JP4214343B2 - パップ剤及び冷却シート剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含水系粘着組成物及びパップ剤に関し、より詳しくは、高含水率、高粘着性、高保形性を兼備する含水系粘着組成物及び貼付時における水分保持能が高く、冷却効果や薬物の経皮吸収性が向上したパップ剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、含水系粘着組成物としては、種々の組成からなるものが提案されており、例えば特開平9−14306号公報には、N−ビニルアセトアミド単独重合体とポリアクリル酸一価塩及び/又はアクリル酸一価塩とアクリル酸との共重合体と水溶性アルミニウム塩と水とからなる含水ゲル貼付剤基剤用組成物、特開平5−230313号公報には、ポリビニルアルコールと高吸水性高分子化合物及び/又は親水性高分子化合物とを配合した含水ゲル、特開昭57−7415号公報には、保湿剤として、水不溶性吸水性樹脂を用いた湿布剤が記載されている。
【0003】
しかしながら、上記提案では、いずれも高吸水性高分子化合物を配合することにより、水分保持能は高いが、高含水率、高粘着性、高保形性を兼備していないために、冷却効果や薬物の経皮吸収性が持続しないという問題があった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、水分保持能を保持しながら、高含水率、高粘着性、高保形性を兼備した含水系粘着組成物及び該含水系粘着組成物を支持体に展延することによって、貼付時の水分保持能が高く、持続的な冷却効果や薬物の経皮吸収性に優れたパップ剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、イオン濃度によっても吸水能が変化しないノニオン系高吸水性高分子化合物に着目するに至り、更に、鋭意検討した結果、これをポリアクリル酸と多価金属イオンとによる金属架橋ゲルに配合することより、高粘着性を保持しながら含水率を高めることができ、且つ貼付時における水分保持能が高いため、例えばパップ剤、或いはアイシング剤として使用することによって、冷却の持続、或いは薬物の経皮吸収性が向上する含水系粘着組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0006】
即ち、本発明は、
(A)ポリアクリル酸と、(B)多価金属イオンと、(C)変性ポリアルキレンオキサイド、N−ビニルアセトアミド架橋体及びアクリルアミド架橋体から選ばれ、吸水倍率が自重の10〜1000倍である高吸水性高分子化合物とを含有すると共に、含水率が70〜90質量%であることを特徴とする含水系粘着組成物を、支持体に展延してなるパップ剤、(A)ポリアクリル酸と、(B)多価金属イオンと、(C)変性ポリアルキレンオキサイド、N−ビニルアセトアミド架橋体及びアクリルアミド架橋体から選ばれ、吸水倍率が自重の10〜1000倍である高吸水性高分子化合物とを含有すると共に、含水率が70〜90質量%であることを特徴とする含水系粘着組成物を、支持体に展延してなる冷却シート剤を提供する。
【0007】
以下、本発明を更に詳細に説明すると、本発明の含水系粘着組成物は、ポリアクリル酸、多価金属イオン、ノニオン系高吸収性高分子化合物及び組成物全体に対して70〜90質量%の水を必須成分とするものである。
【0008】
ここで、本発明のポリアクリル酸としては、いずれのものでも使用でき、その分子量及び直鎖状、分岐鎖状等の形状には特に制限はないが、分子量1万〜1000万のものを用いることが好ましく、特に重量平均分子量が1万〜50万未満、50万〜200万未満、200万〜700万の平均分子量を有するポリアクリル酸を2種以上組み合わせると、使用感が向上するので好適である。なお、通常のアクリル酸を重合して得られた重合体のほか、カルボキシビニルポリマー、例えばカーボポール(商品名:米国グッドリッチ社製)等のアクリル酸重合体を一部架橋したものも好適に使用し得る。
【0009】
本発明の含水系粘着組成物における上記ポリアクリル酸の配合量は、特に制限されるものではなく適宜選定することができ、通常組成物全体に対して0.1〜20%(質量%、以下同様)、特に1〜15%とすると好適である。配合量が少なすぎると粘着力が不足する場合があり、多すぎると粘度が高くなり、製造時の作業性に問題が生じたり、貼付剤として使用する場合、剥がす時に痛みを感じる場合がある。
【0010】
本発明の含水系粘着組成物は、上記ポリアクリル酸を金属架橋する多価金属イオンを必須成分とするものであり、本発明の場合、多価金属塩を配合することによって、組成物中で多価金属イオンが放出される。ここで、多価金属イオンとしては、その種類が特に制限されるものではなく、例えばマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、カドミウムイオン、アルミニウムイオン、チタンイオン、錫イオン、鉄イオン、クロムイオン、マンガンイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン等を挙げることができ、本発明の場合、1種又は2種以上の多価金属イオンを含有することができる。
【0011】
従って、本発明の組成物に配合される多価金属塩としては、水溶液中で上記多価金属イオンを放出する、例えばマグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等が使用し得るが、本発明の含水系粘着組成物は皮膚に適用するものであり、皮膚に対する安全性を考慮するならば、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を用いることが特に好ましい。
【0012】
この場合、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物はいずれのものも好適に使用し得、例えばカリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、含ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、これら金属を含む複塩等の水可溶性化合物、水難溶性化合物の1種又は2種以上を使用し得る。また、アルミニウム、マグネシウムを含む制酸剤も多価金属塩として配合し得る。
【0013】
本発明の含水系粘着組成物における上記多価金属塩の配合量は、特に制限されるものではなく適宜選定することができ、通常組成物全体に対して0.001〜5%、特に0.1〜2.5%とすると好適である。配合量が少なすぎるとゲルを形成しない場合があり、多すぎると粘着性が不足する場合がある。
【0014】
本発明の含水系粘着組成物は、更に、ノニオン系高吸水性高分子化合物を含有するものである。ここで、高吸水性高分子化合物とは、通常自重の10倍以上の水を吸水、或いはゲル化、膨潤するものであって、例えば架橋ポリアクリル酸の部分中和物などのイオン性高吸水性高分子化合物が古くから知られている。このような高分子化合物は、一般に、真水に対しては自重の数百倍から数千倍の高い吸水能力を発揮し得るが、イオン濃度の高い水性液に対する吸水能力は極めて小さい。しかし、ノニオン系高吸水性高分子化合物はイオン濃度の高い水性液に対する吸水能が高いため、イオン濃度の高いパップ剤(含水系粘着組成物)中で安定に多量の水を保持することが可能である。なお、化合物の吸水倍率は、下記測定方法によって得ることができる。
【0015】
<吸水倍率測定法>
試料を乾燥し、その約1.0gを精密に量り、脱イオン水を200ml加え、30分間かき混ぜた後、放置する。ろ紙(No.2)を用いて、時々かき混ぜながら2時間にわたって減圧ろ過(2600〜7800Pa≒20〜60mmHg)し、得たろ液の量から、本品1g当たりの脱イオン水の吸水量を求める。
【0016】
本発明の高吸水性高分子化合物は、上述したように自重の10倍以上の水を吸水、或いはゲル化、膨潤する高分子化合物であり、より好ましくは自重の10〜1000倍、特に20〜100倍の水を吸水等する高分子化合物であれば、より好適である。吸水倍率が10倍未満であると、十分な保水効果が得られない場合がある。
【0017】
本発明の含水系粘着組成物に使用するノニオン系高吸水性高分子化合物は、その種類が特に制限されるものではなく、例えば変性ポリアルキレンオキサイド、N−ビニルアセトアミド架橋体、アクリルアミド架橋体等を挙げることができ、より具体的には、例えばサンフレッシュAT−35(三洋化成)、アクアコーク(住友精化)、ノニオレックスNA−010、ノニオレックスNA−150、ノニオレックスNA−500(昭和電工)等を好適に使用することができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0018】
本発明の含水系粘着組成物における上記ノニオン系高吸水性高分子化合物の配合量は、特に制限されるものではなく、通常、組成物全体の0.1〜30%、より好ましくは0.5〜15%とすると好適である。配合量が少なすぎると保水性、保形性が十分に得られず、多すぎると粘着性が不足する場合がある。
【0019】
本発明の含水系粘着組成物は、含水率、即ち組成物全体に対する水分配合量が70〜90%、好ましくは80〜85%である。含水率が低すぎると、本発明の目的とする効果が十分に得られず、高すぎると上記必須成分を十分に配合することができないのみならず、製剤設計上の不都合が生じる場合がある。
【0020】
本発明の含水系粘着組成物は、本発明の効果を損なわない限り、上記成分に加えて通常貼付剤の粘着基剤等に添加されているその他の成分を適宜配合することもでき、例えばポリアクリル酸以外の水溶性高分子化合物、薬効成分、乳化剤、保湿成分、清涼化剤、無機粉体、防腐剤、香料、色素等を本発明の効果を損なわない範囲で常用量配合することができる。
【0021】
ここで、ポリアクリル酸以外の水溶性高分子化合物としては、その種類は特に制限されず、従来より使用されているものを使用することができ、例えばゼラチン、カンテン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、無水マレイン酸共重合体、プロピレングリコール、カルボキシメチルスターチナトリウム、カラギーナン等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0022】
薬効成分としては、例えばインドメタシン、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、スプロフェン、ロキソプロフェン、ザルトプロフェン、ピロキシカム、フェルビナク、ジフェンヒドラミン、ジブカイン、プロカイン、リドカイン、ビタミンE誘導体、グリチルレチン酸あるいはこれらの誘導体等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0023】
乳化剤としては、例えばジグリセリンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)(10)グリセリルモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、POE(25)ラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸(エステル)塩、脂肪酸石けん、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル硫酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルアンモニウム塩、酢酸ベタイン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ビタミン誘導体、グリチルリチン酸,グリチルレチン酸及びこれらの誘導体等が挙げられ、具体的にはソルビタンモノオレート、グリセリルモノオレート、デカグリセリルモノオレート、ジグリセリルジオレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノオレート、POE(60)ソルビットテトラオレート、POE(40)モノステアレート、POE(10)オレイルエーテル、POE(10)ノニルフェニルエーテル、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(5)オレイン酸アミド、ラウリル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル酢酸ナトリウム、トリPOE(10)アルキルエーテルリン酸、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、卵黄、レシチン、イミダゾリニウムベタイン、セバシン酸ジエチル等が挙げられる。
【0024】
保湿成分としては、例えばグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、マルチトール、キシリトール等の多価アルコールなどを挙げることができ、これらは1種単独で又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0025】
清涼化剤としては、例えばカンフル、チモール、メントール、N−エチル−p−メンタン−カルボキシアミド、p−メンタン−3,8−ジオール、l−イソプレゴール、l−メンチルグリセリルエーテル等のメントール誘導体等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0026】
無機粉体としては、例えばスメクタイト、カオリン、酸化亜鉛、酸化チタン、無水ケイ酸等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0027】
防腐剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベン、チモール等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0028】
香料としては、例えばウイキョウ油、ヒマシ油、ハッカ油、ハッカハク油、ダイウイキョウ油、ケイヒ油、チョウジ油、チミアン油、テレビン油、ヘノポジ油、ヤマジン油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモン油、オレンジ油、トウカ油、ベルガモット油、ローズ油、シトロネラ油、レモングラス油、樟脳油、ゼラニウム油等が挙げられる。また、植物抽出物としては、例えばアロエ、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、カミツレ、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアヤックウッド、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレビン、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、バーチ、パチュリー、バラ、ヒソップ、フェンネル、ブラックペッパー、ボダイジュ花、没薬、ヤロウ、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、シモツケソウ、ヤグルマギク、アーモンド、アザミ、アルニカ、イトスギ、ウイキョウ、エニシダ、エリカ、オオグルマ、カラシ、カロコン、カンズイ、キクニガナ、ギョウギシバ、キンセンカ、クサノオウ、クレソン、ゲンカ、ゲンチアナ、サリランボ、シカゼンシ、シラカバ、シダ、シツリシ、ショウノウ、ショウリク、ジンギョウ、スモモ、セイヨウナシ、セイヨウヒメスノキ、タイソウ、タクシャ、タンポポ、チモ、チャービル、チョレイ、テンモンドウ、トウガシ、ノイバラ、ノラニンジン、ハゴロモグサ、ハッカ、トネリコ、ヒメオドリコソウ、ヒメスイバ、ブクリョウ、ボリジ、マグワート、マヨラナ、メリッサ、モクツウ、モモ、ヤドリギ、ユーカリ、ヨクイニン、ラベンダー、レンギョウ、ワサビダイコン等からの抽出物を挙げることができるが、これらの中でも、特にカモミール、セージ、パセリ、ローズマリー、シモツケギク、シモツケソウ、ヤグルマギク、アニス、ローレル、アンジェリカ、フェンネル、ハッカ(ペパーミント、レモンバーム)、ラベンダー、タイム等からの抽出物が好適であり、このような抽出物の具体的な成分として、例えば、モノテルペン炭化水素、シネオール、ボルネオール、他にカンファー(樟脳)、リナノール、ベルベノール、フラボノイド類、コリン、アミノ酸、タンニン、植物酸、脂肪酸、青酸配糖体、サリチル酸誘導体、サルビン、縮合タンニン、フェノール酸、カルノシン酸、トリテルペン酸、ツヨン、サルベン、ピネン、アピオール、アピオリン、ミリスチシン、クマリン、カマアズレン、ファルネセン、ビサボロール、ゲラニオール、オイゲノール、テルペン、フェランドリン、アネトール、メントール、メントン、リモネン、シトラール、シトロネラール、オイゲノールアセテート等を挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0029】
色素としては、その種類は特に限定されず、法定色素ハンドブック記載の色素を1種単独で又は2種以上を適宜組合せて配合することができる。また、架橋コントロール剤として、エチレンジアミン2ナトリウム塩、クエン酸等を添加することができ、配合量は、好ましくは0.01〜1%である。
【0030】
本発明の含水系粘着組成物は、上記必須成分及び必要に応じて上記任意成分を適宜配合して公知の方法で均一になるまで混練することによって調製することができる。
【0031】
本発明の含水系粘着組成物は、その用途、剤型が特に制限されるものではなく、例えばパップ剤、冷却シート剤、フットケアシート剤、パック剤、マスク剤等として使用することができるが、特に本発明の含水系粘着組成物は、水分保持能を保持しながら、高含水率、高粘着性、高保形性を兼備することができるので、これを例えばパップ剤、冷却シート剤等として使用とすると、貼付時に優れた冷却効果や薬物の経皮吸収性を発揮するので、より効果的である。
【0032】
そして、本発明のパップ剤は、上記含水系粘着組成物を支持体に展延したものであり、ここで、支持体としては、公知のものを使用することができ、例えば紙、織布、不織布、編布、プラスチックフィルム等の支持体を挙げることができる。上記含水系粘着組成物を上記支持体に展延する際の展延量は、特に制限されるものではないが、例えば支持体10×14cm当りの組成物量が5〜40g、特に10〜35g程度とすると、好適である。上記組成物の展延量が少なすぎると、貼付時に十分な冷却効果を発揮することが困難な場合があり、多すぎるとパップ剤の取り扱い性が悪くなる場合がある。
【0033】
なお、本発明のパップ剤は、上記含水系粘着組成物を上記支持体に展延した後、製品化に際して、必要によりポリエチレン等のプラスチックフィルム(フェイシング)を薬面(展延面)を覆い、適当な大きさに裁断して用いることができる。
【0034】
本発明のパップ剤は、公知のパップ剤と同様に使用することによって、上述したように、貼付時に優れた冷却効果や薬物の経皮吸収性を発揮することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、高含水率、高保形性、高粘着性を兼備した含水系粘着組成物が得られ、この含水系粘着組成物をパップ剤として使用することにより、長期に亘り水分が保持され、その結果、冷却効果の持続や薬物の経皮吸収性を向上させることができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0037】
〔実施例1〜14、比較例1〜6〕
表1,2に示す各成分を常法に従いへンシェルミキサーにより混合撹拌して貼付剤(含水系粘着組成物)を調製し、これを表1,2に示す膏体量となるように伸縮性不織布に展延、裁断して実施例及び比較例の湿布シート(パップ剤)を製造して、下記評価を行った。結果を表1,2に併記する。なお、表1,2において、POEはポリオキシエチレン、EDTAはエデト酸を示す。
【0038】
<ボールタック値>
JIS Z 0237で用いられている球転装置を用い、傾斜角は30°、助走長さは100mm、測定する面を50mmとした。JIS G 4805で規定された材質のボールの大きさはJIS B 1501の“ボールの呼び”の1/16から1までの合計31種類とし、“ボールの呼び”の32倍の数値をボールナンバーと呼び、粘着力の指標として用いた。球転装置の傾斜板上の所定の位置に粘着面を上にして試験片を取り付け、各大きさのボールをゲートにセットした。ゲートをゆっくりひらき、ボールを転がしたとき、測定部内に完全に停止(5秒以上ボールが動かないこと)するようなボールのうちで最大のものを見いだし、そのときのボールナンバーを粘着力の指標とした。なお、ボールタック値は、10以上、特に15以上であることが好ましい。
【0039】
<皮膚冷却温度の測定>
実施例1〜14、比較例1〜6の成分から調製された湿布シートを25℃、湿度50%に設定された部屋において、5人のモニターの背部に貼付し、サーモグラフィーを用いて背部の皮膚冷却温度を2時間後、6時間後に測定し、各時間における各モニター全員の皮膚冷却温度の平均値を求めた。
【0040】
【表1】
Figure 0004214343
【0041】
【表2】
Figure 0004214343
【0042】
実施例5及び比較例1の薬物の経皮吸収性を下記の血中濃度測定によって評価した。結果を表3に示す。
【0043】
<血中濃度測定>
ウィスター系雄性ラット(5〜6週齢)10匹を一群として実験に供した。ラットは実験前日に背部を剃毛した。実験当日、剃毛した部分に5×8cmの大きさとした湿布シートを貼った後、個別ケージで飼育した。試料を適用後、2時間後及び8時間後にラットの血液を採取した。採取した血液は、常法に従って高速液体クロマトグラフィー分析に供し、予め定めておいた検量線よりインドメタシンの血中濃度を算出した。速効性は、試料適用後2時間後の血中濃度により評価した。また、持続性においては試料適用後8時間後の血中濃度により評価した。
【0044】
【表3】
Figure 0004214343

Claims (4)

  1. (A)ポリアクリル酸と、(B)多価金属イオンと、(C)変性ポリアルキレンオキサイド、N−ビニルアセトアミド架橋体及びアクリルアミド架橋体から選ばれ、吸水倍率が自重の10〜1000倍である高吸水性高分子化合物とを含有すると共に、含水率が70〜90質量%であることを特徴とする含水系粘着組成物を、支持体に展延してなるパップ剤。
  2. (C)成分の配合量が、組成物全体の0.5〜15質量%である請求項1記載のパップ剤。
  3. (A)ポリアクリル酸と、(B)多価金属イオンと、(C)変性ポリアルキレンオキサイド、N−ビニルアセトアミド架橋体及びアクリルアミド架橋体から選ばれ、吸水倍率が自重の10〜1000倍である高吸水性高分子化合物とを含有すると共に、含水率が70〜90質量%であることを特徴とする含水系粘着組成物を、支持体に展延してなる冷却シート剤。
  4. (C)成分の配合量が、組成物全体の0.5〜15質量%である請求項3記載の冷却シート剤。
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