、ハンド28に取付けられた枠体29と、ガラス板Gを保持する複数の吸着盤30とを備えている。なお、吸着盤30には空気供給機構(図示しない)が接続されており、吸着盤30をガラス板Gの表面に当接させた状態で吸着盤30内を負圧状態にすることにより、ガラス板Gを吸着保持することができる。そして、装着ヘッド4に対してガラス板Gを回転させることにより、ガラス板Gの外周に沿ってモールMを装着させることができる。また、ガラス板Gを吸着保持した状態で、アーム及びハンド28を移動させることにより、ガラス板Gの搬入及び搬出が可能である。
【0043】
制御手段6は、演算及び制御を行う中央情報処理装置(CPU)や、補助記憶装置を備えており、プログラムに従って各種の制御を行う。具体的には、図4に示すように、モール装着制御手段31、押出速度制御手段32、位置認識手段33、及び矯正制御手段34を備えている。
【0044】
モール装着制御手段31は、予め定められたプログラムに基づいて、板材移動手段5、切断手段20、送り手段19、圧着手段21、及び押出成形手段1をそれぞれ制御し、モールMを押出成形するとともに、成形されたモールMをガラス板Gの外周に沿って装着させるものである。なお、モール装着制御手段31の入力側には、自動運転の開始・停止を指示する運転スイッチ35、運転条件やガラス板Gの種類等を設定する各種設定スイッチ36、及び運転状態等を検出する各種検出手段37等が接続されており、これらの入力信号に基づいて制御が行われる。
【0045】
押出速度制御手段32は、押出成形手段1によるモールMの押出速度と、送り手段19の第1ローラ22による送り速度とを、モール装着制御手段31の出力に基づいて2段階に切換えるものである。つまり、モール装着制御手段31によってモールMが切断されてから次のガラス板Gが搬入されるまでの間、モールMの押出速度と、モールMの送り速度とを減少させるものである。これにより、ガラス板Gに装着されるモールMと、押出成形されるモールMとの間で時間差が生じ、2つのモールMの間隔を広げることができる。したがって、押出されたモールMの先端が圧着ローラ21aに到達する前に、次のガラス板Gを搬入することが可能となる。
【0046】
位置認識手段33は、モールMが装着される前に、ガラス板Gのコーナー部に装着されるべき所定部位を認識するものである。具体的には、位置認識手段33は位置推測部33aを有しており、板材移動手段5の作動位置、換言すればガラス板Gの位置に基づいて、コーナー部に装着されるべきモールMの所定部位を推測する。すなわち、押圧手段2の配設位置と、圧着ローラ21aの配設位置との間隔は常に一定であることから、ガラス板Gのコーナー部から圧着ローラ21aと対向する位置までの距離(すなわち、ガラス板Gの移動位置)を認識することにより、コーナー部に装着されるべき所定部位が予め推測できる。つまり、押圧手段2と圧着ローラ21aとの間隔(一定の長さ)と、ガラス板Gのコーナー部から圧着ローラ21aと対向する位置までの距離とが一致した際に、押圧手段2と対向する部分が、コーナー部に装着されるべきモールMの所定部位となる。
【0047】
矯正制御手段34は、位置認識手段33によって認識された所定部位に対して、押圧手段2を動作させ、モールMの形状を矯正させるものである。つまり、ガラス板Gのコーナー部に装着されるべき所定部位に対してのみ矯正させ、その他の部位すなわちガラス板Gの直線部に装着されるべき部位に対しては押圧手段2を動作させることなく、押出成形されたままの形状を維持する。
【0048】
続いて、モールMの矯正方法について、図2及び図3に基づき説明する。図2は矯正しない場合の動作、すなわちガラス板Gの直線部に装着されるべき部位に対する動作を示し、図3は矯正する場合の動作、すなわちガラス板Gのコーナー部に装着されるべき部位に対する動作を示している。モールMを矯正しない場合には、図2に示すように、ピストン13aが収納されるように、すなわちローラ11が下降するようにシリンダ13を動作させ、ローラ11をモールMの底面から離す。これにより、モールMは押出機8から真直ぐに押出される。なお、押出されたモールMは、ガイド部材18によって案内されながら送られるとともに、冷却手段3によって冷却される。
【0049】
一方、モールMを矯正する場合には、図3に示すように、ピストン13aが突出するように、すなわちローラ11が上昇するようにシリンダ13を動作させ、ローラ11によってモールMの底面を押圧する。この際、ローラ11の窪み11aがモールMの主部MSの底部に当接し、窪み11aが形成されていない部分がモールMのリップ部MRの底面に当接した状態となる。そして、ローラ11によってモールMを押圧することにより、モールMが持上がり、ローラ11とモールMとの圧接力が大きくなるとともに、モールMの底面がガイド部材18から浮いた状態となる。そして、押出成形された直後のモールMは、非常に高温で可塑性があることから、モールMはローラ11の周面形状に馴染むように変形する。つまり、本実施形態のモールの装着装置Aでは、主部MSに対するリップ部MRの突出角度が低くなるように矯正される。したがって、このように矯正されたモールMをガラス板Gに装着した際には、コーナー部におけるモールMのリップ部MRが引張られ、矯正された突出角度が相殺するように、すなわち元の角度に戻るように変形する。なお、ローラ11は回転可能に支持されているため、モールMの送りに従って回転する。つまり、ローラ11は回転しながらモールMの形状を矯正するため、ローラ11の周面とモールMとの間の摩擦抵抗が非常に小さくなり、モールMをスムーズに送ることができるとともに、均一に矯正することができる。
【0050】
次に、本実施形態のモールの装着装置Aの動作の流れについて、図5及び図6に示すフローチャートに基づき説明する。運転スイッチ35が投入されると(ステップS1においてYES)、モール装着制御手段31によって、押出成形手段1、冷却手段3、及び送り手段19の動作が開始される(ステップS2乃至ステップS4)。押出成形手段1の動作により断面一定形状のモールMが押出成形され、冷却手段3の動作により冷却水が循環し、さらに送り手段19の動作により第1乃至第3ローラが回転する。また、板材移動手段5を動作させ、所定の場所に供給されたガラス板Gを吸着保持するとともに、ガラス板Gを装着ヘッド4側に搬入させる(ステップS5)。
【0051】
そして、押出成形されたモールMの先端が装着位置まで到達したことが、位置センサ(図示しない)により検出されると(ステップS6においてYES)、モール装着制御手段31によって圧着手段21が動作し、ガラス板Gの裏面に対してモールMを圧着する(ステップS7)。また、これと同時に、板材移動手段5は、ガラス板Gを予め定められた所定の軌道に沿って変位(回転)させる(ステップS8)。なお、この回転の速さは、モールMの送り速度(押出速度)と等しい。
【0052】
また、押圧手段2の上方を通過するモールMが所定部位、すなわちガラス板Gのコーナー部に装着されるべき部位であることが、位置認識手段33によって認識されると(ステップS9においてYES)、矯正制御手段34によって押圧手段2が動作し、ローラ11を上昇させる(ステップS10)。これにより、ローラ11がモールMに圧接し、モールMの形状が図3(b)に示すように矯正される。なお、モールMを押圧する時間は、コーナー部に装着されるべき所定部位の一端から他端に至るまでの時間に相当する。
【0053】
所定部位が認識されなくなると(ステップ9においてNO)、ステップS11に移行し、ローラ11を下降させる。これにより、ローラ11がモールMから離れるため、モールMは矯正されることなく、押出成形された形状のまま送られる。なお、コーナー部に装着させるべき所定部位は、1か所ではなく4か所(台形形状のガラス板では2か所)あるため、所定部位が認識される毎に上記の矯正動作が行われる。つまり、ステップS12において、切断位置が認識されるまでステップ7乃至ステップ11の動作が繰り返される。
【0054】
ステップS12において、切断位置が認識されると、切断手段20を1回動作させモールMを切断する(ステップS13)。つまり、ガラス板Gにおいて、まだモールMが装着されていない部分の長さが、切断手段20から圧着ローラ21aまでのモールMの長さに一致したとき、モールMを切断する。なお、切断位置の認識方法としては、モールMの先端が所定の位置に達したことを位置センサにより検出するようにしてもよく、板材移動手段5の動作によってガラス板Gが所定の位置まで移動したことにより、間接的に認識するようにしてもよい。そして、切断された後もモールMはガラス板Gの移動に引張られてガラス板Gの外周に沿って装着される。
【0055】
一方、モールMが切断されると、押出速度制御手段32により、モールMの押出速度と、モールMの送り速度とが減少する(ステップS14)。これにより、ガラス板Gに装着されるモールMと、押出成形されるモールMとの間で時間差が生じ、2つのモールMの間隔が広がる。
【0056】
モールMの最後尾まで装着され、モールMの装着が完了すると(ステップS15においてYES)、板材移動手段5の動作により、ガラス板Gを所定の排出位置まで搬出し、ガラス板Gの保持状態を解除する(ステップS16)。そして、自動運転を停止させる指示があった場合には(ステップS17においてYES)、押出成形手段1、冷却手段3、送り手段19、及び圧着手段21を全て停止させる(ステップS18乃至ステップ21)。一方、停止指示がない場合には(ステップS17においてNO)、繰返し上記の動作を行う。すなわち、板材移動手段5によって次のガラス板Gを搬入する(ステップS22)とともに、押出速度制御手段32により、モールMの押出速度、及び送り速度を元の速度に戻し、その後ステップS6に戻る。
【0057】
このように、上記実施形態のモールの装着装置Aでは、ガラス板Gのコーナー部に装着されるべき所定部分に対して、押圧手段2を動作しモールMの形状を矯正するため、モールMがガラス板Gに装着された状態では、矯正された所定部位がコーナー部に位置し、コーナー部におけるリップ部MRの跳ね上がりが防止される。したがって、モールMの全周にわたって一様な形状となり、見栄えが向上するとともに気密性の低下が防止される。特に、本実施形態のモールの装着装置Aでは、モールMの装着後に矯正作業を行う必要がないことから、作業工数や作業場所が大幅に削減できる。
【0058】
上記実施形態のモールの装着装置Aでは、主部MSに対するリップ部MRの突出角度が矯正されるため、モールMをガラス板Gに装着した際には、コーナー部におけるリップ部MRが引張られ矯正前の状態に戻る。したがって、装着されたモールMを全周にわたって一様な形状とすることができる。
【0059】
上記実施形態のモールの装着装置Aでは、ガラス板Gの移動位置、すなわち、モール装着制御手段31によって教示された位置に基づいて、コーナー部に装着されるべきモールMの所定部位が認識されるため、位置センサ等を別途設けることなく、制御手段6のみによる安価な方法で所定部位を認識することができる。
【0060】
上記実施形態のモールの装着装置Aでは、モールMが所定形状に矯正された後、冷却手段3によって速やかに固化されるため、矯正された形状を維持することができる。
【0061】
上記実施形態のモールの装着装置Aでは、モールMが切断された後、モールMの先端が圧着ローラ21aに到達する前に、次のガラス板Gが搬入されるため、無駄なモールMが発生することなく、モールMの先端を常にガラス板Gの同じ位置に装着させることが可能である。
【0062】
さらに、上記実施形態のモールの装着装置Aでは、モールMの所定部位に対してローラ11を圧接するだけで、モールMが所定の形状に矯正されるため、簡単で且つ安価な構成によってモールを矯正できる。また、ローラ11を回転させながら矯正を行うため、均一な形状で見栄えよく矯正できる。
【0063】
ところで、上記実施形態のモールの装着装置Aでは、モールMを矯正する際、モールMの主部MS及びリップ部MRを、ローラ11によって下方から押圧するものを示したが、矯正するための構成としては上記のものに限定されず、例えば図7に示すように構成してもよい。すなわち、モールMの主部MSに対しては下方からローラ40を当接させ、モールMのリップ部MRに対しては上方からローラ41を当接させるものである。具体的にはローラ40は、支持手段43を介してシリンダ44の先端に取付けられており、ローラ41は、支持手段45を介してシリンダ46の先端に取付けられている。また、ローラ40の周面には主部MSの底面形状に合致した窪み40aが形成され、ローラ41の周面はリップ部MRの上面形状に合致した曲面41aが形成されている。つまり、モールMの所定部位が認識された際、シリンダ44及びシリンダ46がともに動作し、モールMの主部MSの底面を上方に向かって押圧するとともに、モールMのリップ部MRの上面を下方に向かって押圧する。この結果、上記実施形態のモールの装着装置Aと同じように、主部MSに対するリップ部MRの突出角度が矯正される。
【0064】
また、上記実施形態のモールの装着装置Aでは、主部MSに対するリップ部MRの突出角度を矯正するものを示したが、例えば図8に示すように、モールMの所定部位の全体を湾曲させるように矯正してもよい。図8(a)はモールの装着装置の平面の一部を示す拡大平面図であり、図8(b)は押圧手段50の側面を示す側面図である。この装置は、押出成形手段48と、2つの送りローラ49と、押圧手段50とを備えており、押圧手段50は、モールMの背面に当接するローラ51と、このローラ51を回転可能に支持する支持手段52と、ローラ51を後方からモールMの背面に向かって移動させるシリンダ53とを有している。つまり、ローラ51によってモールMを後方から押圧することにより、押圧された部分は前方へと変位し湾曲する。この際、モールMのリップ部MRは湾曲の外側に位置するため、左右方向に引張られてリップ部MRの長さが長くなる。そして、モールMは、所定部位が湾曲した状態、すなわち所定部位におけるリップ部MRの長さが長くなった状態で固化される。したがって、このモールMをガラス板Gに装着した際には、湾曲した部分がコーナー部に位置することから、コーナー部においてモールMが引張られることはなく、リップ部MRの変形は生じない。
【0065】
さらに、上記実施形態のモールの装着装置Aでは、モールMをガラス板Gの裏面に接着するものを示したが、モールMの側面に溝を形成し、この溝をガラス板Gの外周縁に順次嵌合させることにより装着するようにしてもよい。また、上記実施形態のモールの装着装置Aでは、車両用の窓ガラス(ガラス板G)にモールMを装着するものを示したが、建造物等の窓ガラスにモールを装着するようにしてもよく、ガラス板以外の例えばパネル材にモールを装着するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明のモールの装着方法は、板材のコーナー部に装着されるべき所定部分に対して、モールの形状を矯正するため、モールが板材に装着された状態では、コーナー部におけるリップ部の跳ね上がりが防止される。したがって、モールの全周にわたって一様な形状となり、見栄えが向上するとともに気密性の低下が防止される。特に、モールの装着後に矯正作業を行う必要がないことから、作業工数や作業場所が大幅に削減できる。
【0067】
請求項2の発明のモールの装着方法は、請求項1の発明のモールの装着方法の効果に加えて、モールの主部に対するリップ部の突出角度が矯正されるため、モールが板材に装着された際には、コーナー部におけるリップ部が引張られ矯正前の状態に戻る。したがって、モールの全周にわたって確実に一様な形状に形成できる。
【0068】
請求項3の発明のモールの装着方法は、請求項1または請求項2の発明のモールの装着方法の効果に加えて、モールが所定形状に矯正された後に冷却されることから、速やかに固化され、矯正された形状が維持できる。
【0069】
請求項4の発明のモールの装着装置は、板材のコーナー部に装着されるべき所定部分が押圧手段によって矯正されるため、モールを板材に装着した状態では、コーナー部におけるリップ部の跳ね上がりが防止される。したがって、モールの全周にわたって一様な形状となり、見栄えが向上するとともに気密性の低下が防止される。特に、モールの装着後に矯正作業を行う必要がないことから、作業工数や作業場所が大幅に削減できる。
【0070】
請求項5の発明のモールの装着装置は、請求項4の発明のモールの装着装置の効果に加えて、モールの主部に対するリップ部の突出角度が矯正されるため、モールが板材に装着された際には、コーナー部におけるリップ部が引張られ矯正前の状態に戻る。したがって、モールの全周にわたって確実に一様な形状に形成できる。
【0071】
請求項6の発明のモールの装着装置は、請求項4または請求項5の発明のモールの装着装置の効果に加えて、板材の移動位置、すなわち、モール装着制御手段によって教示された位置に基づいて、コーナー部に装着されるべきモールの所定部位が認識されるため、位置センサ等を別途設けることなく、安価な方法で認識することができる。
【0072】
請求項7の発明のモールの装着装置は、請求項4乃至請求項6のいずれかの発明のモールの装着装置の効果に加えて、モールが所定形状に矯正された後、冷却手段によっ冷却されることから、速やかに固化され、矯正された形状を維持できる。
【0073】
請求項8の発明のモールの装着装置は、請求項4乃至請求項7のいずれかの発明のモールの装着装置の効果に加えて、モールの先端が装着ヘッドに到達する前に、次の板材が搬入されるため、無駄なモールが発生することなく、モールの先端を板材の同じ位置に装着できる。
【0074】
請求項9の発明のモールの装着装置は、請求項4乃至請求項8のいずれかの発明のモールの装着装置の効果に加えて、モールの所定部位に対してローラを圧接するだけで、モールが所定の形状に矯正されるため、簡単で且つ安価な構成によってモールを矯正できる。また、ローラを回転させながら矯正を行うため、均一な形状で見栄えよく矯正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるモールの装着装置の構成を示す作動原理図である。
【図2】このモールの装着装置における押圧手段の動作を説明するための説明図である。
【図3】このモールの装着装置における押圧手段の動作を説明するための説明図である。
【図4】このモールの装着装置における制御手段の構成を示すブロック部である。
【図5】このモールの装着装置における動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】このモールの装着装置における動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】押圧手段の他の例を説明するための説明図である。
【図8】押圧手段のさらに他の例を説明するための説明図である。
【図9】モールが装着された従来のガラス板の構成を示す断面図である。
【図10】従来の矯正方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
A モールの装着装置
G ガラス板(板材)
M モール
MS 主部
MR リップ部
1 押出成形手段
2 押圧手段
3 冷却手段
4 装着ヘッド
5 板材移動手段
11 ローラ(角度矯正用押圧部)
12 支持手段
13 シリンダ
20 切断手段
21 圧着手段
31 モール装着制御手段
32 押出速度制御手段
33 位置認識手段
33a 位置推測部
34 矯正制御手段
Claims (9)
- 押出成形によって、主部及び該主部の側面から所定の突出角度で突出したヒレ状のリップ部からなる断面一定形状のモールを長手方向に連続して成形する押出成形工程と、
成形され且つ固化された前記モールを、直線部及びコーナー部を有する板材の外周に沿って装着するとともに、装着された前記モールのうち、前記コーナー部に対応する所定部位の前記リップ部の外周側が長手方向に引っ張られることにより前記所定部位における前記リップ部が跳ね上がるモール装着工程と
を有するモールの装着方法であって、
押出成形された前記モールが固化される前に、前記コーナー部に装着されるべき前記モールの前記所定部位を押圧することで、前記モール装着工程において前記所定部位の前記リップ部が跳ね上がった際に元の前記突出角度に戻るように、前記所定部位の前記リップ部を前記直線部に装着される部位の前記リップ部よりも下向きに変形させる矯正工程をさらに有することを特徴とするモールの装着方法。 - 前記モールを連続して押出成形しつつ、前記所定部位における前記主部または前記リップ部の少なくとも一方を、該モールの押出方向に対して垂直方向に押圧し、前記主部に対する前記リップ部の突出角度を矯正することを特徴とする請求項1に記載のモールの装着方法。
- 前記所定部位を矯正した後、矯正された部分を強制的に冷却することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のモールの装着方法。
- 主部及び該主部の側面から所定の突出角度で突出したヒレ状のリップ部からなる断面一定形状のモールを長手方向に連続して押出成形する押出成形手段と、
該押出成形手段によって成形され且つ固化された前記モールを、直線部及びコーナー部を有する板材に装着する装着ヘッドと、
該装着ヘッドに対して前記板材を相対的に移動させる板材移動手段と、
前記押出成形手段と前記装着ヘッドとの間に配設され、前記モールが固化される前に、前記モールを押圧して前記リップ部を変形させることが可能な押圧手段と、
前記板材の前記コーナー部に装着されるべき所定部位の位置を認識する位置認識手段と、
前記押出成形手段、前記装着ヘッド及び前記板材移動手段を動作させ、前記コーナー部に対応する前記所定部位の前記リップ部の外周側が長手方向に引っ張られることにより前記所定部位における前記リップ部が跳ね上がるように前記板材の外周に沿って前記モールを装着させるモール装着制御手段と、
前記位置認識手段によって認識された所定部位に対して、前記押圧手段を動作させ、前記モールが前記板材に装着され前記所定部位の前記リップ部が跳ね上がった際に元の前記突出角度に戻るように、前記所定部位の前記リップ部を前記直線部に装着される部位の前記リップ部よりも下向きに変形させる矯正制御手段と
を具備することを特徴とするモールの装着装置。 - 前記押圧手段は、前記所定部位における前記主部または前記リップ部の少なくとも一方を押圧し、前記主部に対する前記リップ部の突出角度を矯正する角度矯正用押圧部を有することを特徴とする請求項4に記載のモールの装着装置。
- 前記位置認識手段は、前記モール装着制御手段によって制御される前記板材移動手段の作動位置に基づいて、前記コーナー部に装着されるべき前記所定部位を推測する位置推測部を有することを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載のモールの装着装置。
- 前記押圧手段と前記装着ヘッドとの間に配設され、前記モールを強制的に冷却する冷却手段をさらに備えることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1つに記載のモールの装着装置。
- 前記押圧手段と前記装着ヘッドとの間に配設され、前記モールを所定長さで切断する切断手段と、
該切断手段で前記モールが切断されてから次の板材が搬入されるまでの間、前記押出成形手段から押出される前記モールの押出速度を低下させる押出速度制御手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1つに記載のモールの装着装置。 - 前記押圧手段は、矯正形状に対応した窪みが周面に沿って環状に形成されたローラと、
該ローラを回転自在に支持する支持手段と、
前記ローラを前記モールの押出方向に対して垂直方向に移動させるシリンダとを有することを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか1つに記載のモールの装着装置。
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