JP4205884B2 - ユニット式建物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、箱形の複数の建物ユニットと、これらの建物ユニットの上方に設けられる屋根とを備えたユニット式建物に関する。
【0002】
【背景技術】
柱、天井梁および床梁を含むフレームを備えた複数の箱形の建物ユニットと、これらの建物ユニット上に設けられた屋根とを備えたユニット式建物が知られている。このようなユニット式建物において、横方向に隣接する建物ユニットのそれぞれの角部における柱を取り除き、複数の建物ユニットにわたる大空間の居室を構成することが行われている(特願2000−192521公報)。
この場合、柱を取り除いたことにより強度の低下が生じるので、複数の建物ユニット間にわたる補強部材(補強梁)を設け、この補強梁によって建物ユニットの天井梁を補強して建物ユニットの強度を確保している。補強梁は、断面が例えば矩形パイプ状に形成され、その下部は隣り合う天井梁に挟まれ、上部は天井梁上端面より上方に突出して設けられることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、屋根は複数枚の屋根パネルで構成されることがあり、このような屋根パネルは、屋根の中央側では屋根束で支持され、屋根の軒側端部では、屋根受けブラケットで支持されている。また、屋根束は、複数の建物ユニットの隣り合う天井梁の上面に立設することもあるが、隣り合う柱の上端部に立設することが強度上から好ましい。
一方、前記補強梁を使用した複数の建物ユニットが上階に設けられることがある。この場合、補強梁は、下部が天井梁間に挟まれ、上部が天井梁上端面より上方に突出して設けられているため、補強梁の幅寸法が小さく、屋根束を立設することが困難であるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、複数の建物ユニット間に建物ユニットの天井梁の上端面より高い上面を有する補強梁を設けた場合でも、屋根を支持するための屋根束を容易に設けることができるユニット式建物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明は複数本の柱と、これらの柱の上端間同士を結合する天井梁および下端間同士を結合する床梁を含み箱状に形成されかつ角隅部を寄せ合わせて配置される複数の建物ユニットと、これらの建物ユニット上に配置される屋根とを備えて構成されるユニット式建物であって、前記角隅部を横切る方向に複数の建物ユニット間にわたって補強梁が設けられ、この補強梁の下部は横方向に隣接する前記建物ユニットの隣り合う前記天井梁間に挟み込まれるとともに、上部は前記天井梁より上方に突出し、前記補強梁には当該補強梁の上端面とほぼ同じ高さの上端面を有する添梁が設けられ、この添梁は、前記天井梁より上方に突出した前記補強梁の略全長にわたる両側面に設けられ、前記屋根は前記添梁と補強梁とにわたって設けられる複数の屋根束に支持されていることを特徴とするユニット式建物である。
また、前記屋根束はベースプレートを介して設けられ、このベースプレートは、前記補強梁の上端面を含む前記両添梁の上端面間にわたって設けられているとともに、前記添梁の前記屋根束が設けられる部位の側面には、補強リブが設けられていることを特徴とする。
更に、前記補強梁の一端部は、隣接する前記建物ユニットの隣り合う柱の上端面間にわたるとともに、前記建物ユニット同士を接合する第1接合部材に連結され、前記補強梁の他端部は、隣接する少なくとも2つの前記建物ユニットの隣り合う柱の上端面間にわたるとともに、前記建物ユニット同士を接合する第2接合部材に連結されていることを特徴とするユニット式建物である。
【0006】
このような本発明によれば、複数の建物ユニット間に、建物ユニットの天井梁の上端面より高い上面を有する補強梁を設けた場合でも、補強梁と添梁との上端面の高さが同じとなっているので、これらの補強梁と添梁とにわたって屋根束を容易に設けることができ、これにより、屋根の取り付けも容易となる。
【0008】
また、前記屋根束70はベースプレート71を介して設けられ、このベースプレート71は、前記補強梁20の上端面を含む前記両添梁60の上端面間にわたって設けられているものにあっては、屋根束の構成部材の大きさを必要以上に大きくしなくてもよくなり、その結果、製作や取扱いが容易となる。
【0009】
更に、前記添梁60の前記屋根束70が設けられる部位の側面には、補強リブ67が設けられていることによって、添梁の強度が大きくなるので、屋根束を介して伝わる屋根の荷重によって添梁が変形することがない。
【0010】
更にまた、前記補強梁20の一端部は、隣接する前記建物ユニット3A、3Fの隣り合う柱10の上端面間にわたるとともに、前記建物ユニット3A、3F同士を接合する第1接合部材30に連結され、前記補強梁20の他端部は、隣接する少なくとも2つの前記建物ユニットの隣り合う柱の上端面間にわたるとともに、前記建物ユニット同士を接合する第2接合部材に連結されていることを特徴とするものでは、補強梁の一端部と他端部とが、それぞれ、第1接合プレートと第2接合プレートとに連結されているので、補強梁の建物ユニットとの連結が強固となる。また、第1接合プレートと第2接合プレートとは、隣接する建物ユニット同士を接合するとともに、補強梁とも接合することができ、部材の兼用化をはかることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、ユニット式建物1の全体が示されており、このユニット式建物1は、複数の下階建物ユニット2と、この下階建物ユニット2上に載置される複数の上階建物ユニット3と、これらの上階建物ユニット3上に載置される屋根である寄せ棟屋根4とを備えて構成され、この寄せ棟屋根4は、複数枚の屋根パネル45(図13参照)を組み合わせて構成されている。
【0012】
各下階建物ユニット2および上階建物ユニット3は、図2に示すように、箱状に形成されている。
すなわち、各建物ユニット2,3は、四隅に立設される4本の柱10と、これらの柱10の上端間同士を、仕口6を介して結合する各4本の天井梁11、および下端間同士を結合する各4本の床梁12とで構成されるフレーム(骨組み)13を備えている。天井梁11は、各2本ずつの長辺天井梁11A、短辺天井梁11Bで形成され、長辺天井梁11A間には、多数本の天井小梁14が架けわたされ、これらの天井小梁14に所定の天井材を取り付けて天井が形成されるようになっている。また、床梁12は、各2本ずつの長辺床梁12A、短辺床梁12Bで形成され、長辺床梁12Aには多数本の根太15が架けわたされ、これらの根太15に所定の床材を取り付けて床が形成されるようになっている。
【0013】
このようなユニット式建物1において、図3に示すように、建物の短辺方向に隣り合う上階建物ユニット3A、3B、3Cと、上階建物ユニット3D、3E、3Fとは、所定の間隔Lをあけて配置されており、この間隔L内に一部(下部)を挟み込ませて補強部材である補強梁20が設けられている。
この補強梁20の上部には、当該補強梁20を挟み込んで、かつ、全長にわたって添部材である添梁60が設けられ、この添梁60の所定位置上に屋根束70が立設され、この屋根束70等により前記屋根が支持されている。
【0014】
補強梁20は、上階建物ユニット3A、3Fの外側端部から上階建物ユニット3B、3Eの建物ユニット3C、3D側の端部にわたっており、この補強梁20により、上階建物ユニット3A、3B、3Eおよび3Fの隣り合う前記天井梁11が補強されている。そして、天井梁11が補強されている上階建物ユニット3A、3B、3Eおよび3Fの、それぞれの一つの角部が集まる部位では、図4に示すように、各ユニットの1本の柱が省略されている。
なお、省略される柱の部位には、輸送や組立用として、仮想線で示すように仮柱10Aが設けられている。
【0015】
補強梁20は、図5に示すように、縦横比の大きな第1、第2チャンネル部材21、22で形成され、これらのチャンネル部材21、22は、互いの開口部を向き合わせて連結固定され、全体として断面扁平角筒状に形成されている。そして、この梁本体21の厚みTが、前記隙間L内に納まる寸法となっており、かつ、挟み込まれるようになっている。
【0016】
補強梁20の一端部は、ユニット式建物1の外側に向かって低くなる傾斜状に切断された切断部20Aとなっている。そして、この切断部20Aの傾斜は、前記屋根4の傾斜と同じ傾斜となっている。
また、補強梁20の一端部には、当該補強梁20の高さ方向ほぼ中心部に、先端から反対側端部に向かって延びる水平な差込み溝20Bが形成されている。この差込み溝20Bには、次に述べる接合プレート30が差込まれるようになっている。
【0017】
このような補強梁20は、一端(外側の建物ユニット側)が、第1接合部材である接合プレート30を介して建物ユニット3Aと3Fとの柱頭に支持され(図5参照)、補強梁20の中央部が、中央接合プレート40を介して、4個集まる建物ユニット3A、3B、3E、3Fの仕口6に支持され(図6参照)、他端が第2接合部材である端部柱頭接合プレート50を介して、4個集まる建物ユニット3B〜3Eの柱頭に支持されている(図7参照)。
【0018】
図5に示すように、接合プレート30は、隣り合う建物ユニット3Aと3Fの隣接する仕口6の上面を覆う大きさの平面四角形状に形成されている。
このような接合プレート30には、2つの仕口6との連結用に、2つのボルト穴30Aおよび位置決め穴30Bがあけられ、また、裏面に2本の位置決めピン31が下向きに設けられている。さらに、接合プレート30には、後で述べる屋根受けブラケット75と連結させるためのボルト穴30Cもあけられている。
一方、仕口6には、ボルト穴30Aに対応するボルト穴6A、位置決めピン31に対応する位置決め穴6B、位置決め穴30Bに対応する位置決めピン7が設けられている。
従って、位置決めピン31を位置決め穴6Bに差し込み、位置決め穴30Bに位置決めピン7を差し込むことにより、接合プレート30は、隣り合う建物ユニット3Aと3Fの隣接する仕口6に位置決めされ、これにより、建物ユニット3Aと3F同士が接合されることになる。
【0019】
接合プレート30の上面、かつ、補強梁20側端部には、前記添梁60を連結させるための添梁連結部材32が設けられている。この添梁連結部材32は、第1、第2部材32A、32Bで構成され、それぞれの部材32A、32Bは、断面L字状部材(アングル材)にリブ32Dを設けて形成されている。また、各部材32A、32Bは、リブ32D同士を所定間隔離し、かつ、対向させた状態で設けられている。
各部材32A、32Bのリブ32D間には、補強梁20の差込み溝20Bに接合プレート30を差込んだとき、補強梁20の差込み溝20Bから上部の部分が通り抜けるようになっている(図8参照)。また、第1、第2部材32A、32Bには、水平方向に図示しないボルト穴がそれぞれ2個あけられるとともに、建物の外側方向の面に裏ナット36が設けられている。
【0020】
図6に示すように、補強梁20の中央部には、補強梁20の両側面に固着されて中央接合プレート40が設けられている(1方の中央接合プレート40は隠れている)。各中央接合プレート40は、それぞれ、隣接する4つの建物ユニット3A、3B、3E、3Fの隣り合う4本の仮柱10Aが集まる部位の2つの仕口6の上部を覆う大きさに形成されている。なお、中央接合プレート40を、隣接する4つの仕口6を覆う大きさに形成し、補強梁20の側面に細溝を形成し、その細溝に中央接合プレート40を差し込む構成としてもよい。
【0021】
各中央接合プレート40には、それぞれ、2つのボルト穴40A、位置決め穴40Bおよびプレート40の裏面に下向きに設けられた位置決めピン41が設けられている。一方、各仕口6には、それぞれ、ボルト穴40Aに対応するボルト穴6A、位置決め穴40Bに対応する位置決めピン7、位置決めピン41に対応する位置決め穴6Bが設けられている。
従って、位置決めピン41を位置決め穴6Bに差し込み、位置決め穴40Bに位置決めピン7を差し込むことにより、各接合プレート40は、隣接する建物ユニット3A、3B、3E、3Fの隣り合う仕口6に位置決めされ、これにより、建物ユニット3A、3B、3E、3F同士が接合されることになる。
【0022】
図7に示すように、補強梁20の他端部には端部柱頭接合プレート50が設けられ、この端部柱頭接合プレート50は、隣接する建物ユニット3B〜3Eの隣り合う4つの仕口6を覆う大きさに形成されている。端部柱頭接合プレート50は、補強梁20の他端部、かつ、上下方向ほぼ中間位置に水平方向にあけられた細溝20Cに一部を差し込んで取り付けられている。このような端部柱頭接合プレート50には、4つのボルト穴50A(1つは隠れている)、4つの位置決め穴50B(2つは隠れている)およびプレート50の裏面に下向きに設けられた4本の位置決めピン51(2本は隠れている)が設けられている。
【0023】
一方、各仕口6には、それぞれ、ボルト穴50Aと対応するボルト穴6A、位置決め穴50Bと対応する位置決めピン7、位置決めピン51と対応する位置決め穴6Bが設けられている。
従って、位置決めピン51を位置決め穴6Bに差し込み、位置決め穴50Bに位置決めピン7を差し込むことにより、各接合プレート50は、隣接する建物ユニット3B〜3Eの隣り合う仕口6に位置決めされ、これにより、建物ユニット3B〜3E同士が接合されることになる。
なお、補強梁20の他端部は、端部が、建物ユニット3B、3Eにおける外側の柱10の端部と同じ位置となるような長さに形成されている。
【0024】
図8〜10に示すように、補強梁20には添梁60が設けられている。この添梁60は、補強梁20の高さより低い寸法、例えば半分程度の寸法のチャンネル部材で構成されており、それぞれ補強梁20を挟んで背中合わせに取り付けられ、かつ、補強梁20の全長にわたって設けられている。そして、添梁60の上面は、補強梁20の上面とほぼ同じ高さとなっている。また、添梁60の上フランジ部60A、下フランジ部60Bの幅は、天井梁11Bの幅とほぼ同じ寸法となっている。
【0025】
添梁60の一端部は、図8に示すように、先端が低くなる傾斜状に形成されるとともに、連結部材61を介して添梁連結部材32に当接され、かつ、添梁60の下フランジ部60Bが天井梁11Bの上方に配置されている。連結部材61は、プレート部材を下フランジ部60Bの端部から傾斜に向かって立ち上げて形成され、この連結部材61は、添梁連結部材32の大きさとほぼ同じ大きさに形成されている。
連結部材61には、水平方向にボルト穴61Aが2個あけられており、このボルト穴61Aからボルト62を差し込み、添梁連結部材32に固着されている裏ナット36と螺合させることにより、添梁60を補強梁20に固定することができるようになっている。
【0026】
各添梁60の中央部には、図9に示すように、前記中央接合プレート40に対応する取付けプレート65が設けられており、この取付けプレート65および添梁60の下フランジ部60Bと、添梁60の上フランジ部60Aとの間には複数枚の補強リブ67が設けられている。
取付けプレート65の幅は、当該幅と添梁60の下フランジ部60Bの幅とを合計したとき、中央接合プレート40の幅とほぼ同じ寸法となるような寸法に形成されている。このような取付けプレート65には、前記中央接合プレート40のボルト穴40Aに対応するボルト穴65Aが2箇所にあけられ、また、下フランジ部60Bには、前記仕口6の位置決めピン7および中央接合プレート40の位置決め穴40Bに対応する位置決め穴65Bがあけられている。
【0027】
従って、建物ユニット3A、3B、3E、3Fの角部の仕口6に取り付けられた前記補強梁20に対して、添梁60を添わせるとともに取付けプレート65の部位を中央接合プレート40に合わせた後、位置決め穴40Bを貫通した仕口6の位置決めピン7に、下フランジ部60Bの位置決め穴65Bを貫通させるとともに、取付けプレート65のボルト穴65Aから中央接合プレート40のボルト穴40Aに向けてボルト8を差し込み、中央接合プレート40の裏面でボルト8とナットとを螺合させることにより、添梁60が、補強梁20に固定されることになる。
【0028】
添梁60の他端部には、図10に示すように、前記端部柱頭接合プレート50に対応する取付けプレート65が設けられている。この取付けプレート65の構造は、前記中央接合プレート40と対応する前記取付けプレート65と同じものが使用されている。そのため、詳しい説明は省略する。
このような取付けプレート65には、端部柱頭接合プレート50のボルト穴50Aに対応するボルト穴65Aが2箇所にあけられ、下フランジ部60Bには、仕口6の位置決めピン7および接合プレート50の位置決め穴5Bに対応する位置決め穴65Bがあけられている。
【0029】
従って、建物ユニット3B、3Eの角部の仕口6に取り付けられた前記補強梁20に対して、添梁60を添わせるとともに取付けプレート65の部位を端部柱頭接合プレート50に合わせた後、端部柱頭接合プレート50の位置決め穴50Bを貫通した仕口6の位置決めピン7に、下フランジ部60Bの位置決め穴65Bを貫通させるとともに、取付けプレート65のボルト穴65Aから端部柱頭接合プレート50のボルト穴50Aに向けてボルト8を差し込み、端部柱頭接合プレート50の裏面でボルト8とナットとを螺合させることにより、添梁60の端部が、補強梁20に固定されることになる。
なお、図8〜10において、添梁60は補強梁20の一方の側面にのみ示されているが、前述のように、補強梁20を挟んで背中合わせ設けられるようになっている。
【0030】
前記屋根束70は、図11,12に示すように、添梁60の中央部および他端部において、中央接合プレート40および端部柱頭接合プレート50の上方に設けられている。
すなわち、屋根束70は、ベースプレート71と、このベースプレート71に固着される本体72と、本体72の上部に設けられる屋根パネル受けプレート73(図3,4参照)とを含んで構成されている。
【0031】
ベースプレート71は、補強梁20を挟んだ両添梁60,60にわたる大きさに形成され、その四隅にボルト穴71Bがあけられている。本体71は、例えば角パイプ部材で形成され、ベースプレート71の中央部に固着されている。また、屋根パネル受けプレート73は、上面が屋根4の傾斜と同じ傾斜となっており、屋根4を構成する屋根パネル45が取り付けられるようになっている。
【0032】
一方、補強梁20を挟んだ両添梁60,60の上フランジ部60Aには、上記ボルト穴71Bに対応する4つのボルト穴60Cがあけられている。
従って、屋根束70を両添梁60,60および補強梁20の上面に載せ、ベースプレート71の上方からボルト73をボルト穴71Bからボルト穴60Cに差し込み、両添梁60,60の上フランジ部60Aの裏面で、図略のナットに螺合させることで、屋根束70を、添梁60および補強梁20に取り付けることができる。なお、これらの屋根束70の他に、全体をバランスよく支持できるように、図示しない屋根束が適宜設けられている。
【0033】
寄せ棟屋根4を構成する屋根パネル45の軒先側端部は、図13に示すように、屋根パネル受け部材である屋根パネル受けブラケット75により支持されている。この屋根パネル受けブラケット75は、プレート部材76と、このプレート部材76上に設けられる屋根支持部材77とで構成され、勝手違いに形成されたものが、前記接合プレート30において、補強梁20を挟んで両側に設けられるようになっている。
【0034】
屋根支持部材77の上面75Aは屋根4の傾斜と同じ勾配の傾斜面となっている。また、屋根支持部材77の端部は、プレート部材76の一方側端部に揃えられている。そして、このような支持部材35の上面に、ボルト78により屋根パネル45が取り付けられている。さらに、プレート部材76には、接合プレート30のボルト穴30A、30Cにそれぞれ対応するボルト穴76A、76Cがあけられている。従って、屋根パネル受けブラケット75を、接合プレート30に載せ、ボルト穴76Aから接合プレート30のボルト穴30Aに向けてボルト8を差し込むとともに、ボルト穴76Bから接合プレート30のボルト穴30Cに向けてボルト9を差し込み、各ボルト8,9を接合プレート30の裏面で、ナットと螺合させることにより、屋根パネル受けブラケット75を接合プレート30に取り付けることができるようになっている。
【0035】
接合プレート30には、2つの屋根パネル受けブラケット75が、それぞれ屋根パネル45を取り付けた状態で、接合プレート30の第1、第2部材32A、32Bの間隔とほぼ同じ間隔をあけて設けられ、支持部材77は互いに対向して配置されている。
なお、図3に示すように、ユニット式建物1の上階建物ユニット3の角部には、寄せ棟屋根4の軒先側端部を支持する屋根パネル受けブラケット80が設けられ、各上階建物ユニット3A〜3Fの接合部には、接合プレートを兼ねるとともに、屋根4の軒先側端部を支持する屋根パネル受けブラケット81が設けられている。
【0036】
次に、本実施形態の作用を説明する。
予め工場で生産した複数の下階建物ユニット2および複数の上階建物ユニット3をトラックで建設現場に搬送し、基礎上に複数の下階建物ユニット2を順次載置、固定するとともに、隣り合う建物ユニット同士を連結板等で連結する。
下階建物ユニット2の上に、複数の上階建物ユニット3を載置するとともに、前記連結板で下階建物ユニット2と上階建物ユニット3とを互いを連結する。
【0037】
次いで、隣接する6つの上階建物ユニット3A〜3Fのうち、4つの上階建物ユニット3A、3B、3E、3Fの互いに対向する短辺梁同士間に、例えばクレーンで吊り下げて補強梁20を配置させるとともに、補強梁20の下半分を挟み込ませ、かつ、接合プレート30、中央接合プレート40および端部柱頭接合プレート50を介して、上階建物ユニット3A、3B、3E、3Fの仕口6に取り付ける。
【0038】
この際、補強梁20の一端部では、接合プレート30を隣接する建物ユニット3Aと3Fの隣り合う仕口6上に載置し、位置決めした後、ボルト8で結合する。補強梁20の中央部では、中央接合プレート40を隣接する4つの建物ユニット3A、3B、3E、3Fのそれぞれの仕口6上に載置するとともに、位置決めピン7,66により互いを位置決めする。また、補強梁20の他端部では、端部柱頭接合プレート50を隣接する4つの建物ユニット3B〜3Eのそれぞれの仕口6上に載置するとともに、位置決めピン7,66により位置決めする。
【0039】
次いで、添梁60を補強梁20に取り付ける。
まず、クレーン等で吊り下げた添梁60の一端部を、連結部材61を接合プレート30の添梁連結部材32に係合させるとともに、添梁60の中央部の取付けプレート65を補強梁20の中央接合プレート40上に載せ、さらに、添梁60の他端部の取付けプレート65を補強梁20の端部柱頭接合プレート50上に載せる。
そして、連結部材61と添梁連結部材32とをボルト62で連結するとともに、添梁60の中央部および他端部の取付けプレート65と、中央接合プレート40、端部柱頭接合プレート50とをボルト8でそれぞれ連結し、添梁60を補強梁20、言い換えれば、建物ユニット3A〜3Fに固定する。
【0040】
この後、添梁60の中央部および他端部上に、屋根束70のベースプレート71を載せ、そのベースプレート71をボルト73で添梁60に取り付けて、屋根束70を設ける。また、別の屋根束を必要に応じて所定位置に立設する。
軒先側に屋根パネル受けブラケット75が取り付けられた屋根パネル45を、上記屋根パネル受けブラケット75と接合プレート30とをボルト8で連結することにより取り付け、順次、他の屋根パネル45を配置し、かつ、互いの屋根パネル同士を連結して、寄せ棟屋根4を上階建物ユニット3上に設ける。
【0041】
このような実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 複数の建物ユニット3A、3B、3Cと3D、3E、3F間に、建物ユニット3A等の天井梁11の上端面より高い上面を有する補強梁20を設けた場合でも、補強梁20に添梁60を取り付け、補強梁20と添梁60との上端面の高さが同じとなっているので、これらの補強梁20と添梁60とにわたって屋根束70を容易に設けることができ、これにより、屋根の取り付けも容易となる。
【0042】
(2) 添梁60が補強梁20の両側面に設けられているので、添梁60と補強梁20との上面の面積が広くなり、これにより、屋根束70の設置が容易となる。
(3) 屋根束70は、ベースプレート71と本体72とを含み構成され、屋根束70を設けるに際しては、ベースプレート71を、補強梁20の上端面を含む両添梁60の上端面間にわたって設ければよいので、本体72の大きさを必要以上に大きくしなくてもよくなり、その結果、製作や取扱いが容易となる。
【0043】
(4) 添梁60の取付けプレート65は、補強リブ67によって補強されているので、添梁60の強度が大きくなり、屋根束70を介して伝わる屋根4の荷重によって添梁60が変形することがない。
(5) 補強梁20の一端部と他端部とが、それぞれ、接合プレート30と端部柱頭接合プレート50とに連結されているので、補強梁20の建物ユニット3A等との連結が強固となる。また、接合プレート30と端部柱頭接合プレート50とは、隣接する建物ユニット3A、3F等同士を接合するとともに、補強梁20とも接合することができ、部材の兼用化を図ることができ、省部材化を図ることができる。
【0044】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、次のような変形形態でもよいものである。
例えば、前記実施形態では、添梁60を補強梁20の全長にわたって添わせて形成したが、これに限らない。屋根パネル45を支持する屋根束70を、添梁60と補強梁20との上面に立設することができればよいので、少なくとも、補強梁20の中央部および他端部に添梁60が設けられていればよい。
また、前記実施形態では、補強梁20を第1、第2チャンネル部材21、22の2部材で形成したが、これに限らず、例えば、縦横比の大きな角パイプを使用してもよい。
【0045】
さらに、前記実施形態では、添梁60をチャンネル部材で形成したが、これに限らず、例えば、L型鋼部材、板状部材あるいは矩形パイプ状部材等を使用してもよい。要は、補強梁20の上面との間で、所定の大きさの屋根束を設けることができればよい。
また、前記実施形態では、屋根が寄せ棟用屋根4となっているが、これに限らず、本願発明は、屋根束70を用いるものであれば、屋根等、他の屋根にも適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本願の発明によれば、複数の建物ユニット間に、建物ユニットの天井梁の上端面より高い上面を有する補強梁を設けた場合でも、補強梁と添梁との上端面の高さが同じとなっているので、これらの補強梁と添梁とにわたって屋根束を設けることができ、これにより、屋根を容易に支持することができる。
また、添梁が補強梁の両側面に設けられているので、添梁と補強梁との上面の面積が広くなり、これにより、屋根束を容易に設けることができる。
【0048】
更に、ベースプレートを、補強梁上端面を含む両添梁上端面間にわたって設ければよいので、屋根束の構成部材を必要以上に大きくしなくてもよく、製作や取扱いが容易となる。
そして、補強リブによって添梁の強度が大きくなるので、屋根束を介して伝わる屋根の荷重によって添梁が変形することがない。
【0050】
そして、補強梁の一端部と他端部とが、それぞれ、第1接合プレートと第2接合プレートとに連結されているので、補強梁の建物ユニットとの連結が強固となる。また、第1接合プレートと第2接合プレートとは、隣接する建物ユニット同士を接合するとともに、補強梁とも接合することができ、部材の兼用化を図ることができ、省部材化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るユニット式建物を示す全体斜視図である。
【図2】前記実施形態のユニット式建物を構成する建物ユニットの骨組みを示す全体斜視図である。
【図3】前記実施形態のユニット式建物の上階建物ユニットと補強梁と屋根との相互関係を示す斜視図である。
【図4】図3においてIV−IV線に沿って断面した縦断面図である。
【図5】前記実施形態の補強梁の一端部と接合プレートと建物ユニット柱頭部との相互関係を示す分解斜視図である。
【図6】前記実施形態の補強梁の中央部と建物ユニット柱頭部との関係を示す分解斜視図である。
【図7】前記実施形態の補強梁の他端部と建物ユニットの柱頭部との関係を示す分解斜視図である。
【図8】前記実施形態の補強梁の一端部と添梁の一端部との取付関係を示す分解斜視図である。
【図9】前記実施形態の補強梁の中央部と添梁の中央部との取付関係を示す分解斜視図である。
【図10】前記実施形態の補強梁の他端部と添梁の他端部との取付関係を示す分解斜視図である。
【図11】前記実施形態の添梁と屋根束を取付ける状態を示す分解斜視図である。
【図12】前記実施形態の添梁と屋根束を取付ける他の部位での状態を示す分解斜視図である。
【図13】前記実施形態の屋根パネル受けブラケットと屋根パネルとを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ユニット式建物
2 下階建物ユニット
3 上階建物ユニット
4 屋根
10 柱
11 天井梁
20 補強梁
30 第1接合部材である接合プレート
40 中央接合プレート
50 第2連結プレートである端部柱頭接合プレート
65 取付けプレート
70 屋根束
71 ベースプレート
Claims (4)
- 複数本の柱と、これらの柱の上端間同士を結合する天井梁および下端間同士を結合する床梁を含み箱状に形成されかつ角隅部を寄せ合わせて配置される複数の建物ユニットと、これらの建物ユニット上に配置される屋根とを備えて構成されるユニット式建物であって、
前記角隅部を横切る方向に複数の建物ユニット間にわたって補強梁が設けられ、この補強梁の下部は横方向に隣接する前記建物ユニットの隣り合う前記天井梁間に挟み込まれるとともに、上部は前記天井梁より上方に突出し、
前記補強梁には当該補強梁の上端面とほぼ同じ高さの上端面を有する添梁が設けられ、
この添梁は、前記天井梁より上方に突出した前記補強梁の略全長にわたる両側面に設けられ、
前記屋根は前記添梁と補強梁とにわたって設けられる複数の屋根束に支持されていることを特徴とするユニット式建物。 - 請求項1に記載のユニット式建物において、前記屋根束はベースプレートを介して設けられ、このベースプレートは、前記補強梁の上端面を含む前記両添梁の上端面間にわたって設けられていることを特徴とするユニット式建物。
- 請求項2に記載のユニット式建物において、前記添梁の前記屋根束が設けられる部位の側面には、補強リブが設けられていることを特徴とするユニット式建物。
- 請求項2又は3に記載のユニット式建物において、前記補強梁の一端部は、隣接する前記建物ユニットの隣り合う柱の上端面間にわたるとともに、前記建物ユニット同士を接合する第1接合部材に連結され、前記補強梁の他端部は、隣接する少なくとも2つの前記建物ユニットの隣り合う柱の上端面間にわたるとともに、前記建物ユニット同士を接合する第2接合部材に連結されていることを特徴とするユニット式建物。
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