JP4215877B2 - 工作具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、サンダー、ポリッシャ、ソーなどの偏心機構を有する工作具の偏心距離調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図29および図30に、従来の可搬式回転研磨具(以下、単に研磨具と言う)の構造の一例を示した。
この研磨具200は、ハンドル202付きのボデー201に、モータ203を組込んで本体部Vとし、その駆動軸203aに研磨部Wを軸嵌させている。
研磨部Wは、図30に示したように、駆動軸203aに回転盤204を固定し、その前面の回転中心から所定距離離れた偏心位置に、研磨パッド205の偏心軸206を回転自在に組付けている。
研磨パッド205の前面には、各種の研磨布・紙やバフ等の研磨材207が着脱自在に取り付けられる。図29の208は、研磨部Wの回転バランスを取る為のバランスウエイトである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、研磨パッド205を、駆動軸203aの偏心位置に、かつ、それ自体が回転自在に取付けるタイプの研磨具は、当業界で、「ダブルアクションサンダー」または「ランダムアクションサンダー」と呼ばれている。
また、偏心距離の2倍の長さをmm単位で表した数値を、「オービットダイヤ」と称しており、市販品の多くは、この値を5前後の一定の値に設定している。
【0004】
研磨具200の研磨特性を、研磨対象物の性状や、研磨目的、研磨作業の進行度合等に応じて変えたい時には、研磨材を異なった種類のものに取替えるか、モータ203の回転数を増減させていた。
そして、研磨特性に大きく関与する「オービットダイヤ」も、必要に応じて変えたい場合には、「オービットダイヤ」の値が夫々相異する複数種類の研磨具を、予め、手元に用意して置く他無かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、研磨材の取替作業にはかなりの手間・暇を要するし、複数種類の研磨材を常時保管して置く必要がある。その上、望みの品番の研磨材が常に容易に入手できるとは限らない。
また、「オービットダイヤ」の値が異なる複数台の研磨具を用意しておくのは、購入費や保管場所などの点で甚だ不合理である。
さらに、モータの回転数を変える方法は、その可変範囲と、変えたことによる効果に自づから限度がある。
【0006】
ところが、「オービットダイヤ」を可変にする機構を、研磨具に付加することができれば、面倒な研磨材の取替えを要せずに、極簡単な操作で、研磨特性をより効果的に変えられるはずである。
【0007】
そこで、本発明の目的は、このような偏心機構を有する工作具の駆動軸と偏心軸との偏心距離を、零(ゼロ)に設定する場合も含めて、任意に変更可能とし、併せて、偏心距離の変更に伴って研磨部の回転バランスが崩れるのを防ぐ為の、バランスウエイト連動機構も付設した偏心機構を有する工作具の偏心距離調節装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための発明による偏心機構を有する工作具の偏心距離調節装置は、駆動モータの駆動軸の回転力を偏心軸によって従動側の回転部材または往復部材に伝達する偏心機構を有する工作具に設けられるものであって、
前記駆動モータの駆動軸の駆動力によって回転する回転盤と、
前記回転盤の回転軸から所定距離だけ離れた位置に回動自在に設けられる偏心盤と、
前記偏心盤の回動中心から所定距離離れた位置に軸方向に設けられる偏心軸と、
前記偏心盤を所定の回動位置に固定することで、前記駆動軸と前記偏心軸との偏心距離を調節可能な固定手段と
を備える構成とした。
また、前記偏心盤から所定距離だけ離れた位置に、前記偏心盤の回動に伴って所定の弧状軌跡を描いて連動するバランスウエイトを設ける構成とした。
【0009】
前記弧状軌跡は、次の手順A〜Dに従って設けることが望ましい。
A.前記駆動軸とともに一体に回転する前記回転盤、前記偏心盤、前記偏心軸、前記固定手段その他の独立部材の各重心位置を求める。
B.前記駆動軸の回転軸を含み、かつ、前記独立部材の各重心(前記駆動軸の回転軸上に位置するものを除く。)を含まない平面によって、前記独立部材の各重心を、偏心軸側重心群と、前記偏心軸と反対側の重心群(以下、非偏心軸側重心群という。)とに区分する。
C.前記偏心軸側重心群および前記非偏心軸側重心群のそれぞれの合成重心を求める。
D.前記偏心盤の回動時に、前記偏心軸側重心群の合成重心と前記非偏心軸側重心群の合成重心との間に以下の関係、
W1・L1=W2・L2
ただし、W1:前記偏心軸側重心群の合成重心にかかる重量
L1:前記偏心軸側重心群の合成重心と前記駆動軸の回転軸との距離
W2:前記非偏心軸側重心群の合成重心にかかる重量
L2:前記非偏心軸側重心群の合成重心と前記駆動軸の回転軸との
距離
を満たすように、前記バランスウエイトの前記弧状軌跡を定める。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1実施例を図1〜図9に示す。第1実施例は、本発明の偏心距離調整装置をエアモータ式のダブルアクションサンダー(ポリッシャ)に適用したものである。
図1および図2に示すように、サンダー10は、本体部101と、研磨部102とからなる。本体部101は、吸気管2aおよび排気管2bを設けたボデー3内に、回転駆動源としてのエアモータ1が内蔵されている(図2参照)。4はモータ1の駆動軸、5はエアースイッチ、7はカバー体、8は止環である。
【0011】
図2に示すように、研磨部102には、駆動軸4に連結される取付軸11aに回転盤11が固定される。回転盤11の軸方向には、偏心軸15がベアリング16を介して回転自在に取り付けられる。偏心軸15の先端部には、円盤状の研磨パッド12が回転自在に取り付けられており、この研磨パッド12の前面に研磨布・紙、バフ等の研磨材12aが脱着自在に取り付けられる。モータ1が作動すると、研磨材12aの中心が所定の円の軌跡を描きながら回転し、被加工面を切削する。
なお、回転盤11の回転中心a(駆動軸4の中心)と、偏心軸15の中心cとの間の距離(偏心距離)の2倍が「オービットダイヤ」である(図6〜図8参照)。
【0012】
また、研磨部102には、駆動軸4と偏心軸15との間の偏心距離(「オービットダイヤ」)を変えることによって、研磨具10の研磨特性を任意に変化させるための偏心距離調節装置A1が設けられている。
【0013】
図2に示すように、偏心距離調節装置A1には、回転盤11の軸方向端面に偏心盤13が設けられる。回転盤11の端面に円形のガイド凹部14が形成され、このガイド凹部14に円盤状の偏心盤13が回動自在に挿入されている。回転盤11が回転すると、偏心盤13が回転盤11の中心軸周りを旋回する。
また、偏心盤13の回動中心から所定距離離れた位置には、偏心軸15が固定される。偏心盤13の回動にともなって駆動軸4と偏心軸15との偏心距離が変化することになる。
【0014】
回転盤11の内部には、偏心盤13の回動位置を調節可能な固定手段B1が設けられる。固定手段B1は、図2および図3に示すように、ウオームホイール17とウオーム18を有する。偏心盤13の背面にウオームホイール17が同心状に取り付けられている。ウオームホイール17に噛合するウオーム18は、回転盤11の内部に組付けられる。
そして、図2に示すように、ウオーム18の一方の軸端を、回転盤11の外側に露出させ、この端面に、ウオーム18の回動用レンチ(図示略)を挿嵌させる六角孔(回動部)18aを設けている。
【0015】
ウオーム18を回転させると、図3に示すように、偏心盤13がガイド凹部14の内面に摺接しながら回動し、偏心軸15が所定の円の軌跡上に移動する。この結果、駆動軸4と偏心軸15との間の偏心距離が変化する。すなわち、ウオーム18の位置を所定位置に設定することで偏心距離が調節される。
【0016】
偏心距離調節装置A1には、「偏心距離」の変化を、研磨具10の使用者が確認できるように、その表示手段が設けられる。即ち、図4に示すように、回転盤11と偏心盤13の夫々の上面には、偏心盤13を回動操作した時の、「偏心距離」、従って、「オービットダイヤ」の値の変化に対応した数値目盛と、これらの目盛を指し示す指標19とが刻印される。なお、回転盤11の上面は、研磨パッド12で覆われてしまうので、この表示手段は、カバー体7の外面等に設けてもよい。
目盛が0(ゼロ)を示す時には、駆動軸4と偏心軸15との偏心距離が0(ゼロ)となり、両者の軸心が一致する。一方、目盛が6を示すときには、駆動軸4と偏心軸15との距離が最大となる。また、目盛6の位置を超えて偏心盤13をさらに回動すると、偏心距離が次第に小さくなり、0(ゼロ)の位置に戻る。
【0017】
ここで、駆動軸4と偏心軸15との距離を変化させる方法としては、駆動軸4と偏心軸15との軸中心を結ぶ直線上にいずれかの軸をスライド移動させる方法も考えられる。しかしながら、本発明において、このように円盤形の偏心盤に偏心軸を設ける構成とした理由は、以下の通りである。
▲1▼ 回転盤と偏心盤との接触面積を大きく取れるため、振動等を受けても、偏心距離がズレにくい。
▲2▼ 回転盤と偏心盤との間にほとんど隙間が形成されないため、切削屑などの異物が両者の間の隙間に侵入することがない。
▲3▼ 偏心軸が円弧状の軌道を移動するので、偏心盤に遠心力が作用しても、偏心軸の位置がズレにくい。
▲4▼ 耐久性が良好で、信頼性が高くなる。
【0018】
次に、サンダー10に付設されるバランスウエイト連動機構について説明する。
円盤状の研磨パッド12は、初期設定ではその取付軸である偏心軸15の周りの回転バランスが保たれている。しかし、固定手段B1を回動操作して、「偏心距離」を零(ゼロ)の状態から次第に増して行くと(図4参照)、研磨部102としての全体の回転バランスは次第に大きく崩れて行くことになる。
【0019】
そこで、このようなバランスの崩れを、偏心距離調節装置の操作に連動して自動的に阻止する為の、バランスウエイト連動機構を付設することが、殊に、「偏心距離」を大きく取れるようにした工作具に必要になる。
【0020】
図5〜図9にサンダー10に付設されるバランスウエイト連動機構C1の構成を示す。
図5に示すように、バランスウエイト連動機構C1は、偏心盤13と一体に回動するウオームホイール17に円柱形のバランスウエイト21が取り付けられている。バランスウエイト21の上面には、クランクピン22が固定され、このクランクピン22がウオームホイール17に回転自在に取り付けられている。
一方、バランスウエイトの下面には、係止ピン23が固定される。係止ピン23は、回転盤11の内部底面11bに形成される弧状のガイド溝24に嵌合している。
【0021】
偏心盤13が回動すると、クランクピン22に追随してバランスウエイト21が連動する。このとき、バランスウエイト21の運動方向は、係止ピン23とガイド溝24によって規制される。すなわち、偏心盤13の回動に伴って、係止ピン23がガイド溝24に沿って図5矢印s方向に動くときには、バランスウエイト21は、偏心盤13から離れる方向に円弧状の軌道を描きながら移動する。また、係止ピン23がガイド溝24に沿って矢印t方向へ動くときには、バランスウエイト21は、偏心盤13へ引き寄せられる方向に円弧状の軌道を描きながら移動する。
【0022】
ここで、クランクピン22および係止ピン23の取付位置と、ガイド溝24の形状については、偏心盤13の回動時にバランスウエイト21が円弧状の軌跡に沿って連動するように、次の手順A〜Dに従って定めることができる。
A.駆動軸4とともに一体に回転する独立部材(回転盤11、研磨パッド12、研磨材12a、偏心盤13、偏心軸15、ベアリング16、ウオームホイール17、ウオーム18、バランスウエイト21、クランクピン22および係止ピン23)の各重心位置を求める(図2および図5参照)。
B.図9に示すように、駆動軸4の回転軸Pを含み、かつ、前記独立部材の各重心(駆動軸4の回転軸P上に位置する重心を除く。)を含まない平面Hによって、前記独立部材の各重心を、偏心軸側重心群と、偏心軸15と反対側の重心群(以下、非偏心軸側重心群という。)とに区分する。
なお、図9には、各独立部材の重心位置は示されないが、ベアリング16の重心は、駆動軸4の回転軸P上に位置するため、上記重心群のいずれにも含まれない。また、回転盤11は、偏心盤13を収納するガイド凹部14を有するため、その重心は、回転軸Pからズレた位置になる。
C.偏心軸側重心群および非偏心軸側重心群のそれぞれの合成重心W1、W2を求める。ただし、説明の便宜上、図5〜図9では、偏心軸側重心群の合成重心W1が偏心軸15の重心に一致し、非偏心軸側重心群の合成重心W2がバランスウエイト21の重心に一致する場合を示している。
D.偏心盤13の回動時に、偏心軸側重心群の合成重心W1と非偏心軸側重心群の合成重心W2との間に以下の関係、
W1・L1=W2・L2
ただし、W1:偏心軸側重心群の合成重心W1にかかる重量
L1:偏心軸側重心群の合成重心W1と駆動軸4の回転軸Pとの距離
W2:非偏心軸側重心群の合成重心W2にかかる重量
L2:非偏心軸側重心群の合成重心W2と駆動軸4の回転軸Pと
の距離
を満たすように、クランクピン22および係止ピン23の取付位置と、ガイド溝24の形状を選定する。
すなわち、このような関係を満たす結果、偏心盤13の回動時にバランスウエイト21が円弧状の軌跡を描いて移動し、回転盤11の回転バランスの中心を駆動軸4の回転軸P上に一致させて研磨パッド12の無駄な振動等を防止する。
【0023】
次に、サンダー10の使い方と、偏心距離調節装置A1およびバランスウエイト連動機構B1の作用について説明する。
まず、図4に示したように、指標19が目盛の0(ゼロ)を指し、「偏心距離」(「オービットダイヤ」)0(ゼロ)となる位置に偏心盤13を回動させた状態では、図6に示すように、偏心軸15の取付中心cは、回転盤11の回転中心aに合致している。
【0024】
このとき、図6に示すように、バランスウエイト21の軸心(重心)は、クランクピン22と係止ピン23とを結ぶ線上に位置し、係止ピン23は、ガイド溝24内の一端側に当接する。そして、この状態で、研磨部102の重心が回転盤11の回転中心a、つまり、駆動軸4の軸心に合致する。
【0025】
従って、本体部101のモータ1を起動させると、駆動軸4の周りに回転バランスが取られて研磨部102は、静粛に回転し、研磨材12aは穏やかに研磨作動する。
研磨具10のボデー3を握り、研磨材12aを研磨対称物に当接させて行う研磨作業の仕方は、従来の研磨具のそれに準ずるので、説明は省く。
【0026】
次に、図7は、偏心盤13を、回転盤11に対して、矢示f方向に回動させて、「オービットダイヤ」の値を〈4〉に設定した状態を示している。
偏心盤13の回動に伴って、クランクピン22は、バランスウエイト24を矢示g方向に押しやる。バランスウエイト21のこの動きに伴って、その下面に突設した係止ピン23は、回転盤11のガイド溝24内を、図示の位置に移動し、バランスウエイト21をこの位置に固定する。
【0027】
これによって、図7の状態では、駆動軸4の周りに同心状に、云わば、定位置回転していた研磨材12aが、偏心軸15を中心として自転するとともに、「偏心距離」を旋回半径とする旋回運動を行うようになり、効果的な研磨を行うことが可能になる。
また、「偏心距離」が変化しても、図7の位置にバランスウエイト21を変位させることによって、研磨材12aを、回転バランスが良好に取れた状態で、駆動軸4の周りに円滑に偏心回転(旋回動)させることができる。
【0028】
図8は、偏心盤13を、回転盤11に対して、矢示f方向に回動させて、「偏心距離」をさらに増大させた状態を示している。
このとき、偏心盤13の回動に連動して、バランスウエイト21は、研磨部102の回転バランスの崩れを阻止すべく、クランクピン22によって図示の如く更に押しやられ、研磨部102は、新たな回転バランスの崩れを阻止される。
【0029】
このようにして、本実施例のサンダー10によれば、偏心盤13を適宜に回動操作するたげで、「偏心距離」、即ち、「オービットダイヤ」を、極めて簡単・迅速に、所望の値に変えることができる。しかも、偏心軸の移動による回転バランスの崩れが防止されるので、作業性が損なわれることがない。
【0030】
これによって、研磨具102の研磨特性、別言すれば、研磨材12aの研磨軌跡を、研磨対称物の性状や研磨目的、研磨の進行度合等に応じて、幅広く変化させることができる。
その為、冒頭に述べたように、必要に応じて、研磨具の研磨特性を変えたい時に、従来のように、極めて面倒で手間・暇の掛かる、研磨材12aを別の種類のものに取替える作業を行わなくて済むようになる。
【0031】
例えば、研磨の開始時から、仕上用の細かい研磨材12aを取付けて置き、始めは、「偏心距離」を長くすることによって、研磨材12aの研磨効率の低さを十分に補った状態で粗研磨を行い、研磨が進むに連れて、「偏心距離」を短くして行けば、研磨材12aの種類を途中で取替える従来方法に比べて、はるかに少ない労力と短い時間で、所望の研磨精度に仕上げることができる。
この場合、研磨材粒の粒度が荒い研磨布・紙を使わないので、荒い研磨粒が、研磨面を深く傷付ける心配が無くなるという付随的な効果も得られる。
【0032】
また、研磨パッド12にバフを取付けて、塗装面を磨く場合に、傷が目立ち易い濃色の塗装面には、「偏心距離」を小さくし、目立ち難い淡色の塗装面には、「偏心距離」をなるべく大きくして、研磨効果を高めるといった臨機応変の切替操作を、殆ど瞬時に行うことができる。
【0033】
次に、本発明の第2実施例を図10に示す。第2実施例は、偏心盤13の固定手段B2を、フリーナット31、33およびボルト32により構成したものである。
すなわち、第2実施例の固定手段B2は、回転盤11の内部にフリーナット31、33が設けられ、これらのナット孔にボルト32が嵌合している。回転盤11の外側に突出するボルト32の先端部には摘み34が固定される。
【0034】
この固定手段B2のボルト32を、摘み34によって、左右いずれかの方向に回転させれば、偏心盤13を所望の方向に所定角度だけ回動させることができる。
第2実施例の固定手段B2によると、構造が簡素で、かつ、レンチ等の道具を用いなくとも、所定の回動位置に偏心盤13を迅速に切り替えることができる。
【0035】
次に、本発明の第3実施例を図11および図12に示す。
第3実施例は、固定手段B3をピン構造にしたものである。回転盤11の軸方向の端部にフランジ35が摺動自在に取り付けられる。フランジ35には、回転盤11の外周側面に対し摺動自在に移動ウエイト36aが設けられる。回転盤11の外周側面には、フランジ35に摺動自在に固定ウエイト36bが固定されている。
偏心盤13の上面に固定される補助板13aは、円弧状の係止溝13bを有しており、この係止溝13bには、移動ウエイト36aの上面に延びる係止ピン38が挿入される。偏心盤13を回動させると、係止ピン38が係止溝13bに規制されて移動ウエイト36aと固定ウエイト36bの円周方向距離が所定の長さに調節される。なお、移動ウエイト36aおよび固定ウエイト36bは、後述する第4実施例の移動ウエイトおよび固定ウエイトと同様に両者の組み合わせによって回転バランスを調節するようになっている。
固定ウエイト36aの内部には、固定ピン37およびコイルスプリング38が収納されている(図12参照)。固定ピン37の一端は、コイルスプリング38の付勢力によってフランジ35の位置決め孔Hに挿入される。また、固定ウエイト36bの上面に突出する固定ピン37の他端には、レバー39がスナップリング39aによって取り付けられる。
偏心距離を調節する場合、図12の矢印方向にレバー39を押し下げると、固定ピン37がコイルスプリング38の付勢力に逆らって上方に移動し、ピン先端が位置決め孔Hから外れる。次いで、この状態で固定ピン37が所定の位置決め孔Hに切り替わるまで、偏心盤13を回動させる。固定ピン37の先端が所定の位置決め孔Hに達すると、コイルスプリング38の付勢力によってピン先端が位置決め孔H内に押し込まれ、偏心盤13が所定の回動位置にロックされる。
【0036】
第3実施例によると、レバー39を押して偏心盤13を回す操作によりきわめて簡単に、偏心距離の切り替えを行うことができる。また、所定の位置決め孔Hに固定ピン37が嵌まるため、偏心盤13の回動位置が振動等を受けてもズレることはない。
【0037】
なお、第3実施例の構成において、偏心盤13にフランジ35を設けた理由は、回転盤11に対して固定ピン37を軸方向に配置するためである。固定ピン37を回転盤11の径方向に配置すると、回転盤11の回転時に固定ピン37が遠心力の影響を受けやすくなり、また、回転盤11に固定ピン37を取り付ける場合に固定ピン37の先端が回転盤11の外周側面に突出しやすくなる。このため、回転盤11の径方向に固定ピン37を配置する構成としては、例えば、ドライバ等でピンの先端部を押してピンとピン孔との嵌合を解除するような構成が採用されることになり、偏心距離の切り替え操作に手間がかかりやすくなる。
これに対し、フランジ35に位置決め孔Hを設け、回転盤11の軸方向に固定ピン37を配置する構成にすると、ピン先端にレバー等を取り付けやすくなり、偏心距離の切り替え操作が容易になる。
【0038】
図13および図14に第3実施例の変形例を示す。
図13に示す例は、レバー39に代えて、固定ピン37の端部に大径部39bを設けたものである。コイルスプリング38の付勢力によって大径部39bがガイド36の上面に押し付けられている。
偏心距離を切り替える場合、大径部39bを摘んで、図13矢印方向に持ち上げると、固定ピン37が位置決め孔Hから外れる。
【0039】
また、図14に示す例は、レバー39に代えて、固定ピン37の先端に押上具39cを設けたものである。押上具39cの先端部は、弧状にカーブした転がり面Mとなっている。図14の状態から押上具39cを上方へ持ち上げると、転がり面Mがガイド36の上面に乗り上げて、押上具39cがガイド36の上面に対して起立状態となり、固定ピン37を持ち上げる。
このように上記変形例においても、特別な道具を使用することなく、作業者が素手で迅速かつ確実に偏心距離の切り替えを行うことができる。
【0040】
次に、本発明の第4実施例を図15〜図20に示す。第4実施例は、バランスウエイト連動機構C4に2個のバランスウエイト(固定ウエイト41および移動ウエイト43)を使用したものである。
図15に示すように、回転盤11の底部に、半円形の固定ウエイト41および移動ウエイト43が設けられる。固定ウエイト41は、回転盤11の内部底面11bに固定されている。移動ウエイト43は、固定ウエイト41の僅かに上方位置に中心軸42を支軸として回転自在に取り付けられている。固定ウエイト41と移動ウエイト43は、共に等しい重量に設定されている。
【0041】
偏心盤13と一体に回動するウオームホイール17の下端面には、係止ピン44が固定される。係止ピン44は、移動ウエイト43の所定位置に形成される弧状のガイド溝45に嵌合している。
偏心盤13を回動すると、これに伴って係止ピン44がガイド溝45内で移動ウエイト43を矢印方向に押すため、移動ウエイト43が偏心盤13の回動運動に追随して移動する。また、このとき、係止ピン44は、ガイド溝45内をスライド移動する。
【0042】
移動ウエイト43の移動位置は、係止ピン44のガイド溝45内のスライド位置によって規制される。すなわち、偏心盤13の回動角に対して移動ウエイト43が所定の位相差をもって回動することになる。
【0043】
ここで、係止ピン44の取付位置と、ガイド溝45の形状については、偏心盤13の回動時に移動ウエイト43が円弧状の軌跡に沿って連動するように、次の手順に従って定めることができる。
A.駆動軸4とともに一体に回転する独立部材(回転盤11、研磨パッド12、研磨材12a、偏心盤13、偏心軸15、ベアリング16、ウオームホイール17、ウオーム18、固定ウエイト41、中心軸42、移動ウエイト43、係止ピン44)の各重心位置を求める(図2および図15参照)。
B.図9に示すように、駆動軸4の回転軸Pを含み、かつ、前記独立部材の各重心(駆動軸4の回転軸P上に位置する重心を除く。)を含まない平面Hによって、前記独立部材の各重心を、偏心軸側重心群と、非偏心軸側重心群とに区分する。ただし、固定ウエイト41と移動ウエイト43については、両者を合わせて一個の独立部材と考え、その両者の合成重心をもってバランスウエイトの重心位置とする。
なお、図9には、各独立部材の重心位置は示されないが、ベアリング16および中心軸42の重心は、駆動軸4の回転軸P上に位置するため、上記重心群のいずれにも含まれない。また、回転盤11は、偏心盤13を収納するガイド凹部14を有するため、その重心は、回転軸Pからズレた位置になる。
C.偏心軸側重心群および非偏心軸側重心群のそれぞれの合成重心W1、W2を求める。なお、図9および図15〜図20では、偏心軸側重心群の合成重心W1が偏心軸15の重心に一致し、非偏心軸側重心群の合成重心W2が固定ウエイト41と移動ウエイト43の合成重心に一致する場合を示している。
D.偏心盤13の回動時に、偏心軸側重心群の合成重心W1と非偏心軸側重心群の合成重心W2との間に以下の関係、
W1・L1=W2・L2
ただし、W1:偏心軸側重心群の合成重心W1にかかる重量
L1:偏心軸側重心群の合成重心W1と駆動軸4の回転軸Pとの距離
W2:非偏心軸側重心群の合成重心W2にかかる重量
L2:非偏心軸側重心群の合成重心W2と駆動軸4の回転軸Pと
の距離
を満たすように、係止ピン44の取付位置と、ガイド溝45の形状を選定する。すなわち、このような関係を満たす結果、偏心盤13の回動時に移動ウエイト43が円弧状の軌跡を描いて移動し、回転盤11の回転バランスの中心を駆動軸4の回転軸P上に一致させて研磨パッド12の無駄な振動等を防止する。
【0044】
次に、バランスウエイト連動機構C4の作用を図15〜図20に従って説明する。
まず、図15および図18は、「偏心距離」(「オービットダイヤ」)が零になるように、偏心盤13の回動位置を設定した時の状態を示している。
偏心軸15の取付中心cは、回転盤11の回転中心aに重なっている。
【0045】
このとき、移動ウエイト43は、図15に示すように、固定ウエイト41から最も離れた対称位置にある。
この状態で、固定ウエイト41および移動ウエイトウエイト43の合成重心位置も、回転盤11の回転中心aに重なっている。
従って、研磨材12aは旋回動せず、研磨部は、回転バランスがよく取れた状態で静粛回転する。
【0046】
図16および図19は、「オービットダイヤ」の値を〈4〉になるように偏心盤13の回動位置をセットした状態を示している。
このとき、移動ウエイト43は、偏心盤13の動きに伴って、図19に示す位置に移動し、研磨部の回転バランスを保つ。
【0047】
図17および図20は、「オービットダイヤ」の値を最大値〈6〉になるように偏心盤13の回動位置をセットした状態を示している。
このとき、図17に示すように、固定ウエイト41の真上に移動ウエイト43が重なり、かつ、移動ウエイト43が取付中心cから最も隔たる位置になる。これによって、偏心距離が最も大きくなった場合の研磨部の回転バランスが保たれることになる。
【0048】
このように第4実施例のバランスウエイト連動機構C4は、固定ウエイト41と移動ウエイト43の組み合わせによって偏心盤13の回動時に生じる回転バランスの崩れを防止することができる。
例えば、単独のバランスウエイトのみでは、ウエイト移動方向に軸部材などが存在してバランスウエイトの取付が困難となる場合、第4実施例のように固定ウエイト41と移動ウエイト43とを用いれば、軸部材などの干渉を回避して比較的簡単にバランス調整することができる。
しかも、回転盤11の内部に固定ウエイト41および移動ウエイト43を収納することで、装置全体を軽量・コンパクトにまとめられると共に、強力な遠心作用力にも十分耐え得る組付強度を得ることができる。
【0049】
次に、本発明の第5実施例を図21および図22に示す。第5実施例は、本発明を高速正逆反転式のサンダー(ポリッシャ)に適用したものである。
サンダー50には、ボデー51に電動モータ52が収納される。ボデー51の下方に延びる正逆反転軸56の先端部に研磨パッド56aが取り付けられている。研磨パッド56aの前面には、研磨布・紙、バフ等の研磨材が着脱自在に取り付けられる。
モータ駆動軸53から所定距離離れた位置には偏心軸54が設けられる。図22に示すように、偏心軸54の先端部は揺動レバー55のスライド溝Mに嵌まる。揺動レバー55の端部は正逆反転軸56に固定されている。
モータ52を駆動すると、駆動軸53の回転に伴って偏心軸54が回動し、揺動レバー55が所定の角度範囲で往復動し、反転軸56を介して研磨パッド56aの正転・反転を繰り返す。
【0050】
駆動軸53には、回転盤57が固定される。回転盤57の駆動軸と反対側の端面には、偏心盤58が回動自在に取り付けられている。この偏心盤58の回動中心から所定距離離れた位置に偏心軸54が固定される。偏心盤58を回動させると、偏心軸54と駆動軸53との間の偏心距離が変化する。
【0051】
図21に示すように、回転盤57の内部には、ウオームホイール58aおよびウオーム59が設けられる。ウオームホイール58aは、偏心盤58の端面に一体に形成される。ウオーム59は、ウオームホイール58aにかみ合って偏心盤58を所定の回動位置に止めている。駆動軸53と偏心軸54との偏心距離を調節する場合、ウオーム59を所定方向に回転させると、ウオームホイール58aとともに偏心軸54が所定の回動位置まで移動する。
第5実施例によると、駆動軸53と偏心軸54との偏心距離を変化させることにより研磨パッド56aの正逆反転角度範囲を調節することができる。すなわち、偏心距離が大きくなる程、スライド溝Mにおける偏心軸54のスライド距離が長くなり、揺動レバー55の揺動角が増大することから、正逆反転軸56および研磨パッド56aの正逆反転角が大きくなる。したがって、サンダー50によれば、研磨面の仕上げの精度に応じてバフ面の正逆反転角を調節しながら研磨加工を行うことができる。
【0052】
次に、本発明の第6実施例を図23および図24に示す。第6実施例は、本発明をオービタルサンダーに適用したものである。
オービタルサンダー61は、ボデー61に電動モータ62が収納される。電動モータ62の駆動軸63から所定距離離れた位置に偏心軸64が設けられ、偏心軸64の先端部にはベアリング66aを介して研磨パッド66が取り付けられている(図24参照)。研磨パッド66の前面には、研磨布・紙、バフ等の研磨材が着脱自在に取り付けられる。研磨パッド66の四隅部には、柔軟性の材料からなる支持柱65が形成される。各支持柱65は、ボデー61の所定位置に固定される。
電動モータ62を駆動すると、駆動軸63の回転力が偏心軸64を介して研磨パッド66に伝達される。研磨パッド66は、偏心軸64の回転に伴って所定幅で振動し、被研磨面に当てられることになる。
【0053】
駆動軸63には、回転盤67が固定される。回転盤67の駆動軸63と反対側の端面には、偏心盤68が回動自在に取り付けられている。この偏心盤68の回動軸から所定距離離れた位置には偏心軸64が固定される。偏心盤68を回動させると、駆動軸63と偏心軸64との偏心距離が変化する。
【0054】
図23に示すように、回転盤67の内部には、ウオームホイール68aおよびウオーム69が設けられる。ウオームホイール68aは、偏心盤68の端面に一体に形成される。ウオーム69は、ウオームホイール68aにかみ合って偏心盤68を所定の回動位置に止めている。駆動軸63と偏心軸64との偏心距離を調節する場合、ウオーム69を所定方向に回転させると、ウオームホイール68aとともに偏心軸64が所定の回動位置まで移動する。
【0055】
第6実施例によると、偏心距離を変化させることにより、研磨パッド66の振動幅を調節することが可能になる。すなわち、偏心距離が大きくなる程、偏心軸64の旋回半径が大きくなり、研磨パッド66の振動幅が大きくなる。例えば、研磨面を粗く削りたい場合には、偏心距離を大きくし、研磨面を滑らかに削りたいときには、偏心距離を小さくして使用することができる。
【0056】
次に、本発明の第7実施例を図25および図26に示す。第7実施例は、本発明を直線移動型のサンダー(ポリッシャ)に適用したものである。
サンダー70は、ボデー71に電動モータ72が収納される。電動モータ72の駆動軸73には、回転盤77を回転させる駆動ギア74が固定される。回転盤77の外周端部には、駆動ギア74にかみ合う歯車が形成されている。
回転盤77は、ボデー71の内部に支持される回転軸77aに固定される。この回転軸aから所定距離離れた位置に偏心軸75が設けられる。偏心軸75の先端部には研磨パッド76の係止板76aが嵌合している。研磨パッド76は、ボデー71に取り付けられるローラRによって前後方向(図25の左右方向)に移動自在になっている。研磨パッド76の前面には、研磨布・紙、バフ等の研磨材が着脱自在に取り付けられる。なお、71a、71bは操作用のハンドルである。
【0057】
電動モータ72を作動すると、駆動軸73の回転力が駆動ギア74、回転盤77および偏心軸75に伝達される。このとき、偏心軸75が係止盤76aの間の溝に摺動しながら回転し、研磨パッド76を所定の長さの範囲で往復運動させる。
【0058】
回転盤77の回転軸73と反対側の端面には、偏心盤78が回動自在に取り付けられている。この偏心盤78の回動中心から所定距離離れた位置には偏心軸75が固定される。偏心盤78を回動させると、回転軸77aと偏心軸75との偏心距離が変化する。
【0059】
図25に示すように、回転盤77の内部には、ウオームホイール78aおよびウオーム79が設けられる。ウオームホイール78aは、偏心盤78の端面に一体に形成される。ウオーム79は、ウオームホイール78aにかみ合って偏心盤78を所定の回動位置に止めている。回転軸77aと偏心軸75との偏心距離を調節する場合、ウオーム79を所定方向に回転させると、ウオームホイール78aとともに偏心軸75が所定の回動位置まで移動する。
【0060】
第7実施例によると、回転軸77aと偏心軸75との偏心距離を調節することにより、研磨パッド76の往復運動のストロークを増減することが可能になる。これにより、加工面に応じて、バフ面の往復距離を調節することで、効率の良い研磨作業を行える。
【0061】
次に、本発明の第8実施例を図27および図28に示す。第8実施例は、本発明を電動ソーに適用したものである。
電動ソー80は、ボデー81に電動モータ82が収納される。電動モータ82の駆動軸83に形成される螺旋状の歯車に回転盤87の外周部の歯車がかみ合っている。
回転盤87は、ボデー81に回転軸87aによって回転自在に取り付けられる。回転軸87aから所定距離離れた位置には偏心軸84が設けられ、この偏心軸84に帯状の鋸刃86が固定される。
偏心軸84の先端部は、鋸刃86の所定位置に固定される係止具86aの溝に摺動自在に嵌合している。電動モータ82を作動すると、駆動軸83の回転力が偏心盤88を介して偏心軸84に伝達される。偏心軸84は、係止具86aの溝内を摺動しながら鋸刃86を上下動させる。
【0062】
回転盤87の回転軸87aと反対側の端面には、偏心盤88が回動自在に取り付けられている。この偏心盤88の回動中心から所定距離離れた位置には偏心軸84が固定される。偏心盤88を回動させると、回転軸87aと偏心軸84との偏心距離が変化する。
【0063】
図27に示すように、回転盤87の内部には、ウオームホイール88aおよびウオーム89が設けられる。ウオームホイール88aは、偏心盤88の端面に一体に形成される。ウオーム89は、ウオームホイール88aにかみ合って偏心盤88を所定の回動位置に止めている。回転軸87aと偏心軸84との偏心距離を調節する場合、ウオーム89を所定方向に回転させると、ウオームホイール88aとともに偏心軸84が所定の回動位置まで移動する。
【0064】
第8実施例によると、回転軸87aと偏心軸84との偏心距離を変化させることにより、鋸刃86の往復運動時のストロークを調節することが可能になる。すなわち、ストロークが大きくなる程、鋸刃86の切削長さが大きくなる。例えば、加工材料の硬さ等に応じて偏心距離を調整することで、効率よい切断作業を実施することができる。
【0065】
なお、上記第5実施例〜第8実施例では、偏心盤の回動の際に、回転盤の回転バランスに与える影響が少ないことから、バランスウエイト連動機構は設けていないが、必要に応じて、バランスウエイト連動機構を設けることも可能である。
【0066】
また、上記各実施例に於いて、細部の構造は適宜に設計変更しても、本発明の目的は達成される。
例えば、回転駆動源として、エアモータ、電気モータのいずれをも採用することができる。
また、バランスウエイトの形状・配置等は、既述の作動原理に従うものであれば、種々の形状・配置等のに変更してもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明による偏心機構を有する工作具の偏心距離調節装置は、次のような実用上の様々な優れた効果を発揮する。
(a) 工作具の駆動軸と偏心軸との間隔、つまり、「偏心距離」を、極めて簡単な操作によって、零(ゼロ)から所望の値に調節することができる
(b) 工作具の研磨特性または切削特性を変えたい時に、従来のように、別の種類の研磨材・切削材に取替えるという極めて面倒で、著しく手間・暇の掛かる作業を行わなくて済むようになる。
(c) 偏心距離を変えるのに伴って、回転盤の回転バランスが崩れてしまい、工作具全体が振動する不具合を、付設のバランスウエイト連動機構により確実に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるサンダー(ポリッシャ)を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例によるサンダー(ポリッシャ)を示す部分断面図である。
【図3】本発明の第1実施例によるサンダー(ポリッシャ)の回転盤、偏心盤および固定手段を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施例によるサンダー(ポリッシャ)の偏心距離の値を知らせる表示手段の一例を示す回転盤の平面図である。
【図5】本発明の第1実施例によるサンダー(ポリッシャ)の回転盤、偏心盤およびバランスウエイトの構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第1実施例によるサンダー(ポリッシャ)の偏心距離を〈0〉にセットした時の偏心盤およびバランスウエイトの変位状態を示す回転盤の平面図である。
【図7】本発明の第1実施例によるサンダー(ポリッシャ)の偏心距離を〈4〉にセットした時の偏心盤およびバランスウエイトの変位状態を示す回転盤の平面図である。
【図8】本発明の第1実施例によるサンダー(ポリッシャ)の偏心距離を〈4〉から増大させた時の偏心盤およびバランスウエイトの変位状態を示す回転盤の平面図である。
【図9】本発明によるサンダー(ポリッシャ)の偏心盤とバランスウエイトと位置関係を説明するための模式図である。
【図10】本発明の第2実施例によるサンダー(ポリッシャ)の固定手段の構成を模式的に示す斜視図である。
【図11】本発明の第3実施例によるサンダー(ポリッシャ)の固定手段を示す部分平面図である。
【図12】本発明の第3実施例によるサンダー(ポリッシャ)の固定手段を示す部分側面図である。
【図13】本発明の第3実施例によるサンダー(ポリッシャ)の固定手段の変形例を示す部分側面図である。
【図14】本発明の第3実施例によるサンダー(ポリッシャ)の固定手段の変形例を示す部分斜視図である。
【図15】本発明の第4実施例によるサンダー(ポリッシャ)の回転盤、偏心盤およびバランスウエイトの模式的な構成を示すもので、偏心距離の値が〈0〉の状態を示す斜視図である。
【図16】同上、偏心距離の値が〈4〉の状態を示す図15相当図である。
【図17】同上、偏心距離の値が〈6〉の状態を示す図15相当図である。
【図18】本発明の第4実施例によるサンダー(ポリッシャ)の回転盤および偏心盤の模式的な構成を示すもので、偏心距離の値をが〈0〉の状態を示す平面図である。
【図19】同上、偏心距離の値が〈4〉の状態を示す図18相当図である。
【図20】同上、偏心距離の値が〈6〉の状態を示す図18相当図である。
【図21】本発明の第5実施例によるサンダー(ポリッシャ)を示す側面図である。
【図22】本発明の第5実施例によるサンダー(ポリッシャ)を示す部分斜視図である。
【図23】本発明の第6実施例によるサンダー(ポリッシャ)を示す側面図である。
【図24】本発明の第6実施例によるサンダー(ポリッシャ)を示す部分斜視図である。
【図25】本発明の第7実施例によるサンダー(ポリッシャ)を示す側面図である。
【図26】本発明の第7実施例によるサンダー(ポリッシャ)を示す部分斜視図である。
【図27】本発明の第8実施例による電動ソーを示す側面図である。
【図28】本発明の第8実施例による電動ソーを示す部分斜視図である。
【図29】従来例による研磨具を示す外観斜視図である。
【図30】従来例による研磨具の構成を模式的に示した部分側面図である。
【符号の説明】
A1 偏心距離調節装置
B1 固定手段
C1 バランスウエイト連動機構
1 エアモータ
2 ハンドル
3 ボデー
4 駆動軸
5 アクチュエータ
7 カバー体
8 止環
10 サンダー(ポリッシャ)
11 回転盤
15 偏心軸
12a 研磨パッド
13 偏心盤
14 ガイド凹部
11a 取付軸
16 ベアリング
17 ウオームホイール
18 ウオーム
18a 六角孔
21 バランスウエイト
22 クランクピン
23 係止ピン
24 ガイド溝
101 本体部
102 研磨部
a 回転盤11の回転中心(駆動軸4の中心)
b 偏心盤13の回動中心
c 偏心軸15の取付中心
H 平面
P 回転軸
W1 偏心軸側重心群の合成重心にかかる重量
L1 偏心軸側重心群の合成重心と駆動軸の回転軸との距離
W2 非偏心軸側重心群の合成重心にかかる重量
L2 非偏心軸側重心群の合成重心と駆動軸の回転軸の距離

Claims (1)

  1. 駆動モータの駆動軸から所定距離離れた位置に偏心軸を設け、
    前記駆動軸と一体に回転盤を設け、
    前記偏心軸と一体に円盤状の偏心盤を設けるとともに、前記偏心軸の先端に研磨パッドを設け、
    かつ、前記回転盤が回転するに伴い、前記研磨パッドが前記駆動軸の周りを旋回する工作具であって、
    前記偏心盤は前記回転盤に形成された円形のガイド凹部の内面に摺接回動自在に挿入され、
    かつ、前記偏心盤にバランスウエイトが設けられ、
    前記偏心盤が偏心軸の周りを回動するに伴って、
    前記バランスウエイトは前記駆動軸の周りを弧状軌跡を描きながら回動し、
    この所定の回動位置において、
    前記駆動軸と前記偏心軸との間を前記所定距離に固定することを特徴とする工作具。
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